JP3853965B2 - 蓄熱システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱システムに関するものであり、さらに詳細には、夏季においては夜間等の安価な電力を利用して蓄熱槽内に内蔵した水・ブライン混合液を冷暖切替冷凍機もしくは運転休止中の他システムの冷凍機を運転して冷却蓄熱し、気温の高い昼間などの高負荷時等に、前記蓄熱槽内に蓄熱された過冷却状態の水・ブライン混合液を冷蔵ショーケースや冷蔵庫等からなる冷凍システムや空調システムに直接供給しその時間帯において各システム内の冷凍機を停止または部分運転しながら、該氷・ブライン混合液により前記冷凍システムや空調システムを直接冷却できるようにした蓄熱システムに関するものであり、
また、冬季においては、冷蔵ショーケースや冷蔵庫等の冷凍システムから排熱される熱を回収利用して蓄熱槽内の水・ブライン混合液を加温し、あるいは加温が足りない場合には水・ブライン混合液を加温する冷暖切替冷凍機を運転して蓄熱槽内に温熱を蓄熱し、この蓄熱を暖房用システムに有効活用できるエネルギー節約型の蓄熱システムに関するものである。
なお、本明細書中で使用する冷凍システムは、冷凍、冷蔵などを含む広義の用語として使用する。
【0002】
【従来の技術】
最近の電力需要の伸びにより、真夏の電力消費ピーク時には電力不足等が心配される事態となってきている。一方、電力は貯蔵ができないため、ピーク負荷に合わせて発電施設を作らなくてはならず、昼夜間または季節間の需要格差の拡大は電力コストの大きな要因となっている。
また、冬季においては、常時運転している冷蔵ショーケースや冷蔵庫等の冷凍システムから排熱される熱をそのまま戸外に排出しているため、熱の有効利用の点において改善の余地があるシステムとなっている。
このため、電力会社は、電気のムダな使用を極力排除するため、あるいは電力需要格差を解消するために、負荷の平準化を目指して、業務用蓄熱調整契約やピーク時間調整契約等の制度を設け、蓄熱システムの奨励を実施している。
【0003】
こうした蓄熱システムの中の一例として図10に示すものがある。
このシステムは、運転に余力のある熱源ユニット(空調系または冷凍系の内、余力のある冷凍機)によって冷却された冷媒やブラインを蓄熱槽内の冷却コイルに循環させ、氷蓄熱槽内の水を冷却蓄熱し、必要とする時に冷却された水を熱交換器に供給し、この熱交換器で冷蔵ショーケースや冷蔵・冷凍庫等からなる冷凍機システム内の冷媒(冷媒液)を間接的に過冷却状態に冷却することにより、冷凍機本体の消費電力を抑制するようにしている。
【0004】
しかし、このシステムでは、主たる冷却はその系を受け持つ冷凍機から供給される冷媒によるものであり、蓄熱槽からの冷却は間接的かつ補助的であり、冷凍機の運転を停止することはできない。又、蓄熱槽内に蓄熱、製氷する際に、冷却されたブラインを利用して蓄熱槽内に貯留されている水を冷却し、製氷するため、冷却時に蓄熱槽内の熱交換器(図示せず)周囲に氷結し、氷ができた場合には熱伝導が低下し、冷却効率が著しく低下する等の問題がある。更に、蓄熱槽内に蓄熱される熱量は、余力を利用してのことであり、負荷の大きい時期に於ける冷凍機運転への補助率は大変少ない。また、冷却媒体として氷ー水を使用しているため零度以下の冷却には利用できず、例えば−5°Cの冷却温度を必要とする冷蔵ショーケース等には採用することができない等の致命的な欠陥がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、蓄熱槽内に、ブラインと水をある濃度成分に混合した水・ブライン混合液を貯蔵しておき、その混合液を冷暖切替冷凍機(あるいは他の休止している冷凍機)を利用してブライン濃度に応じた0°C以下の氷結温度にまで至らしめ、混合液体中の水をして0°C以下の氷を作ると共に、ブラインをも低温化させて蓄熱し、空調システムには前記過冷却状態の混合液を供給して空調動作を行わせるとともに、ショーケース等の冷凍システムの最大負荷時にも前記過冷却状態の混合液を同冷凍システムに供給し、システム内の冷凍機の運転停止または部分運転をさせることにより電力の消費を押さえ、上記問題点を解決することを目的とする。
また、冷房の必要がない冬季には、冷却運転している冷蔵ショーケース等の冷凍システムから排熱される熱を回収蓄熱し有効利用することにより冬季においてもできるだけ無駄な電力の消費を押さえる蓄熱システムを提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、冷暖切替冷凍機(あるいは休止している冷凍機)から氷蓄熱槽内に配置した熱交換器に極低温に冷却された高濃度のブラインや、フロン冷媒を供給し、氷蓄熱槽内に貯留してある水・ブライン混合液を前記熱交換器を介して水の凝固点以下に低下させ、水が氷となってブライン内に混入しているシャーベット状の液を作り、このシャーベット状混合液を空調システムあるいは冷凍システムに直接供給して省電力化を図るものである。
【0007】
氷蓄熱槽内で作られたシャーベット状の混合液は、氷蓄熱槽内の熱交換器に真水の様に固く氷結することがなく、混合液体を効率よく零度以下の必要とする温度にまで冷却することができる。即ち、混合液を冷却してゆくと、そのブライン濃度に特有の濃度ー氷結温度の氷結曲線の傾向にそってブライン中の水が氷結し、混合液にはシャーベット状の氷が生成される。このため、混合液を過冷却状態にしても氷蓄熱槽内の熱交換器周囲に氷が付着することが少なく、付着したとしてもその氷はシャーベット状であり、真水の氷とは異なり水分の多い氷であるため、水を冷却コイルに氷結させる方法に比較し、熱伝達率が向上し、蓄熱効率を大幅に高めることができる。さらにシャーベット状の氷を含んだ混合液は、そのまま、あるいは隔離板等を利用して氷を分離濾過した状態でポンプにより必要とする冷却システムに供給することができ、その混合液により直接的にかつ効果的に冷却システムを冷やすことが可能となる。
【0008】
また、混合液はブライン濃度によって冷却温度をある程度の低温域にまで低下させることができるため、冷却、冷凍温度の異なる機器(たとえば冷蔵ショーケースや冷蔵庫など)を複数直列に接続しておき、温度の低い機器から順次、過冷却混合液を循環させて行くことで、一度に異なった温度領域の多数の機器を有する冷却システムを冷却できることになり、利用温度幅を増大させることにより供給熱媒量を少なくすることができ、その搬送用電力消費の抑制に極めて多大の効果を発揮する。
【0009】
さらに、本発明は、冬季において冷蔵運転している冷蔵ショーケースや冷蔵庫等の冷凍システムから排熱される熱を回収蓄熱し、その温熱を有効に利用して冬季における空調システムにおいても電力の消費をできるだけ押さえることができるようにする。
このシステムでは、冬季において冷蔵運転中の冷蔵ショーケースや冷蔵庫等の冷凍システムから排熱される熱を有効利用して蓄熱し、あるいは冷蔵ショーケースや冷蔵庫等から排熱される熱では、蓄熱量が不足する場合には負荷回路中に設けたダミー負荷を作動させ、蓄熱槽に温熱の蓄熱を充分に行えるようにする。さらにダミー負荷を運転しても十分でない場合には冷暖切替冷凍機を運転して蓄熱槽内に温熱を蓄熱する。そして、蓄熱槽内に蓄熱した温熱を利用して、暖房用の熱源とし、冬季における電気の有効利用を図る。
【0010】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
建物内の空調などを行う第1冷凍システムと、複数の冷蔵ショーケースや冷蔵庫等を冷却する第2冷凍システムと、水とブラインとを所定の割合で混合した水・ブライン混合液を貯蔵しておく氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内の水・ブライン混合液に蓄熱するための冷暖切替冷凍機と、前記冷暖切替冷凍機の熱を建物内の空調などを行う第1冷凍システムに間接的に供給する熱交換機と、前記冷暖切替冷凍機からの熱を前記蓄熱槽および前記熱交換機に供給するパイプラインと、前記蓄熱槽内の水・ブライン混合液を建物内の空調などを行う第1冷凍システムおよび複数の冷蔵ショーケースや冷蔵庫等を冷却する第2冷凍システムに供給するパイプラインと、前記夫々のパイプライン中に設けたバルブ、ポンプからなることを特徴とする蓄熱システムであり、
【0011】
また、建物内の空調などを行う第1冷凍システムと、複数の冷蔵ショーケースや冷蔵庫等を冷却する第2冷凍システムと、水とブラインとを所定の割合で混合した水・ブライン混合液を貯蔵しておく氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内の水・ブライン混合液を冷却する冷暖切替冷凍機とを備え、所定の時間帯に前記冷暖切替冷凍機を運転して前記氷蓄熱槽内に蓄熱しておき、少なくとも前記第1、第2冷凍システムのうちいずれか一方の最大負荷時間帯に氷蓄熱槽内の氷ーブライン混合液を供給して同システムを直接的に冷却すべく構成したことを特徴とする氷蓄熱システムであり、
【0012】
また、建物内の空調などを行う第1冷凍システムと、使用温度の異なる複数の冷蔵ショーケースや冷蔵庫などの被冷却体を冷却する第2冷凍システムと、水とブラインとを所定の割合で混合した水・ブライン混合液を貯蔵しておく氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内の水・ブライン混合液を冷却する冷暖切替冷凍機とを備え、前記第1冷凍システムと、前記第2冷凍システムとを必要に応じて独立して運転できるシステムにおいて、前記冷暖切替冷凍機を所定の時間帯に運転して前記氷蓄熱槽内に蓄熱しておき、所定の時間帯に冷暖切替冷凍機および第2冷凍システムの冷凍機の運転を停止し、氷蓄熱槽内の氷ーブライン混合液を第2冷凍システム内の温度の低い被冷却体から順次循環させ、さらに第1冷凍システムに循環させて、前記第2冷凍システムおよび第1冷凍システムを氷ーブライン混合液により直接冷却できるようにしたことを特徴とする氷蓄熱システムであり、
【0013】
また、建物内の空調などを行う第1冷凍システムと、複数の冷蔵ショーケースや冷蔵庫などの被冷却体を冷却する第2冷凍システムと、水とブラインとを所定の割合で混合した水・ブライン混合液を貯蔵しておく氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内の水・ブライン混合液を冷却する冷暖切替冷凍機とを備え、前記蓄熱槽内には前記冷暖切替冷凍機からの熱または第2冷凍システムの排熱を回収して温熱を蓄熱できるようにするとともに前記冷暖切替冷凍機からの氷熱を蓄熱できるようにし、所定の時間帯に蓄熱槽内の水・ブライン混合液を利用して第1冷凍システムまたは第2冷凍システムの電気消費を抑制できるようにしたことを特徴とする蓄熱システムであり、
【0014】
また、前記第1冷凍システムには第1冷凍システムの熱量不足を補うための補助冷凍機が設けられていることを特徴とする蓄熱システムであり、
【0015】
また、前記氷蓄熱槽内の水・ブライン混合液を冷却する冷暖切替冷凍機は、運転休止中の冷凍システムの冷凍機に置き換えることができるようにしたことを特徴とする氷蓄熱システムである。
【0016】
【実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
説明にあたって、先ず本システムの基本となる蓄熱システム(氷蓄熱システム)の構成を説明し、その後、温熱を蓄熱するシステム(温熱蓄熱システム)の構成を説明する。なお温熱蓄熱システムは、氷蓄熱システムの基本構成に温熱蓄熱用の負荷回路を設けたものである。なお、以下の第1冷凍機(R−1)、補助冷凍機(R−2)は冷暖切替冷凍機として、さらに第2冷凍機(R−3)3は後述する温熱蓄熱システムを稼働させた際には排熱を回収できる機能を有している。
図1は、本発明の実施形態に係わる氷蓄熱システムの構成図である。
図において1は蓄熱槽内に氷蓄熱するとともに、必要に応じて熱交換機10を介して第1冷凍システムに熱を間接的に供給できる第1冷凍機(R−1)、2は空調システムを構成する第1冷凍システム用の補助冷凍機(R−2)、3は冷蔵ショーケースや冷蔵庫等からなる第2冷凍システム用の第2冷凍機(R−3)、4は蓄熱槽(氷蓄熱槽)、5は空調機器(AC)、6〜8は第1〜第3ショウーケース(SC−1〜SC−3)、10は熱交換器であり、これらは、図示の如くパイプラインで接続されている。そしてこのパイプライン中には、第1〜第3ポンプP−1〜P−3、第1バルブV1、第2バルブV2、第3バルブV3、第4バルブV4、第5バルブV5、第6バルブV6、第7バルブV7、第8バルブV8、第9バルブV9、第10バルブV10、第11バルブV11、第12バルブV12、第13バルブV13、第14バルブV14、第15バルブV15、第16バルブV16が配置されている。
【0017】
前記第1冷凍機(R−1)1は後述する(氷)蓄熱槽4内の水・ブライン混合液を冷却するとともに、必要に応じて熱交換機10を介して第1冷凍システムに間接的に冷熱を供給できる冷暖切替冷凍機である。
補助冷凍機(R−2)2は第1冷凍システムを構成する空調機器(AC)用の補助冷凍機であり、空調機器(AC)に接続する管路には前記熱交換器10が配置されている。
第2冷凍機(R−3)3は第2冷凍システムとしての第1〜第3ショウーケース(SC−1〜SC−3)さらには図示せぬ冷蔵庫等の専用の冷凍機であり、後述する温熱蓄熱システムを稼働させた際には排熱を回収できる機能を有している。
前記第1冷凍機、第2冷凍機および補助冷凍機は、いづれも従来公知のものを使用している。
また、第1冷凍機を蓄熱時外に運転し、蓄熱槽または熱交換器10を介して冷却するとともに補助冷凍機を運転することにより冷却(または暖房)されるシステムを第1冷凍システムとし、第2冷凍機を運転することにより冷却されるシステムを第2冷凍システムとする。
【0018】
(氷)蓄熱槽4は、断熱槽として構成され、また(氷)蓄熱槽4内には第1冷凍機(R−1)1によって冷却された濃度の高いブラインを通す図示せぬ熱交換器が設けられており、内部には水とブラインが所定濃度に混合された水・ブライン混合液が貯蔵されている。そして、第1冷凍機(R−1)1により冷却されたブラインにより蓄熱槽4内の水・ブライン混合液を所定の温度にまで冷却できるようになっている。たとえば、−5°C前後の水・ブライン混合液を作る場合には、蓄熱槽内の水・ブライン混合液はそれに対応した濃度の水・ブライン混合液としておくとともに、第1冷凍機(R−1)1のブラインは−10°C程度にまで冷却しておく必要がある。
【0019】
前記第1冷凍機(R−1)1、(氷)蓄熱槽4、熱交換器10を接続しているパイプラインには、(氷)蓄熱槽4内の水・ブライン混合液を過冷却するために濃度の高いブラインが満たされており、第1ポンプP−1を作動し、かつ、第1〜第3バルブV1〜V3を切り換えることにより第1冷凍機(R−1)1によって極低温(たとえばマイナス10°C)にまで冷却されたブラインを、(氷)蓄熱槽4あるいは熱交換器10に循環できるようになっている。
【0020】
補助冷凍機(R−2)2、第2冷凍機(R−3)3、空調機器(AC)、第1〜第3ショウーケース(SC−1〜SC−3)および(氷)蓄熱槽4を接続しているパイプライン中には、(氷)蓄熱槽4内に貯留される水・ブライン混合液と共通の混合液が満たされており、第2ポンプP−2あるいは第3ポンプP−3を作動し、かつ、第4バルブV4〜第16バルブV16を切り換えることにより、補助冷凍機(R−2)2によって空調機器(AC)を冷却したり、第2冷凍機(R−3)3によって第1〜第3ショウーケース(SC−1〜SC−3)を専用に冷却したり、あるいは、蓄熱槽4内に貯留されている過冷却された混合液を空調機器(AC)、第1〜第3ショウーケース(SC−1〜SC−3)等に循環させることができるようになっている(なお、この詳細については後で説明する)。
【0021】
また、前記ショウーケースについては、冷却温度が、たとえば第1ショウーケース6は−5°C〜0°Cの範囲、第2ショウーケース7では0°C〜+5°Cの範囲、第3ショウーケース8では+5°C〜10°Cの範囲のように冷却温度が図中下方に行くにしたがって高くなるようなものとしてある。なお、ショーケースは図のように3台に限定することなく、冷却温度勾配をもったものを3台以上接続することも可能であり、さらに冷蔵庫なども接続することができるが、第2冷凍システムの最終の冷却温度は、第1冷凍システムの空調機器(AC)の冷却温度よりも低いことが重要である。
【0022】
つづいて、上記構成の氷蓄熱システムの運転状態を図面を参照して説明する。なお、図中太線で示されるパイプラインが運転中のラインを示しており、また、パイプライン中の各バルブの開閉状態は図中に示す図形により開閉状態を表している。
(1)図2は電力各社によって定められた安価な電気を使用することのできる夜間の時間帯を利用して(氷)蓄熱槽4に蓄熱する状態の図である。
この状態の時には、第1バルブV1、第10バルブV10、第13バルブV13〜第15バルブV15を開き、その他のバルブを閉じておき、さらに第1、第3ポンプP−1、P−3が運転状態、第2ポンプP−2が停止状態となっている。
即ち、この時間帯は夜間であるためオフィスなどでは空調機器(AC)は運転されず、また冷蔵ショーケースは商品の品質を保持するために第2冷凍機(R−3)3が連続運転状態となっている。また、夜間の安価な電力を使用して第1冷凍機(R−1)1を運転し、(氷)蓄熱槽4内の水・ブライン混合液を過冷却し、(氷)蓄熱槽4内に蓄熱しておく。蓄熱作動状態の時には第1冷凍機(R−1)1のブラインは(氷)蓄熱槽4内の目標冷却温度よりも低温のブラインとし、これにより(氷)蓄熱槽4内の水・ブライン混合液は目標温度にまで過冷却状態となる。即ち、この状態の時には混合液中の水はシャーベット状となりながら蓄熱し、従来の水のみに比較して蓄熱効率を大幅に高めることができる。
【0023】
(2)図3は電気料金が夜間でありながら通常料金の時間帯であり、冷蔵ショーケースのみを連続運転している状態の図である。
この状態の時は、第3ポンプP−3のみを運転状態としておき、このラインの中の第10バルブV10、第13バルブV13〜第15バルブV15を開き、その他のバルブを閉じておく。
即ち、夜間であるためオフィスなどでは空調機器(AC)は運転されず、また冷蔵ショーケースは商品の品質を保持するために第2冷凍機(R−3)3により冷却状態が維持される。なお、第2冷凍機(R−3)3により冷却された水・ブライン混合液は第3ポンプP−3を作動して第1ショーケース(SC−1)から第3ショーケース(SC−3)に向かって順次供給され、それぞれのショーケースを所定の温度に冷却する。また、この時間帯は電気料金が昼間と変わらないため、第1冷凍機R−1による(氷)蓄熱槽4への蓄熱作動は行わない。
【0024】
(3)図4は電気料金が通常料金の時間帯であり、空調機器(AC)と、冷蔵ショーケースを同時運転している状態の図である(たとえば、店舗が営業開始された直後等、一度に大容積の空間を冷房する必要のある時)。
この状態の時は、第1バルブV1、第4バルブV4、第6バルブV6、第7バルブV7、第10バルブV10、第13バルブV13〜第15バルブV15を開き、その他のバルブを閉じ、すべての第1〜第3ポンプP−1〜P−3を運転状態とする。
この状態の時は、空調機器(AC)の冷却能力がその負荷量によっては第1冷凍機(R−1)1の運転だけでは不足するため、補助熱源である補助冷凍機(R−2)2を運転し、第1冷凍機(R−1)1で蓄熱した(氷)蓄熱槽4から、第2ポンプP−2により低温の水・ブライン混合液を空調機器(AC)AC→補助冷凍機(R−2)2に供給して、第1冷凍機(R−1)1の能力不足を補うようにする。また、冷蔵ショーケースは第2冷凍機(R−3)3により直接冷却されている。
また、蓄熱槽内には第1冷凍機(R−1)1から氷熱が供給される状態となっているが、蓄熱槽内の蓄熱状態によっては、例えば、蓄熱槽内に蓄熱を十分に保持したままにしておきたい時等には、第1バルブV1を閉じ、第2、第3バルブV2、V3を開とし、熱交換器10のみに第1冷凍機(R−1)から氷熱を供給し、空調機器ACの冷却を間接的に行うこともできる。
【0025】
(4)図5は冷凍機等を停止することによりその使用電力を低減した値に応じて電気料金がペイバックされる時間帯であり、この時間帯を氷蓄熱システムにより完全に補っている状態の図である。
この状態の時は、第8バルブV8、第9バルブV9、第11バルブV11、第12バルブV12、第16バルブV16を開き、その他のバルブを閉じておき、第2ポンプP−2のみを運転状態ととする。
即ち、この状態では、第1、第2冷凍機および補助冷凍機は運転が停止され、電力消費は極めて小さい状態となっている。そして、冷蔵ショーケースおよび空調機器(AC)は(氷)蓄熱槽4から第2ポンプP−2を作動で供給される水・ブライン混合液によって冷却温度の低い冷蔵ショーケース6から冷却温度の高い空調機器(AC)に向けて順次循環し、それぞれの機器を効率的に冷却する。この図の場合では、例えば、冷蔵ショーケース(SCー1)は温度が−5°C〜0°Cであり、冷蔵ショーケース(SCー2)は温度が0°C〜+5°Cであり、冷蔵ショーケース(SCー3)は温度が+5°C〜プラス10°Cであり、空調機器(AC)は10°C〜20°Cであり、これらを各々を冷却するため、水・ブライン混合液は冷蔵ショーケース(SCー1)→冷蔵ショーケース(SCー2)→冷蔵ショーケース(SCー3)→空調機器(AC)の順に循環され、それぞれの部分で冷却作用を行う。
こうして(氷)蓄熱槽4内に蓄熱した熱を有効に利用して冷却を行うため、僅かな量の熱媒供給で賄えるため、その搬送用電力消費を抑制でき、省電力化を図ることができ、極めて有利なコストで各種機器の運転が可能となる。
【0026】
以上のように本氷蓄熱システムでは電気料金の安価の時間帯に、専用の第1冷凍機(R−1)1あるいは余力のある他の冷凍機を運転して(氷)蓄熱槽4に蓄熱しておき、低減電力に応じて料金が割引きされる時間帯に冷凍機の運転を停止して(氷)蓄熱槽に蓄熱しておいた水・ブライン混合液を利用して冷却するため、電気料金の大幅な節約ができるとともに、効率的な冷却を実現できる。特に氷ーブラインの混合液を使用し、冷却時に氷の大きな潜熱を有効に活用できるため、(氷)蓄熱槽自身の容積を小さくすることが可能となり、さらに、冷却温度も零度以下の極めて低い温度とすることができるため、水・ブライン混合液を循環するだけで複数の冷却システムを順次冷却することが可能となる。この結果、効率的な冷却システムを構築することができる。
【0027】
以上、本発明に係わる氷蓄熱システムの実施の形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内で種々の形態を実施することが可能である。
たとえば、(氷)蓄熱槽への蓄熱の時間帯、蓄熱するために使用する冷凍機の選択、(氷)蓄熱槽内に蓄熱した熱量の有効利用(たとえばバルブの切換や第1冷凍機、補助冷凍機、第2冷凍機の運転優先順位の選択)などは、対象とするシステムに応じて容易に変更することができる。また、各ポンプやバルブの切換は図示せぬ制御機器によって夫々の状態に合って制御されることは当然である。また、(氷)蓄熱槽への蓄熱は上記例では専用の第1冷凍機を使用しているが、他の休止している冷凍機を利用して蓄熱することも可能である。さらに、蓄熱槽用の第1冷凍機による第1冷凍システムへの熱供給を行う媒体として熱交換器10やそれに接続するパイプラインは必要に応じて省略することも可能である。
【0028】
つづいて、図6を参照して本発明の第2実施形態として、冷、温熱を同時に利用することができる第2冷凍機(R−3)を運転することにより冬季に於ける電気の有効利用に関する温熱蓄熱システムの説明をする。
この温熱蓄熱システムは、前述した氷蓄熱システムの基本構成に温熱蓄熱用の負荷回路を設けた点で特徴がある。なお、本実施形態において新たに付加した配管、構成要件には20番台の符号を使用して説明する。
図6において、第2冷凍機R−3と第1ポンプP−1との間に熱を回収した温熱媒体を循環させるためのパイプライン21、22が図示の如く配置され、さらに、配管内には、4つの蓄熱用バルブV21〜V24が配管中に配置されている。また、前述の氷蓄熱システム中の第2冷凍機R−3と第14バルブV14との間にはダミー負荷用の冷却器24が配置されており、第2冷凍機R−3側には流量調整バルブ23が設けられている。また、第1、補助冷凍機は運転を切り換えることで、暖房用の冷凍機としても利用できるものである。その他の回路構成は前述した氷蓄熱システムと同じ構成であり、同じ符号は同じ構成要素を表している。
【0029】
つづいて、上記構成の温熱蓄熱システムの運転状態を図面を参照して説明する。なお、図中太線で示されるパイプラインが運転中のラインを示しており、また、パイプライン中の各バルブの開閉状態は図中に示す図形により開閉状態を表している。
(a)図7は冬季において、時間帯は例えば午後10時から午前8時までの間で空調系は休止状態にあり、第2冷凍機(R−3)を運転することにより冷、温熱を取り出すことができるため、冷蔵ショーケース系は冷却運転ができるとともに、同時に温熱蓄熱を行っている状態である。夜間の冷蔵ショーケース系から排熱される熱を回収蓄熱するとともに、この間の第2冷凍機(R−3)運転による温熱蓄熱が不十分なとき、第1冷凍機(R−1)の暖房運転によっても蓄熱槽内に十分蓄熱することができる形態である。
この状態の時には、蓄熱用バルブV21、V22、V24を開き、バルブV23を閉じておき、また第10バルブV10、第13〜第15バルブV13〜V15を開いておき、その他のバルブを閉じておく。また流量調整バルブ23はショーケース群の負荷量に応じてその開度が調整されており、第2冷凍機、第1、第3ポンプP−1、P−3が運転状態、第1、補助冷凍機R−1、R−2、第2ポンプP−2が停止状態となっている。
即ち、この時間帯は夜間であるためオフィスなどでは空調機器(AC)は運転されず、また冷蔵ショーケースは商品の品質を保持するために第2冷凍機(R−3)3のみが連続運転状態となっている。また、冷蔵ショーケースのみの負荷運転では温熱蓄熱が不足する場合があるためより多くの蓄熱を行うためのダミー負荷用の冷却器24が運転状態となっている。
このため、夜間の安価な電力を使用して運転中の冷蔵ショーケース系の回路から排熱される温熱を蓄熱槽4内に蓄熱することができ、また冷蔵ショーケース系の回路からの排熱では不足する場合にはダミー負荷用の冷却器が運転されるため、夜間において十分な温熱蓄熱が可能となる。なお第2冷凍機R−3は冷、温熱を同時に発生させることができる熱回収型の冷凍機であり、従来公知のものである。さらに蓄熱槽への蓄熱が必要な時にはバルブV23を閉じ第1冷凍機(R−1)の暖房運転により十分蓄熱を行うことができる。
【0030】
(b)図8は電気料金が通常の時間帯である昼間の運転状態(たとえば午前9時から午後8時までの間)を示す図である。
この状態の時には、蓄熱用バルブV21、V22を開いておき、また第4バルブV4、第6バルブV6、第7バルブV7、第10バルブV10、第13〜第15バルブV13〜V15を開いておき、その他のバルブを閉じておく。また流量調整バルブ23はショーケース群の負荷量に応じてその開度が調整されており、第2冷凍機R−3が運転状態、第1冷凍機R−1が蓄熱槽内に熱供給状態、補助冷凍機R−2が空調機器(AC)の負荷の状況に応じて補助的に運転を行う状態、第1、第2、第3ポンプP−1、P−2、P−3の全てが運転状態となっている。
即ち、この時間帯は昼間であるためオフィスなどでは空調機器(AC)は運転中、冷蔵ショーケース系でも冷却運転中であるため、第1冷凍機(R−1)が運転状態、必要に応じて補助冷凍機(R−2)が運転状態、第2冷凍機(R−3)が運転状態となっており、蓄熱槽4からは、第2ポンプP−2により温度の高い水・ブライン混合液が空調機器(AC)ACに供給される。
また、冷蔵ショーケース群の冷却負荷のみでは温熱蓄熱が不足する場合があるためダミー負荷用の冷却器24も運転状態となっている。
更に負荷が大きい時は、第1冷凍機R−1のみでは空調機器(AC)の暖房能力が不足するため、蓄熱槽4から、第2ポンプP−2により温度の高い水・ブライン混合液を空調機器(AC)AC→補助冷凍機(R−2)2に供給して、補助冷凍機(R−2)2の運転により能力不足を補うようにする。また、冷蔵ショーケースは第2冷凍機(R−3)3により直接冷却されており、第2冷凍機(R−3)3内において蓄熱槽側の媒体を加熱することができるようになっている。第2冷凍機(R−3)3内において熱交換され、加熱された媒体は、第1冷凍機(R−1)1内の配管を介して循環し、蓄熱槽内に温熱を蓄熱する。
【0031】
(c)図9は時間帯は例えば午前8時〜午前9時および午後8時〜午後10時の間で空調系は休止状態にあり、冷蔵ショーケース系は冷却運転中であり、冷蔵ショーケース系からの排熱により温熱蓄熱を行っている状態である。即ち、夜間の冷蔵ショーケース系から排熱される熱を蓄熱しておく形態である。
この状態の時には、蓄熱用バルブV23、V24を開いておき、また第10バルブV10、第13〜第15を開いておき、その他のバルブを閉じておく。また流量調整バルブ23は調節動作を行い、第1、第3ポンプP−1、P−3を運転状態とし、第2冷凍機(R−3)のみが運転状態となっている。
この時間帯は、例えば朝早い時間でありオフィスなどでは空調機器(AC)は運転されず、冷蔵ショーケース系が連続冷蔵運転中であるため、第2冷凍機(R−3)のみを運転状態としている。こうして蓄熱槽4内に第2冷凍機(R−3)の廃熱を蓄熱することができ、省電力化を図るとともに、極めて有利なコストで各種機器の運転が可能となる。
【0032】
以上、本発明に係わる蓄熱システムの実施の形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内で種々の形態を実施することが可能である。
例えば、蓄熱槽への蓄熱の時間帯、蓄熱するために使用する冷凍機や蓄熱槽の蓄熱容量の選択、蓄熱槽内に蓄熱した熱量の有効利用(たとえばバルブの切換、第1冷凍機、補助冷凍機の運転優先順位の選択)などは、対象とするシステムに応じて容易に変更することができる。また、各ポンプやバルブの切換は図示せぬ制御機器によって夫々の状態に合って制御されることは当然である。
【0033】
なお、各冷凍機および各システムの運転組み合わせ例を表1に示す。
【表1】
Figure 0003853965
【0034】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、電気料金の安価の時間帯に、冷凍機を運転して蓄熱槽に蓄熱しておき、低減電力に応じて料金が割引きされる時間帯に冷却システム内の冷凍機の運転を停止して蓄熱槽に蓄熱しておいた水・ブライン混合液を利用して冷却システムを冷却するため、日中の消費電力ピークをカットすることができ、その結果として、電気料金における基本料金や消費電力量を夜間にシフトすることにより従量料金を低減できる。更には熱回収を行うことにより消費電力量を省くことによって省エネルギーを実現するとともに、その結果として電気料金をも低減でき、効率的な冷却を実現できる。特に氷ーブラインの混合液を使用し、冷却時に氷の大きな潜熱を有効に活用できるため、蓄熱槽自身の容積を小さくすることが可能となる。さらに、冷却温度も零度以下の極めて低い温度とすることができるため、水・ブライン混合液を循環するだけで複数の冷却システムを順次冷却することができ、効率的な冷却システムを構築することができる。
また このシステムでは、冬季において冷蔵運転中の冷蔵ショーケース等の冷凍システムから排熱される熱を有効利用して蓄熱し、あるいは冷蔵ショーケース等から排熱される熱では、蓄熱量が不足する場合には負荷回路中に設けたダミー負荷を作動させ、蓄熱槽に温熱の蓄熱を充分に行うことができる、等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる氷蓄熱システムの共通構成図である。
【図2】電力各社によって定められた安価な電力を使用することのできる夜間の時間帯を利用して氷蓄熱槽4に蓄熱する状態の図である。
【図3】電気料金が通常の時間帯であり、冷蔵ショーケースを運転している状態の図である。
【図4】電気料金が通常料金の時間帯であり、空調機器(AC)と冷蔵ショーケースを同時に運転している状態の図である。
【図5】冷凍機等を停止することによりその使用電力を低減した値に応じて電気料金が割引きされる時間帯であり、この時間帯を氷蓄熱システムにより完全に補っている状態の図である。
【図6】本発明の実施形態に係わる温熱蓄熱システムの構成図である。
【図7】温熱蓄熱システムにおいて、時間帯は例えば午後10時から午前8時までの間で空調系は休止状態にあり、電力各社によって定められた安価な電力を使用することのできる夜間の時間帯で冷蔵ショーケース系は冷却運転中であり、温熱蓄熱を行っている状態である。
【図8】温熱蓄熱システムにおいて、電気料金が通常の時間帯である昼間の運転状態(たとえば午前9時から午後8時までの間)を示す図である。
【図9】温熱蓄熱システムにおいて、時間帯は例えば午前8時〜午前9時および午後8時〜午後10時の間で空調系は休止状態にあり、冷蔵ショーケース系は冷却運転中であり、温熱蓄熱を行っている状態の図である。
【図10】従来の蓄熱利用のショーケースの冷却システムの構成図である。
【符号の説明】
1 第1冷凍機(R−1)
2 補助冷凍機(R−2)
3 第2冷凍機(R−3)
4 蓄熱槽
5 空調機器(AC)
6〜8 第1〜第3ショーケース(SC−1〜SC−3)
10 熱交換器
21、22 配管
23 流量調整バルブ
24 ダミー負荷用の冷却器

Claims (6)

  1. 建物内の空調などを行う第1冷凍システムと、複数の冷蔵ショーケースや冷蔵庫等を冷却する第2冷凍システムと、水とブラインとを所定の割合で混合した水・ブライン混合液を貯蔵しておく氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内の水・ブライン混合液に蓄熱するための冷暖切替冷凍機と、前記冷暖切替冷凍機の熱を建物内の空調などを行う第1冷凍システムに間接的に供給する熱交換機と、前記冷暖切替冷凍機からの熱を前記蓄熱槽および前記熱交換機に供給するパイプラインと、前記蓄熱槽内の水・ブライン混合液を建物内の空調などを行う第1冷凍システムおよび複数の冷蔵ショーケースや冷蔵庫等を冷却する第2冷凍システムに供給するパイプラインと、前記夫々のパイプライン中に設けたバルブ、ポンプからなることを特徴とする蓄熱システム。
  2. 建物内の空調などを行う第1冷凍システムと、複数の冷蔵ショーケースや冷蔵庫等を冷却する第2冷凍システムと、水とブラインとを所定の割合で混合した水・ブライン混合液を貯蔵しておく氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内の水・ブライン混合液を冷却する冷暖切替冷凍機とを備え、所定の時間帯に前記冷暖切替冷凍機を運転して前記氷蓄熱槽内に蓄熱しておき、少なくとも前記第1、第2冷凍システムのうちいずれか一方の最大負荷時間帯に氷蓄熱槽内の氷ーブライン混合液を供給して同システムを直接的に冷却すべく構成したことを特徴とする氷蓄熱システム。
  3. 建物内の空調などを行う第1冷凍システムと、使用温度の異なる複数の冷蔵ショーケースや冷蔵庫などの被冷却体を冷却する第2冷凍システムと、水とブラインとを所定の割合で混合した水・ブライン混合液を貯蔵しておく氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内の水・ブライン混合液を冷却する冷暖切替冷凍機とを備え、前記第1冷凍システムと、前記第2冷凍システムとを必要に応じて独立して運転できるシステムにおいて、前記冷暖切替冷凍機を所定の時間帯に運転して前記氷蓄熱槽内に蓄熱しておき、所定の時間帯に冷暖切替冷凍機および第2冷凍システムの冷凍機の運転を停止し、氷蓄熱槽内の氷ーブライン混合液を第2冷凍システム内の温度の低い被冷却体から順次循環させ、さらに第1冷凍システムに循環させて、前記第2冷凍システムおよび第1冷凍システムを氷ーブライン混合液により直接冷却できるようにしたことを特徴とする氷蓄熱システム。
  4. 建物内の空調などを行う第1冷凍システムと、複数の冷蔵ショーケースや冷蔵庫などの被冷却体を冷却する第2冷凍システムと、水とブラインとを所定の割合で混合した水・ブライン混合液を貯蔵しておく氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内の水・ブライン混合液を冷却する冷暖切替冷凍機とを備え、前記蓄熱槽内には前記冷暖切替冷凍機からの熱または第2冷凍システムの排熱を回収して温熱を蓄熱できるようにするとともに前記冷暖切替冷凍機からの氷熱を蓄熱できるようにし、所定の時間帯に蓄熱槽内の水・ブライン混合液を利用して第1冷凍システムまたは第2冷凍システムの電気消費を抑制できるようにしたことを特徴とする蓄熱システム。
  5. 前記氷蓄熱槽内の水・ブライン混合液を冷却する冷暖切替冷凍機は、運転休止中の冷凍システムの冷凍機に置き換えることができるようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の氷蓄熱システム。
  6. 前記第1冷凍システムには第1冷凍システムの熱量不足を補うための補助冷凍機が設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の蓄熱システム。
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