JP3846042B2 - 導光体の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバを用いた導光体の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを用いた導光体には、多数の光ファイバの集合により角柱状とされた光ファイバロッドをその断面(長さ方向に対して垂直な断面)の縦方向及び横方向にそれぞれ所定の本数ずつ接合して断面方形状の光ファイバブロックとしたものが考えられている。
【0003】
次に、このような導光体の具体的な構造についてその形成方法と併せ説明するに、ここでは一般に市販されている光ファイバロッドを用いて形成する場合について説明する。図24に示すように、一般に市販されている光ファイバロッド1は、図示しない特殊な金型を用いた押出成形により、直径数十μmの多数の例えば数千本のコア2を形成するとともに各コア2にクラッド3を被覆し、且つ、各コア2を集合するとともにクラッド3によって相互に接合することにより、所定の断面形状の光ファイバロッドを形成し、次いで加熱しながら長さ方向に引き延ばすことにより、断面ほぼ長方形状の長尺な光ファイバロッドとされたものである。この場合、コア2は高屈折率のアクリル系樹脂からなり、クラッド3は低屈折率のフッ素系樹脂からなっている。そして、この光ファイバロッド1はロール(図示せず)に巻かれ、この状態で市販されている。
【0004】
さて、市販の光ファイバロッド1を用いて断面方形状の導光体を形成する場合には、まず、光ファイバロッド1を所定の長さに切断する。次に、図25に示すように、所定の長さに切断された所定数の光ファイバロッド1を有底角筒状の金型4内に密接させて充填し、次いでクラッド3の軟化点以上で融点以下の温度で加熱すると、クラッド3が軟化して膨張することにより金型4内の圧力が上昇し、そして金型4内に所定数の光ファイバロッド1が軟化したクラッド3によって相互に接合されて充満される。これにより、図示していないが、断面方形状の導光体が得られる。この場合、クラッド3の融点以下の温度で加熱するのは、融点よりも高い温度で加熱すると、クラッド3が熱損傷しやすく、光損失の原因となるので、これを回避するためである。
【0005】
ところで、図24に示す市販の光ファイバロッド1では、断面形状が長さ方向において不均一であり、また断面の四隅が曲率半径500μm以上の比較的大きな円弧となっている。このため、図26(この図では、光ファイバロッド1の本数を4×4本として図示している。)に示すように、市販の光ファイバロッド1を用いて形成された導光体5では、隣接する4つの光ファイバロッド1間の隙間6を軟化したクラッド3によって十分に埋めることができず、光ファイバロッド1の長さ方向に隙間6が連続的にあるいは断続的に残ってしまう。この結果、この導光体5では、一方の端面から入射された光が連続的に形成された隙間6に対応する部分で乱反射して光損失が生じ、断続的に形成された隙間6に対応する部分で遮光され、光伝達が悪いという問題がある。
【0006】
そこで、本件発明者は、上下左右の4つの金型を用い、多数のコアが集合され且つ各コアがクラッドにより被覆されているとともに相互に接合されてなる角柱状の光ファイバロッドを前記金型内に少なくとも2行2列密接させて並列するとともに積層し、該積層体の断面のX方向から所定の圧力で加圧し且つY方向から所定の高圧力と所定の低圧力とで交互に加圧するとともに、クラッドの軟化点以上で融点以下の温度で加熱することにより、互いに隣接する4つの光ファイバロッドをその間に隙間がないように接合してなる導光体を形成する方法を開発し、本件出願人が平成10年6月15日付けで整理番号98−0395−00として特許出願した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この開発に係る導光体の形成方法では、所定の加圧加熱処理後に、X方向及びY方向からの加熱を同時に解除し、次いで自然冷却方法あるいは強制冷却方法により冷却し、そして金型の温度が室温となった後に、つまり金型内の導光体の表面の温度が室温となった後に、導光体に対する加圧を解除している。この場合、金型の温度が室温となってから加圧を解除するのは、軟化したクラッドを十分に固化させてから加圧を解除することにより、導光体の断面の寸法精度を良くするためである。しかしながら、金型の温度が室温となっても、つまり金型内の導光体の表面の温度が室温となっても、導光体の内部の温度が室温よりも高く、このため残留応力により導光体にクラックが発生することがあるということが分かった(なお、この点については、後で詳述する。)。
この発明の課題は、導光体に残留応力によるクラックが発生しないようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、多数のコアが集合され且つ各コアがクラッドにより被覆されているとともに相互に接合されてなる角柱状の光ファイバロッドを金型内に少なくとも2行2列密接させて並列するとともに積層し、該積層体の断面の所定の一方向及び該一方向に対して垂直な方向から所定の圧力で加圧するとともに前記クラッドの軟化点以上で融点以下の温度で加熱することにより、前記光ファイバロッドを互いに接合してなる導光体を形成し、該導光体の断面の相対向する一対の一方の辺側からの加熱を解除し、次いで前記導光体の断面の相対向する一対の一方の辺側と垂直な方向の辺側からの加熱を解除し、次いで前記導光体に対する加圧を解除するようにしたものである。この発明によれば、所定の加圧加熱処理後に、導光体の断面の相対向する一対の一方の辺側からの加熱を解除し、次いで導光体の断面の相対向する一対の一方の辺側と垂直な方向の辺側からの加熱を解除し、次いで導光体に対する加圧を解除しているので、導光体の断面の一対の一方の辺側及び一対の一方の辺側と垂直な方向の辺側からの加熱を同時に解除したときに問題となった残留応力が生じないようにすることができ、したがって導光体に残留応力によるクラックが発生しないようにすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施形態における導光体形成装置の要部の一部を断面した概略構成図を示したものである。この導光体形成装置は、下金型ブロック10、X方向加圧機構20、左金型ブロック30A、右金型ブロック30B、上金型ブロック40及びY方向加圧機構50等を備えている。
【0010】
まず、下金型ブロック10について、図2を参照して説明する。下金型ブロック10は、固定して配置されたほぼL字状のベース板11を備えている。ベース板11は、鉄や銅等の金属あるいはこれらの合金材料(以下、「鉄等」という。)によって形成され、下板部11aの左端上部に左側壁11bが設けられた構造となっている。ベース板11の下板部11aの上面には、ベークライト等の断熱材料からなる断熱板12(以下の断熱板の材料については省略する。)及び鉄等からなる平板状の下金型13がボルト14によって取り付けられている。この場合、ボルト14の頭部とベース板11との間にはベークライト等の断熱材料からなる断熱ワッシャ15が介在されている。下金型13の所定の箇所に形成された貫通孔内には棒状のヒータ16が挿入されている。また、図示していないが、下金型13の所定の箇所には、下金型13の温度を検出するための温度センサが設けられている。ヒータ16及び温度センサは温度コントローラ17(図1参照)に接続されている。ベース板11の左側壁11bの右側面には断熱板18がボルト19によって取り付けられている。
【0011】
次に、X方向加圧機構20について、図3を参照して説明する。下金型ブロック10のベース板11の下板部11aの右端上部には、鉄等からなる右側壁21がボルト22によって取り付けられている。右側壁21の所定の箇所には軸受23が設けられている。軸受23には、エアシリンダやオイルシリンダ等からなるX方向加圧器24の軸25が左右方向に移動可能に挿通されている。軸25の右端部(先端部)には鉄等からなる加圧板26が図示しないボルト(例えば、図5のボルト54参照)によって取り付けられている。加圧板26の左側面には断熱板27がボルト28によって取り付けられている。
【0012】
次に、左金型ブロック30Aについて、図4を参照して説明する。左金型ブロック30Aは、鉄等からなる左加熱板31Aを備えている。左加熱板31Aの所定の箇所に形成された貫通孔内には棒状のヒータ32Aが挿入されている。左加熱板31Aの右側面には左金型33Aがボルト34Aによって取り付けられている。左金型33Aの所定の箇所には、図示していないが、左金型33Aの温度を検出するための温度センサが設けられている。ヒータ32A及び温度センサは温度コントローラ35A(図1参照)に接続されている。左金型33Aの上面には断熱板36Aがボルト37Aによって取り付けられている。この場合、左金型33Aの右側面と断熱板36Aの右側面とは同一面となっている。左加熱板31Aの下面には断熱板38Aがボルト39Aによって取り付けられている。この場合、左加熱板31Aの左側面と断熱板38Aの左側面とは同一面となっている。また、断熱板38Aの下面は左金型33Aの下面よりも若干下側とされている。また、断熱板38Aの右側は左金型33Aの左側に食い込んだようになっている。そして、左金型ブロック30Aは、その断熱板38Aの下面が下金型ブロック10の下金型13の上面にただ単に載置されていることにより、下金型13の上面に左右方向にスライド可能に配置されている。
【0013】
次に、右金型ブロック30Bについて説明する。右金型ブロック30Bは、左金型ブロック30Aと対称的な構造となっている。そこで、右金型ブロック30Bについては、左金型ブロック30Aと同一の部分には同一の番号に符合Bを添えて示すことにより、その説明を省略する。そして、右金型ブロック30Bは、その断熱板38Bの下面がX方向加圧機構20の断熱板27の左側において下金型ブロック10の下金型13の上面にただ単に載置されていることにより、X方向加圧機構20の断熱板27の左側において下金型13の上面に左右方向にスライド可能に配置されている。左右の金型ブロック30A、30Bを下金型ブロック10の下金型13の上面にただ単に載置しているのは、形成すべき導光体のサイズに応じて、左右の金型ブロック30A、30Bの交換を容易とするためである。
【0014】
次に、上金型ブロック40及びY方向加圧機構50について、図5を参照して説明する。上金型ブロック40は、鉄等からなる加圧板41を備えている。加圧板41の下面には、断熱板42及び鉄等からなる平板状の上金型43がボルト44によって取り付けられている。この場合、ボルト44の頭部と加圧板41との間にはベークライト等の断熱材料からなる断熱ワッシャ45が介在されている。上金型43は、下側に突出する突出部43aを有する構造となっている。この突出部43aの下面の左右方向の長さは所定の長さとされている。上金型43の所定の箇所に形成された貫通孔内には棒状のヒータ46が挿入されている。また、図示していないが、上金型43の所定の箇所には、上金型43の温度を検出するための温度センサが設けられている。ヒータ46及び温度センサは温度コントローラ47(図1参照)に接続されている。Y方向加圧機構50は、エアシリンダやオイルシリンダ等からなるY方向加圧器51及びこのY方向加圧器51に接続された加圧コントローラ52等を備えた構造となっている。Y方向加圧器51の軸53の下端部(先端部)には上金型ブロック40の加圧板41がボルト54によって取り付けられている。そして、上金型ブロック40は、Y方向加圧機構50と共に、下金型ブロック10の下金型13の上方に上下動可能に配置されている。
【0015】
なお、下金型13の上面、左金型33Aの右側面、右金型33Bの左側面及び上金型43の突出部43aの下面は機械的あるいは化学的研磨方法により鏡面処理されている。これは、後述のように形成する導光体の表面に傷を付けないようにするためである。次に、ここで、各断熱板及び各断熱ワッシャの役目について説明する。断熱板12及び断熱ワッシャ15は、ベース板11の下板部11aと下金型13とを熱的に絶縁するためのものである。断熱板18は、ベース板11の左側壁11bと左加熱板31Aとを熱的に絶縁するためのものである。断熱板27は、加圧板26と右加熱板31Bとを熱的に絶縁するためのものである。断熱板36Aは、左加熱板31A及び左金型33Aと上金型43とを熱的に絶縁するためのものである。断熱板38Aは、左加熱板31A及び左金型33Aと下金型13とを熱的に絶縁するためのものである。断熱板36Bは、右加熱板31B及び右金型33Bと上金型43とを熱的に絶縁するためのものである。断熱板38Bは、右加熱板31B及び右金型33Bと下金型13とを熱的に絶縁するためのものである。断熱板42及び断熱ワッシャ45は、上金型43と加圧板41とを熱的に絶縁するためのものである。そして、以上のことから明らかなように、4つの金型ブロック10、30A、30B、40は相互に熱的に絶縁されている。したがって、4つの金型13、33A、33B、43は相互に熱的影響を与えることがなく、互いに独立した4つの金型13、33A、33B、43によって均一に加熱することができることになる。
【0016】
次に、図24に示す市販の光ファイバロッド1を用いて導光体を形成する場合について説明する。この場合、図24に示す市販の光ファイバロッド1は、直径数十μmの光ファイバ3を3千〜4千本程度集合するとともにクラッド3によって相互に接合することにより断面ほぼ長方形状のロッド状としたものであり、その断面形状は四隅が曲率半径500μm以上の比較的大きな円弧となっているとともに、左右辺及び上下辺が外側に向かってやや膨らんだ形状となっている。また、同断面形状は光ファイバロッド1の長さ方向において不均一となっている。そこで、まず、この市販の光ファイバロッド1を整形するが、この整形方法は、本件発明者が開発し、本件出願人が平成10年1月29日付けで特許出願した特願平10−30352号明細書に記載されており、よってここではその説明を省略する(ただし、後で簡単に説明する。)。この整形方法によると、所定の長さに切断された市販の光ファイバロッド1を1本ずつまたは複数本ずつ整形することにより、断面形状が長さ方向において同じであり、且つ、断面の四隅の曲率半径が50μm以下となった新たな光ファイバロッドを得ることができる。
【0017】
したがって、図1に示す導光体形成装置では、この整形された新たな光ファイバロッドを用いて導光体を形成することになる。そして、図14及び図15はこの場合の導光体形成装置の動作を説明するために示す図である。このうち図14は圧力特性を示すものであり、横軸は時間を示し、縦軸は右金型ブロック30B及び上金型ブロック40に加える圧力を示す。この場合、一点鎖線はX方向加圧機構20による圧力特性曲線を示し、二点鎖線はY方向加圧機構50による圧力特性曲線を示す。図15は温度特性を示すものであり、横軸は時間を示し、縦軸は金型温度を示す。この場合、温度T1は室温を示し、温度T4はクラッドの軟化点に相当する金型温度を示し、温度T6は予め設定された処理温度であってクラッドの軟化点以上で融点以下に相当する金型温度を示し、温度T7はクラッドの融点に相当する金型温度を示す。そして、図15に示す7つの温度の関係は、T1<T2<T3<T4<T5<T6<T7となっている。このうち処理温度T6は、クラッドがフッ素系樹脂である場合には、クラッドの温度が100℃〜120程度となるような金型温度であることが好ましい。なお、図15に示す実線、一点鎖線、二点鎖線については、後で説明する。
【0018】
さて、図24に示す市販の光ファイバロッド1を整形して得られた新たな光ファイバロッドを用いて導光体を形成する場合には、まず、図6に示すように、左金型ブロック30Aの左加熱板31Aの左側面を断熱板18の右側面に接触させ、所定数の新たな光ファイバロッド61を下金型13の上面に密接させて並列するとともに積層する(この積層したものを、以下、「積層体」という場合がある。)。なお、図6では、光ファイバロッド61の本数を4×4本として図示しているが、これは図示の便宜上であり、実際には、形成すべき導光体の断面形状(長方形あるいは正方形)及び断面サイズに応じて決まるものである。次に、上金型ブロック40をY方向加圧機構50と共にただ単に下降させ、上金型43の突出部43aの下面を最上層の光ファイバロッド61の上面にただ単に接触させる。この状態では、上金型43の突出部43aの下面は左右の金型ブロック30A、30Bの断熱板36A、36Bの上下方向ほぼ中央に位置させられているとともに、突出部43aの左側面が左金型ブロック30Aの断熱板36Aの右側面に接触されている。
【0019】
ここで、図15に示す実線、一点鎖線、二点鎖線について説明する。実線は、図6において符合Pで示す部分、つまり積層体の断面の中心部(符合Qで示す部分)の上側の外周部の温度特性曲線を示す。一点鎖線は、図6において符合Qで示す部分、つまり積層体の断面の中心部の温度特性曲線を示す。二点鎖線は、図6において符合Rで示す部分、つまり積層体の断面の中心部の左側の外周部の温度特性曲線を示す。なお、各点P、Q、Rにおける温度の検出は、光ファイバロッド61を積層するときに、断熱コードを備えた温度センサを積層体内に配置し、実験的に行ったものである。
【0020】
次に、図14の時間0の時点において、同図の一点鎖線で示すように、X方向加圧器24によって圧力Px(700〜900g/mm2程度)を加える。すると、図7に示すように、X方向加圧器24の軸25、加圧板26及び断熱板27が左方向に移動し、断熱板27が右金型ブロック30Bに当接して圧力Pxを加えることにより、右金型ブロック30Bを左方向に移動させ、その断熱板36Bの左側面を上金型43の突出部43aの右側面に圧接(当て止め)させる。この状態では、所定数の光ファイバロッド61は左右方向に適宜に圧縮されることになる。また、この状態では、図8に拡大して示すように、互いに隣接する4つの光ファイバロッド61は相互に軽く接触しているだけであり、その間に比較的大きな空間62が形成されている。また、図15の時間0の時点において、4つの温度コントローラ17、35A、35B、47の予め個々に設定された制御により4つのヒータ16、32A、32B、46を発熱させ、図15の実線で示すように、4つの金型13、33A、33B、43の温度を室温T1から上昇させ、光ファイバロッド61を加熱する。
【0021】
次に、図14の時間0の時点から数秒経過した時間t1の時点において、同図の二点鎖線で示すように、加圧コントローラ52の制御によりY方向加圧器51によって低圧力Py1(50〜100g/mm2程度)を加える。すると、Y方向加圧器51の軸53が下方向に移動し、上金型ブロック40の上金型43の突出部43aを下方向に移動させて最上層の光ファイバロッド61に軽く圧接させる。これにより、4つの金型13、33A、33B、43の熱が光ファイバロッド61に伝えられやすくなる。
【0022】
そして、図15の時間t2の時点において、同図の実線で示す金型13、33A、33B、43の温度が処理温度T6に達すると、これを各温度センサが検出し、各温度コントローラ17、35A、35B、47を介して各ヒータ16、32A、32B、46の発熱を、各金型13、33A、33B、43の温度が処理温度T6を維持するように制御する。また、図14の時間t2の時点において、同図の二点鎖線で示し、且つ、図9に示すように、上記温度センサの検出結果に基づいて加圧コントローラ52の制御によりY方向加圧器51によって上金型ブロック50に処理圧力Py2(250〜450g/mm2程度)を加えることにより、光ファイバロッド61を処理圧力Py2で加圧する。そして、これ以後、加圧コントローラ52の制御によりY方向加圧器51による加圧を処理圧力Py2と低圧力Py1とに交互に切り換える。これにより、光ファイバロッド61は、処理温度T6つまりクラッドの軟化点以上で融点以下の温度で加熱されながら、処理圧力Py2と低圧力Py1とで交互に加圧される。
【0023】
ここで、圧力Px、Py1、Py2の関係等について説明する。この3つの圧力の関係は、Py1<Py2<Pxである。具体的には、上述のように、Py1は50〜100g/mm2程度であり、Py2は250〜450g/mm2程度であり、Pxは700〜900g/mm2程度である。このうち圧力Pxは、クラッドがフッ素系樹脂である場合には、800g/mm2程度であることが好ましい。処理圧力Py2は、クラッドがフッ素系樹脂である場合には、300〜350g/mm2程度であることが好ましい。また、この処理圧力Py2は、光ファイバロッド61を押しつぶさない程度の値となっている。また、圧力Pxを処理圧力Py2よりも大きくしているのは、図9において上金型ブロック40が右方向にずれないようにすることにより、加圧加熱された光ファイバロッド61が上金型43の突出部43aと左右の断熱板36A、36Bとの当接部分から食み出さないようにするためである。また、圧力Pxを加えた後に処理圧力Py2を加えているのは、光ファィバロッド61の左右方向への広がりを防ぐことにより、形成される導光体の断面の寸法精度を良くするためである。さらに、処理圧力Py2を加えている時間と低圧力Py1を加えている時間とは1:1であり、その1周期は2分以内である。この1周期は、クラッドがフッ素系樹脂である場合には、20〜40秒程度であることが好ましい。すなわち、処理圧力Py2を10〜20秒程度加え、続いて低圧力Py1を10〜20秒程度加える。
【0024】
ところで、処理圧力Py2を10〜20秒程度加え、続いて低圧力Py1を10〜20秒程度加えるということは、処理圧力Py2を10〜20秒程度加えた後に、この処理圧力Py2を10〜20秒程度解除することと同じことになる。したがって、図9に示す状態においては、一例として図10に拡大して示すように、互いに隣接する4つの光ファイバロッド61の空間62を形成している各面は、クラッドが溶融はしていないが非常に軟らかい状態にあることにより、当初は点線で示す位置にあるが、処理圧力Py2が加わると、実線で示すように、空間62を均等に狭める方向に迫り出し、低圧力Py1が加わると、つまり処理圧力Py2が解除されると、一点鎖線で示すように、均等に適宜に戻ることになる。そして、このようなことが繰り返されることにより、互いに隣接する4つの光ファイバロッド61の空間62を形成している各面は、あたかも機械的に振動しているように振る舞い、空間62が少しづつ縮小していくことになる。かくして、図11に示すように、4つの金型13、33A、33B、43内に所定数の光ファイバロッド61からなる導光体63が形成される。この状態においては、図12に拡大して示すように、互いに隣接する4つの光ファイバロッド61がその間に隙間がないように接合されている。
【0025】
次に、図14の時間t3の時点において、つまり予め設定された処理時間(t2からt3までの時間)が経過した時点において、加圧コントローラ52の制御によりY方向加圧器51による加圧を低圧力Py1とする。次に、図14の時間t3の時点から所定の時間経過した時間t4の時点(図15参照)において、上下の温度コントローラ47、17の制御により上下のヒータ46、16のみの発熱を停止する。この場合、図14では、時間t3の時点と時間t4の時点とを異ならせているが、同時点としてもよい。上下のヒータ46、16のみの発熱を停止すると、図15の実線で示すように、導光体63の断面の図11において符合Pで示す外周部の温度が自然冷却により徐々に低下する。なお、図15の時間t4の時点における導光体63の断面の温度分布は、図16(A)に示すように、当然のことながら、処理温度T6で均一となっている。
【0026】
そして、図15の時間t5の時点において、同図の実線で示すように、導光体63の断面の図11において符合Pで示す外周部の温度がクラッド軟化点温度T4に達する。この場合、導光体63の断面の温度分布について見ると、図16(B)に示すように、クラッド軟化点温度T4の領域が導光体63の断面の一対の長辺の各ほぼ中心部から同断面の中心部に向かってかまぼこ状に形成されていくことになる。したがって、図15の時間t5の時点では、図16(B)に示すように、符合Qで示す中央部及び符合Rで示す外周部(一対の短辺部)の温度は処理温度T6のままである。ただし、図15の時間t5の時点よりも若干前の時点において、図15の一点鎖線で示すように、導光体63の断面の図11において符合Qで示す中心部の温度が自然冷却により低下し始める。
【0027】
そして、図15の時間t6の時点において、導光体63の断面の図11において符合Qで示す中心部の温度がクラッド軟化点温度T4に達する。この時点における導光体63の断面の温度分布は、図16(C)に示すように、符合Qで示す中心部の温度がクラッド軟化点温度T4となり、符合Pで示す外周部の温度がクラッド軟化点温度T4よりも低い温度T3となり、符合Rで示す外周部分温度が処理温度T6のままとなっている。そして、この時点において、すなわち図15の時間t6の時点において、左右の温度コントローラ35A、35Bの制御により左右のヒータ32A、32Bの発熱を停止する。すると、図15の二点鎖線で示すように、導光体63の断面の図11において符合Rで示す外周部の温度が自然冷却により徐々に低下する。したがって、この時点から導光体63が全体的に自然冷却されることになる。
【0028】
そして、図15の時間t7の時点において、実線で示す温度特性曲線と一点鎖線で示す温度特性曲線とがクラッド軟化点温度T4よりも低い温度T2で一致する。この時点における導光体63の断面の温度分布は、図16(D)に示すように、符合Pで示す外周部の温度及び符合Qで示す中心部の温度がクラッド軟化点温度T4よりも低い温度T2となり、符合Rで示す外周部の温度が処理温度T6よりも低い温度T5となる。そして、図15の時間t8の時点において、実線で示す温度特性曲線と二点鎖線で示す温度特性曲線とが室温T1で一致する。したがって、この時点における導光体63の断面の温度分布は、図16(E)に示すように、室温T1で均一となる。
【0029】
そして、導光体63の断面の全体が室温T1で均一となった時点において、すなわち図15の時間t8の時点(図14参照)において、これをすべての特に左右の温度センサが共に検出し、この検出結果に基づいてY方向加圧器51による加圧を解除する。次に、図14の時間t8の時点から数秒経過した時間t9の時点において、X方向加圧器24による加圧を解除する。かくして、図13に示すように、所定数の光ファイバロッド61からなる導光体63が得られる。このように、導光体63の断面の全体が室温T1で均一となってから圧力Py1、Pxを解除しているので、導光体63に残留応力によるクラッドが発生しないようにすることができる。この場合、低圧力Py1を解除した後に圧力Pxを解除しているのは、導光体63の左右方向への広がりを防ぐことにより、導光体63の断面の寸法精度を良くするためである。そして、このようにして得られた導光体63では、互いに隣接する4つの光ファイバロッド61間に隙間がないので、光伝達を良くすることができる。
【0030】
ここで、先の開発に係る導光体の形成方法の問題点について、図17及び図18を参照して説明する。ただし、図17において、温度T1は室温を示し、温度T2はクラッドの軟化点に相当する金型温度を示し、温度T3は予め設定された処理温度であってクラッドの軟化点以上で融点以下に相当する金型温度を示し、温度T4はクラッドの融点に相当する金型温度を示す。また、時間t1〜t3は、図14及び図15に示す場合と無関係である。さらに、図17において、実線は、図6において符合P及びRで示す部分、つまり積層体の断面の外周部の温度特性曲線を示し、一点鎖線は、図6において符合Qで示す部分、つまり積層体の断面の中心部の温度特性曲線を示す。
【0031】
さて、先の開発に係る導光体の形成方法では、図17の時間t1(図15の場合には時間t4)の時点において、すべての温度コントローラ17、35A、35B、47の制御によりすべてのヒータ16、32A、32B、46の発熱を停止する。したがって、この時点から導光体63が全体的に自然冷却されることになる。しかし、導光体63の断面の外周部の温度は図17において実線で示すように低下し、導光体63の断面の中心部の温度は同図において一点鎖線で示すように低下する。すなわち、一点鎖線で示す温度の低下は実線で示す温度の低下よりも緩慢となる。そして、図17の時間t2の時点において、同図の実線で示すように、導光体63の断面の外周部の温度が室温T1となる。しかし、この時点における導光体63の断面の中心部の温度は室温T1よりも高い温度T2(T3−T2=10〜50℃程度)である。したがって、この時点における導光体63の断面の温度分布は、図18(A)に示すように、中心部のX方向に延びる偏平な領域が室温T1よりも高い温度T2となり、それ以外の領域が室温T1となる。
【0032】
そして、導光体63の表面の温度が室温T1となった時点において、すなわち図17の時間t2の時点において、これをすべての温度センサが共に検出し、この検出結果に基づいてY方向加圧器51による加圧を解除し、次いでこの時点から数秒経過した時点において、X方向加圧器24による加圧を解除する。しかし、この時点における導光体63の断面の温度分布は図18(A)に示す場合とほぼ同じであるので、この後導光体63の断面の中心部のX方向に延びる偏平な領域が自然冷却されると、図18(B)に示すように、当該偏平な領域に矢印で示すようにX方向の収縮応力が生じ、結果的に導光体63の断面の左右両面のほぼ中央部にX方向の圧縮力Fが加わった場合と同じとなる。この結果、図18(C)に示すように、導光体63の断面の左右両面が凹むとともに、導光体63の断面の上下両面が膨らむことになる。しかも、この時点においても、導光体63の断面の中心部のX方向に延びる偏平な領域の温度が室温T1よりもまだ高い。この結果、導光体63の断面の上下両面が膨らむことに起因して、図18(C)において矢印で示すように、導光体63の断面の中心部のX方向に延びる偏平な領域に上下方向に裂ける力が作用し、クラックKが発生することになる。そして、この発生したクラックKは、圧縮力Fがまだ作用していることにより、図18(D)に示すように、左右方向に進行し、ついには図18(E)に示すように、導光体63が上下に分断されることになる。
【0033】
このように、導光体63の表面の温度が室温T1となった時点において、Y方向加圧器51及びX方向加圧器24による加圧を解除すると、導光体63に残留応力によるクラックKが発生し、導光体63が上下に分断されてしまうことになる。これに対し、上記実施形態では、導光体63の断面の全体が室温T1で均一となってからY方向加圧器51及びX方向加圧器24による加圧を解除しているので、導光体63に残留応力によるクラッドが発生しないようにすることができる。なお、図17の時間t3の時点において、一点鎖線で示す導光体63の断面の中心部の温度が室温T1となるので、この時点においてY方向加圧器51及びX方向加圧器24による加圧を解除することも考えられる。しかしながら、このようにした場合には、図17の時間t2の時点から時間t3の時点までにかなりの時間がかかるので、生産効率が大幅に低下することになる。
【0034】
なお、上記実施形態では、図15の時間t4の時点において、上下のヒータ46、16の発熱を同時に停止する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、導光体63の断面の上面側と下面側との熱容量に差がある場合には、熱容量の大きい方からの加熱を解除した後に熱容量の小さい方からの加熱を解除するようにしてもよい。また、上記実施形態では、自然冷却方法により冷却する場合について説明したが、これに限らず、強制冷却方法により冷却するようにしてもよい。例えば、外部から冷風を吹き付けるようにしてもよく、あるいは各金型13、33A、33B、43内に冷却材流路を設け、この冷却材流路を流れる冷却材によって熱を外部に取り出すようにしてもよい。また、上記実施形態では、各金型ブロック10、30A、30B、40に1本ずつのヒータ16、32A、32B、46を設けた場合について説明したが、これに限らず、各金型ブロック10、30A、30B、40ごとに、温度分布等を考慮して、適切な数のヒータを適切な位置に設けるようにしてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、図14の時間t3の時点において、Y方向加圧器51による処理圧力Py2と低圧力Py1との交互の加圧を止め、低圧力Py1の加圧とし、そして図14の時間t8の時点において、Y方向加圧器51による低圧力Py1の加圧を解除する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図14の時間t8の時点まで、処理圧力Py2と低圧力Py1とで交互に加圧するようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、処理圧力Py2を加えている時間と低圧力Py1を加えている時間とを1:1とした場合について説明したが、必ずしも1:1とする必要はなく、1周期を上記の場合と同じとして、前者の時間を後者の時間よりも長くしてもよい。このようにした場合には、互いに隣接する4つの光ファイバロッド61間の空間62をより一層効率良く無くすことができる。また、上記実施形態では、図14に示すように、Y方向加圧器51による加圧を矩形波状とした場合について説明したか、これに限らず、加圧コントローラ52からの制御波を鋸波や正弦波等としてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、X方向加圧器24による圧力PxをY方向加圧器51による処理圧力Py2よりも大きくした場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図19に示すように、X方向加圧器24による圧力PxをY方向加圧器51による処理圧力Py2よりも小さくしてもよい。具体的には、Pxは上記実施形態の場合と同じで700〜900g/mm2程度とし、Py2は800〜1000g/mm2程度とする。ただし、この場合、Y方向加圧器51による処理圧力Py2及び低圧力Py1の加圧周期は上記実施形態の場合と同じとし、処理圧力Py2を加えている時間を低圧力Py1を加えている時間よりも適宜に短くする。このようにすると、処理圧力Py2を圧力Pxよりも大きくしても、処理圧力Py2を加えている時間が短くなるので、図9において上金型ブロック40が右方向にずれないようにすることができ、ひいては加圧加熱された光ファイバロッド61が上金型43の突出部43aと左右の断熱板36A、36Bとの当接部分から食み出さないようにすることができる。なお、処理圧力Py2を圧力Pxと同じとしてもよい。
【0038】
さらに、上記実施形態では、加圧コントローラ52の制御によりY方向加圧器51による加圧を処理圧力Py2と低圧力Py1とに交互に切り換える場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図20に示すように、Y方向加圧器51の軸53に超音波発振器64をホーン65を介して接続し、超音波発振器64によって発生された超音波振動をホーン65で増幅し、この増幅された超音波振動により上金型ブロック40を介して光ファイバロッド61を機械的に振動させるようにしてもよい。このようにした場合には、光ファイバロッド61のクラッドが非常に高い周波数で振動することにより、特に、互いに隣接する4つの光ファイバロッド61の界面近傍におけるクラッドの温度が融点以上に達し、クラッドの高分子が互いに相互拡散し、互いに隣接する4つの光ファイバロッド61間に隙間がない上、接合強度をさらに増大することができる。また、図示していないが、高周波加熱手段により光ファイバロッド61のクラッドの高分子を振動させ、これによりクラッドを軟化あるいは局部的に溶融させるようにしてもよい。このようにした場合には、所定数の光ファイバロッド61全体に加える温度を低くすることができ、また振動エネルギが大きいので接合強度をさらに増大することができる。
【0039】
ここで、先の出願に係る光ファイバロッド整形装置について簡単に説明する。図21は先の出願に係る光ファイバロッド整形装置の要部の一部を断面した概略構成図を示したものである。この光ファイバロッド整形装置は下金型71及び上金型81を備えている。下金型71は、鉄等によってほぼL字状に形成され、つまり下板部71aの左端上部に左側壁71bが設けられた構造となっている。下板部71aに形成された貫通孔内には板状のヒータ72が設けられている。また、図示していないが、下金型71の所定の箇所には、下金型71の温度を検出するための温度センサが設けられている。ヒータ72及び温度センサは温度コントローラ73に接続されている。下金型71は固定されて配置されている。
【0040】
上金型81は、鉄等によってほぼL字状に形成され、つまり上板部81aの右端下部に右側壁81bが設けられた構造となっている。上板部81aに形成された貫通孔内には板状のヒータ82が設けられている。また、図示していないが、上金型81の所定の箇所には、上金型81の温度を検出するための温度センサが設けられている。ヒータ82及び温度センサは温度コントローラ83に接続されている。上金型81は、下金型71の右上方向に配置され、左右方向及び上下方向に移動可能となっている。そして、上金型81の右側壁81bの右側には、上金型81を左右方向に移動させるためのエアシリンダやオイルシリンダ等からなるX方向加圧器84が設けられている。また、上金型81の上板部81aの上側には、上金型81を上下方向に移動させるためのエアシリンダやオイルシリンダ等からなるY方向加圧器85が設けられている。Y方向加圧器85は加圧コントローラ86に接続されている。なお、両金型71、81のほぼL字状の内面は機械的あるいは化学的研磨方法により鏡面処理されている。
【0041】
次に、この光ファイバロッド整形装置を用いて図24に示す市販の光ファイバロッド1を整形して新たな光ファイバロッドを形成する場合について、図22を参照して説明する。まず、所定の長さに切断された市販の光ファイバロッド1を下金型71の下板部71aの上面に載置する。次に、図22の時間0の時点において、同図の一点鎖線で示すように、X方向加圧器84によって上金型81に圧力Px(700〜800g/mm2程度)を加えることにより、上金型81を左方向に移動させ、その上板部81aの左端面を下金型71の左側壁71bの右側面に圧接(当て止め)させるとともに、その右側壁81bの左側面を下金型71の下板部71aの右端面に圧接(当て止め)させる。また、図22の時間0の時点において、両温度コントローラ73、83の制御により両ヒータ72、23を発熱させ、245の実線で示すように、両金型71、81の温度を室温T1から上昇させる。
【0042】
次に、図22の時間0の時点から数秒経過した時間t1の時点において、同図の二点鎖線で示すように、加圧コントローラ86の制御によりY方向加圧器85によって上金型81に低圧力Py1(50〜100g/mm2程度)を加えることにより、上金型81を下方向に移動させて光ファイバロッド1に軽く圧接させる。そして、図22の時間t2の時点において、同図の実線で示す金型71、81の温度が処理温度T3に達すると、これを温度センサが検出し、両温度コントローラ73、83を介して両ヒータ72、82の発熱を、金型71、81の温度が処理温度T3を維持するように制御する。また、図22の時間t2の時点において、同図の二点鎖線で示すように、上記温度センサの検出結果に基づいて加圧コントローラ86の制御によりY方向加圧器85によって上金型81に処理圧力Py2(500〜600g/mm2程度)を加えることにより、光ファイバロッド1を処理圧力Py2で加圧する。そして、これ以後、加圧コントローラ86の制御によりY方向加圧器85による加圧を処理圧力Py2と低圧力Py1とに交互に切り換える。これにより、光ファイバロッド1は、処理温度T3つまりクラッドの軟化点以上で融点以下の温度で加熱されながら、処理圧力Py2と低圧力Py1とで交互に加圧される。
【0043】
次に、図22の時間t3の時点において、つまり予め設定された処理時間(t2からt3までの時間)が経過した時点において、両温度コントローラ73、83の制御により両ヒータ72、82の発熱を停止し、自然冷却方法あるいは強制冷却方法により冷却する。また、図22の時間t3の時点において、加圧コントローラ86の制御によりY方向加圧器85による加圧を低圧力Py1とする。そして、図22の時間t4の時点において、同図の実線で示す金型71、81の温度が室温T1に達すると、これを温度センサが検出し、この検出結果に基づいてY方向加圧器85による加圧を解除する。次に、図22の時間t4の時点から数秒経過した時間t5の時点において、X方向加圧器84による加圧を解除する。かくして、市販の光ファイバロッド1が整形され、新たな光ファイバロッドが形成される。なお、図23に示すように、処理圧力Py2(800〜900g/mm2)を圧力Px(700〜800g/mm2)よりも高くする方法もある。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、所定の加圧加熱処理後に、導光体の断面の相対向する一対の一方の辺側からの加熱を解除し、次いで導光体の断面の相対向する一対の一方の辺側と垂直な方向の辺側からの加熱を解除し、次いで導光体に対する加圧を解除しているので、導光体の断面の一対の一方の辺側及び一対の一方の辺側と垂直な方向の辺側からの加熱を同時に解除したときに問題となった残留応力が生じないようにすることができ、したがって導光体に残留応力によるクラックが発生しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態における導光体形成装置の要部の一部を断面した概略構成図。
【図2】図1に示す下金型ブロックの断面図。
【図3】図1に示すX方向加圧機構の断面図。
【図4】図1に示す左金型ブロック及びY方向加圧機構の断面図。
【図5】図1に示す上金型ブロックの断面図。
【図6】図1に示す導光体形成装置において下金型ブロック上に光ファイバロッドを載置して上金型ブロックをただ単に下方向に移動させた状態を示す概略構成図。
【図7】図6に示す導光体形成装置において右金型ブロックを左方向に加圧した状態を示す概略構成図。
【図8】図7に示す状態における互いに隣接する4つの光ファイバロッドの相互の関係を示す拡大断面図。
【図9】図7に示す導光体形成装置において上金型ブロックを下方向に加圧した状態を示す概略構成図。
【図10】図9に示す状態における互いに隣接する4つの光ファイバロッドの相互の関係を示す拡大断面図。
【図11】図9に示す導光体形成装置において最終段階における状態を示す概略構成図。
【図12】図11に示す状態における互いに隣接する4つの光ファイバロッドの相互の関係を示す拡大断面図。
【図13】図1に示す導光体形成装置によって形成された導光体の断面図。
【図14】図1に示す導光体形成装置の動作のうち圧力特性を説明するために示す図。
【図15】図1に示す導光体形成装置の動作のうち温度特性を説明するために示す図。
【図16】(A)〜(E)はそれぞれ図15の各時点における導光体の断面の温度分布を説明するために示す図。
【図17】先の開発に係る導光体の形成方法のうち温度特性を説明するために示す図。
【図18】(A)〜(E)はそれぞれ図17に示す場合の問題を説明するために示す図。
【図19】図1に示す導光体形成装置の動作のうち圧力特性の他の例を説明するために示す図。
【図20】この発明の他の実施形態における導光体形成装置の要部の一部を断面した概略構成図。
【図21】先の出願に係る光ファイバロッド整形装置の一例の一部を断面した概略構成図。
【図22】図21に示す光ファイバロッド整形装置の動作を説明するために示す図。
【図23】図21に示す光ファイバロッド整形装置の動作の他の例を示す図。
【図24】市販の光ファイバロッドの一部の斜視図。
【図25】従来の導光体の形成方法の一例を説明するために示す金型の一部の斜視図。
【図26】図25に示す従来の導光体の形成方法の問題を説明するために示す導光体の断面図。
【符号の説明】
10 下金型ブロック
13 下金型
16 ヒータ
20 X方向加圧機構
30A 左金型ブロック
32A ヒータ
33A 左金型
30B 右金型ブロック
32B ヒータ
33B 右金型
40 上金型ブロック
43 上金型
46 ヒータ
50 Y方向加圧機構
61 光ファイバロッド
63 導光体

Claims (5)

  1. 多数のコアが集合され且つ各コアがクラッドにより被覆されているとともに相互に接合されてなる角柱状の光ファイバロッドを金型内に少なくとも2行2列密接させて並列するとともに積層し、該積層体の断面の所定の一方向及び該一方向に対して垂直な方向から所定の圧力で加圧するとともに前記クラッドの軟化点以上で融点以下の温度で加熱することにより、前記光ファイバロッドを互いに接合してなる導光体を形成し、該導光体の断面の相対向する一対の一方の辺側からの加熱を解除し、次いで前記導光体の断面の相対向する一対の一方の辺側と垂直な方向の辺側からの加熱を解除し、次いで前記導光体に対する加圧を解除することを特徴とする導光体の形成方法。
  2. 請求項1記載の発明において、前記導光体の断面形状は長方形状であり、該断面の一対の長辺側からの加熱を解除した後に一対の短辺側からの加熱を解除することを特徴とする導光体の形成方法。
  3. 請求項2記載の発明において、前記導光体の断面の一対の長辺側からの加熱の解除は、当該一対の長辺側のうち熱容量の大きい方からの加熱を解除した後に熱容量の小さい方からの加熱を解除することを特徴とする導光体の形成方法。
  4. 請求項2または3記載の発明において、前記導光体の断面の短辺側からの加熱の解除は前記導光体の断面の中心部の温度が前記クラッドの軟化点以下となったときに行うことを特徴とする導光体の形成方法。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の発明において、前記加圧の解除は前記導光体の断面の短辺側の表面の温度が室温となったときに行うことを特徴とする導光体の形成方法。
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