JP3848889B2 - カメラ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像／音声が記録および再生可能なデジタルカメラに適用され、特に１回の撮影区域としての駒（フレーム）に関連付けを行うようにした駒関連情報記録可能なカメラに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、デジタルスチルカメラの需要が増えており、画像あるいは音声もデジタル信号で記録されるため、撮影後にＰＣ（パーソナルコンピュータ）で活用できることが長所といえる。
【０００３】
しかし、カメラとして使用している間は、撮影記録した順番ごとに記録媒体であるメモリカードに記録されるだけである。そのため、ユーザは、それらの撮影ファイルを、ＰＣ上で目的ごとに、ディレクトリに分けて保存するなどの手間がかかっていた。
【０００４】
さらに、複数の目的に対して、撮影順が前後したりすると、撮影中に、画像とその目的を紙にメモしておかなければならないなどの不便な点が残っており、この点に関しては、銀塩フィルムのカメラと同じである。
【０００５】
カメラとして使用時にも、目的ごとにファイル群を分けて記録あるいは再生ができるのが望ましい。
【０００６】
特開２０００−１９６９９９号公報には、音声付き静止画として、同一目的として画像と音声のみを関連付ける方法が提案されているが、画像同士あるいは複数のファイルを関連付けることはできない。
【０００７】
特開平１１−３３９４４６号公報には、動画の編集機能に関する提案がなされており、一旦記録した動画の各駒ファイルに、後から撮影した駒ファイルを再生制御情報上で関連付け、再生順番をユーザの意図したものに変更できるようにしている。しかしながら、動画のインサート編集に使用できる程度であって、同一目的のファイル群として関連付けられているわけでなく応用の範囲が狭いといえる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
現在、デジタルスチルカメラは、製造会社各社の再生互換性を保つために、そのファイル管理仕様が統一されている。その仕様は撮影記録順に１つのディレクトリ下に順番に記録するものであって、前記のように、画像同士あるいは複数のファイルを関連付けることはできず、ユーザ自身が多数の駒を再生しながら、任意の目的にまとめたり、メモにするなどの煩雑な作業が必要であった。
【０００９】
本発明の目的は、前記従来の課題を解決し、簡単かつ容易に各駒に関連付けを行うことができる駒関連情報記録可能なカメラを提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項１記載の発明は、被写体を撮像して画像データを得る撮像手段と、音声を記録する音声記録手段と、前記撮像手段あるいは前記音声記録手段にて得られた画像あるいは音声に関するデータから記録ファイルを作成する記録ファイル作成手段と、前記記録ファイルを格納する記録媒体と、該記録媒体に記録されている記録ファイルを再生する再生手段とを備えたカメラであって、前記記録ファイル同士の関連付けを行うため、関連付けの基となる記録ファイル自体の駒番号と、該記録ファイルの下位に関連付けられる記録ファイルの駒番号とを、ファイルの順番を要素とする２次元の配列として管理する駒管理情報に記録する手段を備え、前記再生手段を、前記記録媒体に記録されている記録ファイルを再生する際に、前記駒管理情報を参照し、関連付けられている記録ファイルがない場合には、駒番号に従って記録ファイルの再生を行い、また関連付けられている記録ファイルがある場合には、前記２次元の配列に格納されている駒番号に従って記録ファイルの再生を行うように構成したことを特徴とし、この構成によって、撮影順が、ユーザの目的通りの順番に撮影できない場合であっても、ユーザは撮影した順番，目的を別の手段に記憶させたり、記録しておく必要がなくなり、記録順番によらず、関連付けられた順番で再生が可能となる。
【００１２】
請求項２に記載の発明は、請求項１記載のカメラにおいて、カメラ外部の装置と通信する通信手段を備え、カメラ外部から受信した情報ファイルはファイル管理情報に従い記録媒体に記録され、また駒関連モードが設定された場合には選択された記録済みファイルに対して受信する新しい情報ファイルを、その関連するファイルとして関連情報を駒関連情報に追記可能にしたことを特徴とし、この構成によって、ファイル受信記録の直後であっても、その受信したファイルを含み、同一目的のファイル群の内容を簡単に再生し確認することができる。
【００１３】
請求項３に記載の発明は、請求項１記載のカメラにおいて、カメラ外部の装置と通信する通信手段を備え、任意の記録済みファイルを選択してカメラ外部に送信可能にし、駒関連モードが設定された場合に、記録済みファイルの選択範囲は、選択した送信ファイルと、駒関連情報内に記述されており、かつ送信ファイルと関連付けられているファイル群の中から優先的に選択されるようにしたことを特徴とし、この構成によって、同一目的のファイル群を送信する際に、群全体のファイル、または、その中の送信が必要なファイルを即座に選択することができる。
【００１４】
請求項４に記載の発明は、請求項１記載のカメラにおいて、記録媒体内の任意のファイルを選択して削除する手段を備え、駒関連モードが設定された場合に、ファイル選択範囲は、選択された削除ファイルと、駒関連情報内に記述されており、かつ削除ファイルと関連付けられているファイル群の中から優先的に選択されるようにしたことを特徴とし、この構成によって、同一目的ファイル群を消去する際に、群全体のファイル、または、その中の消去が必要なファイルを即座に選択することができる。
【００１５】
請求項５に記載の発明は、請求項１記載のカメラにおいて、記録媒体内の任意のファイルを選択してファイル削除を防止するライトプロテクト機能を付加する手段を備え、駒関連モードが設定された場合に、ファイル選択範囲は、選択されたライトプロテクトファイルと、駒関連情報内に記述されており、かつライトプロテクトファイルと関連付けられているファイル群の中から優先的に選択されるようにしたことを特徴とし、この構成によって、同一目的ファイル群をライトプロテクトする際に、群全体のファイル、または、その中のライトプロテクトが必要なファイルを即座に選択することができる。
【００１６】
請求項６に記載の発明は、請求項１記載のカメラにおいて、記録したファイルを小さく再生して１画面に複数ファイルの情報の一覧表示再生を行う手段を備え、駒関連モードが設定された場合に、一覧表示ファイルは、選択された再生ファイルと、駒関連情報内に記述されており、かつ再生ファイルと関連付けられているファイル群の中から優先的に選択されるようにしたことを特徴とし、同一目的ファイル群を一覧表示する際に、群全体のファイル、または、その中の表示が必要なファイルを即座に選択することができる。
【００１７】
請求項７に記載の発明は、請求項１記載のカメラにおいて、記録媒体内の任意のファイルを選択して、選択されたファイルにカメラ使用者が入力する任意の情報を付加する手段を備え、駒関連モードが設定された場合に、情報付加対象ファイルは、選択されたファイルと、駒関連情報内に記述されており、かつ選択されたファイルと関連付けられているファイル群の中から優先的に選択されるようにしたことを特徴とし、この構成によって、同一目的ファイル群に同一情報を付加する際に、群全体のファイル、または、その中の情報付加が必要なファイルを即座に選択することができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【００１９】
図１は本発明の実施形態であるデジタルカメラの概略構成を示すブロック図であり、１は撮影レンズ、２はメカニカルシャッタ、３はＣＣＤ（電荷結合素子）、４はＣＣＤ信号を相関二重サンプリング、およびＡ／Ｄ変換するＣＤＳ／ＡＤ部、５はＡ／Ｄ変換されたデジタル信号を輝度Ｙ，色差Ｕ，Ｖ信号に変換したり、Ｙ，Ｕ，ＶデータをＪＰＥＧ圧縮するデジタル信号処理を行うＤＳＰ部（デジタル信号処理部）、６は、各メカニカル部を駆動するドライバ部であって、撮影レンズ１を駆動するフォーカス駆動とメカニカルシャッタ２のシャッタ開閉動作を行う。また、７はＣＣＤ駆動回路部、８はカメラ全体を制御する制御手段としてのＣＰＵ（中央演算処理ユニット）、９は撮像した画像データ，ファイルからのリードデータを一旦保持するメモリであって、ＤＳＰ部５およびＣＰＵ８のワークメモリとして使われる。
【００２０】
１０はカメラ外部との通信ドライバ部、１１はカメラ本体に対して着脱可能に装着されるメモリカード、１２はＤＳＰ部５からの映像出力信号をＬＣＤ（液晶デイスプレイ）に表示可能な信号に変換する表示コントローラと、実際にそれを表示するＬＣＤ部とからなる表示部、１３はカメラを使用するユーザが各種設定を行うため操作するスイッチであるＳＷ部、１４はカメラに接続される第１の外部装置１４、第１の外部装置１４に表示装置があれば、カメラ本体側のの表示部１２をなくしてもよい。第１の外部装置１４には、例えばカメラ本体内の電池を充電する充電回路を内蔵している。
【００２１】
１５は第１の外部装置１４に接続可能な第２の外部装置、例えばＰＣ（パソコン）などであり、１６は音声に関するデータ処理を行う音声ＣＯＤＥＣ部（符号化／復号化処理部）であって、入力アナログ部１７からの信号をデジタル変換して、ＤＳＰ部５に送信したり、またＤＳＰ５から受信したデジタル音声データをアナログ変換して、出力アナログ部１８へ出力する。
【００２２】
図２（ａ），（ｂ）は本デジタルカメラにおける各種機能を設定するための手段（駒関連モード設定手段，追記手段，通信手段，ライトプロテクト設定手段，サムネイル設定手段，コメントデータ処理手段など）としてＣＰＵなどに格納されているプログラムの構成図であって、各ブロックにおける処理部については以下においてフローチャートの説明と共に説明する。
【００２３】
図３は本デジタルカメラにおける記録時のメイン処理に係るフローチャートであり、本例のデジタルカメラでは、静止画，動画，音声を記録できるとする。
【００２４】
図２において、ＳＷ判定処理部２０は、２０ｍｓごとの定期タイマ割り込み処理部５０から入力されるＳＷ情報を確定して動作モード判断部２１にその情報を渡す。動作モード判断部２１は、ＡＥ（自動露光）／ＡＦ（自動焦点）処理部２２，静止画記録処理部２３，動画記録開始処理２４，動画記録終了処理２５，音声記録開始処理部２６，音声記録終了処理部２７の各処理ブロックに作業を振り分ける働きをする。静止画記録処理部２３は画像データをメモリカード１１に記録するまでを実行する。
【００２５】
記録動作を図１〜図３を参照して説明する。
【００２６】
図１のＳＷ部１３にはシャッタ釦が設けられており、静止画撮影時は、シャッタ釦の第一スイッチ（第一ＳＷ）がＯＮされると、ＡＥ／ＡＦ処理を行う。ＣＰＵ８は、ドライバ部６で撮影レンズ１を動かしフォーカスを合わせる。また、撮像データをＤＳＰ部５で評価し、ＣＰＵ８に設定するＣＣＤ３の露光時間値を決める。
【００２７】
図３においては、ＳＷ判定処理（Ｓ１）で、第一ＳＷオン処理判定され、動作モード判断処理（Ｓ２）を経て（この場合、静止画撮影である）、ＡＥ／ＡＦ処理（Ｓ３）が行われる。終了後は、再び、ＳＷ判定処理（Ｓ１）に戻り、有効なＳＷ情報がなければ何も処理を行わずに、再びＳＷ判定処理（Ｓ１）に戻るループを繰り返す。
【００２８】
ステップ（Ｓ１）において第二ＳＷまでオンされると、動作モード判断処理（Ｓ４）を経て、静止画記録処理（Ｓ５）を行う。すなわち、ＣＣＤ撮像データはＤＳＰ部５で画像処理，圧縮まで行われ、メモリ９に書き込まれる。ＣＰＵ８は画像圧縮データがメモリ９に格納されると、それをメモリカード１１に書き込む。図３上では、ＳＷ判定処理（Ｓ１）において、静止画の場合には第一ＳＷオン状態を継続して第二ＳＷがオンされると、第二ＳＷオン処理判定されて、静止画記録処理（Ｓ５）が実行され、静止画がメモリカード１１に書き込まる。
【００２９】
動画，音声記録の場合は、図２（ａ）に示すメイン処理ブロックでは、メイン処理ブロックと併行で動作して実際の記録動作を行う図２（ｂ）に示す併行処理ブロックの動画記録処理部５１，音声記録処理部５２に対して、その開始および終了の制御を行う。
【００３０】
開始時は、メイン処理ブロックから併行処理ブロックの記録処理を起動し、記録動作が開始されると、メイン処理ブロックは、ＳＷ判定処理（Ｓ１）のループを繰り返す。また、停止時は、メイン処理ブロックは併行処理ブロックの記録処理終了を指示し、その終了完了通知を併行処理ブロックから受けるのを待つ。
【００３１】
次に、図１を参照して動画記録について説明する。
【００３２】
第一ＳＷまでの動作は既述した静止画と同じあり、第二ＳＷがオンされると、ＤＳＰ部５は、例えば１秒間に１５枚の画像を圧縮してメモリ９に書き込む、それと併行して、マイクなどの入力アナログ部１７からの入力データが音声ＣＯＤＥＣ部１６でデジタル変換されているため、そのデータもメモリ９に書き込む。ＣＰＵ８は、例えば１秒間のメモリ９内の動画と音声データを１パッケージとして、メモリカード１１に書き込む。この動作と併行して、ＤＳＰ部５は次の１秒間の動画と音声とをメモリ９内の別のエリアに書き込む。
【００３３】
動画記録中に再び第一ＳＷがオンされると、前記動画記録を停止して、ＣＰＵ８は、メモリ９内のデータをメモリカード１１に書き込むと同時に、それまで書き込まれた動画と音声のデータを、メモリカード１１内のファイル管理情報エリアにファイル登録して、動画ファイル記録を完了する。
【００３４】
図３を参照して動画記録を説明すると、第一ＳＷがオンされると、ＳＷ判定処理（Ｓ１）で、第一ＳＷオン処理判定され、さらに動作モード判断（Ｓ２）で動画モードであると判定し、動画の第一ＳＷオン処理が実行される。この場合は、まだ動画記録中ではないので（Ｓ６）、ＡＥ／ＡＦ処理（Ｓ７）を行い、終了後は、再びＳＷ判定処理（Ｓ１）に戻り、有効なＳＷ情報が入るまでは何も処理を行わずに、ＳＷ判定処理（Ｓ１）に戻るループを繰り返えす。
【００３５】
第一ＳＷオン状態を継続したまま、第二ＳＷをオンすると、ＳＷ判定処理（Ｓ１）で、動画の第二ＳＷオン処理の判定（Ｓ４）が行われる。これにより、動画記録開始処理（Ｓ８）が実行される。メイン処理はＳＷ判定処理に戻るが、併行処理ブロックの動画記録処理は併行で実行され、“記録中”（Ｓ６）状態を続ける。
【００３６】
また第一ＳＷ，第二ＳＷはオフされない限り、ＳＷ判定処理では有効なＳＷ情報としては判定されない。第一ＳＷ，第二ＳＷが、一旦オフされた後、再び第一ＳＷがオンされると、動画モードの第一ＳＷオン処理が実行される。しかし、この場合は、“記録中”であるため、動画記録終了処理（Ｓ９）が実行される。
【００３７】
次に図１を参照して音声記録について説明する。
【００３８】
音声記録の場合は、第二ＳＷがオンされると、ＤＳＰ部５は、入力アナログ部１７からの入力データが、音声ＣＯＤＥＣ部１６でデジタル変換されているので、それをメモリ９に書き込む。ＣＰＵ８は、そのデータを順次メモリカード１１に書き込む。音声記録中に再び第一ＳＷがオンされると、この処理を停止して、ＣＰＵ８は、それまで書き込まれた音声データを、メモリカード１１内のファイル管理情報エリアにファイル登録して、音声ファイル記録を完了する。
【００３９】
図３を参照して音声記録を説明すると、第二ＳＷがオンされると、ＳＷ判定処理（Ｓ１）で第二ＳＷオン処理が定され、さらに動作モード判断（Ｓ４）で音声モードを判定して、音声の第二ＳＷオン処理である音声記録開始処理（Ｓ１０）が実行される。メイン処理は、ＳＷ判定処理（Ｓ１）に戻るが、図２の併行処理ブロックの音声記録処理は、併行で実行され、“記録中”（Ｓ１１）状態を続ける。
【００４０】
また第一ＳＷ，第二ＳＷはオフされない限り、ＳＷ判定処理では有効なＳＷ情報としては判定されない。第一ＳＷ，第二ＳＷが、一旦オフされた後、再び第一ＳＷがオンされると、音声モードの第一ＳＷオン処理が実行される。しかし、この場合は、“記録中”であるため、音声記録終了処理（Ｓ１２）が実行される。
【００４１】
静止画，動画，音声の各記録完了時に、図２に示す駒関連情報更新処理部２８にて駒関連情報の更新処理（Ｓ１３）が実行される。
【００４２】
駒関連情報は、ある情報ファイルと、他のどの情報ファイルとが関連付けられているかを示すものである。ここで関連付けとは、ユーザが既に記録済みのデータと、これから記録するファイルを関連付け、カメラ内で、同一グループとして扱えるようにするものである。本実施形態では、駒関連情報の更新は、駒番号，関連数，関連情報，関連配列を更新するものとする。駒番号は、ファイルの関連とは関係ない、記録した順序であり、通常カードのファイル管理情報であるＤＯＳ情報で管理される番号と同じである。
【００４３】
通常は、駒番号順でユーザは駒の再生、および検索を行う。関連数は、駒番号を要素に有する配列であって、そのファイルの下位に関連付けられているファイル数を示す。例えば関連数[２]＝３とは、駒番号２には３つのファイルが、その下位に関連付けられていることを示す。
【００４４】
関連情報は、そのファイルに関連付けられている最上位ファイルの駒番号を示す。例えば関連情報［４］＝２とは、駒番号４に関連付けられている上位ファイルは、駒番号２であることを示す。一方、関連情報［１］＝１の場合は、駒番号１に関連付けられている最上位ファイルは、駒番号１自身であり、つまり、関連付けられた上位ファイルがないことを示す。
【００４５】
関連配列は、その駒番号自身と、その駒の下位に関連付けられているファイルの順番を要素にもつ２次元の配列であり、その配列には、関連付けられている駒番号が格納されている。例えば関連配列［２］［２］＝５とは、駒番号２に関連付けられている下位ファイルの２つめが駒番号５であることを示す。
【００４６】
図３に示す記録処理の後に、駒関連情報更新処理において前記駒関連情報が更新される。図４は駒関連情報更新処理に係るフローチャートであり、各関連情報が更新される状態を図５（ａ）〜（ｄ）の説明図に示す。
【００４７】
図５（ａ）に示す例は図４におけるステップ（Ｓ１５）の通常モードであって、駒番号３まで静止画記録をした場合である。駒番号はファイル管理情報側で記録されるごとに、通常、１ずつ加算される。関連数は全てゼロで、関連情報，関連配列［ｘ］，［０］には、駒番号がそのままセットされる。
【００４８】
図４に示すフローの通り、駒番号ｘ＝１〜３に対して、駒番号４を記録時に、ユーザが駒関連モード（Ｓ１４のＹｅｓ）を選択して、駒番号２の下位に関連付ける設定をしたとすると、撮影された場合、図４に示すフローのステップ（Ｓ１６）に従い、関連数［４］＝０，関連配列［４］，［０］＝４がセットされる。
【００４９】
ここで、関連付けされる駒番号２の関連情報［２］を参照すると（関連情報［ｐ］＝＝ｐ？）、関連情報[２]は２で、駒番号２が最上位ファイルであるので、駒番号４も駒番号２にそのまま関連付けさせる。
【００５０】
そこで、まず、駒番号４の関連情報を関連情報［４］＝２とすると、次に関連先の駒番号２の関連数と関連配列を更新する。関連数は、１ファイルが新規に連結されるので、関連数を＋１する（関連数[p]＝（関連数[p]）＋１であり、結果は関連数[２]は１）。そして、関連配列［２］［１］＝４として、駒番号４を登録する（関連配列［ｐ］［ｍ］＝ｘ）。結果として駒関連情報は、図５（ｂ）に示すようになる。
【００５１】
駒番号５を記録時に、そのまま、駒番号２の下位に関連付ける設定をしたとすると、撮影されたとき、図４に示すフローのステップ（Ｓ１６）に従い、関連数［５］＝０，関連配列［５］，［０］＝５がセットされる。また、関連付けされる駒番号２の関連情報［２］が２で、駒番号２は最上位ファイルであるので、駒番号５も駒番号２に関連付け、関連情報［５］＝２とする。次に関連先の駒番号２の関連数と関連配列を更新する。関連数は、１ファイルが新規に連結されるので、関連数[２]を＋１する（結果は関連数が２）。そして、関連配列［２］［２］＝５として、駒番号５を登録する。結果として、駒関連情報は、図５（ｃ）に示すようになる。
【００５２】
次にユーザは、駒番号６を駒番号４に関連付けさせる設定をしたとすると、関連数［６］＝０，関連配列［６］［０］＝６がセットされ、ここで、関連付けされる駒番号４の関連情報［４］を参照する（関連情報［ｐ］＝＝ｐ？）。関連情報［４］は２で、駒番号４には駒番号２が既に上位ファイルとして関連付けられているので、駒番号６でも、関連情報［２］を参照する（ｐ＝ｎ後のループ）。結果として、関連情報［２］は２で、駒番号２は、最上位ファイルであるので、駒番号２にそのまま関連付けさせる。
【００５３】
そこで、まず、駒番号６の関連情報を関連情報［６］＝２とし、次に関連先の駒番号２の関連数と関連情報を更新する。関連数は、１ファイルが新規に連結されるので、関連数［２］を＋１する（結果は関連数が３）。そして、関連配列［２］［３］＝６として、駒番号６を登録する。結果として、駒関連情報は、図５（ｄ）に示すようになる。
【００５４】
図６は本実施形態における再生時のメイン処理に係るフローチャートである。
【００５５】
メイン処理部は定常的にループしており、ＳＷ（スイッチ）判定処理部２０で、ユーザが操作したＳＷ情報を確定して、図２（ａ）に示す動作モード判断部２１にその情報を渡す。ＳＷ判定処理部２０は、２０ｍｓごとの定期タイマ割り込み処理部５０から入力されるＳＷ情報を確定している。
【００５６】
動作モード判断部２１では、確定されたＳＷ情報により、それに対応する動作モードを判断（Ｓ１８）して、再生駒番号決定処理部２９，スチル再生処理部３０，動画再生開始処理部３１，動画再生停止処理部３２，音声再生開始処理部３３，音声再生停止処理部３４を起動させ、図６のソフトウェア処理フローのように処理を振り分ける（Ｓ１９）。
【００５７】
駒送り操作であれば、再生駒番号決定処理の処理で再生すべき駒番号が決定され、それをスチル再生表示する。すなわち、駒ファイルが静止画の場合は、その画像を再生する。動画の場合は、先頭の１フレームの画像を再生して、スチル状態となる。音声の場合は、例えば、既成の青色の画面表示を再生する。スチル再生完了後は、再びＳＷ判定処理に戻り、何も有効なＳＷ起動がない場合は、動作モード判断でも何も処理を行わず、再びＳＷ判定処理に戻る。
【００５８】
もし、動画スチル中でレリーズ釦が操作された場合は、図６に示すように、動画再生開始処理（Ｓ２０）が実行される。これは、図２（ｂ）の併行処理ブロックにおける動画再生処理部５３を起動するだけであり、メイン処理自体は、その後も、再びＳＷ判定処理を繰り返すループとなる。
【００５９】
このように、メイン処理部は併行処理ブロックの各処理の開始と停止を制御するだけで、実際の処理はメイン処理部と併行に動作する併行処理ブロックが行う。
【００６０】
動画再生中にレリーズ釦をオンされたら、メイン処理内で動画再生停止処理が実行され、それにより、併行処理ブロックの動画再生処理が停止され、その時再生していたフレームを表示したスチル状態となる。
【００６１】
音声再生に関しても、上述した動画と同様に、メイン処理から、併行処理ブロックの音声再生処理の開始、停止が制御（Ｓ２１）される構成である。
【００６２】
図１を参照して動画再生処理について説明する。
【００６３】
ＣＰＵ８はメモリカード１１から、１秒単位にパッケージングされた、動画と音声とのデータをメモリ９に読み込む。動画データは、例えば動画形式が１５フレーム／秒のMotion Jpegであれば、１５枚のＪＰＥＧデータである。
【００６４】
音声データは １秒間の音声デジタルデータであり、例えば 非圧縮で、８ｋＨｚ周期の１６ｂｉｔでサンプリング記録されたデータとすると１６Ｋバイトの連続したデータである。ＤＳＰ部５は、メモリ９のＪＥＰＧデータを、記録フレームレートと同じレートで、１枚ずつ伸長して伸長データをメモリ９内の表示メモリエリアに格納する。ＤＳＰ部５は、メモリ９内の表示メモリエリアを表示部１２に表示する。また、ＤＳＰ部５は、メモリ９の音声データを記録音声レートと同じレートで音声ＣＯＤＥＣ部１６へ送り、アナログ出力する。
【００６５】
音声再生処理の際、ＣＰＵ８はメモリカード１１から、音声データをメモリ９に順次読み込む。ＤＳＰ部５は、メモリ９の音声データを記録音声レートと同じレートで音声ＣＯＤＥＣ部１６へ送り、アナログ出力する。
【００６６】
再生中に、ユーザが駒番号送り操作をした場合は、図６に示すように再生駒番号決定処理（Ｓ２２）が実行され、再生されるべき駒番号が決定される。なお、本例では、再生する駒番号が増えていく方向である駒送り操作についてのみ説明するが、駒戻し操作についても、同様の概念で実施可能である。
【００６７】
図７は本実施形態における再生駒番号決定処理に係るフローチャートである。
【００６８】
今、再生駒番号が配列［ｘ］［ｙ］に格納されている駒番号を再生しているとすると、駒関連モードが設定されていない（Ｓ２３のＮｏ）、通常の駒番号決定処理（Ｓ２４）では、駒番号順通りにスチル再生駒が決定され、駒送りされるたびにｘ＝ｘ＋１して、配列［ｘ］［０］に格納されている駒番号を決定値とする（Ｓ２５）。
【００６９】
しかし、駒関連モードが設定されている場合（Ｓ２３のＹｅｓ）は、関連駒番号決定処理（Ｓ２６）で、スチル再生駒が決定される。ｙ＝ｙ＋１にし（Ｓ２７）、ｙが関連数［ｘ］と比較して、等しいまたは小さいならば（Ｓ２８のＮｏ）、そのまま駒番号ｘに下位関連付けされている配列［ｘ］［ｙ］に格納されている駒番号のファイルを再生する（再生駒番号＝関連配列［ｘ］［ｙ］：Ｓ２９）。ｙ＝ｙ＋１にし（Ｓ２７）、ｙが関連数［ｘ］と比較して、大きいならば、駒番号ｘに下位関連付けされているファイルは全て表示済みであるとして扱い、次に再生すべき下位関連ファイルをもつ駒番号を検索する。
【００７０】
さらに、ｘ＝ｘ＋１にし（Ｓ３０）、その関連情報［ｘ］を参照する（ 関連情報[x]＝＝ｘ？）。関連情報［ｘ］＝＝ｘであれば（Ｓ３１のＹｅｓ）、これを、再生すべき駒番号として扱い、配列［ｘ］［ｙ］に格納されている駒番号のファイルを再生する（Ｓ３２）。また、関連情報［ｘ］がｘでなかった場合（Ｓ３１のＮｏ）は、関連情報［ｘ］＝＝ｘになるまで、ｘ＝ｘ＋１にして次の駒番号を検索していく。
【００７１】
本デジタルカメラでは、受信記録処理機能を有しており、図１に示す通信ドライバ部１０を具備しており、カメラ外部からファイルを受信し、メモリカード１１に保存する受信記録動作が可能であり、図２のメイン処理ブロックにおける通信処理部３５，カード記録部３６，消去処理部３７などの処理により、ＳＷ部１３でユーザが受信記録操作を選択すると、図６に示すフローで、まず通信処理で、カメラ外部装置からファイルを受信し、メモリ９に一旦保存し、次に、カード記録処理でメモリカード１１に記録する。その後、図４にて説明した駒関連情報更新処理により駒関連情報を更新する。
【００７２】
また以下において、本実施形態における各種機能について、ステップ番号の記載は省略するが、図８〜図１２のフローチャートを参照して説明する。
【００７３】
図８（ａ），（ｂ）に示すフローチャートのように、本実施形態では図６にて説明したのと同様に再生駒の送信が可能である。また、ＳＷ部１３を操作することによる手動送信操作が行われた場合は、再生中のファイルを、カメラ外部に送信することができる。図２に示す手動／関連自動送信処理部３８により送信処理が行われる。
【００７４】
送信処理では、ＣＰＵ８が通信ドライバ部１０を通して、外部通信装置と通信可能か否かを確認し、その後、メモリ９内の駒再生中のファイルを外部装置へ送信する。また、ＳＷ部１３を操作して、関連自動送信操作がなされた場合は、再生中のファイルと、そのファイルと関連付けられているファイルを、まとめて自動でカメラ外部に送信もできる。図８（ｂ）が関連自動送信処理に係るフローチャートである。再生中の関連配列［ｘ］［ｙ］のファイルを送信後に、ｙ＝ｙ＋１にして、このファイルから下位に配列されているファイルの送信を繰り返す。
【００７５】
図５に示す例では、駒関連モード中で駒番号５を再生中に関連自動送信を操作された場合は、駒番号５，６がカメラ外部に送信される。
【００７６】
図９（ａ）に示すフローチャートのように、本実施形態では図６にて説明したのと同様に再生駒の送信と、駒消去とが可能である。また、ＳＷ部１３を操作することによる手動消去操作が行われた場合は、再生中のファイルを消去する。消去処理はメモリカード１１のファイルを消去する。図２に示す手動／関連自動消去処理部３９により消去処理が行われる。
【００７７】
また、ＳＷ部１３を操作して、関連自動消去がなされた場合は、再生中のファイルと、そのファイルと関連付けられているファイルを、まとめて自動で消去する。図９（ｂ）が関連自動消去処理に係るフローチャートである。再生中の関連配列［ｘ］［ｙ］を消去後に、ｙ＝ｙ＋１にして、このファイルから下位に配列されているファイルの消去を繰り返す。図５の例で、関連モード中で駒番号５を再生中に、関連自動消去を操作された場合は、駒番号５，６が消去される。
【００７８】
消去処理の内容は、関連配列［ｘ］［ｙ］に格納されている駒番号ファイルをファイル管理上の消去とする。駒関連情報では関連配列［ｘ］［ｙ］＝０，関連数［ｘ］＝関連数［ｘ］−１を実施する。
【００７９】
図１０（ａ）に示すフローチャートのように、本実施形態では図６にて説明したのと同様に再生駒の送信と、ライトプロテクトの設定とが可能である。また、ＳＷ部１３を操作することによる手動ライトプロテクト消去操作が行われた場合は、再生中のファイルにライトプロテクトを設定する。ライトプロテクト設定とは、ファイルのプロテクト情報を、ファイルのヘッダ部に書き込み、消去時に、該情報のあるファイルは消去処理がスキップされるようにするものであって、図２に示す手動／関連自動プロテクト処理部４０により設定処理が行われる。
【００８０】
また、ＳＷ部１３を操作して、関連自動プロテクト操作をされた場合は、再生中のファイルと、そのファイルと関連付けられているファイルを、まとめて自動でプロテクト設定される。図１０（ｂ）が、関連自動プロテクト処理に係るフローチャートである。再生中の関連配列［ｘ］［ｙ］をライトプロテクト設定した後に、ｙ＝ｙ＋１にして、このファイルから下位に配列されているファイルにもプロテクト設定を行う。図５に示す例において、関連モード中で駒番号５を再生中に関連自動プロテクトが設定された場合に、駒番号５，６にプロテクト設定を行う。
【００８１】
図１１（ａ）に示すフローチャートのように、本実施形態では図６にて説明したのと同様に再生駒の送信と、サムネイルの設定とが可能である。また、ＳＷ部１３を操作することによる手動サムネイル操作が行われた場合は、再生中のファイルを含む関連サムネイルの表示が行われる。サムネイル一覧表示とは、各駒の縮小画像を、カメラの表示部に複数枠表示するものであって、図２に示す関連サムネイル処理部４１により設定処理が行われる。
【００８２】
関連サムネイル表示一覧は図１１（ｂ）に示すように、まず、現在表示中の配列［ｘ］［ｙ］に格納されている駒番号のサムネイル画像を、一覧表示枠の１番目に表示し、それ以後の枠には、ｙ＝ｙ＋１にして、配列の降順に、そのサムネイル画像を表示する。
【００８３】
図５に示す例において、関連サムネイル操作モード中で駒番号５の再生中に、関連サムネイル表示操作がなされた場合は、駒番号５，６がサムネイル一覧表示される。
【００８４】
図１２（ａ）に示すフローチャートのように、本実施形態では図６にて説明したのと同様に再生駒の送信と、コメントデータの書き込みとが可能である。また、ＳＷ部１３を操作することによる手動コメント操作が行われた場合は、再生中のファイルのヘッダ部分に、ユーザが指定したコメントデータを書き込むことができる。コメントデータの書き込みの際、ユーザは前もって、ＳＷ部１３の操作により、表示部１２上に文字フォントを表示かつ選択し、そのデータをメモリ９の所定のエリアに保持させておく。図２に示す手動／関連自動コメント処理部４２により処理が行われる。
【００８５】
図１２（ａ）に示すフローチャートにおけるコメント書き込み動作は、手動コメント操作をされた場合は、メモリ９のエリアに保持されているコメントデータを、ファイルのヘッダに書き加え、ファイルのヘッダ部分をメモリカード１１の対応箇所に上書きする。
【００８６】
また、ＳＷ部１３を操作して、関連自動コメント操作がなされた場合は、再生中のファイルと、そのファイルと関連付けられているファイルに、まとめてコメント書き込みが行われる。図１２（ｂ）が関連自動コメント付加処理に係るフローチャートである。
【００８７】
再生中の関連配列［ｘ］［ｙ］のファイルにヘッダ付きコメントを上書きし、ｙ＝ｙ＋１にして、このファイルから下位に配列されているファイルに同様に コメント付きヘッダを上書きする。
【００８８】
図５の例において、関連モード中で駒番号５を再生中に、関連自動コメントを操作された場合は、駒番号５，６のヘッダにコメントを書き加える。
【００８９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各駒の関連付けが容易かつ確実に行われ、ユーザが撮影した順番，目的を別の手段に記憶させたり、記録しておく必要がなくなり、カメラが有する諸機能に対応させて同一目的の駒をまとめて簡単に処理することが可能になり、記録順番によらず、関連付けられた順番で再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態であるデジタルカメラの概略構成を示すブロック図
【図２】本実施形態におけるＣＰＵなどに格納されているプログラムの構成図
【図３】本実施形態における記録時のメイン処理に係るフローチャート
【図４】本実施形態における駒関連情報更新処理に係るフローチャート
【図５】本実施形態における各関連情報が更新される状態の説明図
【図６】本実施形態における再生時のメイン処理に係るフローチャート
【図７】本実施形態における再生駒番号決定処理に係るフローチャート
【図８】本実施形態における再生駒の送信処理に係るフローチャート
【図９】本実施形態における駒消去処理に係るフローチャート
【図１０】本実施形態におけるライトプロテクト設定に係るフローチャート
【図１１】本実施形態におけるサムネイル設定に係るフローチャート
【図１２】本実施形態におけるコメントデータ処理に係るフローチャート
【符号の説明】
８ ＣＰＵ
１３ ＳＷ（スイッチ）部
２０ ＳＷ判定処理部
２１ 動作モード判断部
２２ ＡＥ（自動露光）／ＡＦ（自動焦点）処理部
２３ 静止画記録処理部
２４ 動画記録開始処理
２５ 動画記録終了処理
２６ 音声記録開始処理部
２７ 音声記録終了処理部
２８ 駒関連情報更新処理部
２９ 再生駒番号決定処理部
３０ スチル再生処理部
３１ 動画再生開始処理部
３２ 動画再生停止処理部
３３ 音声再生開始処理部
３４ 音声再生停止処理部
３５ 通信処理部
３６ カード記録部
３７ 消去処理部
３８ 手動／関連自動送信処理部
３９ 手動／関連自動消去処理部
４０ 手動／関連自動プロテクト処理部
４１ 関連サムネイル処理部
４２ 手動／関連自動コメント処理部
５０ 定期タイマ割り込み処理部
５１ 動画記録処理部
５２ 音声記録処理部
５３ 動画再生処理部
５４ 音声再生処理部

Claims (7)

1. 被写体を撮像して画像データを得る撮像手段と、音声を記録する音声記録手段と、前記撮像手段あるいは前記音声記録手段にて得られた画像あるいは音声に関するデータから記録ファイルを作成する記録ファイル作成手段と、前記記録ファイルを格納する記録媒体と、該記録媒体に記録されている記録ファイルを再生する再生手段とを備えたカメラであって、
   前記記録ファイル同士の関連付けを行うため、関連付けの基となる記録ファイル自体の駒番号と、該記録ファイルの下位に関連付けられる記録ファイルの駒番号とを、ファイルの順番を要素とする２次元の配列として管理する駒管理情報に記録する手段を備え、前記再生手段を、前記記録媒体に記録されている記録ファイルを再生する際に、前記駒管理情報を参照し、関連付けられている記録ファイルがない場合には、駒番号に従って記録ファイルの再生を行い、また関連付けられている記録ファイルがある場合には、前記２次元の配列に格納されている駒番号に従って記録ファイルの再生を行うように構成したことを特徴とするカメラ。
2. カメラ外部の装置と通信する通信手段を備え、カメラ外部から受信した情報ファイルはファイル管理情報に従い前記記録媒体に記録され、また駒関連モードが設定された場合に、選択された記録ファイルに対して受信する新しい情報ファイルを、その関連するファイルとして関連情報を前記駒関連情報に追記可能にしたことを特徴とする請求項１記載のカメラ。
3. カメラ外部の装置と通信する通信手段を備え、任意の記録ファイルを選択してカメラ外部に送信可能にし、駒関連モードが設定された場合に、記録ファイルの選択範囲は、選択した送信ファイルと、前記駒関連情報内に記述されており、かつ前記送信ファイルと関連付けられているファイル群の中から優先的に選択されるようにしたことを特徴とする請求項１記載のカメラ。
4. 前記記録媒体内の任意のファイルを選択して削除する手段を備え、駒関連モードが設定された場合に、ファイル選択範囲は、選択された削除ファイルと、前記駒関連情報内に記述されており、かつ前記削除ファイルと関連付けられているファイル群の中から優先的に選択されるようにしたことを特徴とする請求項１記載のカメラ。
5. 前記記録媒体内の任意のファイルを選択してファイル削除を防止するライトプロテクト機能を付加する手段を備え、駒関連モードが設定された場合に、ファイル選択範囲は、選択されたライトプロテクトファイルと、前記駒関連情報内に記述されており、かつ前記ライトプロテクトファイルと関連付けられているファイル群の中から優先的に選択されるようにしたことを特徴とする請求項１記載のカメラ。
6. 記録したファイルを小さく再生して１画面に複数ファイルの情報の一覧表示再生を行う手段を備え、駒関連モードが設定された場合に、一覧表示ファイルは、選択された再生ファイルと、前記駒関連情報内に記述されており、かつ前記再生ファイルと関連付けられているファイル群の中から優先的に選択されるようにしたことを特徴とする請求項１記載のカメラ。
7. 記録媒体内の任意のファイルを選択して、選択されたファイルにカメラ使用者が入力する任意の情報を付加する手段を備え、駒関連モードが設定された場合に、情報付加対象ファイルは、選択されたファイルと、前記駒関連情報内に記述されており、かつ前記選択されたファイルと関連付けられているファイル群の中から優先的に選択されるようにしたことを特徴とする請求項１記載のカメラ。

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