JP3847986B2 - ハンディターミナル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品に付された商品コード等のバーコード(コードシンボル)を光学的に読み取ることが可能であり、かつ、ICカードや無線タグに内蔵されたICチップに対してデータを電磁誘導により読み書きすることが可能なハンディターミナルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、商品に付される商品コード等のバーコード(コードシンボル)を光学的に読み取ることが可能であり、かつ、ICカードや無線タグに内蔵されたICチップに対してデータを電磁誘導により読み書きすることが可能なハンディターミナルが、物流・流通市場における物品や製品の管理等に利用されている。より具体的には、例えば、物流コンテナに取り付けられた無線タグのデータを読み取ることによるコンテナの管理と、そのコンテナに収納されている製品に付されたバーコードを読み取ることによる製品の入荷状況の管理とを1台のハンディターミナルによって実現するようにしたものがある。
【0003】
ここで、図5(a)は従来のハンディターミナル100を概略的に示す平面図、図5(b)はその縦断側面図である。ハンディターミナル100の本体ハウジング101は、細長いハンドル部102と先端を下方に湾曲させた読取部103とにより形成されている。この読取部103の湾曲部位の先端には、矩形状の開口部104が形成されている。
【0004】
本体ハウジング101のハンドル部102の上面には、商品コードや数量等を入力するためのテンキーやファンクションキー等の複数のキーが配列されたキーボード105が配設されている。また、本体ハウジング101の読取部103の上面には、液晶ディスプレイを備えた表示部106やデータの読取確認のためのLED(Light Emitting Diode)等の発光素子107が配設されている。
【0005】
また、本体ハウジング101には、開口部104に対して所定の角度で配設された反射ミラー108が内蔵されている。さらに、本体ハウジング101の内部には、半導体レーザ光源、スキャニングミラー、受光素子等を備えるバーコードスキャナモジュール109が、反射ミラー108に対向して設けられている。そして、バーコードスキャナモジュール109から出射されるレーザ光を反射ミラー108を介して開口部104からバーコードBCに照射し、このバーコードBCによって反射された反射光をバーコードスキャナモジュール109に入射させることよって形成される光路lを介して、バーコードBCのデータは読み取られることになる。
【0006】
加えて、本体ハウジング101の読取部103の下面であって、開口部104よりもハンドル部102側に寄った位置には、ICカード・無線タグ用リーダ/ライタアンテナ(以下、アンテナという。)110が設けられている。ここで、図6はアンテナ110を概略的に示す外観斜視図である。図6に示すように、アンテナ110は、平板状のプリント基板110aの上にコイルcを形成したものである。このコイルcに電流を流した場合には、図6に示すような磁界hが発生する。そして、このアンテナ110が発生する磁界hへと無線タグTが接近した場合には、無線タグTに内蔵されたコイルアンテナ(図示せず)に誘導起電力が発生して無線タグTのICチップ(図示せず)に記憶されたデータがアンテナ110に対して送信され、または、アンテナ110から無線タグTのICチップに対してデータが送信されることになる。
【0007】
このような構成において、このハンディターミナル100で商品に付された商品コード等のバーコードBCを読取走査する場合には、操作者は本体ハウジング10のハンドル部102を把持して開口部104をバーコードBCに対向させる。すると、開口部104を通過したレーザ光がバーコードBCに照射され、このバーコードBCからの反射光が開口部104を介して反射ミラー108によって反射されてバーコードスキャナモジュール109に入射させることによって形成される光路lを介して、このハンディターミナル100はバーコードBCのデータを光学的に読取走査することができる。
【0008】
一方、このハンディターミナル100で無線タグTに記憶されたデータを読み取る場合には、操作者は本体ハウジング101のハンドル部102を把持してアンテナ110を無線タグTに対向させる。すると、アンテナ110からの磁界hによって無線タグTのコイルアンテナに誘導起電力が発生し、この無線タグTのICチップに記憶されたデータをアンテナ110に対して送信させることにより、このハンディターミナル100は無線タグTに記憶されたデータを読み取ることができ、また、ハンディターミナル100は無線タグTにデータを書き込むことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したようなハンディターミナル100では、バーコードBCの読取位置と無線タグTの読取位置とが異なってしまうことにより、読取対象毎にハンディターミナル100の向きを変えなければならず、操作がわかりにくいという問題があった。
【0010】
また、無線タグTの読取位置はバーコードBCの読取位置に比較して本体ハウジング101のハンドル部102側に寄っているため、その読取りの際に無線タグTが本体ハウジング101の蔭に隠れてしまうことになり、無線タグTの正確な位置が確認しづらく、無線タグTにアンテナ110を合わせづらいという操作上の問題があった。
【0011】
本発明の目的は、操作性を向上させることができるハンディターミナルを得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ハンドル部と当該ハンドル部に対して先端を屈曲させた読取部とを有し、当該読取部の先端に開口部が形成された本体ハウジングと、前記開口部からレーザ光を出射させてコードシンボルを反射したレーザ光を前記開口部に入射させるレーザ光の光路を形成し、前記開口部に対向させたコードシンボルを反射したレーザ光を受光することによって当該コードシンボルのデータを光学的に読み取る光学的データ読取装置と、平板状のフェライトコアに対して導線をコイル状に巻きつけて前記フェライトコアの端面から磁界を発生させるアンテナを有し、当該アンテナから発生する磁界の向きを前記レーザ光の光路の方向と同方向に向けて前記アンテナを前記読取部内に配置し、前記開口部に対向させたICチップに対してデータを電磁誘導により読み書きする電磁的データリードライト装置とを備える
請求項2記載の発明は、ハンドル部と当該ハンドル部に対して先端を屈曲させた読取部とを有し、当該読取部の先端に開口部が形成された本体ハウジングと、前記開口部からレーザ光を出射させてコードシンボルを反射したレーザ光を前記開口部に入射させるレーザ光の光路を形成し、コードシンボルを反射したレーザ光を受光することによって当該コードシンボルのデータを光学的に読み取る光学的データ読取装置と、棒状のフェライトコアに対して導線をコイル状に巻きつけて前記フェライトコアの端面から磁界を発生させる複数個のアンテナを有し、当該複数個のアンテナから発生する磁界の向きを前記レーザ光の光路の方向と同方向に向けて前記複数個のアンテナを前記読取部内に並べて配置し、前記開口部に対向させたICチップに対してデータを電磁誘導により読み書きする電磁的データリードライト装置と、を備える。
【0013】
したがって、電磁的データリードライト装置によるデータの読み書き位置方向と光学的データ読取装置によるデータの読み取り位置方向とが装置先端部で略一致させられることにより、ハンディターミナルによるコードシンボルまたはICチップのデータ読取り等が同一位置である装置先端部を同一方向に位置させたコードシンボルやICチップに向けることで可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。本実施の形態のハンディターミナルは、無線タグやコードシンボルのデータ読取り等が可能なハンディターミナルに適用され、本実施の形態のハンディターミナルにより読み取られるコードシンボルは、商品等に付されるバーコードに適用されている。
【0015】
ここで、図1(a)はハンディターミナル1を概略的に示す平面図、図1(b)はその縦断側面図である。ハンディターミナル1の本体ハウジング2は、細長いハンドル部3と先端を下方に湾曲させた読取部4とにより形成されている。この読取部4の湾曲部位の先端には、装置先端部である矩形状の開口部5が形成されている。
【0016】
本体ハウジング2のハンドル部3の上面には、商品コードや数量等を入力するためのテンキーやファンクションキー等の複数のキーが配列されたキーボード6が配設されている。また、本体ハウジング2の読取部4の上面には、液晶ディスプレイを備えた表示部7やデータの読取確認のためのLED(Light Emitting Diode)等の発光素子8が配設されている。
【0017】
また、本体ハウジング2には、開口部5に対して所定の角度で配設された反射ミラー9が内蔵されている。さらに、本体ハウジング2の内部には、半導体レーザ光源、スキャニングミラー、受光素子等を備える光学的データ読取装置であるバーコードスキャナモジュール10が、反射ミラー9に対向して設けられている。そして、バーコードスキャナモジュール10から出射されるレーザ光を反射ミラー9を介して開口部5からバーコード(図示せず)に照射し、このバーコードによって反射された反射光をバーコードスキャナモジュール10に入射させることよって形成される光路Lを介して、バーコードのデータは読み取られることになる。つまり、この光路Lの方向が、バーコードスキャナモジュール10によるデータの読み取り位置方向になる。
【0018】
加えて、本体ハウジング2の読取部4には、電磁的データリードライト装置であるICカード・無線タグ用リーダ/ライタアンテナ(以下、アンテナという。)11が設けられている。本実施の形態のアンテナ11は、バーコードスキャナモジュール10から出射されるレーザ光(バーコードからの反射光)の光路Lに干渉しない位置であって、開口部5のハンドル部3側に位置する長手方向端部5aに寄せて配設されている。
【0019】
次に、アンテナ11について説明する。ここで、図2はアンテナ11を概略的に示す外観斜視図である。図2に示すように、アンテナ11は、金属酸化物製であって平板状のフェライトコア11aに対して導線Cをコイル状に巻きつけたものである。この導線Cに電流を流した場合には、図2に示すような磁界Hが発生する。図1に示すように、このアンテナ11は、その磁界Hの向きをバーコードスキャナモジュール10から出射されるレーザ光の光路Lの方向と同方向に向けて配置される。そして、このアンテナ11が発生する磁界Hへと無線タグ(図示せず)が接近した場合には、無線タグに内蔵されたコイルアンテナ(図示せず)に誘導起電力が発生して無線タグのICチップ(図示せず)に記憶されたデータがアンテナ11に対して送信され、または、アンテナ11から無線タグのICチップに対してデータが送信されることになる。つまり、磁界Hの方向が、アンテナ11によるデータの読み書き位置方向になる。
【0020】
このような構成において、このハンディターミナル1で商品に付された商品コード等のバーコードを読取走査する場合には、操作者は本体ハウジング2のハンドル部3を把持して開口部5をバーコードに対向させる。すると、開口部5を通過したレーザ光がバーコードに照射され、このバーコードからの反射光が開口部5を介して反射ミラー9によって反射されてバーコードスキャナモジュール10に入射することにより、このハンディターミナル1はバーコードのデータを光学的に読取走査することができる。
【0021】
一方、このハンディターミナル1で無線タグに記憶されたデータを読み取る場合には、操作者は本体ハウジング2のハンドル部3を把持して開口部5を無線タグに対向させる。すると、開口部5を通過したアンテナ11からの磁界Hによって無線タグのコイルアンテナに誘導起電力が発生し、この無線タグのICチップに記憶されたデータをアンテナ11に対して送信させることにより、このハンディターミナル1は無線タグに記憶されたデータを読み取ることができ、また、ハンディターミナル1は無線タグにデータを書き込むことができる。
【0022】
ここに、バーコードスキャナモジュール10から開口部5を介して出射されるレーザ光の光路Lの方向と開口部5を介して発生するアンテナ11からの磁界Hの向きとが同一方向になるので、いずれの場合においてもハンディターミナル1の向きを変えることなく同一操作によって対応することができ、また、無線タグのデータも開口部5で読み書きすることができるので、無線タグの正確な位置を確認し易くすることができ、ハンディターミナル1の操作性を向上させることができる。
【0023】
次に、本発明の第二の実施の形態を図3に基づいて説明する。なお、第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。
【0024】
本実施の形態のハンディターミナル20は、本発明の第一の実施の形態のハンディターミナル1に比較して、アンテナ11の配置場所を代えた点でのみ異なるものである。
【0025】
ここで、図3はハンディターミナル20を概略的に示す縦断側面図である。図3に示すように、本実施の形態のアンテナ11は、バーコードスキャナモジュール10から出射されるレーザ光(バーコードからの反射光)の光路Lに干渉しない位置であって、開口部5のハンドル部3側とは反対側に位置する長手方向端部5b(図1参照)に寄せて配設されている。また、このアンテナ11は、その磁界Hの向きをバーコードスキャナモジュール10から出射されるレーザ光の光路Lの方向と同方向に向けて配置される。そして、このアンテナ11が発生する磁界Hへと無線タグが接近した場合には、無線タグのコイルアンテナに誘導起電力が発生して無線タグのICチップに記憶されたデータがアンテナ11に対して送信され、または、アンテナ11から無線タグのICチップに対してデータが送信されることになる。
【0026】
ここに、バーコードスキャナモジュール10から開口部5を介して出射されるレーザ光の光路Lの方向と開口部5を介して発生するアンテナ11からの磁界Hの向きとが同一方向になるので、いずれの場合においてもハンディターミナル1の向きを変えることなく同一操作位置において対応することができ、また、無線タグのデータも開口部5で読み書きすることができるので、無線タグの正確な位置を確認し易くすることができ、ハンディターミナル1の操作性を向上させることができる。
【0027】
なお、各実施の形態においては、平板状のフェライトコア11aに対して導線Cをコイル状に巻きつけたアンテナ11を用いたが、これに限るものではない。例えば、図4に示すような棒状のフェライトコア31aに対して導線Cをコイル状に巻きつけたアンテナ31を複数個並べて用いても良い。いずれにしても、バーコードスキャナモジュール10から出射されるレーザ光(バーコードからの反射光)の光路Lに干渉しない位置に配置されるとともに、バーコードスキャナモジュール10から開口部5を介して出射されるレーザ光の光路Lの方向と開口部5を介して発生するICカード・無線タグ用リーダ/ライタアンテナからの磁界Hの向きとが同一方向になるものであれば、どのような形状・形態のICカード・無線タグ用リーダ/ライタアンテナを用いても良い。
【0028】
また、各実施の形態においては、半導体レーザ光源、スキャニングミラー、受光素子等を備えるレーザ方式のバーコードスキャナモジュール10を用いたが、これに限るものではなく、LED(Light Emitting Diode)等の光源やCCD(Charge Coupled Device)等を備えるCCD方式のバーコードスキャナモジュールを用いても良い。
【0029】
さらに、各実施の形態においては、コードシンボルとしてバーコードを適用したが、これに限るものではなく、データコード等の二次元コードやOCRコード等をコードシンボルとして適用しても良い。但し、その場合の光学的データ読取装置をそれぞれのコードシンボルの読取りに対応させることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
発明によれば、電磁的データリードライト装置によるデータの読み書き位置方向と光学的データ読取装置によるデータの読み取り位置方向とを装置先端部で略一致させることにより、ハンディターミナルによるコードシンボルまたはICチップのデータ読取り等を同一位置である装置先端部を同一方向に位置させたコードシンボルやICチップに向けることにより行うことができるので、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態のハンディターミナルを示し、(a)はハンディターミナルを概略的に示す平面図、(b)はその縦断側面図である。
【図2】アンテナを概略的に示す外観斜視図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態のハンディターミナルを概略的に示す縦断側面図である。
【図4】別のアンテナを示す外観斜視図である。
【図5】従来のハンディターミナルを示し、(a)は従来のハンディターミナルを概略的に示す平面図、(b)はその縦断側面図である。
【図6】従来のアンテナを概略的に示す外観斜視図である。
【符号の説明】
5 装置先端部
10 光学的データ読取装置
11 電磁的データリードライト装置

Claims (2)

  1. ハンドル部と当該ハンドル部に対して先端を屈曲させた読取部とを有し、当該読取部の先端に開口部が形成された本体ハウジングと、
    前記開口部からレーザ光を出射させてコードシンボルを反射したレーザ光を前記開口部に入射させるレーザ光の光路を形成し、前記開口部に対向させたコードシンボルを反射したレーザ光を受光することによって当該コードシンボルのデータを光学的に読み取る光学的データ読取装置と、
    平板状のフェライトコアに対して導線をコイル状に巻きつけて前記フェライトコアの端面から磁界を発生させるアンテナを有し、当該アンテナから発生する磁界の向きを前記レーザ光の光路の方向と同方向に向けて前記アンテナを前記読取部内に配置し、前記開口部に対向させたICチップに対してデータを電磁誘導により読み書きする電磁的データリードライト装置と
    を備えることを特徴とするハンディターミナル。
  2. ハンドル部と当該ハンドル部に対して先端を屈曲させた読取部とを有し、当該読取部の先端に開口部が形成された本体ハウジングと、
    前記開口部からレーザ光を出射させてコードシンボルを反射したレーザ光を前記開口部に入射させるレーザ光の光路を形成し、コードシンボルを反射したレーザ光を受光することによって当該コードシンボルのデータを光学的に読み取る光学的データ読取装置と、
    棒状のフェライトコアに対して導線をコイル状に巻きつけて前記フェライトコアの端面から磁界を発生させる複数個のアンテナを有し、当該複数個のアンテナから発生する磁界の向きを前記レーザ光の光路の方向と同方向に向けて前記複数個のアンテナを前記読取部内に並べて配置し、前記開口部に対向させたICチップに対してデータを電磁誘導により読み書きする電磁的データリードライト装置と、
    を備えることを特徴とするハンディターミナル。
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