JP3849731B2 - 海上基地の建設方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液化ガスプラント等のプラント設備を海上に設置するための海上基地の建設方法に係り、更に詳しくは、水深の深い海でも容易に建設でき、波浪中でも安全にプラントの運転ができる海上基地の建設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液化ガス製造基地は、ガス田近くの海岸付近に、或いはガス田から離れている場合は、長いパイプラインを引いて海岸付近の地上に建設されていた。液化されたガスは、一時貯蔵タンクに貯蔵され、液化ガス運搬船に積み込まれ受入基地に運ばれる。ガス田が陸地奥部の場合でも、海底の場合でも、製造された液化ガスは船によって運ばれるため、船の着桟設備が海上又は海岸に必要となる。ある程度の水深が必要で、場合によっては貯蔵タンクと桟橋が遠く離れることもあり、配管が長くなり不経済であった。また、ガス田が海底の場合は、ガス田から液化ガス製造設備まで長いガスパイプラインが必要であった。
【0003】
また、従来の液化ガス貯蔵基地は、液化ガスの消費地域に近い海岸付近に建設されていた。かかる液化ガス貯蔵基地では、液化ガス運搬船が液化ガスを産出地から運搬し、工業地区や居住地区等の液化ガス消費地区近傍の海岸に接岸する。次いで、液化ガス運搬船内の液化ガスは、ローディングアーム等で液化ガス貯蔵基地へ移送され、一時貯蔵タンク内に貯蔵された後、液化ガス消費地区の負荷要求に対応してガス化され供給される。
【0004】
ところが、近年の環境意識・安全意識の高まりのため、大きな工業地区や居住地区等の大消費地域の近くに液化ガス貯蔵基地を建設することが困難になってきている。また、このような大消費地域の近くの土地を入手するためには、コストがかさむ。
【0005】
そこで、このような地上基地の代案の一つとして海上基地が検討されるようになった。すなわち、当初は液化ガス運搬船をそのまま流用する案が検討されたが、維持費・改造費がかさむむことや、ボイルオフ比が大きいことなどから、この案の実現は経済的に困難であった。そこで次案として液化ガス貯蔵設備を乗せる専用の構造体が提案されている。その構造体の提案には大きくわけて、浮体式構造体と定置式構造体とがある。どちらの構造体も、コンクリート製が有望であるが、鋼材等その他の材料で製造されていてもよい。
【0006】
図7及び図8は浮体式構造体を採用した海上基地の一例を示している。この浮体式構造体40は、コンクリート製の外殻でできており、その内部に液化ガス貯蔵タンク31を収めている。デッキの上には、プロセス設備32が乗っている。この浮体式構造体は海面に浮かび、四隅からカテナリカーブを描いて海底に伸びたアンカー(図示せず)で海底に係留される。回転式ガス継手42を先端で支持している支持構造体41が、浮体式構造体40から海上に伸びている。この回転式ガス継手42も係留用アンカー44で係留される。高圧ガス管43が、この回転式ガス継手42と海岸のプラント(図示せず)をつないでいる。この浮体構造体は、荒れた状態の海でもアンカーシステム44が有効に機能するために、一定の水深以上の海域に設置される。一般に水深50m程度の水深が適当であるといわれている。また、135000立方m級の液化ガス船を係留するには、最低20mの水深があれば十分といわれており、浮体式構造体の海上基地に液化ガス船を係留することは可能である。
【0007】
図9、図10及び図11は、定置式構造体を採用した海上基地の一例を示している。この海上基地の構造体10は、コンクリート製の潜凾(ケーソン)でできており、その中に貯蔵タンク31を収めている。ケーソンは底板と上板と側板で構成されている。またこのケーソンは、製造場所から据え付け場所まで運搬する時は浮体となり、ケーソンの上板は液化ガス貯蔵タンク31の基礎となる。
【0008】
液化ガス貯蔵タンク31はほぼ沿岸に設置するものと同様の構造をしている。ケーソンの上板には、液化ガス貯蔵タンクの他に、プロセス設備、運搬時に使用する注排水パイプ、注排水ポンプ、及び曳航ブラケットが設置される。プロセス設備地区と居住地区との間および液化ガス貯蔵タンクとの間には必要に応じ隔壁11が設けられる。また、液化ガス貯蔵タンク31の外部構造は定置式構造体10の一部とすることも可能である。ローディングアーム34が定置式構造体のほぼ中央の側版側に設置される。なお、構造体の全体寸法は建造するのに使用される乾式ドックの大きさに影響され、例えば、定置式構造体の幅は乾式ドックの幅により制限される。
【0009】
定置式構造体10は、海底1の状態が基礎として適している海域に設置される。一般に20m程度の水深の海域が選ばれる。これは液化ガス船が係留するのに都合がよい深さである。海底1は定置式構造体10の重量を支えるのに十分な強度が要求される。定置式構造体10の全高は水深と海域の波高に応じて決定される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
最初に上述した浮体式構造体40を採用した海上基地の問題点を説明する。
【0011】
浮体式構造体40では、液化ガスの搬入時又は搬出時に、海上基地とそれに係留する液化ガス運搬船の双方が波浪により動揺する。そのため、両者の相対的な動揺量は、陸上基地の場合の2倍以上になる。現在のローディングアーム34は液化ガス船と陸上基地との間の搬入搬出を想定して製造されており、このローディングアーム34を浮体式構造体40の海上基地にそのまま採用することはできないと考えられている。従って、浮体式構造体40の海上基地のため、新たなローディングアーム34の開発が必要である。
【0012】
また、浮体式構造体40の海上基地ではガスの陸上への払い出しのために回転式ガス継手42を必要とし、安全上非常に重要な装置であり、メンテナンスに多くの労力を必要とする。
【0013】
また、浮体式構造体40では、液化ガス貯蔵タンク31への液化ガスの受け入れ、払い出し時に複数ある液化ガス貯蔵タンク内の液化ガス量が変化する。液化ガス貯蔵タンクの液化ガス量が変化すると、浮力のバランスがくずれて海上基地が傾く。そのため、海上基地の姿勢を一定に維持するために、浮力の調整を逐次行う装置が必要になり、そのための動力が消費される。
【0014】
次に上述した従来の定置式構造体50を採用した海上基地の問題点を説明する。従来の定置式構造体50は、波浪の影響を受けないという利点があるにもかかわらず以下のような課題を抱えている。
【0015】
定置式構造体50は、乾式ドック内で製作された後、乾式ドックから引き出される。乾式ドックから引き出すために、乾式ドックに海水を引き入れて定置式構造体50を浮かす。乾式ドックで製造した後、定置式構造体を浮かせて乾式ドックから引き出すことが可能なためには、浮かせた時の定置式構造体50の喫水は乾式ドックの水深より浅くなければならない。この定置式構造体50の総重量は浮かせた時の排水量に海水の比重を乗じた値に等しい。したがって、乾式ドックの水深によって定置式構造体50の総重量は制限される。重量が制限されると、強度上、構造上の理由から、定置式構造体50の総高はおのずから制限される。
【0016】
一方、建設現場で海上基地を建設するときは、この定置式構造体50を建設現場に曳航し、海水を構造体内部に引き入れ、沈めて海底に着座させる。喫水面から定置式構造体50の上部までの高さは、波が入らないように、海域の波高以上の十分な高さが求められる。したがってその海域で定置式構造体50を建設できる水深は一定の深さ以下に制限される。一般に乾式ドックで建造する場合の定置式構造体が適応できる海域の深さは20m程度と見積もられている。
【0017】
以上のことから、一定の深さ以上の海域に海上基地を建設しよう時は、浮体式構造体40は採用できるが、従来の定置式構造体50は採用できないという問題点があった。さらに、ある深さの海域で海上基地を建設しようとすると、浮体式構造体40を採用するには水深が浅すぎ、従来の定置式構造体50を採用するには水深が深すぎるという問題も生じることがあった。
【0018】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、波浪の影響を受けにくい海上基地を水深の深い海域でも建設できるようにするものである。さらに、従来の定置式構造体50を採用するには深すぎ、浮体式構造体40を採用するには浅すぎる水深の海域にも、海上基地を建設できるようにするものでもある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
参考例に係る海上基地は、プラント設備を設置する上部面を有し、内部から排水すると正の浮力を有し、内部に注水すると負の浮力を有する上部構造体と、上部構造体の下部面と接合する上部面を有し、内部から排水すると正の浮力を有し、内部に注水すると負の浮力を有する下部構造体とを備えたものとした。
【0020】
参考例による海上基地は上部構造体と下部構造体とを備えている。下部構造体は、内部から排水すると正の浮力を有するので、海上に浮かせることができ、その内部に注水すると負の浮力を得るので、海に沈めることができる。上部構造体も、内部から排水すると正の浮力を有するので、海面に浮かせることができ、その内部に注水すると負の浮力を得て、海に沈めることができる。この上部構造体は、その下部面と下部構造物の上部面を接合して、下部構造物の上部面に設置される。この上部構造物の上部面にはプラント設備を設置することができる。
【0021】
そのため、海上基地の全高を高くすることができ、深い水深の海に波浪の影響を受けにくい海上基地を建設できる。更に、下部構造物を複数段の構造物にわけて、製造・運搬することもできる。
【0022】
また、本発明に係るプラント設備を設置するための海上基地の建設方法は、プラント設備を設置する上部面を有し、内部から排水すると正の浮力を有し、内部に注水すると負の浮力を有する上部構造体と、上部構造体の下部面と接合する上部面を有し、内部から排水すると正の浮力を有し、内部に注水すると負の浮力を有する下部構造体とを準備し、この上部構造体と下部構造体とを浮かせたまま建設現場に曳航する工程と、下部構造体の内部に海水を注入して下部構造を沈め海底に着底させる工程と、上部構造体をこの下部構造体の真上に位置決めする工程と、この上部構造体の内部に注水し上部構造体を沈めて上部構造体の下部面と下部構造体の上部面とを接合し、上部構造体を下部構造体に乗せる工程とからなる。
【0023】
この方法によれば、プラント設備を設置する上部面を有し、内部から排水すると正の浮力を有し、内部に注水すると負の浮力を得る上部構造体と、上部構造体の下部面と接合する上部面を有し、内部から排水すると正の浮力を得て、内部に注水すると負の浮力を得る下部構造体とを準備する。そして、この上部構造体と下部構造体とを、浮かせたまま建設現場に曳航する。建設現場に到着すると、下部構造体の内部に注水して、下部構造を沈め、海底に着底させる。次に、上部構造体をこの下部構造体の真上に位置決めする。この上部構造体の内部に注水して上部構造体を沈め、上部構造体の下部面と下部構造体の上部面とを接合し、上部構造体を下部構造体に乗せる。下部構造物と上部構造物が一体となった海上基地は、喫水が深い。
【0024】
また、複数の下部構造物を準備し、海底に着底した下部構造物の上にさらに下部構造物を沈めてのせてもよい。この建築方法によりさらに水深の深い海にも海上基地を建築できる。
【0025】
【発明の実施の態様】
参考例について図面を参照しつつ説明する。図1、図2、及び図3は、参考例に係る海上基地を液化ガス製造基地に採用した外観図である。
【0026】
図1において、下部構造物20が海底1に着座しており、上部構造物10が下部構造物20の上に乗っている。また、液化ガスプラント設備30が、上部構造物10の上に乗っている。海底1は、ほぼ水平で海上基地の重さを支えるのに十分な強度を有している。また下部構造物20が1個の場合、海の深度は40〜50m程度であり、液化ガス運搬船3が安全に係留できる深度である20mより十分に深い。
【0027】
上部構造物10はプレストレスコンクート製の潜函(ケーソン)である。上部構造体10の内部には水密された空洞があり、空洞のなかは海水を注水したり排水したりできるようになっている。上部構造物10単体で空洞から海水を排水すると、正の浮力を得て、海面に浮かぶことができる。図1に図示する状態では、空洞の内部には海水が充満しおり、上部構造物10は下部構造物20の上部面に乗っている。
【0028】
上部構造体10の上部面13には液化ガス設備30が乗っている。この液化ガス設備30は、数個の液化ガス貯蔵タンク31とプロセスユニット32で構成される。波浪の影響がないので、地上基地で使用される貯蔵タンクとプロセスユニットがほぼそのまま使用される。海上基地特有の設備として、曳航時の浮力調整のための注排水設備(図示せず)が設置されている。この海上基地の周囲には波がえし12が設けられ、海が荒れたときでも海水が海上基地に入り込まないようになっている。上部構造体10の上部面13が、液化ガスタンクの底床になっている。液化ガスタンクの周囲14は高い土手になっており、液化ガスタンク相互の周囲には間仕切11が設けられ、液化ガスが事故で漏れたときの液だめになっている。液化ガス貯蔵タンク31から液化ガス貯蔵船3へ液化ガスを移送するために、ローデイングアーム32が液化ガス運搬船3が係留する側の上部構造体中央に設けられている。液化ガス運搬船3が波浪で揺れたときの、上部構造体10と液化ガス運搬船3の相対的移動量は地上基地ともぼ同じなので、このローディングアーム3には、従来地上基地で使用されているものと同等のものが使用される。
【0029】
下部構造体20はプレストレスコンクート製のケーソンである。下部構造体20の内部には水密された空洞があり、空洞のなかは海水を注水したり排水したりできるようになっている。上部構造物10を下部構造体20からどけて、内部の空洞から排水すると、下部構造物の総重量は小さくなり、下部構造物20は正の浮力をえて、海面に浮かぶことができる。図示した状態では、空洞の内部には水が充満して、下部構造物20の負の浮力がは大きくなっており、下部構造物20は海底に着底している。
【0030】
上部構造体10が、この下部構造体20の上部面にのっている。下部構造体20の上部面と上部構造体10の下部面とは接触している。下部構造体20は上部構造体10を支えるのに十分な強度を有している。接合面の摩擦力により、通常は相互の構造体は横方向にずれることはない。海上基地周辺の海域の波浪条件が極端に悪いなどの特別の条件が有る場合は、機械装置・土木工事等の物理的手段(図示せず)で結合される。下部構造体20の下部面は海底に着底している。海底の砂利等との接触摩擦力により、通常は海上基地は横方向にずれることはない。海上基地周辺の海域の波浪条件が極端に悪いなどの特別の条件が有る場合は、土木工事、機械装置等の物理的手段で海底に固定される。
【0031】
図4と図5は別の参考例に係る海上基地である。この海上基地は1つの上部構造物と複数の下部構造物20a、20bで構成される。上部構造物が第1の下部構造物20aの上部面に設置され、その第1の下部構造物20aが第2の下部構造物20bの上部面に設置されている。第2の下部構造物20bの下部面は海底に着底している。
【0032】
図6は本発明に係る海上基地の建設方法の1つの実施形態を示している。図3において矢印は各工程の順番を示している。(A)まず、上部構造物10と下部構造物20が乾式ドック4の中で製造される。上部構造物10には、液化ガス貯蔵タンク31、プロセス設備32、その他の設備が、上部構造物10の上面に設置される。上部構造物10と下部構造物20との寸法はこの乾式ドック4の寸法により制限される。例えば、両構造物の幅寸法は乾式ドックの内のり寸法より小さくなければ、乾式ドックでの製造は不可能になる。また、建造後、乾式ドックに水を導入し両構造物を浮かせるためには、両構造物が浮いたときの喫水は乾ドックの深度より浅くなければならない。したがって、構造物が浮いたときの排水量に海水の比重をかけた値はその重量に等しいので、構造物の重量は乾ドックの深さにより制限を受ける。
【0033】
次の工程(B)では、両構造物10、20の内部の空間に水が入らないようにし、乾式ドック3に海水を入れる。上部構造体10と下部構造体20とが海面2に浮かぶ。浮いた両構造体10、20を曳航船で引きだし、浮かせたまま海上基地の建設現場まで曳航する。その他の実施の態様として、自力航行装置をつけ、自力で建設現場までいく。建設現場の海域の海底1は、ほぼ水平になっている。水平度が十分でない場合は、あらかじめ水中ブルドーザ等でならしておく。
【0034】
次の工程(C)では、下部構造体20を建設現場の海面に位置決めし、内部の空間に注水する。内部空間は複数の部屋に別れており、下部構造体20の水平を維持できるように各部屋にゆっくり均等に注水する。下部構造体20が海底に着底したら、すべての内部空間に注水する。
【0035】
次の工程(D)では、下部構造体20の位置・姿勢を確認し、その上部の海面に上部構造体10を位置決めし、内部の空間に注水する。内部空間は複数の部屋に別れており、上部構造体10の水平を維持できるように各部屋にゆっくり均等に注水する。上部構造体10を下部構造体20の上部面に設置する。上部構造体10の下部面と下部構造体20の上部面が接合したのを確認したら、すべての内部空間に注水する。必要な場合は、上部構造体10と下部構造体20とを機械的又は土木的に結合する。また、必要に応じ下部構造体20及び上部構造体10にさらにウエイトを積み、海上基地を安定させる。
【0036】
以上の工程により、下部構造体20と上部構造体10が一体となって海底に着底し、更にその上に液化ガス設備30をのせた海上基地が建設される。その後、地上からガスを供給するガス配管(図示せず)を設置する。液化ガス船3がきたら、液化ガス船を海上基地に舫う。ローディングアーム34により液化ガス貯蔵タンクから液化ガス運搬船へ液化ガスを移送する。
【0037】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、下部構造物は小さな構造物を水平に並べたものでもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように上述の海上基地は、下部構造体20の高さと数とを設置場所の深度に合わせて調整することで、任意の高さの海上基地を建設することができ、浮体式構造体の海上基地しか採用できなかった深い海にも建設できる。
【0039】
また、浮体式構造体の海上基地では建設できない浅い深度の海や、従来の定置式構造体の海上基地では建設できなかった深い深度の海にも海上基地を建設できる。
【0040】
また、上述の海上基地は、液化ガスの搬入時や搬出時に、海上基地が波浪により動揺しない。そのため、両者の相対的な動揺量は、陸上基地と同様になる。そのため、現在のローディングアームをこの海上基地にそのまま採用することができる。そのため、浮体式構造体の海上基地のため、新たなローディングアームの開発を必要としない。
【0041】
更に、上述の海上基地は、タンクへの液化ガスの受け入れ、払い出し時に複数ある貯蔵タンク内の液化ガス量が変化しても、海上基地の姿勢が一定に保たれる。更に、上述の海上基地を液化ガス製造基地に適用すると、海底にあるガス田の近くに設置することができ、ガス配管の流れを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例による海上基地を示す平面図である。
【図2】 図1の海上基地の正面断面図である。
【図3】 図1の海上基地の側面断面図である。
【図4】 別の参考例による海上基地の正面断面図である。
【図5】 図4の海上基地の側面断面図である。
【図6】 本発明による海上基地の建設方法の説明図である。
【図7】 従来の浮体式構造体の海上基地の平面図である。
【図8】 図7の海上基地の正面断面図である。
【図9】 従来の定置式構造体の海上基地の平面図である。
【図10】 図9の海上基地の正面断面図である。
【図11】 図9の海上基地の側面断面図である。
【符号の説明】
1 海底
2 海面
3 液化ガス運搬船
4 乾式ドック
10 上部構造体
11 間仕切り
12 波がえし
20 下部構造体
20a 第1の下部構造体
20b 第2の下部構造体
30 プラント設備
31 液化ガス貯蔵タンク
32 プロセス設備
40 浮体式構造体
50 定置式構造体
Claims (1)
- プラント設備を設置するための海上基地の建設方法であって、プラント設備を設置する上部面を有し、内部から排水すると正の浮力を有し、内部に注水すると負の浮力を有する上部構造体と、上部構造体の下部面と接合する上部面を有し、内部から排水すると正の浮力を有し、内部に注水すると負の浮力を有する下部構造体とを準備し、
前記上部構造体と下部構造体とを浮かせたまま建設現場に曳航する工程と、下部構造体の内部に海水を注入して下部構造体を沈めて海底に着底させる工程と、上部構造体を下部構造体の真上に位置決めする工程と、上部構造体の内部に注水して上部構造体を沈め、上部構造体の下部面と下部構造体の上部面とを接合して、上部構造体を下部構造体に乗せる工程とからなる海上基地の建設方法。
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