JP3849399B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ホモジニアス配向型の液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一対の基板間に封入した液晶分子を一方向に揃えて初期配向させたホモジニアス配向型の液晶表示装置は、TN(ツイステッドネマティック)型の液晶表示装置に比べて、液晶の分子配列がツイストしていないため、視角の変化による光学変化が少なく、表示の視野角が広く、また光学的な特性を補償し易いという利点をもっている。
【0003】
前記ホモジニアス配向型の液晶表示装置は、対向する内面それぞれに透明な電極と、その上に配向膜が形成された一対の透明基板間に、正の誘電異方性を有するネマティック液晶を、その液晶分子が一方向に沿ってホモジニアス配向させてなる液晶層を封入した液晶素子と、液晶素子を挟んで配置された一対の偏光板となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のホモジニアス配向型液晶表示装置は、液晶層の液晶分子をホモジニアス配向させるための配向の安定性が、配向膜によるアンカーリングと、ネマティック液晶の自発的な凝集力(液晶分子が一方向に揃って並ぼうとする分子間力)とに依存するため、液晶分子のホモジニアス配向状態に配向むらが生じやすい。
【0005】
すなわち、前記液晶層の液晶分子は、初期配向状態において液晶分子の長軸が一方向に均一に配列せずに配向ムラが生じ易く、また、一対の基板の電極間に印加される電界に応じて、基板面に対して立上がるように配向状態を変えるが、液晶分子が大きく挙動した後、電界を絶ったときに液晶分子のダイレクタが一方向に揃った均一なホモジニアス配向状態に戻らず、配向むらを生じる。
【0006】
さらに、例えば、液晶素子の基板が外部からの押圧力により撓み変形し、その領域の液晶分子の配向状態が大きく乱れると、基板の撓み変形が復元しても、液晶分子のダイレクタが一方向に揃った均一なホモジニアス配向状態にならず、配向むらを生じる。
【0007】
このように、従来のホモジニアス配向型の液晶表示装置は、液晶分子のホモジニアス配向状態に配向むらが生じやすく、その領域に表示不良を発生するという問題をもっている。
【0008】
この発明は、ホモジニアス配向型の液晶表示装置として、液晶分子のホモジニアス配向状態に配向むらが生じることがない、良好な表示品質を維持することができるものを提供することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の液晶表示装置は、対向する内面それぞれに電極と、この電極を覆う配向膜とが形成された一対の基板と、前記一対の基板間に封入され、層厚d(μm)と、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチp(μm)との比d/pが、0.09未満となる量のカイラル剤が添加されたネマティック液晶からなり、前記ネマティック液晶の液晶分子を一方向に揃えたツイストのないホモジニアス配向の液晶層と、前記一対の基板の少なくとも表示の観察側に配置された偏光板とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
この液晶表示装置は、カイラル剤が添加されたネマティック液晶を、その液晶分子がダイレクタを一方向に向けたホモジニアス状態に配向させた液晶層を備えているため、液晶分子には、配向膜によるアンカーリングと、ネマティック液晶の自発的な凝集力とに加えて、液晶中に添加されたカイラル剤により液晶分子間に相互に働く分子間力が作用する。
【0011】
そのため、この液晶表示装置によれば、液晶分子の配向の安定性が向上し、液晶分子のダイレクタが一方向に揃った均一なホモジニアス配向が得られる。そして、電界による液晶分子の挙動や、液晶素子の基板の撓み変形による液晶分子の配向状態の乱れを生じたときにも、その後にダイレクタが一方向に揃ったホモジニアス配向へ戻る。したがって、液晶分子のホモジニアス配向状態に配向むらが生じることがなく、良好な表示品質を維持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の液晶表示装置は、上記のように、液晶素子の液晶層を、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の液晶分子をダイレクタが一方向に揃った均一なホモジニアス配向とした構成とすることにより、液晶分子のホモジニアス配向状態に配向むらが生じないようにして、良好な表示品質を維持することができるようにしたものである。
【0013】
この発明の液晶表示装置において、前記カイラル剤の添加量は、前記液晶素子の液晶層の層厚d(μm)と、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチp(μm)との比d/pが、0.09未満になる量であればよく、カイラル剤の添加量をこのようにすることにより、液晶分子をツイストさせることなく、ダイレクタが一方向に揃った均一なホモジニアス配向の初期配向状態とすることができる。
【0014】
前記カイラル剤の添加量は、前記d/pが、0.075以下になる量とするのがより好ましく、このようにすることにより、液晶分子の初期配向状態を、より安定性の良いホモジニアス配向とすることができる。
【0015】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例を示す液晶表示装置の一部分の分解斜視図である。
【0016】
この実施例の液晶表示装置は、その使用環境の光である外光を利用する反射表示と、背後からの照明光を利用する透過表示とを行なう反射/透過型のものであり、液晶素子1と、この液晶素子1を挟んで配置された前後一対の偏光板14,15と、その後側の偏光板15の背後に配置された反射/照明手段16とを備えている。
【0017】
この実施例で用いた液晶素子1は、TFT(薄膜トランジスタ)を能動素子とするアクティブマトリックス液晶素子であり、互いに対向させて配置された前後一対の透明基板2,3のうち、一方の基板、例えば表示の観察側とは反対側の基板である後基板3の内面に、行方向および列方向に配列する複数の透明な画素電極4と、これらの画素電極4にそれぞれ接続された複数のTFT5と、各行のTFT5にそれぞれゲート信号を供給する複数のゲートライン11と、各列のTFT5にそれぞれデータ信号を供給する複数のデータライン12と、前記画素電極4との間に補償容量を形成する複数の補償容量電極13とが設けられている。
【0018】
前記TFT5は、前記後基板3の内面上に形成されたゲート電極6と、このゲート電極6を覆うゲート絶縁膜7と、前記ゲート絶縁膜7の上に前記ゲート電極6と対向させて形成されたi型半導体膜8と、このi型半導体膜8の両側部の上にn型半導体膜(図示せず)を介して形成されたソース電極9およびドレイン電極10とからなっている。
【0019】
前記ゲートライン11は、前記後基板3の内面上に、各画素電極行の一側にそれぞれ沿わせて配線されており、各行のTFT5のゲート電極6は、その行に対応するゲートライン11に一体に形成されている。
【0020】
なお、前記TFT5のゲート絶縁膜(透明膜)7は、前記後基板3のほぼ全面にわたって形成されており、前記ゲートライン11は、その端子部を除いて前記ゲート絶縁膜7により覆われている。
【0021】
また、前記データライン12は、前記ゲート絶縁膜7の上に、各画素電極列の一側にそれぞれ沿わせて配線されており、各列のTFT5のドレイン電極10は、その列に対応するデータライン12につながっている。
【0022】
なお、この実施例では、データライン12をゲート絶縁膜7の上に配線し、各列のTFT5のドレイン電極10をそれぞれ、その列に対応するデータライン12に一体に形成しているが、前記データライン12は、TFT5を層間絶縁膜で覆ってその上に配線し、前記層間絶縁膜に設けたコンタクト孔において前記TFT5のドレイン電極10に接続してもよい。
【0023】
そして、前記画素電極4は、前記ゲート絶縁膜7の上に形成されており、これらの画素電極4の一側縁の端部にそれぞれ、その画素電極4に対応するTFT5のソース電極9が接続されている。
【0024】
また、前記補償容量電極13は、前記後基板3の内面上に、前記各画素電極行にそれぞれ対応させて形成されており、この補償容量電極13と前記画素電極4の縁部とその間のゲート絶縁膜7とにより、非選択期間の画素電極4の電位の変動を補償するための補償容量が形成されている。
【0025】
なお、前記補償容量電極13は、画素電極4の一端縁部に対向するライン部と、このライン部からデータライン12をはさんで行方向に隣り合う画素電極4,4の間の領域に延長され、その両側縁部において前記隣り合う画素電極4,4の側縁部にそれぞれ対向する延長部とを有する形状に形成されており、前記補償容量は、各画素電極4の一端縁部と両側縁部との3つの縁部に形成されている。
【0026】
一方、他方の基板、つまり表示の観察側の基板である前基板2の内面には、図示しないが、複数の色、例えば赤、緑、青のカラーフィルタが前記複数の画素電極4にそれぞれ対向させて配列形成されるとともに、その上に、前記複数の画素電極4に対向する一枚膜状の透明な対向電極が設けられている。
【0027】
また、図では省略しているが、前記一対の基板2,3の最も内面には、それぞれポリイミド等からなる水平配向膜が設けられており、これらの配向膜は、その膜面を所定方向にラビングすることにより、互いにほぼ平行で且つ逆向きに配向処理されている。図において、破線矢印2aは、前基板2の内面に施された配向処理の方向を示し、実線矢印3aは、後基板3の内面に施された配向処理の方向を示している。
【0028】
そして、前記一対の基板2,3は、その周縁部において図示しない枠状シール材を介して接合されており、これらの基板2,3間の前記シール材で囲まれた領域に液晶層(図示せず)が設けられている。
【0029】
前記液晶層は、カイラル剤が添加された誘電異方性が正のネマティック液晶からなっており、その液晶分子が、前基板2および後基板3の近傍における配向方向をそれぞれの基板2,3の内面の配向膜により規制され、前記基板2,3面に対し僅かな角度でプレチルトした状態で、一方向(両基板2,3の配向処理方向2a,3a)に沿ってホモジニアス配向している。
【0030】
また、前記液晶素子1をはさんで配置された前後一対の偏光板14,15は、それぞれ、その光学軸(透過軸または吸収軸)を所定の方向に向けて設けられている。
【0031】
図において、矢印14aは、液晶素子1の表示の観察側である前面側に配置された前側偏光板14の透過軸を示し、矢印15aは、前記液晶素子1の後面側に配置された後側偏光板15の透過軸を示しており、この実施例では、前側偏光板14の透過軸14aを、前記液晶素子1の一対の基板2,3の配向処理方向2a,3aに対し、一方の方向(図では液晶素子1の前面側から見て左回り方向)にほぼ45°の角度で斜めに交差する方向に設定し、後側偏光板15の透過軸15を、前記前側偏光板14の透過軸14a対してほぼ90°の角度で交差する方向に設定している。
【0032】
一方、前記後側偏光板15の背後に配置された反射/照明手段16は、光反射機能と、照明光の出射機能とを有するものであり、この実施例で用いた反射/照明手段16は、前面全体から照明光を出射する面光源17と、この面光源17の前面に配置された半透過反射膜18とからなっている。
【0033】
なお、前記面光源17は、例えば、端面から光を取り込んでその光を前面全体から出射する透明な導光板と、この導光板の前記端面に対向させて配置された直管状の蛍光ランプからなっている。
【0034】
この液晶表示装置は、明るい環境下では、外光を利用する反射表示を行なうものであり、この反射表示のときは、液晶表示装置にその前面から入射し、前側偏光板14と液晶表示素子1とを透過した光のうち、後側偏光板16の透過軸16aに沿った偏光成分の光が前記後側偏光板16を透過して画像光となり、その画像光が反射/照明手段16の半透過反射膜18により反射され、前記後側偏光板16と液晶表示素子1と前側偏光板14とを透過して前面に出射する。
【0035】
また、この液晶表示装置は、十分な明るさの外光が得られない環境下では、前記反射/照明手段16の面光源17から照明光を出射させることにより、その照明光を利用する透過表示を行なうものであり、この透過表示のときは、前記面光源17からの照明光が、前記半透過反射膜18と後側偏光板16と液晶表示素子1とを透過して前側偏光板14に入射し、その光のうちの前記前側偏光板14の透過軸14aに沿った偏光成分の光がこの前側偏光板14を透過して、画像光となって前面に出射する。
【0036】
そして、前記反射表示のときも、透過表示のときも、前記液晶素子1の複数の画素電極4と図示しない対向電極とが互いに対向する複数の画素領域の液晶分子が、前記画素電極4と対向電極との間に印加される電圧に応じて初期のホモジニアス配向状態から基板2,3面に対して立上がるように配向状態を変え、この液晶分子の配向状態に応じた液晶層の複屈折性の変化により、液晶層の複屈折作用と前記偏光板14,15の偏光作用とにより光の透過率が制御され、各画素領域の表示の明るさが変化して、画像が表示される。
【0037】
なお、この実施例では、前側偏光板14の透過軸14aと後側偏光板15の透過軸15aとをほぼ直交させているため、前記画素領域の表示の明るさは、液晶分子が初期のホモジニアス配向状態にあるときに最も明るくなり、液晶分子が基板2,3面に対して立上がるように配向するのにともなって変化する液晶層のΔndの値に応じて明るさが変化する。
【0038】
したがって、この液晶表示装置は、前記液晶素子1の複数の画素電極4と対向電極との間に印加する電圧、つまり前記データライン12からTFT5を介して各画素電極4に供給するデータ信号の電圧を、液晶分子が初期のホモジニアス配向状態から表示が最も暗くなる配向状態に配向するまでの間で制御して駆動すればよい。
【0039】
この液晶表示装置は、前記液晶素子1の液晶層の液晶分子の初期配向状態がツイストのないホモジニアス配向であるため、TN方式の液晶表示装置に比べて、透過率の視角依存性が少ない。
【0040】
そして、この液晶表示装置では、上記のように、液晶素子1の液晶層を、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の液晶分子をダイレクタが一方向に揃った均一なホモジニアス配向させた構成としているため、液晶分子には、配向膜によるアンカーリングと、ネマティック液晶の自発的な凝集力とに加えて、液晶中に添加されたカイラル剤により液晶分子間に相互に働く分子間力が作用する。
【0041】
そのため、この液晶表示装置によれば、液晶分子の配向の安定性が向上し、液晶分子のダイレクタが一方向に揃った均一なホモジニアス配向が得られる。そして、電界による液晶分子の挙動や、液晶素子1の基板2,3の撓み変形による液晶分子の配向状態の乱れを生じたときにも、その後にダイレクタが一方向に揃ったホモジニアス配向へ戻る。したがって、液晶分子のホモジニアス配向状態に配向むらが生じることがなく、良好な表示品質を維持することができる。
【0042】
この液晶表示装置において、前記カイラル剤は、前記液晶素子1の液晶層の層厚d(μm)と、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチp(μm)との比d/pが、0.09未満となる範囲でネマティック液晶に添加される。、カイラル剤の添加量をこの範囲にすることにより、液晶分子の初期配向状態をツイストさせることなくホモジニアス配向とすることができる。
【0043】
すなわち、前記液晶中に添加されたカイラル剤は、液晶分子をツイスト配向させるように作用し、、前記カイラル剤の添加量が多すぎると、カイラル剤のツイスト配向させる力が、配向膜によるアンカーリングとネマティック液晶の自発的な凝集力に打ち勝って、液晶分子をツイスト配向させてしまう。
【0044】
前記液晶分子の初期配向状態がダイレクタが一方向に揃ったホモジニアス配向となるかツイスト配向となるかは、配向膜によるアンカーリングの強さ、ネマティック液晶の自発的な凝集力、及びカイラル剤が添加されたカイラルネマティック液晶の、層厚d(μm)と、前記ネマティック液晶の自然ピッチp(μm)との比d/pによって決まるが、一般的なネマティック液晶を用いた場合、d/pの値が0.09以上であると、液晶分子の初期配向状態がツイスト配向となり、d/pが0.09未満であれば、配向膜の配向処理に従って、液晶分子はそのダイレクタを一方向に揃えたホモジニアス配向状態の初期配向が得られる。ネマティック液晶をより安定的に、ダイレクタを一方向に揃えたホモジニアス配向状態とするためには、前記d/pの値が0.075以下であることが望ましい。
【0045】
例えばこの実施例のように、液晶層の層厚dが5μmの場合は、カイラル剤が添加されたネマティック液晶として、その自然ピッチpが56μm以上の液晶材料を用いる。液晶層層厚dが5μm、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチpが56μmであれば、d/p=5/56≒0.089となり、液晶分子はダイレクタを一方向に揃えたホモジニアス状態に配向した初期配向状態を得ることができる。
【0046】
一方、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチpは、カイラル剤の添加量により決まり、そのネマティック液晶をツイスト配向させる力は、前記液晶材料中のカイラル剤の添加量をc(重量%)としたとき、そのカイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチpと、カイラル剤添加量cとの積の逆数、1/(p・c)で定義されるツイスティングパワーにより表される。
【0047】
したがって、自然ピッチpが56μmの液晶材料を得るためのカイラル剤の添加量cは、例えばツイスティングパワー[1/(p・c)]が1.7のカイラル剤を用いる場合、c=1/(1.7×56)×100≒1.50(重量%)であり、前記カイラル剤を1.50(重量%)以下の割合で添加することにより、自然ピッチpが56μm以上の液晶材料が得られる。
【0048】
なお、前記カイラル剤の添加量は、前記d/pが、0.075未満になる量とするのがより好ましく、このようにすることにより、液晶分子の初期配向状態を、より安定性の良いホモジニアス配向とすることができる。
【0049】
すなわち、例えば液晶層の層厚dが5μmの場合は、カイラル剤が添加されたネマティック液晶として、その自然ピッチpが67μm以上の液晶材料を用いるのがより好ましく、液晶層層厚dが5μm、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチpが67μmのとき、d/p=5/67≒0.075となり、より安定性の良いホモジニアス配向が得られる。
【0050】
なお、上記実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の後面に配置された後側偏光板15の背後に、面光源17と、この面光源17の前面に配置された半透過反射膜18とからなる反射/照明手段16を配置したものであるが、前記液晶素子1の後基板3の内面にアルミニウム等の粗い膜質の蒸着膜またはメッキ膜からなる半透過反射膜を形成し、後側偏光板15の背後に前記面光源17だけを配置しても、外光を利用する反射表示と、背後からの照明光を利用する透過表示とを行なうことができる。
【0051】
このように液晶素子1の後基板3の内面に半透過反射膜を形成する場合は、前記半透過反射膜を後基板3上に形成し、この半透過反射膜を透明な絶縁膜で覆って、その上に、TFT5、ゲートライン11、補償容量電極13、データライン12および画素電極4を形成してもよく、また、複数の画素電極4の上にそれぞれ半透過反射膜を形成してもよい。
【0052】
また、上記実施例で用いた液晶素子1は、TFTを能動素子とするアクティブマトリックス液晶素子であるが、液晶素子は、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の液晶分子をホモジニアス配向させた液晶層を有するものあれば、例えばMIM等の二端子の非線型抵抗素子を能動素子とするアクティブマトリックス液晶素子でも、単純マトリックス液晶素子でも、セグメント型の液晶素子でもよい。
【0053】
さらに、上記実施例の液晶表示装置は、外光を利用する反射表示と、背後からの照明光を利用する透過表示とを行なう反射/透過型のものであるが、この発明は、常に外光を利用する反射表示を行なう反射型液晶表示装置にも、常に照明光を利用する透過表示を行なう透過型液晶表示装置にも適用することができる。
【0054】
なお、この発明を反射型液晶表示装置に適用する場合は、液晶素子の前面側だけに偏光板を配置し、前記液晶素子の後基板の外面または内面に反射膜を形成して、液晶表示装置にその前面から入射し、前記偏光板と液晶表示素子の液晶層とを透過した光を前記反射膜により反射させ、その反射光のうちの前記偏光板を透過した光を画像光として前面に出射するようにしてもよい。
【0055】
また、さらに、この実施例の液晶表示装置において、前面側に配置した偏光板と液晶素子との間に、光学的特性を補償するための位相板を配置するようにしても良い。この場合、位相板は、その面内に光学軸を有する位相板と、その厚さ方向に光学軸を有する位相板の2枚を配置するのが好ましい。前記面内に光学軸を有する位相板は、前述したホモジニアス型液晶素子の透過光の着色を補償して白色の表示を可能とし、また前記厚さ方向に光学軸を有する位相板は前記ホモジニアス型液晶素子の透過率の視角依存性をさらに改善する。この実施例のホモジニアス型液晶素子は、液晶分子がツイスト配向していないため、一軸延伸フィルム等からなる位相板、あるいは高分子の長軸を厚さ方向に配列させたフィルム等からなる位相板により、液晶分子の配向状態に起因する透過光の位相差の補償が容易であり、前記位相板により光学特性が十分に補償された広視野角特性の液晶表示装置が得られる。
【0056】
【発明の効果】
この発明の液晶表示装置は、液晶素子の液晶層を、層厚d(μm)と、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチp(μm)との比d/pが、0.09未満となる量のカイラル剤が添加されたネマティック液晶からなり、前記ネマティック液晶の液晶分子を一方向に揃えたツイストのないホモジニアス配向としたものであるため、液晶分子のホモジニアス配向状態に配向むらが生じないようにし、良好な表示品質を維持することができる。
【0057】
また、この発明の液晶表示装置において、前記カイラル剤の添加量を、前記液晶素子の液晶層の層厚d(μm)と、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチp(μm)との比d/pが、0.09未満になる量としたので、液晶分子をツイストさせることなく、ダイレクタが一方向に揃った均一なホモジニアス配向の初期配向状態とすることができる。
【0058】
前記カイラル剤の添加量は、前記d/pが、0.075以下になる量とするのがより好ましく、このようにすることにより、液晶分子の初期配向状態を、より安定性の良いホモジニアス配向とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す液晶表示装置の一部分の分解斜視図。
【符号の説明】
1…液晶素子
2,3…基板
2a,3a…配向処理方向
4…画素電極
5…TFT
11…ゲートライン
12…データライン
13…補償容量電極
14,15…偏光板
14a,15a…透過軸
16…反射/照明手段
17…面光源
18…半透過反射膜

Claims (2)

  1. 対向する内面それぞれに電極と、この電極を覆う配向膜とが形成された一対の基板と、前記一対の基板間に封入され、層厚d(μm)と、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチp(μm)との比d/pが、0.09未満となる量のカイラル剤が添加されたネマティック液晶からなり、前記ネマティック液晶の液晶分子を一方向に揃えたツイストのないホモジニアス配向の液晶層と、前記一対の基板の少なくとも表示の観察側に配置された偏光板とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 液晶層は、その層厚d(μm)と、カイラル剤が添加されたネマティック液晶の自然ピッチp(μm)との比d/pが、0.075以下となる量のカイラル剤が添加されたネマティック液晶からなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
JP2000087248A 2000-03-27 2000-03-27 液晶表示装置 Expired - Lifetime JP3849399B2 (ja)

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