JP3845856B2 - 薄膜形成装置および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜を形成する装置に係わり、特に微細端を備えたプローブと有機溶媒を用いることによりダイヤモンド薄膜等を選択的に形成可能な薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤモンド薄膜をPVDやCVDを用いて基板上に形成する方法が知られている。例えば、難波氏らによる論文”Attempt to grow diamond phase carbon films from an organic solution”, J. Vac. Sci. Technol. A 10(5), Sep/Oct 1992, pp3368-3370には、PVDを用いて、低温でシリコン基板上にダイヤモンド薄膜を形成する技術が記載されている。この技術は有機溶液中に陽極となる炭素電極と陰極となるシリコン基板を浸し、溶液を暖めながら電気分解により炭素の結晶をシリコン基板上に発達させるものである。V. P. Novikov氏らによる論文”Synthesis of diamondlike films by an electrochemical method at atmospheric pressure and low temperature”, Appl. Phys. Lett., Vol. 70, No.2, 13 Jan. 1997, pp200-201にも、電気分解プロセスを利用してアセチレン溶液中で基板上に炭素薄膜を形成した事例が記載されている。これらの文献によれば、比較的低い温度で基板上にダイヤモンド様の炭素薄膜が形成される旨が開示されている。
【0003】
一方、「表面技術」, 44, 10.811(1993)には、坂本氏らによるダイヤモンドアレイの製造について記載されている。この文献によれば、基板上にSiO2をマスクとしてPtをパターニングして露出させてから、そのPt表面にマイクロ波プラズマCVDを適用してダイヤモンド薄膜を形成させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、難波氏らやV. P. Novikov氏らによる電気分解を用いた薄膜形成技術ではダイヤモンドを選択的に形成することが困難であったり電気分解のために高電力を要するといったりする不都合があった。また坂本氏らによる気相成長によるダイヤモンドの選択形成では、基板温度を800℃以上の高温にしなければならなかったため、製造上の材料や器材選択に制限が多いという問題があった。上記いずれの技術でもダイヤモンドの成長は安定的に行なわれておらず、工業的にダイヤモンド薄膜を安定して形成する方法としては無理があった。
【0005】
そこで本願発明者は、走査型プローブ顕微鏡(SPM)類似の構造を応用することにより、上記問題を解消可能な薄膜形成装置に想到した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の課題は、SPM類似の構造を用いることにより、低消費電力で選択的にかつ安定的にダイヤモンド等の薄膜を形成可能な薄膜形成装置を提供することである。
本発明の第2の課題は、SPM類似の製法を用いることにより、低消費電力で選択的にかつ安定的にダイヤモンド等の薄膜を形成可能な薄膜形成方法を提供することである。
【0007】
上記第1の課題を解決する発明は、微細端を有する電極により試料表面に薄膜を形成する薄膜形成装置であって、微細端を有する第1の電極と、
試料を任意の電位に保持する第2の電極と、第1の電極と試料との相対位置を調整する搬送手段と、所定の有機溶媒が含まれた溶液中に試料を浸す手段と、第1の電極および第2の電極間に所定の電圧を印加する印加手段と、搬送手段により第1の電極と試料との距離を一定距離以下に設定し、かつ、電極と試料との相対位置を変化させながら、印加手段により第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加させる制御手段と、を備えたことを特徴とする薄膜形成装置である。
【0008】
上記制御手段は、第1の電極と試料との間に電圧を印加させながら、第1の電極の微細端が試料上に形成したいパターン形状に沿って移動するように第1の電極と試料との相対位置を変更可能に構成されている。
【0009】
上記制御手段は、第1の電極と試料との距離を1μm以下に接近させて電圧を印加する。
【0010】
上記有機溶媒として、エタノール、メタノール、アセトン若しくはエチレングリコールのうちいずれかまたはこれらの混合物を使用する。
【0011】
上記制御手段は、電圧を印加する前に、第1の電極により試料の表面形状を計測可能に構成されている。測定方法としては、原子間力顕微鏡や走査トンネル顕微鏡類似の測定方法を採用可能である。
【0012】
上記第2の課題を解決する発明は、微細端を有する電極により試料表面に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、所定の有機溶媒が含まれた溶液中に試料を浸すステップと、電極と試料との相対距離を一定距離以下に設定するステップと、電極と試料との相対位置を変化させながら、電極と試料との間に電圧を印加させるステップと、を備えたことを特徴とする薄膜形成方法である。
【0013】
上記電圧を印加させるステップでは、電極と試料との相対位置を、当該電極の微細端が試料上に形成したいパターン形状に沿って移動するように変更させる。
【0014】
上記電極と試料との相対距離を一定距離以下に設定するステップでは、第1の電極と試料との距離を1μm以下に接近させる。
【0015】
上記電極と試料との相対距離を一定距離以下に設定するステップの前に、電極により試料の表面形状を計測可能に構成されている。
【0016】
次に、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、走査型プローブ顕微鏡の一種である走査型原子間力顕微鏡に類似した構造を備えた薄膜形成装置に関する。図1に本実施形態の薄膜形成装置1の構成図を示す。この薄膜形成装置1は、第1の電極11として探針111およびカンチレバー112、第2の電極12、搬送手段13として駆動回路130、XYZステージ131およびピエゾ素子132、試料を浸す手段14として水槽140、有機溶媒141、導入・排出口142およびOリング143、印加手段15としてバイアス回路151および電源回路152、並びに計測手段16として半導体レーザ161、対物レンズ162、フォトデテクタ163および検出回路164を備えている。
【0017】
第1の電極11は、薄膜形成のための電力を供給する一方の電極である。探針111は、導電性を有するタングステン等の材料で成形され、先端が例えば曲率半径が20nm程度に先鋭化された微細端を備えている。カンチレバー112は適当な弾性を有し導電性を持たせるためにPtでコーティングされたSiなどで形成されている。さらに探針111は、微細端の先端部を除いてカンチレバー全体を絶縁体でコーディングされている。絶縁体のコーティング材料としては、アピエゾンワックス等を使用する。
【0018】
第2の電極12は、薄膜形成のための電極を供給する他方の電極であり、導電性材料で形成されている。この電極は加工されるべき試料Sを電気的に接続可能に保持するようになっている。
【0019】
搬送手段13は、第1の電極11と試料Sとの相対位置を変更可能に構成されている。すなわちXYZステージ131はピエゾ素子132およびステッピングモータ等で試料Sと第1の電極11とを相対的にXYZ軸方向(図面横方向、手前方向および上方向)に搬送可能になっている。ピエゾ素子132は、当該薄膜形成装置1を共振モードの原子間力顕微鏡として動作させる場合に、カンチレバー112の共振周波数でカンチレバーを振動させるために存在している。当該薄膜形成装置1をコンタクトモードの原子間力顕微鏡として動作させる場合には当該ピエゾ素子132を備えなくてもよい。駆動回路130は、制御装置10の制御に対応させてXYZステージ131を駆動し、第1の電極11と試料Sとの相対位置を任意に変更できるようになっている。なお、共振モードの原子間力顕微鏡として動作させる場合には、駆動回路15はカンチレバー112の共振周波数でピエゾ素子132を振動させる駆動電圧を出力するようになっている。
【0020】
試料を浸す手段14は、電解液である有機溶媒141を試料Sと第1の電極11との間に充填するものである。水槽140は、第1の電極11、XYZステージ131を内部に保持し、有機溶媒141を貯蔵可能になっている。有機溶媒141を大気圧で貯蔵するなら、水槽140に蓋構造を設けなくてもよい。圧力を印加する場合には水槽140を密閉構造とし、Oリング143を介して水槽底部に試料Sを取り替え可能に電極12を固定する。そしてコンプレッサにより加圧可能に構成する。有機溶媒141は導入・排出口142より導入や排出が可能になっている。また有機溶媒141の加熱が必要ならば、水槽140に熱伝導可能なヒータを設けてもよい。有機溶媒141は、電極間に加えられる電界により電気分解され、炭素の結晶を試料Sの表面に付着させるための溶液である。このような有機溶媒としては、エタノール、メタノール、アセトン若しくはエチレングリコールのうちいずれかまたはこれらの混合物を使用可能である。
【0021】
印加手段15は、第1の電極11と第2の電極12との間に薄膜形成用の電圧を印加可能に構成される。薄膜形成時、バイアス回路151および電源回路152は、制御装置10の制御に基づいて第1の電極11と第2の電極12との間に直流または高周波の電圧を印加するになっている。
【0022】
計測手段16は、第1の電極11の撓みを検出して探針111の微細端の位置を検出可能になっている。半導体レーザ161は、位置検出用の照明として一定波長の光を射出するようになっており、対物レンズ162はこの光をカンチレバー112の先端部、すなわち探針111の基部に向けて集光するようになっている。フォトデテクタ163は、例えば二分割または四分割された光電変換素子で構成されており、カンチレバー112で反射された光を受けて検出信号に変換可能になっている。カンチレバー112の撓みに対応してフォトデテクタ163に対する入射光の位置が変化するように位置決めされている。検出回路164は、フォトデテクタ163の二分割または四分割された光電変換素子の検出信号の差分を計算し、カンチレバー先端位置の撓みに応じたエラー信号を出力するようになっている。
【0023】
制御装置10は、汎用のコンピュータ装置としての構成を備え、所定のプログラムを実行することにより、本薄膜形成装置1に本発明の薄膜形成方法に実行させることが可能になっている。
【0024】
なお、上記薄膜形成装置1はコンタクトモードの原子間力顕微鏡類似の構成を備え、カンチレバー112の撓みにより原子間力を検出していたが、ピエゾ素子132にカンチレバー112の共振周波数に対応した駆動信号を供給することにより共振モードで原子間力を計測可能に構成してもよい。また、カンチレバーの歪みを他のピエゾ素子により検出して、カンチレバーの撓みを圧電効果で測定するように構成してもよい。この歪み検出用のピエゾ素子の出力は、上記フォトデテクタ163の出力に代えて検出回路164に入力される。
【0025】
次に、本実施形態の薄膜形成方法の各工程を、図2の工程流れ図を参照しながら説明する。話を簡単にするために、以下ではコンタクトモードの原子間力顕微鏡として動作させて表面形状を測定するが、共振モードの原子間力顕微鏡として動作させて表面形状を測定してもよい。
【0026】
試料を浸すステップおよび計測ステップ(S1): まず、第2の電極12上に試料Sを載置し電気的に接続されるようにしてから水槽140に有機溶媒141を導入・排出口142経由で充填する。少なくとも試料Sが十分に有機溶媒141にて覆われるような液量を充填する。
【0027】
次いで制御装置10は、原子間力顕微鏡の原理を利用して試料Sの表面形状を測定する。この測定のために、制御装置10は、カンチレバー112をZ軸方向に駆動して試料Sと探針111とを接触させ原子間の斥力が働くようにする。この斥力によりカンチレバー112が若干撓む。カンチレバー112が撓むとその撓みに応じてフォトデテクタ163への光の入射位置が変化しエラー信号が変化する。制御装置10は、このエラー信号の値が一定になるように、すなわちカンチレバーの撓みが一定になるようにして、試料Sに平行な面に沿って探針111を移動させる。カンチレバー112の撓みを一定に維持することによって、カンチレバーは試料Sの表面形状の凹凸に沿って上下する。このZ軸方向の座標履歴をXY座標に対応させて二次元的に記録していき、試料全域を走査すれば、試料Sの表面形状がZ軸座標の変動として得られることになる。
【0028】
なお共振モードの原子間力顕微鏡の原理で測定する場合、制御装置10はピエゾ素子132を駆動させカンチレバー112を振動させながら、試料全面を走査していく。フォトデテクタ163はカンチレバー112先端の座標、すなわちカンチレバーの位置に応じた検出信号を出力し、検出回路164はエラー信号を生成する。エラー信号の変化を距離に対応させれば、カンチレバー先端の振幅が検出できる。このように非接触で針と試料Sとが接近している場合、試料Sの表面に凹凸があると探針111が引力を受け、カンチレバー112の振幅が変動する。制御装置10はエラー信号を観察してこの引力が一定になるようにピエゾ素子132をフィードバック制御する。この状態で振幅中心点におけるZ軸方向の座標履歴を二次元的に記録すれば、試料Sの表面形状が測定できる。
【0029】
電極と試料との相対距離を一定距離以下に設定するステップ(S2): 試料表面形状の測定が済むと、二次元的に記録された試料Sの表面形状および加工したい箇所を定めるマッピングデータに基づいて、制御装置10は試料S上の薄膜パターンの開始点に探針111の微細端が位置するように、搬送手段13を制御する。そして第1の電極11と試料Sとの距離を接近させる。この距離は例えば1μmに接近させればよい。以降、制御装置10は、試料Sの表面形状が変化しても探針111の微細端と試料Sとの最短距離が一定になるように、計測された試料の表面形状に応じて第1の電極11のZ軸座標を調整する。
【0030】
電圧を印加し薄膜を形成するステップ(S3): 探針111の位置決めと試料Sとの間隙調整が済んだら、制御装置10は第1の電極11と第2の電極12との間に印加手段15により薄膜形成用の電圧Vを印加する。そして制御装置10は、駆動回路130を連続的に制御して、第1の電極11を安定した速度で移動させる。この電圧の印加により有機溶媒141に電気化学的作用が及び、試料Sの表面に薄膜が形成されていく。薄膜パターンを切り替えるたびにステップS2とS3を繰り返す。なお、計測処理は、有機溶媒141を充填する前に行ってもよい。
【0031】
以上述べたように本実施形態1によれば以下の利点がある。
1)本実施形態によれば、微細端をごく近距離に接近させて電圧を印加可能な構造を備えたので、低消費電力で安定的にダイヤモンド等の薄膜を形成することが可能である。
2)また表面形状測定と局所の選択的薄膜形成が同一装置で一貫して行える。このため比較的小型でかつ安価に装置を構成できる。
3)また本実施形態では原子間力顕微鏡類似の構造を採用しているので、原子間力顕微鏡としての構成を利用しながら薄膜形成装置を構成することが可能である。
4)微細端の先端部分に相対する領域のみに薄膜を付着させることが可能なので、マスクを行うことなく微小領域にかつ選択的に微細パターンの薄膜を形成可能である。したがって薄膜形成工程を簡略化することができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、走査型プローブ顕微鏡の一種である走査トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunnel Microscope)に類似した構造を備えた薄膜形成装置に関する。図3に本実施形態に薄膜形成装置2の構成図を示す。この薄膜形成装置2は、第1の電極11bとして探針113およびボディ114、第2の電極12、搬送手段13として駆動回路130、XYZステージ131、試料を浸す手段14として水槽140、有機溶媒141、導入・排出口142およびOリング143、印加手段15としてバイアス回路151および電源回路152並びに計測手段16として検出回路164を備えている。
【0032】
第1の電極11bは、タングステンで構成され、上記実施形態1とは異なりカンチレバーを備えない。本実施形態ではトンネル電流により試料Sの表面形状を測定するためカンチレバーの撓みを利用する必要がないからである。したがって計測手段16として光学構造を用いる必要が無く、検出回路164が探針113と試料Sとの間を流れるトンネル電流を測定可能に構成されていればよい。トンネル電流の多少は探針113と試料S表面との最短距離の長短に対応するため、トンネル電流を測定すれば試料の表面形状やZ軸方向の座標を測定することが可能である。本実施形態2においても、第1の電極11bは、探針113の微細端を除いて絶縁体でコーディングされていることが好ましい。この絶縁体にはアピエゾンワックス等を使用する。ここで探針113の微細端の開口サイズはなるべく小さい方が好ましいが、製造上の都合から10〜50nm程度にしておくことが好ましい。その他の構成については、上記実施形態1と同様なので同一構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
上記構成における本実施形態の処理は、ほぼ上記実施形態1(図2)と同様である。測定方法のみが異なる。すなわち測定時(S1)、制御装置10は、走査トンネル顕微鏡の原理を利用して試料Sの表面形状を測定する。走査トンネル顕微鏡は、探針と試料との間に流れるトンネル電流を測定するものである。この測定のために、制御装置10は第1の電極11bにバイアス回路151より一定電圧を加える。そして制御装置10は、探針113のZ方向の座標が変動しないようにZステージ6を制御し、試料Sに平行な面に沿って探針113を移動させる。このように動かすと、探針113と試料Sとの間の距離に対応したトンネル電流が流れる。トンネル電流の多少はそのまま探針113と試料S表面との最短距離を表しているので、制御装置10はこの距離の変化を二次元的に記録していき、試料Sの表面形状を記録する。
【0034】
試料の表面形状計測工程以外の、試料を浸すステップ(S1)、電極と試料との相対距離を一定距離以下に設定するステップ(S2)および電圧を印加し薄膜を形成するステップ(S3)については上記実施形態1と同様なので説明を省略する。
【0035】
上記した実施形態2によれば、上記実施形態1と同様の利点を備える。特に本実施形態では走査トンネル顕微鏡類似の構造を採用しているので、走査トンネル顕微鏡としての構成を利用しながら表面形状の計測と薄膜形成が行える。
(その他の変形例)
本発明は上記各実施形態に限定されることなく、種々に変更して適用可能である。例えば、上記各実施形態では、有機溶媒を用いて炭素の結晶を付着させダイヤモンド様の薄膜を形成していたが、他の元素の結晶を付着させるように溶媒を変更してもよい。例えば有機溶媒の代わりにSiを含む溶媒を使用すれば、どう様の電気化学反応によってシリコン薄膜を選択的にごく微小領域に形成することができる。
【0036】
また上記実施形態では試料の表面形状計測を行っていたが、試料が良好に研磨されており表面が平坦である場合には、計測ステップを省略してもよい。すなわち、電極と試料と間隙を一定に設定した後、Z座標を固定してXY平面でプローブを搬送しながら電圧を印加して薄膜形成を行ってもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、SPM類似の構造を用いて微細端からエネルギーを供給するので、比較的低い印加電圧での動作が可能である。このため低消費電力で微小領域に選択的にかつ安定的にダイヤモンド等の薄膜を形成することが可能である。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における薄膜形成装置の構成図である。
【図2】実施形態1における薄膜形成方法の工程図である。
【図3】実施形態2における薄膜形成装置の構成図である。
【符号の説明】
S…試料
10…制御装置(制御手段)
11…第1の電極(111,112)
12…第2の電極
13…搬送手段(130〜132)
14…試料に浸す手段(140、142,143)
141…有機溶媒
15…印加手段(151,152)
16…検出手段(161〜164)

Claims (9)

  1. 微細端を有する電極により試料表面に薄膜を形成する薄膜形成装置であって、
    前記微細端を有する第1の電極と、
    試料を任意の電位に保持する第2の電極と、
    前記第1の電極と試料との相対位置を調整する搬送手段と、
    所定の有機溶媒が含まれた溶液中に前記試料を浸す手段と、
    前記第1の電極および第2の電極間に所定の電圧を印加する印加手段と、
    前記搬送手段により前記第1の電極と試料との距離を一定距離以下に設定し、かつ、前記電極と試料との相対位置を変化させながら、前記印加手段により前記第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加させる制御手段と、を備えたことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1の電極と試料との間に電圧を印加させながら、前記第1の電極の微細端が試料上に形成したいパターン形状に沿って移動するように前記第1の電極と前記試料との相対位置を変更可能に構成されている請求項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記第1の電極と試料との距離を1μm以下に接近させて前記電圧を印加する請求項1に記載の薄膜形成装置。
  4. 前記有機溶媒として、エタノール、メタノール、アセトン若しくはエチレングリコールのうちいずれかまたはこれらの混合物を使用する請求項1に記載の薄膜形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記電圧を印加する前に、前記第1の電極により試料の表面形状を計測可能に構成されている請求項1に記載の薄膜形成装置。
  6. 微細端を有する電極により試料表面に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
    所定の有機溶媒が含まれた溶液中に前記試料を浸すステップと、
    前記電極と試料との相対距離を一定距離以下に設定するステップと、
    前記電極と試料との相対位置を変化させながら、前記電極と試料との間に電圧を印加させるステップと、を備えたことを特徴とする薄膜形成方法。
  7. 前記電圧を印加させるステップでは、前記電極と試料との相対位置を、当該電極の微細端が試料上に形成したいパターン形状に沿って移動するように変化させる請求項6に記載の薄膜形成方法。
  8. 前記電極と試料との相対距離を一定距離以下に設定するステップでは、前記第1の電極と試料との距離を1μm以下に接近させる請求項6に記載の薄膜形成方法。
  9. 前記電極と試料との相対距離を一定距離以下に設定するステップの前に、前記電極により試料の表面形状を計測可能に構成されている請求項6に記載の薄膜形成方法。
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