JP3850526B2 - 洗掘検知センサ及びそれを用いた堤防の監視システム - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は、河川の堤防の洗掘を光ファイバを利用して検出する洗掘検知センサと、そのセンサを用いて洗掘の有無、発生場所等を正確かつ迅速に把握できるようにした洗掘監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
河川の堤防の洗掘による破堤や破堤による災害を未然に食止めるためには、洗掘監視が欠かせない。
【0003】
その洗掘監視を広域にわたって高精度かつリアルタイムでしかもコスト負担を抑えて行い得る方法として、特開平6−74768号公報は、光ファイバと電熱線を耐熱性電気絶縁材で被覆一体化して流水センサとなし、これを河床地盤に埋設し、電熱線を通電して発熱させた状態で光ファイバの温度分布を監視する方法を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の方法は、河床を監視対象としているが、堤防の洗掘監視にも応用できる。
【0005】
この方法は、堤防に沿って光ファイバケーブルが敷設される場合、その光ファイバケーブルをセンサ及び検出データの伝送路として利用でき、システムの構築面で非常に有利である。また、データの収集をリアルタイムで行え、洗掘場所も特定できる利点がある。
【0006】
しかしながら、一方で下記の欠点を有している。即ち、電熱線を併用しているので電力消費があり、システムの運用費が高くつく。
【0007】
また、電源が近くにない地域では使用制限を受け易い。
【0008】
さらに、洗掘によってセンサが流水に晒され、それによる局部的な温度低下から洗掘状況を検知するので、環境温度の影響を受け、検出精度の信頼性に問題が出る。例えば、降雨の浸透によりセンサを埋設した地盤と流水の温度差が小さい場合、流水による部分的な温度降下が明確に現れず、洗掘の有無の判定が難しくなる。また、この方法では洗掘の有無は判るが、進展度は正確に判断できない。
【0009】
この発明は、上記の不具合を一掃した洗掘検知センサと洗掘監視システムを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するこの発明の洗掘検知センサは、保護管と一体化した保護管入り光ファイバを堤防の洗掘監視対象箇所に埋設し、所定間隔で設けたアンカーに軸方向に動かないように固定してその保護管入り光ファイバで構成されるアンカー間の光歪センサに重りを取付けて成る。
【0011】
このセンサは、1区間の光歪センサに取付ける重りを複数個とし、その複数個の重りをワイヤを介して光歪センサに取付け、さらに、各重りの埋設位置を変え、洗掘の進展により複数個の重りが逐次掘り出されるようにしておくと、より好ましいものになる。
【0012】
この洗掘検知センサの光ファイバの片端に歪測定器と測定結果の表示装置を接続して監視システムを完成させると、堤防の洗掘の遠隔監視が行える。
【0013】
【作用】
この発明のセンサは、洗掘によって重りが掘り出され、宙吊り状態になると重りの重量で光歪センサに伸びが発生する。従って、その歪を測定し、歪値の変化を調べれば洗掘の有無が判る。
【0014】
また、分布型光歪センサはどの位置で屈折率が変化したかが判るので、どの区間の光歪センサに歪が生じたかで洗掘箇所も容易に特定できる。
【0015】
さらに、1区間の光歪センサに重りを複数取付け、その重りの埋設位置を変えたものは、洗掘の進展に伴い、掘り出されて宙吊りになる重りの数が増えて光歪センサに発生する歪が増大していくので、洗掘の進展度を知ることができる。
【0016】
このように、この発明のセンサは、周知の分布型光歪センサを応用し、それに重りを取付けることにより洗掘発生時に光歪センサを歪ませてその歪を測定するので、システムの運用費を高め、かつ地域的な使用制限を生じさせる電力が不要である。
【0017】
また、歪の変化を検出するので環境温度の影響を受けにくく、安定した検出が望める。
【0018】
このほか、光ファイバをセンサとして用い、それにアンカーと重りを加えるだけでよいので、データ収集を迅速かつリアルタイムで行える監視システムを容易に構築できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に、この発明の洗掘検知センサを用いて構築される堤防の洗掘監視システムの概念図を示す。
【0020】
図中1は、堤防に沿って堤体10(11は河床)の洗掘監視対象箇所に埋設した光歪センサである。この光歪センサ1は、保護管入り光ファイバを一定間隔で地盤に打ち込まれたアンカー2に軸方向に動かないように固定して構成されている。ここでは、保護管入り光ファイバとして、防食被覆を施したステンレス管の中に光ファイバを通し、充填材で管内のすき間を埋めて光ファイバとステンレス管を一体化したものを用いている。また、管の防食被覆層は、ポリエチレンで形成した。
【0021】
この光歪センサ1に重り3を取付け、その重り3を地盤中に埋設して重りの重量を地盤で受けると洗掘監視センサ5が完成する。
【0022】
1区間(ここで云う1区間は、アンカー間の区間)の光歪センサ1に取付ける重り3は1個でもよく、また、その重り3は光歪センサ1の外周に直に固定してもよいが、図示の監視システムは、より好ましい形態として1区間の光歪センサに取付ける重り3を複数個(図は3個)とし、その複数個の重り3をワイヤ4を介して光歪センサ1に取付け、さらに、各重り3を堤体10の洗掘の進展に従って逐次掘り出されるように堤体10の斜面に沿って堤体の幅方向に適当な間隔をあけて埋設している。
【0023】
このように構成した洗掘監視センサ5の光ファイバの片端に歪測定処理装置6と測定結果の表示装置7を接続し、堤防の洗掘監視システムを完成させる。
【0024】
なお、歪測定処理装置6と表示装置7は、監視センターに配置し、光ファイバーケーブル8で監視センターに検出データを伝送すると遠隔監視が行える。
【0025】
この例示の監視システムは、洪水により堤体10の洗掘(図1、図3のAが洗掘部)が下側から始まり、最下部の重り3が掘り出されると、その重りの重量で洗掘発生点の光歪センサ1が歪む。この歪が歪測定処理装置6によって測定され、洗掘発生の判断が処理装置内6でなされてこの洗掘の初期段階で警報が出る。
【0026】
この後、洗掘が進展し、掘り出される重りの数が増えるにつれて光歪センサ1の歪値が増大していく。従って、洗掘の進展度も把握でき、状況に応じて堤防の応急修理や付近住民への避難勧告等の適切な措置を採ることが可能になる。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明の洗掘検知センサ及び堤防の洗掘監視システムは、光歪センサに重りを付け、洗掘発生時に重りの重量で光歪センサを歪ませてその歪の変化を監視すると云う全く新しい原理によって洗掘の有無、発生箇所、進展度合を把握できるようにしたので、現地に電源や情報伝送装置が無くても洗掘の監視が行え、システムの構築費、運用費の面で従来法よりも有利になる。
【0028】
また、現場に電源が不要であるので、雷等の影響もなく、地域的な使用制限を受けず、広域監視がし易くなる。
【0029】
さらに、光ファイバの歪を検出するので、環境温度の影響を受け難く、加えて洗掘の進展度も判るため、洗掘に対してより適切な処置を講じることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の堤防洗掘監視システムの概念図
【図2】図1のII−II線部の断面図
【図3】図1のIII −III 線部の断面図
【符号の説明】
1 光歪センサ
2 アンカー
3 重り
4 ワイヤ
5 洗掘監視センサ
6 歪測定処理装置
7 表示装置
8 光ファイバケーブル
10 堤体
11 河床
A 洗掘部
Claims (3)
- 保護管と一体化した保護管入り光ファイバを堤防の洗掘監視対象箇所に埋設し、所定間隔で設けたアンカーに軸方向に動かないように固定してその保護管入り光ファイバで構成されるアンカー間の光歪センサに重りを取付け、その重りが洗掘により宙吊り状態になって重りの重量で光歪センサに伸び歪が発生するようにした洗掘検知センサ。
- 保護管と一体化した保護管入り光ファイバを堤防の洗掘監視対象箇所に埋設し、所定間隔で設けたアンカーに軸方向に動かないように固定し、1区間の光歪センサに複数個の重りを、各重りの埋設位置が異なるようにワイヤを介して取付け、洗掘の進展により複数個の重りが逐次掘り出されて宙吊り状態になって、重りの重量で光歪センサの歪が発生または増大するようにした洗掘検知センサ。
- 請求項1または2記載の洗掘検知センサの光ファイバの片端に歪測定器と測定結果の表示装置を接続し、各区間の光歪センサの歪値の変化から洗掘の有無、洗掘箇所、洗掘の進展度を把握するようにした堤防の監視システム。
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