JP3853586B2 - 内燃機関の気筒判別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車に搭載される内燃機関の気筒判別装置に関し、特に始動時に気筒判別を速やかに完了して気筒毎の燃料噴射制御や点火制御を速やかに実行できるようにした内燃機関の気筒判別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関の気筒判別装置としては、たとえば特開平6−146992号公報に参照されるものがある。
上記公報に記載の従来装置においては、内燃機関(エンジン)の各気筒毎の制御用回転角を検出するために、クランク軸の回転に同期して生成されるクランク角信号と、クランク軸の1/2の回転速度比を有するカム軸の回転に同期して生成されるカム信号とが用いられる。
【0003】
クランク角信号は、クランク軸と同軸のリングギヤの外周突起に対向配置された電磁ピックアップにより検出され、基準位置を示す所定回転角度毎のパルス列からなる。
【0004】
また、カム信号の発生パルス数は、エンジンの各気筒毎に対応した所定クランク角区間に連続するクランク角信号SGT毎に異なるように設定されている。
これにより、前回区間と今回区間とに発生したカム信号の発生パルス数の組み合わせから、気筒グループおよびクランク角信号の特定位置を判別することができる。
【0005】
しかしながら、上記従来装置では、特定位置での発生パルス数の組み合わせが「0」、「1」、「2」の3種類であり、2区間の発生パルス数の組み合わせのみに基づいて6気筒エンジンの特定気筒を判別することはできない。
【0006】
前回区間および今回区間での発生パルス数の組み合わせから特定位置および気筒を判別しているが、たとえば今回区間の終端が特定位置でない場合には、気筒を判別することができない。
【0007】
たとえば、4気筒エンジンの場合は、各区間のクランク角範囲を90ーCA(CA:クランク角)としているので、エンジン停止時のクランク角に依存して、最小の場合にはエンジンが180ーCAだけ回転すれば気筒判別が終了するが、最大の場合には、エンジンが360ーCAだけ回転しないと気筒判別が終了せず、始動時間が遅くなってしまう。
【0008】
一方、たとえば特開平11−311146号公報に記載されたエンジンの気筒判別装置においては、リングギヤの外周突起の欠け歯に対応した基準位置を含む所定クランク角(10ーCA)間隔のパルス列からなるクランク角信号(POS)と、上記基準位置とは異なる角度基準を示す角度基準信号(REF)と、カム信号(CAM)とが用いられている。
【0009】
カム信号は、エンジンの各気筒毎に対応したクランク角周期を分割した各分割区間での発生パルス数が互いに異なるように設定されている。
【0010】
この場合、マイコンを含む電子制御ユニットは、角度基準信号REFを検出すると、角度基準信号REFを始点として各角度基準信号REFで挟まれた区間を複数区間に分割する。
【0011】
このときの区間分割は、クランク角信号POSによって計測される。
また、カム軸と同軸の回転板の外周突起は、上記分割区間毎に異なるパルス数のカム信号CAMが発生するように、あらかじめ設定されている。
【0012】
すなわち、各分割区間でのカム信号CAMの発生パルス数は、2種類(たとえば、「1」か「0」)に設定されており、角度基準信号REFから次の角度基準信号REFまでの各区間に発生したカムパルスの組み合わせによって気筒判別を行うことができる。
【0013】
この場合も、角度基準信号REFの検出後に各角度基準信号REF間を複数区間に分割し、複数区間での発生パルス数の組み合わせに基づいて気筒を判別しているので、気筒判別は、角度基準信号REFの発生後に開始されることになる。
【0014】
したがって、前述の従来装置と同様に、エンジン停止時のクランク角によって、最小では180ーCA間のエンジン回転で気筒判別が終了するが、最大では、気筒判別に360ーCA間のエンジン回転を要するので始動時間が遅くなる。
【0015】
また、各区間の発生パルス数を2種類(「0」、「1」)に設定しているので、たとえば4気筒エンジンの各区間(前半および後半の両方)において発生パルス数が「0」となる場合があり、このとき、カム信号の無出力(たとえば、断線)状態との違いを区別することができず、フェールセーフ上の問題を有している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従来の内燃機関の気筒判別装置は以上のように、特開平6−146992号公報の場合は、所定区間毎のカム信号の発生パルス数の組み合わせから特定位置を判定しているが、特定位置での発生パルス数の組み合わせが気筒数よりも少ないので、2区間のカムパルス数の組み合わせのみで6気筒エンジンの特定気筒を判定することができないという問題点があった。
【0017】
また、今回区間の終端が特定位置でない場合には、カム信号の発生パルス数の組み合わせから気筒判別することができないので、エンジン停止時のクランク角によっては、最大でエンジンが360ーCAだけ回転しないと気筒判別を終了することができず、始動時間が遅くなるという問題点があった。
【0018】
また、特開平11−311146号公報の場合は、角度基準信号REF間を分割した複数区間でのカム信号CAMの発生パルス数の組み合わせから気筒を判別しており、角度基準信号REFの発生後に気筒判別を開始しているので、同様に、エンジン停止時のクランク角によっては、最大でエンジンが360ーCAだけ回転しないと気筒判別を終了することができず、始動時間が遅くなるという問題点があった。
【0019】
また、各区間での発生パルス数を2種類に設定しているので、たとえば気筒判別区間の前半および後半の両方で発生パルス数が「0」となった場合には、カム信号の無出力(断線)状態との区別がつかず、フェールセーフ上の支障が発生するという問題点があった。
【0020】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、始動時の気筒判別に要するエンジン回転角を小さくして始動時間を短縮化し、気筒毎の燃料噴射制御や点火制御を速やかに実行可能にした内燃機関の気筒判別装置を得ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る内燃機関の気筒判別装置は、内燃機関のクランク軸の回転に同期して基準位置を含むパルス列からなるクランク角信号を出力するクランク角信号検出手段と、クランク軸に対して1/2の速度比で回転するカム軸と、カム軸の回転に同期して内燃機関の各気筒を識別するための特定パルスを含むカム信号を出力するカム信号検出手段と、クランク角信号およびカム信号に基づいて内燃機関の気筒を判別する気筒判別手段とを備えた内燃機関の気筒判別装置において、気筒判別手段は、各気筒の点火制御周期を複数区間に分割し、複数区間にわたって発生する特定パルスの信号数を計数して記憶する信号数記憶手段と、複数区間の順序を判別する区間判別手段とを含み、区間判別手段は、基準位置からの特定パルスの信号数に対応したクランク角位置に基づいて気筒判別実行位置を検出し、気筒判別実行位置に対応する複数区間の開始区間の始点からクランク角信号を検出していたことに基づいて、複数区間の順序を判別し、複数区間は、基準位置を含む区間と前記基準位置を含まない区間とを有し、複数区間に発生する特定パルスの信号数の組み合わせは、複数区間の開始点によって複数区間毎に対応して異なり、気筒判別手段は、複数区間の開始点によらず、区間判別手段の判別結果に基づいて各気筒を判別するものである。
【0022】
また、この発明の請求項2に係る内燃機関の気筒判別装置は、請求項1において、信号数記憶手段は、内燃機関の始動時からのカム信号の信号数とともに、内燃機関の始動時からのクランク角信号のパルス数を計数して記憶し、気筒判別手段は、クランク角信号のパルス列とカム信号の特定パルスとの時間関係を記憶する信号順序記憶手段と、クランク角信号から基準位置を検出する基準位置検出手段とを含み、基準位置の検出までに記憶されたクランク角信号のパルス数に基づいて、複数区間の前回の始点以前からクランク角信号を検出していたことが判定された場合には、前回区間に発生したカム信号の信号数に基づいて各気筒を判別するものである。
【0023】
また、この発明の請求項3に係る内燃機関の気筒判別装置は、請求項2において、気筒判別手段は、基準位置の検出後に、複数期間のうちの基準位置を含む今回区間の終端検出時までに記憶されたクランク角信号のパルス数に基づいて、今回区間の始点以前からクランク角を検出していたことが判定された場合には、今回区間に発生したカム信号の信号数に基づいて各気筒を判別するものである。
【0024】
また、この発明の請求項4に係る内燃機関の気筒判別装置は、請求項2または請求項3において、気筒判別手段は、複数区間の区間終端検出時までに記憶されたクランク角信号のパルス数に基づいて、前回区間の始点以前からクランク角信号を検出していたことが判定された場合には、前回区間に発生したカム信号の信号数と今回区間に発生したカム信号の信号数との組み合わせに基づいて各気筒を判別するものである。
【0025】
また、この発明の請求項5に係る内燃機関の気筒判別装置は、請求項1から請求項4までのいずれかにおいて、複数区間に発生するカム信号の信号数の組み合わせは、無出力のみの組み合わせを含まないものである。
【0026】
また、この発明の請求項6に係る内燃機関の気筒判別装置は、請求項5において、内燃機関の気筒数は4であり、各気筒の点火制御周期は180°のクランク角であり、複数区間は第1および第2の区間からなり、カム信号に含まれる特定パルス数は、第1および第2の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、0」、「2、1」、「0、2」、「0、1」、となるように設定され、また、第2および第1の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、1」、「0、2」、「1、0」、「2、0」、となるように設定されたものである。
【0027】
また、この発明の請求項7に係る内燃機関の気筒判別装置は、請求項5において、内燃機関の気筒数は6であり、各気筒の点火制御周期は120°のクランク角であり、複数区間は第1および第2の区間からなり、カム信号に含まれる特定パルス数は、第1および第2の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、0」、「2、0」、「1、2」、「0、2」、「1、1」、「0、1」、となるように設定され、また、第2および第1の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、1」、「0、2」、「0、1」、「2、0」、「2、1」、「1、0」、となるように設定されたものである。
【0028】
また、この発明の請求項8に係る内燃機関の気筒判別装置は、請求項5において、内燃機関の気筒数は3であり、各気筒の点火制御周期は240°のクランク角であり、複数区間は第1および第2の区間からなり、カム信号に含まれる特定パルス数は、第1および第2の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、0、2、0」、「1、2、0、2」、「1、1、0、1」、となるように設定され、また、第2および第1の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、1、0、2」、「0、1、2、0」、「2、1、1、0」、となるように設定されたものである。
【0029】
また、この発明の請求項9に係る内燃機関の気筒判別装置は、請求項6から請求項8までのいずれかにおいて、クランク角信号は、10°のクランク角周期のパルス列からなり、クランク角信号に含まれる基準位置は、各気筒毎のTDCから35°のクランク角に設定されたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1を概略的に示す機能ブロック図である。
図1において、内燃機関(エンジン)は、クランク軸1と、クランク軸1に対して1/2の速度比で回転するカム軸2とを備えている。
【0031】
クランク角信号検出手段3は、クランク軸1に同期回転して基準位置を含むパルス列からなるクランク角信号SGTを出力する。
カム信号検出手段4は、カム軸2に同期回転してエンジンの各気筒を識別するための特定パルスを含むカム信号SGCを出力する。
【0032】
電子制御ユニットからなる気筒判別手段10は、クランク角信号SGTおよびカム信号SGCに基づいて、エンジンの気筒を判別するとともに各気筒毎の基準位置を判別する。
【0033】
気筒判別手段10は、クランク角信号SGTおよびカム信号SGCのパルス数を記憶する信号順序記憶手段11および信号数記憶手段12と、クランク角信号SGTを取り込む基準位置検出手段13と、信号数記憶手段12および基準位置検出手段13の各出力信号を取り込む区間判別手段14とを備えている。
【0034】
信号順序記憶手段11は、クランク角信号SGTに含まれる10°CA毎のパルス列と、カム信号SGCに含まれる気筒判別用の特定パルスとの時間関係を記憶する。
【0035】
信号数記憶手段12は、エンジン始動開始からのクランク角信号SGTの検出パルス数を記憶するクランク角信号記憶手段と、エンジン始動開始からのカム信号SGCの発生パルス数を記憶するカム信号記憶手段とを含み、エンジン始動時からのクランク角信号SGTおよびカム信号SGCのパルス信号数を計数して記憶する。
【0036】
また、信号数記憶手段12は、各気筒の点火制御周期を複数区間に分割し、複数区間にわたって発生する特定パルスの信号数を計数して記憶する。
ここでは、後述するように、複数区間を2つの区間(a)および(b)としている。
【0037】
基準位置検出手段13は、クランク角信号SGTから基準位置を検出する。
区間判別手段14は、クランク角信号SGTの基準位置に基づいて複数区間の順序、すなわち区間(a)〜(b)の順序か、区間(b)〜(a)の順序かを判別する。
【0038】
図2はこの発明の実施の形態1によるクランク角信号SGTおよびカム信号SGCのパターンを示すタイミングチャートであり、代表的に4気筒エンジンの場合の信号検出パターンを示している。
【0039】
図2において、クランク角信号SGTは、各気筒(#1〜#4)毎に対応した欠け歯位置A25°CA(以下、単に「A25」と記す)を有する。
ここでは、各気筒毎に、上死点TDCの近傍B05ーCA(以下、「B05」と記す)を中心として、B95°CA(以下、「B95」と記す)〜A25付近までのクランク角位置を明記している。
【0040】
クランク角信号SGTは、10ーCA毎のパルス列であり、欠け歯位置A25はリングギヤの欠け歯に対応している。
したがって、欠け歯に対応して実際に検出される基準位置はA35°CA(以下、「A35」と記す)となる。
【0041】
クランク角信号SGTの各TDC区間(180°CA間)は、複数区間(2区間)に分割され、基準位置A35(欠け歯相当)を含む区間(a)と、基準位置A35を含まない区間(b)とを有する。
【0042】
カム信号SGCは、各気筒に対応して異なる信号数(「0」、「1」、「2」の組み合わせからなる)の特定パルスを有する。
すなわち、カム信号SGCは、各気筒の点火制御周期を複数区間に分割(ここでは、2分割)した場合に、各区間(a)、(b)に発生する特定パルスの信号数の組み合わせが、複数区間の開始点によって複数区間毎に対応して異なるように設定されている。なお、区間途中から記憶開始した場合には、記憶開始点から最初の区間始点までの情報が気筒判別に用いられることはない。
【0043】
これにより、気筒判別手段10は、信号数記憶手段12の記憶開始点と複数区間(a)および(b)との位置関係によらず、区間判別手段14の判別結果に基づいて各気筒を判別できるようになっている。
【0044】
具体的には、気筒判別手段10は、欠け歯位置A25に隣接した基準位置A35を検出するまでに記憶されたクランク角信号SGTのパルス数に基づいて気筒判別を行う。
【0045】
すなわち、気筒判別手段10は、複数区間の前回の始点以前からクランク角信号SGTを検出していたことが判定された場合には、前回区間に発生したカム信号SGCの信号数に基づいて各気筒を判別する。
【0046】
また、気筒判別手段10は、複数期間のうちの基準位置A35を含む今回区間の終端検出時までに記憶されたクランク角信号SGTのパルス数に基づいて、今回区間の始点以前からクランク角信号SGTを検出していたことが判定された場合には、今回区間に発生したカム信号SGCの信号数に基づいて各気筒を判別する。
【0047】
さらに、気筒判別手段10は、複数区間の区間終端検出時までに記憶されたクランク角信号SGTのパルス数に基づいて、前回区間の始点以前からクランク角信号SGTを検出していたことが判定された場合には、前回区間に発生したカム信号SGCの信号数と今回区間に発生したカム信号SGCの信号数との組み合わせに基づいて各気筒を判別する。
【0048】
なお、複数区間(a)、(b)に発生するカム信号SGCの信号数の組み合わせは、無出力のみの組み合わせ(「0」、「0」)を含むことはなく、少なくとも一方の信号数は、「1」または「2」である。
【0049】
また、カム信号SGCは、クランク角信号SGTとカム信号SGCとの位相誤差を考慮して、各区間に所定数のパルス信号が出力されるように設定されている。
【0050】
図2において、各気筒毎のTDC(上死点)区間は、便宜的にTDCに近接したB05により設定されている。
#2気筒のTDC(B05)から#1気筒のTDC(B05)までのTDC区間(点火制御周期)を2分割した区間(a)、(b)において、カム信号SGCの発生パルス数は、それぞれ、「1」、「0」である。
【0051】
また、#1〜#3気筒のTDC区間の2分割区間(a)、(b)での発生パルス数は「2」、「1」、#3〜#4気筒のTDC区間の2分割区間(a)、(b)での発生パルス数は「0」、「2」、#4〜#2気筒のTDC区間の2分割区間(a)、(b)での発生パルス数は「0」、「1」である。
【0052】
次に、図2〜図8を参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による気筒判別動作について説明する。
まず、図2〜図4を参照しながら、代表的な動作例について説明する。
【0053】
図3は図1内の気筒判別手段10の動作を説明するためのタイミングチャートであり、エンジン始動時において、#1気筒のB05(区間(a)の始点)の直前からクランク角信号SGTおよびカム信号SGCの検出を開始した場合の信号検出パターンを示している。
【0054】
図4は図3の信号検出パターンに対して用いられる気筒判別テーブルを示す説明図であり、この気筒判別テーブルは、区間判別手段14内に設けられている。
【0055】
図3のように、エンジン始動時に#1気筒のTDC直前(B05)から信号検出を開始した場合、まず、B05から検出された各信号SGT、SGCのパルス数が計数され、信号数記憶手段12内に記憶される。
【0056】
次に、気筒判別手段10内の基準位置検出手段13は、前回および今回のクランク角信号SGTの周期Tsgt(n−1)、Tsgt(n)を演算し、これらの比率を周期比TR(n)として、以下の(1)式から演算する。
【0057】
TR(n)=Tsgt(n)/Tsgt(n−1) ・・・(1)
【0058】
続いて、基準位置検出手段13は、クランク角信号SGTの周期比TR(n)が所定値Kr以上か否かを判定し、TR(n)≧Krを示す場合に、基準位置A35を検出する。
【0059】
ここで、所定値Krは、エンジンの回転変動などを考慮して、周期比TR(n)が通常値の約2倍に相当する場合に基準位置A35(欠け歯相当)を判定できるように設定されている。
【0060】
基準位置A35の検出時点において、気筒判別手段10は、気筒を判別することはできないものの、区間判別手段14により、現在の検出区間が区間(a)であることを判別することはできる。
【0061】
また、信号数記憶手段12内のデータを参照し、検出開始から基準位置A35を検出した時点までのクランク角信号SGTの検出パルス数が「4」以上であれば、区間(a)の始点B05以前から検出開始していることが判り、B05時点でのクランク角信号SGTのパルス数を確認することができる。
【0062】
次に、気筒判別手段10内の区間判別手段14は、区間(a)の終端B95を判定するために、信号数記憶手段12内のデータを参照する。
このとき、クランク角信号SGTの検出パルス数は、検出開始から現在までに検出されたクランク角信号SGTのパルス数を示している。
【0063】
もし、B05の検出時点からのクランク角信号SGTの検出パルス数が「9」であれば、区間(a)の終端B95であることが判るので、この時点まで(区間(a))に検出されたカム信号SGCのパルス数をチェックする。
図3の場合、区間(a)でのカム信号SGCの発生パルス数は「2」である。
【0064】
次に、気筒判別手段10内の区間判別手段14は、上記区間(a)に続く区間(b)の終端B05を検出するために、信号数記憶手段12内のデータを参照する。
【0065】
もし、区間(b)の始点B95から現在までに検出されたクランク角信号SGTのパルス数が「9」であれば、区間(b)の終端B05であることが判るので、この時点まで(区間(b))に検出されたカム信号SGCのパルス数をチェックする。
図3の場合、区間(b)でのカム信号SGCの発生パルス数は「1」である。
【0066】
したがって、気筒判別手段10は、カム信号SGCの区間(a)、(b)での発生パルス数がそれぞれ「2」、「1」であることから、図4の気筒判別テーブルを参照することにより、最新に検出された現在のクランク角位置が#3気筒のTDC(B05)であることが判る。
【0067】
図3のように、区間(a)の始点(B05)直前からエンジン始動して、クランク角信号SGTの検出を開始した場合には、約180ーCAの間に気筒判別が終了する。
【0068】
また、図2および図4から明らかなように、区間(a)でのカム信号SGCの発生パルス数が「1」または「2」であれば、続く区間(b)の発生パルス数を参照するまでもなく、B95の検出時点で、区間(a)の発生パルス数のみに基づいて、現在のクランク角位置が#1気筒または#3気筒のB95であることを直ちに判別することができる。
【0069】
この場合、エンジン始動時のクランク角信号SGTの検出開始から気筒判別までに要するクランク角は、約90ーCAとなる。
【0070】
次に、図2とともに、図5および図6を参照しながら、他の動作例について説明する。
図5はエンジン始動時に#1気筒のB95(区間(b)の始点)の直前から信号検出を開始した場合のタイミングチャートであり、図6は図5の信号検出パターンに対して用いられる気筒判別テーブルを示す説明図である。
【0071】
図5のように、#1気筒のB95の直前から信号検出を開始した場合、まず、B95からの各信号SGTおよびSGCの検出パルス数が計数され、信号数記憶手段12内に記憶される。
【0072】
この場合、B95を始点とする区間(b)においては、基準位置A35が検出されないので、次の区間(a)の始点B05に達した時点でも、クランク角位置の絶対角を判別することはできない。
【0073】
その後、基準位置A35が検出された時点で、区間判別手段14は、クランク角の絶対角A35を判定し、エンジン始動時から検出されたクランク角信号SGTのパルス数から、各気筒の区間を判別する。
【0074】
すなわち、クランク角信号SGTの検出パルス数が「13」以上の場合には、区間(b)の始点B95以前から検出開始されていたことが判るとともに、始点B95を判別することができる。
【0075】
このように、区間(b)の始点B95から終端B05までにわたってクランク角信号SGTを検出していたことが確認された場合、区間(b)の全体においてクランク角信号SGTを検出しているので、気筒判別手段10は、区間(b)中に検出されたカム信号SGCの発生パルス数を確認する。
図5の場合、区間(b)での発生パルス数は「0」である。
【0076】
次に、気筒判別手段10内の区間判別手段14は、次の#3気筒のB95(区間(a)の終端)を検出するとともに、区間(a)でのカム信号SGCの発生パルス数「2」を確認する。
【0077】
したがって、気筒判別手段10は、図6の気筒判別テーブルを参照して、各区間(b)、(a)での発生パルス数「0」、「2」から、現在のクランク角位置が#3気筒のB95(区間(a)の終端)であることを判別する。
【0078】
図5のように、区間(b)の始点B95の直前からエンジン始動して、クランク角信号SGTの検出を開始した場合には、約180ーCAの間に気筒判別を終了することができる。
【0079】
また、図2および図6から明らかなように、区間(b)でのカム信号SGCの発生パルス数が「0」、「2」であれば、続く区間(a)の発生パルス数を参照するまでもなく、B05の検出時点で、区間(b)の発生パルス数のみに基づいて、現在のクランク角位置が#1気筒または#4気筒のB05であることを直ちに判別することができる。
【0080】
この場合、エンジン始動時の信号検出開始から気筒判別までに要するクランク角は、約130ーCAとなる。
【0081】
次に、図7を参照しながら、気筒判別までに最大のクランク角回転を要する場合の動作例について説明する。
図7はエンジン始動時に#1気筒のB95(区間(b)の始点)の直後から信号検出を開始した場合のタイミングチャートである。
【0082】
この場合、信号検出開始位置が、B95の直後のB85ーCAの付近であるため、基準位置A35(欠け歯相当)を検出した時点でのクランク角信号SGTの検出パルス数は「12」である。
【0083】
このとき、基準位置検出手段13は、絶対角の基準位置A35を判別することができる。
しかし、区間(b)の始点B95からクランク角信号SGTを検出開始していないので、クランク角信号SGTの検出パルス数「12」が不足状態であり、区間判別手段14は、最初に検出した区間(b)でのカム信号SGCの発生パルス数を知ることができない。
【0084】
続いて、基準位置A35からのクランク角信号SGTの検出パルス数「6」に基づいて区間(a)の終端B95を検出した時点で、区間(a)でのカム信号SGCの発生パルス数「2」を確認する。
【0085】
次に、#3気筒のB95からのクランク角信号SGTの検出パルス数「9」に基づいて、区間(b)の終端(#3気筒のB05)を検出し、区間(b)でのカム信号SGCの発生パルス数「1」を確認する。
【0086】
以下、気筒判別手段10は、図4の気筒判別テーブルを参照して、各区間(a)、(b)での発生パルス数「2」、「1」から、現在のクランク角位置が#3気筒のB05であることを判別する。
【0087】
図7のように、エンジン始動時に区間(b)の開始直後から信号検出を開始した場合には、約270ーCA間で気筒判別が終了する。
【0088】
この場合も、区間(a)のカム信号SGCの発生パルス数が「2」または「1」であれば、区間(a)の発生パルス数のみに基づいて直ちに気筒判別することができ、気筒判別までに要するクランク角は約180ーCAとなる。
【0089】
次に、図8を参照しながら、気筒判別までに最大のクランク角回転を要する場合の他の動作例について説明する。
図8はエンジン始動時に#2気筒のB05(区間(a)の始点)の直後から信号検出を開始した場合のタイミングチャートである。
【0090】
図8において、クランク角信号SGTの検出開始位置は、#2気筒のB05の直後のA05ーCAとなる。
【0091】
続いて、クランク角の絶対角A35(欠け歯相当)を検出した時点で、始動時から検出したクランク角信号SGTのパルス数「3」を参照し、区間(a)の始点(B05)からクランク角信号SGTを検出していないことが判る。
【0092】
したがって、#1気筒のB95(区間(a)の終端)を検出した時点においては、区間(a)でのカム信号SGCの発生パルス数が不明であり、区間判別手段14は、まだ発生パルス数の判別を実行しない。
【0093】
続いて、#1気筒のB95からのクランク角信号SGTの検出パルス数「9」に基づいて、#1気筒のB05(区間(b)の終端)を検出し、区間(b)でのカムパルス信号SGCの発生パルス数「0」を確認する。
【0094】
次に、#1気筒の基準位置A35を検出するとともに、A35からのクランク角信号SGTの検出パルス数「6」に基づいて、次の#3気筒のB95(区間(a)の終端)を検出し、区間(a)でのカムパルス信号SGCの発生パルス数「2」を確認する。
【0095】
以下、気筒判別手段10は、図6の気筒判別テーブルを参照して、区間(b)、(a)の各発生パルス数「0」、「2」から、現在のクランク角位置が#3気筒のB95であることを判別する。
【0096】
図8のように、エンジン始動時に区間(a)の始点直後から信号検出を開始した場合には、270℃A間で気筒判別が終了する。
また、前述と同様に、最初に確認される区間(b)でのカム信号SGCの発生パルス数が「0」、「2」の場合には、直ちに気筒判別が終了するので、気筒判別までに要するクランク角は約180℃Aとなる。
【0097】
こうして、図3、図5、図7および図8のいずれの場合も、従来装置よりも短いクランク角回転の間に、エンジン始動時の気筒判別動作を終了することができる。
【0098】
なお、気筒判別完了後の通常運転時においては、各区間(a)、(b)の終了時において、今回区間および前回区間のカム信号SGCの発生パルス数の組み合わせから、図4または図6のテーブルを用いて気筒判別を継続することができる。
【0099】
また、通常運転中の気筒判別処理を簡略化して高速化するために、区間(a)、(b)を分割して認識せずに、たとえば、各気筒毎のTDC区間(B05〜次のB05)すなわち区間(a)、(b)の両方におけるカム信号SGCの発生パルス数に基づいて気筒判別を継続してもよい。
【0100】
図9は各気筒毎のTDC区間でのカム信号SGCの発生パルス数に基づく気筒判別テーブルを示す説明図である。
この場合、気筒判別手段10は、区間(a)、(b)での各発生パルス数の合計を確認し、図9を参照して、前回TDC区間および今回TDC区間での発生パルス数の組み合わせから各気筒を判別することができる。
【0101】
次に、図2〜図9とともに、図10〜図14のフローチャートを参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による気筒判別手段10の処理動作について、さらに具体的に説明する。
【0102】
図10〜図14は4気筒エンジンの始動時における気筒判別動作を示しており、図10はカム信号SGCによる割り込み処理ルーチン、図11〜図14はクランク角信号SGTによる割り込み処理ルーチンである。
【0103】
図10において、Psgc(n)はクランク角信号SGTの前回パルスから今回パルスまでの間に検出されたカム信号SGCの発生パルス数である。
図11において、Tsgt(n)はクランク角信号SGTの前回パルスから今回パルスまでの周期である。
【0104】
図12〜図14において、Psgtはクランク角信号SGTの検出開始からのパルス数、Psgc_bは最新の区間(b)でのカム信号SGCの発生パルス数、Psgc_s(n)は今回系列のカム信号SGCの発生パルス数、Psgc_aは最新の区間(a)でのカム信号SGCの発生パルス数、Psgc_s(n)は今回系列でのカム信号SGCの発生パルス数である。
【0105】
まず、図10において、信号順序記憶手段11および信号数記憶手段12は、カム信号SGCのパルス発生時に応答して、クランク角信号SGTの今回のパルス検出周期Tsgt(n)に対応させて、カム信号SGCの発生パルス数Psgc(n)(=1)を格納する(ステップS1)。
【0106】
また、図11において、信号順序記憶手段11および信号数記憶手段12は、クランク角信号SGTのパルス検出毎に、今回のパルス検出周期Tsgt(n)を前回のパルス検出周期Tsgt(n−1)にシフトした後(ステップS10)、最新のパルス検出周期Tsgt(n)を演算し(ステップS11)、図12の処理フローに進む。
【0107】
図12において、まず、クランク角信号SGTの検出パルス数Psgtをインクリメント(計数)し(ステップS12)、欠け歯検出フラグを参照して、既に欠け歯の検出が終了しているか否かを判定する(ステップS13)。
【0108】
ステップS13において、既に欠け歯が検出されている(すなわち、YES)と判定されれば、後述する図13の処理フロー(ステップS24)に進み、欠け歯が検出されていない(すなわち、NO)と判定されれば、現在のクランク角位置が欠け歯に相当するか否かを判定する(ステップS14)。
【0109】
すなわち、前述の(1)式で求めたクランク角信号SGTの周期比TR(n)が所定値Kr以上か否かを判定し、TR(n)<Kr(すなわち、NO)と判定されればステップS23(後述する)に進む。
【0110】
また、ステップS14において、TR(n)≧Kr(すなわち、YES)と判定されれば、欠け歯の検出終了を示すフラグをセットし(ステップS15)、欠け歯に相当する現在のクランク角位置A35をセットする。
【0111】
続いて、区間(b)の始点(B95)以前から信号検出を開始していた(図5の状態)か否かを判定するために、検出開始時点から現在までのクランク角信号SGTの検出パルス数Psgtが「13」以上か否かを判定する(ステップS17)。
【0112】
ステップS17において、Psgt<13(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS23に進み、Psgt≧13(すなわち、YES)と判定されれば、区間(b)でのカム信号SGCの発生パルス数Psgc_bを確認する(ステップS18)。
【0113】
このとき、発生パルス数Psgc_bは、ステップS1(図10)で算出されて記憶されたB05以前の9個のデータ値を積算することにより、以下の(2)式から求められる。
【0114】
Psgc_b=Psgc(n−11)+Psgc(n−10)+・・・+Psgc(n−3) ・・・(2)
【0115】
続いて、(2)式から求められた発生パルス数Psgc_bを今回系列の発生パルス数Psgc_s(n)として格納し(ステップS19)、発生パルス数Psgc_bが「0」、「1」、「2」のうちのどの値かを判定する(ステップS20)。
【0116】
ステップS20において、Psgc_b=1と判定されれば、この値「1」のみから気筒判別することはできないので、ステップS23に進む。
【0117】
また、ステップS20において、Psgc_b=0またはPsgc_b=2と判定されれば、区間(b)のみのテーブル(図示せず)に基づいて、現在のクランク角位置A35の気筒(#1気筒または#4気筒)を確認し(ステップS21)、気筒判別終了を示すフラグをセットする(ステップS22)。
【0118】
次に、kパルス(区間始点または終端からの検出開始点のずれ量に相当)前のクランク角信号SGTのパルス周期の間に検出されたカム信号SGCの発生パルス数Psgc(n−k)を、(k+1)パルス前の値Psgc(n−k−1)にシフトし、Psgc(n)を0クリアして(ステップS23)、図12の処理ルーチンを終了する。
【0119】
一方、ステップS13において、既に欠け歯検出終了フラグがセットされていて、欠け歯の検出が終了している(すなわち、YES)と判定された場合には、図13内のステップS24に進む。
【0120】
図13において、まず、基準位置A35からのクランク角信号SGTの検出パルス数に基づいて、クランク角位置を10°CA(1周期分)だけ更新し、現在のクランク角位置を確認して(ステップS24)、現在のクランク角位置が次の気筒のB05に達したか否かを判定する(ステップS25)。
【0121】
ステップS25において、現在のクランク角位置がB05に達した(すなわち、YES)と判定されれば、後述する図14の処理フロー(ステップS36)に進み、B05に達していない(すなわち、NO)と判定されれば、さらに、現在のクランク角位置がB95に達したか否かを判定する(ステップS26)。
【0122】
ステップS26において、A35からの検出パルス数が「5」以下であって、現在のクランク角位置がB95に達していない(すなわち、NO)と判定されれば、図12内のステップS23に進み、処理を終了する。
【0123】
また、ステップS26において、現在のクランク角位置がB95に達した(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、信号検出開始からの検出パルス数Psgtが「9」以上か否かを判定する(ステップS27)。
【0124】
ステップS27において、Psgt<9(すなわち、NO)と判定されれば、図12内のステップS23に進み、処理を終了する。
【0125】
また、ステップS27において、Psgt≧9(すなわち、YES)と判定されれば、今回系列のカム信号SGCの発生パルス数Psgc_s(n)を前回値Psgc_s(n−1)にシフトし(ステップS28)、区間(a)でのカム信号SGCの発生パルス数Psgc_aを確認する(ステップS29)。
【0126】
このとき、発生パルス数Psgc_aは、ステップS1(図10)で算出されて記憶されたB95以前の7個のデータ値を積算することにより、以下の(3)式から求められる。
【0127】
Psgc_a=Psgc(n−7)+Psgc(n−6)+・・・+Psgc(n−1) ・・・(3)
【0128】
続いて、(3)式から求められた発生パルス数Psgc_aを今回系列の発生パルス数Psgc_s(n)として格納し(ステップS30)、前回の最新の区間(b)での発生パルス数Psgc_b(すなわち、前回系列値Psgc_s(n−1))の検出が終了しているか否かを判定する(ステップS31)。
【0129】
ステップS31において、区間(b)の発生パルス数Psgc_bの検出が終了している(すなわち、YES)と判定されれば、今回の区間(a)の発生パルス数Psgc_aと組み合わせて、区間(b)〜(a)の気筒判別テーブル(図6参照)から現在のクランク角位置の気筒を確認し(ステップS32)、後述するステップS35に進む。
【0130】
また、ステップS31において、前回の区間(b)の発生パルス数Psgc_bの検出が終了していない(すなわち、NO)と判定されれば、今回の区間(a)の発生パルス数Psgc_aが「0」、「1」、「2」のうちのどの値かを判定する(ステップS33)。
【0131】
ステップS33において、Psgc_a=0と判定されれば、この値「0」のみから気筒判別することはできないので、図12内のステップS23に進み、処理を終了する。
【0132】
また、ステップS33において、Psgc_a=1またはPsgc_a=2と判定されれば、区間(a)のみのテーブル(図示せず)に基づいて、現在のクランク角位置B95の気筒(#1気筒または#3気筒)を確認し(ステップS34)、気筒判別終了を示すフラグをセットして(ステップS35)、図12内のステップS23に進む。
【0133】
一方、ステップS25において、現在のクランク角位置がB05である(すなわち、YES)と判定された場合には、図14内のステップS36に進む。
【0134】
図14において、まず、今回系列のカム信号SGCの発生パルス数Psgc_s(n)を前回値Psgc_s(n−1)にシフトし(ステップS36)、区間(b)でのカム信号SGCの発生パルス数Psgc_bを確認する(ステップS37)。
【0135】
このとき、発生パルス数Psgc_bは、ステップS1(図10)で算出されて記憶されたB05以前の9個のデータ値を積算することにより、以下の(4)式から求められる。
【0136】
Psgc_b=Psgc(n−8)+Psgc(n−7)+・・・+Psgc(n) ・・・(4)
【0137】
続いて、(4)式から求められた発生パルス数Psgc_bを今回系列の発生パルス数Psgc_s(n)として格納し(ステップS38)、前回の最新の区間(a)での発生パルス数Psgc_a(すなわち、前回系列値Psgc_s(n−1))の検出が終了しているか否かを判定する(ステップS39)。
【0138】
ステップS39において、区間(a)の発生パルス数Psgc_aの検出が終了している(すなわち、YES)と判定されれば、今回の区間(b)の発生パルス数Psgc_bと組み合わせて、区間(a)〜(b)の気筒判別テーブル(図4参照)から現在のクランク角位置の気筒を確認し(ステップS40)、後述するステップS43に進む。
【0139】
また、ステップS39において、前回の区間(a)の発生パルス数Psgc_aの検出が終了していない(すなわち、NO)と判定されれば、今回の区間(b)の発生パルス数Psgc_bが「0」、「1」、「2」のうちのどの値かを判定する(ステップS41)。
【0140】
ステップS41において、Psgc_b=1と判定されれば、この値「1」のみから気筒判別することはできないので、図12内のステップS23に進み、処理を終了する。
【0141】
また、ステップS41において、Psgc_b=0またはPsgc_b=2と判定されれば、区間(b)のみのテーブル(図示せず)に基づいて、現在のクランク角位置B05の気筒(#1気筒または#4気筒)を確認し(ステップS42)、気筒判別終了を示すフラグをセットして(ステップS43)、図12内のステップS23に進む。
【0142】
このように、区間(a)または区間(b)のみのカム信号SGCの発生パルス数、各区間(a)、(b)の発生パルス数の組み合わせ、各区間(b)、(a)の発生パルス数の組み合わせに基づいて、エンジン始動時の信号検出開始タイミングによらず、従来装置よりも短いクランク角回転の間に気筒判別することができる。
【0143】
たとえば、基準位置A35の検出時に前回の区間(b)の始点以前からクランク角信号SGTを検出していた場合には、前回の区間(b)に発生したカム信号SGCの発生パルス数「2」に基づいて#4気筒を判別することができる。
【0144】
また、基準位置A35の検出後であってA35を含む今回の区間(a)の終端検出時に、今回の区間(a)の始点以前からクランク角信号SGTを検出していた場合には、今回の区間(a)に発生したカム信号SGCの発生パルス数「1」または「2」に基づいて#1気筒または#3気筒を判別することができる。
【0145】
また、複数区間の区間終端検出時に前回区間の始点以前からクランク角信号SGTを検出していた場合には、前回区間および今回区間でのカム信号SGCの発生パルス数の組み合わせに基づいて気筒を判別することができる。
【0146】
すなわち、クランク角信号SGTの基準位置A35(欠け歯相当)の検出時に、基準位置A35が含まれる区間を判別するとともに、区間(a)または(b)の始点以前に検出開始していたか否かを速やかに判別し、確認区間内でのカム信号SGCの発生パルス数またはその組み合わせから、速やかに気筒判別することができる。
【0147】
したがって、気筒判別に必要な複数区間の検出終了時に直ちに気筒判別することができ、気筒判別に要するクランク角が少なくて済み、通常点火制御に移行するまでのエンジン始動時間を短縮することができる。
【0148】
このとき、図2から明らかなように、カム信号SGCの発生パルス数(0、1、2)の組み合わせは、各区間毎に異なるように設定されているので、確実に各気筒に対応させることができる。
【0149】
また、気筒判別を行う複数区間において、カム信号SGCの発生パルス数の組み合わせは、「0」、「0」とならないように設定されているので、断線時に気筒を誤判定することもなく、フェールセーフ機能を損なうこともない。
なお、前述のように、区間(b)のみのテーブルに基づいて気筒判別する場合(図12内のステップS20、S21参照)は、区間(b)のパルス数Psgc_bが「0」または「2」の場合に特定気筒を判別することができるが、Psgc_b=0の場合は、断線との区別がつかないので、気筒判別を禁止するようにしてもよい。
【0150】
また、気筒判別手段10内の記憶手段11、12は、始動時からのクランク角信号SGTおよびカム信号SGCの各検出信号数とともに、各信号SGTおよびSGCの発生タイミングの順序関係を履歴として記憶しているので、気筒判別の信頼性を損なうこともない。
【0151】
また、クランク角信号SGTは、10°CA毎の周期的なパルス列からなり、各パルスにより特定されるクランク角位置が高精度に得られるので、各気筒の制御精度を損なうこともない。
【0152】
また、クランク角信号SGTに含まれる基準位置がA35であり、欠け歯位置は、エンジン制御基準位置と関連性の低いクランク角位置A25に設定されているので、各気筒毎の制御において特に支障を与えることもない。
【0153】
さらに、TDC区間の分割数および各区間毎のカム信号SGCの発生パルス数の順序は、図2の例に限らず、各気筒毎に異なるように配置設定すればよく、任意の分割区間数に対して適切なカム信号パルス数の組み合わせを設定することにより、前述と同様に短時間で気筒判別可能なことは言うまでもない。
【0154】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、4気筒エンジンに適用した場合について説明したが、6気筒エンジンに適用してもよく、前述の実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0155】
図15は6気筒エンジンに適用したこの発明の実施の形態2によるクランク角信号SGTおよびカム信号SGCのパルス発生パターンを示すタイミングチャートである。
図15において、欠け歯位置はA25(前述と同様)に設定されているが、6気筒エンジンのTDC区間(点火制御区間)が120ーCAであるため、区間(a)はB05〜B65°CA(以下、「B65」と記す)、区間(b)はB65〜B05となる。
【0156】
図16はこの発明の実施の形態2による気筒判別動作の一例を示すタイミングチャートであり、区間(a)の始点(B05)の直前からクランク角信号SGTの検出を開始した場合を示している。
【0157】
図17は図16の信号検出パターンに対して用いられる気筒判別テーブルを示す説明図であり、#6気筒のB05から信号検出を開始して、次のクランク角位置B05の検出時に、区間(a)、(b)での発生パルス数「1」、「0」の組み合わせに基づいて、#1気筒のB05を判別する場合を示している。
【0158】
図16の信号検出パターンの場合、TDC区間(120°CA)が前述と異なるのみであり、基本的な気筒判別動作については前述と同様なので詳述しないが、気筒判別に要するクランク回転角は120ーCAとなる。
【0159】
また、図18はこの発明の実施の形態2による気筒判別動作の他の例を示すタイミングチャートであり、区間(b)の始点(B65)の直前からクランク角信号SGTの検出を開始した場合を示している。
【0160】
図19は図18の信号検出パターンに対して用いられる気筒判別テーブルを示す説明図であり、#2気筒のB65から信号検出を開始して、次のクランク角位置B65の検出時に、区間(b)、(a)での発生パルス数「0」、「1」の組み合わせに基づいて、#3気筒のB65を判別する場合を示している。
図18の信号検出パターンの場合も、気筒判別に要するクランク回転角は120ーCAとなる。
【0161】
図20は区間(b)の始点直後(B55°CA)からクランク角信号SGTを検出した場合のタイミングチャートである。
図20においては、最初の区間(b)での発生パルス数を確認することはできないものの、続く区間(a)、(b)での発生パルス数「0」、「2」から、図17のテーブルを参照して#4気筒のB05を判定することができる。
この場合、気筒判別に要するクランク回転角は180ーCAとなる。
【0162】
また、図21は区間(a)の始点直後(A05°CA)からクランク角信号SGTを検出した場合のタイミングチャートである。
図21においては、最初の区間(a)での発生パルス数を確認することはできないものの、続く区間(b)、(a)での発生パルス数「1」、「0」から、図19のテーブルを参照して#6気筒のB65を判定することができる。
この場合も、気筒判別に要するクランク回転角は180ーCAとなる。
【0163】
さらに、図22は通常時の気筒判別に用いられるテーブルの一例を示す説明図である。
図22においては、各気筒毎に区間(a)、(b)での発生パルス数を合計し、TDC区間でのカム信号SGCの発生パルス数を参照して気筒判別するようになっている。
【0164】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2では、6気筒エンジンに適用した場合について説明したが、3気筒エンジンに適用してもよく、前述の実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0165】
図23は3気筒エンジンに適用したこの発明の実施の形態3によるクランク角信号SGTおよびカム信号SGCのパルス発生パターンを示すタイミングチャートである。
図23において、欠け歯位置はA25(前述と同様)に設定されているが、3気筒エンジンのTDC区間(点火制御区間)が240ーCAである。
【0166】
したがって、TDC区間を整数倍しても360°CAにならないため、実質的に前述の6気筒の場合と同一のクランク角信号SGTが用いられ、A25およびB95が欠け歯位置となっている。
【0167】
すなわち3気筒の場合、エンジンの1サイクル(720ーCA)で各気筒毎に1つの基準位置を設定することができないので、TDC区間(240ーCA)毎に2つの欠け歯位置A25およびB95が設定される。
【0168】
また、この場合も、6気筒の場合と同様に、各TDC区間は2つの区間(a)、(b)、(a)、(b)に分割される。
図24および図25はこの発明の実施の形態3において用いられる気筒判別テーブルである。
【0169】
図24のテーブルは、区間(a)、(b)でのカム信号SGCの発生パルス数に基づいて気筒判別を行う場合に用いられ、図25のテーブルは、区間(b)、(a)でのカム信号SGCの発生パルス数に基づいて気筒判別を行う場合に用いられる。
【0170】
この場合も、エンジン始動時の検出開始クランク角がどの位置であっても、早期に気筒判別することができ、エンジン始動時間が短縮化され始動性を向上させることができる。
【0171】
また、気筒判別に用いる複数区間において、全区間の発生パルス数の組み合わせが「0」、「0」とならないので、フェールセーフ性にも優れている。
【0172】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、内燃機関のクランク軸の回転に同期して基準位置を含むパルス列からなるクランク角信号を出力するクランク角信号検出手段と、クランク軸に対して1/2の速度比で回転するカム軸と、カム軸の回転に同期して内燃機関の各気筒を識別するための特定パルスを含むカム信号を出力するカム信号検出手段と、クランク角信号およびカム信号に基づいて内燃機関の気筒を判別する気筒判別手段とを備えた内燃機関の気筒判別装置において、気筒判別手段は、各気筒の点火制御周期を複数区間に分割し、複数区間にわたって発生する特定パルスの信号数を計数して記憶する信号数記憶手段と、複数区間の順序を判別する区間判別手段とを含み、区間判別手段は、基準位置からの特定パルスの信号数に対応したクランク角位置に基づいて気筒判別実行位置を検出し、気筒判別実行位置に対応する複数区間の開始区間の始点からクランク角信号を検出していたことに基づいて、複数区間の順序を判別し、複数区間は、基準位置を含む区間と前記基準位置を含まない区間とを有し、複数区間に発生する特定パルスの信号数の組み合わせは、複数区間の開始点によって複数区間毎に対応して異なり、気筒判別手段は、複数区間の開始点によらず、区間判別手段の判別結果に基づいて各気筒を判別するようにしたので、始動時の気筒判別に要するエンジン回転角を小さくして始動時間を短縮化し、気筒毎の燃料噴射制御や点火制御を速やかに実行可能にした内燃機関の気筒判別装置が得られる効果がある。
【0173】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、信号数記憶手段は、内燃機関の始動時からのカム信号の信号数とともに、内燃機関の始動時からのクランク角信号のパルス数を計数して記憶し、気筒判別手段は、クランク角信号のパルス列とカム信号の特定パルスとの時間関係を記憶する信号順序記憶手段と、クランク角信号から基準位置を検出する基準位置検出手段とを含み、基準位置の検出までに記憶されたクランク角信号のパルス数に基づいて、複数区間の前回の始点以前からクランク角信号を検出していたことが判定された場合には、前回区間に発生したカム信号の信号数に基づいて各気筒を判別するようにしたので、気筒毎の燃料噴射制御や点火制御を速やかに実行可能にした内燃機関の気筒判別装置が得られる効果がある。
【0174】
また、この発明の請求項3によれば、請求項2において、気筒判別手段は、基準位置の検出後に、複数期間のうちの基準位置を含む今回区間の終端検出時までに記憶されたクランク角信号のパルス数に基づいて、今回区間の始点以前からクランク角を検出していたことが判定された場合には、今回区間に発生したカム信号の信号数に基づいて各気筒を判別するようにしたので、気筒毎の燃料噴射制御や点火制御を速やかに実行可能にした内燃機関の気筒判別装置が得られる効果がある。
【0175】
また、この発明の請求項4によれば、請求項2または請求項3において、気筒判別手段は、複数区間の区間終端検出時までに記憶されたクランク角信号のパルス数に基づいて、前回区間の始点以前からクランク角信号を検出していたことが判定された場合には、前回区間に発生したカム信号の信号数と今回区間に発生したカム信号の信号数との組み合わせに基づいて各気筒を判別するようにしたので、気筒毎の燃料噴射制御や点火制御を速やかに実行可能にした内燃機関の気筒判別装置が得られる効果がある。
【0176】
また、この発明の請求項5によれば、請求項1から請求項4までのいずれかにおいて、複数区間に発生するカム信号の信号数の組み合わせは、無出力のみの組み合わせを含まないようにしたので、フェールセーフ機能を備えた内燃機関の気筒判別装置が得られる効果がある。
【0177】
また、この発明の請求項6によれば、請求項5において、内燃機関の気筒数は4であり、各気筒の点火制御周期は180°のクランク角であり、複数区間は第1および第2の区間からなり、カム信号に含まれる特定パルス数は、第1および第2の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、0」、「2、1」、「0、2」、「0、1」、となるように設定され、また、第2および第1の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、1」、「0、2」、「1、0」、「2、0」、となるように設定されたので、フェールセーフ機能を有するとともに、気筒毎の燃料噴射制御や点火制御を速やかに実行可能にした内燃機関の気筒判別装置が得られる効果がある。
【0178】
また、この発明の請求項7によれば、請求項5において、内燃機関の気筒数は6であり、各気筒の点火制御周期は120°のクランク角であり、複数区間は第1および第2の区間からなり、カム信号に含まれる特定パルス数は、第1および第2の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、0」、「2、0」、「1、2」、「0、2」、「1、1」、「0、1」、となるように設定され、また、第2および第1の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、1」、「0、2」、「0、1」、「2、0」、「2、1」、「1、0」、となるように設定されたので、フェールセーフ機能を有するとともに、気筒毎の燃料噴射制御や点火制御を速やかに実行可能にした内燃機関の気筒判別装置が得られる効果がある。
【0179】
また、この発明の請求項8によれば、請求項5において、内燃機関の気筒数は3であり、各気筒の点火制御周期は240°のクランク角であり、複数区間は第1および第2の区間からなり、カム信号に含まれる特定パルス数は、第1および第2の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、0、2、0」、「1、2、0、2」、「1、1、0、1」、となるように設定され、また、第2および第1の区間に対して、各気筒の制御順に、それぞれ、「1、1、0、2」、「0、1、2、0」、「2、1、1、0」、となるように設定されたので、フェールセーフ機能を有するとともに、気筒毎の燃料噴射制御や点火制御を速やかに実行可能にした内燃機関の気筒判別装置が得られる効果がある。
【0180】
また、この発明の請求項9によれば、請求項6から請求項8までのいずれかにおいて、クランク角信号は、10°のクランク角周期のパルス列からなり、クランク角信号に含まれる基準位置は、各気筒毎のTDCから35°のクランク角に設定されたので、制御性および制御精度を損なうことなく、気筒毎の燃料噴射制御や点火制御を速やかに実行可能にした内燃機関の気筒判別装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を概略的に示す機能ブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による4気筒エンジンのクランク角信号およびカム信号のパターンを示すタイミングチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1による気筒判別動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】 図3の信号検出パターンに対して用いられる区間(a)、(b)に基づく気筒判別テーブルを示す説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による気筒判別動作の第2の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】 図5の信号検出パターンに対して用いられる区間(b)、(a)に基づく気筒判別テーブルを示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態1による気筒判別動作の第3の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態1による気筒判別動作の第4の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態1による通常運転中のTDC区間に基づく気筒判別テーブルを示す説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態1による気筒判別手段のカム信号割り込み処理動作を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態1による気筒判別手段のクランク角信号割り込み処理動作を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態1による気筒判別手段のクランク角信号割り込み処理動作を示すフローチャートである。
【図13】 この発明の実施の形態1による気筒判別手段のクランク角信号割り込み処理動作を示すフローチャートである。
【図14】 この発明の実施の形態1による気筒判別手段のクランク角信号割り込み処理動作を示すフローチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態2による6気筒エンジンのクランク角信号およびカム信号のパターンを示すタイミングチャートである。
【図16】 この発明の実施の形態2による気筒判別動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図17】 図16の信号検出パターンに対して用いられる区間(a)、(b)に基づく気筒判別テーブルを示す説明図である。
【図18】 この発明の実施の形態2による気筒判別動作の第2の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図19】 図18の信号検出パターンに対して用いられる区間(b)、(a)に基づく気筒判別テーブルを示す説明図である。
【図20】 この発明の実施の形態2による気筒判別動作の第3の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図21】 この発明の実施の形態2による気筒判別動作の第4の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図22】 この発明の実施の形態2による通常運転中のTDC区間に基づく気筒判別テーブルを示す説明図である。
【図23】 この発明の実施の形態3による3気筒エンジンのクランク角信号およびカム信号のパターンを示すタイミングチャートである。
【図24】 この発明の実施の形態3により用いられる区間(a)、(b)に基づく気筒判別テーブルを示す説明図である。
【図25】 この発明の実施の形態3により用いられる区間(b)、(a)に基づく気筒判別テーブルを示す説明図である。
【符号の説明】
1 クランク軸、2 カム軸、3 クランク角信号検出手段、4 カム信号検出手段、10 気筒判別手段、11 信号順序記憶手段、12 信号数記憶手段、13 基準位置検出手段、14 区間判別手段、(a)、(b) 区間、A35 基準位置、Psgc_s(n) カム信号パルス数、Psgt 始動時からのクランク角信号パルス数、SGT クランク角信号、SGC カム信号。
Claims (9)
- 内燃機関のクランク軸の回転に同期して基準位置を含むパルス列からなるクランク角信号を出力するクランク角信号検出手段と、
前記クランク軸に対して1/2の速度比で回転するカム軸と、
前記カム軸の回転に同期して前記内燃機関の各気筒を識別するための特定パルスを含むカム信号を出力するカム信号検出手段と、
前記クランク角信号および前記カム信号に基づいて前記内燃機関の気筒を判別する気筒判別手段とを備えた内燃機関の気筒判別装置において、
前記気筒判別手段は、
前記各気筒の点火制御周期を複数区間に分割し、前記複数区間にわたって発生する前記特定パルスの信号数を計数して記憶する信号数記憶手段と、
前記複数区間の順序を判別する区間判別手段とを含み、
前記区間判別手段は、前記基準位置からの前記特定パルスの信号数に対応したクランク角位置に基づいて気筒判別実行位置を検出し、前記気筒判別実行位置に対応する前記複数区間の開始区間の始点から前記クランク角信号を検出していたことに基づいて、前記複数区間の順序を判別し、
前記複数区間は、前記基準位置を含む区間と前記基準位置を含まない区間とを有し、
前記複数区間に発生する前記特定パルスの信号数の組み合わせは、前記複数区間の開始点によって前記複数区間毎に対応して異なり、
前記気筒判別手段は、前記複数区間の開始点によらず、前記区間判別手段の判別結果に基づいて前記各気筒を判別することを特徴とする内燃機関の気筒判別装置。 - 前記信号数記憶手段は、前記内燃機関の始動時からの前記カム信号の信号数とともに、前記内燃機関の始動時からの前記クランク角信号のパルス数を計数して記憶し、
前記気筒判別手段は、
前記クランク角信号のパルス列と前記カム信号の特定パルスとの時間関係を記憶する信号順序記憶手段と、
前記クランク角信号から前記基準位置を検出する基準位置検出手段とを含み、
前記基準位置の検出までに記憶された前記クランク角信号のパルス数に基づいて、前記複数区間の前回の始点以前から前記クランク角信号を検出していたことが判定された場合には、前回区間に発生した前記カム信号の信号数に基づいて前記各気筒を判別することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の気筒判別装置。 - 前記気筒判別手段は、
前記基準位置の検出後に、前記複数期間のうちの前記基準位置を含む今回区間の終端検出時までに記憶された前記クランク角信号のパルス数に基づいて、前記今回区間の始点以前からクランク角を検出していたことが判定された場合には、今回区間に発生した前記カム信号の信号数に基づいて前記各気筒を判別することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の気筒判別装置。 - 前記気筒判別手段は、
前記複数区間の区間終端検出時までに記憶された前記クランク角信号のパルス数に基づいて、前回区間の始点以前から前記クランク角信号を検出していたことが判定された場合には、前記前回区間に発生した前記カム信号の信号数と今回区間に発生した前記カム信号の信号数との組み合わせに基づいて前記各気筒を判別することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関の気筒判別装置。 - 前記複数区間に発生する前記カム信号の信号数の組み合わせは、無出力のみの組み合わせを含まないことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の内燃機関の気筒判別装置。
- 前記内燃機関の気筒数は4であり、前記各気筒の点火制御周期は180°のクランク角であり、
前記複数区間は第1および第2の区間からなり、前記カム信号に含まれる特定パルス数は、
前記第1および第2の区間に対して、前記各気筒の制御順に、それぞれ、「1、0」、「2、1」、「0、2」、「0、1」、となるように設定され、
また、前記第2および第1の区間に対して、前記各気筒の制御順に、それぞれ、「1、1」、「0、2」、「1、0」、「2、0」、となるように設定されたことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の気筒判別装置。 - 前記内燃機関の気筒数は6であり、前記各気筒の点火制御周期は120°のクランク角であり、
前記複数区間は第1および第2の区間からなり、前記カム信号に含まれる特定パルス数は、
前記第1および第2の区間に対して、前記各気筒の制御順に、それぞれ、「1、0」、「2、0」、「1、2」、「0、2」、「1、1」、「0、1」、となるように設定され、
また、前記第2および第1の区間に対して、前記各気筒の制御順に、それぞれ、「1、1」、「0、2」、「0、1」、「2、0」、「2、1」、「1、0」、となるように設定されたことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の気筒判別装置。 - 前記内燃機関の気筒数は3であり、前記各気筒の点火制御周期は240°のクランク角であり、
前記複数区間は第1および第2の区間からなり、前記カム信号に含まれる特定パルス数は、
前記第1および第2の区間に対して、前記各気筒の制御順に、それぞれ、「1、0、2、0」、「1、2、0、2」、「1、1、0、1」、となるように設定され、
また、前記第2および第1の区間に対して、前記各気筒の制御順に、それぞれ、「1、1、0、2」、「0、1、2、0」、「2、1、1、0」、となるように設定されたことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の気筒判別装置。 - 前記クランク角信号は、10°のクランク角周期のパルス列からなり、
前記クランク角信号に含まれる基準位置は、前記各気筒毎のTDCから35°のクランク角に設定されたことを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれかに記載の内燃機関の気筒判別装置。
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