JP3850528B2 - シート材給送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート材給送装置に関し、さらに詳しくは、その装置に用いられるローラの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機あるいはファクシミリ装置などの画像形成装置においては感光体等の潜像担持体上に形成された可視像を普通紙等のシート材からなる転写材上に転写する転写工程が実行され、その工程では、選択された転写材を転写位置に向け繰り出すための給送装置が用いられている。
【0003】
給送装置は、転写材を収容するカセットと、そのカセットにおける転写材の繰り出し位置近傍に配置されて繰り出し方向に回転可能な繰り出しローラと、繰り出された転写材を一枚つ分離するための分離機構と、レジストローラおよびレジストローラに向け転写材を案内するガイド部材とで主要部を構成した例がある(例えば、特開平ー13442号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成を備えた給送装置の繰り出しローラは、一般に金属の回転軸によって回転自在に支持されていることが多い。このため、外径寸法にもよるが、慣性質量が大きくなり駆動力の増大を招く。そこで、回転軸の重量を軽減するために、パイプ軸とした構成も提案されている(例えば、特開昭58−21019号公報)。
【0005】
しかし、回転軸そのものが金属で構成されていることには変わりがないために材料や加工に要するコストが高くなる。
【0006】
特に、繰り出しローラは転写材との間での摩擦関係が確保できるようにゴムなどの材料が用いられ、しかも、転写材との摩擦接触を確実にするために、転写材のサイズに関係なく転写材に接触できる位置である回転軸の軸方向で転写材の幅方向の中央部に対向するように配置される。一方、これに対し、回転軸の駆動源は転写材の幅領域よりも外側に配置されることが多く、回転軸の軸方向長さは転写材の幅よりも長くなるのが通常である。このような理由から、金属を用いて撓み剛性を確保することが望まれる。
【0007】
図6は、撓み剛性に関する説明のための図であり、図6(A)は金属製回転軸P1を用いた場合を、図6(B)は樹脂製回転軸P2を用いた場合を示している。
【0008】
図6において、カセット上に載置されている転写材Sが繰り出しローラP3に当接した場合の圧力(図6中、符号Fで示す力)が同じであるときには、金属製の回転軸P1に比べて撓み剛性が小さい樹脂製回転軸P2の方が圧力(F)を受ける方向に撓みやすくなる。撓み剛性を確保して転写材Sの繰り出し要摩擦力の確保や駆動部材同士の位置精度を確保するためには回転軸の材質として金属が望まれるが、金属とした場合には上述したようにコストが高くなる。
【0009】
本発明の目的は、上記従来のシート材給送装置における問題、特に、ローラの支持に用いられる回転軸の問題に鑑み、安価な材料を用いても剛性の低下を招くことがない構成を備えたシート材給送装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、載置台を有するカセット内に収容されているシート材を繰り出すために用いられるシート材給送装置であって、上記載置台に載置されているシート材に対向当接可能かつ繰り出し方向に回転可能であって、内部が空洞化された中空状のローラと、上記シート材から作用する圧力により軸方向において最も撓み変形が大きくなる中央部に上記ローラが取り付けられる、フランジ部を有するハブ部を備えた回転自在の回転軸と、上記回転軸の軸方向で上記ローラよりも端部側に位置して回転軸を駆動する駆動手段とを備え、上記回転軸は上記フランジ部を有するハブ部と一体に樹脂成形されるととも上記ハブ部が支柱部と曲面部にて形成されて上記支柱部と上記曲面とにより空洞が形成され、その軸方向で上記ローラ両端近傍および上記駆動手段の近傍には、上記載置台に対向して支持部材が設けられ、上記支持部材は、上記回転軸の周方向の少なくとも上記シート材から作用する圧力を受けることができる位置に軸支面を有していることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のシート材給送装置において、上記カセットは常時上記ローラに向け付勢されているシート載置部材を有し、上記回転軸には、上記シート載置部材を押圧して上記付勢手段の付勢に抗して上記シート載置部材を上記ローラから離間させるカムが一体成形されていることを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のシート材給送装置において、上記回転軸には、上記駆動手段に用いられる駆動ギヤが一体成形されていることを特徴としている。
【0013】
【実施例】
以下、図示実施例により請求項記載の発明の詳細を説明する。
【0014】
図1は、本発明実施例によるシート材給送装置が適用される画像形成装置を示す模式図である。
【0015】
図1に示されている画像形成装置は、レーザ光を潜像形成用の走査光として用いながら電子写真プロセスを実行するレーザプリンタであり、このレーザプリンタ1は、光導電性層を表面に有する回転可能な感光体ドラム2を内部に備えている。
【0016】
感光体ドラム2の周囲には、図示矢印方向の回転方向に沿って電子写真プロセスを実行するための帯電装置3、光学装置4、現像装置5、転写装置6およびクリーニング装置7がそれぞれ配置されている。
【0017】
転写装置6の近傍には、後で詳しく説明するが、シート材からなる転写材Sを給送するための装置(以下、給紙装置という)8が設けられており、また、転写装置6による画像転写後に移動する転写材Sの通路には定着装置9が設けられている。
【0018】
図1に示されている光学装置4は、図示されないレーザ光源と、レーザ光源からのレーザ光を主走査方向に走査する回転多面鏡4Aと、複数の反射鏡4Bおよび走査レンズ4Cとで主要部が構成されている。
【0019】
レーザ光源は、レーザプリンタ1の内部に配置されている画像情報処理部10からの画像信号により発光制御されるようになっている。画像情報処理部10には、画像信号を取り扱うだけでなく、レーザプリンタ1に装備されている各種電装部材を制御するためのコントローラ基板11も設けられており、さらにこれら画像情報処理部10およびコントロール基板11の駆動電源12も装備されている。
【0020】
現像装置5は、トナーを主要部とする現像剤を収容しながら摩擦帯電させるトナータンク5Aと、トナータンク5Aから送り出された現像剤の給送ローラ5Bと、表面に担持した現像剤を感光体ドラム2の静電潜像に向け供給する現像ローラ5Cとを主要部としている。
【0021】
上記構成を備えたレーザプリンタ1は、次の手順により転写材Sへの画像形成が行われる。
【0022】
帯電装置3により一様帯電された感光体ドラム2に対して画像情報処理部10からの画像信号により光学装置4からレーザ光が感光体ドラム2上で走査されると画像に応じた静電潜像が形成される。感光体ドラム2上の静電潜像は、現像装置5によって可視像処理され、給紙装置8から給送されてくる転写材Sに対して転写装置6によって転写される。
【0023】
画像を転写された転写材Sは定着装置9によって定着され、レーザプリンタ1の上面カバー1Aに設けられているスタッカー部13に向け排出コロ14を介して排出される。
【0024】
図1に示されているレーザプリンタ1は、転写材Sを給紙装置8側とは関係なく、手差しによって行うこともできるものであり、このため、レーザプリンタ1の側部には、給紙装置8における転写材の繰り出し位置近傍に起倒可能な給紙トレー15が設けられており、その給紙トレー15から転写材Sが転写位置に向かう位置には給送ローラ16が配置されている。
【0025】
給紙装置8は、給紙カセット8A内に落とし込まれた載置板8Bと、載置板8Bに載置されている転写材Sに当接可能かつ転写材Sの繰り出し方向に回転可能な繰り出しローラ8Cと、繰り出された転写材Sの裏面に当接して繰り出し方向と逆方向への摩擦力を付加する分離パッド8Dと、感光体ドラム2上の画像の転写開始位置を整合させるためのレジスト装置16とを備えている。
【0026】
載置板8Bは転写材Sの繰り出し方向(図示矢印方向)において二分されており、そのうち、繰り出し方向前方側の板部材8B1は繰り出し方向前方の底面に配置されているバネ(図示されず)によって上方に押し上げられるようになっている。
【0027】
繰り出しローラ8Cは、ゴム等の比較的摩擦係数の大きい材質からなり、詳細が図2に示されているように、レーザプリンタ1の内部で不動部(図示されず)により回転自在に支持されている回転軸8C1が軸方向に沿って圧入等の加工により貫通され、接着や溶着により回転軸8C1と一体的に取り付けられている。
【0028】
回転軸8C1は樹脂製であり、その軸方向略中央には上述した繰り出しローラ8Cが、そして軸方向一端には1回転スプリングクラッチ17に連動可能な駆動ギヤ18が固定されている。1回転スプリングクラッチ17は、その近傍に配置されているソレノイド19のアクチュエータによって回転軸8C1に対する回転駆動力を断接されるようになっている。
【0029】
回転軸8C1には、軸方向において繰り出しローラ8Cの両端近傍および駆動ギヤ18が位置する端部近傍に支持部材20、21、22が設けられている。
【0030】
支持部材20、21、22は、回転軸8C1の周方向で転写材S側から作用する圧力(図6に示した圧力(F)に相当)を受けることができる位置に回転軸8C1の軸支面を有している。
【0031】
支持部材20、21、22のうち、繰り出しローラ8Cの両端近傍に位置する支持部材20、21は、回転軸8C1の上半周を受ける軸支面を有し、また端部近傍の支持部材22は、回転軸8C1の上半周を含めた状態で回転軸8C1が挿嵌されている。
【0032】
本実施例は以上のような構成であるから、給紙装置8内に収容されている転写材Sは、載置板8Bにおける二分されているうちの一方の板部材8B1が繰り出し方向前端を押し上げられることにより最上位のものが常時繰り出しローラ8Cに当接している。
【0033】
最上位の転写材Sが常時繰り出しローラ8Cに当接していることにより、回転軸8C1には、図6に示した場合と同様に押し上げられる方向の圧力(図6に示した圧力(F)に相当)が作用する。このため、回転軸8C1は上記圧力(F)が直接作用する繰り出しローラ8Cの取り付け位置である軸方向中央で最も大きく撓み変形が起きることになるが、繰り出しローラ8Cの両端近傍が支持部材20、21によって圧力(F)に抗した状態で支持されているので、撓み変形が抑制されることになる。また、回転軸8C1の軸端部においても支持部材22によって回転軸8C1に作用する圧力に抗した状態で支持されているのでその部分での撓みが抑制される。これにより、回転軸8C1の端部に位置する駆動ギヤ18とこれに噛み合うギヤ(図示されず)との相対位置関係の精度が維持されることになり、繰り出しタイミング、換言すれば1回転スプリングクラッチ17の動作開始時期に合わせた回転軸8C1の回転開始時期が設定できる。
【0034】
上記の実施例によれば、回転軸8C1を樹脂製とした場合でも、転写材から受ける圧力によって最も撓み変形が起きやすい位置に圧力に抗して回転軸8C1の軸方向を変化させないようにする支持部材20、21、22を設けるだけの簡単な構成により回転軸8C1を安価な樹脂部材によって構成することができる。
【0035】
次に本発明の他の実施例を以下に説明する。
【0036】
この実施例は、図2に示した支持部材20、21、22を用いた支持構造に用いられる回転軸に対してハブ部24を一体成形し、そのハブ部24に対して繰り出しローラを取り付けるようにしたことを特徴としている。
【0037】
図3において、回転軸(便宜上、図2において用いたものと同じ樹脂製であるので符号8C1を用いる)には、繰り出しローラ(便宜上、符号8C’を用いる)の取付位置に樹脂製のハブ部24が設けられている。
【0038】
ハブ部24は、図3(B)、(C)に示すように、繰り出しローラ8C’の軸方向両端に対向当接可能なフランジ部24Aとこのフランジ部24A間に形成された支柱部24Bおよびハブ曲面部24Cとを備えた樹脂成形部品であり、回転軸8C1の一部に一体成形されている。
【0039】
ハブ部24のうちで、ハブ曲面部24Cは、周方向の一部を除いて繰り出しローラ8C’の内周面に当接してローラ断面の変形を阻止できる片部分であり、支柱部24Bは、ハブ曲面部24Cが当接していない繰り出しローラ8C’の内周面に当接してその部分でのローラ断面の変形を阻止する片部分とされている。
【0040】
繰り出しローラ8C’は、図2に示した実施例と違ってハブ部24のハブ曲面部24Cの曲率半径に合わせた内径の空洞部を有する中空ローラとして構成され、空洞部内周面をフランジ部24A間に位置させるように圧入されている。
【0041】
このような構成においては、回転軸8C1の成形時、その軸方向で繰り出しローラ8C’が取り付けられる位置にハブ部24が一体成形される。
【0042】
繰り出しローラ8C’はハブ部24のフランジ24A間に挿嵌され固定される。
【0043】
この例によれば、繰り出しローラ8Cの内部に空洞が形成されており、またハブ部24においてもコア体ではなく支柱部24Bおよびハブ曲面部24Cがそれぞれ片部により形成されているので、繰り出しローラ8C’およびハブ部24を含めた回転軸8C1に用いられる材料の使用量を低減することができ、しかも、ハブ部24においては、各部の形状によって成形時での樹脂の流動性を良好にして成形性を向上させることができる。
【0044】
次に本発明の更に別の実施例を図4を参照して説明する。
【0045】
この実施例は、図2に示した支持部材20、21、22を用いて支持されている回転軸を給紙カセット8A内の載置板8Bの昇降制御に用いることを特徴としている。
【0046】
図4において、二分されている載置板8Bのうちで繰り出し方向前方に位置する板部材8B1は、矢印で示す繰り出し方向前方下面に配置されているコイルバネ25によって押し上げられる習性が付与されている。
【0047】
回転軸8C1の軸方向に沿った板部材8B1における幅方向両端には、繰り出しローラ8C側に向けて形成された突起部8B2が形成されている。
【0048】
一方、回転軸(便宜上、図2に示した符号8C1を用いる)には、板部材8B1の突起部8B2と対向する位置に板部材8B1を給紙カセット8A(図1参照)の底面に向け押し下げることができる形状のカム26が一体成形されて設けられている。
【0049】
カム26が突起部8B2と干渉して板部材8B1を押し下げる時期は、繰り出しローラ8Cによって繰り出された転写材Sの先端が図示しない給紙ロラに持されて連続的に給送される状態が得られる時点であり、この時点までに繰り出しローラ8Cが1回転し終わる。これにより、転写材Sの非繰り出し時に板部材8B1を押し下げて転写材Sが繰り出しローラ8Cに当接しないようになっている。
【0050】
本実施例は以上のような構成であるから、転写材Sの非繰り出し時には、回転軸8C1に有するカム26が板部材8B1の突起部8B2に干渉することにより板部材8B1が押し下げられて繰り出しローラ8Cと転写材Sとの当接が解除される。
【0051】
一方、繰り出しローラ8Cが回転し始めるとカム26と突起部8B2との干渉量が減少され、これに伴って板部材8B1がコイルバネ25の付勢により押し上げられて転写材Sが繰り出しローラ8Cに当接して繰り出される。
【0052】
本実施例によれば、回転軸8C1そのものに載置板の一部を昇降させるための部材を形成してあるので、特別に昇降部材を設ける必要がなくなり、部品点数の低減が図れる。また、繰り出しローラ8Cと転写材Sとは繰り出し時にのみ当接する関係とされているので、常時当接している場合に生じやすい繰り出しローラ8Cの偏摩耗や転写材Sの波打ち変形を防止することができる。
【0053】
次に本発明のさらに他の実施例を図5において説明する。
【0054】
この実施例は、図2に示した実施例と違って回転軸の端部に有する駆動ギヤを回転軸の一部として一体成形したことを特徴としている。
【0055】
図5において、図2に示した支持部材20、21、22’によって支持されている回転軸(便宜上、図2に示した符号8C1を用いる)は、その軸方向一端部に駆動ギヤ(便宜上、符号18’を用いる)が一体成形されている。なお、本実施例においては、支持部材のうちで、符号22’で示す支持部材、つまり、回転軸8c1の軸方向で駆動ギヤ18’の近傍に位置する支持部材は、支持部材20、21と同様に、回転軸8C1の上半周に当接する軸支面を有する形状とされている。
【0056】
駆動ギヤ18’には、この近傍に配置されている駆動源からの駆動力を伝達するための主駆動ギヤ27が噛み合っている。
【0057】
駆動ギヤ18’と主駆動ギヤ27との噛み合い位置は、主駆動ギヤ27からの駆動力が駆動ギヤ18’を下側に向け変位させることがない位置とされ、図5においては、支持部材22’の軸支面が回転軸8C1の上半周のみであるので、軸支面がない回転軸8C1の下半周が下側に移動することがない位置に設定されている。このため、主駆動ギヤ27から駆動ギヤ18’に対して作用する回転力は符号Gで示すように上方向となる。また、駆動ギヤ18’の回転方向も、上記した理由に基づき図示矢印のように、噛み合い位置で上方向の回転が得られる方向に設定されている。
【0058】
本実施例は以上のような構成であるから、繰り出しローラ8Bが一体化されて取り付けられている回転軸8C1は、その軸方向端部に駆動ギヤ18’が一体成形されて構成される。
【0059】
回転軸8C1は、駆動ギヤ18’が一体成形されている関係上、支持部材のうちの支持部材22’には挿通することができないので、支持部材22’の軸支面の形状により支持部材20、21と同様に下側から装填され、必要な箇所を不動部(図示されず)により回転自在に支持される。
【0060】
本実施例によれば、駆動ギヤ18’を回転軸8C1と予め一体成形することによりそれら部材同士を組み立てる必要がないので、それら各部材を別部品として準備した場合のコストおよび加工時での精度誤差を低減することができる。
【0061】
なお、本発明は上記実施例に限られるものではなく、要旨の範囲内で種々変更することも可能である。例えば、上記実施例では、転写材Sを給送対象とした場合を説明したが、シート材であればよいので、シート状原稿を対象とした給送装置とすることも可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、回転軸がフランジ部と有するハブ部を樹脂成形により一体成形されるとともに、ハブ部が支柱部と曲面部とで形成されて空洞を形成される一方、ローラが内部を空洞化された中空状に構成されているので、ローラおよびハブ部を含めた回転軸に用いられる材料の使用量を低減することができ、しかも、ハブ部においては、各部の形状によって成形時での樹脂の流動性を良好にして成形性を向上させることができるばかりでなく、ローラと回転軸との組み付け作業においても、長い軸の中央にローラを取り付けるハブ部を端部側から差し込んで所定位置に固定するという手順および固定のためには軸にピンを刺し込んだうえで所定位置に固定する手順が必要となるのを回避することができ、組み付け工程の簡素化が図れると作用効果が得られるとともに、フランジ部を設けることで固定位置に定置させるための構造である、テーパ形状などを不要にして軸方向(スラスト方向)への不用意な力の発生を防止して駆動部材同士の位置ずれが起こるのを回避することができる。
しかも、回転軸の軸方向で転写材と当接して繰り出しが可能な繰り出しローラの両端近傍および回転軸の軸方向端部に位置する駆動手段の近傍にそれぞれ転写材からの圧力に抗して回転軸を撓ませないようにする支持部材を設けたので、金属に比べて剛性が低い樹脂を回転軸の材料として用いることができる。これにより、回転軸を安価な材料でしかも加工上においても成形により簡単に得ることができるので材料および加工コストを低減することが可能になる。さらに、回転軸は、支持部材を設けることにより軸方向の長さに関係なく撓み変形が防止されるので、軸方向端部に位置して回転軸とは別に設けられている駆動源との位置関係を精度よく維持することが可能になる。
【0063】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、シート材を繰り出しローラに対して接離させる部材を回転軸に一体成形したので、接離のための部材を特別に準備する必要がなくなり、部品点数の低減が可能になる。しかも、接離のための部材が予め回転軸の所定位置に成形されて一体となっているので、接利のための部材の組み付け誤差を生じることがない。
【0064】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、従来別備品とされていた駆動ギヤを回転軸に一体成形することで駆動ギヤを回転軸とは別の部品として準備する必要がなくなるので、部品コストの低減が可能になる。しかも、別部品同士を組み立てる必要がないことから、別部品同士を組み立てる際に生じる組立誤差の発生を低減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例によるシート材給送装置が適用される画像形成装置の一例を説明するための模式図である。
【図2】 本発明実施例によるシート材給送装置の要部の構成を説明するための斜視図である。
【図3】 本発明の他の実施例によるシート材給送装置の要部を説明するための図であり、(A)は部分的な断面図、(B)は(A)中、符号B−Bで示す方向の矢視断面図、(C)は(A)に示した回転軸およびハブ部のみを抽出した斜視図である。
【図4】 本発明の他の実施例を説明するための要部の斜視図である。
【図5】 本発明のさらに他の実施例を説明するための要部を示す斜視図である。
【図6】 シート材給送装置の従来例およびその不具合を説明するための模式的な斜視図であり、(A)は、回転軸が金属製の場合を、(B)は回転軸が樹脂製の場合をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1 画像形成装置の一つであるレーザプリンタ
2 潜像担持体である感光体ドラム
8 シート材給送装置に相当する給紙装置
8A 給紙カセット
8B 載置板
8B1 二分されている載置板の一方の板部材
8B2 突起部
8C、8C’ 繰り出しローラ
8C1 回転軸
18、18’ 駆動ギヤ
20、21、22、22’支持部材
24 ハブ部
24B 支柱部
24C ハブ曲面部
26 カム
S シート材に相当する転写材

Claims (3)

  1. 載置台を有するカセット内に収容されているシート材を繰り出すために用いられるシート材給送装置であって、
    上記載置台に載置されているシート材に対向当接可能かつ繰り出し方向に回転可能であって、内部が空洞化された中空状のローラと、
    上記シート材から作用する圧力により軸方向において最も撓み変形が大きくなる中央部に上記ローラが取り付けられる、フランジ部を有するハブ部を備えた回転自在の回転軸と、
    上記回転軸の軸方向で上記ローラよりも端部側に位置して回転軸を駆動する駆動手段とを備え、
    上記回転軸は上記フランジ部を有するハブ部と一体に樹脂成形されるととも上記ハブ部が支柱部と曲面部にて形成されて上記支柱部と上記曲面とにより空洞が形成され、その軸方向で上記ローラ両端近傍および上記駆動手段の近傍には、上記載置台に対向して支持部材が設けられ、
    上記支持部材は、上記回転軸の周方向の少なくとも上記シート材から作用する圧力を受けることができる位置に軸支面を有していることを特徴とするシート材給送装置。
  2. 請求項1記載のシート材給送装置において、
    記カセットは常時上記ローラに向け付勢されているシート載置部材を有し、上記回転軸には、上記シート載置部材を押圧して上記付勢手段の付勢に抗して上記シート載置部材を上記ローラから離間させるカムが一体成形されていることを特徴とするシート材給送装置。
  3. 請求項1記載のシート材給送装置において、
    上記回転軸には、上記駆動手段に用いられる駆動ギヤが一体成形されていることを特徴とするシート材給送装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11639387B2 (en) 2012-02-13 2023-05-02 Seattle Children's Hospital Bispecific chimeric antigen receptors, encoding polynucleotides thereof and methods of use thereof to treat disease

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US11639387B2 (en) 2012-02-13 2023-05-02 Seattle Children's Hospital Bispecific chimeric antigen receptors, encoding polynucleotides thereof and methods of use thereof to treat disease

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