JP3852027B2 - 包装用袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、食品や医薬品などを収容して包装するための包装用袋、特に昆布、佃煮、煮豆などのばらつき易い食品を包装するのに適した包装用袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、昆布、佃煮、煮豆などの食品は、二枚の四角形状の合成樹脂フィルムを重ね合わせ、その四辺をヒートシールするようにした包装用袋に密封して収容され、包装されている。
【0003】
そして、前記従来の包装用袋に収容された昆布、佃煮、煮豆などの食品は、上辺のヒートシール部の近傍の両側または片側に設けた、一般にはノッチといわれている切欠きから、この包装用袋を引き裂き、上辺部を開封して、箸などで取り出していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の包装用袋に収容された昆布、佃煮、煮豆などの食品は、包装用袋に収容された状態で既にばらついており、これを箸などで摘んで包装用袋から取り出そうとすると、さらにばらついていまい、非常に取り出し難くなることがある。
【0005】
さらに、上記従来の包装用袋は、上辺部しか開封することができないので、開封部が狭く、箸などを袋内に差し込み難く、また摘まみ難くて食品が袋の隅に残ってしまったりして、非常に取り出し難くなることがある。
【0006】
そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するものであり、昆布、佃煮、煮豆などのばらつき易い食品を収容した場合には、上辺部だけでなく、隣り合う二辺部を開封可能とし、さらに必要に応じ三辺部を開封可能とすることにより、開封部を広くし、箸などを袋内に差し込み易くしたり、摘まみ易くして、ばらつき易い食品を容易に取り出せるようにした包装用袋を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため、この発明の包装用袋は、二枚の四角形状の合成樹脂フィルム1を重ね合わせ、一組の隣り合う二辺1a、1bの近傍に人の手の力で引き剥がすことが不可能な剥離強度としたシール部2を設け、もう一組の隣り合う二辺1c、1dの近傍に人の手の力で引き剥がすことが可能な剥離強度としたシール部3を設けると共に、このシール部3の幅を前記シール部2の幅よりも狭いものとし、さらに前記隣り合う二辺1c、1dの交差端部に非シール部4を設けたものとしている。
【0008】
そして、この発明の包装用袋は、前記二辺1a、1bの何れか一辺に設けたシール部2の近傍の両側または片側に、切欠き5を設けたものとしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の包装用袋を、一実施形態として示した図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、この発明の包装用袋の平面図を示しており、二枚の四角形状の合成樹脂フィルム1を重ね合わせ、一組の隣り合う二辺1a、1b、すなわち上辺と右側辺の近傍にシール部2を設け、もう一組の隣り合う二辺1c、1d、すなわち下辺と左側辺の近傍に人の手の力で引き剥がすことが可能な剥離強度としたシール部3を設けると共に、この隣り合う二辺1c、1d、すなわち下辺と左側辺の交差端部に非シール部4を設けたものとしている。
【0011】
合成樹脂フィルム1は、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂が用いられており、必要に応じアルミナ蒸着などを施してガスバリヤー性をもたせたものとしている。
【0012】
一組の隣り合う二辺1a、1bは、この実施の形態では、合成樹脂フィルム1の上辺と右側辺としているが、合成樹脂フィルム1の下辺と左側辺としてもよい。また、もう一組の隣り合う二辺1c、1dは、この実施の形態では、合成樹脂フィルム1の下辺と左側辺としているが、合成樹脂フィルム1の上辺と右側辺としてもよい。
【0013】
シール部2は、例えば、ヒートシールしたものとしている。このシール部2は、人の手の力で引き剥がすことが不可能な剥離強度とした、いわゆるパーマネント加工をしたものとしている。
【0014】
シール部3は、例えば、ヒートシールしたものとしている。このシール部2は、人の手の力で引き剥がすことが可能な剥離強度とした、いわゆるイージーピール加工をしたものとしている。
【0015】
非シール部4は、前記隣り合う二辺1c、1dの交差端部の内側の一部をヒートシールしないで残した部分としている。この非シール部4は、手の指先を差し込んで合成樹脂フィルム1の端部を摘まみ、ヒートシールしたシール部3を引き裂き易くしたものであり、手の指先が充分に差し込める程度の大きさとしている。また、前記非シール部4は、合成樹脂フィルム1の片側を折り曲げたり、合成樹脂フィルム1の片側を少し短くカットしたり、合成樹脂フィルム1に通孔を設けたりして、シール部3を引き裂くときの目印になるようにしておくことができる。
【0016】
さらに、この発明の包装用袋は、前記二辺1a、1bの何れか一辺、この実施の形態では、上辺に設けたシール部2の近傍の両側または片側(この実施の形態では両側)に、一般にはノッチといわれている切欠き5を設けたものとしている。この切欠き5は、略V字形としているが、略U字形やその他、包装用袋を切り裂き易い形状とすることができる。
【0017】
また、この発明の包装用袋は、前記シール部3の幅をシール部2の幅より狭いものとしている。この実施の形態では、シール部2の幅を合成樹脂フィルム1の縦長の約12〜13%、横長の約11〜12%とし、シール部3の幅を合成樹脂フィルム1の縦長の約9〜10%、横長の約8〜9%としているが、これらの割合に限定されるものではない。なお、この実施の形態では、合成樹脂フィルム1の横長は縦長より約15%長いものとしたが、より正方形に近い四角形とするのが、この発明の包装用袋を開封した場合に持ち易くなり好ましい。
【0018】
以上のように構成したこの発明の包装用袋は、図1に示した状態から図2に示した状態、図2に示した状態から図3、4に示した状態、図1に示した状態から図5、6に示した状態の三状態として使用することができる。
【0019】
すなわち、図2に示したように、合成樹脂フィルム1の辺1aに設けたシール部2の近傍の両側の一方の切欠き5から他方の切欠き5に向かって、この包装用袋を引き裂き、上辺部を開封して、箸などで取り出すという、従来の状態で使用することができる。
【0020】
さらに、図2に示した状態の包装用袋の非シール部4に、手の指先を差し込んで合成樹脂フィルム1の端部を摘まみ、図3に示したように、ヒートシールしたシール部3を引き裂き、図4に示したように、上辺部、側辺部、下辺部の三辺部を開封して、箸などで取り出すという、この発明の包装用袋独特の状態で使用することができる。
【0021】
また、図1に示した状態の包装用袋の非シール部4に、手の指先を差し込んで合成樹脂フィルム1の端部を摘まみ、図5に示したように、ヒートシールしたシール部3を引き裂き、図6に示したように、側辺部、下辺部の二辺部を開封すれば、開封した袋をカップ状にして持ち、箸などで取り出すという、この発明の包装用袋独特の状態で使用することができる。
【0022】
したがって、この発明の包装用袋では、図4や図6に示したように、三辺部や二辺部を開封すれば、開封部が広くなり、しかも二辺部を開封した形態では開封した袋を手で持ち易くなる。
【0023】
【発明の効果】
この発明の包装用袋は、以上に述べたように構成されており、上辺部だけでなく、隣り合う二辺部を開封可能とし、さらに必要に応じ三辺部を開封可能としたので、昆布、佃煮、煮豆などのばらつき易い食品を収容した場合であっても、開封部が広くなり、箸などが袋内に差し込み易くなり、そのため食品が摘まみ易くなり、さらに開封した袋が手で持ち易くなったりして、これらばらつき易い食品を袋内から容易に取り出せるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の包装用袋の一実施形態を示す平面図である。
【図2】 この発明の包装用袋を従来の状態で使用する場合の説明図である。
【図3】 この発明の包装用袋を独特の状態で使用する場合の操作手順を示す説明図である。
【図4】 この発明の包装用袋を図3の独特の状態で使用する場合の説明図である。
【図5】 この発明の包装用袋をさらに別の独特の状態で使用する場合の操作手順を示す説明図である。
【図6】 この発明の包装用袋を図5の独特の状態で使用する場合の説明図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂フィルム
1a 辺
1b 辺
2 シール部
3 シール部
4 非シール部
5 切欠き
Claims (2)
- 二枚の四角形状の合成樹脂フィルム(1)を重ね合わせ、一組の隣り合う二辺(1a、1b)の近傍に人の手の力で引き剥がすことが不可能な剥離強度としたシール部(2)を設け、もう一組の隣り合う二辺(1c、1d)の近傍に人の手の力で引き剥がすことが可能な剥離強度としたシール部(3)を設けると共に、このシール部(3)の幅を前記シール部(2)の幅よりも狭いものとし、さらに前記隣り合う二辺(1c、1d)の交差端部に非シール部(4)を設けたことを特徴とする包装用袋。
- 前記二辺(1a、1b)の何れか一辺に設けたシール部(2)の近傍の両側または片側に、切欠き(5)を設けたことを特徴とする請求項1記載の包装用袋。
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