JP3853838B1 - Dnaが有する標的塩基を判別する方法 - Google Patents

Dnaが有する標的塩基を判別する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】標的SNP塩基の3’側にすぐ隣接する塩基がGであり、もう一塩基隣の塩基がCであるときに、擬陽性の可能性が極めて低く、かつ明確にSNP判別が可能なアレル特異性プライマーを提供する。
【解決手段】3’末端塩基をSNP対応塩基とし、かつ3’末端から2番目の塩基はTかGとし、かつ3’末端から3番目の塩基はAかTかCのいずれかとし、かつ3’末端から4番目の塩基から5’末端の塩基までの塩基配列を、標的SNP塩基から3’側に対して三塩基隣の塩基から所望の塩基までの配列に対して相補的に設計する。
【選択図】図2

Description

本発明は、DNAが有する標的塩基を判別する方法に関する。
SNPは遺伝子多型の中で最も高頻度で現れる多型であり、ヒトゲノム中において約0.1%の頻度で現れると考えられている。
実際、これまでに300万を超える数のSNPの存在が明らかになってきており、このことはSNPが遺伝子検査のマーカーとして非常に有用であることを示している。
これまでのSNPと疾病の関連付けの研究によって、糖尿病や高血圧症などの疾病とSNPが深く関連していることが明らかになってきている。
SNP判別を行う技術として、アレル特異性プライマーによるプライマー伸長反応(PCR反応を含む)を利用する技術が知られている。
アレル特異性プライマーとは、標的とするSNPの塩基種に依存してプライマー伸長反応効率に著しい差が生じるプライマーのことを言う。
従って、例えばアレル特異性プライマーを用いてPCR反応を行い、そのPCR産物量を解析することで簡単に標的SNP塩基種を特定できる。
通常、アレル特異性プライマーは特に何の修飾もされていない単なるオリゴDNAである。
PCR産物量の解析にはいわゆる通常の電気泳動法を用いればよいため、アレル特異性プライマーによるSNP判別技術は、コストや反応時間、操作の簡便性といった面において非常に有利と言える。
解析方法については、上記の電気泳動法のみならず、固相系の反応を行えばQCMやSPRによって検出することも可能である。
さらに近年では、プライマー伸長反応の副産物であるPPi(ピロリン酸)を、ルシフェラーゼ反応を利用して検出する方法も開発されており、アレル特異性プライマーによるSNP判別の簡便化や迅速化は世界中において精力的に取り組まれている。
アレル特異性プライマーの配列設計は、そのSNP判別能において非常に重要なファクターである。
最も古典的な例は、3’末端塩基が標的SNP塩基に対応しており(すなわち予想される標的SNP塩基種のいずれかに相補的となる)、かつそれ以外の配列は標的DNA配列に対して完全に相補的であるという例である。
しかし、この場合においては、その反応時間や温度、あるいは反応に用いるdNTPs濃度、またPCR法を用いるのであればサイクル数などの反応条件を厳密に規定しなければ、擬陽性の問題が生じる。
すなわち、本来であれば、プライマー3’末端のSNP対応塩基がサンプルの標的SNP塩基と非相補的である場合は、そこからのプライマー伸長反応は起きてはいけないのだが、多くの場合において起きてしまう。
上述の擬陽性の問題を解決するために、これまでに幾つかの新規アレル特異性プライマーが開発されている。
特許文献1にて提案されたアレル特異性プライマーは、3’末端塩基がSNP対応塩基であり、かつ3’末端から3番目の塩基を、標的SNP塩基から3’側に二塩基隣の塩基に対して意図的に非相補的にしたアレル特異性プライマーを開発している。
特許文献2では、3’末端から2番目の塩基がSNP対応塩基であり、かつ3’末端から3番目の塩基を、標的SNP塩基から3’側に隣接している塩基に対して意図的に非相補的にしたアレル特異性プライマーが提案されている。この場合、3’→5’exo+ポリメラーゼであるKODポリメラーゼを用いるのが特徴である。
特許文献3では、3’末端塩基がSNP対応塩基であり、かつ3’末端から2番目および3番目の塩基をそれぞれ、標的SNP塩基から3’側に隣接する塩基と、もう一塩基隣の塩基に対して意図的に非相補的にしたアレル特異性プライマーが提案されている。これらの中で、特許文献3で提案されたアレル特異性プライマーは特に擬陽性の可能性が低い。
すなわち、上記のとおり設計された特許文献3のアレル特異性プライマーは、図1に示すように、その3’末端に位置するSNP対応塩基(図中では「S’」と示した)が標的SNP塩基(図中では「S」と示した)と相補的である場合、3’末端から2番目および3番目の塩基のみが標的DNA配列に対して非相補的となり(図中では、非相補的な塩基対を×と示した)、ループのような構造をとり得る(図1(a))。
その結果、ポリメラーゼは効率良く結合し、プライマー伸長反応を行う。
逆に、その3’末端に位置するSNP対応塩基が標的SNP塩基と非相補的である場合、3’末端の三塩基全てが非相補的となり、枝分かれのような構造になると考えられる(図1(b))。
この場合、プライマー伸長反応はほとんど起こらない。
ポリメラーゼの結合効率が極めて低くなるためと考えられるからである。
したがって特許文献3で提案されたアレル特異性プライマーは、上述のとおり擬陽性の可能性は極めて低くなる。
その他、本発明に関連する文献として、以下の文献を挙げることができる。
特許文献4には、イネの品種識別のために、3’末端が判別すべきSNP部位に対応し、3’末端から3番目の塩基が、アニールする鋳型配列と相補的な配列から置換されており、当該置換がGからA、AからCへ、TからGへ、またはCからAへの置換であるPCRプライマーが開示されている。
さらに、この特許文献4の段落番号0040には、「1つの局面において、本発明は、3’末端から1番目、2番目、3番目、または4番目の塩基が置換されたプライマーを提供する。この置換は、1つのみであっても、2つ以上の組み合わせでもよい。好ましくは、3’末端から3番目の塩基のみが置換される。このプライマーの置換は、任意の置換であってよいが、好ましくは、GからT、AからCへ、TからG、またはCからAの置換である。」と開示されている。
米国特許公開第2003/0049628号 米国特許公開第2003/0148301号 米国特許公開第2004/0197803号 特開2004−248635号公報
特許文献3で提案されたアレル特異性プライマーは、その3’末端に位置するSNP対応塩基が標的SNP塩基と非相補的である場合のプライマー伸長反応効率は極めて悪い。その結果、擬陽性の問題が解消されるため正確なSNP判別が可能となる。
しかし、3’末端に位置するSNP対応塩基が標的SNP塩基と相補的である場合のプライマー伸長反応効率は、3’末端から2番目および3番目の塩基種および、それに対応する標的DNA側の塩基種条件(より具体的には、標的SNP塩基から3’側に隣接する塩基と、もう一塩基隣の塩基の塩基種条件)によってばらつく問題があった。
より具体的には、例えば、標的DNA配列中の標的SNP塩基種がA(アデニン)かG(グアニン)であり、そのSNP塩基の3’側にすぐ隣接する塩基種をC(シトシン)、もう一塩基隣の塩基種をT(チミン)とした場合、特許文献3で提案されたアレル特異性プライマーの3’末端塩基はSNP対応塩基であるため、T(Aと相補的とする場合)かC(Gと相補的とする場合)とすれば良い。
一方、その3’末端から2番目および3番目の塩基は、標的DNA配列に対して非相補的でないといけないため、2番目はA、T、Cのいずれかであり、また3番目はT、G、Cのいずれかとなる。
したがって、特許文献3で提案されたアレル特異性プライマーは、一種類の標的DNA配列に対して、その3’末端から2番目および3番目の塩基種の組み合わせは合計9通りとなる。
いずれも非相補的であるという観点から、これらの9種類のアレル特異性プライマーは、SNP判別に際してほぼ同じ効率を示すと思われる。
しかし、本発明者らは、これらの9種類のアレル特異性プライマーのうち、特定のアレル特異性プライマーが、他のアレル特異性プライマーと比較して、SNP判別に際して非常に高い効率を示すという知見を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、擬陽性の可能性が少なく、かつ明確に判別することができるDNAが有する標的塩基を判別する方法およびそれに用いられるアレル特異性プライマーを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、DNAが有する標的塩基を判別する方法であって、
この方法は、 (1) A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、およびC(シトシン)の4種類の塩基の中から前記標的塩基として予想される塩基と相補的な塩基を3’末端に有するアレル特異性プライマーを前記DNAに結合させてDNA伸長反応を生じさせるDNA伸長工程、および
(2) 前記DNA伸長工程の効率を調べ、高効率であれば前記標的塩基は前記予想された塩基と同一であると判別され、低効率であれば前記標的塩基は前記予想された塩基とは異なると判別される判別工程
を有し、
前記DNAにおいて、前記標的塩基の3’末端側にすぐ隣接する塩基がGであり、もう一塩基隣の塩基がCであり、
前記アレル特異性プライマーの3’末端塩基が前記標的塩基であると予想される塩基と相補的であり、
前記アレル特異性プライマーの3’末端から2番目の塩基がTかGであり、
前記アレル特異性プライマーの3’末端から3番目の塩基がAかTかCのいずれかであり、かつ
前記アレル特異性プライマーの3’末端から4番目の塩基と5’末端の塩基との間の塩基配列が、前記アレル特異性プライマーの3’末端から4番目の塩基に対応する前記DNA側の塩基と前記アレル特異性プライマーの5’末端の塩基に対応する前記DNA側の塩基との間の塩基配列に相補的に結合する。
DNA伸長反応はプライマー伸長反応であることが好ましい。DNA伸長反応は、上記アレル特異性プライマーのみからのプライマー伸長反応であることがより好ましい。
プライマー伸長反応により産生されるピロリン酸の濃度を調べることによって効率を調べることが好ましい。なお、ピロリン酸の濃度を発光強度として検出することが好ましい。
DNA伸長反応はPCR反応であることも好ましい。DNA伸長反応が、前記アレル特異性プライマーともう一つの異なるプライマーからなるPCR反応であることがより好ましい。
この場合、PCR反応により産生された増幅DNAの濃度を、電気泳動法により測定することによって効率を調べることが好ましい。
本発明により、擬陽性の可能性が極めて低く、かつ明確にSNP判別などが可能なDNAが有する標的SNP塩基を判別する方法が提供される。
以下、本発明の実施の形態について図2〜図4を用いて説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1では、本発明におけるアレル特異性プライマーの塩基種条件について、図2を用いて説明する。
本発明では、図2に示すように、標的DNA配列として、標的塩基(以下、「標的SNP塩基」という)が5’末端に存在し、かつ5’末端から2番目の塩基がGであり、かつ5’末端から3番目の塩基がCであるときを対象としている。
本発明の理解を容易にするために、図2では、標的SNP塩基が5’末端に存在すると仮定している。しかし、一般的には、図1に示すように、標的SNP塩基は標的DNA配列のどこかに存在すれば良く、標的DNA配列の5’末端に存在する必要はない。
アレル特異性プライマーの3’末端塩基はSNP対応塩基であるため、予想される標的SNP塩基種が二種類(図2ではS1、S2と示した)である場合、そのいずれかと相補的であるように設計する。図2では、このSNP対応塩基をS1’とし、S1と相補的であるとしている。
さらにアレル特異性プライマーの3’末端から2番目の塩基はTかGであり、かつ3’末端から3番目の塩基はAかTかCのいずれかである。
アレル特異性プライマーの3’末端から4番目の塩基と5’末端の塩基との間の塩基配列(以下、「残余の塩基配列」または「アレル特異性プライマーの残余の塩基配列」ということがある)は、アレル特異性プライマーの3’末端から4番目の塩基に対応する標的DNA側の塩基とアレル特異性プライマーの5’末端の塩基に対応する標的DNA側の塩基との間の塩基配列(以下、「残余の塩基配列」または「標的DNA側の残余の塩基配列」ということがある)と相補的であり、これらは結合する。
図2では、アレル特異性プライマーの3’末端から4番目の塩基から5’末端の塩基までの塩基配列は、標的DNA配列中の5’末端から4番目の塩基から3’末端の塩基までの塩基配列に対して相補的である。
なお、アレル特異性プライマーの残余の塩基配列と標的DNA側の残余の塩基配列との間は、完全に相補的であることが望ましいが、SNP判別に悪影響を与えない限り、完全に相補的である必要はない。
本発明において、アレル特異性プライマーのSNP対応塩基が標的SNP塩基と相補的な場合は、図2(a)のような関係になり、逆に、アレル特異性プライマーのSNP対応塩基が標的SNP塩基と非相補的な場合は、図2(b)のような関係になる。
なお、図2(および図1)において、符号「X」は、当該符号Xを間に挟む2つの塩基が結合しないことを意味する。
符号「X」が間に挟まれない2つの塩基(例えば、図1(a)、図2(a)の塩基S1および塩基S1’)は結合する。
このようなアレル特異性プライマーと標的DNAの配列条件下で、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性のないポリメラーゼを用いてDNA伸長反応(すなわち、代表的にはプライマー伸長反応またはPCR反応)を行うと、図2(a)の場合は非常に効率良く反応が進むのに対して、図2(b)の場合はほとんど進まない。
このような効率の差からDNAが有する標的SNP塩基を判別することができる。
すなわち、DNA伸長工程の効率を調べ、高効率であれば前記標的SNP塩基は前記予想された塩基と同一であると判別され、低効率であれば前記標的SNP塩基は前記予想された塩基とは異なると判別される。
その結果、擬陽性の可能性が極めて低く、かつ明確なSNP判別が可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、本発明におけるアレル特異性プライマーを用いてプライマー伸長反応を行うことでSNPを判別する方法について説明する。
図3に示すように、まず標的DNA配列を含む二本鎖DNAについて、プライマー伸長反応を行えるように調製する。
ここで標的DNA配列条件は、実施の形態1と同じく、標的SNP塩基が5’末端に存在し、かつその5’末端から2番目の塩基がGであり、かつその5’末端から3番目の塩基がCである。
したがって、標的DNA配列の相補鎖においては、その3’末端塩基が標的SNP塩基と相補的であり、かつその3’末端から2番目の塩基がCであり、かつその3’末端から3番目の塩基がGである。
このような配列条件を満たす二本鎖DNAを、上記のとおりプライマー伸長反応が行える状態に調製して、実施の形態1で示した配列条件を満たすアレル特異性プライマーと、DNAポリメラーゼと、dNTPsと、バッファーと、必要に応じて所望の塩を加えてプライマー伸長反応を行えばよい。
プライマー伸長反応の工程についてはこれまで知られている手順で良く、具体的には下記のとおりである。
すなわち、まず上記二本鎖DNAを変性させるために高温状態に置いた後、本発明におけるアレル特異性プライマーと標的DNA配列が結合できるように温度を下げる。
その後、DNAポリメラーゼが伸長反応を行うことが可能な温度条件に設定すればよい。
この結果、アレル特異性プライマーの3’末端に位置するSNP対応塩基が標的SNP塩基と相補的であれば、このアレル特異性プライマーからのプライマー伸長反応は効率良く行われる。
逆に、アレル特異性プライマーの3’末端に位置するSNP対応塩基が標的SNP塩基と非相補的であれば、このアレル特異性プライマーからのプライマー伸長反応効率は著しく悪い。
したがって、このプライマー伸長反応の最中、あるいは反応後に、プライマー伸長反応の結果放出されるピロリン酸量を測定するなどしてそのプライマー伸長反応効率を調べればよい。
これによって、擬陽性の可能性が極めて低く、かつ明確なSNP判別が可能となる。プライマー伸長反応効率を調べる手段としてはピロリン酸量を測定する方法に限られない。
例えば、本発明におけるアレル特異性プライマーの5’末端側を水晶発振子上に固定した状態で、上記プライマー伸長反応を行い、その振動数変化を解析してプライマー伸長反応をモニタリングすることで、プライマー伸長反応効率を調べてもよい。
あるいは本発明におけるアレル特異性プライマーの5’末端側を金表面に固定した状態で、上記プライマー伸長反応を行い、その表面プラズモン共鳴(SPR)現象を解析してプライマー伸長反応をモニタリングすることで、プライマー伸長反応効率を調べてもよい。
いずれにしてもプライマー伸長反応効率を調べることができればよい。
ここで、プライマー伸長反応を行う具体的手順は上記の手順に限られることはない。
すなわち、上記の手順では予め必要な試薬類を全て反応液中に混合した上でプライマー伸長反応を行わせるが、例えば、まず標的DNA配列を含む二本鎖DNAおよびアレル特異性プライマーを溶かしたバッファー液(必要に応じて所望の塩を加えればよい)を用意し、高温による変性工程およびアレル特異性プライマーによる標的DNA配列への結合を行った後、DNAポリメラーゼ、dNTPsを順次加えることで反応を行わせてもよい。いずれにしてもプライマー伸長反応を行える工程とすればよい。
またここで、標的DNA配列を含むDNAがもともと一本鎖の場合、上記した二本鎖の場合と異なり、二本鎖DNAを変性させるという意味での高温条件下におく工程は必要ない。
しかし、この一本鎖DNAとアレル特異性プライマーの結合反応を制御する意味において、これら両者がまず十分解離した状態を調整する必要があるので、そのための高温条件下におく工程が、アレル特異性プライマーと標的DNA配列との結合工程の前にあることがより好ましい。
ここで、上記DNAポリメラーゼは3’→5’エキソヌクレアーゼ活性が弱いか無いことがより好ましい。その方がよりSNP判別が正確となる。
さらに、上記DNAポリメラーゼは、上記プライマー伸長反応の手順によっては高温にさらされる場合がある。
その場合は、例えばPCRに用いられるような耐熱性のものを用いる必要があるが、そのような高温にさらされることがない手順でプライマー伸長反応を行う場合は特にその必要はない。
ピロリン酸量を測定する方法については、Nucleic Acids Research, 2001, Vol.29, No.19 e93やWO 03/078655A1や特開2004−141158号公報などで提案されている方法がある。
しかしこれらに限られることはなく、ピロリン酸量が測定できればよい。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、本発明におけるアレル特異性プライマーを用いてPCRを行うことでSNPを判別する方法について説明する。
図4に示すように、まず標的DNA配列を含む二本鎖DNAについて、PCR反応を行えるように調製する。ここで標的DNA配列条件は、実施の形態1と同じく、標的SNP塩基が5’末端に存在し、かつその5’末端から2番目の塩基がGであり、かつその5’末端から3番目の塩基がCである。
したがって、標的DNA配列の相補鎖においては、その3’末端塩基が標的SNP塩基と相補的であり、かつその3’末端から2番目の塩基がCであり、かつその3’末端から3番目の塩基がGである。
このような配列条件を満たす二本鎖DNAを、上記のとおりPCR反応が行える状態に調製して、実施の形態1で示した配列条件を満たすアレル特異性プライマーと、このアレル特異性プライマーとフォワードプライマー/リバースプライマーの関係になる第二のプライマーと、PCR用DNAポリメラーゼと、dNTPsと、Mgイオンと、バッファー、また必要であれば所望の塩を加えてPCR反応を行えばよい。
この結果、アレル特異性プライマーの3’末端に位置するSNP対応塩基が標的SNP塩基と相補的であれば、このアレル特異性プライマーと第二のプライマーによって挟まれた領域のテンプレートDNAは効率良く増幅される。
逆に、アレル特異性プライマーの3’末端に位置するSNP対応塩基が標的SNP塩基と非相補的であれば、このアレル特異性プライマーと第二のプライマーによって挟まれた領域のテンプレートDNAはほとんど増幅されない。
したがって、上記PCR反応の後に、電気泳動などの方法によってこのテンプレートDNAの増幅量を調べれば、擬陽性の可能性が極めて低く、かつ明確なSNP判別が可能となる。
あるいは、上記PCR反応の最中、あるいは後に、PCR反応の結果放出されるピロリン酸量を測定してもよい。
この場合においても、擬陽性の可能性が極めて低く、かつ明確なSNP判別が可能である。
上記PCR用DNAポリメラーゼは3’→5’エキソヌクレアーゼ活性が弱いか無いことがより好ましい。
テンプレートDNAの増幅量を測定する方法は特に限られず、上記の電気泳動法以外でもよい。
ピロリン酸量を測定する方法については、Nucleic Acids Research, 2001, Vol.29, No.19 e93やWO 03/078655
A1や特開2004−141158号公報などで提案されている方法がある。
しかしこれらに限られることはなく、ピロリン酸量が測定できればよい。
(実施の形態4)
本実施の形態4では、本発明におけるアレル特異性プライマーを含むSNP判別用キットについて説明する。
使用者らは、ここで説明するSNP判別用キットを用いてプライマー伸長反応およびピロリン酸測定反応を行うことで、各自のサンプル中の標的SNP塩基種を擬陽性の可能性が極めて低く、かつ正確に判別可能となる。
本実施の形態4におけるSNP判別用キットは、標的DNA配列に対して実施の形態1に示した本発明におけるアレル特異性プライマーを含むアレル特異性プライマー試薬チューブと、DNAポリメラーゼを含むDNAポリメラーゼ試薬チューブと、必要に応じて所望の塩が添加されたバッファーを含むバッファー試薬チューブと、dNTPsを含むdNTPs試薬チューブと、ピロリン酸測定用試薬を含むピロリン酸試薬チューブからなる。
したがって使用者らは、まず各自の標的DNA配列を含む一本鎖DNAあるいは二本鎖DNAのサンプルについて、プライマー伸長反応を行える状態に調製した後、上記アレル特異性プライマー試薬チューブに含まれたアレル特異性プライマーおよびDNAポリメラーゼ試薬チューブに含まれたDNAポリメラーゼおよびバッファー試薬チューブに含まれたバッファーおよびdNTPs試薬チューブに含まれたdNTPsを用いて、実施の形態2で説明した方法に従ってプライマー伸長反応を行えばよい。
プライマー伸長反応の過程で反応液中に放出されたピロリン酸は、上記ピロリン酸試薬チューブに含まれたピロリン酸測定用試薬を用いて測定することができる。
したがってその測定結果によって標的SNP塩基種を擬陽性の可能性が極めて低く、かつ正確に判別可能となる。
ピロリン酸測定用試薬は、ピロリン酸測定ができるものであれば特に限定されないが、Nucleic Acids Research, 2001, Vol.29, No.19 e93で示されたようにルシフェラーゼによる発光反応を用いるのであれば、ピロリン酸をATPに変換するためのATPスルフリラーゼおよび、ATPと反応して発光反応(波長520nm)を行うルシフェリンおよび、その反応を触媒するルシフェラーゼを含む。
これらは一本のチューブに混合された状態であってもよいし、それぞれ別々のチューブに含まれていてもよい。
いずれにしても使用者らは、上記プライマー伸長反応の過程で放出されるピロリン酸をこれらのピロリン酸測定用試薬を用い、Nucleic Acids Research, 2001, Vol.29, No.19 e93で示された方法に準じて光学的にピロリン酸を測定することができる。
さらにこの場合、プライマー伸長反応で未反応のまま残ったdATPがルシフェリンと反応してしまうため、より好ましくは、これら未反応dATPを分解するための酵素を含むチューブもキットの一部として含まれる。
この酵素は、上記のルシフェラーゼによる反応の前か、あるいはピロリン酸からATPへの変換反応の前において、プライマー伸長反応液に加えられdATP分解反応が行われることが好ましい。
ピロリン酸測定用試薬については、WO 03/078655A1で示されたピロリン酸の電気化学的測定法を用いるのであれば、ピロリン酸をリン酸に加水分解するためのピロホスファターゼおよび、このリン酸と反応するGAP(グリセルアルデヒド3−リン酸)とNADおよび、このリン酸−GAP−NADの反応を触媒するGAPDH(グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ)および、このリン酸−GAP−NADの反応より得られるNADHと反応する電子メディエータ(酸化型)および、このNADHと電子メディエータとの反応を触媒するジアホラーゼを含む。
これらは一本のチューブに混合された状態であってもよいし、それぞれ別々のチューブに含まれていてもよい。いずれにしても使用者らは、上記プライマー伸長反応の過程で放出されるピロリン酸をこれらのピロリン酸測定用試薬を用い、WO 03/078655 A1で示された方法に準じて電気化学的にピロリン酸を測定することができる。
ピロリン酸測定用試薬については、特開2004−141158号公報で示されたピロリン酸の電気化学的測定法を用いるのであれば、ピロリン酸をリン酸に加水分解するとともに、Hを輸送するH−PPase(H−ピロホスファターゼ)を含む膜および、H濃度に依存して光学的特性が変わる色素を含む。
これらは一本のチューブに混合された状態であってもよいし、それぞれ別々のチューブに含まれていてもよい。いずれにしても使用者らは、上記プライマー伸長反応の過程で放出されるピロリン酸をこれらのピロリン酸測定用試薬を用い、特開2004−141158号公報で示された方法に準じて光学的にピロリン酸を測定することができる。
ピロリン酸を測定する方法に関しては、ここで挙げたもの以外にも数多くの方法が知られている。したがって、もちろんピロリン酸測定用試薬についてもここに挙げたものに限られることなく、ピロリン酸測定に必要な試薬全てあるいは一部を含む構成となっていればよい。
ピロリン酸測定用試薬の代わりに、サイバーグリーンIのように二本鎖DNAに結合する蛍光指示薬が本実施の形態4のキットに含まれる構成としてもよい。
すなわち、サイバーグリーンIに代表される二本鎖DNAに結合する蛍光指示薬存在下でプライマー伸長反応を行わせると、その蛍光をモニタリングすることでプライマー伸長反応過程をリアルタイムで解析することが可能であり、この解析結果からSNP判別を行うことができる。
サイバーグリーンIに代表される二本鎖DNAに結合する蛍光指示薬は、単独で一本のチューブに含まれていてもよいし、あるいはバッファー試薬チューブなどに含まれている構成としてもよく、この蛍光指示薬をプライマー伸長反応液に混合できるキット構成とすればよい。
同様に、ピロリン酸測定用試薬の代わりに、TaqManプローブが実施の形態4のキットに含まれる構成としてもよい。
すなわちプライマー伸長反応が進む配列中の所望の領域に結合するようにTaqManプローブを設計しておけば、このTaqManプローブに依存した蛍光をモニタリングすることでプライマー伸長反応過程をリアルタイムで解析することが可能であり、この解析結果からSNP判別を行うことができる。
そのように設計されたTaqManプローブは、単独で一本のチューブに含まれていてもよいし、あるいはバッファー試薬チューブなどに含まれている構成としてもよく、TaqManプローブをプライマー伸長反応液に混合できるキット構成とすればよい。
またここで、上記DNAポリメラーゼは3’→5’エキソヌクレアーゼ活性が弱いか無いことがより好ましい。その方がよりSNP判別が正確となる。またさらに、上記DNAポリメラーゼは、耐熱性のものである方がより好ましい。
(実施の形態5)
本実施の形態5では、本発明におけるアレル特異性プライマーを含むSNP判別用キットについて説明する。
使用者らは、ここで説明するSNP判別用キットを用いることで、各自のサンプル中の標的SNP塩基種を擬陽性の可能性が極めて低く、かつ正確に判別するためのPCR反応を行うことができる。
本実施の形態5におけるSNP判別用キットは、標的DNA配列に対して実施の形態1に示した本発明におけるアレル特異性プライマーおよびこのアレル特異性プライマーとフォワードプライマー/リバースプライマーの関係になる第二のプライマーを含むプライマー試薬チューブと、PCR用DNAポリメラーゼを含むPCR用DNAポリメラーゼ試薬チューブと、Mgイオンと必要に応じて所望の塩が添加されたバッファーを含むバッファー試薬チューブと、dNTPsを含むdNTPs試薬チューブからなる。
したがって使用者らは、まず各自の標的DNA配列を含む二本鎖DNAのサンプルについて、PCR伸長反応を行える状態に調製した後、上記プライマー試薬チューブに含まれたアレル特異性プライマーと第二のプライマーおよび、PCR用DNAポリメラーゼ試薬チューブに含まれたPCR用DNAポリメラーゼおよび、バッファー試薬チューブに含まれたバッファーおよび、dNTPs試薬チューブに含まれたdNTPsを用いて、実施の形態3で説明した方法に従ってPCR反応を行えばよい。
本実施の形態5におけるキットは、PCR反応効率を調べるための試薬を含んでいることがより好ましい。PCR反応効率を調べるための試薬としては、実施の形態3同様に、ピロリン酸測定用試薬や、サイバーグリーンIのように二本鎖DNAに結合する蛍光指示薬や、TaqManプローブが挙げられる。
ピロリン酸測定用試薬は、PCR反応の過程で反応液中に放出されたピロリン酸を測定することができる。したがってその測定結果によって標的SNP塩基種を擬陽性の可能性が極めて低く、かつ正確に判別可能となる。ピロリン酸測定用試薬の種類については、実施の形態4と同じであり、ピロリン酸測定に必要な試薬全てあるいは一部を含む構成となっていればよい。
サイバーグリーンIのように二本鎖DNAに結合する蛍光指示薬や、TaqManプローブについては、これらの存在下でPCR反応を行うことで、PCR反応の過程をリアルタイムでモニタリングでき、その結果によって標的SNP塩基種を擬陽性の可能性が極めて低く、かつ正確に判別できる。
したがって、これらは単独で一本のチューブに含まれていてもよいし、あるいはバッファー試薬チューブなどに含まれている構成としてもよく、これらの試薬をPCR反応液に混合できるキット構成とすればよい。
以上、上記実施の形態1〜5を通じて、本発明におけるアレル特異性プライマーおよび、このアレル特異性プライマーを用いたSNP判別方法および、このアレル特異性プライマーを含むSNP判別用キットについて説明した。
これらは特にSNPに限られることなく、突然変異による一塩基の違いの判別や、あるいは人工的にある特定の塩基に変異を起こさせた場合の一塩基の違いの判別についても全く同様の効果を示すことは言うまでもない。
本発明のより具体的な実施例について以下に記す。
(実施例1) 本実施例1では、本発明におけるアレル特異性プライマーを用いたPCR反応によってλDNA中の標的塩基種判別を行った。
すなわち、まずλDNA(タカラバイオ(株)製)中の7235番目のT/A塩基対について人工的にA/T塩基対に置換した変異型λDNA−7235−ATを作成した。
そしてこれら塩基対の置換の判別を、
5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCATT−3’(λ−ATT:配列番号1)、
5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCAGT−3’(λ−AGT:配列番号2)、
5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCTTT−3’(λ−TTT:配列番号3)、
5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCTGT−3’(λ−TGT:配列番号4
5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCCTT−3’(λ−CTT:配列番号5)、
5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCCGT−3’(λ−CGT:配列番号6
からなる六種類のプライマーを用いて行うこととした。
上記六種類のプライマーを順に、λ−ATT、λ−AGT、λ−TTT、λ−TGT、λ−CTT、λ−CGTと呼ぶ。
ここで、上記六種類のプライマーの3’末端塩基Tは、野生型λDNAの7212〜7235番目からなる二本鎖DNA配列5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCGCT−3’/5’−AGCGGAGACGGGCAATCAGTTCAT−3’(配列番号7)のうち、5’−AGCGGAGACGGGCAATCAGTTCAT−3’(配列番号7のアンチセンス鎖)の5’末端塩基Aと相補的である。
上記六種類のプライマーの3’末端から2番目の塩基はT(λ−ATT、λ−TTT、λ−CTTの場合)あるいはG(λ−AGT、λ−TGT、λ−CGTの場合)であり、同様に5’−AGCGGAGACGGGCAATCAGTTCAT−3’(配列番号7)の5’末端から2番目の塩基GとT/GあるいはG/Gの非相補的な関係である。
上記六種類のプライマーの3’末端から3番目の塩基はA(λ−ATT、λ−AGTの場合)、あるいはT(λ−TTT、λ−TGTの場合)、あるいはC(λ−CTT、λ−CGTの場合)であり、同様に5’−AGCGGAGACGGGCAATCAGTTCAT−3’(配列番号7)の5’末端から3番目の塩基AとA/A、あるいはT/A、あるいはC/Aの非相補的な関係である。
上記六種類のプライマーの3’末端から4番目の塩基から5’末端の塩基までの配列は、同様に5’−AGCGGAGACGGGCAATCAGTTCAT−3’(配列番号7)の5’末端から4番目の塩基から3’末端の塩基までの配列に対して完全に相補的である。
一方、上記六種類のプライマーの3’末端の三塩基は、変異型λDNA−7235−ATの7212〜7235番目からなる二本鎖DNA配列5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCGC−3’/5’−GCGGAGACGGGCAATCAGTTCAT−3’(配列番号8)のうち、5’−GCGGAGACGGGCAATCAGTTCAT−3’(配列番号8のアンチセンス鎖)の5’末端の三塩基に対して非相補的である(下線部が変異導入部位)。
リバースプライマーとしては、5’−GAATCACGGTATCCGGCTGCGCTGA−3’(配列番号9)からなるDNAを用いた。
このリバースプライマーは、λDNAの7406〜7430番目からなる二本鎖DNA配列5’−TCAGCGCAGCCGGATACCGTGATTC−3’(配列番号10)/5’−GAATCACGGTATCCGGCTGCGCTGA−3’のうち、5’−TCAGCGCAGCCGGATACCGTGATTC−3’(配列番号10のセンス鎖)と完全に相補的である。
仮に上記六種類のプライマーとのPCR反応によって良好に反応が進めば、219bpのDNA増幅産物が得られるはずである。
実験は下記のとおりであった。
まず、
Light Cycler−FastStart DNA Master SYBER Green Iキット(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)の酵素ミクスチャーを2μL
10μg/mLの上記野生型λDNAあるいは変異型λDNA−7235−AT、
1μMの上記六種類のプライマー(λ−ATT、λ−AGT、λ−TTT、λ−TGT、λ−CTT、λ−CGT)のいずれか
1μMの上記リバースプライマー
1.6mMのMgCl
を含む反応溶液20μLを調製した。
この反応溶液をロシュ・ダイアグノスティクス社製サーマルサイクラーであるLightCyclerを用いて、変性工程:94℃、10秒間、アニーリング工程:58℃、10秒間、伸長工程:72℃、10秒間、サイクル数:20サイクルとしてPCR反応を行った。
各PCR反応結果については、アジレント・テクノロジーズ社製のDNA電気泳動用システムであるBioanalyzer2100を用いて解析した。
解析結果を図5に示す。
これらの結果は、各PCR反応後における目的のDNA断片の濃度(nM)を示している。
この結果より、上記λ−ATT、λ−AGT、λ−TTT、λ−TGT、λ−CTT、λ−CGTのいずれをフォワードプライマーとして用いた場合も、変異型λDNA−7235−ATの場合においては目的のDNA断片はほとんど検出されなかった。
一方、野生型λDNAの場合は全て、目的のDNA断片は30nM以上であった。
以上の結果より、上記λ−ATT、λ−AGT、λ−TTT、λ−TGT、λ−CTT、λ−CGTによって明確に判別できることが示された。
(比較例1)
本比較例1では、上記実施例1の比較実験として、上記実施例1の野生型λDNAと変異型λDNA−7235−ATの一塩基の違いについて、以下の三種類のプライマーを用いて判別を試みた。
すなわち、
5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCAAT−3’(λ−AAT:配列番号11)、
5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCTAT−3’(λ−TAT:配列番号12)
5’−ATGAACTGATTGCCCGTCTCCCAT−3’(λ−CAT:配列番号13
の配列からなる三種類のプライマーを用いて、実施例1と同様の実験を行った。
これら三種類のプライマーを順に、λ−AAT、λ−TAT、λ−CATと呼ぶ。
これらは、λ−ATT、λ−AGT、λ−TTT、λ−TGT、λ−CTT、λ−CGTと同じく、その3’末端塩基(T)が5’−AGCGGAGACGGGCAATCAGTTCAT−3’の5’末端塩基(A)と相補的である。
これらの3’末端から2番目および3番目の塩基は、5’−AGCGGAGACGGGCAATCAGTTCAT−3’(配列番号7)の5’末端から2番目および3番目の塩基と非相補的である。
その残りの配列が5’−AGCGGAGACGGGCAATCAGTTCAT−3’ (配列番号7)の残りの配列と完全に相補的である。
解析結果を図6に示す。
これらの結果は、図5と同様に各PCR反応後における目的のDNA断片の濃度(nM)を示している。
この結果より、まず上記λ−AAT、λ−TAT、λ−CATのいずれをフォワードプライマーとして用いた場合も、野生型λDNAの場合は3nM以上の目的DNA断片が検出されているのに対して、変異型λDNA−7235−ATの場合においては目的のDNA断片はほとんど検出されなかった。
したがって、λ−AAT、λ−TAT、λ−CATによって、野生型λDNAと変異型λDNA−7235−ATの一塩基の違いが判別できることが示された。しかしながら、λ−ATT、λ−AGT、λ−TTT、λ−TGT、λ−CTT、λ−CGTの場合と比べ、あきらかに野生型λDNAをテンプレートとしたときの増幅産物濃度は小さく(図5および図6の縦軸の大きさに注意)、これよりλ−ATT、λ−AGT、λ−TTT、λ−TGT、λ−CTT、λ−CGTの判別能がより優れていることが分かる。
これらの実施例1および比較例1から理解されるように、標的SNP塩基の3’末端側にすぐ隣接する塩基がGであり、もう一塩基隣の塩基がCである場合には、アレル特異性プライマーの3’末端から2番目の塩基がTかGであり、3番目の塩基がAかTかCのいずれかであれば、非常に高い判別能を得ることができる。
(実施例2)
本実施例2では、実施例1や比較例1同様に、本発明におけるアレル特異性プライマーを用いたPCR反応によってλDNA中の標的塩基種判別を行った。
まず、以下の3種類の変異型λDNAを作成した。
1.変異型λDNA−7007−AT
野生型λDNA中の7007番目のG/C塩基対について人工的にA/T塩基対に置換した変異型λDNA。
2.変異型λDNA−6996−GC
野生型λDNA中の6996番目のA/T塩基対について人工的にG/C塩基対に置換した変異型λDNA。
3.変異型λDNA−7040−TA
野生型λDNA中の7040番目のC/G塩基対について人工的にT/A塩基対に置換した変異型λDNA。
そして以下の3パターンの塩基対判別を行うこととした。
判別1
野生型λDNA中の7007番目のG/C塩基対と、変異型λDNA−7007−ATの7007番目のA/T塩基対の判別。
判別2
野生型λDNA中の6996番目のA/T塩基対と、変異型λDNA−6996−GCの6996番目のG/C塩基対の判別。
判別3
野生型λDNA中の7040番目のC/G塩基対と、変異型λDNA−7040−TAの7040番目のT/A塩基対の判別。
上記三種類のそれぞれの判別のために、以下のプライマーをフォワードプライマーとして用いた。
判別1用プライマー(括弧内は各プライマーの名前)
5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATAAG−3’(λ1−AAG:配列番号14
5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATATG−3’(λ1−ATG:配列番号15
5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATAGG−3’(λ1−AGG:配列番号16
5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATTAG−3’(λ1−TAG:配列番号17
5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATTTG−3’(λ1−TTG:配列番号18
5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATTGG−3’(λ1−TGG:配列番号19
5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATCAG−3’(λ1−CAG:配列番号20
5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATCTG−3’(λ1−CTG:配列番号21
5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATCGG−3’(λ1−CGG:配列番号22
ここで、上記九種類のプライマーの3’末端塩基Gは、野生型λDNAの6985〜7007番目からなる二本鎖DNA配列5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATGCG−3’/5’−CGCATCCTGAATGCAGCCATAGG−3’(配列番号23)のうち、5’−CGCATCCTGAATGCAGCCATAGG−3’(配列番号23のアンチセンス鎖)の5’末端塩基Cと相補的である。
また、上記九種類のプライマーの3’末端から2番目および3番目の塩基配列はそれぞれ異なるが、いずれも5’−CGCATCCTGAATGCAGCCATAGG−3’(配列番号23)の5’末端から2番目および3番目の塩基配列5’−GC−3’と非相補的な関係である。
また、上記九種類のプライマーの3’末端から4番目の塩基から5’末端の塩基までの配列は、5’−CGCATCCTGAATGCAGCCATAGG−3’(配列番号23)の5’末端から4番目の塩基から3’末端の塩基までの配列に対して完全に相補的である。
一方、上記九種類のプライマーの3’末端の三塩基は、変異型λDNA−7007−ATの6985〜7007番目からなる二本鎖DNA配列5’−CCTATGGCTGCATTCAGGATGC−3’/5’−GCATCCTGAATGCAGCCATAGG−3’(配列番号24)のうち、5’−GCATCCTGAATGCAGCCATAGG−3’(配列番号24のアンチセンス鎖)の5’末端の三塩基に対して非相補的である(下線部が変異導入部位)。
判別2用プライマー(括弧内は各プライマーの名前)
5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTAAA−3’(λ2−AAA:配列番号25
5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTATA−3’(λ2−ATA:配列番号26
5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTAGA−3’(λ2−AGA:配列番号27
5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTTAA−3’(λ2−TAA:配列番号28
5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTTTA−3’(λ2−TTA:配列番号29
5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTTGA−3’(λ2−TGA:配列番号30
5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTCAA−3’(λ2−CAA:配列番号31
5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTCTA−3’(λ2−CTA:配列番号32
5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTCGA−3’(λ2−CGA:配列番号33
ここで、上記九種類のプライマーの3’末端塩基Aは、野生型λDNAの6975〜6996番目からなる二本鎖DNA配列5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTGCA−3’/5’−TGCAGCCATAGGTGCGCAGACC−3’(配列番号34)のうち、5’−TGCAGCCATAGGTGCGCAGACC−3’(配列番号34のアンチセンス鎖)の5’末端塩基Tと相補的である。
また、上記九種類のプライマーの3’末端から2番目および3番目の塩基配列はそれぞれ異なるが、いずれも5’−TGCAGCCATAGGTGCGCAGACC−3’(配列番号34)の5’末端から2番目および3番目の塩基配列5’−GC−3’と非相補的な関係である。
また、上記九種類のプライマーの3’末端から4番目の塩基から5’末端の塩基までの配列は、5’−TGCAGCCATAGGTGCGCAGACC−3’(配列番号34)の5’末端から4番目の塩基から3’末端の塩基までの配列に対して完全に相補的である。
一方、上記九種類のプライマーの3’末端の三塩基は、変異型λDNA−6996−GCの6975〜6996番目からなる二本鎖DNA配列5’−GGTCTGCGCACCTATGGCTGC−3’/5’−GCAGCCATAGGTGCGCAGACC−3’(配列番号35)のうち、5’−GCAGCCATAGGTGCGCAGACC−3’(配列番号35のアンチセンス鎖)の5’末端の三塩基に対して非相補的である(下線部が変異導入部位)。
判別3用プライマー(括弧内は各プライマーの名前)
5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTAAC−3’(λ3−AAC:配列番号36
5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTATC−3’(λ3−ATC:配列番号37
5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTAGC−3’(λ3−AGC:配列番号38
5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTTAC−3’(λ3−TAC:配列番号39
5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTTTC−3’(λ3−TTC:配列番号40
5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTTGC−3’(λ3−TGC:配列番号41
5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTCAC−3’(λ3−CAC:配列番号42
5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTCTC−3’(λ3−CTC:配列番号43
5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTCGC−3’(λ3−CGC:配列番号44
ここで、上記九種類のプライマーの3’末端塩基Cは、野生型λDNAの7019〜7040番目からなる二本鎖DNA配列5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTGCC−3’/5’−GGCAGAGGCGTTAATGCCTTCG−3’(配列番号45)のうち、5’−GGCAGAGGCGTTAATGCCTTCG−3’(配列番号45のアンチセンス鎖)の5’末端塩基Gと相補的である。
また、上記九種類のプライマーの3’末端から2番目および3番目の塩基配列はそれぞれ異なるが、いずれも5’−GGCAGAGGCGTTAATGCCTTCG−3’(配列番号45)の5’末端から2番目および3番目の塩基配列5’−GC−3’と非相補的な関係である。
また、上記九種類のプライマーの3’末端から4番目の塩基から5’末端の塩基までの配列は、5’−GGCAGAGGCGTTAATGCCTTCG−3’(配列番号45)の5’末端から4番目の塩基から3’末端の塩基までの配列に対して完全に相補的である。
一方、上記九種類のプライマーの3’末端の三塩基は、変異型λDNA−7040−TAの7019〜7040番目からなる二本鎖DNA配列5’−CGAAGGCATTAACGCCTCTGC−3’/5’−GCAGAGGCGTTAATGCCTTCG−3’(配列番号46)のうち、5’−GCAGAGGCGTTAATGCCTTCG−3’(配列番号46のアンチセンス鎖)の5’末端の三塩基に対して非相補的である(下線部が変異導入部位)。
リバースプライマーとしては判別1、判別2、判別3のいずれにおいても、実施例1および比較例1と同様に5’−GAATCACGGTATCCGGCTGCGCTGA−3’ (配列番号9)からなるDNAを用いた。
以上のフォワードプライマーおよびリバースプライマーを用い、判別1、判別2、判別3のために、以下のPCR反応液を調製した。
判別1用PCR反応液
・Light Cycler−FastStart DNA Master SYBER Green Iキット(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)の酵素ミクスチャーを2μL
・10μg/mLの野生型λDNAあるいは変異型λDNA−7007−AT、
・1μMの上記判別1用プライマーのいずれか
・1μMの上記リバースプライマー
・1.6mMのMgCl
を含む反応溶液20μL。
判別2用PCR反応液
・Light Cycler−FastStart DNA Master SYBER Green Iキット(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)の酵素ミクスチャーを2μL
・10μg/mLの野生型λDNAあるいは変異型λDNA−6996−GC、
・1μMの上記判別2用プライマーのいずれか
・1μMの上記リバースプライマー
・1.6mMのMgCl
を含む反応溶液20μL。
判別3用PCR反応液
・Light Cycler−FastStart DNA Master SYBER Green Iキット(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)の酵素ミクスチャーを2μL
・10μg/mLの野生型λDNAあるいは変異型λDNA−7040−TA、
・1μMの上記判別3用プライマーのいずれか
・1μMの上記リバースプライマー
・1.6mMのMgCl
を含む反応溶液20μL。
上記の各PCR反応溶液をロシュ・ダイアグノスティクス社製サーマルサイクラーであるLightCyclerを用いて、変性工程:94℃、10秒間、アニーリング工程:58℃、10秒間、伸長工程:72℃、10秒間、サイクル数:20サイクルとしてPCR反応を行った。
反応後の目的PCR産物濃度については、アジレント・テクノロジーズ社製のDNA電気泳動用システムであるBioanalyzer2100を用いて解析した。
解析結果より得られた濃度値はさらに下記のように計算処理がなされた。
すなわち、まず判別1、判別2および判別3それぞれにおいて最も高濃度の目的PCR産物が得られたのは、テンプレートとしては野生型λDNAを用い、フォワードプライマーとしてはそれぞれλ1−ATG(判別1の場合)、λ2−TTA(判別2の場合)、λ3−TGC(判別3の場合)を用いた場合であったので、各判別においてこれらの場合における目的PCR産物濃度を100%としたときのそれぞれの場合における目的PCR産物比較濃度(%)を下記の計算式1、計算式2および計算式3にしたがって算出した。
計算式1
判別1における各目的PCR産物比較濃度(%)=100×(各目的PCR産物濃度(nM))/(テンプレートとして野生型λDNAを用い、フォワードプライマーとしてλ1−ATGを用いたときの目的PCR産物濃度(nM))
計算式2
判別2における各目的PCR産物比較濃度(%)=100×(各目的PCR産物濃度(nM))/(テンプレートとして野生型λDNAを用い、フォワードプライマーとしてλ2−TTAを用いたときの目的PCR産物濃度(nM))
計算式3
判別3における各目的PCR産物比較濃度(%)=100×(各目的PCR産物濃度(nM))/(テンプレートとして野生型λDNAを用い、フォワードプライマーとしてλ3−TGCを用いたときの目的PCR産物濃度(nM))
同様に、実施例1および比較例1についても下記の計算式4によって目的PCR産物比較濃度(%)を求めた。すなわち、実施例1および比較例1においては、テンプレートとして野生型λDNAを用い、フォワードプライマーとしてλ−ATTを用いた場合に最高濃度の目的PCR産物が得られたために、これを100%としたときのそれぞれの場合における目的PCR産物比較濃度(%)を算出した。
計算式4
実施例1および比較例1における各目的PCR産物比較濃度(%)=100×(各目的PCR産物濃度(nM))/(テンプレートとして野生型λDNAを用い、フォワードプライマーとしてλ−ATTを用いたときの目的PCR産物濃度(nM))
さらに次に、上記計算式1〜4から得られた各目的PCR産物比較濃度(%)について、テンプレートとして野生型λDNAを用いた中で、各フォワードプライマーの3’末端から2番目および3番目の塩基配列が同じものどうしでその平均値を求めた。同様に、テンプレートとして変異型λDNAを用いた中で、各フォワードプライマーの3’末端から2番目および3番目の塩基配列が同じものどうしの各目的PCR産物比較濃度(%)の平均値を求めた。
したがって、以下の18種類の平均値が求められた。
平均値1
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(野生型λDNA/λ−AAT)
(野生型λDNA/λ1−AAG)
(野生型λDNA/λ2−AAA)
(野生型λDNA/λ3−AAC)
平均値2
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(変異型λDNA−7235−AT/λ−AAT)
(変異型λDNA−7007−AT/λ1−AAG)
(変異型λDNA−6996−GC/λ2−AAA)
(変異型λDNA−7040−TA/λ3−AAC)
平均値3
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(野生型λDNA/λ−ATT)
(野生型λDNA/λ1−ATG)
(野生型λDNA/λ2−ATA)
(野生型λDNA/λ3−ATC)
平均値4
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(変異型λDNA−7235−AT/λ−ATT)
(変異型λDNA−7007−AT/λ1−ATG)
(変異型λDNA−6996−GC/λ2−ATA)
(変異型λDNA−7040−TA/λ3−ATC)
平均値5
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(野生型λDNA/λ−AGT)
(野生型λDNA/λ1−AGG)
(野生型λDNA/λ2−AGA)
(野生型λDNA/λ3−AGC)
平均値6
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(変異型λDNA−7235−AT/λ−AGT)
(変異型λDNA−7007−AT/λ1−AGG)
(変異型λDNA−6996−GC/λ2−AGA)
(変異型λDNA−7040−TA/λ3−AGC)
平均値7
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(野生型λDNA/λ−TAT)
(野生型λDNA/λ1−TAG)
(野生型λDNA/λ2−TAA)
(野生型λDNA/λ3−TAC)
平均値8
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(変異型λDNA−7235−AT/λ−TAT)
(変異型λDNA−7007−AT/λ1−TAG)
(変異型λDNA−6996−GC/λ2−TAA)
(変異型λDNA−7040−TA/λ3−TAC)
平均値9
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(野生型λDNA/λ−TTT)
(野生型λDNA/λ1−TTG)
(野生型λDNA/λ2−TTA)
(野生型λDNA/λ3−TTC)
平均値10
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(変異型λDNA−7235−AT/λ−TTT)
(変異型λDNA−7007−AT/λ1−TTG)
(変異型λDNA−6996−GC/λ2−TTA)
(変異型λDNA−7040−TA/λ3−TTC)
平均値11
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(野生型λDNA/λ−TGT)
(野生型λDNA/λ1−TGG)
(野生型λDNA/λ2−TGA)
(野生型λDNA/λ3−TGC)
平均値12
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(変異型λDNA−7235−AT/λ−TGT)
(変異型λDNA−7007−AT/λ1−TGG)
(変異型λDNA−6996−GC/λ2−TGA)
(変異型λDNA−7040−TA/λ3−TGC)
平均値13
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(野生型λDNA/λ−CAT)
(野生型λDNA/λ1−CAG)
(野生型λDNA/λ2−CAA)
(野生型λDNA/λ3−CAC)
平均値14
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(変異型λDNA−7235−AT/λ−CAT)
(変異型λDNA−7007−AT/λ1−CAG)
(変異型λDNA−6996−GC/λ2−CAA)
(変異型λDNA−7040−TA/λ3−CAC)
平均値15
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(野生型λDNA/λ−CTT)
(野生型λDNA/λ1−CTG)
(野生型λDNA/λ2−CTA)
(野生型λDNA/λ3−CTC)
平均値16
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(変異型λDNA−7235−AT/λ−CTT)
(変異型λDNA−7007−AT/λ1−CTG)
(変異型λDNA−6996−GC/λ2−CTA)
(変異型λDNA−7040−TA/λ3−CTC)
平均値17
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(野生型λDNA/λ−CGT)
(野生型λDNA/λ1−CGG)
(野生型λDNA/λ2−CGA)
(野生型λDNA/λ3−CGC)
平均値18
以下の四種類の(テンプレート/フォワードプライマー)の組み合わせにおける目的PCR産物比較濃度(%)の平均値。
(変異型λDNA−7235−AT/λ−CGT)
(変異型λDNA−7007−AT/λ1−CGG)
(変異型λDNA−6996−GC/λ2−CGA)
(変異型λDNA−7040−TA/λ3−CGC)
これら平均値について図7にまとめた。
これよりまず、テンプレートとして変異型λDNAを用いた平均値(平均値2、4、6、8、10、12、14、16および18)については、総じて小さいことが分かる。すなわち、各フォワードプライマーの3’末端から2番目および3番目の塩基配列に関係なく判別のためのPCR反応は抑制されたことが分かる。
一方で、テンプレートとして野生型λDNAを用いた平均値(平均値1、3、5、7、9、11、13、15および17)は、それぞれ対となる、各フォワードプライマーの3’末端から2番目および3番目の塩基配列が同じでテンプレートとして変異型λDNAを用いた場合の平均値(1に対しては2、3に対しては4、5に対しては6、7に対しては8、9に対しては10、11に対しては12、13に対しては14、15に対しては16、17に対しては18)と比べて優位に大きい。そしてさらに詳細にみると、特に3’末端から2番目および3番目の塩基配列が5’−AT−3’、5’−AG−3’、5’−TT−3’、5’−TG−3’、5’−CT−3’、5’−CG−3’であるフォワードプライマーを用いた場合において、他のプライマーを用いた場合よりも明らかに、野生型λDNAと変異型λDNA間の平均値の差が大きいことが分かる。
すなわちこのことより、標的SNP塩基の3’末端側にすぐ隣接する塩基がGであり、もう一塩基隣の塩基がCである場合には、アレル特異性プライマーの3’末端から2番目の塩基がTかGであり、3番目の塩基がAかTかCのいずれかであれば、非常に高い判別能を得ることができることが分かる。
本発明により、擬陽性の可能性が極めて低く、かつ明確にSNP判別が可能なDNAが有する標的SNP塩基を判別する方法が提供される。
従来技術におけるテンプレートDNAとアレル特異性プライマーの関係を模式的に示した図 本発明におけるテンプレートDNAとアレル特異性プライマーの関係を模式的に示した図 実施の形態2のSNP判別方法のフローチャート図 実施の形態3のSNP判別方法のフローチャート図 実施例1の実験結果を表したグラフ 比較例1の実験結果を表したグラフ 実施例2の実験結果を表したグラフ
符号の説明
1:従来技術におけるアレル特異性プライマー
2:従来技術におけるテンプレートDNA
3:本発明におけるアレル特異性プライマー
4:本発明におけるテンプレートDNA

Claims (8)

  1. DNAが有する標的塩基を判別する方法であって、
    前記方法は、
    (1) A、T、G、およびCの4種類の塩基の中から前記標的塩基として予想される塩基と相補的な塩基を3’末端に有するアレル特異性プライマーを前記DNAに結合させてDNA伸長反応を生じさせるDNA伸長工程、および
    (2) 前記DNA伸長工程の効率を調べ、高効率であれば前記標的塩基は前記予想された塩基と同一であると判別され、低効率であれば前記標的塩基は前記予想された塩基とは異なると判別される判別工程
    を有し、
    前記DNAにおいて、前記標的塩基の3’末端側にすぐ隣接する塩基がGであり、もう一塩基隣の塩基がCであり、
    前記アレル特異性プライマーの3’末端塩基が前記標的塩基であると予想される塩基と相補的であり、
    前記アレル特異性プライマーの3’末端から2番目の塩基がTかGであり、
    前記アレル特異性プライマーの3’末端から3番目の塩基がAかTかCのいずれかであり、かつ
    前記アレル特異性プライマーの3’末端から4番目の塩基と5’末端の塩基との間の塩基配列が、前記アレル特異性プライマーの3’末端から4番目の塩基に対応する前記DNA側の塩基と前記アレル特異性プライマーの5’末端の塩基に対応する前記DNA側の塩基との間の塩基配列に相補的に結合する、方法。
  2. 前記DNA伸長反応がプライマー伸長反応である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記DNA伸長反応が、前記アレル特異性プライマーのみからのプライマー伸長反応である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記プライマー伸長反応により産生されるピロリン酸の濃度を調べることによって前記効率を調べる、請求項2に記載の方法。
  5. 前記ピロリン酸の濃度を発光強度として検出する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記DNA伸長反応がPCR反応である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記DNA伸長反応が、前記アレル特異性プライマーともう一つの異なるプライマーからなるPCR反応である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記PCR反応により産生された増幅DNAの濃度を、電気泳動法により測定することによって前記効率を調べる、請求項6に記載の方法。
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