JP3848709B2 - 監視用画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば無人の電気所などを遠隔監視するためにセンターに設置された監視用画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の監視用画像処理装置の構成について図24を参照しながら説明する。図24は、従来の監視用画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0003】
図24において、1は本監視用画像処理装置に処理される映像を受けるビデオ入力部、2はビデオ入力部1から入る映像を量子化するA/D変換部、3はA/D変換部2からの出力を受け現在の映像データを記憶する現画像蓄積部、4はA/D変換部2からの出力を受け相応の演算を行い作成した、比較用の背景画像を記憶する背景画像蓄積部、5は背景画像蓄積部4のデータを一定ルールで演算し更新する背景更新部である。一般的には単純なルールで更新する。例えば、過去5枚の現画像の平均を背景画像とする、等である。
【0004】
また、同図において、6は現画像蓄積部3と背景画像蓄積部4の2つの画像を比較し、その差分を算出する背景差分部、7は背景差分部6のデータを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算部である。背景差分データを元に最適敷居値を求めるのが一般的である。さらに、8は敷居値演算部7で求めた敷居値で差分データを2値化する2値化部、9は2値化部8から出力される2値データを受け、そこに目的の発報対象が存在するかの判断を行う認識処理部、10は認識処理部9からの「発報対象発見」の指示を受け発報する発報処理部である。
【0005】
図25は、従来の監視用画像処理装置の認識処理部の動作を詳細に示したフローチャートである。
【0006】
ステップ11において、認識処理部9は、2値化データを見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる変化領域統合の処理を行う。
【0007】
ステップ12〜15は、ステップ11で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する特徴量比較部分である。ここで所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。ここでは、例として以下のような判断を行う。
【0008】
すなわち、ステップ12では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ13では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ14では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ15では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
【0009】
以上の結果を受け、ステップ16では、発報対象発見か対象無しかの判断を行い、上記条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なし、発報処理部10へと渡す。
【0010】
次に、動作について代表的な例を説明する。図24に於いて、外部から装置に与えられた映像信号は、ビデオ入力部1で受け取り、A/D変換部2に送られる。このA/D変換部2では受け取ったビデオ信号を後の処理の為にデジタルデータに変換する。1画素あたり8ビットの多値データに変換するのが一般的である。現画像蓄積部3では、入力された現画像データを蓄積し後の処理に備える。また、背景画像蓄積部4では、入力された現画像データを元に作成された背景画像を蓄積し後の処理に備える。背景更新部5では、背景画像蓄積部4に蓄積してある背景画像を定期的に一定ルールで更新処理する。これは定期的にサンプリングされた現画像を元に演算処理されるのが一般で、例としては過去5シーンの現画像の平均値を背景画像とする方法や、一定時間前のフレームの映像である場合が多い。
【0011】
背景差分部6は、現画像蓄積部3及び背景画像蓄積部4の出力を比較し、各画素毎に差を求め、その差である差分データをフレーム画像として出力する。差分データは一般的には映像中の輝度の変化した部分を表す。通常は、人物や車両のような移動物が主であるが、まれに「太陽光の照り陰り」による建物の影の出現の様な、発報対象ではない輝度の変化を示す場合もある。
【0012】
敷居値演算部7は、背景差分部6から送られる差分データを2値化する為の敷居値を求める。通常、背景データは多値データであり、そのまま認識処理するには不的確である。以降の判断を高速に行うためにも2値化して2値データに変換するのが一般的である。ただし、装置によってはこの2値化を行わずに直接差分データを認識処理する場合があるので、ここは参考である。2値化部8は、上記敷居値をもって差分データを2値化する。その結果、以降の処理では変化領域は2値データとなる。
【0013】
図26を例にこの変化領域について説明する。図26は通常の正門の映像である。今、人物が画像内を移動している。この場合、移動している人物の位置がそのまま変化領域となる。図27が、その変化領域を黒く染めたスーパーインポーズを重複させて示した映像である。認識処理部9は、2値化部8からの2値化された変化領域データを受け、その変化領域が目的のもの(例えば、一般には人物や車両が該当する。以降、発報対象と呼称する。)であるか否かの判断を行う。
【0014】
認識処理部9では以下の手順で認識を行う。ただし、ここに示すのは1例である。ステップ11の変化領域統合処理では、変化領域を見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる。ステップ12〜15では、ステップ11で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する。ここでは、あらかじめ定めてあった特徴量に対し、この変化領域が合致するかを比較する。ここで所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。
【0015】
ここでは、例として以下のような判断を行う。
ステップ12では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ13では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ14では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ15では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
【0016】
上記の「面積」、「縦横寸法」及び「移動速度」は、ステップ12にある一定時間中の平均を算出して参照されるのが一般的である。しかし、逆に、ここに仮に発報対象ではない全く別の物が現れても(例えば、太陽光の照り陰りによる建物の影の出現)ここで特徴量条件が合致すれば、装置は発報してしまう。このような、非発報対象による誤った発報を、以降、不要検知と呼称する。不要検知であれ正常検知であれ、ステップ16で発報対象発見と判断されればそれは発報処理部10に伝えられ、そこで発報処理を行う。通常は、上位にあるPC等に特定の信号を送ったり、装置のブサーを鳴らしたりという処理である。条件に合致しない場合は、発報対象は無かったと見なす。この場合は、次プロセスにはなにも報告されない。なお、認識処理部9、及び発報処理部10の動作はS/Wにて処理されるのが一般的である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の監視用画像処理装置では、以上のような構造になっている為、背景差分部6が抽出した変化領域が仮に非発報対象(例えば、太陽光の照り陰りによる建物の影の出現、等)によるものであっても、ステップ11〜15の条件に合致すると発報してしまう。特に、屋外において監視業務を行う際は、太陽光の照り陰りによる建物の影の出現のほかに、水面の揺らぎ・きらめき・水紋等により発生させられるケースが多い。つまり、上記の非発報対象を条件に合致すると発報してしまうという問題点があった。
【0018】
この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、このような太陽光の照り陰りによる建物の影の出現のような、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に対し、発報対象発見後、直ちに発報処理部で発報処理を行うのではなく、その後も一定時間認識処理を継続してその発報対象の変化領域を観察して、急激な面積の増加や減少が無いことを確認し、その結果をもって発報することにより、上記の様な変化領域に対し、誤って発報してしまう「誤報」を減少させると同時に、「人物」の様な正規発報対象にたいしては正常に発報することができる監視用画像処理装置を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る監視用画像処理装置は、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、前記抽出した変化領域が第1の一定時間における所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域の面積が前記第1の一定時間の後の第2の一定時間において半分以下もしくは倍以上の変化が無いときには発報対象として認識する認識処理手段とを備えたものである。
【0020】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、前記変化領域抽出手段が、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する背景差分手段と、前記背景差分データに基づき前記背景差分データを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算手段と、前記背景差分データを前記敷居値で2値化する2値化手段とを有するものである。
【0021】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する背景画像蓄積手段と、前記背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する背景更新手段と、前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段とを備えたものである。
【0022】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、前記変化領域抽出手段が、現画像データと1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データとの比較演算に基づきそのフレーム間背景差分を変化領域として算出する第1の背景差分手段と、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその非フレーム間背景差分を変化領域として算出する第2の背景差分手段と、前記フレーム間背景差分データ及び非フレーム間背景差分データに基づき前記フレーム間背景差分データ及び非フレーム間背景差分データをそれぞれ2値化するための第1及び第2の敷居値を算出する敷居値演算手段と、前記フレーム間背景差分データ及び非フレーム間背景差分データを前記第1及び第2の敷居値でそれぞれ2値化し第1及び第2の2値データを出力する2値化手段とを有し、前記認識処理手段が、前記第2の2値データに基づき前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識する第2の認識処理手段と、前記第1の2値データに基づき前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合で、かつ前記第2の認識処理手段により前記仮の発報対象として認識されているときには発報対象として認識する第1の認識処理手段とを有するものである。
【0023】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から1フレーム前の現画像データである前記比較用背景画像データを作成して記憶する第1の背景画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する第2の背景画像蓄積手段と、前記第1の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第1の背景更新手段と、前記第2の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第2の背景更新手段と、前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段とを備えたものである。
【0024】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには発報対象として認識する認識処理手段とを備え、前記変化領域抽出手段が、現画像データと1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データとの比較演算に基づきそのフレーム間背景差分を変化領域として算出する第1の背景差分手段と、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する第2の背景差分手段と、前記フレーム間背景差分データ及び背景差分データに基づき前記フレーム間背景差分データ及び背景差分データを2値化するための第1及び第2の敷居値を算出する敷居値演算手段と、前記フレーム間背景差分データ及び背景差分データを前記第1及び第2の敷居値で2値化し第1及び第2の2値データを出力する2値化手段とを有し、前記認識処理手段が、前記第2の2値データに基づき前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識し、かつ前記第1の2値データに基づき前記抽出した変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには前記仮の発報対象を発報対象として認識するものである。
【0025】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から1フレーム前の現画像データである前記比較用背景画像データを作成して記憶する第1の背景画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する第2の背景画像蓄積手段と、前記第1の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第1の背景更新手段と、前記第2の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第2の背景更新手段と、前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段とを備えたものである。
【0026】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには発報対象として認識する認識処理手段とを備え、前記変化領域抽出手段は、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する背景差分手段と、前記背景差分データに基づき前記背景差分データを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算手段と、前記背景差分データを前記敷居値で2値化する2値化手段とを有し、さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する背景画像蓄積手段と、前記背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する背景更新手段と、前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段とを備え、前記認識処理手段が、前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識し、かつ前記背景更新手段により前記背景画像蓄積手段に1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データを記憶させ、フレーム間背景差分データに基づき前記抽出した変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには前記仮の発報対象を発報対象として認識するものである。
【0027】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出するとともに、前記変化領域に基づき前記変化領域を2値化するための敷居値を算出する変化領域抽出手段と、前記抽出した変化領域が第1の一定時間における所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域を2値化するための敷居値が前記第1の一定時間の後の第2の一定時間において急激に低い値にならないときには発報対象として認識する認識処理手段とを備えたものである。
【0028】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、前記変化領域抽出手段が、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する背景差分手段と、前記背景差分データに基づき前記背景差分データを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算手段と、前記背景差分データを前記敷居値で2値化する2値化手段とを有するものである。
【0029】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する背景画像蓄積手段と、前記背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する背景更新手段と、前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段とを備え、前記認識処理手段が、前記抽出した変化領域が第1の一定時間における所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識し、かつ前記背景更新手段により前記背景画像蓄積手段に1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データを記憶させ、フレーム間背景差分データに基づき前記抽出した変化領域を前記敷居値演算手段により算出した2値化するための敷居値が前記第1の一定時間の後の第2の一定時間において急激に低い値にならないときには前記仮の発報対象を発報対象として認識するものである。
さらに、この発明に係る監視用画像処理装置は、入力された現画像と背景画像との差分に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、前記抽出した変化領域が少なくとも発報対象となる移動物と同等の所定面積を有する場合に、背景更新手法を現画像をそのまま背景画像蓄積部に取り込む手法に変更し、直ちに過去の現画像の平均値を背景画像とする手法に戻す背景更新手段を備え、前記背景更新手段にて背景更新手法を現画像をそのまま背景画像蓄積部に取り込む手法に変え、直ちに過去の現画像の平均値を背景画像とする手法に戻した場合には、瞬間的に現画像と1フレーム前の現画像の差分をとるものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1の構成について図1を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1の概略構成を示すブロック図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0031】
図1において、1は本監視用画像処理装置に処理される映像を受けるビデオ入力部、2はビデオ入力部1から入る映像を量子化するA/D変換部、3はA/D変換部2からの出力を受け現在の映像データを記憶する現画像蓄積部、4はA/D変換部2からの出力を受け相応の演算を行い作成した、比較用の背景画像を記憶する背景画像蓄積部、5は背景画像蓄積部4のデータを一定ルールで演算し更新する背景更新部である。一般的には単純なルールで更新する。例えば、過去5枚の現画像の平均を背景画像とする、等である。
【0032】
また、同図において、6は現画像蓄積部3と背景画像蓄積部4の2つの画像を比較し、その差分を算出する背景差分部、7は背景差分部6のデータを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算部である。背景差分データを元に最適敷居値を求めるのが一般的である。8は敷居値演算部7で求めた敷居値で差分データを2値化する2値化部である。9Aは2値化部8から出力される2値データを受け、そこに目的の発報対象が存在するかの判断を行う認識処理部、10は認識処理部9からの「発報対象発見」の指示を受け発報する発報処理部である。
【0033】
図2は、本実施の形態1による図1の認識処理部9Aを更に詳細に示したフローである。ステップ21では、2値化データを見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる変化領域統合処理を実行する。次に、ステップ22〜25では、ステップ21で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する特徴量比較部処理を実行する。ここで、所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。ここでは、例として以下のようなステップ22〜25の判断を行う。
【0034】
ステップ22では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ23では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ24では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ25では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
【0035】
以上の結果を受け、ステップ26では、発報対象発見か対象無しかの判断を行う。ただし、ここでは、判断結果は「仮」として扱い、まだ報告されない。ステップ217では、更に一定時間、発報対象変化領域を追跡して観察する。そこで、面積の急激な変化を見る。その結果を受け、ステップ28では、仮の発報対象発見が、正しかったか否かの判断を行い、正しいときのみ、報告を図1の発報処理部10へと渡す。
【0036】
図3は、映像内に、「人物」と水たまりの「水紋」が写っている映像例である。また、図4は、上記図3の直後の様子であり、水たまりに水紋が小さくなった画像である。
【0037】
次に、動作について代表的な例を説明する。認識処理部9A以外は、従来例と同様のため省略する。図2は、本実施の形態1による監視用画像処理装置の「認識処理」の内容図である。
【0038】
認識処理では以下の手順で認識を行う。ただし、ここに示すのは1例である。ステップ21の変化領域統合処理は、変化領域を見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる。次に、ステップ22〜25は、ステップ21で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する。ここでは、あらかじめ定めてあった特徴量に対し、この変化領域が合致するかを比較する。ここで所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。
【0039】
ここでは、例として以下のような判断を行う。
ステップ22では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ23では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ24では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ25では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
「面積」、「縦横寸法」、及び「移動速度」は、ステップ22での一定時間中の平均を算出して参照されるのが一般的である。
【0040】
次に、ステップ26で発報対象発見と判断されてもそれは「仮」として扱われ、まだ発報処理部10には伝えられない。ステップ27にて、更に認識処理が継続される。そこでは、ステップ26で仮の発報対象として発見された変化領域につき更に追跡が続けられる。そして、その面積が急激に減少したり増加しないか否かを一定時間(例えば、0.5秒)観察し続ける。もし所定時間内にて異常が発見されなければ、ステップ28で正式な発報対象発見と判断され、発報処理部10に報告される。発報処理部10では発報処理を行う。通常は、上位にあるPC等に特定の信号を送ったり、装置のブサーを鳴らしたりという処理である。ステップ27で急激な面積の変化が発見されれば、「仮の発報対象発見」は誤りだったと判断し、「正式な発報対象発見」報告はなされない。なお、認識処理部9A、及び発報処理部10はS/Wにて処理されるのが一般的である。
【0041】
以下に本実施の形態1による方式が、どのように作用するかを説明する。今、図3の画像に置いて、正規発報対象である「人物」と、非発報対象である「水紋」が、それぞれ発生した場合を考える。また、仮に双方とも、図2の認識処理における各種条件は満足しており、単独でそれぞれ発報されるものとする。また、ステップ27で言う「一定時間」を、0.5秒とし、「面積の急激な変化」を半分以下もしくは倍以上と定義する。また、装置は、変化領域を発見した場合、外接四角形を表示し、それを知らせるものとする。
【0042】
図3は映像内に「水たまり」と「人物」が写っている。装置は、変化領域を発見し、外接四角形を表示している。本装置が発報対象とするのは「人物」である。従って、人物で発報するのは「正常発報」、人物以外で発報するのは「不要検知」である。ここでは、先の仮定で定めた通り、「人物」も「水紋」も面積・縦横寸法・速度が所定範囲内であるため、発報対象と判断される。本装置ではまだ「仮の発報対象発見」である為、発報には至らない。仮に発報すれば、水紋による部分は「不要検知」となってしまう。
【0043】
この後、装置は、「人物」の変化領域と、「水紋」の変化領域をそれぞれ追跡し観察する。図4は、図3から0.5秒後の画像である。装置は「仮の発報対象」である、「人物」と「水紋」を追跡観察していたが、ここで改めて面積を見る。「人物」は、「仮の発報対象発見」時とほぼ同等の面積を有している。従って、ここでは異常なしと判断され、「正式な発報対象発見」と判断される。
【0044】
しかし、「水紋」は、「仮の発報対象発見」時の面積に比較し、1/3程度の面積しか有していない。水紋は急激に姿を変え消失するため、このような結果となる。従って、ここでは異常ありと判断され、「正式な発報対象発見」とは判断されない。
【0045】
以上の通り、「人物」は正規の発報対象発見とされ、「水紋」はそうとはならない。これにより、「水紋」による不要検知は発生しない。以上の通り、本処理により、「人物」の発報を阻害せず、「水紋」の不要検知を防止できた。
【0046】
以上のように本実施の形態1によれば、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知を削減する機能を実現できる。
【0047】
つまり、発報対象発見時に直ちに発報する事をせず、その後も認識処理を継続して一定時間変化領域を観察し、急激な面積の増加や減少が無いことを確認し、その結果を待って発報する事により、例えば「日照の照り陰りによる影の出現」のような急激な輝度変化に対し、誤って発報してしまう「誤報」を減少させると同時に、「人物」の様な正規発報対象にたいしては正常に発報する機能を有する。
【0048】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2の構成について図5を参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態2の概略構成を示すブロック図である。
【0049】
図5において、1は本監視用画像処理装置に処理される映像を受けるビデオ入力部、2はビデオ入力部1から入る映像を量子化するA/D変換部、3はA/D変換部2からの出力を受け現在の映像データを記憶する現画像蓄積部、4aはA/D変換部2からの出力を受け相応の演算を行い作成した、比較用の背景画像を記憶する背景画像蓄積部、ここでは特に1フレーム前の現画像の記録をする。また、4bもA/D変換部2からの出力を受け相応の演算を行い作成した、比較用の背景画像を記憶する背景画像蓄積部、ここでは特に背景画像蓄積部4aとは異なる画像の記録をする。
【0050】
また、同図において、5aは背景画像蓄積部4aのデータを更新する背景更新部、5bは背景画像蓄積部4bのデータを一定ルールで演算し更新する背景更新部である。一般的には単純なルールで更新する。例えば、過去5枚の現画像の平均を背景画像とする、等である。
【0051】
また、同図において、6aは現画像蓄積部3と背景画像蓄積部4aの2つの画像を比較し、その差分を算出する背景差分部、背景画像蓄積部4aが特に1フレーム前の現画像の記録をする為、この出力はフレーム間差分データとなる。6bは現画像蓄積部3と背景画像蓄積部4bの2つの画像を比較し、その差分を算出する背景差分部である。
【0052】
さらに、同図において、7は背景差分部6a及び背景差分部6bのデータ(差分データa、b)を2値化するための敷居値を算出する敷居値演算部であり、背景差分データを元に最適敷居値を求めるのが一般的である。8は敷居値演算部7で求めた敷居値で差分データを2値化する2値化部であり、差分データa、b各個に2値化されるため、出力される2値化データも2種類である(2値化データa、b)。9aは2値化部8から出力される2値データaを受け、そこに目的の発報対象が存在するかの判断を行う認識処理部、9bは2値化部8から出力される2値データbを受け、そこに目的の発報対象が存在するかの判断を行う認識処理部であり、併せて認識処理部9aの認識結果も統合して判断する。10は認識処理部9bからの「発報対象発見」の指示を受け発報する発報処理部である。
【0053】
図6は、本実施の形態2による図5の認識処理部9bを更に詳細に示したフローである。なお、認識処理部9aについては、認識処理部9bのステップ37、38が無い以外、同様のため省略する。入力されるデータは、通常は2値データbである。
【0054】
ステップ31では、2値化データを見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる変化領域統合処理を実行する。次に、ステップ32〜35では、ステップ31で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する特徴量比較処理を実行する。ここで、所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。
【0055】
ここでは、例として以下のようなステップ32〜35の判断を行う。
ステップ32では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ33では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ34では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ35では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
以上の結果を受け、ステップ36では、発報対象発見か対象無しかの判断を行う。ただし、ここでは、判断結果は「仮」として扱い、まだ報告されない。
【0056】
ステップ37では、更に発報対象変化領域を追跡して観察する。ここでは、以降は認識処理部9aの認識結果を参照する。上記「仮の発報対象発見」の対象である変化領域と同じものを、認識処理部9bでも「仮の発報対象発見」としているかを判断する。その結果を受け、ステップ38では、仮の発報対象発見が、正しかったか否かの判断を行い、正しいときのみ、報告を発報処理部10へと渡す。
【0057】
図7は、映像内に、「人物」と水たまりの「水紋」が写っている映像例である。図8は、上記図の直後の様子であり、水たまりの水紋が若干小さくなった画像である。また、図9は、上記図を背景差分部6bの方式で差分データを求め2値化した結果である。図10は、上記図を背景差分部6aの方式で差分データを求め2値化した結果である。
【0058】
次に、動作について代表的な例を説明する。図5に於いて、外部から装置に与えられた映像信号はビデオ入力部1で受け取り、A/D変換部2に送られる。このA/D変換部2では受け取ったビデオ信号を後の処理の為にデジタルデータに変換する。1画素あたり8ビットの多値データに変換するのが一般的である。現画像蓄積部3では入力された現画像データを蓄積し後の処理に備える。
【0059】
背景画像蓄積部4aでは入力された1つ前のフレームの現画像データを蓄積し後の処理に備える。一方、背景画像蓄積部4bでは入力された現画像データを元に作成された背景画像を蓄積し後の処理に備える。
【0060】
背景更新部5aでは、後のフレーム間差分に備えて背景画像蓄積部4aに蓄積してある背景画像を定期的に一定ルールで更新処理する。これは毎フレームサンプリングした現画像を置き換えるのが一般である。一方、背景更新部5bでは、背景画像蓄積部4bに蓄積してある背景画像を定期的に一定ルールで更新処理する。これは定期的にサンプリングされた現画像を元に演算処理されるのが一般で、例としては過去100シーンの現画像の平均値を背景画像とする方法や、一定時間前(例えば、5秒)のフレームの映像である場合が多い。ここでは、仮に5秒前のフレームの映像に置き換える更新を行うものとして進める。
【0061】
背景差分部6bは、現画像蓄積部3及び背景画像蓄積部4bの出力を比較し、各画素毎に差を求め、その差である差分データをフレーム画像として出力する。差分データは一般的には映像中の輝度の変化した部分を表す。通常は、人物や車両のような移動物が主であるが、まれに「太陽光の照り陰り」による建物の影の出現の様な、発報対象ではない輝度の変化を示す場合もある。
【0062】
一方、背景差分部6aは、現画像蓄積部3及び背景画像蓄積部4aの出力を比較し、各画素毎に差を求め、その差である差分データをフレーム画像として出力する。ここでは現画像と、1フレーム前の現画像の差分をとるため、必然的にフレーム間差分となる。フレーム間差分による差分データは一般的には1フレーム間の輝度の変化した部分を表す。通常は、高速で動く人物や車両のような移動物が主である。その性格上、1フレーム程度の時間差では明確な差が現れないため、低速で動く人物等はうまく差分データが抽出できない。しかし、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」の様な輝度の変化も、同様に差分データを抽出できない。
【0063】
敷居値演算部7は、背景差分部6a、及び背景差分部6bから送られる差分データ(差分データa、b)を2値化する為の敷居値を求める。通常、背景データは多値データであり、そのまま認識処理するには不的確である。以降の判断を高速に行うためにも2値化して2値データに変換するのが一般的である。ただし、装置によってはこの2値化を行わずに直接、差分データを認識処理する場合があるので、ここは参考である。
【0064】
2値化部8は、上記敷居値をもって差分データa、bを2値化する。その結果、以降の処理では変化領域は2値データ(2値データa、b)となる。
【0065】
図26を例にこの変化領域について説明する。図26は通常の正門の映像である。今、人物が画像内を移動している。この場合、移動している人物の位置がそのまま変化領域となる。図27が、その変化領域を黒く染めたスーパーインポーズを重複させて示した映像である。
【0066】
認識処理部9aは、2値化部8からの2値化データaを受け、それが示す変化領域が目的のもの(例えば、一般には人物や車両が該当する。以降、発報対象と呼称する。)であるか否かの判断を行う。また、認識処理部9bは、2値化部8からの2値化データbを受け、それが示す変化領域が目的のもの(例えば、一般には人物や車両が該当する。以降、発報対象と呼称する。)であるか否かの判断を行う。
【0067】
図6は、本実施の形態2による監視用画像処理装置の認識処理部9bの内容図である。なお、認識処理部9aの内容については、認識処理部9bの内容のステップ37、38が無いもので、他は同様のため省略する。
【0068】
認識処理部9bでは以下の手順で認識を行う。ただし、ここに示すのは1例である。通常、この認識処理部9bでは、2値データbを対象にする。ステップ31の変化領域統合処理では、変化領域を見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる。次に、ステップ32〜35は、ステップ31で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する。ここでは、あらかじめ定めてあった特徴量に対し、この変化領域が合致するかを比較する。ここで所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。
【0069】
ここでは、例として以下のような判断を行う。
ステップ32では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ33では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ34では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ35では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
「面積」、「縦横寸法」、及び「移動速度」は、ステップ32での一定時間中の平均を算出して参照されるのが一般的である。
【0070】
ステップ36で発報対象発見と判断されてもそれは「仮」として扱われ、まだ発報処理部10には伝えられない。ステップ37では、更に一定時間、発報対象変化領域を追跡して観察する。ステップ36で、仮の発報対象として発見された変化領域につき更に追跡が続けられる。そこでは、以降は、認識処理部9aの認識結果を参照する。上記「仮の発報対象発見」の対象である変化領域と同じものを、認識処理部9aでも「仮の発報対象発見」としているかを判断する。
【0071】
認識処理部9aでは、先述の通りフレーム間差分データを参照しており、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」の様な輝度の変化も、同様に差分データを抽出できない。
【0072】
そして、先ほど「仮の発報対象発見」となった変化領域と同じ変化領域を、この認識処理部9bでも「仮の発報対象発見」として発見しているかを見る。先のフレーム間差分の特徴により、「仮の発報対象発見」が「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による場合は、ここではさほど大きな面積を抽出できない。従って、「仮の発報対象発見」とはならない。その結果から、装置は異常を判断できる。
【0073】
その結果を受け、ステップ38では、仮の発報対象発見が、正しかったか否かの判断を行い、正しいときのみ、報告を発報処理部10へと渡す。もし、異常が発見されなければ、ステップ38で正式な発報対象発見と判断され、発報処理部10に報告される。この発報処理部10では発報処理を行う。通常は、上位にあるPC等に特定の信号を送ったり、装置のブサーを鳴らしたりという処理である。ステップ37で異常が発見されれば、「仮の発報対象発見」は誤りだったと判断し、「正式な発報対象発見」報告はなされない。なお、認識処理部9a、9b、及び発報処理部10はS/Wにて処理されるのが一般的である。
【0074】
以下に本実施の形態2による方式が、どのように作用するかを説明する。今、図7の画像に置いて、正規発報対象である「人物」と、非発報対象である「水紋」が、それぞれ発生した場合を考える。また、仮に双方とも、図6の認識処理における各種条件は満足しており、単独でそれぞれ発報されるものとする。また、ステップ37で言う「一定時間」を、0.5秒とし、「面積の急激な変化」を半分以下もしくは倍以上と定義する。また、装置は、変化領域を発見した場合、外接四角形を表示し、それを知らせるものとする。
【0075】
図7は、映像内に「水たまり」と「人物」が写っている。装置は、変化領域を発見し、外接四角形を表示している。本装置が発報対象とするのは「人物」である。従って、人物で発報するのは「正常発報」、人物以外で発報するのは「不要検知」である。ここでは、先の仮定で定めた通り、「人物」も「水紋」も面積・縦横寸法・速度が所定範囲内であるため、発報対象と判断される。本装置ではまだ「仮の発報対象発見」である為、発報には至らない。仮に発報すれば、水紋による部分は「不要検知」となってしまう。
【0076】
この後、装置は、「人物」の変化領域と、「水紋」の変化領域をそれぞれ追跡し観察する。図8は、図7から0.5秒後の画像である。水紋は縮小しているが、まだ十分に小さくなってはいない。
【0077】
図9は、図8の現画像に対し、背景差分部6bにて背景差分した結果を示したものである。一方、図10は、図8の現画像に対し、背景差分部6aにて背景差分した結果を示したものである。
【0078】
図9では、水紋が背景画像b(ここでは5秒前のフレームの映像である前提)と現画像の差分をとるため、水紋と人物がそのまま切り出される。一方、図10では、水紋が背景画像a(ここでは1つ前のフレームの映像である前提)と現画像の差分をとるため、必然的にフレーム間差分となり水紋の「1フレームの間に縮まった部分」と、人物の「1フレームの時間に移動した部分」のみが切り出される。
【0079】
装置は、2種類の背景更新手法を並行して認識処理していたが、ここで改めて2つの結果を見る。図10でのフレーム間差分の結果、「人物」は、図9に比較し若干縮小した面積を有している。しかし、半分には至らないためここでは「仮の発報対象発見」と判断される。しかし、「水紋」は、フレーム間差分の結果、図9に比較し1/3程度の面積しか有していない。水紋が1フレーム間にその程度しか消失しないため、このような結果となる。従って、ここでは「仮の発報対象発見」とは判断されない。以上の通り、「人物」は認識処理部9a、9b双方で仮の発報対象発見とされ、「水紋」はそうとはならない。それより、「水紋」の変化領域は、正式な発報対象とは認められない。以上の通り、本処理により、「人物」の発報を阻害せず、「水紋」の不要検知を防止できた。
【0080】
以上のように本実施の形態2によれば、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知を上記実施の形態1で述べた効果以上に正確に削減する機能を実現できる。
【0081】
つまり、背景差分手段を複数持ち(うち1つはフレーム間差分)、背景差分は、常時複数(うち1つはフレーム間差分)を行っておき、発報対象発見時に直ちに発報する事をせず、その後フレーム間差分による認識処理も重ねて行い、2つの結果に大きな面積の差が無いことを確認し、その結果を待って発報する事により、例えば「日照の照り陰りによる影の出現」のような急激な輝度変化に対し、誤って発報してしまう「誤報」を、より確実に減少させると同時に、「人物」の様な正規発報対象にたいしては正常に発報する機能を有する。
【0082】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3の構成について図11を参照しながら説明する。図11は、この発明の実施の形態3の概略構成を示すブロック図である。
【0083】
図11において、1は本監視用画像処理装置に処理される映像を受けるビデオ入力部、2はビデオ入力部1から入る映像を量子化するA/D変換部、3はA/D変換部2からの出力を受け現在の映像データを記憶する現画像蓄積部である。
【0084】
また、同図において、4aはA/D変換部2からの出力を受け相応の演算を行い作成した、比較用の背景画像を記憶する背景画像蓄積部であり、ここでは特に1フレーム前の現画像の記録をする。4bもA/D変換部2からの出力を受け相応の演算を行い作成した、比較用の背景画像を記憶する背景画像蓄積部であり、ここでは特に背景画像蓄積部4aとは異なる画像の記録をする。
【0085】
また、同図において、5aは背景画像蓄積部4aのデータを更新する背景更新部、5bは背景画像蓄積部4bのデータを一定ルールで演算し更新する背景更新部であり、一般的には単純なルールで更新する。例えば、過去5枚の現画像の平均を背景画像とする、等である。
【0086】
また、同図において、6aは現画像蓄積部3と背景画像蓄積部4aの2つの画像を比較し、その差分を算出する背景差分部であり、背景画像蓄積部4aが特に1フレーム前の現画像の記録をする為、この出力はフレーム間差分データとなり、差分データaと呼称する場合もある。一方、6bは現画像蓄積部3と背景画像蓄積部4bの2つの画像を比較し、その差分を算出する背景差分部であり、特に、背景差分部6aと区別するため、ここではここで作成される差分データを非フレーム間差分データと仮に呼称する。なお、差分データbと呼称する場合もある。
【0087】
さらに、同図において、7は背景差分部6a及び背景差分部6b のデータ(差分データa、b)を2値化するための敷居値を算出する敷居値演算部であり、背景差分データを元に最適敷居値を求めるのが一般的である。8は敷居値演算部7で求めた敷居値で差分データを2値化する2値化部であり、差分データa、b各個に2値化されるため、出力される2値化データも2種類である。(以降、2値化データa、bと呼称する。)また、9Bは2値化部8から出力される2値データa、bを受け、そこに目的の発報対象が存在するかの判断を行う認識処理部であり、通常は2値データbを使用し判定処理している。詳細は後述する。10は認識処理部9Bからの「発報対象発見」の指示を受け発報する発報処理部である。
【0088】
図12は、本実施の形態3による図11の認識処理部9Bを更に詳細に示したフローである。入力されるデータは、通常は2値データbである。そして、特に指示ある場合は2値データaである。この指示は後述する。
【0089】
ステップ41では、2値化データを見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる変化領域統合処理である。次に、ステップ42〜45は、ステップ41で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する特徴量比較部分である。ここで所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。
【0090】
ここでは、例として以下のようなステップ42〜45の判断を行う。
ステップ42では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ43では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ44では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ45では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
以上の結果を受け、ステップ46では、発報対象発見か対象無しかの判断を行う。ただし、ここでは、判断結果は「仮」として扱い、まだ報告されない。
【0091】
ステップ47では、更に一定時間、この「仮の発報対象発見」の対象である発報対象変化領域を追跡して観察する。そこでは、先ず、先のステップ41の変化領域統合処理に入力される2値データを、2値データbから2値データaに切り替える。そして、ステップ47にて面積を見る。2値データbを元に求められていた面積に対し、2値データaを元に求められていた面積を比較し、面積の急激な変化を見る。その結果を受け、ステップ48では、仮の発報対象発見が、正しかったか否かの判断を行い、正しいときのみ、報告を発報処理部10へと渡す。
【0092】
図13は、映像内に、「人物」と水たまりの「水紋」が写っている映像例である。図14は、上記図の直後の様子であり、水たまりの水紋が若干小さくなった画像である。また、図15は、上記図を背景差分部6bの方式で差分データを求め2値化した結果である。図16は、上記図を背景差分部6aの方式で差分データを求め2値化した結果である。
【0093】
次に、動作について代表的な例を説明する。図11に於いて、外部から装置に与えられた映像信号はビデオ入力部1で受け取り、A/D変換部2に送られる。このA/D変換部2では受け取ったビデオ信号を後の処理の為にデジタルデータに変換する。1画素あたり8ビットの多値データに変換するのが一般的である。現画像蓄積部3では入力された現画像データを蓄積し後の処理に備える。
【0094】
背景画像蓄積部4aでは入力された1つ前のフレームの現画像データを蓄積し後の処理に備える。一方、背景画像蓄積部4bでは入力された現画像データを元に作成された背景画像を蓄積し後の処理に備える。
【0095】
背景更新部5aでは、後のフレーム間差分に備えて背景画像蓄積部4aに蓄積してある背景画像を定期的に一定ルールで更新処理する。これは毎フレームサンプリングした現画像を置き換えるのが一般である。一方、背景更新部5bでは、背景画像蓄積部4bに蓄積してある背景画像を定期的に一定ルールで更新処理する。これは定期的にサンプリングされた現画像を元に演算処理されるのが一般で、例としては過去100シーンの現画像の平均値を背景画像とする方法や、一定時間前(例えば、5秒)のフレームの映像である場合が多い。ここでは仮に5秒前のフレームの映像に置き換える更新を行うものとして進める。
【0096】
背景差分部6bは、現画像蓄積部3及び背景画像蓄積部4bの出力を比較し、各画素毎に差を求め、その差である差分データをフレーム画像として出力する。差分データは一般的には映像中の輝度の変化した部分を表す。通常は、人物や車両のような移動物が主であるが、まれに「太陽光の照り陰り」による建物の影の出現の様な、発報対象ではない輝度の変化を示す場合もある。
【0097】
一方、背景差分部6aは、現画像蓄積部3及び背景画像蓄積部4aの出力を比較し、各画素毎に差を求め、その差である差分データをフレーム画像として出力する。ここでは現画像と、1フレーム前の現画像の差分をとるため、必然的にフレーム間差分となる。フレーム間差分による差分データは一般的には1フレーム間の輝度の変化した部分を表す。通常は、高速で動く人物や車両のような移動物が主である。その性格上、1フレーム程度の時間差では明確な差が現れないため、低速で動く人物等はうまく差分データが抽出できない。しかし、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」の様な輝度の変化も、同様に差分データを抽出できない。
【0098】
敷居値演算部7は、背景差分部6a及び背景差分部6b から送られる差分データ(差分データa、b)を2値化する為の敷居値を求める。通常、背景データは多値データであり、そのまま認識処理するには不的確である。以降の判断を高速に行うためにも2値化して2値データに変換するのが一般的である。ただし、装置によってはこの2値化を行わずに直接、差分データを認識処理する場合があるので、ここは参考である。
【0099】
2値化部8は、上記敷居値をもって差分データa、bを2値化する。その結果、以降の処理では変化領域は2値データ(2値データa、b)となる。
【0100】
図26を例にこの変化領域について説明する。図26は通常の正門の映像である。今、人物が画像内を移動している。この場合、移動している人物の位置がそのまま変化領域となる。図27が、その変化領域を黒く染めたスーパーインポーズを重複させて示した映像である。
【0101】
認識処理部9Bは、2値化部8からの2値化データa、bを受け、それが示す変化領域が目的のもの(例えば、一般には人物や車両が該当する。以降、発報対象と呼称する。)であるか否かの判断を行う。
【0102】
図12は、本実施の形態3による監視用画像処理装置の認識処理部9Bの内容図である。この認識処理部9Bでは以下の手順で認識を行う。ただし、ここに示すのは1例である。通常、この認識処理では、2値データbを対象にする。必要に応じ2値データaを参照する場合があるが、後述のようにそれは特定の時である。
【0103】
ステップ41の変化領域統合処理は、変化領域を見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる。次に、ステップ42〜45は、ステップ41で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する。ここでは、あらかじめ定めてあった特徴量に対し、この変化領域が合致するかを比較する。ここで所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。
【0104】
ここでは、例として以下のような判断を行う。
ステップ42では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ43では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ44では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ45では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
「面積」、「縦横寸法」、及び「移動速度」は、ステップ42での一定時間中の平均を算出して参照されるのが一般的である。ステップ46で発報対象発見と判断されてもそれは「仮」として扱われ、まだ発報処理部10には伝えられない。
【0105】
ステップ47では、更に一定時間、発報対象変化領域を追跡して観察する。ステップ46で仮の発報対象として発見された変化領域につき更に追跡が続けられる。追跡に先立ち、先ず、先のステップ41の変化領域統合処理に入力される2値データを、2値データbから2値データaに切り替える。
【0106】
これは先述の通りフレーム間差分データであり、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」の様な輝度の変化も、同様に差分データを抽出できない。そして、先ほど「仮の発報対象発見」となった変化領域を、この2値データaによる変化領域で再度追跡し、2値データbを元に求められていた面積に対し、2値データaを元に求められていた面積と比較し、面積の急激な変化を見る。
【0107】
先のフレーム間差分の特徴により、「仮の発報対象発見」が「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による場合は、ここではさほど大きな面積を抽出できない。従って、その面積の急激な変化から、装置は異常を判断できる。
【0108】
その結果を受け、ステップ48では、仮の発報対象発見が、正しかったか否かの判断を行い、正しいときのみ、報告を発報処理部10へと渡す。もし、所定時間内にて異常が発見されなければ、ステップ48で正式な発報対象発見と判断され、発報処理部10に報告される。この発報処理部10では発報処理を行う。通常は、上位にあるPC等に特定の信号を送ったり、装置のブサーを鳴らしたりという処理である。ステップ47で急激な面積の変化が発見されれば、「仮の発報対象発見」は誤りだったと判断し、「正式な発報対象発見」報告はなされない。なお、認識処理部9B、及び発報処理部10はS/Wにて処理されるのが一般的である。
【0109】
以下に本実施の形態3による方式が、どのように作用するかを説明する。今、図13の画像において、正規発報対象である「人物」と、非発報対象である「水紋」が、それぞれ発生した場合を考える。また、仮に双方とも、図12の認識処理における各種条件は満足しており、単独でそれぞれ発報されるものとする。また、ステップ47で言う「一定時間」を、0.5秒とし、「面積の急激な変化」を半分以下もしくは倍以上と定義する。また、装置は、変化領域を発見した場合、外接四角形を表示し、それを知らせるものとする。
【0110】
図13は、映像内に「水たまり」と「人物」が写っている。装置は、変化領域を発見し、外接四角形を表示している。本装置が発報対象とするのは「人物」である。従って、人物で発報するのは「正常発報」、人物以外で発報するのは「不要検知」である。ここでは、先の仮定で定めた通り、「人物」も「水紋」も面積・縦横寸法・速度が所定範囲内であるため、発報対象と判断される。本装置ではまだ「仮の発報対象発見」である為、発報には至らない。仮に発報すれば、水紋による部分は「不要検知」となってしまう。
【0111】
この後、装置は、「人物」の変化領域と、「水紋」の変化領域をそれぞれ追跡し観察する。図14は、図13から0.5秒後の画像である。水紋は縮小しているが、まだ十分に小さくなってはいない。
【0112】
図15は、図14の現画像に対し、背景差分部6bにて背景差分した結果を示したものである。一方、図16は、図14の現画像に対し、背景差分部6aにて背景差分した結果を示したものである。
【0113】
図15では、水紋が背景画像b(ここでは5秒前のフレームの映像である前提)と現画像の差分をとるため、水紋と人物がそのまま切り出される。一方、図16では、水紋が背景画像a(ここでは1つ前のフレームの映像である前提)と現画像の差分をとるため、必然的にフレーム間差分となり水紋の「1フレームの間に縮まった部分」と、人物の「1フレームの時間に移動した部分」のみが切り出される。
【0114】
装置は、背景更新手法を、背景更新部5bからフレーム間差分に変えて「仮の発報対象」である、「人物」と「水紋」を追跡観察していたが、ここで改めて面積を見る。フレーム間差分の結果、「人物」は、「仮の発報対象発見」時より若干縮小した面積を有している。しかし、半分には至らないためここでは異常なしと判断され、「正式な発報対象発見」と判断される。しかし、「水紋」は、フレーム間差分の結果、「仮の発報対象発見」時の面積に比較し、1/3程度の面積しか有していない。水紋が1フレーム間にその程度しか消失しないため、このような結果となる。従って、ここでは異常ありと判断され、「正式な発報対象発見」とは判断されない。
【0115】
以上の通り、「人物」は正規の発報対象発見とされ、「水紋」はそうとはならない。これにより、「水紋」による不要検知は発生しない。以上の通り、本処理により、「人物」の発報を阻害せず、「水紋」の不要検知を防止できた。
【0116】
以上のように本実施の形態3によれば、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知を上記実施の形態1で述べた効果以上に正確削減する機能を実現できる。かつ、その為の装置の構成が、上記実施の形態2よりも簡便になる。
【0117】
つまり、背景差分手段を複数持ち(うち1つはフレーム間差分)、発報対象発見時に直ちに発報する事をせず、その後も背景差分手段をフレーム間差分に変えて認識処理を継続して一定時間変化領域を観察し、急激な面積の増加や減少が無いことを確認し、その結果を待って発報する事により、認識処理を2回行わずに、その分不要な時間をかけずに、上記実施の形態2と同様の効果を得ることができる機能を有する。
【0118】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4の構成について図17を参照しながら説明する。図17は、この発明の実施の形態4の概略構成を示すブロック図である。
【0119】
図17において、1は本監視用画像処理装置に処理される映像を受けるビデオ入力部、2はビデオ入力部2から入る映像を量子化するA/D変換部、3はA/D変換部2からの出力を受け現在の映像データを記憶する現画像蓄積部、4はA/D変換部2からの出力を受け相応の演算を行い作成した、比較用の背景画像を記憶する背景画像蓄積部、5は背景画像蓄積部4のデータを一定ルールで演算し更新する背景更新部であり、一般的には単純なルールで更新する。例えば、過去5枚の現画像の平均を背景画像とする、等である。また、この背景更新部5Aは、後述する認識処理部の指定により、背景更新手法を切り替えうる。6は現画像蓄積部3と背景画像蓄積部4の2つの画像を比較し、その差分を算出する背景差分部、7は背景差分部6のデータを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算部であり、背景差分データを元に最適敷居値を求めるのが一般的である。8は敷居値演算部7で求めた敷居値で差分データを2値化する2値化部、9Cは2値化部8から出力される2値データを受け、そこに目的の発報対象が存在するかの判断を行う認識処理部、10は認識処理部9Cからの「発報対象発見」の指示を受け発報する発報処理部である。
【0120】
図18は、本実施の形態4による図17の認識処理部9Cを更に詳細に示したフローである。
【0121】
ステップ51は、2値化データを見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる変化領域統合処理である。次に、ステップ52〜55は、ステップ51で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する特徴量比較部分である。ここで所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。
【0122】
ここでは、例として以下のようなステップ52〜55の判断を行う。
ステップ52では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ53では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ54では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ55では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
以上の結果を受け、ステップ56では、発報対象発見か対象無しかの判断を行う。ただし、ここでは、判断結果は「仮」として扱い、まだ報告されない。
【0123】
ステップ57では、更に一定時間、発報対象変化領域を追跡して観察する。そこでは、先ず、先の背景更新部5Aに、背景画像蓄積部4に取り込む画像を現画像にするように指示する。そして、ステップ57にて面積を見る。切り替え前に求められていた面積に対し、切り替え後に求められた面積を比較し、面積の急激な変化を見る。その結果を受け、ステップ58では、仮の発報対象発見が、正しかったか否かの判断を行い、正しいときのみ、報告を発報処理部10へと渡す。
【0124】
図19は、映像内に、「人物」と水たまりの「水紋」が写っている映像例である。図20は、上記図の直後の様子であり、水たまりの水紋が若干小さくなった画像である。また、図21は、上記図を、背景画像蓄積部4に取り込む画像を現画像にするよう背景更新部5Aを切り替えて差分データを求め2値化した結果である。
【0125】
次に、動作について代表的な例を説明する。図17に於いて、外部から装置に与えられた映像信号はビデオ入力部1で受け取り、A/D変換部2に送られる。このA/D変換部2では受け取ったビデオ信号を後の処理の為にデジタルデータに変換する。1画素あたり8ビットの多値データに変換するのが一般的である。現画像蓄積部3では入力された現画像データを蓄積し後の処理に備える。背景画像蓄積部4では入力された現画像データを元に作成された背景画像を蓄積し後の処理に備える。
【0126】
背景更新部5Aでは、背景画像蓄積部4に蓄積してある背景画像を定期的に一定ルールで更新処理する。これは定期的にサンプリングされた現画像を元に演算処理されるのが一般で、例としては過去100シーンの現画像の平均値を背景画像とする方法や、一定時間前(例えば、5秒)のフレームの映像である場合が多い。ここでは仮に過去100シーンの現画像の平均値に置き換える更新を行うものとして進める。ただし、ここでは認識処理部9Cの指示により背景更新方法を別な方法に切り替える機能を有する。そのとき切り替えられる背景更新手法とは、例えば現画像をそのまま背景画像蓄積部4に取り込むというものである。
【0127】
背景差分部6は、現画像蓄積部3及び背景画像蓄積部4の出力を比較し、各画素毎に差を求め、その差である差分データをフレーム画像として出力する。差分データは一般的には映像中の輝度の変化した部分を表す。通常は、人物や車両のような移動物が主であるが、まれに「太陽光の照り陰り」による建物の影の出現の様な、発報対象ではない輝度の変化を示す場合もある。
【0128】
ただし、背景更新部5Aにて背景更新手法を「現画像をそのまま背景画像蓄積部4に取り込む」方式に変え、また元に戻した場合は、瞬間的に現画像と1フレーム前の現画像の差分をとることになり、必然的にこの瞬間のみフレーム間差分となる。また、その後、背景更新部5Aにて背景更新手法を元に戻しても、元の背景画像同様の背景画像に戻るためにはさらに100シーン分の時間が必要で(現在の背景更新手法が、過去100シーンの現画像の平均値に置き換える更新を行うという前提のため)その間の背景差分結果も暫定的にフレーム間差分に近いものとなる。(徐々に通常の背景差分の結果に移り変わっている。)
【0129】
フレーム間差分による差分データは、一般的には1フレーム間の輝度の変化した部分を表す。通常は、高速で動く人物や車両のような移動物が主である。その性格上、1フレーム程度の時間差では明確な差が現れないため、低速で動く人物等はうまく差分データが抽出できない。しかし、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」の様な輝度の変化も、同様に差分データを抽出できない。
【0130】
敷居値演算部7は、背景差分部6から送られる差分データを2値化する為の敷居値を求める。通常、背景データは多値データであり、そのまま認識処理するには不的確である。以降の判断を高速に行うためにも2値化して2値データに変換するのが一般的である。ただし、装置によってはこの2値化を行わずに直接、差分データを認識処理する場合があるので、ここは参考である。
【0131】
2値化部8は、上記敷居値をもって差分データを2値化する。その結果、以降の処理では変化領域は2値データとなる。
【0132】
図26を例にこの変化領域について説明する。図26は通常の正門の映像である。今、人物が画像内を移動している。この場合、移動している人物の位置がそのまま変化領域となる。図27が、その変化領域を黒く染めたスーパーインポーズを重複させて示した映像である。
【0133】
認識処理部9Cは、2値化部8からの2値化データを受け、それが示す変化領域が目的のもの(例えば、一般には人物や車両が該当する。以降、発報対象と呼称する。)であるか否かの判断を行う。
【0134】
図18は、本実施の形態4による監視用画像処理装置の認識処理部9Cの内容図である。認識処理部9Cでは以下の手順で認識を行う。ただし、ここに示すのは1例である。
【0135】
ステップ51の変化領域統合処理は、変化領域を見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる。次に、ステップ52〜55)は、ステップ51で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する。ここでは、あらかじめ定めてあった特徴量に対し、この変化領域が合致するかを比較する。ここで所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。
【0136】
ここでは、例として以下のような判断を行う。
ステップ52では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ53では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ54では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ55では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
「面積」、「縦横寸法」、及び「移動速度」は、ステップ52での一定時間中の平均を算出して参照されるのが一般的である。ステップ56で発報対象発見と判断されてもそれは「仮」として扱われ、まだ発報処理部10には伝えられない。
【0137】
ステップ57では、更に一定時間、発報対象変化領域を追跡して観察する。追跡に先立ち、そこでは先ず、先の背景更新部5Aに、背景画像蓄積部4に取り込む画像を現画像にするように指示する。そのままでは、背景差分部6で比較されるのが現画像同士となり差分が出ない。直ちに先の背景更新部5Aに、背景画像蓄積部4に取り込む画像をもとの方式に戻す様に指示する。
【0138】
これ以降、100シーン分の時間を経て背景画像蓄積部4の背景画像は本来のデータに戻る(現在の背景更新手法が、過去100シーンの現画像の平均値に置き換える更新を行うという前提のため)が、その間は背景更新は中途なものとなる。
【0139】
切り替え直後は瞬間的に現画像と1フレーム前の現画像の差分をとることになり、必然的にこの瞬間のみフレーム間差分となる。しかし、その後、背景画像が徐々に通常の背景画像に移り変わっていく為、徐々に通常の背景差分データに戻っていく。
【0140】
先述の通りフレーム間差分データでは、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」の様な輝度の変化も、同様に差分データを抽出できない。
【0141】
そして、先ほど「仮の発報対象発見」となった変化領域を、フレーム間差分による変化領域で再度追跡し、その結果の面積を比較し、面積の急激な変化を見る。先のフレーム間差分の特徴により、「仮の発報対象発見」が「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による場合は、ここではさほど大きな面積を抽出できない。従って、その面積の急激な変化から、装置は異常を判断できる。
【0142】
その結果を受け、ステップ58では、仮の発報対象発見が、正しかったか否かの判断を行い、正しいときのみ、報告を発報処理部10へと渡す。もし、所定時間内にて異常が発見されなければ、ステップ58で正式な発報対象発見と判断され、発報処理部10に報告される。この発報処理部10では発報処理を行う。通常は、上位にあるPC等に特定の信号を送ったり、装置のブサーを鳴らしたりという処理である。ステップ57で急激な面積の変化が発見されれば、「仮の発報対象発見」は誤りだったと判断し、「正式な発報対象発見」報告はなされない。なお、認識処理部9C、及び発報処理部10はS/Wにて処理されるのが一般的である。
【0143】
以下に本実施の形態4による方式が、どのように作用するかを説明する。今、図19の画像において、正規発報対象である「人物」と、非発報対象である「水紋」が、それぞれ発生した場合を考える。また、仮に双方とも、図18の認識処理における各種条件は満足しており、単独でそれぞれ発報されるものとする。また、ステップ57で言う「一定時間」を、0.5秒とし、「面積の急激な変化」を半分以下もしくは倍以上と定義する。また、装置は、変化領域を発見した場合、外接四角形を表示し、それを知らせるものとする。
【0144】
図19は、映像内に「水たまり」と「人物」が写っている。装置は、変化領域を発見し、外接四角形を表示している。本装置が発報対象とするのは「人物」である。従って、人物で発報するのは「正常発報」、人物以外で発報するのは「不要検知」である。ここでは、先の仮定で定めた通り、「人物」も「水紋」も面積・縦横寸法・速度が所定範囲内であるため、発報対象と判断される。本装置ではまだ「仮の発報対象発見」である為、発報には至らない。仮に発報すれば、水紋による部分は「不要検知」となってしまう。
【0145】
この後、装置は、「人物」の変化領域と、「水紋」の変化領域をそれぞれ追跡し観察する。図20は、図19から0.5秒後の画像である。水紋は縮小しているが、まだ十分に小さくなってはいない。
【0146】
図21は、図20の現画像に対し、上述の背景更新手法の切り替え直後の背景差分した結果を示したものである。そこでは、水紋が背景画像(ここでは1つ前のフレームの映像である前提)と現画像の差分をとるため、必然的にフレーム間差分となり水紋の「1フレームの間に縮まった部分」と、人物の「1フレームの時間に移動した部分」のみが切り出される。
【0147】
装置は、背景更新手法を、従来の背景更新手法からフレーム間差分に変えて「仮の発報対象」である、「人物」と「水紋」を追跡観察していたが、ここで改めて面積を見る。フレーム間差分の結果、「人物」は、「仮の発報対象発見」時より若干縮小した面積を有している。しかし、半分には至らないためここでは異常なしと判断され、「正式な発報対象発見」と判断される。
【0148】
しかし、「水紋」は、フレーム間差分の結果、「仮の発報対象発見」時の面積に比較し、1/3程度の面積しか有していない。水紋が1フレーム間にその程度しか消失しないため、このような結果となる。従って、ここでは異常ありと判断され、「正式な発報対象発見」とは判断されない。
【0149】
以上の通り、「人物」は正規の発報対象発見とされ、「水紋」はそうとはならない。これにより、「水紋」による不要検知は発生しない。以上の通り、本処理により、「人物」の発報を阻害せず、「水紋」の不要検知を防止できた。
【0150】
以上のように本実施の形態4によれば、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知を上記実施の形態1で述べた効果以上に正確削減する機能を実現できる。かつ、その為の装置の構成が、上記実施の形態2、及び3よりも簡便になる。
【0151】
つまり、「発報対象発見時に直ちに発報する事をせず、その後も背景差分手段をフレーム間差分に変えて認識処理を継続して一定時間変化領域を観察」するのではなく、「発報対象発見時に直ちに発報する事をせず、その後背景更新手法を一回だけ“現画像に置き換え更新”にし、その後は背景更新手段を元に戻して認識処理を継続して一定時間変化領域を観察」する事により、急激な面積の増加や減少が無いことを確認し、その結果を待って発報する事により、背景差分手段を複数持たない分、装置規模を大きくせずに上記実施の形態3と同様の効果を得ることが可能な機能を有する。
【0152】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5の構成について図22を参照しながら説明する。図22は、この発明の実施の形態5の概略構成を示すブロック図である。
【0153】
図22において、1は本監視用画像処理装置に処理される映像を受けるビデオ入力部、2はビデオ入力部1から入る映像を量子化するA/D変換部、3はA/D変換部2からの出力を受け現在の映像データを記憶する現画像蓄積部、4はA/D変換部2からの出力を受け相応の演算を行い作成した、比較用の背景画像を記憶する背景画像蓄積部、5Aは背景画像蓄積部4のデータを一定ルールで演算し更新する背景更新部であり、一般的には単純なルールで更新する。例えば、過去5枚の現画像の平均を背景画像とする、等である。また、この背景更新部5Aは、後述する認識処理部の指定により、背景更新手法を切り替えうる。うち一つは「フレーム間差分法」である。他の背景更新手法を便宜的に「非フレーム間差分法」と呼称する。また、6は現画像蓄積部3と背景画像蓄積部4の2つの画像を比較し、その差分を算出する背景差分部、7は背景差分部6のデータを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算部であり、背景差分データを元に最適敷居値を求めるのが一般的である。さらに、8は敷居値演算部7で求めた敷居値で差分データを2値化する2値化部、9Dは2値化部8から出力される2値データを受け、そこに目的の発報対象が存在するかの判断を行う認識処理部、10は認識処理部9Dからの「発報対象発見」の指示を受け発報する発報処理部である。
【0154】
図23は、本実施の形態5による図22の認識処理部9Dを更に詳細に示したフローである。
【0155】
ステップ61は、2値化データを見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる変化領域統合処理部分である。次に、ステップ62〜65は、ステップ61で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する特徴量比較部分である。ここで所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。
【0156】
ここでは、例として以下のようなステップ62〜65の判断を行う。
ステップ62では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ63では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ64では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ65では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
以上の結果を受け、ステップ66では、発報対象発見か対象無しかの判断を行う。ただし、ここでは、判断結果は「仮」として扱い、まだ報告されない。
【0157】
ステップ67では、更に一定時間、発報対象変化領域を追跡して観察する。実際に観察するのは「非フレーム間差分法」と「フレーム間差分法」での敷居値演算部7で算出される敷居値の差である。その結果を受け、ステップ68では、仮の発報対象発見が、正しかったか否かの判断を行い、正しいときのみ、報告を発報処理部10へと渡す。
【0158】
次に、動作について代表的な例を説明する。図22に於いて、外部から装置に与えられた映像信号はビデオ入力部1で受け取り、A/D変換部2に送られる。このA/D変換部2では受け取ったビデオ信号を後の処理の為にデジタルデータに変換する。1画素あたり8ビットの多値データに変換するのが一般的である。現画像蓄積部3では入力された現画像データを蓄積し後の処理に備える。背景画像蓄積部4では入力された現画像データを元に作成された背景画像を蓄積し後の処理に備える。
【0159】
背景更新部5Aでは、背景画像蓄積部4に蓄積してある背景画像を定期的に一定ルールで更新処理する。これは定期的にサンプリングされた現画像を元に演算処理されるのが一般で、例としては過去100シーンの現画像の平均値を背景画像とする方法や、一定時間前(例:5秒)のフレームの映像である場合が多い。ここでは仮に過去100シーンの現画像の平均値に置き換える更新を行うものとして進める。
【0160】
ただし、ここでは認識処理部9Dの指示により背景更新方法を別な方法に切り替える機能を有する。そのとき切り替えられる背景更新手法とは、例えば現画像をそのまま背景画像蓄積部4に取り込むというものである。
【0161】
背景差分部6は、現画像蓄積部3及び背景画像蓄積部4の出力を比較し、各画素毎に差を求め、その差である差分データをフレーム画像として出力する。差分データは一般的には映像中の輝度の変化した部分を表す。通常は、人物や車両のような移動物が主であるが、まれに「太陽光の照り陰り」による建物の影の出現の様な、発報対象ではない輝度の変化を示す場合もある。
【0162】
ただし、背景更新部5Aにて背景更新手法を「現画像をそのまま背景画像蓄積部4に取り込む」方式に変え、また元に戻した場合は、瞬間的に現画像と1フレーム前の現画像の差分をとることになり、必然的にこの瞬間のみフレーム間差分となる。また、その後、背景更新部5Aにて背景更新手法を元に戻しても、元の背景画像同様の背景画像に戻るためにはさらに100シーン分の時間が必要で(現在の背景更新手法が、過去100シーンの現画像の平均値に置き換える更新を行うという前提のため)その間の背景差分結果も暫定的にフレーム間差分に近い物となる。(徐々に通常の背景差分の結果に移り変わっている。)
【0163】
フレーム間差分による差分データは、一般的には1フレーム間の輝度の変化した部分を表す。通常は、高速で動く人物や車両のような移動物が主である。その性格上、1フレーム程度の時間差では明確な差が現れないため、低速で動く人物等はうまく差分データが抽出できない。しかし、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」の様な輝度の変化も、同様に差分データを抽出できない。
【0164】
敷居値演算部7は、背景差分部6から送られる差分データを2値化する為の敷居値を求める。通常、背景データは多値データであり、そのまま認識処理するには不的確である。以降の判断を高速に行うためにも2値化して2値データに変換するのが一般的である。ただし、装置によってはこの2値化を行わずに直接、差分データを認識処理する場合があるので、ここは参考である。
【0165】
フレーム間差分データと、非フレーム間差分データを比較すると、近似した画像データ間で差分を出すフレーム間差分データの方が、非フレーム間差分データより値が小さいのが一般である。従って、算出した敷居値は、他方に比べ低い値となる。
【0166】
2値化部8は、上記敷居値をもって差分データを2値化する。その結果、以降の処理では変化領域は2値データとなる。
【0167】
図26を例にこの変化領域について説明する。図26は通常の正門の映像である。今、人物が画像内を移動している。この場合、移動している人物の位置がそのまま変化領域となる。図27が、その変化領域を黒く染めたスーパーインポーズを重複させて示した映像である。
【0168】
認識処理部9Dは、2値化部8からの2値化データを受け、それが示す変化領域が目的のもの(例えば、一般には人物や車両が該当する。以降、発報対象と呼称する。)であるか否かの判断を行う。
【0169】
図23は、本実施の形態5による監視用画像処理装置の認識処理部9Dの内容図である。認識処理部9Dでは以下の手順で認識を行う。ただし、ここに示すのは1例である。
【0170】
ステップ61の変化領域統合処理は、変化領域を見て、同一の移動物に属すると思われる変化領域を統合して1つの変化領域にまとめる。次に、ステップ62〜65は、ステップ61で統合された変化領域が、発報対象か否かを判断する。ここでは、あらかじめ定めてあった特徴量に対し、この変化領域が合致するかを比較する。ここで所定条件に合致した特徴を持つ変化領域は、発報対象と見なされる。
【0171】
ここでは、例として以下のような判断を行う。
ステップ62では、変化領域が一定時間連続で存在するかを見る。
ステップ63では、変化領域が所定の面積であるか否かを見る。
ステップ64では、変化領域が所定の縦横寸法か否かを見る。
ステップ65では、変化領域が所定の移動速度か否かを見る。
「面積」、「縦横寸法」、「移動速度」は、ステップ62にある一定時間中の平均を算出して参照されるのが一般的である。ステップ66で発報対象発見と判断されてもそれは「仮」として扱われ、まだ発報処理部10には伝えられない。
【0172】
ステップ67では、更に一定時間、発報対象変化領域を追跡して観察する。追跡に先立ち、そこでは先ず、先の背景更新部5Aに、背景画像蓄積部4に取り込む画像を現画像にするように指示する。そのままでは、背景差分部6で比較されるのが現画像同士となり差分が出ない。直ちに先の背景更新部5Aに、背景画像蓄積部4に取り込む画像をもとの方式に戻す様に指示する。
【0173】
これ以降、100シーン分の時間を経て背景画像蓄積部4の背景画像は本来のデータに戻る(現在の背景更新手法が、過去100シーンの現画像の平均値に置き換える更新を行うという前提のため)が、その間は背景更新は中途なものとなる。
【0174】
切り替え直後は瞬間的に現画像と1フレーム前の現画像の差分をとることになり、必然的にこの瞬間のみフレーム間差分となる。しかし、その後、背景画像が徐々に通常の背景画像に移り変わっていく為、徐々に通常の背景差分データ(非フレーム間差分データ)に戻っていく。
【0175】
先述の通りフレーム間差分データでは、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」の様な輝度の変化も、同様に差分データを抽出できない。
【0176】
そして、そのときの敷居値演算部7での演算結果(即ち敷居値)は、切り出しにくい変化領域を少しでも切り出そうとする結果、通常より低い値をとる。そして、先ほど「仮の発報対象発見」時の敷居値と比較し、その値の変化を見る。その値が急激に変化した場合は異常、そうでなければ正常と判断できる。
【0177】
その結果を受け、ステップ68では、正常時のみ、発報対象発見の報告を発報処理部10へと渡す。この発報処理部10では発報処理を行う。通常は、上位にあるPC等に特定の信号を送ったり、装置のブサーを鳴らしたりという処理である。ステップ67で急激な値の変化が発見されれば、「仮の発報対象発見」は誤りだったと判断し、「正式な発報対象発見」報告はなされない。従って、装置は発報をしない。なお、認識処理部9D、及び発報処理部10は、S/Wにて処理されるのが一般的である。
【0178】
以上の通り、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」は、発報されず不要検知とならない。逆に、上記と異なり「人物」の様な変化領域は正確に発報される。
【0179】
以上のように本実施の形態5によれば、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知を上記実施の形態1〜4で述べた効果以上に正確削減する機能を実現できる。
【0180】
つまり、「急激な面積の増加や減少が無いことを確認」するのではなく、「急激な2値化の敷居値の変化が無いことを確認」する事により、急激な変化領域の出現や消失が無いことを確認し、その結果を待って発報する事により、上記実施の形態3、及び4よりも更に早いタイミングで誤報か否かの確認作業が終了できて、且つ上記実施の形態3、及び4と同様の効果を得ることが可能な機能を有する。
【0181】
【発明の効果】
この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、前記抽出した変化領域が第1の一定時間における所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域の面積が前記第1の一定時間の後の第2の一定時間において半分以下もしくは倍以上の変化が無いときには発報対象として認識する認識処理手段とを備えたので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知を削減することができるという効果を奏する。
【0182】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、前記変化領域抽出手段が、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する背景差分手段と、前記背景差分データに基づき前記背景差分データを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算手段と、前記背景差分データを前記敷居値で2値化する2値化手段とを有するので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知を削減することができるという効果を奏する。
【0183】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する背景画像蓄積手段と、前記背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する背景更新手段と、前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段とを備えたので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知を削減することができるという効果を奏する。
【0184】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、前記変化領域抽出手段が、現画像データと1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データとの比較演算に基づきそのフレーム間背景差分を変化領域として算出する第1の背景差分手段と、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその非フレーム間背景差分を変化領域として算出する第2の背景差分手段と、前記フレーム間背景差分データ及び非フレーム間背景差分データに基づき前記フレーム間背景差分データ及び非フレーム間背景差分データをそれぞれ2値化するための第1及び第2の敷居値を算出する敷居値演算手段と、前記フレーム間背景差分データ及び非フレーム間背景差分データを前記第1及び第2の敷居値でそれぞれ2値化し第1及び第2の2値データを出力する2値化手段とを有し、前記認識処理手段が、前記第2の2値データに基づき前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識する第2の認識処理手段と、前記第1の2値データに基づき前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合で、かつ前記第2の認識処理手段により前記仮の発報対象として認識されているときには発報対象として認識する第1の認識処理手段とを有するので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知をより正確に削減することができるという効果を奏する。
【0185】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から1フレーム前の現画像データである前記比較用背景画像データを作成して記憶する第1の背景画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する第2の背景画像蓄積手段と、前記第1の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第1の背景更新手段と、前記第2の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第2の背景更新手段と、前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段とを備えたので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知をより正確に削減することができるという効果を奏する。
【0186】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには発報対象として認識する認識処理手段とを備え、前記変化領域抽出手段が、現画像データと1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データとの比較演算に基づきそのフレーム間背景差分を変化領域として算出する第1の背景差分手段と、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する第2の背景差分手段と、前記フレーム間背景差分データ及び背景差分データに基づき前記フレーム間背景差分データ及び背景差分データを2値化するための第1及び第2の敷居値を算出する敷居値演算手段と、前記フレーム間背景差分データ及び背景差分データを前記第1及び第2の敷居値で2値化し第1及び第2の2値データを出力する2値化手段とを有し、前記認識処理手段が、前記第2の2値データに基づき前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識し、かつ前記第1の2値データに基づき前記抽出した変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには前記仮の発報対象を発報対象として認識するので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知をより正確に削減することができ、かつ、その為の装置の構成を簡便にできるという効果を奏する。
【0187】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から1フレーム前の現画像データである前記比較用背景画像データを作成して記憶する第1の背景画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する第2の背景画像蓄積手段と、前記第1の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第1の背景更新手段と、前記第2の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第2の背景更新手段と、前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段とを備えたので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知をより正確に削減することができ、かつ、その為の装置の構成を簡便にできるという効果を奏する。
【0188】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには発報対象として認識する認識処理手段とを備え、前記変化領域抽出手段は、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する背景差分手段と、前記背景差分データに基づき前記背景差分データを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算手段と、前記背景差分データを前記敷居値で2値化する2値化手段とを有し、さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する背景画像蓄積手段と、前記背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する背景更新手段と、前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段とを備え、前記認識処理手段が、前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識し、かつ前記背景更新手段により前記背景画像蓄積手段に1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データを記憶させ、フレーム間背景差分データに基づき前記抽出した変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには前記仮の発報対象を発報対象として認識するので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知をより正確に削減することができ、かつ、その為の装置の構成をより簡便にできるという効果を奏する。
【0189】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出するとともに、前記変化領域に基づき前記変化領域を2値化するための敷居値を算出する変化領域抽出手段と、前記抽出した変化領域が第1の一定時間における所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域を2値化するための敷居値が前記第1の一定時間の後の第2の一定時間において急激に低い値にならないときには発報対象として認識する認識処理手段とを備えたので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知をよりさらに正確に削減することができるという効果を奏する。
【0190】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、前記変化領域抽出手段が、現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する背景差分手段と、前記背景差分データに基づき前記背景差分データを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算手段と、前記背景差分データを前記敷居値で2値化する2値化手段とを有するので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知をよりさらに正確に削減することができるという効果を奏する。
【0191】
また、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する背景画像蓄積手段と、前記背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する背景更新手段と、前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段とを備え、前記認識処理手段が、前記抽出した変化領域が第1の一定時間における所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識し、かつ前記背景更新手段により前記背景画像蓄積手段に1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データを記憶させ、フレーム間背景差分データに基づき前記抽出した変化領域を前記敷居値演算手段により算出した2値化するための敷居値が前記第1の一定時間の後の第2の一定時間において急激に低い値にならないときには前記仮の発報対象を発報対象として認識するので、「人物」の様な正規の発報対象に対する発報能力を阻害せず、「太陽光の照り陰りによる建物の影の出現」や「水たまりの水紋」による建物の影の出現の様な、「移動を伴わないで徐々に現れ、あるいは移動を伴わないで徐々に消失する比較的大きな変化領域」に関する不要検知をよりさらに正確に削減することができるという効果を奏する。
さらに、この発明に係る監視用画像処理装置は、以上説明したとおり、入力された現画像と背景画像との差分に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、前記抽出した変化領域が少なくとも発報対象となる移動物と同等の所定面積を有する場合に、背景更新手法を現画像をそのまま背景画像蓄積部に取り込む手法に変更し、直ちに過去の現画像の平均値を背景画像とする手法に戻す背景更新手段を備え、前記背景更新手段にて背景更新手法を現画像をそのまま背景画像蓄積部に取り込む手法に変え、直ちに過去の現画像の平均値を背景画像とする手法に戻した場合には、瞬間的に現画像と1フレーム前の現画像の差分をとるので、不要検知を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の認識処理部の動作を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る、映像内に、「人物」と水たまりの「水紋」が写っている映像例である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る、水たまりに水紋が小さくなった画像である。
【図5】 この発明の実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態2の認識処理部の動作を示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態2に係る、映像内に、「人物」と水たまりの「水紋」が写っている映像例である。
【図8】 この発明の実施の形態2に係る、水たまりの水紋が若干小さくなった画像である。
【図9】 この発明の実施の形態2に係る、一方の背景差分部の方式で差分データを求め2値化した結果を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態2に係る、他方の背景差分部の方式で差分データを求め2値化した結果を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態3の構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態3の認識処理部の動作を示すフローチャートである。
【図13】 この発明の実施の形態3に係る、映像内に、「人物」と水たまりの「水紋」が写っている映像例である。
【図14】 この発明の実施の形態3に係る、水たまりの水紋が若干小さくなった画像である。
【図15】 この発明の実施の形態3に係る、一方の背景差分部の方式で差分データを求め2値化した結果を示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態3に係る、他方の背景差分部の方式で差分データを求め2値化した結果を示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【図18】 この発明の実施の形態4の認識処理部の動作を示すフローチャートである。
【図19】 この発明の実施の形態4に係る、映像内に、「人物」と水たまりの「水紋」が写っている映像例である。
【図20】 この発明の実施の形態4に係る、水たまりの水紋が若干小さくなった画像である。
【図21】 この発明の実施の形態4に係る、背景画像蓄積部に取り込む画像を現画像にするよう背景更新部を切り替えて差分データを求め2値化した結果を示す図である。
【図22】 この発明の実施の形態5の構成を示すブロック図である。
【図23】 この発明の実施の形態5の認識処理部の動作を示すフローチャートである。
【図24】 従来の監視用画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図25】 従来の監視用画像処理装置の認識処理部の動作を示すフローチャートである。
【図26】 従来の監視用画像処理装置に係る、通常の正門の映像である。
【図27】 従来の監視用画像処理装置に係る、その変化領域を黒く染めたスーパーインポーズを重複させて示した映像である。
【符号の説明】
1 ビデオ入力部、2 A/D変換部、3 現画像蓄積部、4、4a、4b 背景画像蓄積部、5、5a、5b、5A 背景更新部、6、6a、6b 背景差分部、7 敷居値演算部、8 2値化部、9A、9a、9b、9B、9C、9D認識処理部、10 発報処理部。
Claims (12)
- 現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、
前記抽出した変化領域が第1の一定時間における所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域の面積が前記第1の一定時間の後の第2の一定時間において半分以下もしくは倍以上の変化が無いときには発報対象として認識する認識処理手段と
を備えたことを特徴とする監視用画像処理装置。 - 前記変化領域抽出手段は、
現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する背景差分手段と、
前記背景差分データに基づき前記背景差分データを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算手段と、
前記背景差分データを前記敷居値で2値化する2値化手段と
を有することを特徴とする請求項1記載の監視用画像処理装置。 - さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、
前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する背景画像蓄積手段と、
前記背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する背景更新手段と、
前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段と
を備えたことを特徴とする請求項2記載の監視用画像処理装置。 - 前記変化領域抽出手段は、
現画像データと1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データとの比較演算に基づきそのフレーム間背景差分を変化領域として算出する第1の背景差分手段と、
現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその非フレーム間背景差分を変化領域として算出する第2の背景差分手段と、
前記フレーム間背景差分データ及び非フレーム間背景差分データに基づき前記フレーム間背景差分データ及び非フレーム間背景差分データをそれぞれ2値化するための第1及び第2の敷居値を算出する敷居値演算手段と、
前記フレーム間背景差分データ及び非フレーム間背景差分データを前記第1及び第2の敷居値でそれぞれ2値化し第1及び第2の2値データを出力する2値化手段と
を有し、
前記認識処理手段は、
前記第2の2値データに基づき前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識する第2の認識処理手段と、
前記第1の2値データに基づき前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合で、かつ前記第2の認識処理手段により前記仮の発報対象として認識されているときには発報対象として認識する第1の認識処理手段と
を有することを特徴とする請求項1記載の監視用画像処理装置。 - さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、
前記A/D変換手段の出力から1フレーム前の現画像データである前記比較用背景画像データを作成して記憶する第1の背景画像蓄積手段と、
前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する第2の背景画像蓄積手段と、
前記第1の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第1の背景更新手段と、
前記第2の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第2の背景更新手段と、
前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段と
を備えたことを特徴とする請求項4記載の監視用画像処理装置。 - 現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、
前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには発報対象として認識する認識処理手段とを備え、
前記変化領域抽出手段は、
現画像データと1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データとの比較演算に基づきそのフレーム間背景差分を変化領域として算出する第1の背景差分手段と、
現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する第2の背景差分手段と、
前記フレーム間背景差分データ及び背景差分データに基づき前記フレーム間背景差分データ及び背景差分データを2値化するための第1及び第2の敷居値を算出する敷居値演算手段と、
前記フレーム間背景差分データ及び背景差分データを前記第1及び第2の敷居値で2値化し第1及び第2の2値データを出力する2値化手段と
を有し、
前記認識処理手段は、前記第2の2値データに基づき前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識し、かつ前記第1の2値データに基づき前記抽出した変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには前記仮の発報対象を発報対象として認識する
ことを特徴とする監視用画像処理装置。 - さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、
前記A/D変換手段の出力から1フレーム前の現画像データである前記比較用背景画像データを作成して記憶する第1の背景画像蓄積手段と、
前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する第2の背景画像蓄積手段と、
前記第1の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第1の背景更新手段と、
前記第2の背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する第2の背景更新手段と、
前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段と
を備えたことを特徴とする請求項6記載の監視用画像処理装置。 - 現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、
前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには発報対象として認識する認識処理手段とを備え、
前記変化領域抽出手段は、
現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する背景差分手段と、
前記背景差分データに基づき前記背景差分データを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算手段と、
前記背景差分データを前記敷居値で2値化する2値化手段とを有し、
さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、
前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する背景画像蓄積手段と、
前記背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する背景更新手段と、
前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段と
を備え、
前記認識処理手段は、前記抽出した変化領域が所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識し、かつ前記背景更新手段により前記背景画像蓄積手段に1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データを記憶させ、フレーム間背景差分データに基づき前記抽出した変化領域の面積が一定時間所定の変化が無いときには前記仮の発報対象を発報対象として認識する
ことを特徴とする監視用画像処理装置。 - 現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づき変化領域を抽出するとともに、前記変化領域に基づき前記変化領域を2値化するための敷居値を算出する変化領域抽出手段と、
前記抽出した変化領域が第1の一定時間における所定の条件に合致した場合で、かつ前記変化領域を2値化するための敷居値が前記第1の一定時間の後の第2の一定時間において急激に低い値にならないときには発報対象として認識する認識処理手段と
を備えたことを特徴とする監視用画像処理装置。 - 前記変化領域抽出手段は、
現画像データと比較用背景画像データとの比較演算に基づきその背景差分を変化領域として算出する背景差分手段と、
前記背景差分データに基づき前記背景差分データを2値化するための敷居値を算出する敷居値演算手段と、
前記背景差分データを前記敷居値で2値化する2値化手段と
を有することを特徴とする請求項9記載の監視用画像処理装置。 - さらに、入力映像を量子化するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段の出力から前記現画像データを記憶する現画像蓄積手段と、
前記A/D変換手段の出力から前記比較用背景画像データを作成して記憶する背景画像蓄積手段と、
前記背景画像蓄積手段のデータを所定の規則で演算し更新する背景更新手段と、
前記抽出した変化領域を発報対象として認識したときにはその旨を知らせる発報処理手段と
を備え、
前記認識処理手段は、前記抽出した変化領域が第1の一定時間における所定の条件に合致した場合は仮の発報対象として認識し、かつ前記背景更新手段により前記背景画像蓄積手段に1フレーム前の現画像データである比較用背景画像データを記憶させ、フレーム間背景差分データに基づき前記抽出した変化領域を前記敷居値演算手段により算出した2値化するための敷居値が前記第1の一定時間の後の第2の一定時間において急激に低い値にならないときには前記仮の発報対象を発報対象として認識する
ことを特徴とする請求項10記載の監視用画像処理装置。 - 入力された現画像と背景画像との差分に基づき変化領域を抽出する変化領域抽出手段と、
前記抽出した変化領域が少なくとも発報対象となる移動物と同等の所定面積を有する場合に、背景更新手法を現画像をそのまま背景画像蓄積部に取り込む手法に変更し、直ちに過去の現画像の平均値を背景画像とする手法に戻す背景更新手段を備え、
前記背景更新手段にて背景更新手法を現画像をそのまま背景画像蓄積部に取り込む手法に変え、直ちに過去の現画像の平均値を背景画像とする手法に戻した場合には、瞬間的に現画像と1フレーム前の現画像の差分をとる
ことを特徴とする監視用画像処理装置。
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