JP3844987B2 - 生体情報測定用センサ及びその製造方法 - Google Patents

生体情報測定用センサ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、血糖値などの生体情報を測定するためのセンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
糖尿病患者には、インシュリンの投与量を決定するために、一日に数回、血糖値を測定しなければならない人がいる。血糖値の測定は、人体の指先などに針を刺して血液を採取し、この血液を血糖値測定用のセンサに導入することで行っている。この測定方法では、測定の度に生体から血液を採取しなければならない。また、健康診断などでも種々の情報を得るために所定量の血液を採取しなければならない。しかし、血液の採取は、肉体的な苦痛のみならず、精神的な苦痛も大きい。
このため、本発明者らは、皮下に穿刺することによって、直接、皮下体液中の糖の値を測定できるセンサを作成してきた。しかし、皮下に穿刺可能なセンサは微小であり、大量に製造することは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では、血液を採取することなく生体情報を測定することができる生体情報測定用センサをより単純な工程で製造する方法を提供することを課題とする。
また、血液を採取することなく生体情報を測定することができ、簡単に製造される生体情報測定用センサを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、生体情報測定用センサの製造方法であって、導電性材料が成形されて形成されている複数の突起部を有する導電性部材が絶縁性基材上に接合された接合体を形成する工程と、前記突起部が互いに絶縁されるように前記導電性部材を分割して複数の電極部を形成する工程とを備える、方法を提供する。
この製造方法では、1つ又は複数の導電性材料を絶縁性基材上に接合し、その後この導電性部材が成形されて形成されている複数の突起部ごとに分割することで、接合した導電性部材の数より多い数の突起部を絶縁状態で基材上に設けることができる。このため、より少ない工程で、複数の電極部を備えるセンサを製造することができる。
【0005】
また、この方法において、接合体の形成工程では、前記導電性部材を前記絶縁性基材の成形空間内に挿入して、絶縁性基材を成形する方法を提供する。
この方法では、絶縁性基材の成形と同時に導電性部材を絶縁性基材上に接合することができるため、より少ない工程でセンサを形成することができる。
【0006】
また、この方法において、前記電極部に測定しようとする特定物質に対して活性な酵素を層状に設け、この電極部を電解処理する工程を有する方法を提供する。
導電性材料上に酵素層が設けられた電極部を電解処理することによって、皮下体液中の特定物質(前記酵素と基質との反応)に関する電極の感度を向上させることができ、検出精度の高いセンサを製造することができる。
【0007】
また、本発明では、生体情報測定用センサであって、絶縁性基材と、この絶縁性基材上に設けられ、導電性材料によって成形されている皮下に穿刺可能な複数の突起部とから構成され、前記突起部は、皮下に穿刺された状態で、皮下体液との間で電子移動可能な電極部に形成されていることを特徴とする生体情報測定用センサを提供する。
この生体情報測定用センサは、複数の突起部を皮下に穿刺することによって突起部を皮下体液に接触させ、電極部に電圧をかけることで生体情報を測定することができる。したがって、皮下体液を採取せず、直接体内の皮下体液を測定して、生体情報を得ることができる。この生体情報測定用センサは、上述の製造方法によって製造することができる。
なお、本明細書において皮下体液には、血液を含む種々の生体内に存在する液体及び流体が含まれるものとする。
【0008】
また、本発明では、上記生体情報測定用センサであって、前記電極部は、測定しようとする特定物質に対して活性を有する酵素層と、前記電極部と皮下体液との間の電位格差を補償する電子メディエータ層と、当該電極部と皮下体液との間で特定物質以外の物質の移動を制限するカバー層とが設けられているセンサを提供する。
酵素層を設けることにより、電極部で特定物質(前記酵素の基質)に関する電気情報を選択的に検出することができ、所望の生体情報を得ることができる。そして、電子メディエータ層によって、皮下体液、すなわち特定物質と酵素間の反応にかかる電位と、電極部にかかる電位とに格差があっても、スムーズに酵素−基質間で反応が起こり、電極部に電流が流れるように形成されている。また、カバー層によって、特定物質以外の物質の移動を制限することにより、タンパク質など皮下体液成分の付着や、生体とアレルゲンとの接触などの生体に対する悪影響が低減されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の生体情報測定用センサの製造方法は、導電性材料が成形されて形成されている複数の突起部を有する導電性部材が絶縁性基材上に接合された接合体を形成する工程と、前記突起部が互いに絶縁されるように前記導電性部材を分割して複数の電極部を形成する工程とを備えることを特徴とする。以下に、図3に示す本実施形態のセンサ11を製造する方法について、図1,4を参照しながら説明する。
【0010】
(導電性材料が成形されて形成されている複数の突起部を有する導電性部材が絶縁性基材上に接合された接合体を形成する工程)
まず、導電性部材20を作成する。導電性部材20は、複数の突起部21a,21bを備える形状に成形される。導電性部材20を構成する材料は、電気伝導性が良好な材料で、例えば銅、アルミニウム、鉄などの金属材料を用いることができる。また、金、白金吟等の貴金属材料を用いても良い。導電性部材20は、エッチング、鋳型成形、板状部材のプレス成形など公知の種々の成形法によって成形することができる。好ましくは、鋳型成形やエッチング、より好ましくはドライエッチングを用いると、先端が鋭利な突起部を良好に形成することができる。ドライエッチングとしては、プラズマエッチング、スパッタエッチング、イオンエッチングなど種々の方法を用いることができる。
【0011】
電気を用いて生体情報を検出するセンサでは、一種類の測定要素に対して、作用電極及び対電極として作用する2つの電極部、または作用電極、対電極及び参照電極として作用する3つの電極部が設けられる。本発明に係るセンサでは、1つの突起部に1つの電極部が形成されるため、1つのセンサについて少なくとも2つの突起部が設けられる。導電性部材20は、1つのセンサに設けられる全ての突起部を備えるように作成することが好ましいが、1つのセンサに設けられる少なくとも2以上の突起部を備える導電性部材を備えるように作成されれば良い。このため、1つのセンサに対して複数の導電性部材を作成しても良い。また、複数のセンサに設けられる複数の突起部を備える1つの導電性部材を作成しても良い。
【0012】
突起部21a,21bは、皮下に穿刺されて皮下体液に接触可能な種々の形状に形成することができる。例えば、針状、円錐状、角錐状など先端が鋭利な形状に形成されると、皮下に穿刺しやすいため、好ましい。突起部21a,21bは、中実状でも中空状でも良い。
本実施形態では、導電性部材20は、図1に示すように、平板状部分22とこの平板状部分22から突出して設けられる対を成す突起部21a,21bとを備える形状に成形した。また、突起部21a,21bを中空の円錐形状に成形した。
【0013】
次に、導電性部材20を絶縁性基材12上に接合した接合体を形成する。
絶縁性基材12は、シリカ、ゴム又は樹脂材料等の絶縁性の材料を用いて作成することができる。絶縁性基材12は、種々の形状に形成することができ、本実施形態では、図1,3,4に示すように平板状に形成した。
【0014】
導電性部材20は、接着、溶着等の固着や係合などの結合等、公知の種々の方法によって絶縁性基材12上に接合することができる。本実施形態では、導電性部材20の平板状部分22を絶縁性基材12の成形空間の所定部位に挿入しておき、絶縁性基材12を成形することで一体化する。具体的には、導電性部材20の平板状部分22を絶縁性基材12の成形型の上面に密着するように配置して、絶縁性基材12の材料を成形型内に充填し、絶縁性基材12を成形する。この工程によって、図1の上から2番目に示すように、絶縁性基材12の上面に導電性部材20が一体化された接合体が得られる。
なお、予め導電性部材と絶縁性基材とを別々に成形しておき、その後種々の方法によって絶縁性基材上に接合することで同様の接合体を得ることができる。
【0015】
突起部21a,21bは、その表面に金属製の皮膜31を設けて電極部に形成することが好ましい。皮膜31の形成に用いられる材料は、電極として使用できる種々の金属材料であり、例えば、金、白金、銀などの貴金属材料が好ましい。電極として使用される金属材料は、突起部21a,21bを被覆するように設けることが好ましい。金属製の皮膜31は、例えば、蒸着やメッキなどによって突起部21a,21bの表面に膜状に設けることができる。なお、導電性部材20を上述の貴金属材料で成形した場合は、皮膜31を設ける必要はない。
【0016】
また、図1,4に示すように、導電性部材21,22の平板状部分22の外面も、貴金属製の皮膜31で被覆することができる。この場合、平板状部分22を、電圧を電極部25a,25bまで良好に伝達する端子部に形成することができる。
【0017】
(突起部が互いに絶縁されるように導電性部材を分割して複数の電極部を形成する工程)
この工程では、絶縁性基材12を分割せず、導電性部材20を複数の突起部21a,21bが互いに絶縁されるように分割する。分割は、切断、研削、溶剤による溶解除去等の公知の方法を用いることができる。本実施形態では、レーザカッターを用いて、導電性部材20の平板状部分22を切断することによって分割した。導電性部材20を、突起部21a,21bを1つずつ備える互いに接触しない複数の導電性部材20a,20bに分割することで、複数の突起部21a,21bがそれぞれ絶縁される。各突起部21a,21bと連続状態に保持されている平板状部分は、絶縁性基材12に突起部21a,21bを一体化する接続部23a,23bを構成する。また、同時に、それぞれ突起部21a,21bの電極部25a,25bに電圧を供給可能な端子部を形成する。
【0018】
(機能層を付与する工程)
各電極部25a,25bを成す突起部21a,21bには、さらに、種々の機能を備える層を付与することによって、所定の生体情報を測定できるセンサを製造することができる。例えば、皮下体液中の所定の成分についての情報を抽出可能とする選択層を設けることが、好ましい。選択層は、所定の物質のみと反応する酵素が密に並べられた酵素層や、測定しようとする所定の物質を透過し、個の所定の物質の電位測定に影響を及ぼす物質を透過しない制限透過膜層とすることができる。
【0019】
酵素層に含有される酵素は、皮下体液中の特定物質と特異的に反応可能な種々の酵素から選択することができる。酵素は、基質、すなわち皮下体液中の特定物質と電子移動を伴う反応をするものを用いることが好ましい。また、酵素と基質との反応によって生成される物質が、電極部25a,25bとの間で素早く、且つ確実に電荷移動反応を起こすような酵素を用いても良い。例えば、糖(グルコース)の値を測定したい場合、図4に示す酵素層35としてグルコースオキシダーゼを設けることができる。
【0020】
また、酵素層を付与した場合、電子メディエータ層を設けることが好ましい。電子メディエータ層は、電極部と皮下体液中の特定物質との間の過大な電位差を補償して電位を検出可能としたり、検出精度を向上させたりする層である。例えば、図4に示す酵素層35がグルコースオキシダーゼから成る場合は、電子メディエータ層37には、種々のフェロセン類を用いることができ、例えば、フェロセンカルボキシアルデヒド−アルブミン共有結合体を用いることが好ましい。
なお、電子メディエータ成分は、酵素と混合して酵素層35中に含有させても良い。また、酵素と電子メディエータ成分とを混合した溶液を調整し、これを塗布することにより、実質的に酵素層と電子メディエータ層とが一層で構成されていても良い。
【0021】
さらに、電極部25a,25bの外面には、種々のカバー層を設けることができる。カバー層は、電極部と皮下体液との間で特定物質以外の物質が移動することを制限する層である。すなわち、電極部25a,25b側に皮下体液中の特定物質以外の成分が付着したり侵入することを制限したり、電極部25a,25bを構成する物質が皮下体液中に溶出したりすることを抑制する層とすることができる。
【0022】
カバー層は、皮下体液中の成分、例えばタンパク質等の電極部への付着を低減する材料、皮下体液中の成分による酵素の破壊を防止する材料、又は電極部を生体に対して無害化する材料等、目的に合わせて種々の材料を選択して設けることができる。また、これらを混合した材料を単層状に設けたり、複数のカバー層を積層状に設けたりすることができる。例えば、2−メタクリロイルオキシエチル・ホスホリルコリン(MPC)を用いると、生体適合性が高く、且つタンパク質など皮下体液内の成分が付着しにくいカバー層を形成することができる。
【0023】
上述したような種々の機能を備える層は、所望の溶剤に溶かした状態で、あるいは、溶融状態でスプレー噴霧、塗布、浸漬など、公知の種々の膜を形成可能な方法によって電極部25a,25b上に設けることができる。本実施形態では、各突起部21a,21bの皮膜31上に、酵素層35、電子メディエータ層37、カバー層39を以下に記載する方法によって形成した。
【0024】
まず、電極部25a,25bである貴金属製の皮膜31を、アセトン又はメチルセルソルブを溶媒とする1%酢酸セルロース溶液に浸し、乾燥させた。
次に、緩衝溶液によってpH5.0に調整された濃度1500U/mlのグルコースオキシダーゼ溶液(グルコースオキシダーゼは、176units/mg)を塗布し、乾燥させた。
その上に、1.25%グルタルアルデヒド水溶液を塗布して乾燥させることによってグルコースオキシダーゼを固定化し、酵素層35を得た。
【0025】
その後、さらに0.3%フェロセンカルボキシアルデヒド水溶液を塗布して乾燥させることにより、電子メディエータ層37を得た。
電子メディエータ層37の上に、MPCの0.5〜1.0wt%イソプロパノール溶液を塗布して、乾燥させることによってカバー層39を得た。
【0026】
(電極部を電解処理する工程)
電極部に測定しようとする特定物質に対して活性な酵素を層状に設ける場合、電極部に酵素を層状に設けた後に電極部を電解処理することが好ましい。電解処理は、電極部25a,25bを電解溶液、典型的には電解水溶液に浸漬し、電圧を印加することで行うことができる。例えば、グルコースオキシダーゼを酵素層35に含有される酵素として用いる場合、pH7.4に調製されたリン酸緩衝液を電解質溶液として用いることができる。また、電解質成分が充満する電解質雰囲気中において電極部に電圧を印加することによっても電解処理することができる。電解処理は、酵素層35が電極部25a,25bに設けられた後であれば、いつでも良い。本実施形態のようにカバー層39を設ける場合は、カバー層39を付与した後であると、電極部25a,25bに付与された各層及び貴金属製の皮膜31が安定に保持されるため、好ましい。
【0027】
この製造方法によれば、複数の導電性部材20a,20bを一度に一体的に成形することができる。また、絶縁性基材12には1つの導電性部材20を取り付けるだけで、複数の導電性部材20a,20bを絶縁性基材12上に設けることができ、作業が単純で、工程数が少なくて済む。
特に、絶縁性基材12の成形型に導電性部材20をインサートして絶縁性基材12を成形することにより、絶縁性基材12の成形と同時に導電性部材20と絶縁性基材12との一体化を行うことができ、工程数が少なくて済む。また、導電性部材20と絶縁性基材12の一体化に接着剤等他の部材を用いたり、結合のために複雑な形状部分を設けたりする必要がなく、単純な構成で接合体を形成できる。したがって、検出部10を容易に小型化することができる。
【0028】
また、導電性部材20を絶縁性基材12に固定した後に、突起部21a,21bに貴金属製の皮膜31及び種々の層35,37,39を形成することで、複数の導電性部材20a,20bを一度に加工でき、効率が良い。
また、電極部25a,25bに酵素を層状に設けた後に電極部を電解処理することにより、酵素層35中の酵素と電位供給側(皮膜31)との間での電子の授受がスムーズに行われる電極部25a,25bを得ることができ、測定感度が向上されたセンサを製造することができる。
【0029】
次に、上記実施形態に基づいて作成したセンサを備える生体情報測定装置について説明する。図2に示す生体情報測定装置1は、血糖値を測定するための装置で、本体部2と検出部10とを備えている。検出部10と本体部2とは、エネルギー及び信号の送受を可能とする伝送手段3によって連結されている。
【0030】
本体部2は、検出部10で得られる情報を受信し、この情報を処理して所望の数値や結果を求める処理手段と、処理手段で処理した結果を表示や音声などによって測定者に知らせる報知手段とを有する。また、生体情報測定装置1に必要とされる、種々の機能を備えた制御部や電源部などを有している。
【0031】
検出部10は、生体内の皮下体液から生体の電気的情報を検出する部分である。図3,4に検出部10部分を示す。本実施形態の検出部10は、絶縁性基材12と突起部21a,21bとを有し、上述の製造方法で製造されたセンサ11を備える。センサ11は、突起部21a,21bが皮下に穿刺できるように検出部10に配置されている。
【0032】
突起部21a,21bは、外面全体が、貴金属製の皮膜31によって被覆されて、それぞれ電極部25a,25bに形成されている。電極部25a,25bは、血糖値を測定するための作用電極及び対電極を成す。
また、突起部21a,21bに連続し、絶縁性基材12に固定されている接続部23a,23bには、同様の皮膜31が設けられている。接続部23a,23bは、本体部2の電圧源から伝送手段3を介して供給される電圧を電極部25a,25bまで良好に伝達する端子部を構成している。
【0033】
電極部25a,25bの外面には、血糖値を測定するための選択層が設けられている。本実施形態では、図3に示すように、電極部25a,25bの皮膜31の表面にグルコースオキシダーゼを含有する酵素層35が付与されている。グルコースオキシダーゼは、グルコースと特異的に電子移動を伴う反応をするため、電極部25a,25bは、皮下体液中のグルコースのみに依存する電位を測定することができる。
【0034】
また、酵素層35の表面には、良好に血糖値を測定するために、電子メディエータ層37が設けられている。本実施形態では、電子メディエータ層37は、フェロセンカルボキシアルデヒドが膜状に形成されて成る層である。
さらに、電子メディエータ層37の表面にカバー層39が設けられている。カバー層39は、生体適合性が高く、且つタンパク質など皮下体液内の成分が付着しにくい高分子材料である2−メタクリロイルオキシエチル・ホスホリルコリン(MPC)によって形成されている。
【0035】
検出部10は、図1に示すように、生体の皮膚上に固定されるための固定部材16を有している。固定部材16は、電極部25a,25bが確実に皮下に穿刺されるように皮膚の所定の部位に検出部10を固定する。固定部材16は、本実施形態では、可撓性部材で形成された吸着盤で、検出部10の外周から電極部25a,25bが突出する側に向かって徐々に径の大きくなるドーム型に形成されている。固定部材16は、皮膚に押し当てられて、ドーム形状内部の空気が抜けることによって、皮膚面に吸着する。なお、固定部材は、図4に示すような、中央が切り抜かれた円盤状の粘着層が皮膚当接面に付与された円盤状の固定部材17とすることもできる。この形態の固定部材17では、検出部10が中央の切り抜き部分に配置される。
【0036】
この生体情報測定装置1を用いて生体情報(血糖値)を測定する方法について簡単に説明する。まず、検出部10を固定部材16を用いて被測定者の上腕、腹部などの皮膚の所定部位に固定する。固定部材16は吸着盤で、皮膚面に押し当てることで皮膚面に吸着し、検出部10を安定に所定部位に固定する。次に、センサ11の突起部21a,21b(電極部25a,25b)を皮膚に穿刺して皮下に配置し、本体部2を操作して測定を開始する。突起部21a,21b(電極部25a,25b)の皮膚への穿刺は、固定部材16によって行われても良いし、別の駆動部材によって行われても良い。あるいは、人が手によって所定部位まで押しつける方法でも良い。
【0037】
電極部25a,25bが皮下に穿刺されると、本体部2は、電極部25a,25bの電位を変化させながら電流を測定させる。電極部25a,25bで検出された電流に関わる情報は、伝送手段3を通して本体部2まで送信される。本体部2は、処理手段で予め記憶されている係数や演算式によってこの情報を処理し、血糖値や、血糖値が基準を超えているかどうか、あるいは、投与すべきインシュリンの量などを求める。そして、処理手段による処理結果について、報知手段が表示、音声等で報知する。測定者は、この報知結果をもとに、糖尿病であるかどうかを判定したり、投与するインシュリンの量を決定したりすることができる。
【0038】
この生体情報測定用装置1の検出部10は、皮下に穿刺可能な突起部21a,21bを有し、この突起部21a,21bが皮下に穿刺されると皮下体液と接触して電流等を測定することができる電極部25a,25bに形成されている。このため、生体情報測定用装置1を用いれば、突起部21a,21bを皮膚に穿刺して生体内に存在する皮下体液から直接生体情報を得ることができるため、血液を採取する必要がなく、精神的な苦痛が軽減される。また、血液を採取しなくて良いため、例えば、上腕や腹部など生体の痛みに敏感でない部分に突起部21a,21bを穿刺して測定を行うことができ、肉体的な苦痛を軽減することができる。
【0039】
また、このような生体情報測定用装置1では、すぐに測定結果を得ることができるため、医者によって迅速な診断を行い得るとともに、被測定者の結果待ちの期間が短縮され、精神的負担が軽減される。
なお、本発明の生体情報測定用装置では、突起部の数を増大させることによって、複数の測定要素について同時に測定することができる。このため、たくさんの測定項目について、一回の操作で測定することができ、効率が良く、また、被測定者の肉体的苦痛及び精神的苦痛が軽減される。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。生体情報測定用センサは、血糖値を検出するものに限定されず、従来血液、尿などを採取して測定している種々の成分について測定するセンサとすることができる。
生体情報測定用装置は、本体部とセンサとが一体化されていても良い。例えば、センサと本体部とが一体に組み込まれた腕帯状のセンサとされていても良い。また、検出部10は、伝送手段3や本体部2に対して着脱可能とされていても良い。着脱可能とされていると、電極部25a,25bの洗浄や検出部10のみを交換することで、繰り返し利用することができる。
また、本体部2に、処理手段で得られる処理結果を、電話回線等を通して外部機器等へ通信可能な通信手段を設けても良い。通信手段を設けることにより、遠隔地への測定結果の伝送や、測定結果の管理が容易となる。例えば、糖尿病患者が、本生体情報測定用装置を用いて自らの血糖値を測定し、その結果を病院の管理センターや医師に伝送することができ、測定結果の伝達がスムーズにおこなわれる。
【0041】
【発明の効果】
本発明では、本発明では、血液を採取することなく生体情報を測定することができる生体情報測定用センサをより単純な工程で製造する方法を提供することができる。
また、血液を採取することなく生体情報を測定することができ、簡単に製造される生体情報測定用センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生体情報測定用センサの製造工程の一実施形態を示す模式図である。
【図2】本発明に係る生体情報測定用センサを備える測定装置の一実施形態を示す平面図である。
【図3】図1の方法によって製造され、図2の装置に設けられたセンサを示す斜視図である。
【図4】図3のセンサのIV−IV断面図である。
【図5】図2の装置における検出部の異なる実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 生体情報測定装置
2 本体部
3 伝送手段
10 検出部
11 センサ
12 絶縁性基材
16,17 固定部材
20,20a,20b 導電性部材
21a,21b 突起部
22 平板状部分
23a,23b 接続部
25a,25b 電極部
31 貴金属製の皮膜
35 酵素層
37 電子メディエータ層
39 カバー層

Claims (5)

  1. 生体情報測定用センサの製造方法であって、
    導電性材料が成形されて形成されている複数の突起部を有する導電性部材が絶縁性基材上に接合された接合体を形成する工程と、
    前記突起部が互いに絶縁されるように前記導電性部材を分割して複数の電極部を形成する工程とを
    備える、方法。
  2. 前記接合体の形成工程では、前記導電性部材を前記絶縁性基材の成形空間内に挿入して、絶縁性基材を成形する、請求項1に記載の生体情報測定用センサの製造方法。
  3. 前記電極部に測定しようとする特定物質に対して活性な酵素を層状に設け、この電極部を電解処理する工程を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 生体情報測定用センサであって、
    絶縁性基材と、この絶縁性基材上に設けられ、導電性材料によって成形されている皮下に穿刺可能な複数の突起部とから構成され、
    前記突起部は、皮下に穿刺された状態で、皮下体液との間で電子移動可能な電極部に形成されていることを特徴とする生体情報測定用センサ。
  5. 前記電極部は、
    測定しようとする特定物質に対して活性を有する酵素層と、
    前記電極部と皮下体液との間の電位格差を補償する電子メディエータ層と、
    当該電極部と皮下体液との間で特定物質以外の物質の移動を制限するカバー層と
    が設けられている請求項4に記載の生体情報測定用センサ。
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