JP3848044B2 - 磁気テープ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーペンタイン記録再生方式の磁気テープ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ヘッドと磁気テープとの相対的な移動方向が磁気テープの長さ方向に沿う、いわゆるサーペンタイン記録再生方式の磁気テープ装置は、磁気ヘッドと磁気テープとの接触面積が小さいため、接触による磁気テープへのダメージが少なくなり、磁気テープの走行速度を高速化できる。この故、膨大な情報のバック・アップ装置として、高い信頼性と高速度の記録および/または再生性能とが要求されているライブラリ用の記録装置として広く使用されている。
【0003】
一般に、磁気テープは、ポリエチレン・テレフタレートあるいはポリエチレン・ナフタレートなどからなるベースフィルムと、いわゆるメタルあるいはクロムなどからなる磁性体と、ウレタンなどからなるバインダと、オレイン酸などからなる潤滑剤と、アルミナなどからなる研磨剤と、分散剤などの添加物とにより構成されている。
【0004】
磁気ヘッドに付着する異物は、磁気テープの走行を繰り返すことにより磁気テープのバインダが溶着して磁気ヘッドに付着した粘着性の異物と、塵埃あるいは磁性粉などが磁気ヘッドに付着した非粘着性の異物とに分けられる。これらの磁気ヘッドに付着した異物の除去方法としては、粘着性の異物の場合、研磨剤を多く含有したクリーニングテープを磁気テープ装置に装填し、クリーニングテープを走行させて磁気ヘッドを研磨する方法が知られている。また、非粘着性の異物の場合は、磁気テープ装置に磁気テープが装填されていないとき、たとえば磁気テープを排出した際に、磁気テープ装置に設けられたブラシを磁気ヘッドに押し当て、磁気ヘッドを磁気テープ幅方向に往復移動させる、いわゆるブラシ・クリーニングが知られている。
【0005】
従来の磁気テープ装置では、磁気ヘッドへの異物の付着によるリード/ライト・オペレーション性能の低下を防ぐため、磁気ヘッド近傍にクリーナ機構を設け、このクリーナ機構を磁気テープに接触させることにより、磁気ヘッドへの異物の付着を抑制していた。また、磁気テープの排出時に毎回ブラシ・クリーニングを実行することで、非粘着性の異物を除去していた。また、たとえば磁気テープの累積走行時間などの、オペレーションの統計情報に基づいて、クリーニングテープによるクリーニングが必要である旨を上位装置に通知し、それを上位装置がオペレータに報知することで、定期的な粘着性の異物の除去を促していた。
【0006】
一方、磁気ヘッドに複数設けられているヘッド素子のうち、ユーザデータ・トラックやサーボ・トラックに記録されているデータをリードするためのヘッド素子には、バイアス電流が流され、これによりヘッド素子に生じる微少な電位差によってデータを認識している。そして、ヘッド素子に生じる電位差と所定の閾値とを比較することによって電位差の異常を検出し、電位差の異常が検出されたときに磁気ヘッドに異常が生じたと判断する磁気テープ装置が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
リード/ライト・オペレーション実行中に、データ・トラックやサーボ・トラックに記録されているデータの認識ができなくなったとき、つまり磁気ヘッドのデータに対するリード/ライト性能が低下したとき、その原因は殆どの場合、磁気ヘッドへの異物の付着である。
【0008】
このような事態に陥った場合、従来の磁気テープ装置では、一旦磁気テープをアンスレッドさせてブラシ・クリーニングを実行し、再度磁気テープを装填して、位置付けした後、リード/ライト・オペレーションを実行していた。
【0009】
しかし、このような手法では、磁気テープの終端付近でオペレーションを実行していた場合、一旦、磁気テープを供給リールへ巻き戻し、磁気テープを取り出して、ブラシ・クリーニングを実行した後に、磁気テープを装填し、磁気テープをオペレーション位置へ位置付けるという作業が必要であり、修復に要する時間すなわちリカバリ時間が膨大になるという課題があった。
【0010】
また、磁気ヘッドに付着している異物が粘着性の場合、ブラシ・クリーニングでは異物を除去する効果が得られず、オペレーションを中断し、クリーニングテープによるクリーニングが必要である旨を上位装置に通知し、オペレータに報知するしかなかった。
【0011】
【発明の開示】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、磁気ヘッドに異常が生じたときに、その原因を切り分けて検出できる磁気テープ装置を提供することを目的とする。
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0013】
本発明の第1の側面によれば、磁気ヘッドを磁気テープの幅方向に移動させるヘッド移動手段と、磁気ヘッドに備えられて磁気テープに記録されている情報を再生するヘッド素子の抵抗値が正常範囲内であるか否かを判断する抵抗値判断手段とを有する磁気テープ装置であって、磁気テープが磁気ヘッドに対向していない状態で、ヘッド移動手段を動作させて磁気ヘッドを磁気テープの幅方向に移動させながら、抵抗値判断手段を動作させる動作制御手段と、動作制御手段による動作制御における抵抗値判断手段の判断結果に基づいて、磁気ヘッドが、非導電性の異物が付着しているかあるいは正常な状態、導電性の異物が付着しているかあるいは故障の状態、ヘッド素子に接続されるケーブルが接触不良の状態のいずれの状態であるかを検出する状態検出手段を備えたことを特徴とする、磁気テープ装置が提供される。
【0014】
なお、動作制御手段は、磁気ヘッドが前記磁気テープの幅方向に移動している期間に抵抗値判断手段による判断動作を複数回行わせ、状態検出手段は、動作制御手段による抵抗値判断手段の複数回の判断結果のうち、抵抗値が正常範囲外となる回数に基づいて磁気ヘッドの状態を検出するとよい。
【0019】
本発明によれば、磁気ヘッドに異常が生じたときに、その原因を切り分けて検出できるので、検出された原因に応じて、その原因を除去するために磁気テープ装置を自動的に動作させたり、あるいは原因を上位装置に報告することが可能になり、この結果、リカバリ時間の短縮およびリード/ライト性能の向上を図ることができる。
【0020】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態における磁気テープ装置の概略ブロック図であって、磁気テープ装置1は、上位装置2に接続されている。磁気テープ装置1には、磁気ヘッド11、モータ12、マシンリール13、モータ14、ロータリーエンコーダ15、ファイルリール16、モータ17、ロータリーエンコーダ18、プロセッサ部21、ROM22、RAM23、インターフェイス部24、計測部25、リードライト回路部26、マシンリール側パルス検出部28、ファイルリール側パルス検出部29、パルス情報処理部30、D/Aコンバータ31〜33、および増幅器34〜36を備えている。リードライト回路部26は、抵抗異常検出回路部27を備えている。上位装置2は、ホストコンピュータに接続されており、多数の磁気テープ装置1を備えた磁気テープライブラリ装置を総合的に制御している。
【0023】
磁気ヘッド11は、磁気テープに情報を記録するためのライト用のヘッド素子と、磁気テープに記録された情報を読み出すためのリード用のヘッド素子との組を、複数チャネル分備えている。そしてこれらの複数チャネル分のヘッド素子は、磁気テープの正方向走行時用と逆方向走行時用との2セット設けられている。
【0024】
モータ12は、磁気ヘッド11を、磁気テープの幅方向に移動させる。
【0025】
マシンリール13は、磁気テープの正方向走行時に磁気テープを巻き取る。
【0026】
モータ14は、マシンリール13を正逆回転させる。
【0027】
ロータリーエンコーダ15は、モータ14が所定角度回転する毎にパルスを生成する。
【0028】
ファイルリール16は、磁気テープ装置1に着脱自在なテープカートリッジに内臓されており、磁気テープの逆方向走行時に磁気テープを巻き取る。
【0029】
モータ17は、ファイルリール16を正逆回転させる。
【0030】
ロータリーエンコーダ18は、モータ17が所定角度回転する毎にパルスを生成する。
【0031】
プロセッサ部21は、上位装置2からの指令に応じて、磁気テープ装置1の全体を制御する。
【0032】
ROM(read only memory)22は、磁気テープ装置1を制御するためのプログラムなどを記憶している。
【0033】
RAM(random access memory)23は、各種のデータを記憶し、プロセッサ部21にワークエリアを提供する。
【0034】
インターフェイス部24は、複数のレジスタを備えており、上位装置2から指示された磁気テープのアドレスなどを一時記憶する
【0035】
計測部25は、複数のタイマや複数のカウンタを備えており、入力されたパルスのパルス間隔やパルス数などを計測する。
【0036】
リードライト回路部26は、上位装置2からの磁気テープに記録すべき情報を処理して所定のタイミングで磁気ヘッド11に供給し、また、磁気ヘッド11によって再生された情報を処理して所定のタイミングで上位装置2に供給する。
【0037】
抵抗異常検出回路部27は、磁気ヘッド11のリード用の各ヘッド素子の抵抗値を計測し、計測した抵抗値が予め決められた正常範囲を外れていれば、異常検出信号を生成して、それをプロセッサ部21に供給する。
【0038】
マシンリール側パルス検出部28は、ロータリーエンコーダ15からのパルスを検出し、検出信号を計測部25に供給する。
【0039】
ファイルリール側パルス検出部29は、ロータリーエンコーダ18からのパルスを検出し、検出信号を計測部25およびパルス情報処理部30に供給する。
【0040】
パルス情報処理部30は、ファイルリール側パルス検出部29からの検出信号に基づいて磁気テープの走行速度や走行位置を演算し、演算結果をインターフェイス部24に供給する。
【0041】
D/Aコンバータ31は、インターフェイス部24からのディジタルデータをアナログ信号に変換して増幅器34に供給する。
【0042】
D/Aコンバータ32は、インターフェイス部24からのディジタルデータをアナログ信号に変換して増幅器35に供給する。
【0043】
D/Aコンバータ33は、インターフェイス部24からのディジタルデータをアナログ信号に変換して増幅器36に供給する。
【0044】
増幅器34は、D/Aコンバータ31からの信号を増幅してモータ12に供給する。
【0045】
増幅器35は、D/Aコンバータ32からの信号を増幅してモータ14に供給する。
【0046】
増幅器36は、D/Aコンバータ33からの信号を増幅してモータ17に供給する。
【0047】
図2は、図1に示す抵抗異常検出回路部27の回路ブロック図であって、この抵抗異常検出回路部27は、定電流回路41、増幅器42、電圧比較回路43、および抵抗器R2〜R6を備えている。R1は、磁気ヘッド11のヘッド素子であって、磁気ヘッド11に備えられた全てのリード用のヘッド素子について、各々抵抗値の異常が検出される。
【0048】
定電流回路41には、抵抗異常検出回路部27の外部からバイアス電圧すなわち基準電圧が供給される。これにより抵抗異常検出回路部27は、基準電圧に応じた基準電流を生成し、それを出力する。この基準電流は、抵抗器R3,R4およびヘッド素子R1からなる直列回路と、抵抗器R5,R6からなる直列回路とを流れる。
【0049】
バイアス電流としての基準電流によってヘッド素子R1の両端間に発生した電圧は、増幅器42によって増幅され、再生信号としてリードライト回路部26に供給される。すなわち、磁気テープを走行させることにより、磁気テープに記録されている信号に応じてヘッド素子R1の両端間の電圧が微少に変化するので、その電圧変化を再生信号として利用するのである。
【0050】
一方、抵抗異常検出時には、ヘッド素子R1の両端間の電圧と抵抗器R6の両端間の電圧とを電圧比較回路43によって比較する。電圧比較回路43は、ヘッド素子R1の両端間の電圧と抵抗器R6の両端間の電圧との差が所定値を越えていれば、プロセッサ部21に供給している異常検出信号をアサートする。
【0051】
図3および図4は、磁気テープ装置1のスレッダ機構部とブラシ機構部との分解斜視図であって、上下を逆に図示している。ブラシ機構部51には、磁気ヘッド11に付着した非粘着性の異物を書き落とすブラシ52が設置されている。このブラシ52は、磁気テープとの摩擦によって磁気ヘッド11に蓄積された静電気を除去する機能をも有しており、導電性の材料により構成されている。このブラシ52は、リンクアーム53によって移動可能に支持されており、必要に応じて磁気ヘッド11に当接する。
【0052】
スレッダ機構部55には、リンク機構を備えたスレッダアーム56が回動可能に設置されており、スレッダアーム56の先端には、スレッダピン57が取り付けられている。スレッダアーム56は、スレッダギヤ58の回動に伴って回動する。スレッダ機構部55の天板61には、曲線状の切り欠き62が形成されており、この切り欠き62にはスレッダピン57が摺動自在に嵌合している。したがって、スレッダアーム56を回動させることにより、スレッダピン57が切り欠き62に沿って移動する。
【0053】
図5は、磁気テープ装置1内部の概略平面図であって、磁気テープ装置1にはテープカートリッジ71が装填される。テープカートリッジ71には、ファイルリール16(図1)と、ファイルリール16に巻回された磁気テープ72とが収容されており、磁気テープ72の先端には、リーダブロック73が連結されている。図5のように磁気テープ72をマシンリール13に装着した状態では、リーダブロック73はマシンリール13の中心部に嵌合しており、磁気テープ72は、ローラガイド75〜77に案内されて磁気ヘッド11に対向している。磁気ヘッド11とローラガイド75との間には、クリーナ78が設置されており、磁気ヘッド11とローラガイド76との間には、クリーナ79が設置されている。クリーナ78,79は、磁気テープ72に当接し、磁気テープ72に付着した異物を剥ぎ取る。スレッダモータ81は、スレッダギヤ58を介してスレッダアーム56を回動させる。
【0054】
図6は、磁気テープ72のマシンリール13への装着過程の説明図であって、テープカートリッジ71が磁気テープ装置1に装填されると、リーダブロック73とスレッダピン57とが係合する。そして、スレッダアーム56が回動すると、スレッダピン57が切り欠き62に沿って移動し、これに伴ってリーダブロック73が移動する。これにより磁気テープ72がテープカートリッジ71から引き出され、磁気テープ72が、ローラガイド75、クリーナ78、磁気ヘッド11、クリーナ79、ローラガイド76、およびローラガイド77に順次当接する。さらにスレッダピン57が移動すると、リーダブロック73がマシンリール13の切除部13aを通ってマシンリール13の中心部に収容される。この状態でマシンリール13を回動させると、磁気テープ72がマシンリール13に巻き取られ、磁気テープ72が走行する。もちろん、ファイルリール16からは磁気テープ72が繰り出される。
【0055】
図7は、磁気ヘッド11付近の拡大平面図であって、クリーナ78,79は磁気テープ72の記録面に当接しており、磁気テープ72が走行することによって、磁気テープ72に付着している異物がクリーナ78,79によって剥ぎ取られる。磁気ヘッド11は昇降台82に取り付けられており、モータ12によって昇降台82が昇降することにより、磁気ヘッド11が磁気テープ72の幅方向に移動する。すなわち、磁気テープ72には磁気ヘッド11のチャネル数よりも多数のトラックが形成されており、磁気ヘッド11を磁気テープ72の幅方向に移動させることにより、磁気ヘッド11が磁気テープ72の所望のトラックにアクセス可能になるのである。
【0056】
次に、上記磁気テープ装置1の動作の概略を説明する。磁気テープ装置1の電源が投入されると、磁気テープ装置1の各機構部の診断や初期位置付け動作が行われる。各機構部の診断時に、磁気テープ装置1内のテープカートリッジ71の有無が確認され、テープカートリッジ71が存在する場合は排出動作が行われる。
【0057】
この各機構部の診断や初期位置付け動作時には、磁気ヘッド11にブラシ52が接触している。このブラシ52は、磁気ヘッド11の清掃、および磁気ヘッド11の静電気を放電させる機能を有している。すなわち、磁気テープ72の走行により磁気ヘッド11に静電気が充電されるので、この静電気をブラシ52によって放電させることにより、磁気ヘッド11の静電気による破壊を未然に防いでいる。このため、ブラシ52の材質は、導電性を有する、たとえばカーボンを含有したものが一般的に使用されている。したがって、ブラシ52の固有抵抗すなわち抵抗率にもよるが、磁気ヘッド11とブラシ52とが接触している状態で、磁気ヘッド11のヘッド素子R1にバイアス電流すなわち基準電流を流して抵抗異常検出を行うと、ブラシ52の影響により、ヘッド素子R1の抵抗値が正常範囲であるにも係わらず、抵抗異常検出回路部27が異常検出信号を出力する恐れがある。
【0058】
また、磁気ヘッド10とリードライト回路部26とを結ぶケーブルが部分的に断線した際は、磁気ヘッド10を移動させると、ケーブルの断線部が接触状態とと非接触状態とを繰り返す。
【0059】
したがって、装置機構部診断の際に、磁気ヘッド11とブラシ52とを離間させ、磁気ヘッド11を磁気テープ72の幅方向に往復移動させながら、磁気ヘッド11のヘッド素子R1の抵抗値異常を検出する。これにより、常に抵抗値が異常であれば、磁気ヘッド10の状態が、ケーブルの完全断線などの破損状態あるいは導電性の異物が付着した状態であると判断できる。また、抵抗値が異常と正常とを繰り返す結果になれば、ケーブルなどの接触不良状態であると判断できる。そして、このような検出結果に応じて、ケーブル等の接触不良による装置使用不可通知や、磁気テープ72の代わりにクリーニングテープを収容したクリーニング用テープカートリッジによる清掃要求通知を、上位装置2に提供する。これにより上位装置2が、操作パネルに設けられたディスプレイ画面あるいは表示灯などにより清掃要求通知をオペレータに報知する。
【0060】
清掃要求通知により、クリーニングテープによる磁気ヘッド11のクリーニングが行われた後、再度、磁気ヘッド11とブラシ52とを離間させた状態で、磁気ヘッド11を磁気テープ72の幅方向に往復移動させながら、磁気ヘッド11のヘッド素子R1の抵抗値異常を検出する。これにより、常に抵抗値が異常であれば、磁気ヘッド10の状態が、導電性の異物が付着した状態ではなく、破損状態であると判断できる。この検出結果に応じて、破損による装置使用不可通知を上位装置2に提供する。これにより上位装置2は、破損による装置使用不可通知をオペレータに報知する。
【0061】
上記の装置初期診断時に、クリーニングテープによる清掃要求通知を報知したにも拘らず、クリーニングテープによる清掃が行われずに磁気テープ装置1にテープカートリッジ71が装填される場合もある。そこで、磁気テープ装置1にテープカートリッジ71が装填されたときにも、磁気ヘッド11の状態を検査し、異常状態を報知するとともに、可能な限りリカバリを試みる。
【0062】
クリーニングテープではない通常の磁気テープ72においても、研磨剤が含有されており、磁気ヘッド11に磁気テープ72を接触させながら走行させることにより、若干の研磨効果が得られる。
【0063】
そこで、磁気テープ装置1にテープカートリッジ71が装填され、上位装置2に装填完了通知を発行する前に、すなわち実データのリード/ライト前に、磁気テープ72を一定距離だけ繰り返し往復走行させることで、磁気テープ72の非データ領域を磁気ヘッド11に接触させ、磁気ヘッド11に付着した導電性の異物を除去する。
【0064】
サーペンタイン記録再生方式の磁気テープ72は、磁気テープ72の始端部付近および終端部付近に生じるプリント・スルーすなわち段差によるデータの転写現象を避けるために、磁気テープ72の先端及び終端からそれぞれ数m程度の区間に非データ領域を設けている。異物の除去を目的とした磁気テープ72の加減速繰り返しを非データ領域を利用して行うことにより、データ領域を保護する。
【0065】
これにより、クリーニングテープを用いることなく、磁気ヘッド11に付着した導電性の異物を除去することができる。しかも、磁気テープ72の非データ領域を利用することから、データ領域の耐久性に影響を及ぼすことがない。
【0066】
以上のような、磁気テープ装置1の電源オン時、および磁気テープ装置1へのテープカートリッジ71の装填時の検査では、磁気ヘッド11に非導電性の異物が付着していることを検出できない。また、磁気テープ装置1へのテープカートリッジ71の装填後に磁気ヘッド11に不具合が発生する場合もある。そこで、データのリード/ライト・オペレーション実行中に、データトラックもしくはサーボトラックからの出力のドロップアウトが生じた場合、ヘッド素子R1の抵抗異常を検出する。
【0067】
トラック出力のドロップアウトは、リードデータの異常により検出される。このようなドロップアウトは、磁気テープ72の傷や、磁気テープ72あるいは磁気ヘッド11への非導電性の異物の付着により発生する。磁気テープ72の傷もしくは異物の付着が原因の場合、磁気テープ72の走行を続行することで、サーボ・トラック出力は復旧する。この際、リード・オペレーション中はECC(error checking and correction) 処理すなわち誤り訂正符号処理を実行することにより、データは保証される。また、ライト・オペレーション中は、SMDmark(the servo demark mark) 処理、すなわち磁気テープ72の異常の発生した領域を除いて記録する処理を実行する。磁気テープ72の走行を続行してもトラック出力が改善されない場合は、磁気ヘッド11への非導電性の異物の付着であると判断できる。
【0068】
また、ヘッド素子R1の抵抗値異常は、磁気ヘッド11への導電性の異物の付着、あるいは磁気ヘッド11の破損により発生する。この場合、たとえばデータのリード/ライト・オペレーションを中断し、磁気テープ72もしくはクリーニングテープにより磁気ヘッド11を研磨清掃した結果、リードデータのドロップアウトが無くなれば、磁気ヘッド11に導電性の異物が付着していたと判断でき、無くならなければ、磁気ヘッド11の破損であると判断できる。
【0069】
データのリード・オペレーション実行中に磁気テープ72の傷やゴミ、あるいは磁気ヘッド11への非導電性の異物の付着によりトラックの再生異常を検出した際には、オペレーションを中断し、磁気テープ72の張力をアップさせ、再オペレーションすなわち磁気テープ72の再位置付けおよびリードの再試行を実行する。磁気テープ72の張力をアップさせることで、クリーナ78,79と磁気テープ72との間、および磁気ヘッド11と磁気テープ72との間の研磨効果を向上させて、オペレーション復旧を試みる。
【0070】
このような磁気テープ72の張力アップによる再試行によっても異常を検出する場合、および、データのライト・オペレーション実行中に磁気テープ72の走行の続行によってもトラック出力が改善できない場合は、磁気ヘッド11への非導電性の異物の付着に起因するので、ブラシ・クリーニングを実行した後、再オペレーションを実行する。なお、磁気テープ72の走行の続行によってトラック出力が復帰する際は、磁気テープ72の傷あるいは異物が原因であるので、ライト・オペレーションでは、この領域を除いてオペレーションを実行する。
【0071】
ヘッド素子R1の抵抗値異常の場合、磁気ヘッド11への導電性の異物の付着、磁気ヘッド11の破損あるいは接触不良が原因である。そこで、オペレーションを中断し、磁気テープ72の張力をアップさせ、磁気テープ72の加減速を繰り返すことにより、クリーナ78,79と磁気テープ72との間、および磁気ヘッド11と磁気テープ72との間の研磨効果を向上させ、抵抗値異常の解消を試みる。このようなリカバリによっても抵抗値異常を解消できない場合は、オペレーション不可である旨と、クリーニングテープによるヘッド清掃が必要である旨とを上位装置2に通知する。これにより上位装置2が、それをオペレータに報知する。また、クリーニングテープによっても改善が得られない場合は、磁気ヘッド11の破損による装置使用不可を上位装置2に通知する。これにより上位装置2が、それをオペレータに報知する。
【0072】
次に、上記各動作の実現手法の概略について、プロセッサ部21による処理手順を記したフローチャートを参照しながら説明する。
【0073】
図8は、磁気テープ装置1の電源オン時の処理手順を説明するフローチャートであって、磁気テープ装置1の電源がオンされると、プロセッサ部21が、先ず磁気テープ装置1の各機構部の診断など、磁気ヘッド11の不具合の検出とは別の処理を実行する(S1)。
【0074】
次にプロセッサ部21が、スレッダ機構部55をFWD動作させる(S2)。すなわち、スレッダモータ81を駆動させることにより、スレッダアーム56を回動させ、スレッダピン57を切り欠き62に沿ってテープカートリッジ71側からマシンリール13側へと移動させる。ただし、いまは磁気テープ装置1にテープカートリッジ71が装填されていないので、テープカートリッジ71のリーダブロック73がマシンリール13に装着されることはない。これにより、磁気ヘッド11とブラシ52とが離間して非接触になる。
【0075】
次にプロセッサ部21が、抵抗値異常検出の準備処理を行う(S3)。すなわち、ヘッド素子R1の抵抗値異常検出回数をカウントするMR異常検出カウンタを初期化する。また、第1タイマおよび第2タイマを初期化する。また、磁気ヘッド11の往復移動回数をカウントするMRヘッド動作カウンタを初期化する。また、抵抗異常検出回路部27の定電流回路41から磁気ヘッド11のヘッド素子R1への基準電流すなわちバイアス電流をセットする。MR異常検出カウンタ、第1タイマ、第2タイマ、およびMRヘッド動作カウンタは、計測部25に設けられている。
【0076】
次にプロセッサ部21が、第2タイマによる計時時間が予め決められた所定値B以上になったか否かを判断する(S4)。
【0077】
第2タイマによる計時時間がB以上であれば(S4:YES)、プロセッサ部21が、ヘッド素子R1の抵抗値の異常が検出されたか否かを判断する(S5)。すなわち、プロセッサ部21が、抵抗異常検出回路部27の電圧比較回路43からの異常検出信号がアサートされているか否かを調べる。
【0078】
抵抗値の異常が検出されれば(S5:YES)、プロセッサ部21が、MR異常検出カウンタをインクリメントする(S6)。
【0079】
次にプロセッサ部21が、第2タイマを初期化する(S7)。
【0080】
次にプロセッサ部21が、第1タイマによる計時時間が予め決められた所定値A以上になったか否かを判断する(S8)。
【0081】
第1タイマによる計時時間がA以上であれれば(S8:YES)、プロセッサ部21が、第1タイマによる計時時間が2A以上になったか否かを判断する(S9)。
【0082】
第1タイマによる計時時間が2A以上であれれば(S9:YES)、プロセッサ部21が、MRヘッド動作カウンタをインクリメントする(S10)。
【0083】
次にプロセッサ部21が、MRヘッド動作カウンタのカウント値が予め決められたC以上であるか否かを判断する(S11)。
【0084】
MRヘッド動作カウンタのカウント値がC以上であれば(S11:YES)、プロセッサ部21が、モータ12を制御して磁気ヘッド11の磁気テープ72幅方向の移動を停止させる(S12)。
【0085】
次にプロセッサ部21が、スレッダ機構部55をBWD動作させる(S13)。すなわち、スレッダモータ81を駆動させることにより、スレッダアーム56を回動させ、スレッダピン57を切り欠き62に沿ってマシンリール13から遠ざかる方向に移動させる。
【0086】
次にプロセッサ部21が、MR異常検出カウンタによるカウント値が予め決められた値D以上であるか否かを判断する(S14)。
【0087】
MR異常検出カウンタによるカウント値がD以上でなければ(S14:NO)、プロセッサ部21が、MR異常検出カウンタによるカウント値が予め決められた値であってDよりも小さいE以上であるか否かを判断する(S15)。
【0088】
MR異常検出カウンタによるカウント値がE以上でなければ(S15:NO)、抵抗値異常検出の結果磁気ヘッド11に異常が認められなかったということなので、プロセッサ部21が、導電性の異物が磁気ヘッド11に付着していることを表す導電性ゴミ付着情報をリセットして(S16)、このルーチンを終了する。導電性ゴミ付着情報は、RAM23に記憶されている。
【0089】
ステップS15において、MR異常検出カウンタによるカウント値がE以上であれば(S15:YES)、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11の接触不良である旨のエラー通知を行ない(S17)、このルーチンを終了する。エラー通知は、上位装置2に対して行われる。これにより上位装置2は、ディスプレイ画面や表示灯などによりエラー通知をオペレータに報知する。
【0090】
ステップS14において、MR異常検出カウンタによるカウント値がD以上であれば(S14:YES)、プロセッサ部21が、導電性ゴミ付着情報をセットする(S18)。
【0091】
次にプロセッサ部21が、クリーニング要求を通知し(S19)、このルーチンを終了する。クリーニング要求は、クリーニングテープによって磁気ヘッド11をクリーニングすべき旨の上位装置2への通知であって、これはディスプレイ画面や表示灯などにより磁気テープ装置1のオペレータに報知される。
【0092】
ステップS11において、MRヘッド動作カウンタのカウント値がC以上でなければ(S11:NO)、プロセッサ部21が、第1タイマを初期化し(S20)、ステップS4に戻る。
【0093】
ステップS9において、第1タイマによる計時時間が2A以上でなければ(S9:NO)、プロセッサ部21が、モータ12を制御して、磁気ヘッド11の磁気テープ72幅方向一方側への駆動を開始し(S21)、ステップS4に戻る。
【0094】
ステップS8において、第1タイマによる計時時間がA以上でなければ(S8:NO)、プロセッサ部21が、モータ12を制御して、磁気ヘッド11を磁気テープ72幅方向他方側への駆動を開始し(S22)、ステップS4に戻る。
【0095】
ステップS5において、抵抗値の異常が検出されていなければ(S5:NO)、ステップS7に進む。
【0096】
ステップS4において、第2タイマによる計時時間がB以上でなければ(S4:NO)、ステップS7に進む。
【0097】
このように、磁気ヘッド11を磁気テープ72幅方向に往復移動させながら、所定の時間B毎にヘッド素子R1の抵抗値が異常であるかどうかを診断する。磁気ヘッド11の往復動作の周期は所定の時間Aで決定され、往復動作の回数は所定の値Cで決定される。磁気ヘッド11に導電性の異物が付着している場合は、磁気ヘッド11を往復動作させても常に抵抗値の異常が検出されるため、異常検出カウンタのカウント値がD以上になることで認識できる。このため、導電性の異物が付着している旨と、異物の除去のためのクリーニング要求を上位装置2およびオペレータに知らせることが可能となる。
【0098】
磁気ヘッド11のケーブルの部分断線などによる接触不良の場合は、磁気ヘッド11を往復移動させることにより、不良箇所が接触と非接触とを繰り返すので、ヘッド素子R1の抵抗値も異常と正常とを繰り返すことになる。したがって、異常検出カウンタのカウント値がDよりも小さいE以上になることで認識できる。このため、磁気ヘッド11の接触不良を上位装置2およびオペレータに知らせることが可能となる。
【0099】
図9および図10は、磁気テープ装置1へのテープカートリッジ71の装填時の処理手順を説明するフローチャートであって、磁気テープ装置1にテープカートリッジ71が挿入されると、プロセッサ部21が、先ずローダダウン処理を行う(S31)。すなわち、テープカートリッジ71を引き込んで磁気テープ装置1内の所定の位置に位置決めする。
【0100】
次に、プロセッサ部21が、スレッダ機構部55をFWD動作させる(S32)。すなわち、スレッダモータ81を駆動させることにより、スレッダアーム56を回動させ、スレッダピン57を切り欠き62に沿ってテープカートリッジ71側からマシンリール13側へと移動させる。これにより、テープカートリッジ71のリーダブロック73がマシンリール13に装着され、磁気ヘッド11と磁気テープ72とが対向する。また、磁気ヘッド11とブラシ52とが離間して非接触になる。
【0101】
次に、プロセッサ部21が、媒体初期径算出処理を行う(S33)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気テープ72を所定距離走行させ、そのときのマシンリール13の回転回数をロータリーエンコーダ15からの信号に基づいて演算し、その結果を用いてファイルリール16に巻回されている磁気テープ72の外径を演算する。これは、磁気テープ72を所定の速度で走行させるための定数を演算するのに用いるためである。
【0102】
次に、プロセッサ部21が、導電性ゴミ付着情報がセットされているか否かを判断する(S34)。すなわち、プロセッサ部21が、RAM23に導電性ゴミ付着情報が記憶されているかどうかを調べる。
【0103】
導電性ゴミ付着情報がセットされていれば(S34:YES)、プロセッサ部21が、クリーニング初期処理を行う(S35)。すなわち、プロセッサ部21が、媒体走行カウンタを初期化する。また、プロセッサ部21が、MRヘッド駆動方向フラグを初期化する。媒体走行カウンタは、磁気テープ72の往復走行回数をカウントするためのカウンタであって、計測部25に備えられている。MRヘッド駆動方向フラグは、磁気ヘッド11を磁気テープ72幅方向のいずれの方向に移動させたかを表すフラグであって、RAM23に記憶されている。MRヘッド駆動方向フラグは、初期化によりたとえば「DOWN」にセットされる。
【0104】
次にプロセッサ部21が、MRヘッド駆動方向フラグが「UP」にセットされているか否かを判断する(S36)。
【0105】
MRヘッド駆動方向フラグが「UP」にセットされていなければ(S36:NO)、すなわち「DOWN」にセットされていれば、プロセッサ部21が、モータ12を制御して磁気ヘッド11を上方向すなわち磁気テープ72幅方向一方側に移動させる(S37)。
【0106】
次にプロセッサ部21が、MRヘッド駆動方向フラグを「UP」にセットする(S38)。
【0107】
次にプロセッサ部21が、媒体FWD加速処理を行う(S39)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を正方向に走行させ、その走行速度を次第に速くさせる。
【0108】
次にプロセッサ部21が、媒体FWD定速処理を行う(S40)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行速度を一定にさせる。
【0109】
次にプロセッサ部21が、磁気テープ72が一定距離走行したか否かを判断する(S41)。具体的には、プロセッサ部21が、磁気テープ72の走行時間を計測部25に備えられているタイマに計時させ、その計時時間が予め決められた所定時間に達したかどうかを調べる。
【0110】
磁気テープ72が一定距離走行していれば(S41:YES)、プロセッサ部21が、媒体FWD減速処理を行う(S42)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行を停止させるべく、その走行速度を次第に遅くさせる。
【0111】
次にプロセッサ部21が、媒体BWD加速処理を行う(S43)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を逆方向に走行させ、その走行速度を次第に速くさせる。
【0112】
次にプロセッサ部21が、媒体BWD定速処理を行う(S44)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行速度を一定にさせる。
【0113】
次にプロセッサ部21が、磁気テープ72が一定距離走行したか否かを判断する(S45)。具体的には、プロセッサ部21が、磁気テープ72の走行時間を計測部25に備えられているタイマに計時させ、その計時時間が予め決められた所定時間に達したかどうかを調べる。
【0114】
磁気テープ72が一定距離走行していれば(S45:YES)、プロセッサ部21が、媒体BWD減速処理を行う(S46)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行速度を次第に遅くさせ、停止させる。
【0115】
次にプロセッサ部21が、媒体走行カウンタをインクリメントする(S47)。
【0116】
次にプロセッサ部21が、媒体走行カウンタによるカウント値が予め決められた所定値F以上であるか否かを判断する(S48)。
【0117】
媒体走行カウンタによるカウント値がF以上であれば(S48:YES)、プロセッサ部21が、抵抗値異常検出の準備処理を行う(S49)。すなわち、プロセッサ部21が、MR異常検出カウンタを初期化する。また、プロセッサ部21が、第1タイマおよび第2タイマを初期化する。また、プロセッサ部21が、抵抗異常検出回路部27の定電流回路41から磁気ヘッド11のヘッド素子R1への基準電流すなわちバイアス電流をセットする。
【0118】
次にプロセッサ部21が、第2タイマによる計時時間が予め決められた所定値B以上になったか否かを判断する(S50)。
【0119】
第2タイマによる計時時間がB以上であれば(S50:YES)、プロセッサ部21が、ヘッド素子R1の抵抗値の異常が検出されたか否かを判断する(S51)。すなわち、プロセッサ部21が、抵抗異常検出回路部27の電圧比較回路43からの異常検出信号がアサートされているか否かを調べる。
【0120】
抵抗値の異常が検出されれば(S51:YES)、プロセッサ部21が、MR異常検出カウンタをインクリメントする(S52)。
【0121】
次にプロセッサ部21が、第2タイマを初期化する(S53)。
【0122】
次にプロセッサ部21が、第1タイマによる計時時間が予め決められた所定時間G以上であるか否かを判断する(S54)。
【0123】
第1タイマによる計時時間がG以上であれば(S54:YES)、プロセッサ部21が、MR異常検出カウンタによるカウント数が予め決められた所定値H以上であるか否かを判断する(S55)。
【0124】
MR異常検出カウンタによるカウント数がH以上でなければ(S55:NO)、プロセッサ部21が、データ領域位置付け処理を行う(S56)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して磁気テープ72を走行させ、磁気テープ72のデータ領域部分の所定位置を磁気ヘッド11に対向させる。
【0125】
次にプロセッサ部21が、MRヘッド位置付け処理を行う(S57)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ12を制御して、磁気ヘッド11を磁気テープ72の幅方向に移動させ、磁気ヘッド11を磁気テープ72の所定のトラックに対向させる。そして、上位装置2にオペレーション待機(Ready)を通知する。
【0126】
次にプロセッサ部21が、RAM23に記憶されている導電性ゴミ付着情報をリセットして(S58)、このルーチンを終了する。
【0127】
ステップS55において、MR異常検出カウンタによるカウント数がH以上であれば(S55:YES)、プロセッサ部21が、上位装置2に対してエラー通知を行ない(S59)、このルーチンを終了する。
【0128】
ステップS54において、第1タイマによる計時時間がG以上でなければ(S54:NO)、ステップS50に戻る。
【0129】
ステップS51において、抵抗値の異常が検出されなければ(S51:NO)、ステップS53に進む。
【0130】
ステップS50において、第2タイマによる計時時間がB以上でなければ(S50:NO)、ステップS53に進む。
【0131】
ステップS48において、媒体走行カウンタによるカウント値がF以上でなければ(S48:NO)、ステップS36に戻る。
【0132】
ステップS45において、磁気テープ72が一定距離走行していなければ(S45:NO)、ステップS44に戻って磁気テープ72の走行を継続させる。
【0133】
ステップS41において、磁気テープ72が一定距離走行していなければ(S41:NO)、ステップS40に戻って磁気テープ72の走行を継続させる。
【0134】
ステップS36において、MRヘッド駆動方向フラグが「UP」にセットされていれば(S36:YES)、プロセッサ部21が、モータ12を制御して磁気ヘッド11を下方向すなわち磁気テープ72幅方向他方側に移動させる(S61)。
【0135】
次にプロセッサ部21が、MRヘッド駆動方向フラグを「DOWN」にセットして(S62)、ステップS39に進む。
【0136】
ステップS34において、導電性ゴミ付着情報がセットされていなければ(S34:NO)、ステップS56に進む。
【0137】
このように、RAM23に導電性ゴミ付着情報が記憶されていれば、磁気テープ72を所定回数往復走行させることで、磁気テープ72の非データ領域による研磨効果を利用して、磁気ヘッド11に付着している導電性の異物を除去できる。
【0138】
また、磁気テープ72の1回の往復走行毎に、磁気ヘッド11を磁気テープ72の幅方向に移動させるので、磁気ヘッド11をむら無く均一に研磨できる。
【0139】
図11〜図16は、データのリード/ライト・オペレーションにおける処理手順を説明するフローチャートであって、データのリード/ライト・オペレーションにおいては、先ずプロセッサ部21が、抵抗値異常検出の準備処理を行う(S71)。すなわち、ヘッド素子R1の抵抗値異常検出回数をカウントするMR異常検出カウンタを初期化する。また、第2タイマを初期化する。また、抵抗異常検出回路部27の定電流回路41から磁気ヘッド11のヘッド素子R1への基準電流すなわちバイアス電流をセットする。また、リトライ回数をカウントするリトライカウンタを初期化する。MR異常検出カウンタ、第2タイマ、およびリトライカウンタは、計測部25に設けられている。
【0140】
次にプロセッサ部21が、ポジジョニング処理を開始する(S72)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して磁気テープ72を走行させ、磁気テープ72の長さ方向の所望位置を磁気ヘッド11に対向させる。
【0141】
次にプロセッサ部21が、第1MR抵抗監視処理を行う(S73)。すなわち、磁気ヘッド11のヘッド素子R1の抵抗値が正常範囲を逸脱しているかどうかを調べる。この第1MR抵抗監視処理の詳細については、後述する。
【0142】
次にプロセッサ部21が、エラーであるか否かを判断する(S74)。すなわち、ステップS73の第1MR抵抗監視処理の結果、異常が検出されたかどうかを調べる。
【0143】
エラーでなければ(S74:NO)、プロセッサ部21が、媒体加速処理を行う(S75)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行を開始させ、所定の走行速度になるように加速させる。
【0144】
次にプロセッサ部21が、加速処理が終了したか否かを判断する(S76)。
【0145】
加速処理が終了していれば(S76:YES)、プロセッサ部21が、第1MR抵抗監視処理を行う(S77)。
【0146】
次にプロセッサ部21が、エラーであるか否かを判断する(S78)。すなわち、ステップS77の第1MR抵抗監視処理の結果、異常が検出されたかどうかを調べる。
【0147】
エラーでなければ(S78:NO)、プロセッサ部21が、媒体定速処理を行う(S79)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を所定の走行速度で安定して走行させる。
【0148】
次にプロセッサ部21が、データ処理開始位置であるか否かを判断する(S80)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気テープ72の長さ方向の位置であってデータをリードあるいはライトする位置が磁気ヘッド11に対向したかどうかを調べる。
【0149】
データ処理開始位置であれば(S80:YES)、プロセッサ部21が、上位装置2に対してオペレーション開始を通知する(S81)。
【0150】
次にプロセッサ部21が、導電性ゴミ付着通知済であるか否かを判断する(S82)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11に導電性の異物が付着していることを上位装置2に既に通知しているかどうかを、RAM23の記憶内容によって調べる。
【0151】
導電性ゴミ付着通知済でなければ(S82:NO)、プロセッサ部21が、第1MR抵抗監視処理を行う(S83)。
【0152】
次にプロセッサ部21が、エラーであるか否かを判断する(S84)。すなわち、ステップS83の第1MR抵抗監視処理の結果、異常が検出されたかどうかを調べる。
【0153】
エラーでなければ(S84:NO)、プロセッサ部21が、媒体定速処理を行う(S85)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を所定の走行速度で安定して走行させる。
【0154】
次にプロセッサ部21が、停止命令があったか否かを判断する(S86)。すなわち、プロセッサ部21が、上位装置2から停止命令が供給されたかどうかを調べる。
【0155】
停止命令があれば(S86:YES)、プロセッサ部21が、減速処理を行う(S87)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行を停止させるべく、走行速度を減速させる。
【0156】
次にプロセッサ部21が、減速処理が終了したか否かを判断し(S88)、減速処理が終了すれば(S88:YES)、このルーチンを終了する。
【0157】
ステップS88において、減速処理が終了していなければ(S88:NO)、ステップS87に戻って減速処理を継続する。
【0158】
ステップS86において、停止命令がなければ(S86:NO)、ステップS83に戻る。
【0159】
ステップS84において、エラーであれば(S84:YES)、プロセッサ部21が、導電性ゴミ付着を上位装置2に通知し(S89)、ステップS82に戻る。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11に導電性の異物が付着している旨を上位装置2に通知するとともに、それをRAM23に記憶させる。
【0160】
ステップS82において、導電性ゴミ付着通知済であれば(S82:YES)、ステップS85に進む。
【0161】
ステップS80において、データ処理開始位置でなければ(S80:NO)、ステップS77に戻る。
【0162】
ステップS78において、エラーであれば(S78:YES)、プロセッサ部21が、導電性ゴミ付着情報をメモする(S91:YES)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11に導電性の異物が付着している旨の情報をRAM23に記憶させる。
【0163】
次にプロセッサ部21が、減速処理を行う(S92)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行を停止させるべく、走行速度を減速させる。
【0164】
次にプロセッサ部21が、減速処理が終了したか否かを判断する(S93)。
【0165】
減速処理が終了すれば(S93:YES)、プロセッサ部21が、リトライカウンタをインクリメントする(S94)。
【0166】
次にプロセッサ部21が、リトライカウンタのカウント値が予め決められた所定の値I以上であるか否かを判断する(S95)。
【0167】
リトライカウンタのカウント値がI以上でなければ(S95:NO)、プロセッサ部21が、FWD加速処理を行う(S96)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の正方向の走行を開始させ、所定の走行速度になるように加速させる。
【0168】
次にプロセッサ部21が、FWD加速処理が終了したか否かを判断する(S97)。
【0169】
FWD加速処理が終了していれば(S97:YES)、プロセッサ部21が、FWD定速処理を行う(S98)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を正方向に所定の走行速度で安定して走行させる。
【0170】
次にプロセッサ部21が、一定区間走行したか否かを判断する(S99)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気テープ72が磁気ヘッド11の両側に位置するクリーナ78,79を跨ぐ以上の所定距離走行したかどうかを調べる。
【0171】
一定区間走行していれば(S99:YES)、プロセッサ部21が、FWD減速処理を行う(S100)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を停止させるべく走行速度を減速させる。
【0172】
次にプロセッサ部21が、FWD減速処理が終了したか否かを判断し(S101)、FWD減速処理が終了していれば(S101:YES)、ステップS72に戻る。
【0173】
ステップS101において、FWD減速処理が終了していなければ(S101:NO)、ステップS100に戻ってFWD減速処理を継続する。
【0174】
ステップS99において、一定区間走行していなければ(S99:NO)、ステップS98に戻ってFWD定速処理を継続する。
【0175】
ステップS97において、FWD加速処理が終了していなければ(S97:NO)、ステップS96に戻ってFWD加速処理を継続する。
【0176】
ステップS95において、リトライカウンタのカウント値がI以上であれば(S95:YES)、プロセッサ部21が、導電性ゴミ付着情報の有無を判断する(S102)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11に導電性の異物が付着している旨の情報がRAM23に記憶されているかどうかを調べる。
【0177】
導電性ゴミ付着情報があれば(S102:YES)、プロセッサ部21が、導電性ゴミ付着情報を通知し(S103)、このルーチンを終了する。すなわち、プロセッサ部21が、上位装置2に対して磁気ヘッド11に導電性の異物が付着している旨の情報を通知する。
【0178】
ステップS102において、導電性ゴミ付着情報が無ければ(S102:NO)、プロセッサ部21が、非導電性ゴミ付着情報を通知し(S104)、ステップS72に戻る。すなわち、プロセッサ部21が、上位装置2に対して磁気ヘッド11に非導電性の異物が付着している旨の情報を通知する。
【0179】
ステップS93において、減速処理が終了していなければ(S93:NO)、ステップS92に戻って減速処理を継続する。
【0180】
ステップS76において、加速処理が終了していなければ(S76:NO)、ステップS73に戻る。
【0181】
ステップS74において、エラーであれば(S74:YES)、ステップS91に進む。
【0182】
図14は、第1MR抵抗監視処理の詳細な手順を説明するフローチャートであって、第1MR抵抗監視処理においては、先ずプロセッサ部21が、第2タイマの計時時間が予め決められたB時間を経過しているか否かを判断する(ステップS111)。
【0183】
第2タイマの計時時間がB時間を経過していれば(ステップS111:YES)、プロセッサ部21が、MR抵抗異常が検出されたか否かを判断する(ステップS112)。すなわち、プロセッサ部21が、抵抗異常検出回路部27の電圧比較回路43からの異常検出信号がアサートされているか否かを調べる。
【0184】
抵抗値の異常が検出されれば(S112:YES)、プロセッサ部21が、MR異常検出カウンタをインクリメントする(S113)。
【0185】
次にプロセッサ部21が、MR異常検出カウンタのカウント値が予め決められた値E以上であるか否かを判断する(S114)。
【0186】
MR異常検出カウンタのカウント値がE以上でなければ(S114:NO)、プロセッサ部21が、第2タイマを初期化して(S115)、第1MR抵抗監視処理を終了する。
【0187】
ステップS114において、MR異常検出カウンタのカウント値がE以上であれば(S114:YES)、エラー終了する。
【0188】
ステップS112において、抵抗値の異常が検出されなければ(S112:NO)、ステップS115に進む。
【0189】
ステップS111において、第2タイマの計時時間がB時間を経過していなければ(ステップS111:NO)、ステップS115に進む。
【0190】
なお、図11のステップS75における媒体加速処理に並行して、割込処理によって、プロセッサ部21が、MRヘッドシーク処理を行う。すなわち、プロセッサ部21が、モータ12を制御して磁気ヘッド11を磁気テープ72の幅方向に移動させ、磁気テープ72の幅方向の目的位置近傍に位置付ける。
【0191】
図15は、図11のステップS79における媒体定速処理に並行して、割込処理によって実行される非導電性ゴミ検出処理の手順を説明するフローチャートである。
【0192】
非導電性ゴミ検出処理においては、先ずプロセッサ部21が、MRヘッド・トラック・フォロー処理を行う(ステップS121)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11によって再生される磁気テープ72のサーボトラック情報に基づいてモータ12を制御し、フィードバック制御により磁気ヘッド11を磁気テープ72の幅方向の目的位置に正確に位置付ける。
【0193】
次にプロセッサ部21が、導電性ゴミ付着情報の有無を判断する(S122)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11に導電性の異物が付着している旨の情報がRAM23に記憶されているかどうかを調べる。
【0194】
導電性ゴミ付着情報がなければ(S122:NO)、プロセッサ部21が、サーボトラックの認識が正常に行われたか否かを判断する(S123)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11によって再生される磁気テープ72のサーボトラックからのデータが正常に認識可能であったかどうかを調べる。
【0195】
サーボトラックの認識が正常に行われなければ(S123:NO)、プロセッサ部21が、非導電性ゴミ付着情報をメモし(S124)、ステップS92に進む。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11に非導電性の異物が付着している旨の情報をRAM23に記憶させる。
【0196】
ステップS123において、サーボトラックの認識が正常に行われれば(S123:YES)、ステップS121に戻る。
【0197】
ステップS122において、導電性ゴミ付着情報があれば(S122:YES)、ステップS121に戻る。
【0198】
図16は、図12のステップS85における媒体定速処理に並行して、割込処理によって実行される非導電性ゴミ検出処理の手順を説明するフローチャートである。
【0199】
非導電性ゴミ検出処理においては、先ずプロセッサ部21が、MRヘッド・トラック・フォロー処理を行う(ステップS131)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11によって再生される磁気テープ72のサーボトラック情報に基づいてモータ12を制御し、フィードバック制御により磁気ヘッド11を磁気テープ72の幅方向の目的位置に正確に位置付ける。
【0200】
次にプロセッサ部21が、非導電性ゴミ付着情報を既に通知したか否かを判断する(S132)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11に非導電性の異物が付着している旨の情報を上位装置2に既に通知しているかどうかを調べる。
【0201】
非導電性ゴミ付着情報を通知していなければ(S132:NO)、プロセッサ部21が、サーボトラックの認識が正常に行われたか否かを判断する(S133)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11によって再生される磁気テープ72のサーボトラックからのデータが正常に認識可能であったかどうかを調べる。
【0202】
サーボトラックの認識が正常に行われなければ(S133:NO)、プロセッサ部21が、非導電性ゴミ付着情報を通知し(S134)、ステップS131に戻る。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11に非導電性の異物が付着している旨の情報を上位装置2に通知する。
【0203】
ステップS133において、サーボトラックの認識が正常に行われれば(S133:YES)、ステップS131に戻る。
【0204】
ステップS132において、非導電性ゴミ付着情報を通知していれば(S132:YES)、ステップS131に戻る。
【0205】
このように、磁気ヘッド11に導電性の異物が付着した場合、磁気ヘッド11のヘッド素子R1の抵抗値により検出可能である。また、磁気ヘッド11に非導電性の異物が付着した場合、磁気ヘッド11により磁気テープ72のサーボ・トラックが読めなくなることで認識可能である。また、上位装置2に対してオペレーション開始通知を促す前に、磁気ヘッド11に異物が付着していることを検出した場合、磁気ヘッド11の両側に位置するクリーナ78,79を跨ぐ距離以上の一定距離だけ、磁気テープ72の走行を繰り返すことにより、磁気テープ72の研磨効果とクリーナ78,79の研磨効果とを利用して磁気ヘッド11に付着した異物を除去できる。すなわち、磁気テープ72の研磨効果により磁気ヘッド11に付着した異物を剥ぎ取り、それにより磁気テープ72に付着した異物をクリーナ78,79により剥ぎ取るのである。また、上位装置2に対してオペレーション開始通知を促した後に、磁気ヘッド11に異物が付着していることを検出した場合、上位装置2に対して通常のリカバリを促す。これにより上位装置2が、データのバッファへの吐出しや吸い上げを中断し、プロセッサ部21から通知されたゴミ情報に基づいて、データの読み飛ばし、書き飛ばし、クリーニング動作、あるいはブラシ52によるクリーニングを、選択的に実行すべき旨をプロセッサ部21に指示する。
【0206】
なお、上記実施形態においては、リード/ライトオペレーション実行中であって上位装置2に対してオペレーション開始通知を促す前に、磁気ヘッド11に異物が付着していることを検出した場合、磁気テープ72のデータ領域を利用して磁気ヘッド11のクリーニングを行ったが、磁気テープ72の非データ領域を利用して磁気ヘッド11のクリーニングを行ってもよい。
【0207】
図17および図18は、磁気テープ72の非データ領域を利用して磁気ヘッド11のクリーニングを行うゴミ付着リカバリ処理の手順を説明するフローチャートである。
【0208】
このゴミ付着リカバリ処理に際しては、先ずプロセッサ部21が、BOT(begin of tape) 位置近傍であるか否かを判断する(S141)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11に対向している磁気テープ72の長さ方向の位置が、長さ方向中央よりも始端に近いかどうかを調べる。
【0209】
BOT位置近傍でなければ(S141:NO)、すなわち磁気ヘッド11に対向している磁気テープ72の長さ方向の位置が、長さ方向中央よりも終端に近ければ、プロセッサ部21が、媒体末尾の非データ領域へ移動させる(S142)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御し、磁気テープ72を正方向に走行させて、磁気テープ72の終端近傍の非データ領域を磁気ヘッド11に対向させる。
【0210】
次にプロセッサ部21が、抵抗値異常検出の準備処理を行う(S143)。すなわち、磁気テープ72の往復走行回数をカウントする媒体走行カウンタを初期化する。また、磁気ヘッド11の磁気テープ72幅方向への移動方向を表すMRヘッド駆動方向フラグを初期化する。また、ヘッド素子R1の抵抗値異常検出回数をカウントするMR異常検出カウンタを初期化する。また、第1タイマおよび第2タイマを初期化する。また、磁気ヘッド11の往復移動回数をカウントするMRヘッド動作カウンタを初期化する。また、抵抗異常検出回路部27の定電流回路41から磁気ヘッド11のヘッド素子R1への基準電流すなわちバイアス電流をセットする。媒体走行カウンタ、MR異常検出カウンタ、第1タイマ、および第2タイマは、計測部25に設けられている。MRヘッド駆動方向フラグは、RAM23に記憶されている。
【0211】
次にプロセッサ部21が、媒体FWD加速処理を行う(S144)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を正方向に走行させ、その走行速度を次第に速くさせる。
【0212】
次にプロセッサ部21が、媒体FWD定速処理を行う(S145)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行速度を一定にさせる。
【0213】
次にプロセッサ部21が、磁気テープ72が一定距離走行したか否かを判断する(S146)。具体的には、プロセッサ部21が、磁気テープ72の走行時間を計測部25に備えられているタイマに計時させ、その計時時間が予め決められた所定時間に達したかどうかを調べる。
【0214】
磁気テープ72が一定距離走行していなければ(S146:NO)、プロセッサ部21が、第2MR抵抗監視処理を行う(S147)。この第2MR抵抗監視処理については、後述する。
【0215】
次にプロセッサ部21が、正常終了したか否かを判断する(S148)。すなわち、プロセッサ部21が、ステップS147の第2MR抵抗監視処理において異常が検出されなかったかどうかを調べる。
【0216】
正常終了していれば(S148:YES)、プロセッサ部21が、媒体FWD減速処理を行う(S149)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を停止させるべく、磁気テープ72の走行速度を次第に遅くさせる。
【0217】
次にプロセッサ部21が、ポジショニング処理を行ない(S150)、このルーチンを終了する。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して磁気テープ72を走行させ、磁気テープ72の長さ方向の所望位置を磁気ヘッド11に対向させる。
【0218】
ステップS148において、正常終了していなければ(S148:NO)、ステップS145に戻って媒体FWD定速処理を継続する。
【0219】
ステップS146において、磁気テープ72が一定距離走行していれば(S146:YES)、プロセッサ部21が、媒体FWD減速処理を行う(S151)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を停止させるべく、磁気テープ72の走行速度を次第に遅くさせる。
【0220】
次にプロセッサ部21が、媒体BWD加速処理を行う(S152)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を逆方向に走行させ、その走行速度を次第に速くさせる。
【0221】
次にプロセッサ部21が、媒体BWD定速処理を行う(S153)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行速度を一定にさせる。
【0222】
次にプロセッサ部21が、磁気テープ72が一定距離走行したか否かを判断する(S154)。具体的には、プロセッサ部21が、磁気テープ72の走行時間を計測部25に備えられているタイマに計時させ、その計時時間が予め決められた所定時間に達したかどうかを調べる。
【0223】
磁気テープ72が一定距離走行していなければ(S154:NO)、プロセッサ部21が、第2MR抵抗監視処理を行う(S155)。この第2MR抵抗監視処理については、後述する。
【0224】
次にプロセッサ部21が、正常終了したか否かを判断する(S156)。すなわち、プロセッサ部21が、ステップS155の第2MR抵抗監視処理において異常が検出されなかったかどうかを調べる。
【0225】
正常終了していれば(S156:YES)、プロセッサ部21が、媒体BWD減速処理を行ない(S157)、ステップS150に進む。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を停止させるべく、磁気テープ72の走行速度を次第に遅くさせる。
【0226】
ステップS156において、正常終了していなければ(S156:NO)、ステップS153に戻って媒体BWD定速処理を継続する。
【0227】
ステップS154において、磁気テープ72が一定距離走行していれば(S154:YES)、プロセッサ部21が、媒体走行カウンタをインクリメントする(S158)。
【0228】
次にプロセッサ部21が、媒体走行カウンタのカウント値が予め決められた 値J以上であるか否かを判断する(S159)。
【0229】
媒体走行カウンタのカウント値がJ以上であれば(S159:YES)、プロセッサ部21が、媒体BWD減速処理を行ない(S160)、上位装置2に対して異常通知を行って、このルーチンを終了する。媒体BWD減速処理に際しては、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行を停止させるべく、磁気テープ72の走行速度を次第に遅くさせる。
【0230】
ステップS159において、媒体走行カウンタのカウント値がJ以上でなければ(S159:NO)、ステップS144に戻る。
【0231】
ステップS141において、BOT位置近傍であれば(S141:YES)、プロセッサ部21が、媒体先頭の非データ領域へ移動させ(S161)、ステップS143に進む。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御し、磁気テープ72を逆方向に走行させて、磁気テープ72の始端近傍の非データ領域を磁気ヘッド11に対向させる。
【0232】
図18は、図17のステップS147,S155における第2MR抵抗監視処理の手順を説明するフローチャートである。
【0233】
第2MR抵抗監視処理に際しては、先ずプロセッサ部21が、第2タイマによる計時時間が予め決められた所定値B以上になったか否かを判断する(S171)。
【0234】
第2タイマによる計時時間がB以上であれば(S171:YES)、プロセッサ部21が、ヘッド素子R1の抵抗値の異常が検出されたか否かを判断する(S172)。すなわち、プロセッサ部21が、抵抗異常検出回路部27の電圧比較回路43からの異常検出信号がアサートされているか否かを調べる。
【0235】
抵抗値の異常が検出されれば(S172:YES)、プロセッサ部21が、MR異常検出カウンタをインクリメントする(S173)。
【0236】
次にプロセッサ部21が、第2タイマを初期化する(S174)。
【0237】
次にプロセッサ部21が、第1タイマによる計時時間が予め決められた所定値A以上になったか否かを判断する(S175)。
【0238】
第1タイマによる計時時間がA以上であれば(S175:YES)、プロセッサ部21が、第1タイマによる計時時間が2A以上になったか否かを判断する(S176)。
【0239】
第1タイマによる計時時間が2A以上であれば(S176:YES)、プロセッサ部21が、MRヘッド動作カウンタをインクリメントする(S177)。
【0240】
次にプロセッサ部21が、MRヘッド動作カウンタのカウント値が予め決められたC以上であるか否かを判断する(S178)。
【0241】
MRヘッド動作カウンタのカウント値がC以上であれば(S178:YES)、プロセッサ部21が、モータ12を制御して磁気ヘッド11の磁気テープ72幅方向の移動を停止させる(S179)。
【0242】
次にプロセッサ部21が、MR異常検出カウンタによるカウント値が0であるか否かを判断する(S180)。
【0243】
MR異常検出カウンタによるカウント値が0でなければ(S180:NO)、プロセッサ部21が、MRヘッド動作カウンタを初期化し(S181)、第2MR抵抗監視処理を終了する。
【0244】
ステップS180において、MR異常検出カウンタによるカウント値が0であれば(S180:YES)、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11のヘッド素子R1の抵抗値が正常である旨を上位装置2に通知し(S182)、第2MR抵抗監視処理を終了する。
【0245】
ステップS178において、MRヘッド動作カウンタのカウント値がC以上でなければ(S178:NO)、プロセッサ部21が、第1タイマを初期化し(S183)、第2MR抵抗監視処理を終了する。
【0246】
ステップS176において、第1タイマによる計時時間が2A以上でなければ(S176:NO)、プロセッサ部21が、モータ12を制御して、磁気ヘッド11の磁気テープ72幅方向一方側への駆動を開始し(S184)、第2MR抵抗監視処理を終了する。
【0247】
ステップS175において、第1タイマによる計時時間がA以上でなければ(S175:NO)、プロセッサ部21が、モータ12を制御して、磁気ヘッド11を磁気テープ72の幅方向のうち他方側への駆動を開始し(S185)、第2MR抵抗監視処理を終了する。
【0248】
ステップS172において、抵抗値の異常が検出されなければ(S172:NO)、ステップS174に進む。
【0249】
ステップS171において、第2タイマによる計時時間がB以上でなければ(S171:NO)、ステップS174に進む。
【0250】
このように、磁気ヘッド11への導電性の異物の付着を検出した際に、磁気テープ72の始端側あるいは終端側の非データ領域のうち、現在位置から近い方に磁気テープ72を走行させ、磁気ヘッド11を磁気テープ72の非データ領域に対向させて磁気テープ72の往復走行を繰り返し、かつ、磁気ヘッド11を磁気テープ72の幅方向に往復移動させることにより、磁気ヘッド11が磁気テープ72によって研磨され、この結果、磁気ヘッド11に付着した導電性の異物を除去できる。
【0251】
また、磁気ヘッド11が磁気テープ72の幅方向にC回往復移動する間にヘッド素子R1の抵抗値異常を検出しないことにより、磁気ヘッド11に付着した導電性の異物が除去できたことを確認できる。
【0252】
なお、磁気ヘッド11に付着した導電性の異物が除去されたことが確認された場合は、ポジショニング動作によりオペレーション処理の位置へ再位置付けし、オペレーション続行可能となる。また、導電性の異物が除去できない場合は、上位装置2に対して異常を通知し、オペレータに装置異常もしくはクリーニング要求を報知する。
【0253】
また、上記実施形態においては、磁気ヘッド11に付着した異物を除去するための各種動作について説明したが、磁気テープ72のデータ領域に付着した異物を磁気テープ72の非データ領域に移動させることにより、データのリード/ライト性能の向上を図るように構成してもよい。
【0254】
すなわち、データのリード/ライト・オペレーション実行中に、クリーナ78と磁気ヘッド11との間、およびクリーナ79と磁気ヘッド11との間において、磁気テープ72に研磨された異物が付着し、磁気テープ72の走行方向が反転する毎に、異物がクリーナ78と磁気ヘッド11との間、およびクリーナ79と磁気ヘッド11との間を移動する。そこで、磁気テープ72の張力を増加させて、磁気テープ72を始端部あるいは終端部まで走行させることによって、磁気テープ72のデータ領域に付着していた異物を非データ領域に移動させ、磁気テープ72の張力を減少させた後に、磁気テープ72を元の位置まで走行させる。これにより、磁気テープ72のデータ領域に付着した異物が磁気テープ72の非データ領域に移動するので、データ領域の異物が除去され、データのリード/ライト・オペレーションを支障無く実行できる。
【0255】
図19は、磁気テープ72のデータ領域の異物を非データ領域に移動させるゴミ付着リカバリ処理の手順を説明するフローチャートである。
【0256】
このゴミ付着リカバリ処理に際しては、先ずプロセッサ部21が、磁気テープ72の張力をアップさせる(ステップS191)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、マシンリール13とファイルリール16との回転速度の差を大きくすることによって、磁気テープ72に作用する張力を増大させる。
【0257】
次にプロセッサ部21が、BOT(begin of tape) 位置近傍であるか否かを判断する(S192)。すなわち、プロセッサ部21が、磁気ヘッド11に対向している磁気テープ72の長さ方向の位置が、長さ方向中央よりも始端に近いかどうかを調べる。
【0258】
BOT位置近傍でなければ(S192:NO)、すなわち磁気ヘッド11に対向している磁気テープ72の長さ方向の位置が、長さ方向中央よりも終端に近ければ、プロセッサ部21が、媒体末尾の非データ領域へ移動させる(S193)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御し、磁気テープ72を順方向に走行させて、磁気テープ72の終端近傍の非データ領域を磁気ヘッド11に対向させる。
【0259】
次にプロセッサ部21が、磁気テープ72の往復走行回数をカウントする媒体走行カウンタを初期化する(ステップS194)。
【0260】
次にプロセッサ部21が、媒体FWD加速処理を行う(S195)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を正方向に走行させ、その走行速度を次第に速くさせる。
【0261】
次にプロセッサ部21が、媒体FWD定速処理を行う(S196)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行速度を一定にさせる。
【0262】
次にプロセッサ部21が、磁気テープ72が一定距離走行したか否かを判断する(S197)。具体的には、プロセッサ部21が、磁気テープ72の走行時間を計測部25に備えられているタイマに計時させ、その計時時間が予め決められた所定時間に達したかどうかを調べる。
【0263】
磁気テープ72が一定距離走行していれば(S197:YES)、プロセッサ部21が、媒体FWD減速処理を行う(S198)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を停止させるべく、磁気テープ72の走行速度を次第に遅くさせる。
【0264】
次にプロセッサ部21が、媒体BWD加速処理を行う(S199)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を逆方向に走行させ、その走行速度を次第に速くさせる。
【0265】
次にプロセッサ部21が、媒体BWD定速処理を行う(S200)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72の走行速度を一定にさせる。
【0266】
次にプロセッサ部21が、磁気テープ72が一定距離走行したか否かを判断する(S201)。具体的には、プロセッサ部21が、磁気テープ72の走行時間を計測部25に備えられているタイマに計時させ、その計時時間が予め決められた所定時間に達したかどうかを調べる。
【0267】
磁気テープ72が一定距離走行していれば(S201:YES)、プロセッサ部21が、媒体BWD減速処理を行う(S202)。すなわちプロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、磁気テープ72を停止させるべく、磁気テープ72の走行速度を次第に遅くさせる。
【0268】
次にプロセッサ部21が、媒体走行カウンタをインクリメントする(S203)。
【0269】
次にプロセッサ部21が、媒体走行カウンタのカウント値が予め決められた 値K以上であるか否かを判断する(S204)。
【0270】
媒体走行カウンタのカウント値がK以上であれば(S204:YES)、プロセッサ部21が、磁気テープ72の張力をダウンさせる(S205)。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して、マシンリール13とファイルリール16との回転速度の差を小さくすることによって、磁気テープ72に作用する張力を減少させる。
【0271】
次にプロセッサ部21が、媒体走行カウンタのカウント値が予め決められた値L以上であるか否かを判断する(S206)。
【0272】
媒体走行カウンタのカウント値がL以上であれば(S206:YES)、プロセッサ部21が、ポジショニング処理を行ない(S207)、このルーチンを終了する。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御して磁気テープ72を走行させ、磁気テープ72の長さ方向の所望位置を磁気ヘッド11に対向させる。
【0273】
ステップS206において、媒体走行カウンタのカウント値がL以上でなければ(S206:NO)、ステップS195に戻る。
【0274】
ステップS204において、媒体走行カウンタのカウント値がK以上でなければ(S204:NO)、ステップS195に戻る。
【0275】
ステップS201において、磁気テープ72が一定距離走行していなければ(S201:NO)、ステップS200に戻って媒体BWD定速処理を継続する。
【0276】
ステップS197において、磁気テープ72が一定距離走行していなければ(S197:NO)、ステップS196に戻って媒体FWD定速処理を継続する。
【0277】
ステップS192において、BOT位置近傍であれば(S192:YES)、プロセッサ部21が、媒体先頭の非データ領域へ移動させ(S208)、ステップS194に進む。すなわち、プロセッサ部21が、モータ14,17を制御し、磁気テープ72を逆方向に走行させて、磁気テープ72の始端近傍の非データ領域を磁気ヘッド11に対向させる。
【0278】
このように、磁気テープ72の張力を増大させることにより、磁気テープ72と磁気ヘッド11との摺動による研磨効果、および磁気テープ72とクリーナ78,79との摺動による研磨効果を向上させておいて、磁気テープ72を始端部と終端部とのうちの近い方の非データ領域まで走行させ、磁気テープ72の非データ領域を磁気ヘッド11に対向させた状態で、磁気テープ72をK回往復走行させた後に、磁気テープ72の張力を減少させると、磁気テープ72にはクリーナ78,79の近傍位置にて異物が残留することになるが、この位置は非データ領域であるので、支障は無い。さらに磁気テープ72をL回に至るまで往復走行させた後に、磁気テープ72をオペレーション処理の位置へ再位置付けし、オペレーションを続行することにより、支障無くデータのリード/ライトを行える。すなわち、磁気テープ72のデータ領域に付着していた異物を、磁気テープ72の非データ領域に移動させることができ、データのリード/ライト性能を向上させることができる。
【0279】
また、上記実施形態においては、磁気テープ装置1へのテープカートリッジ71の装着時に、磁気テープ72の非データ領域が磁気ヘッド11に対向した状態で磁気テープ72を走行させることにより、磁気ヘッド11をクリーニングしたが、このクリーニングに際して、磁気テープ72の張力を増大させるようにしてもよい。このようにすれば、磁気ヘッド11と磁気テープ72との摺動による研磨効果を高くでき、クリーニング効果が増大する。もちろん、磁気テープ72のデータ領域の研磨効果を利用して磁気ヘッド11に付着した異物を除去するときにも、磁気テープ72の張力を増大させることにより、クリーニング効果が増大する。
【0280】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁気ヘッドに異常が生じたときに、その原因を切り分けて検出できるので、検出された原因に応じて、その原因を除去するために磁気テープ装置を自動的に動作させたり、あるいは原因を上位装置に報告することが可能になり、この結果、リカバリ時間の短縮およびリード/ライト性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における磁気テープ装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す磁気テープ装置に備えられた抵抗異常検出回路部の回路ブロック図である。
【図3】図1に示す磁気テープ装置に備えられたスレッダ機構部とブラシ機構部との分解斜視図である。
【図4】図1に示す磁気テープ装置に備えられたスレッダ機構部とブラシ機構部との分解斜視図である。
【図5】図1に示す磁気テープ装置の内部の概略平面図である。
【図6】磁気テープのマシンリールへの装着過程の説明図である。
【図7】磁気ヘッド付近の拡大平面図である。
【図8】図1に示す磁気テープ装置の電源オン時の処理手順を説明するフローチャートである。
【図9】図1に示す磁気テープ装置へのテープカートリッジ装填時の処理手順を説明するフローチャートである。
【図10】図1に示す磁気テープ装置へのテープカートリッジ装填時の処理手順を説明するフローチャートである。
【図11】データのリード/ライト・オペレーションにおける処理手順を説明するフローチャートである。
【図12】データのリード/ライト・オペレーションにおける処理手順を説明するフローチャートである。
【図13】データのリード/ライト・オペレーションにおける処理手順を説明するフローチャートである。
【図14】第1MR抵抗監視処理の詳細な手順を説明するフローチャートである。
【図15】図11のステップS79における媒体定速処理に並行して、割込処理によって実行される非導電性ゴミ検出処理の手順を説明するフローチャートである。
【図16】図12のステップS85における媒体定速処理に並行して、割込処理によって実行される非導電性ゴミ検出処理の手順を説明するフローチャートである。
【図17】磁気テープの非データ領域を利用して磁気ヘッドのクリーニングを行うゴミ付着リカバリ処理の手順を説明するフローチャートである。
【図18】図17のステップS147,S155における第2MR抵抗監視処理の手順を説明するフローチャートである。
【図19】磁気テープのデータ領域の異物を非データ領域に移動させるゴミ付着リカバリ処理の手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 磁気テープ装置
2 上位装置
11 磁気ヘッド
13 マシンリール
16 ファイルリール
21 プロセッサ部
23 RAM
25 計測部
26 リードライト回路部
27 抵抗異常検出回路部
52 ブラシ
78 クリーナ
79 クリーナ
R1 ヘッド素子
Claims (2)
- 磁気ヘッドを磁気テープの幅方向に移動させるヘッド移動手段と、前記磁気ヘッドに備えられて前記磁気テープに記録されている情報を再生するヘッド素子の抵抗値が正常範囲内であるか否かを判断する抵抗値判断手段とを有する磁気テープ装置であって、
前記磁気テープが前記磁気ヘッドに対向していない状態で、前記ヘッド移動手段を動作させて前記磁気ヘッドを前記磁気テープの幅方向に移動させながら、前記抵抗値判断手段を動作させる動作制御手段と、
前記動作制御手段による動作制御における抵抗値判断手段の判断結果に基づいて、前記磁気ヘッドが、非導電性の異物が付着しているかあるいは正常な状態、導電性の異物が付着しているかあるいは故障の状態、前記ヘッド素子に接続されるケーブルが接触不良の状態のいずれの状態であるかを検出する状態検出手段を備えたことを特徴とする、磁気テープ装置。 - 前記動作制御手段は、前記磁気ヘッドが前記磁気テープの幅方向に移動している期間に前記抵抗値判断手段による判断動作を複数回行わせ、
前記状態検出手段は、前記動作制御手段による前記抵抗値判断手段の複数回の判断結果のうち、前記抵抗値が正常範囲外となる回数に基づいて前記磁気ヘッドの状態を検出する
ことを特徴とする、請求項1に記載の磁気テープ装置。
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