JP3850582B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データをディザ処理する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の画像処理装置では、入力画像データを制御する場合、副走査方向及び主走査方向の画像範囲をそれぞれ示す副走査範囲信号及び主走査範囲信号と、主走査方向の開始点を示す主走査同期信号に基づいて行う。図8及び図9に示すデジタル複写機を参照して説明すると、原稿台1上に読み取り面が下向きになるようにセットされた原稿は光源2により照明され、その反射光がミラー3、レンズ及び中継ミラー群4を介してCCDイメージセンサ(以下、CCD)5により読み取られる。
【0003】
次に図10を参照して読み取り画像データと画像制御信号の関係を説明すると、副走査範囲信号FGATEは光源2及びミラー3が原稿を副走査方向に走査する範囲を示し、主走査範囲信号LFGATEはCCD5が主走査方向に走査する範囲を示す。CCD5による主走査方向の読み取りは、図11に示すように主走査同期信号LSYNCに基づいてライン1、2、3〜のようにライン毎に行われる。これらの信号xfgate、xlgate、xlsyncのタイミングを図12に示す。
【0004】
デジタル複写機ではこの読み取り画像データを処理するために、図13に示すようにCPU10がスキャナ11、図14に詳しく説明する画像処理部12、画像蓄積部13、プリンタ14に対して処理や設定の指示を送る。そして、CCD5により読み取られた画像データは、スキャナ11においてA/D変換され、また、スキャナ11の特性に応じた補正が行われる。次いで画像処理部12ではディザ、誤差拡散などの画質処理が施された後、下位ブロックの画像フォーマットに従って画像蓄積部13に出力される。画像蓄積部13は少なくともコピー出力紙(転写紙)1枚分の画像編集用メモリや、HD(ハードディスク)などの大容量記憶媒体を有し、プリンタ14は画像蓄積部13からの画像データに基づいて画像を転写紙に印字する。
【0005】
画像処理部12では、γ補正処理部20がスキャナ11からの入力画像データをガンマ補正し、誤差拡散処理部22がγ補正処理部20からの入力画像データを誤差拡散処理する。また、ディザ処理部21がスキャナ11からの入力画像データをディザ処理する。出力選択部23は誤差拡散処理部22またはディザ処理部21からの入力画像データを選択して画像蓄積部13に出力する。
【0006】
γ補正処理部20は図15に示すように、RAM101などの記憶領域に格納された複数の変換テーブルにより画像の濃度変調の調整を行う。例えば8ビットの画像データをγ変換するために、予めダウンロード信号切り替えによりデータ選択部100をCPUアドレス側に切り替え、RAM101のチップセレクトとライトイネーブルをアクティブにして、γ変換後の画像データをCPU10からRAM101の0〜255番地にダウンロードする。そして、γ変換時にはダウンロード信号切り替えによりデータ選択部100を入力画像データ側に切り替えて、入力画像データをRAM101にダウンロードされているデータによりγ変換する。この構成によれば、種々のγ変換特性のデータをRAM101にダウンロードすることができるので、出力側の特性に応じたγ変換を行うことができる。
【0007】
誤差拡散処理部22では図16に示すように。まず、誤差加算部110は処理対象画素(i,j)の入力画像データDijと、誤差演算部111からの周辺誤差情報Eを加算することにより誤差補正を行い、この誤差補正後の画像データSijを量子化部112と誤差算出部113に出力する。量子化部112は誤差補正後の画像データSijを、CPU11からの量子化閾値Tij(入力画像データ=Mビットに対してNビット、但しM>N)に基づいて量子化して階調処理し、その量子化データGijを誤差算出部102と図14に示す出力選択部23に出力する。
【0008】
誤差算出部113は誤差補正後の画像データSijと量子化データGijに基づいて、入力画像データDijを量子化した際の量子化誤差Eijを算出する。この量子化誤差Eijは誤差マトリクス蓄積部114に蓄積され、誤差演算部104はこの量子化誤差Eijと図17に示すような5+3画素のマトリクスの係数に基づいて、次式(1)のように入力画像データDijの周辺誤差情報Eを算出して誤差加算部111に印加する。
【0009】
次に図18、図19を参照して従来のディザ処理部21について説明する。アドレスカウンタ制御部120は主走査方向については主走査範囲信号xlgateがアクティブになるとリセットされて画素位置をカウントするとともに、副走査については、副走査範囲信号xfgateがアクティブになるとリセットされて主走査同期信号xlsyncをカウントして各カウント値を閾値テーブル制御部121へ送る。ここで、この主走査方向と副走査方向の各カウント値は、画像データの主走査方向と副走査方向の各位置を示す。閾値テーブル制御部121は図19(a)に示すような4×4画素や、図19(b)に示すような6×6画素や、図19(c)に示すような8×8画素のマトリクスの閾値データテーブルを有し、アドレスカウンタ制御部120による主走査方向と副走査方向の各カウント値に基づいて、処理を行う画像位置における閾値データをマトリクスから選択して比較回路122に送る。
【0010】
例えば4×4画素のマトリクスが選択された場合には、先頭のラインの閾値は主走査方向に向かって、
の順で繰り返し、また、主走査方向の閾値は副走査方向に向かって、
の順で繰り返す。この閾値aa〜が1つの場合には、比較回路122は入力画像データを閾値aa〜により2値化し、また、閾値aa〜が2以上の場合には、例えば特開平10−173925号公報に示すように入力画像データを多値データにディザ処理することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の処理能力の向上に伴って、画像処理における画像データフォーマットや、画像データの同期信号と画像データの関係を改良して、画像データを量子化ビット数を減少して複数画素分をパッキングすることにより、一度に複数画素分を処理したり、特開平10−13626号公報に示すように複数ラインを並列に処理したり、また、1ラインを分割して各領域の画像データを並列処理して画像処理速度を向上させることが行われている。
【0012】
そこで、本発明は、画像の1ラインを分割して読み取る場合に、境界におけるディザ処理の不連続性をディザ処理の内部処理のみで防止することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の手段は上記目的を達成するために、1ラインが複数に分割された各画像データをディザ処理する画像処理装置であって、前記分割された複数の画像データの個々の主走査方向および副走査方向の同期信号をカウントする複数のカウント手段と、前記複数のカウント手段によりそれぞれカウントされた値に基づいて前記分割された複数の画像データの個々のディザマトリクス用の閾値を出力する複数の閾値テーブルと、前記分割された複数の画像データの各々を前記複数の閾値テーブルの各々が発生する閾値とそれぞれ比較してディザ処理する複数の比較手段とを備え、前記複数のカウント手段の内、1ライン上の前側の画像用のカウント手段は、後側の画像との境界に対応するカウント値を後側の画像用のカウント手段に印加し、前記後側の画像用のカウント手段は、前記印加されたカウント値から主走査方向の同期信号をカウントすることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1、図2は1ラインを2分割する場合を示す説明図、図3は1ラインを2分割する場合の画像信号と同期信号を示すタイミングチャート、図4は本発明に係る画像処理装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0017】
まず、図8に示す読み取り光学系において、読み取り速度を上げるために複数のCCD5を副走査方向に並べて配置することにより複数ラインを一度に読み取ることができ、また、1ラインを複数領域に分割して複数のCCD5を主走査方向に並べて配置することにより1ラインを「1/CCD5の数」の速度で読み取ることができる。図1は1ラインを前半(F)側と後半(L)側に2分割して読み取る例を示し、この場合には図2に示すようにF側CCDにより第1ラインのF側A、第2ラインのF側C、第3ラインのF側E〜が順次読み取られるとともに、L側CCDにより第1ラインのL側B、第2ラインのL側D、第3ラインのL側F〜が順次読み取られる。
【0018】
図3はこの場合の画像データA〜Fと、以下に示す同期信号のタイミングを示している。
【0019】
xflsync:F側主走査同期信号
xflgate:F側主走査範囲信号
xffgate:F側副走査範囲信号
xllsync:L側主走査同期信号
xllgate:L側主走査範囲信号
xlfgate:L側副走査範囲信号
なお、図2ではF側とL側の主走査方向が同じであるので、画素の配列方向が同じであるが、F側CCDとL側CCDの電荷蓄積の並びを変更することにより、画素の配列方向を逆にすることもできる。また、図3ではF側とL側の画像データと同期信号が同じタイミングで示されているが、これはF側CCDとL側CCDの電荷蓄積タイミングが同じであるためであり、これをずらすことによりF側とL側のタイミングをずらすことができる。また、他の方法として、図13に示すスキャナ11と画像処理部12の間にラインメモリを設けることによりF側とL側のタイミングをずらすことができる。
【0020】
図4は図1〜図3に示すように1ラインをF側とL側に2分割して読み取る場合のディザ処理部21を示している。このディザ処理部21はF側ディザ処理部21FとL側ディザ処理部21Lを有し、このF側ディザ処理部21FとL側ディザ処理部21Lは図18に示す構成と同じであって、それぞれアドレスカウンタ制御部120F、120Lと、閾値テーブル制御部121F、121Lと比較回路122F、122Lを有する。
【0021】
アドレスカウンタ制御部120F、120Lはそれぞれ、主走査方向についてはF側とL側の各主走査範囲信号xflgate、xllgateでリセットされて各主走査の画素位置をカウントするとともに、副走査については副走査範囲信号xffgate、xlfgateでリセットされて主走査同期信号xflsync、xllsyncをカウントして各カウント値を閾値テーブル制御部121F、121Lへ送る。ここで、このF側とL側の主走査方向と副走査方向の各カウント値は、F側とL側の画像データの独立した主走査方向と副走査方向の各位置を示す。
【0022】
閾値テーブル制御部121F、121Lは図19(a)に示すような4×4画素、図19(b)に示すような6×6画素、図19(c)に示すような8×8画素のマトリクスの1つを選択し、それぞれアドレスカウンタ制御部120F、120Lによる主走査方向と副走査方向の各カウント値を比較して、処理を行う画像位置と閾値データをマトリクスから選択して比較回路122F、122Lに送る。この閾値aa〜が1つの場合には、比較回路122F、122Lは入力画像データを閾値aa〜により2値化する。また、閾値aa〜が2以上の場合には、入力画像データを多値データにディザ処理することができる。
【0023】
ここで、4×4画素のディザマトリクスで処理を行う場合には、必要とするカウント値は、主走査方向及び副走査方向ともに、4×4の大きさで繰り返すので、アドレスカウンタ制御部120F、120Lがカウントする値は、実際のF側とL側の画像位置を示す必要はなく、相対的にディザマトリクスに対応するデータの画素位置を示すのみでよい。
【0024】
また、F側ディザ処理部21FとL側ディザ処理部21Lは同じ構成であるので、1種類のディザ処理部21を設計する際の手間と同じである。但し、この場合には、2分割された1ラインを連続してディザ処理するためには、境界におけるディザマトリクスが連続することが必要になる。すなわち、2分割された各処理対象の先頭画素がディザマトリクスの主走査方向に一致するように、4×4画素のディザマトリクスで処理を行う場合にはF側主走査範囲信号xflgate内の画素数が4の倍数に、また、同様に6×6画素の場合には6の倍数に、また、8×8画素の場合には8の倍数にする必要がある。
【0025】
次に図5を参照して第2の実施形態について説明する。ここで、上記の第1の実施形態では、アドレスカウンタ制御部120F、120LがそれぞれF側とL側の主走査範囲信号xflgate、xllgateでリセットされて各主走査の画素位置をカウントしている。この第2の実施形態では、F側アドレスカウンタ制御部120Fは第1の実施形態と同様に初期値「0」からカウントするが、L側のアドレスカウンタ制御部120Lは初期値が「0」ではなく、F側の先頭画素からカウントしたL側の先頭画素を示す値を初期値としてCPU10から受け取ってカウントする。したがって、この第2の実施形態によれば、1ラインを正確に各選択されたディザマトリクスの主走査の整数倍にして読み取らない場合にも対応することができる。
【0026】
次に図6、図7を参照して第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態では、F側アドレスカウンタ制御部120Fは第1、第2の実施形態と同様に初期値「0」からカウントするが、図7に示すようにF側ラインの最終カウント値をL側のアドレスカウンタ制御部120Lに送る。なお、この最終カウント値は、相対的にディザマトリクスに対応するデータの画素位置を示すのみでよい。L側のアドレスカウンタ制御部120Lはこのカウント値を初期値としてカウントする。したがって、この第3の実施形態によれば、L側のアドレスカウンタ制御部120Lは外部(CPU10)から初期値を受け取らなくても主走査方向を正常にカウントすることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、後側の画像用のカウント手段は外部から初期値を受け取らなくとも主走査方向を正常にカウントすることが可能となり、1ラインを分割して読み取っても境界におけるディザ処理の不連続性をディザ処理の内部処理のみで防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1ラインを2分割して読み取る場合を示す説明図である。
【図2】1ラインを2分割して読み取る場合を示す説明図である。
【図3】1ラインを2分割して読み取る場合の画像信号と同期信号を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明に係る画像処理装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態の画像処理装置を示すブロック図である。
【図6】第3の実施形態の画像処理装置を示すブロック図である。
【図7】第3の実施形態におけるカウント初期値のやり取りを示す説明図である。
【図8】デジタル複写機を示す外観図である。
【図9】図8のデジタル複写機の読み取り光学系を示す構成図である。
【図10】図8のデジタル複写機における原稿と同期信号の関係を示す説明図である。
【図11】図8のデジタル複写機における主走査ラインを示す説明図である。
【図12】図10、図11に示す場合の画像データと同期信号を示すタイミングチャートである。
【図13】図8のデジタル複写機を示すブロック図である。
【図14】図13の画像処理部を詳しく示すブロック図である。
【図15】図14のγ補正処理部を詳しく示すブロック図である。
【図16】図14の誤差拡散処理部を示すブロック図である。
【図17】誤差拡散マトリクスを示す説明図である。
【図18】図14のディザ処理部を示すブロック図である。
【図19】ディザマトリクスを示す説明図である。
【符号の説明】
120F,120L アドレスカウンタ制御部
121F,121L 閾値テーブル制御部
122F,122L 比較回路
Claims (1)
- 1ラインが複数に分割された各画像データをディザ処理する画像処理装置であって、
前記分割された複数の画像データの個々の主走査方向および副走査方向の同期信号をカウントする複数のカウント手段と、
前記複数のカウント手段によりそれぞれカウントされた値に基づいて前記分割された複数の画像データの個々のディザマトリクス用の閾値を出力する複数の閾値テーブルと、
前記分割された複数の画像データの各々を前記複数の閾値テーブルの各々が発生する閾値とそれぞれ比較してディザ処理する複数の比較手段と、
を備え、
前記複数のカウント手段の内、1ライン上の前側の画像用のカウント手段は、後側の画像との境界に対応するカウント値を後側の画像用のカウント手段に印加し、前記後側の画像用のカウント手段は、前記印加されたカウント値から主走査方向の同期信号をカウントすることを特徴とする画像処理装置。
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