JP2004180773A - 生体情報測定用センサ及びその製造方法 - Google Patents

生体情報測定用センサ及びその製造方法 Download PDF

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金治 西村
Hiroyuki Kato
浩之 加藤
Kazuhiko Ishihara
一彦 石原
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Abstract

【課題】血液を採取することなく生体情報を測定できるセンサであって、センサの感度を容易に制御でき、簡単に製造できる生体情報測定用センサを提供する。
【解決手段】生体情報測定用センサ11は、皮下に穿刺可能な突起部30を有し、突起部30は、複数の電極部31,32と、電極部31,32間に設けられ、皮下体液中の所定成分に係る情報を取り出す選択相34とを備える。このセンサ11では、電極部31,32が接触することを防いで、容易に近づけて設けることができ、単純な構成で小型化されている。また、選択相34を種々の形状、形態、又は量で設けることが容易で、センサ11の測定感度の調節が容易となっている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、血糖値などの生体情報を測定する装置及び生体情報を測定するためのセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
糖尿病患者には、インシュリンの投与量を決定するために、一日に数回、血糖値を測定しなければならない人がいる。血糖値の測定は、人体の指先などに針を刺して血液を採取し、この血液を血糖値測定用のセンサに導入することで行っている。しかし、この測定方法では、測定の度に生体から血液を採取しなければならず、肉体的にも精神的にも苦痛が伴う。なお、このような技術は、汎用されているものであり、発明者らは特に文献等によらず知り得たものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、本発明者らは、皮下に穿刺することによって、直接、皮下体液中の糖の値を測定できるセンサを作成してきた。しかし、皮下に穿刺可能なセンサは微小であることにより、大量に製造することが容易でない。また、測定感度などの性質を向上させたセンサを製造するには種々の困難がある。例えば、酵素(グルコースオキシダーゼ)を塗布した電極を用いる血糖値計では、センサの感度は、酵素の量に依存するが、センサ自体が微小であるため、センサ表面に塗布できる量には限度がある。
そこで、本発明では、血液を採取することなく生体情報を測定できるセンサであって、センサの感度を容易に制御でき、簡単に製造できる生体情報測定用センサを提供することを課題とする。
また、血液を採取することなく生体情報を測定することができる生体情報測定用センサを、センサの感度を容易に制御して簡単に製造できる方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、生体情報測定用センサであって、皮下に穿刺可能な突起部を有し、前記突起部は、複数の電極部と、これらの電極部間に設けられ、皮下体液中の所定成分に係る情報を取り出す選択相とを備える生体情報測定用センサを提供する。
この発明によれば、電極部の間に選択相が設けられるため、電極部どうしが接触することを防いで、容易に近づけて配置することができ、単純な構成で小型化することができる。また、選択相を種々の形状、形態、又は量で設けることが容易で、センサの測定感度の調節が容易となっている。
また、上記センサであって、前記複数の電極部は、1つの電極基部から延びるように形成されている生体情報測定用センサを提供する。
このセンサでは、複数の電極部を所定の間隔で電極基部から延びるように形成してから選択相を設けることで、容易に所定の量の選択相を設けて、測定感度を調節することができる。
また、前記複数の電極部の互いに対向する面がほぼ同一の形状に形成されていると、選択相を挟むようにして保持することができる。
【0005】
また、本発明では、生体情報測定用センサの製造方法であって、複数の電極部とこの複数の電極部間に皮下体液中の所定成分に係る情報を取り出す選択相とを有する突起部を形成する工程を有する、生体情報測定用センサの製造方法を提供する。
この製造方法によれば、電極部の間に選択相を設けるため、電極部を近接させて1つの突起部に形成させることができる。また、選択相を電極部間に設けることにより、選択相を電極部によって安定に保持することができ、種々の形状、幅、大きさに形成することができる。このため、所望の測定感度を有するセンサを同様の製造方法で容易に製造することができる。
また、上記製造方法において、前記複数の電極部を、突起状部材の先端側を分割して形成すると、組合わせることで皮下に穿刺可能な形状の複数の電極部を形成することができる。したがって、より少ない工程で、1つの突起部を構成する複数の電極部を形成することができる。特に、複数の電極部が集合したより大きい形状で成形するため、精密な成形が容易である。また、電極部の先端の反対側で一体のままの状態で電極部間に選択相を設けることで、所定の間隔に固定されている電極部間に、容易に所定の形状又は量の選択相を形成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係るセンサ11を図1,2に示す。センサ11は、突起部30と基部20とを備えている。
突起部30は、皮下に穿刺可能な凸状に形成されている部材で、複数の電極部と、これらの電極部間に設けられる選択相34とを有する。本実施形態では、複数の電極部として、作用電極及び対電極として作用する一対の電極部31,32が設けられている。
【0007】
電極部31,32は、図2,3に示すように、組み合わされて、皮下に穿刺可能な形状となるように形成されている。典型的には、突起状に成形された部材を凸方向に沿って切断したり、所定の幅で削除したりして得られる形状に形成されている。本実施形態では、電極部31,32は、頂面が所定の長さの線分に形成され、円錐状に形成されたテーパ状の先端を有する突起状部材を、頂面の線分の幅で、凸方向に沿って削除して得られる対を成す形状に形成されている。
【0008】
電極部31,32は、検出に用いられる部分が電極として利用可能な材料で構成されている。電極として利用可能な材料は、典型的には、金、白金、銀などの貴金属材料とされる。このため、電極部は、全体が貴金属材料によって構成されていても良い。また、電極部は、銅、鉄などの導電性材料やシリコン、セラミックなどの絶縁性材料で構成された部材に、貴金属製の被膜が設けられて構成されていても良い。
本実施形態の電極部31,32は、貴金属材料によって成形されている。なお、図3は、絶縁性部材に貴金属製の被膜65が設けられて成る電極部63を有するセンサの一例である。
【0009】
電極部31,32の間には、選択相34が設けられる。選択相34が設けられる電極部31,32の互いに対向する面は、種々の形状で良いが、好ましくは、本実施形態のように、電極部31,32の互いに対向する面の形状をほぼ同一に形成する。また、選択相34は、少なくとも複数の電極部31,32の互いに対向する面の一部に接触するように付与されていれば良いが、選択相34と電極部31,32との接触面積が大きいと、測定感度が高くなるため、好ましい。したがって、より好ましくは、電極部31,32の互いに対向する面の形状をほぼ同一に形成し、この対向面全体に接触するように設ける。電極部31,32との対向面全体に接触するように選択相34を設けることにより、選択相34と電極部31,32との接触面積を確実に把握でき、所定の測定感度を確保することが容易となる。
【0010】
選択相34は、種々の成分が種々の濃度、形態で混在している皮下体液から所定成分に係る情報を取り出すための選択用物質を含有する部分である。選択用物質は、所定の物質と電子移動を伴う反応をする酵素や、測定しようとする所定の物質を透過し、この所定の物質の電位測定に影響を及ぼす物質を透過しない制限透過膜等とすることができる。選択用物質としての酵素は、皮下体液中の所定成分と特異的に反応可能な種々の酵素である。酵素は、皮下体液中の所定成分の濃度に関する情報を電気情報に変換することができる。本実施形態のように、糖(グルコース)の濃度(血糖値)を測定したい場合、例えば、グルコースオキシダーゼを付与することで糖の濃度に関する情報を電気情報に変換できる。
【0011】
選択相34の選択用物質として酵素を用いる場合、選択相34には、酵素反応にかかる電位と電極部31,32間の電位との差を補償する電子メディエータが含有されていることが好ましい。電子メディエータは、電極部と皮下体液中の所定成分との間の過大な電位差を補償して電位を検出可能としたり、検出感度を向上させたりする。例えば、グルコースオキシダーゼを用いる場合は、電子メディエータとしてフェロセン類を用いることができる。例えば、フェロセンカルボキシアルデヒド−アルブミン共有結合体が好ましい。
なお、電子メディエータは、酵素を含有する相とは別の電子メディエータ相として設けても良い。例えば、電極部31,32表面に酵素層を設け、酵素層間に電子メディエータ層を設けて複数層より成る選択相34としても良い。
【0012】
選択相34には、皮下体液中の測定を阻害する成分の付着又は侵入や、選択相34を構成する物質の皮下体液中への溶出を制限する保護物質を含有させることができる。保護物質は、例えば、生体適合性が高く、且つタンパク質など皮下体液中の成分が付着しにくい高分子材料である2−メタクリロイルオキシエチル・ホスホリルコリン(MPC)とすることができる。
また、選択相34には、他の種々の目的に応じて種々の材料を混合しても良い。例えば、選択用物質(選択相34)と電極部31,32との付着性等を向上させるために、アセトン又はメチルセルソルブを溶媒とする1%酢酸セルロース溶液を添加したり、酵素の安定化のためにグルタルアルデヒド水溶液を添加したりすることが、好ましい。
【0013】
選択相34は、固体あるいは粘性体で構成することができる。選択相34は、選択用物質又は選択用物質と上記種々の添加物のみから構成されても良いし、選択用物質を安定に保有する保有体によって構成されても良い。保有体は、スポンジ様の固体や、粘性体、ペースト、クリームなど種々の形状のものを選択し得る。選択相34は、酵素や他の添加物が均一に分散されていることが好ましい。また、センサ11の測定感度が高くなる構成が好ましい。このため、選択相34は、ゲル状あるいはペースト状の材料又はこれらが固化した材料で構成されることが好ましい。本実施形態の選択相34は、カーボンや銀ペーストなど、適度な導電性を有する保有体を有し、グルコースオキシダーゼ、及び電子メディエータとしてのフェロセンカルボキシアルデヒド−アルブミン共有結合体が練り込まれている。
【0014】
基部20は、突起部30を立設して固定できる部材である。本実施形態では、基部20として銅箔による配線パターンが施された絶縁性の板状部材、いわゆるプリント配線基板を用いた。基部20には、突起部30の下部に略等しい大きさの貫通孔22(図2参照)が形成されている。貫通孔22の周囲には、両面にわたって貫通孔22の外周縁を被覆して、それぞれ約半周する配線24,25が設けられている。配線24,25は、互いに絶縁されている。各配線24,25は、貫通孔22の周囲から基部20の一端部へ向かって延びており、電極部31,32と本体部2(センサ取り付け部10)との間で、電圧及び電流値(電気情報)の送受を行う接続部に形成されている。
【0015】
突起部30の基部20への取り付け形態は特に限定されない。接着剤や粘着剤等の固着用材料を用いても良いし、はんだ付けによって取り付けても良い。基部20が接続部としての配線24,25を備える場合、配線24,25と突起部30の電極部31,32とが通電できるように固定される。本実施形態では、突起部30は、基部20の貫通孔22に通されて、電極部31,32の外周面が貫通孔22の外周に設けられた配線24,25に接触する位置となるように、下端が接着剤40で基部20に固定されている。
【0016】
なお、皮下に穿刺される突起部30の表面には、突起部30と皮下体液との間における所定成分以外の物質の移動を制限する保護層38を設けることが好ましい。保護層38は、電極部31,32側への皮下体液中の測定を阻害する成分の付着又は侵入や、突起部30を構成する物質の皮下体液中への溶出を制限する部分である。保護層38は、目的に合わせて1種又は2種以上の材料を選択して、単層又は複数層よりなる皮膜状に設けることができる。例えば、選択相34で述べた保護用物質を用いることができる。本実施形態では、保護層38は、突起部30全体及び基部20の表面を被覆するMPCによって構成されている。
【0017】
また、本実施形態の突起部30は、固定用部材36によって固定状態が補強されている。固定用部材36は、突起部30の外周を包囲して電極部31,32及び選択相34の分離を抑止する種々の構成とすることができる。例えば、突起部30を一周する帯状に設けられた接着剤や、突起部30を挿入できるプラスチック、ゴム等の伸縮性のチューブとすることができる。
【0018】
なお、図3に示すように絶縁性材料から成る電極材63に貴金属製の被膜65が設けられて電極部に形成されている形態では、複数の電極部63を、1つの電極基部67から延びるように形成することができる。すなわち、下端で一体化されている形状に成形された絶縁性部材を用いて、電極基部67とこの電極基部67から延びる複数の電極部63を形成することで、形状が安定に維持された突起部70とすることができる。
【0019】
図4に、本実施形態のセンサ11を備える生体情報測定装置である血糖値計を示す。血糖値計1は、センサ11の他、本体部2とセンサ取り付け部10とを備えている。センサ取り付け部10は、ケーブル状に形成された伝送手段3によって本体部2に連結されている。センサ11は、センサ取り付け部10に着脱可能に固定される。
【0020】
本体部2は、所定成分に係る電気情報の検出のために用いる電源、電気情報を処理するための処理手段、処理手段による処理結果を表示、音声などで報知する報知手段、処理結果を他の機器へ伝送する通信手段を備えている。本体部2は、上述の手段の他、血糖値計に内蔵、あるいは外付けされ得る他の種々の手段を備えていても良い。
【0021】
センサ取り付け部10は、皮下に穿刺されるセンサ11が着脱可能に取り付けられる部分である。例えば、本実施形態では、センサ11の基部20を係止して固定する形態とすることができる。センサ取り付け部10は、センサ11に本体部2から供給される測定用電圧を送信する部分及びセンサ11で検出される電気情報を受信する部分を備えている(いずれも図示せず)。電圧送信及び電気情報受信の両方を行う入出力部は、センサ11を用いる装置では、固定されたセンサ11の配線24,25に接続されるように配置される。
【0022】
センサ取り付け部10は、被測定者の皮膚にセンサを固定する固定部材16を備えている。固定部材16は、本実施形態では、皮膚に吸着可能な吸盤状部材に形成されている。固定部材16は、種々の形態を選択することができ、例えば、センサを囲む円盤状部材と、この円盤状部材に塗布された粘着剤とで構成しても良いし、所定部位に締め付け固定可能な帯状部材(腕帯等)としても良い。
【0023】
次に、本実施形態の血糖値計1を用いて血糖値を測定する方法について説明する。
まず、センサ取り付け部10にセンサ11を装着する。次に、固定部材16を被測定者の上腕、腹部などの皮膚の所定部位に押し当てて皮膚面に吸着させて、センサ11を皮膚上に固定する。そして、センサ11の電極部31,32を皮膚に穿刺して皮下に配置する。電極部31,32の皮膚への穿刺は、固定部材16による固定と同時に行われても良いし、別の駆動部材や人の手によって所定部位まで押しつける方法によって行われても良い。
【0024】
その後、本体部2を操作して測定を開始する。測定では、電極部31,32に所定又は変化する電圧を印加する。皮下に穿刺された電極部31,32は、皮下体液(主として血液)と接触しており、電極部31,32間に電圧が印加されることで、電位差及び糖の濃度に依存する大きさの電流が流れる。本体部2では、この電流に関する情報(電気情報)を受信して、処理手段で処理する。処理手段では、電気情報に基づいて、血糖値や、血糖値が基準を超えているかどうか、あるいは、投与すべきインシュリンの量などが求められる。
【0025】
その後、処理手段による処理結果は、報知手段又は通信手段に伝送される。報知手段では、血糖値や投与すべきインシュリンの量、あるいは血糖値が正常範囲内であるかどうかが表示、音声等によって報知される。また、通信手段は、出力端末がコンピュータや電話回線等に接続されることで、コンピュータあるいはサーバに上記処理結果を送信する。測定者は、この処理結果をもとに、現在の血糖値を把握したり、投与するインシュリンの量を決定したりすることができる。
【0026】
このセンサ11では、選択相34は、電極部31,32の間に挟み込まれた状態で設けられているため、所定の厚みが確保されている。かかる構成のセンサでは、選択相34の厚みを増大させることで選択用物質の量を増大させることができ、容易に測定感度を増大させることができる。
また、センサ11は、電極部31,32の構成材料と、その間に設けられる選択相34によって突起部30が構成されているため、部品点数が少なく、単純な構成となっている。選択相34を電極部31,32によって挟むことにより、電極部31,32が直接接することを確実に防いで、より近接させることができ、効率的に小型化できる。
選択相34は、両面が電極部31,32に密着しているため、他部材に接触する可能性が小さく、選択相34の損傷が良好に低減されており、安定した測定感度を保持することができる。
【0027】
突起部30は、配線パターン(24,25)を備える基部20に固定されており、突起部30の電極部31,32と基部20の配線パターン(24,25)とが通電可能に設けられている。したがって、このセンサ11では、配線パターン(24,25)に通電することで、電極部31,32に電圧を印加することができ、より少ない部品点数でセンサ11を形成することができ、小型化が容易である。また、配線パターンによって電極部への配線が形成されるため、大量生産が容易である。
【0028】
次に、本発明に係わる生体情報測定用センサの製造方法について説明する。
本発明の生体情報測定用センサの製造方法は、複数の電極部とこの複数の電極部間に皮下体液中の所定成分に係る情報を電気情報に変換する選択相とを有する突起部を形成する工程を有することを特徴とする。
【0029】
本工程では、電極部、選択相がどの順番で成形され、あるいは固定されても良い。最終的に複数の電極部の間に選択相が存在し、全体が皮下に穿刺可能な突起部に形成される工程である。例えば、選択用材料を電極部に成形される前の材料に一体的に設け、その後、電極部を突起状に成形しても良い。すなわち、2枚の貴金属製板状部材の間に選択用材料を付与して積層体を製造し、この積層体を、切り出したり、研削したりして皮下に穿刺可能な突起状に成形しても良い。また、複数の電極部をそれぞれ成形しておき、選択用材料の付与によって、又は付与と同時に各電極部を一体化しても良い。すなわち、複数の電極部の少なくとも一方に選択用材料を塗布等によって付与しておき、その後、他の電極部を選択用材料が付与されている部分に対向するように配置して突起部を形成しても良い。
【0030】
また、選択用材料がそれ自体で所定の形状を維持できる形態の場合は、複数の電極部を選択用材料に当接して固定することで、突起部を形成することができる。例えば、予め平板状に形成した選択用材料(選択相)の両面に突起状部材を凸方向に2分割して形成した電極部を配置し、選択相を電極部の外形に沿って切り出しても良い。
選択用材料が所定の形状を維持できない場合は、複数の電極部の少なくとも1つに選択用材料を付与する。選択用材料を電極部へ付与する方法は、塗布、注出、選択用材料溶液への電極部の浸漬など、種々の方法を選択することができる。
【0031】
本製造方法における好ましい手順は、予め複数の電極部を形成して所定の間隔で固定状態に配置し、この電極部間に選択用材料を付与する方法である。すなわち、選択用材料を複数の電極部の間に注入する方法が好ましい。この方法では、1つの部材から、複数の電極部を一体化された状態で成形することが好ましい。
【0032】
以下、複数の電極部を、突起状部材の先端側を分割して形成する工程を用いて、複数の電極部と電極部の間に設けられた選択相とを有する突起部を備えるセンサを製造する方法について、図5,6を参照して説明する。
まず、貴金属材料よりなる突起状部材を用いる場合について、図5(a)を参照して説明する。なお、図5(a)は、本実施形態のセンサ11の製造例を示している。
突起状部材は、先端が皮下に穿刺可能な凸状に成形された部材である。皮下に穿刺可能な凸状部分は、例えば、円錐、角錐などである。成形の方法は、特に限定されず、押し出し成形、研削など公知の方法を用いることができる。図5(a)では、貴金属材料で円形断面を有する長軸部材を成形し、先端を頂部が所定長さの線分で形成されるほぼ円錐形のテーパ状に成形した。
【0033】
次に、突起状部材51の先端側を分割する。分割では、必要とされる電極部の数だけの凸状部分が得られるように分割する。例えば、作用電極、参照電極、対電極の3つの電極を備えるセンサを製造する場合は3分割し、2種類の生体情報を得るために2対の電極を設けたい場合は4分割する。分割は、切削、溶融除去、レーザカッターによる切除など、種々の方法で行える。図5(a)では、突起状部材51の先端から凸方向に沿って所定の長さまで直線状に延びるスリットを形成して突起状部材51を2分割し、2つの電極部53aを形成した。
【0034】
次に、電極部53間に選択相を設ける。まず、液状、ペースト状、固体状など種々の形態を有し、所定の濃度の選択用物質を含有する選択用材料を調製する。そして、選択用材料を電極部の間に所望の方法で所望の量だけ付与し、適宜乾燥などさせることで選択相34を形成することができる。本実施形態では、ペースト状の選択用材料を電極部53間に注入して充填した。この選択用材料を乾燥することにより、電極部53間に選択相34が設けられる。
【0035】
突起状部材51では、複数の電極部53aは下端で一体化されており、通電自在となっている。このため、選択用材料を付与後、電極部53を分離状態に設ける。複数の電極部53は、分離後も同様の位置関係で配置されていることが好ましい。このため、分離の前に、上述の固定用部材36を用いて一体化状態を補強しておいても良い。また、直接、センサ11の基部20に取り付けることによって一体化状態に固定しても良い。図5(a)に示す形態では、電極部53の根元部分、すなわち分割によって形成されるスリットの底部分を管状の固定用部材36に通して一体化した。
その後、突起状部材51の分割されている部分、すなわち、スリットの底部分を固定用部材36ごと切断して、2つの電極部53を分離した。このようにして、突起部30を製造することができる。そして、突起部30を基部20に取り付けることで、本実施形態のセンサ11を得ることができる。
【0036】
なお、突起状部材51を電極材料とされない導電性材料で構成した場合は、図5(b)に示すように、電極部53aを成形後、各電極部53aに貴金属製の被膜55を付与する。貴金属製の被膜55は、少なくとも選択相34が当接又は近接して設けられる部分、すなわち、測定において電圧が印可される対を成す電極部53の互いに対向する面に設けられる。貴金属製の被膜55は、めっき、化学蒸着など公知の方法によって形成することができる。その後、貴金属材料で突起状部材を形成した場合と同様にして、突起部を形成することができる。そして、基部20の配線24,25に貴金属製皮膜55が当接するように突起部を取り付けることで、センサ11と同様のセンサを得ることができる。
【0037】
また、図6に示すように、突起状部材61をセラミック等の絶縁性材料で形成する場合も、同様に、突起状部材61の先端側を分割して複数の電極部63を形成し、電極部63に貴金属製の被膜65を設ける。ここで、貴金属製の被膜65は、異なる電極部に設けられる貴金属製被膜65が、互いに連続しないように設ける。図6に示すように、突起状部材61にスリットを設けて分割した場合は、スリットの底部より先端側に貴金属製の被膜65を設ける。その後、電極部63間に選択用材料を付与し、選択相69を形成する。
【0038】
突起状部材61が絶縁性の場合、絶縁性部材が連続していても、直接通電されない。したがって、複数の電極部63が一体化されている下端を電極基部67として残したまま突起部70とすることができる。そして、突起部70を基部に取り付けることでセンサを製造することができる。基部20に突起部70を取り付けて製造したセンサを図3に示す。突起部70は、被膜65と基部20の配線24,25とが接触するように基部20に固定されている。
【0039】
この製造方法によれば、複数の電極部が1つの突起状部材から構成されるため、各電極部の性質をより均一にして製造することができる。また、分割によって形成される電極部53a間の隙間、すなわちスリットの幅を調節することで、選択相34の厚みを設定することができる。したがって、容易に測定感度を調節してセンサを製造することができる。
特に、突起状部材を貴金属材料で形成する場合、突起状部材の先端側を分割することで、電極部が形成できる。このため、貴金属製被膜を設ける必要がなく、電極部の特性をより均一にしやすい。また、より精密に形状を特定することができる。
一方、突起状部材を絶縁性材料で形成する場合では、突起状部材の先端側を分割した後、貴金属製皮膜を設けて電極部を形成する。この工程では、電極部を互いに分離しなくても金属製被膜どうしが連続していなければ良いため、突起状部材の下部を切断する工程を必要とせず、製造工程数を低減することができる。
【0040】
また、電極部を所定の間隔に固定して選択用材料を電極部間に充填する方法では、電極部31,32の間に均一な厚み及び濃度の選択相34を形成することが容易である。このため、測定精度及び感度を所定に設定することが容易で、歩留まりが良い。また、塗布の場合と比較して、ペーストやクリーム等の粘性体を電極部間に充填する方法では、電極部間に容易に大量の選択用物質を設けることができる。このため、検出出力を増大させることができ、測定精度及び測定感度の高いセンサを製造することができる。
【0041】
なお、いずれのセンサ製造方法においても、上記各段階において適宜、所望の処理、加工を行うことができる。例えば、本実施形態のように選択用物質として酵素を用いるセンサでは、電極部間に選択用材料を付与した後の任意の段階で、電気分解処理することが好ましい。電気分解処理は、電極部及び選択相部分を電解質溶液中に浸漬したり、電解質雰囲気中に晒したりして電圧を印加することで行える。保護層38を設ける場合は、保護層38を設けた後に電気分解処理すると、電極部31,32及び選択相34を保護層38によって保護でき、センサ11の特性や品質を安定に保持して電解処理することができる。
【0042】
本発明は、糖に関する情報を測定するためのセンサに限定されず、種々の皮下体液(血液)中の成分を検出することによって測定される生体情報測定するセンサに適用可能である。また、測定する電気情報は、電流に限定されず、電圧であっても良いのはもちろんである。
【0043】
【発明の効果】
本発明では、血液を採取することなく生体情報を測定することができ、簡単に製造される生体情報測定用センサを提供することができる。
また、血液を採取することなく生体情報を測定することができる生体情報測定用センサをより単純な工程で製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセンサの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のセンサの縦断面図である。
【図3】本発明に係るセンサの別の実施の形態を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態である血糖値計を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施の形態であるセンサの製造方法を示す図である。
【図6】本発明の別の実施の形態であるセンサの製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 血糖値計
2 本体部
3 伝送手段
10 センサ取り付け部
11 センサ
16 固定部材
20 基部
22 貫通孔
24,25 配線
30 突起部
31,32 電極部
34 選択相
36 固定用部材
38 保護層
40 接着剤
51,61 突起状部材
53,63 電極部
55,65 皮膜
67 電極基部

Claims (5)

  1. 生体情報測定用センサであって、
    皮下に穿刺可能な突起部を有し、
    前記突起部は、複数の電極部と、これらの電極部間に設けられ、皮下体液中の所定成分に係る情報を取り出す選択相とを備える、生体情報測定用センサ。
  2. 前記複数の電極部は、1つの電極基部から延びるように形成されている、請求項1に記載の生体情報測定用センサ。
  3. 前記複数の電極部の互いに対向する面がほぼ同一の形状に形成されている、請求項1又は2に記載の生体情報測定用センサ。
  4. 生体情報測定用センサの製造方法であって、
    複数の電極部とこの複数の電極部間に皮下体液中の所定成分に係る情報を取り出す選択相とを有する突起部を形成する工程を有する、生体情報測定用センサの製造方法。
  5. 前記複数の電極部を、突起状部材の先端側を分割して形成する、請求項4に記載の生体情報測定用センサの製造方法。
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