JP3844792B2 - 物品の顕微鏡検査装置及び方法 - Google Patents

物品の顕微鏡検査装置及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は物品の顕微鏡検査のための装置及び方法に関し、詳しく言うと、VLSI(超大規模集積回路)レチクルの欠陥を基準との比較によって検出するための装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
VLSI回路を製造する際に使用されるホトマスク又はレチクルを自動的に検査するための装置及び方法は文献に記載されており、また、長年にわたり市販されている。
【0003】
これらシステムは一般に、光学的センサを使用して検査した対象物の電子的表示を行い、他の同様の対象物又は電子的表示との比較が行えるようにしている。ランダムではない、即ち、反復する欠陥を検出するために、一般に、既知の良好な基準との比較が行われる。この基準が、検査される物品が製造された際の設計データベースである場合には、おおむね完全な1組の欠陥タイプが検出できる。検査システムは、それが検査できる異なるタイプの物品、それが使用する基準のタイプ、それが検出する欠陥のタイプ及びサイズ、及びそれが完全な1つの物品を検査するのに必要な時間、によって特徴付けることができる。近年のVLSI技術は代表的には単一ダイの5倍のレチクルの0.5ミクロンの欠陥を10分で検出することを必要とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
検査装置はレビー(Levy)達の米国特許第4,247,203号及び第4,347,001号に開示されている。これら特許に記載された装置はホトマスクの欠陥を、このホトマスク上の隣接するダイを同時に比較し、相違を突き止めることによって、捜し出す。既知の良好なダイはこのタイプの検査装置においては使用されないので、単にランダムな、即ち、反復しない欠陥のみが一般に識別可能であり、反復する欠陥は識別できない。
【0005】
同じくレビー(Levy)達の米国特許第4,579,455号には、特にホトマスクパターンのエッジにおける検査装置の検出効率を改善する試みが記載されている。ホトマスクにおける実質的に二重のダイパターン間の相違を検出することによって欠陥を識別するために、面積減算技術が使用される。7行×7列の隣接するピクセルの2つの方形窓マトリックスが単一のホトマスクにおける2つのダイパターンの対応する面積に対して形成される。各窓マトリックスの中央の3×3マトリックスは比較マトリックスとして定められ、各窓マトリックスはその境界内に25の独自のサブ組の3×3の隣接するピクセルを有する。即ち、中央に1つと、この中央の3×3のサブ組から1つの方向又は両方向に1又は2ピクセルだけずれている他の24の3×3のサブ組を有する。
【0006】
各サブ組の9つのピクセル値のそれぞれと対向する比較マトリックスの対応するピクセル値との間の差の二乗を集約することによって、各マトリックスの各サブ組に対するエラー値が計算される。欠陥がない場合、及び2つの表示間のミスアラインメント(不整列)が2ピクセルより少ない場合には、少なくとも1つのエラー値がスレッショルド(しきい値)エラー値より低い。1つの比較マトリックスに関する25のエラー値のいずれもがこのスレッショルド値よりも低い場合には、欠陥が比較マトリックス内に、又は対向する窓マトリックス内に位置していると想定される。スレッショルドエラーの大きさは窓マトリックス内のエッジの数に従って、エッジ誘発のエラーを補償するために、自動的に変えられる。
【0007】
ウイール(Wihl)達の米国特許第4,532,650号には、特にホトマスクパターンのコーナー(角部)近傍の検査装置の検出効率を改善する試みが記載されている。検出プロセスは、各表示に対する候補及び消去情報を発生するために、マトリックス内のベクトル勾配を使用することに基づいている。この情報は、得られるデータを適格化し、欠陥が検出されたか否かを決定するために、論理的に処理される。
【0008】
スペヒト(Specht)達の米国特許第4,805,123号には、検査されるべき対象物の選択された表面積のイメージ内容を表す第1のデータストリームがこの対象物の上記選択された表面積の意図されたイメージ内容を表す第2のデータストリームと比較されるホトマスク及びレチクル検査装置が記載されている。ある整数のピクセルのシフト及び、或いはサブピクセル補間法を使用して、これら2つのデータストリームの記憶された部分間のミスアラインメントが検出され、かつ補正された後、予め定められたスレッショルドを超えるそれら間の差を検出するためにサブ部分が比較される。
【0009】
ダニエルソン(Danielson) 達の米国特許第4,926,489号には、検査される対象物とデータベース間のミスアラインメントに応答するタイミング制御手段を含むダイ−データベースレチクル検査システムが記載されている。このタイミング制御手段は、スキャナ及びデータベースの相対出力信号レートを調節し、それによってミスアラインメントを予め定められた限界値以下に保持する制御信号を発生するために使用される。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、レチクル、ホトマスク、半導体ウェーハ、フラットパネルディスプレイ及び他のパターン化された物品(対象物)のような物品における欠陥の検査のための及び欠陥の検出のための改良されたシステムを提供しようとするものである。このシステムは2つ又はそれ以上の段階(ステージ)を有することが好ましく、これら段階によって対象物品は個々に、好ましくは対象物品の2進レベル表示を、検査することによってその微細な欠陥が検査され、また、好ましくは対象物品のグレイレベル表示を検査することによってその超微細欠陥が検査される。
【0011】
この2段階の検査システムは、微細な欠陥の検出に対してと、超微細な欠陥の検出に対して異なるアルゴリズムを使用することを可能にするという利点を有する。各アルゴリズムは概してそれが向けられているサイズの欠陥に対しては最適であるが、しかし、他のサイズの欠陥に対しては必ずしも最適ではない。このシステムはダイ−データベース比較又はダイ−ダイ比較を行うことができる。
【0012】
また、このシステムは、誤警報率を減じるために、及び残りの欠陥をサイズ、面積及びタイプによって分類するために、検出された欠陥の再検査用の再検査装置を含むことが好ましい。このシステムはまた、このシステムを通る情報の流れを検査するような、また、このシステムのどの構成要素(部品)が誤作動しているかを診断するような、診断機能を実行するための診断装置を含むことが好ましい。
【0013】
【実施例】
以下、この発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
まず、この発明の好ましい一実施例に従って構成され、かつ動作する検査装置6の概念的なブロック図である図1及び図2を参照する。これら図1及び図2は図1の右端と図2の左端がそれぞれ相互接続され、全体として検査装置6が構成される。この検査装置6は主制御装置8によって制御され、一般的に、検査される対象物(物品)を走査し、検査されるチャネルを定めるための手段、及び基準のダイ又はデータベースのような基準を提供し、基準チャネルを定めるための手段を含む。検査装置6はまた、一般的に、検査されるチャネル及び基準チャネルを整列(アラインメント)させるための手段、検査される対象物の欠陥の出力指示を提供するために検査されるチャネル及び基準チャネルを比較するための手段、及び好ましくはこのシステムの機能を診断するための手段を含む。
【0015】
2つのチャネルを比較するための実時間手段は、以後「微細」欠陥の検出及び「超微細」欠陥の検出と称される2つのレベルで動作することが好ましく、かつまた、実時間で検出された欠陥に関する情報を記録するように動作することが好ましく、それによって欠陥検出プロセスの誤警報率を減ずるためにその後のこれら欠陥の再検査を可能にする。欠陥の再検査は実時間で実行されないことが好ましい。いったん検出されると、欠陥は類別及び修復、或いはその一方を行うことができる。さらに詳しく言うと、検査装置6は次の構成要素を含むことが好ましい。
【0016】
スキャナ(走査装置)10は検査されるべき対象物を電気光学的に走査し、好ましくは8ビット長の、そのグレイレベルのディジタル表示を出力するように動作する。対象物の走査された部分の表示はnライン(列)及び各ライン当たりmピクセルの2次元のアレイとして配列されることが好ましい。各ライン当たりの代表的なピクセルの数は1024個である。スキャナ10は連続する等間隔のラインを走査することが好ましい。単一のラインを走査するのに必要な時間はここでは「ライン時間」と称す。この「ライン時間」は一定ではなくて、むしろスキャナの瞬時速度の関数として直線的に変化するものでよい。スキャナ10は図24、図25及び図26を参照して後で詳細に説明する。
【0017】
スキャナ10は、図示するように、このシステムの関連したすべての構成要素に、タイミング制御装置22を通じて、タイミングの出力指示を提供する。このタイミング制御装置22はシステムの種々の構成要素を、スキャナ10のタイミングに従って、同期させるように動作する。スキャナのタイミング出力指示は代表的には次の3つの信号よりなる。
a)検査される対象物の走査が開始される時間を指示する「走査スタート」信号b)現在のラインの走査が開始される時間を指示する「グラブ(捕獲)ライン」
信号
c)現在のピクセルの走査が開始される時間を指示する「グラブピクセル」信号の3つである。
【0018】
8ビットのスキャナ出力は、本出願人の同時係属出願(親出願)である米国特許出願第684,583号に示され、記載されている2値化システムのような2値化ユニットによって2値化される。なお、この米国特許出願の開示は参照としてこの明細書に組み入れられる。この米国特許出願において説明されているように、2値化ユニット30の出力は、この2値化ユニット30によって受信されたグレイディジタル表示よりも高い解像度の検査されるべき対象物の2進ディジタル表示である。検査されるべき対象物の8ビットグレイ表示の、2値化ユニット30によって受信されるピクセルはこの明細書ではビッグ(大きな)ピクセル(BP)又はラージ(大きな)ピクセル(LP)と称される。検査されるべき対象物の8ビットグレイ表示の、2値化ユニット30によって提供されるピクセルはこの明細書ではスモール(小さな)ピクセル(SP)と称される。
【0019】
2値化ユニット30の出力はイメージ(像)遅延補償器34を介して2進欠陥検出器32によって受信される。補償器34は2値化ユニット30の出力を代表的には5×10-4秒の一定の時間期間だけ遅延させるように動作し、その結果検査された対象物を表す出力の各部分は、基準に関係する情報の対応する部分と同時に、2進欠陥検出器32によって受信される。基準に関係する情報は後で詳細に説明するように、データベースアラインメントメモリ59から2進欠陥検出器32によって受信される。
【0020】
2進欠陥検出器32は微細レベル欠陥検出器であり、検査される対象物の選択された最小のサイズの欠陥、代表的には0.7〜1.4ピクセルの欠陥を検出するように動作する。2進欠陥検出器32はまた、選択された最小サイズより若干小さい、ピンホール及びピンドットタイプの欠陥のようなあるタイプの欠陥を検出するように動作してもよい。
【0021】
データベース前処理ステーション36は、ダイ−データベースプロセスが使用される場合には、検査を受けている対象物が比較され得るデータベースに関する情報を記憶するか、又は提供する。代わりに、後で詳細に説明するように、検査される対象物がダイ−ダイプロセスを使用して比較されてもよい。前処理ステーション36は代表的には、MEBES又はGDSIIのようなベクトルフォーマット又は多角形フォーマットであり得る、かつ比較的高い解像度を有し得るデータベースを内部フォーマットに変換する。変換されたデータベース情報はローカルエリアネットワーク(LAN)を通じて主制御装置8へ与えられる。制御装置8は新しくフォーマット化された情報をベクトル指令を通じてデータベースラスタライザ38へ送る。このデータベースラスタライザ38はデータベースの2進レベルのラスタを提供する。データベースラスタライザ38によって提供されるこの2進レベルのデータベースのピクセルはこの明細書ではスモールピクセル(SP)と呼ばれる。
【0022】
別の方法として、データベース以外の基準を使用してもよい。例えば、検査されるべき対象物が複数の同一の面積を有する場合には、第1の同一の面積が他の同一の面積のそれぞれと比較され得る、かつそれに対する基準として動作し得るダイ−ダイタイプの方法が使用できる。好ましくは、基準のダイに関するグレイレベル情報の一部分がスキャナ10によって読み出され、基準ダイメモリ43に記憶される。記憶された情報は、2値化ユニット30と同様のものでよい2値化ユニット44によって2値化される。検査されるダイに関する情報の対応する部分はその後スキャナによって読み出され、2値化ユニット30によって2値化され、2値化ユニット44の出力と比較される。好ましくは、走査されたすべての基準ダイ情報は、図23を参照して後で詳細に説明するように、基準ダイを再走査することなしに検出された欠陥の後処理を可能にするために、基準ダイメモリ43に保持され、放棄されない。
【0023】
ミスアラインメント検出メモリ58(後記参照)に提供される基準情報がダイ−データベース比較方法の場合のようにデータベースから生じるか、或いはダイ−ダイ比較方法の場合のようにダイから生じるかを選択するためのスイッチ45が設けられることが好ましい。
【0024】
スイッチ45によって選択された2進データベース情報又は2値化基準情報は、ミスアラインメント検出メモリ58、データベースアラインメントメモリ59、ダイアラインメントメモリ60及びミスアラインメントコンピュータ61より構成された自動レジストレーション(位置合わせ)サブシステムに与えられる。この自動レジストレーションサブシステムは基準チャネルと検査される対象物のチャネル間を整列させる又はそれら間のレジストレーションを行うように動作する。自動レジストレーションサブシステムは、スキャナの一定しない速度、システムの振動及び熱ドリフトのような連続するレジストレーション誤り(ミスレジストレーション)現象や、ステッピングエラー或いはまばらな幾何構造(形状)のような検査されるチャネルにおける不連続性に起因するレジストレーション誤りを補正するように動作する。
【0025】
自動レジストレーションサブシステムについての上述の記載において、用語「ライン」は、単一の「ライン時間」中、スキャナ10のCCDアレイによって出力される、代表的には1024ピクセルよりなる個々のシーケンスのピクセルを指すことを意図している。
【0026】
検査される対象物を表す2進データベース情報及び2値化スキャナ出力は自動レジストレーションコンピュータ61に入力する。このユニットは、ミスアラインメント検出メモリ58とともに、サーボ形式態様で動作し、基準チャネルと検査されるチャネル間のレジストレーション誤りを計算する。レジストレーション補正指令がその後データベースアラインメントメモリ59及びダイアラインメントメモリ60それぞれの内容に与えられ、それによってデータベース及びダイの整列された表示をそれぞれ提供する。これらレジストレーション補正指令は、どの情報がアラインメントメモリ59及び60から読み出されるべきであるかによってアドレスを決定するように働く。
【0027】
2つの別個のメモリアレイ、即ち、ミスアラインメント検出メモリ58から構成される第1のメモリアレイ及びアラインメントメモリ59及び60から構成される第2のメモリアレイ、を設けることは自動レジストレーションサブシステムに先見能力を与えるという利点がある。特定すると、基準データストリームの各個々の部分がレジストレーションコンピュータ61に到達し、実質的に同時にアライメントメモリ59及び60に記憶される。アライメントメモリ59及び60によって導入される「遅延」はレジストレーションコンピュータ61が適当なレジストレーション指令をアライメントメモリ59及び60に発することを可能にし、それによって基準データストリームの個々の部分が欠陥検出器32及び64(後記参照)に到達する前に個々の部分を整列させる。この先見能力は、システムがパターン化された非ブランク面積(領域)を先見することによって、ステッピングエラー或いはまばらな幾何構造のような検査されるデータストリームにおける不連続性中に発生するミスアライメントからより急速に回復することを可能にする。
【0028】
自動レジストレーションの目的は、現在走査されたデータの周囲のある近傍系に基づいて、オンザフライ式に、イメージの2進表示とデータベース間のグローバル(大域的)マッチング(整合)を達成することである。レジストレーションベクトルが、データベースピクセルに供給されるべき変位を表す走査されたイメージピクセルの各ラインごとに、それらを対応する走査されたイメージピクセルに関して整列させるように、計算される。
【0029】
変位のローカル(局部)測定値が変位のグローバル測定値を計算するために使用される好ましい2進アライメント方法は次の2つのステップからなる。
1.ローカル変位測定:走査されたイメージの現在のラインの周囲の小さな「ローカル」窓における、複数の軸、好ましくは2つの直交配列された軸、に沿うローカル変位の定量化。ローカル変位を識別し、定量化するために、XORオペレータ及び引き続く軸のそれぞれに沿うXORオペレータの長さの計数のような任意適当な方法が使用できる。窓に対する好ましいサイズは約5〜10ラインである。この測定は、軸及びコーナー(角部)に平行でないエッジのような、特別の取扱いを必要とするであろう特徴(フィーチャ)を検出するように働く特徴検出器と協働して、実行されることが好ましい。
2.グローバル変位測定:「グローバル」窓内に含まれる複数の「ローカル」窓のそれぞれから導出されたローカル測定値を使用して、代表的には約12ラインからなる現在のラインの周囲の大きな「グローバル」窓における、2つの直交配列された軸に沿うグローバル変位の定量化。
【0030】
第1のローカルステップを実行するための好ましい方法は次の通りである。
イメージの2進表示は代表的には、本出願人の同時係属出願である米国特許出願第684,583号に詳細に説明されているように、2値化ユニット30内で実行することができるデータベースの解像度と同じ解像度で提供される。イメージIのデータベースDに関するローカル変位は下記の例に例示されているように、減算I−D及びD−Iを実行し、引き続いてストリームI−D及びD−Iにおけるランの長さを決定することによって、計算することができる。この長さはデータベースに関するイメージの相対位置に依存して正又は負であるということを注記しておく。2進ピクセルのすべての列ではなくて、ストリームI−D及びD−Iの各いくつかの隣接する2進ピクセル列の中の1列のみが複数の軸のそれぞれに沿ってサンプルされることが好ましい。
【0031】
例示の目的のため、3×3ピクセルのみを含むように示された窓におけるローカル変位のサンプル計算は次の通りである。
【0032】
Figure 0003844792
これら2つのマトリックスはそれぞれ検査される対象物Iの及び基準又はデータベースDの3つの対応する2進ピクセル列の部分を表す。サンプルされた又は現在の列は中間の列である。
x方向における(I−D):0110000011110
それぞれ長さが2及び4の2つのランが存在する。
x方向における(D−I):0000111100000
長さが4の1つのランが存在する。
【0033】
アナログの計算をy軸のような他の軸に沿って実行してもよい。
フィルタ動作が検出されたランの長さの値について実行され、それによってこれら長さ値のあるものがフィルタ除去されることが好ましい。残りの長さの値はこの明細書では「有効」と称される。
【0034】
このフィルタプロセスは次の原理に基づいていることが好ましい。
第1は、最長の予期されるラン長さ値を決定するスレッショルド値(しきい値)が定められる。このスレッショルド値を超えるラン長さ値はフィルタ除去される。
【0035】
第2は、軸及びコーナーに平行でないエッジのような、問題となる特徴を含む「問題帯域(ゾーン)」を検出する特徴検出器が設けられる。そのような問題帯域に一部分であっても重なるラン長さ値はフィルタ除去される。
【0036】
この特徴検出器は基準データにおける2進形状のエッジに沿ってピクセルを検査し、問題となる特徴をマークするように動作することが好ましい。これは、各エッジピクセルをこのエッジに沿う2つの隣接するピクセルと結合する2つのスロープ(傾斜)をそれぞれ考慮することによって、実行できる。また、これらスロープの値は、個々に及び組み合わせて、軸に関するエッジの配向(オリエンテーション)を示す。スロープの計算に使用される2つの隣接するピクセルは現在のエッジピクセルに直ぐ隣接する2つのピクセルであってもよく、或いは現在のエッジピクセルから1又は2ピクセルだけ離れていてもよい。
【0037】
これら動作は、現在のピクセルのk×k近傍の大部分の又はすべてのあり得る形状(輪郭)を記憶するLUTを作成することによって、実現可能である。ここで、kに対する代表的な値は約3〜5である。LUTは各そのような形状を、「コーナー」、「対角線(斜行)」、即ち、軸に対して非平行、或いは「平行」、即ち、軸に対して平行、のようにラベルで分類する。「平行」ラベルはその形状が平行である軸の指示を備えていることが好ましい。「コーナー」及び「対角線」ラベルはこの明細書では両方とも「無効」ラベルと称される。「平行」ラベルはこの明細書では「有効」と称される。
【0038】
特定の形状が無効とマークされたときに、無効マークが現在のピクセルに適用されるだけでなく、サイズが現在のピクセルの約12ラインであり得る近傍系に伝搬されることが好ましい。これは基準と走査された(検査された)チャネル間のミスアライメントを補償するために行われる。
【0039】
スロープ及びコーナー角を計算するための好ましい方法はエイ・ローゼンフェルド(A. Rosenfeld)及びエイ・カク(A. Kak)によるディジタル・ピクチャー・プロセッシング(アカデミック・プレス、1982、第1巻、257頁以降)に記載されており、この開示は参照によりこの明細書に組み入れられる。
【0040】
フィルタプロセスの第3の原理は、ローカル窓における最長の予期される平均ラン長さ値を決定するスレッショルド値が定められるということである。特定のローカル窓におけるこの平均ラン長さ値がこのスレッショルド値を超える場合には、そのローカル窓におけるすべてのラン長さ値がフィルタ除去される。このスレッショルド値は一定でなくてもよい。好ましくは、このスレッショルド値はブランクラインのような有効ラン長さを生じさせない現在のラインに先行するラインの数の増加関数である。
【0041】
各ローカル窓に対するローカル変位測定ステップの出力は、
(a)有効ランの数、及び
(b)ランの長さの代数和
であることが好ましい。
【0042】
2進アライメント方法の第2のグローバルステップを実行するための好ましい方法は次の通りにグローバルレジストレーションベクトルを計算することによるものである。
a.各グローバル窓に対して、そのグローバル窓におけるすべての有効ランに対する平均ラン長さが計算される。
b.一連のグローバル窓に対する一連の平均ラン長さが通常の平滑化機能を使用して平滑化されることが好ましい。
【0043】
グローバル窓の幅は少なくとも走査幅の半分であることが好ましく、その長さは数ダースのラインでよい。
【0044】
平滑化機能は次のいずれかのような任意適当な機能よりなるものでよい。
1.変位ベクトルの変動の周波数及び振幅を有効ラン長さの測定数の関数として制限するためのスレッショルド機能。このスレッショルド値は一定でなくてもよい。好ましくは、このスレッショルド値はブランクラインのような有効ラン長さを生じさせない現在のラインに先行するラインの数の増加関数である。
2.LMSフィルタのような適応フィルタが変位ベクトルにおける周期的な変動をモニタするために使用できる。この方法は。殆ど又は全く有効情報が入手できないブランクラインの問題を一部分克服するのに使用できる。
【0045】
今までの記載において、用語「レジストレーション」及び「変位」は一般に交換可能に使用されている。
【0046】
ローカル変位測定ステップ及びグローバル変位計算ステップの様相の詳細な説明をアペンディクス(参考資料1)として添付する。
【0047】
自動レジストレーションサブシステムの好ましい実施例のソフトウエア・インプリメンテーションを参考資料2として添付する。
【0048】
再び、図1及び図2を参照すると、微細欠陥検出器32はデータベースアライメントメモリ59からの基準の整列された2進表示を受信し、それを検査されるべき対象物を表す2値化ユニット30の2進出力と比較し、微細欠陥の出力指示を欠陥処理ユニット(欠陥プロセッサ)62へ提供する。
【0049】
以後「MIC」又は顕微鏡ユニットと称される超微細レベル欠陥検出器64は微細レベル欠陥検出器32によって検出可能な最小サイズより小さいサイズの欠陥を検出するように動作する。超微細欠陥検出器64は、それがまた、微細レベル欠陥検出器32によって定められる最小の欠陥サイズより若干大きいサイズの欠陥を検出することができるという点で、微細欠陥検出器32とレンジにおいて若干オーバラップする(重なる)ことが好ましい。欠陥検出器64は約0.5〜1.5ピクセルサイズの欠陥を検出するように動作することが好ましい。
【0050】
好ましくは、微細レベル欠陥検出器32は基準及び検査された対象物の2進表示を受信し、比較するように動作し、他方、超微細レベル欠陥検出器64は基準及び検査された対象物のグレイレベル表示を受信し、比較するように動作する。超微細レベル欠陥検出器64はスイッチ65を介して整列された基準の表示を受信する。このスイッチ65は、ダイ−データベース比較法の場合のように、基準情報がデータベースから発せられたか、又はダイ−ダイ比較法の場合のように、ダイから発せられたかを選択するように動作する。前者の場合には、データベースアライメントメモリ59からの基準データベースの整列された表示が検出器64によって受信される。後者の場合には、ダイアライメントメモリ60からの基準ダイの整列された表示が検出器64によって受信される。
【0051】
超微細レベル欠陥検出器64は整列された表示を、ダイ−データベースプロセスの場合のように、2進であるならば、グレイレベル表示にグレードアップ(格上げ)する。微細レベル欠陥検出器64は基準のグレイレベル表示をスキャナ10によって提供される検査された対象物のグレイレベル表示と比較し、超微細レベル欠陥の出力指示を欠陥処理ユニット62へ与える。
【0052】
好ましくは、欠陥処理ユニット62は検出器32及び64からの情報を比較し、単一ピクセルのサイズの欠陥のような欠陥が両検出器によって識別される場合には、この欠陥の「二重(ダブル)指示」が単一指示に適当に組み合わされるように、動作する。
【0053】
図示の実施例においては、欠陥処理ユニット62は2つの検出器、即ち、微細検出器32及び超微細検出器64、から欠陥指示を受信する。しかしながら、この欠陥処理ユニットは、2レベルの検出ではなくてマルチレベルの検出が望まれる場合には、任意の適当な数及びタイプの検出器からの欠陥指示を受信し得るということは理解されよう。
【0054】
欠陥処理ユニット62は、欠陥検出器32及び64によって識別された各推定の欠陥のイメージを実時間で記録するように動作する実時間記録ユニット66とインタフェースしている。その後、欠陥検出プロセスの誤警報率を減少させるために、ソフトウエアで具現された欠陥解析アルゴリズムが後処理ユニット67において使用される。検査された対象物の表示内の比較的に少数の位置(ロケーション)(推定の欠陥として識別されたもの)のみが解析される必要があるから、後処理ユニット67によって実行される解析は実時間である必要はなく、それによってより複雑な後処理解析ができる。後処理ユニット67は図23を参照して後で詳細に記載する。
【0055】
欠陥処理ユニット62は欠陥検出ユニット32及び64からの各受信した欠陥指示をトリガ信号及び欠陥座標信号に変換する。これら信号はチャネル68及び70をそれぞれ通じて欠陥記録ユニット66に与えられる。トリガ信号は欠陥を識別した構成要素(微細レベルユニット32又は超微細レベルユニット64のいずれか)を指示する。欠陥座標信号は、好ましくは欠陥が生じるライン内のライン及びピクセルの指示からなる欠陥の位置の指示を提供する。
【0056】
この発明の好ましい実施例によれば、実時間記録ユニット66はイメージバス72を通じてシステムの構成要素の実質的に全部の出力バスとインタフェースしており、それによってシステム全体中の情報の流れの実時間記録を可能にする。種々のシステムの構成要素によって提供される出力イメージ及び指示の実時間記録は、検査システム6の種々の構成要素の動作の欠陥をモニタし、診断するように動作する診断メモリ及びプロセッサ76に与えられる。この発明の好ましい実施例によれば、診断メモリ及びプロセッサ76は、検査装置6のすべての構成要素に入力するテストバスとインタフェースしており、それによってテストイメージ及びランダムパターンが検査装置6の任意の構成要素に送り込まれることを可能にする。
【0057】
好ましくは、記録ユニット66によって記録された、個々の欠陥の表示のような、表示をオペレータに表示し、それによってオペレータが種々のオペレータ制御の動作、例えば欠陥検出システムの診断、欠陥の検証及び除去、並びに欠陥の分類のような動作、を実行できるようにするための手段が設けられる。特定の対象物の特定の部分の表示は、システムがその対象物の異なる部分を検査している間に、或いはシステムが異なる対象物を検査しているときでさえ、表示できることが好ましい。
【0058】
図2の実時間記録ユニット66の好ましい実施例のソフトウエア・インプリメンテーションを参考資料3として添付する。
【0059】
診断メモリ及びプロセッサ76は検査された対象物の表示に対応する合成の及び実時間のイメージを記憶するように動作する。これら表示はシステムの外部から或いは実時間記録ユニット66によって生成することができる。診断メモリ及びプロセッサ76はまた、テストパターンをテストバス78を通じて選択されたサブシステムに送り込むテストパターン発生器としても動作可能である。
【0060】
主制御装置8の制御のもとで、検査システム6の各構成要素はテストバス78から到来する入力を、あたかも実質的にそれがイメージバス72からの実際の入力であるかのように、処理する。任意のそのようなプロセスからの出力は実時間記録ユニット66によって記録することができ、かつ後処理ユニット67によって解析することができる。所望ならば、このプロセスの出力はオペレータに表示することが可能である。診断メモリ及びプロセッサ76からテストバス78に沿って転送されるデータは診断の目的のために特別に発生されたテストパターンからなるものでよい。バス78からの入力に対する任意のサブシステムの出力を検査することによって、各サブシステムの動作は診断でき、かつ検証できる。
【0061】
要約すると、診断メモリ及びプロセッサ76並びにバス72及び78は次の能力を提供する。
A.システムの任意の構成要素に対する「テスト」情報の提供、及びこの「テスト」がシステムの下流のその構成要素から進行するときにこの「テスト」情報について実行された変更(修正)のモニタ。
B.検査システムの第1の構成要素によって受信された可視情報の第1の表示と検査システムのこの第1の構成要素によって或いはこの第1の構成要素より検査システムの下流の任意の構成要素によって出力されたその可視情報の第2の表示との比較。
【0062】
上述の診断プロセスの特別の特徴は、検査システムが検査モードで動作しているときに支配している条件と実質的に同一の条件(タイミング、処理速度、制御)のもとで診断が行われるということである。
【0063】
検査システムが、検査される対象物と基準間の差の第1の出力指示を提供するための第1の装置と、検査される対象物の少なくともある面積(領域)の第2の検査を自動的に実行するための第2の装置との間に、共働作用を提供し、それによって上記第1の装置によって提供された上記差の一部分の出力指示を完成することにより上記第1の装置を補足することが図1及び図2の実施例の特別の特徴である。この共働作用は少なくとも2進欠陥検出器32とグレイ欠陥検出器64間に提供され、また、両検出器32及び64から構成される初期処理ユニットと実時間欠陥記録ユニット66に関連した後処理ユニット67(図23参照)間にも提供される。
【0064】
対象物の2部分の共働作用検査を提供する利点、又はもっと一般的にいうと、単一の検査システムを提供することとは対照的に、共働作用する複数の相互に補足する検査サブシステムを有する検査システムを提供する利点は、検査システムの各サブシステムが全体としてシステムの特定の要件に対して最適化できるということである。例えば、2進欠陥検出器32は、比較的小さな欠陥の検出の品質及び効率に妥協を行う必要なしに、比較的大きな欠陥の検出に「専念する」ことができる、又はおおむね最適であるように構成することができる。グレイ検出器64は、比較的大きな欠陥の検出の品質及び効率に妥協を行う必要なしに、比較的小さな欠陥の検出に「専念する」ことができる、又は最適であるように構成することができる。
【0065】
この「専門化」の特徴の他の例は、実時間欠陥検出器32及び64によって提供される走査及びその後の処理が、例えば検査される対象物が検査されるときの倍率を減少させることによって、所望のように迅速に実行できるということである。これは検出の品質を実質的に下げる必要がない。何故ならば、後処理ユニット67は速度を犠牲にして精度に専念できるからである。後処理ユニット67は、走査が行われている減ぜられた又は増大された精度に従って、その精度を増大又は減少させるように動作することが好ましい。
【0066】
次に、図2の2進欠陥検出器32に対する好ましいアルゴリズムを概念的に例示する図3(A)〜(F)を参照する。図3(A)〜(F)に例示されたこの特定の例は3ピクセル×3ピクセルの近傍系の例であり、この例はこれに限定することを意図するものではなく、単に理解を容易にするために提供されているということは理解されよう。
【0067】
図3(A)はその左側及び右側にそれぞれ基準及び検査される対象物の対応する位置を例示している。例示された2つの位置は、中央のピクセルが基準(図3の左側)では陰(斜線)が付けられており、検査される対象物(図3の右側)には影が付けられていないという点で相違する。このような相違は、ローカルなレジストレーションミスや電気的ノイズのような種々の誤りの任意のものに起因する真正の欠陥か又は誤警報であり得る。図3(B)は基準及び検査される対象物の上記対応する位置の2進表示R及びIをそれぞれ例示する。
【0068】
図2の2進欠陥検出器32は基準及び検査される対象物の2進表示間の差を検出するように動作する。比較的小さな検出欠陥は誤警報として分類され、フィルタ除去され、そして「侵食される」ことが好ましい。何故ならば、非常に小さな真正の欠陥は大部分の適用例において実質的に無害であるからである。フィルタ段階の後で残った欠陥は真正の欠陥として報知される。
【0069】
それ故、2進欠陥検出器32の動作は、次の2つの逐次の動作からなることが好ましい。
a.DIFF:差を識別すること。
b.EROSION:誤警報を侵食すること。
【0070】
これら2つの動作はこの技術分野では知られており、エイ・ローゼンフェルド(A. Rosenfeld)及びエイ・カク(A. Kak)による「ディジタル・ピクチャー・プロセッシング」(アカデミック・プレス、1982)のようなイメージ処理テキストに詳細に記載されている。このエイ・カク達の開示は参照によりこの明細書に組み入れられる。
【0071】
さて、これら2つのオペレータの動作について図3(A)〜(F)を参照して説明する。
【0072】
基準及び検査される対象物の表示における特定の対の対応する2進ピクセルについて動作するDIFFオペレータはR及びIの関数として定義される。
【0073】
DIFFに対するサンプル式は次の通りである。
DIFF=R×(−I)又は
DIFF=I×(−R)又は
DIFF=R×(−I)+I(−R)
ここで、×、+及び−は論理AND、OR及びNOTオペレータをそれぞれ示す。初めの2つのDIFFオペレータは減算論理オペレータであり、第3番目のDIFFオペレータはXOR論理オペレータである。(−R)及び(−I)は図3(C)に例示されている。
【0074】
上記3つの選択的なDIFFオペレータの結果はそれぞれ図3(D)、(E)及び(F)に示されている。
【0075】
2進表示間の「誤警報」の差はこれら表示を生成するプロセスでのノイズから生じ得る。ノイズの量は現在のピクセルの近傍系の関数として変化し得る。例えば、コーナー近傍のノイズは一般に真っ直ぐなエッジの近傍のノイズよりも大きい。それ故、誤警報から真正な欠陥を区別するカットオフサイズは自動的に又はユーザによって制御可能である又は選択可能であることが好ましい。カットオフサイズの選択可能性は、複数のEROSIONオペレータを提供し、それらのある組合せが自動的に又はユーザによって選択できるようにすることによって、具現化できる。選択は一般にレチクルの幾何構造及び真正な欠陥と誤警報間の所望の比の関数として決定される。EROSIONオペレータに対するサンプル式は次の通りである。
A.E4S=P0×P1×P3×P5×P7
B.E4A=P0×P1×P3
C.E8S=P0×P1×P2×P3×P4×P5×P6×P7×P8
D.E8A=P0×P1×P2×P3
これらの式は、EROSIONオペレータの中心である2進ピクセルP0及び図示するようにピクセルP1〜P24からなる5×5近傍系のピクセルを例示する図4(A)を参照することにより理解できる。
【0076】
式Aは、図4(B)に例示されたような2進形状の周囲全体を侵食し、それによって図4(C)に示すように2つのピクセルだけその厚さを減少させる対称単一ステップ4接続のオペレータである。式Bは、2進形状の周囲の2つの側部のみを侵食し、それによって1ピクセルだけその厚さを減少させる非対称単一ステップ4接続のオペレータである。式Cは2進形状の周囲全体を侵食する対称単一ステップ8接続のオペレータである。式Dは2進形状の周囲の2つの側部のみを侵食する非対称単一ステップ8接続のオペレータである。
【0077】
単一ステップオペレータA〜DのそれぞれはP0に直ぐに隣接するピクセルのみを考慮に入れ、それ故、2進形状の周囲の関連した側部から1つのピクセルのみを侵食する。ピクセルP0〜P24の2つの「層(レイヤー)」を考慮に入れるアナログオペレータは、それらが周囲の関連する側部から2つのピクセルを侵食するので、二重ステップオペレータと称される。
【0078】
上述したEROSIONオペレータ法の代わりとして使用できるフィルタ法を次に記載する。
【0079】
この方法においては、基準パターンのエッジの周りに「アクセプタンス(受入れ)帯域」が定められる。アクセプタンス帯域内に完全に含まれた差は誤警報と分類される。少なくとも一部分がアクセプタンス帯域の外に入る差は真正の欠陥と分類される。この方法を具現化するオペレータはACCEPTANCEオペレータと称される。
【0080】
アクセプタンス帯域は2つのサブ帯域、即ち、2進形状の内側に入る第1の「内部」サブ帯域と、2進形状の外側にかつこの2進形状に隣接して配置されている第2の「外部」サブ帯域、より構成される。サイズdの内部アクセプタンスサブ帯域は、単一ステップEROSIONオペレータのd倍を適用することによって2進形状から侵食される一組のピクセルから構成される。
【0081】
サイズdの外部アクセプタンスサブ帯域は、複数dの単一ステップDILATIONオペレータが適用されるときに2進形状に加えられるピクセルによって形成される。DILATIONオペレータはこの分野では知られており、エイ・ローゼンフェルド及びエイ・カクによる「ディジタル・ピクチャー・プロセッシング」(アカデミック・プレス、1982)のようなイメージ処理テキストに詳細に記載されている。このエイ・カク達の開示は参照によりこの明細書に組み入れられる。DILATIONオペレータに対するサンプル式は、図4(A)に導入された表記法を参照すると、次の通りである。
1.D4S=P0+P1+P3+P5+P7
2.D8S=P0+P1+P2+P3+P4+P5+P6+P7+P8
第1の式は単一ステップ4接続のDILATIONオペレータを表し、一方、第2の式は単一ステップ8接続のDILATIONオペレータを表す。
【0082】
値dは欠陥の最小のサイズに関係した定数であっても、或いは基準の2進表示によって形成されるパターンの関数として変化するものでもよい。
【0083】
次に、図5(A)〜(I)を参照して、「アクセプタンス帯域」法の好ましい具現例について記載する。図5(A)の影のある部分は基準の一部分の2進形状Rを例示する。図5(B)の影のある部分はRをこのRの外部アクセプタンスサブ帯域に加えることによって定められた基準の面積Dを例示する。図5Cの影のある部分EはRの外部アクセプタンスサブ帯域を例示する。図5(D)の影のある部分は侵食動作の後で残った面積Fを例示する。図5(E)の影のある部分はRの第1の内部サブ帯域Gを例示する。
【0084】
図5Fの影のある部分は検査される対象物のRに対応する部分の2進形状Iを例示する。図5Gは形状Iと形状間の差を例示する。この差はI−R及びR−Iとして演算できるようにされる。図5(H)及び(I)はACCEPTANCEオペレータを例示する。図5(H)はI−Rから外部帯域Eを減算して「誤警報」帯域H及び「真の欠陥」帯域Jをもたらす態様を示す。図5(I)はR−Iから内部帯域Gを減算して「誤警報」帯域K及び「真の欠陥」帯域Lをもたらす態様を示す。
【0085】
次に、図2の超微細レベル欠陥検出器64を例示する図6を参照する。
検査されるチャネル及び基準チャネルの両方における検出プロセス、並びにこれら2チャネルを比較するプロセスはすべて完全8ビットグレイレベル情報を使用する。これらプロセスは後で詳細に記載する「トリガ」と呼ばれるマルチピクセルオペレータに基づいていることが好ましい。これら「トリガ」と呼ばれるマルチピクセルオペレータは1つのピクセルとその周りのピクセル(エネルギー勾配)間のエネルギーの特定の変動を感知し、かつ小さな欠陥によってのみトリガされているだけであるという追加の重要な特徴を有する。
【0086】
図示するように、超微細レベル欠陥検出器64は代表的にはスキャナ10から検査されるべき対象物を表す8ビットのグレイレベル情報を受信する。欠陥検出器64はまた、スイッチ65を通じて、データベースアライメントメモリ59からの整列された2進ラスタ化された情報からなる、又はダイアライメントメモリ60からの整列されたグレイ情報からなる基準情報を受信する。これら2つのタイプの情報のいずれかを選択するためのスイッチ103が設けられている。スイッチ103はまた、診断モード又は検査モードが選択されることを可能にするように動作する。
【0087】
平滑化ユニット100が設けられ、データベースアライメントメモリ59からの2進情報を8ビットのグレイレベル情報に変換し、それによって検査された対象物を表す8ビットのグレイレベル情報との比較を可能にすることが好ましい。平滑化ユニット100に到達する情報がダイアラインメントメモリ60からのグレイ情報である場合には、情報の平滑化を防止するためにスイッチ103は適当な指令を平滑化ユニット100に発する。
【0088】
検査された対象物及び基準をそれぞれ表すグレイレベル情報はスイッチ101及び平滑化ユニット100をそれぞれ介して欠陥感知素子(センサ)102及び104にそれぞれ与えられる。スイッチ101は診断モード又は検査モードが選択されることを可能にする。診断モードが選択された場合には、欠陥感知素子102に与えられるグレイレベル情報はテストバス78(図1、図2参照)によって提供される。検査モードが選択された場合には、欠陥感知素子102に与えられるグレイレベル情報はスキャナ10(図1参照)によって提供される。
【0089】
欠陥感知素子102及び104は実質的に同一であり、かつ後で詳細に説明する、トリガとも呼ばれる複数の欠陥検出オペレータに基づいていることが好ましい。
【0090】
欠陥感知素子102は検査された対象物における推定の欠陥に対応する検査された対象物の位置表示を感知するように動作する。しかしながら、トリガがまた、ある本物の幾何構造に反応し、それによって不所望な誤警報を生じさせる可能性がある。これら誤警報を減少させるために、同じトリガを基準情報に供給する欠陥感知素子104が設けられている。検査される対象物のデータストリームにトリガを誘発する本物の幾何構造は同じトリガを基準情報のデータストリームに誘発する。
【0091】
欠陥比較ユニット106が欠陥センサ102から生じるトリガを欠陥センサ104及び擬似欠陥センサ112(後記参照)から生じるトリガと比較する。代表的には、欠陥比較ユニット106は、欠陥センサ102をトリガし、かつ基準の同じ位置の周りの予め定められたサイズの窓に欠陥センサ104又は擬似欠陥センサ112のいずれからもトリガが発生されなかったということが正しいという、検査された対象物の各位置の出力指示を発生する。代表的な窓サイズは5×5ピクセルである。一実施例によれば、識別された欠陥は、欠陥センサ104及び、又は擬似欠陥センサ112によって発生されたトリガが同じ極性(即ち、両センサが欠陥を「丘」又は「谷」として識別する)を有する、かつ放棄されるべき推定の欠陥と同様のTDE値を有する、同じ方向に沿った推定の欠陥を指示する場合にのみ、放棄される。用語「TDE」は後で定義される。
【0092】
次に、超微細レベル欠陥検出器64の欠陥センサ102及び104によって使用できる複数のトリガを例示する図7(A)〜(L)を参照する。各トリガは4×4ピクセルの近傍系(A−D、0−3)の上に重ねられる。影の付けられた面積(領域)はレチクルのクロムを帯びた又は不透明な領域を描写する。
【0093】
複数の欠陥感知トリガは次のトリガi〜 viii からなる。
i. その寸法が代表的には4×1ピクセルであり、かつ図7(A)に太い線で示された狭い垂直方向オペレータ。このオペレータは図7(A)、(B)及び(L)に例示されたタイプの丘又は谷欠陥を検出するのに特に有用である。
ii.その寸法が代表的には4×2ピクセルであり、かつ図7(C)に太い線で示された広い垂直方向オペレータ。このオペレータは図7(C)及び(D)に例示されたタイプの丘又は谷欠陥を検出するのに特に有用である。
iii.その寸法が代表的には1×4ピクセルであり、かつ図7(E)に太い線で示された狭い水平方向オペレータ。このオペレータは図7(E)、(J)及び(L)に例示されたタイプの丘又は谷欠陥を検出するのに特に有用である。
iv. その寸法が代表的には2×4ピクセルであり、かつ図7(F)に太い線で示された広い水平方向オペレータ。このオペレータは図7(D)及び(F)に例示されたタイプの丘又は谷欠陥を検出するのに特に有用である。
v. その代表的な形状(輪郭)が図7(G)に太い線で示されている広い順方向の斜めの対角線(斜行)オペレータ。このオペレータは図7(D)及び(F)に例示されたタイプの丘又は谷欠陥を検出するのに特に有用である。
vi. その代表的な形状(輪郭)が図7(H)に太い線で示されている広い逆方向の斜めの対角線オペレータ。このオペレータは図7(D)及び(H)に例示されたタイプの丘又は谷欠陥を検出するのに特に有用である。
vii.その代表的な形状(輪郭)が図7(I)に太い線で示されている狭い順方向の斜めの対角線(斜行)オペレータ。このオペレータは図7(D)及び(I)に例示されたタイプの丘又は谷欠陥を検出するのに特に有用である。
viii. その代表的な形状(輪郭)が図7(K)に太い線で示されている狭い逆方向の斜めの対角線オペレータ。このオペレータは図7(D)、(K)及び(L)に例示されたタイプの丘又は谷欠陥を検出するのに特に有用である。
【0094】
特定の欠陥を検出するのに有用なオペレータがまた、各暗領域が明領域と置換され、かつ各明領域が暗領域と置換される対応する欠陥を検出するのに有用であるということを注記しておく。
【0095】
中央領域及び2つの周囲領域が上述した8つのオペレータのそれぞれに対して定められる。8つのオペレータの各々に対するそれぞれの中心領域は、図7(A)、(C)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)及び(K)における行(横列)を定める文字(アルファベット)及び列(縦列)を定める数字によってそれぞれ定められる格子(グリッド)表記法を参照すると、それぞれ次のピクセルからなる。
i. B2、C2
ii. B1、B2、C1、C2
iii. C1、C2
iv. B1、B2、C1、C2
v. B1、B2、C1、C2
vi. B1、B2、C1、C2
vii. B2、C1
viii. B1、C2
8つのオペレータの各々に対する第1及び第2の周囲領域は、図7(A)、(C)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)及び(K)における行(横列)を定める文字(アルファベット)及び列(縦列)を定める数字によってそれぞれ定められる格子表記法を参照すると、それぞれ次のピクセルからなる。
【0096】
Figure 0003844792
各オペレータに対して、中央領域ピクセルのエネルギーレベルの和はCとして表される。例えば、オペレータiに対して、C=B2+C2。第1の周囲におけるピクセルのエネルギーレベルの重みを付けた又は重みを付けない和はP1として表される。例えば、オペレータiに対して、P1=A2。しかしながら、図7(G)に示すオペレータvに対する好ましい式は重みを付けた和であり、P1=A2+2A3+B3。
【0097】
第2の周囲におけるピクセルのエネルギーレベルの重みを付けた又は重みを付けない和はP2として表される。例えば、オペレータiに対して、P2=D2。しかしながら、図7(G)に示すオペレータに対する好ましい式は重みを付けた和であり、P2=C0+2D0+D1。
【0098】
欠陥はオペレータの中央ピクセルのエネルギーレベルの和を周囲のそれぞれのエネルギーレベルの和(重みを付けた又は単純の)と比較することによって検出される。中央のエネルギーの和が周囲のエネルギーの和からあるスレッショルド値T以上ずれる場合、中央領域に存在する欠陥が識別される。ゼロでない正のスレッショルド値の使用が好ましい。何故ならば、このスレッショルド値はノイズを欠陥とする誤認を除去し、また、非常に小さい欠陥をフィルタ除去するからである。
【0099】
好ましい一実施例によれば、センサ102において使用されるスレッショルド値はセンサ104において使用されるスレッショルド値よりも僅かに高い。その結果、センサ102をトリガする実質的に任意の推定の欠陥がまた、センサ104をトリガし、それによって誤警報率を減少させる。検査される対象物チャネルをトリガする実質的に任意の欠陥でない位置がまた、基準チャネルをトリガすることを確実にするための追加の又は代わりの方法は後述する擬似欠陥検出チャネルを提供することである。
【0100】
好ましい実施例によれば、オペレータi〜ivに対して、丘又は谷の欠陥は、次の条件がそれぞれ保持される場合に、識別される。
谷:C+T<2×P1でかつC+T<2×P2
丘:C−T>2×P1でかつC−T>2×P2
ここで、周囲の和は、周囲の領域がそれぞれ対応する中央領域の半分の大きさであるので、2倍され、従って、周囲のエネルギーレベルが2倍されるときにのみ周囲の和は中央領域と比較できるということを注記しておく。
【0101】
オペレータv〜viiiに対して、丘又は谷の欠陥は、次の条件がそれぞれ保持される場合に、識別される。
谷:C+T<P1でかつC+T<P2
丘:C−T>P1でかつC−T>P2
図7(D)の欠陥が0のグレイ値及び4つの白(グレイレベル=255)ピクセルB1、B2、C2及びC3にわたって等しく分布している0.5ピクセルの領域を有すると仮定すると、図7(D)のピクセルB0〜B3及びC0〜C3に配置されたオペレータivに対するサンプル計算は次の通りである。
B1=B2=C2=C3=7/8×255=約225
C=900
2×P1=2(A1+B1)=2(255+255)=1020
2×P2=2(A4+B4)=2(255+255)=1020
欠陥のサイズは、所望ならば、トータル・デルタ・エネルギー(TDE)と呼ばれる量を定めることによって、定量化することができる。オペレータのそれぞれに対して、TDEは中央ピクセルから両周囲のエネルギーの和を引き算した合計のエネルギーとして定められる。TDEを3つの異なるスレッショルド値と比較することによって、検出された欠陥は小、中間或いは大と分類できる。
【0102】
比較的大きな欠陥は谷のプロフィールの形成をもたらさず、オペレータはそれによって「トリガ」されない。単一のエッジもまた、谷又は丘タイプのプロフィールの形成をもたらさない。二重エッジのプロフィールもまた、このプロフィールの幅に対するオペレータのサイズの比が十分に小さい場合には、オペレータをトリガしない。
【0103】
例えば、垂直方向に配置されたパターンのエッジに配置された欠陥を検出するためには、垂直方向の軸に沿った検査が好ましく、これに対し水平方向に配置されたパターンのエッジに配置された欠陥は水平方向の軸に沿った検査によって極めて容易に検出される。それ故、欠陥センサ102及び104は、互いに45度ずつ分離された4つの軸(垂直軸、水平軸、45度軸及び135度軸と称される)のような複数の軸に沿った検査されるべき各位置で動作することが好ましい。従って、各欠陥は特定の1つの軸又は複数の軸に沿っていると特徴付けることができる。また、欠陥は、検出されたエネルギープロフィールの形状に依存して、谷又は過剰のクロム欠陥(図7(B)及び(D)に例示されているピンドットのような)或いは丘又は不十分なクロム欠陥(ピンホールのような)と特徴付けることができる。ピンホールやピンドット欠陥のようなおおむね点対称の欠陥は一般にすべての検出軸に沿って検出されよう。
【0104】
上述したタイプi〜viiiの1つの欠陥感知オペレータは検査される対象物の表示のある本物の(欠陥のない)特徴によってトリガされることが予期できる。例えば、135度より小さいコーナーのような幾何構造が欠陥センサをトリガするかもしれない。
【0105】
この状態は、上に説明したように、検査される対象物の検出チャネルに平行なかつそれと実質的に同一の基準の検出チャネルを提供することによって、一部分修正できる。しかしながら、再び図6を参照して、欠陥センサ102は検査される対象物の表示における欠陥でない位置によってトリガされるが、基準の表示における同一の(欠陥でないことによる)位置は欠陥センサ104をトリガすることができないということが時々生じ得る。この状態は、欠陥センサ102及び104が全く同じに構成されている場合でさえ、起こり得る。何故ならば、これら2つのセンサはそれらへの入力が全く同じに発生されないかもしれないという事実により、正確に同じ入力を受信しないかもしれないからである。例えば、図6のセンサ102に対する入力は8ビットの深さで走査するスキャナ10によって発生することができ、他方、図6のセンサ104に対する入力は2進データベース情報を8ビットレベルに変換することによって発生することができる。また、検査されるべき「欠陥のない」対象物がそのデータベースの先行するものと必ずしも対応しない場合さえある。これは、中でもデータベースパターンのコーナーが、検査される対象物が作られたプロセスの人為構造として、丸められる傾向があるからである。
【0106】
従って、好ましい修正は欠陥センサ104と平行な、かつ特徴検出器110並びに擬似欠陥センサ112から構成される基準検出チャネルを提供することである。擬似欠陥検出チャネルは、欠陥センサ102によって検査された対象物の欠陥として誤認され、かつ欠陥センサ104をトリガしない実質的に任意の本物の形状(輪郭)が擬似欠陥検出チャネルに沿うトリガを生じさせ、それによって推定の欠陥が誤警報として分類されることを可能にすることを確実にするため、特別の基準で設計することができる。
【0107】
特徴検出器110はまた、この明細書では「FDM」と略される「MIC特徴検出器」とも称される。FDMは基準ストリームにおける予め定められた幾何形状(輪郭)を認識するように設計されている。この予め定められた形状は検査された対象物では有効トリガを発生するが、基準では発生しないものを含む。これら形状に対して、FDMは擬似トリガを生成し、このトリガは基準によって発生されるトリガのストリームに加えられる。
【0108】
一般に、FDMはテンプレートが予め定められた形状であり、かつサーチ領域が基準のストリームであるテンプレートマッチング動作を実行する。テンプレートのサイズは8×8ビットのように大きいことが好ましいので、単一のルックアップテーブルは実用的ではないかもしれない。代わりに、いくつかのLUTが1つの判断(デシジョン)ツリーに結合されてもよい。判断ツリーの構造は、認識されるべきテンプレートの数が8×8ビットの2進組合せの数に関して小さいという事実に基づいている。特徴検出器110の好ましい実施例は添付の参考資料4に記載されている。
【0109】
図8及び図9は図6の平滑化ユニット100、欠陥検出器102及び104、並びに欠陥比較ユニット106の中間レベルのブロック図である。
【0110】
図示するように、平滑化ユニット100は2進レベル−グレイレベル変換器114及びコンボルビング(回旋)ユニット116から構成されることが好ましい。2進レベル−グレイレベル変換器114は高解像度フォーマットの2進フォーマットで提供されるデータベース情報を、2進ピクセル計数のような任意適当な方法を使用して、低解像度(8ビットのような)グレイレベル情報に変換する。コンボルビングユニット116はグレイの影の数をさらに増加させ、ガウスの又は任意の他の適当な関数を使用して、データベース情報(DB)を平滑化2次元関数でコンボリューションすることによって情報の空間的平滑化を行う。
【0111】
そのような関数の好ましい具体化例は次のような5×5ピクセルのテンプレートTである。
【0112】
Figure 0003844792
コンボリューションはデータベース内の各ピクセル及びその5×5の周囲近傍系をテンプレートと乗算することによって次のように実行される。
【0113】
Sum〔(DB)ij(T)ij〕 i,j=1,… ,5
コンボルビングユニット116は6×6のコンボルビングユニットであってもよく、或いは任意の他の適当なディメンションを有するものでもよい。
【0114】
欠陥検出器102は並列に接続された複数の欠陥検出オペレータユニット、好ましくは8つの欠陥検出オペレータユニット118、119、120、121、122、123、124及び125、から構成される。これら8つの欠陥検出オペレータユニットは前述した欠陥検出オペレータi〜viiiに基づくものでよい。特定すると、これら欠陥検出オペレータユニット118、119、120、121、122、123、124及び125はオペレータiii 、iv、i 、ii、vii 、v 、viii及びviにそれぞれ対応する。各欠陥検出オペレータユニットは入力ピクセルのストリームを必要なテンプレートに掛け渡し、「サスペクト(疑わしい)」領域をトリガとしてマークするように動作する。
【0115】
水平方向に配向された欠陥の指示は欠陥検出オペレータユニット118及び119によって提供され、併合ユニット130によって併合される。垂直方向に配向された欠陥の指示は欠陥検出オペレータユニット120及び121によって提供され、併合ユニット132によって併合される。順方向傾斜の対角線方向に配向された欠陥の指示は欠陥検出オペレータユニット122及び123によって提供され、併合ユニット134によって併合される。逆方向傾斜の対角線方向に配向された欠陥の指示は欠陥検出オペレータユニット124及び125によって提供され、併合ユニット136によって併合される。
【0116】
図示するように、欠陥検出器104は、ラン時間パラメータ及び欠陥検出オペレータユニットのパラメータを除き、欠陥検出器102と実質的に同一であってもよい。
【0117】
欠陥比較ユニット106は代表的には、それに沿って欠陥検査プロセスが行われる複数の方向に対応する複数のチャネルハンドラより構成される。図示の実施例においては、水平方向、垂直方向、順対角線方向及び逆対角線方向にそれぞれ対応する4つのチャネルハンドラ140、142、144及び146が設けられている。
【0118】
各方向に対するチャネルハンドラは擬似欠陥センサ112から及びその方向に関係する欠陥検出器104内の併合ユニットからトリガされた基準位置に関する情報を受信する。この情報はその方向に関係する欠陥検出器102内の併合ユニットから到来するトリガされた被検査対象物の位置に関する情報と比較される。前述したように、検査された及び基準の両チャネルをトリガした推定の欠陥を放棄した後、複数のチャネルハンドラは残りの欠陥に関する情報をLUT148に供給する。LUT148は、水平方向、垂直方向、順対角線方向及び逆対角線方向のような複数の方向のそれぞれに沿って検出された欠陥に関する情報を併合するように動作する。LUT148はOR論理機能に基づくものでよい。LUT148によって提供される併合された情報は図2の欠陥処理ユニット62によって受信される。
【0119】
次に、欠陥検出オペレータユニット118、119、120、121、122、123、124及び125のそれぞれ好ましい実施例のブロック図である図10〜図17を参照する。上述したように、各欠陥検出オペレータユニットは入力ピクセルのストリームを必要なテンプレートに掛け渡し、「サスペクト」領域をトリガとしてマークするように動作する。8つの欠陥検出オペレータユニット118、119、120、121、122、123、124及び125の8つのテンプレートに対する座標系は図7(E)、(F)、(A)、(C)、(K)、(H)、(I)及び(G)をそれぞれ参照して上述したように定められた。同じ座標系がこの明細書では図10〜図17を参照して使用される。
【0120】
1×4スパンのテンプレート(C0,C1,C2,C3)について動作する狭い水平方向欠陥検出オペレータユニット118のブロック図である図10を特に参照する。加算器150は、C1とC2の和であってもよい図7(A)〜(K)を参照して上述のように定めた中央領域の和Cを計算する。図7(A)〜(K)を参照して上述のように定めた周囲P1及びP2のエネルギーの和は加算器152によって計算される。減算器154は中央領域の和Cから第1の周囲の和の2倍である2×C0を減算する。減算器156は中央領域の和Cから第2の周囲の和の2倍である2×C3を減算する。LUT158及び160はそれぞれ、減算器154及び156のそれぞれの出力をそれぞれのプログラム可能なスレッショルド値と比較する。減算器162は図7(A)〜(K)を参照して上述のように定めたTDE値を計算する。TDE値及びLUT158及び160の比較結果は論理ユニット164を通じてLUT166によって受信される。このLUT166は欠陥/誤警報状態、TDEレベル及び狭い水平方向のトリガによって検出された欠陥の極性の出力指示を提供する。
【0121】
図11〜図17の欠陥検出オペレータユニットは図10の欠陥検出オペレータユニットと同様に構成されており、それ故、簡単化するために詳細には説明しない。
【0122】
次に、図8のコンボルビングユニット116(以後、コンボルバと略記する)のブロック図である図18を参照する。このコンボルバは、代表的には4つのコンボルビング手段174、176、178及び180からなる3×3のコンボルバのアレイ172に接続された6×6ピクセルスパナ170を含むことが好ましい。
【0123】
データの解像度が図8のユニット114において減ぜられた後、データは図19に例示された6×6の窓184に掛け渡される。図19に見られるように、6×6の窓は、コンボルビング手段174、176、178及び180をそれぞれ駆動する4つの小さな3×3ピクセルアレイ186、188、190及び192に区分されてもよい。これら4つのコンボルビング手段の出力は加算器182によって合算され、それによって8ビットグレイレベル出力を提供する。
【0124】
次に、図9のチャネルハンドラ140の好ましい実施例のブロック図である図図20及び図21を参照する。チャネルハンドラ142、144及び146はチャネルハンドラ140と同一のものでよい。
【0125】
図20及び図21に示すように、チャネルハンドラ140は、図6の検出器104及び112からの基準に関する情報、並びに図6の検出器102からの被検査対象物に関する情報を並列に受信する。基準情報の2つのチャネルはOR論理機能によって併合される。スパン動作が続き、その結果代表的には5×5のディメンションを有する窓をもたらす。終りに、代表的には5つのトリガ検出器ユニット210、212、214、216及び218から構成されるトリガ検出器ユニットの並列アレイ208が有効な「丘」及び「谷」トリガに対して窓をサーチする。
【0126】
図6の検出器102から到来する被検査対象物の情報チャネルはセレクタ220を介して時間等化ユニット222に送られる。この時間等化ユニット222は被検査対象物のデータを一定の時間期間だけ遅延させるように動作する。遅延の後、被検査対象物情報はマスキングユニット224に供給される。同時に、マスキングユニット224は5つのトリガ検出器ユニット210、212、214、216及び218のそれぞれから2チャネルのデータを受信する。この2チャネルのデータは丘欠陥及び谷欠陥をそれぞれ指示する。マスキングユニット224は、上述したように、トリガ、代表的には同じ極性のかつ類似のTDE値を有するトリガが推定の欠陥に対応する5×5の窓内に含まれている場合には、その推定の欠陥をマスクする又は削除する。
【0127】
図20及び図21において、「DL」は1ラインの遅延を導入するユニットを示し、「R」は1ピクセルの遅延を導入するユニットを示す。
【0128】
次に、図2の実時間欠陥記録ユニット66のブロック図である図22を参照する。理解できるように、このユニット66は長さmピクセルのラインバッファ226を含む。このラインバッファ226はxポインタ230及びyポインタ232によってアクセスされるRAMのようなメモリ228とインタフェースしている。メモリ228は代表的には1K×1Kの2次元アレイより構成される。
【0129】
この記録ユニット66の動作は次の通りである。
各ライン時間中、ラインバッファ226は直列入力ポート234を通じて入力バス72(図1及び図2参照)から被検査対象物又は基準の1つのラインの表示を受信する。各ラインは並列入力ポート236を通じてメモリ228の、yポインタ232によって指示されたy位置に、逐次にロードされる。ラインがメモリ228にロードされるときごとに、yポインタはインクリメント(増分)される。それ故、メモリは、対象物の最も最近に走査されたラインである、1Kのような、選択された数のラインを記憶する移動する窓として働く。
【0130】
欠陥が生じると、記録ユニット66は欠陥処理ユニット62(図2参照)によってこの発生を警報される。欠陥を取り囲む近傍系のピクセルのアドレスは、この欠陥の位置を識別する欠陥処理ユニット62から到来する座標信号に基づいて、計算される。移動窓228の内容のこれらアドレスによって識別された部分は、X−Yアドレッシングを使用して、制御論理ユニット238によってランダムアクセスに読み出され、後処理ユニット67(図2参照)に供給される。初期設定のためと、テストのための処理ユニット240が設けられている。
【0131】
トリガ及びその位置の指示を受信すると、記録ユニット66は、イメージバス72(図1及び図2参照)からの、代表的には32×24ピクセルのサイズのその位置の近傍系の表示を記録する。イメージバス72の表示は、図示するように、イメージバス72とインタフェースするシステムの構成要素の任意の1つによって与えられる表示でよい。制御装置8(図1参照)はどの表示がイメージバス72にロードされるかを決定するように動作する。これら表示は一時メモリ242を介して、次の機能の一方又は両方が実行される図2の後処理ユニット67に送られる。
【0132】
(a)推定の欠陥が実際の欠陥であるか誤警報であるかの決定
(b)これら表示を提供する検査システムのサブシステムの性能を診断し、これらサブシステムの動作が誤警報率を減少させるために修正できるようにすること。
【0133】
次に、図2の後処理ユニット67の概念的な例示である図23を参照する。
後処理ユニット67は誤警報率低減ユニット250を含む。この誤警報率低減ユニット250は図2の実時間欠陥記録ユニット66から被検査対象物の複数の位置の実時間記録表示及びこの複数の位置のそれぞれの座標を受信する。誤警報率低減ユニット250はまた、基準情報を受信する。この基準情報は、ダイ−データベース比較の場合には、欠陥座標によって識別され、かつデータベースラスタライザ56(図1参照)によって提供される欠陥位置に関係する2進データベース情報からなるものでよい。代わりに、ダイ−ダイ比較法が使用される場合には、基準情報は欠陥座標によって識別された位置に対応する基準対象物の位置に関係するグレイ基準情報からなるものでよい。
【0134】
誤警報率低減ユニット250は各推定の欠陥位置を再解析し、誤警報をフィルタ除去し、欠陥メモリ252に記憶される真の欠陥の位置を指示する座標の出力指示を提供する。誤警報率低減ユニット250はまた、次の規準の少なくともあるものに従って欠陥を分類することが好ましい。即ち、なくなっている/過剰のクロム、エッジ/隔離された/コーナー欠陥、サイズである。誤警報率低減ユニット250によって識別された欠陥の位置及び分類は欠陥メモリ252に記憶される。記憶された情報は、SASのような任意適当な統計的ソフトウエアパッケージから構成できる統計的解析ユニット254によって統計的に解析されることが好ましい。
【0135】
CRTのようなオペレータディスプレイ256が欠陥解析プロセスのオペレータに対してオンライン表示を提供することが好ましい。この表示は誤警報率低減ユニット250によって解析された欠陥イメージの表示からなるものであることが好ましい。
【0136】
オンラインディスプレイ256はオペレータが欠陥イメージを検討し、欠陥分類ユニット258を通じて欠陥の分類を訂正することを可能にする。ユーザもまた、誤警報低減ユニット250によって指示された特定の推定の欠陥が誤警報であるということをシステムに指示できることが好ましい。欠陥メモリ252は、レチクルを修復するために、例えば米国ニューヨーク州スミスタウンのクオントロニクス(Quantronix)社によって製造された修復機械のような修復機械(図示せず)とインタフェースできる。
【0137】
欠陥後処理ユニット67はハードウエアで具現化される図2の欠陥処理ユニット32及び64とは対照的に、ソフトウエアで具現化されることが好ましい。後処理ユニット67の好ましい実施例のソフトウエアの具体例が添付の参考資料5に示されている。
【0138】
誤警報率を低減させ、かつ欠陥を分類するための好ましい方法は次の通りである。
【0139】
実時間記録ユニット66(図2参照)は被検査対象物の各推定の欠陥ピクセルの周りのかつこの欠陥ピクセルを含む領域のサンプルされたグレイイメージを、関係する座標とともに記録する。推定の欠陥ピクセルは図2の欠陥検出器32及び64によって報知された欠陥として定められる。
【0140】
誤警報率低減の第1ステップは推定欠陥データの配置であり、次のサブステップより構成されるものでよい。
【0141】
データを隣接して配置された又は「接続された」推定の欠陥ピクセルのグループに密集させるステップと、
各密集グループに対して、推定の欠陥ピクセルの現在の密集グループの近傍に被検査対象物の統一されたイメージである「被検査推定欠陥イメージ」を構築するステップと、
記憶されたデータベースから、被検査推定欠陥イメージに対応するデータベースの部分である「対応基準イメージ」を抽出するステップ。
【0142】
好ましい誤警報率低減方法は次のステップからなるものでよい。
1.基準が2進形式で表されない場合には、上に説明したように、検査されるイメージ及び基準の2値化。これは米国特許出願第684,583号に記載されたアルゴリズムを用いて具現化できる。この米国特許出願第684,583号の開示はこの明細書に参照により組み入れられている。これらアルゴリズムはソフトウエアで具現化されることが好ましい。
【0143】
2.被検査及び基準イメージの2進表示のグローバルマッチング。このマッチングは、完全な記録領域が考慮されるという意味においてグローバルである。好ましいグローバルマッチング技術は、テンプレートが被検査推定欠陥イメージであり、サーチ窓が基準イメージであり、かつマッチング規準が被検査推定欠陥イメージ及び基準の対応する部分のXORの領域の最小値であるテンプレートマッチングである。
【0144】
計算負荷を減少させるために、マッチングプロセスは1回以上繰り返される。第1の繰り返しは、最初の解像度に関して2〜8のある計数だけ減ぜられた解像度のような比較的小さな解像度で2つのイメージについて実行される。第1の繰り返しにおいては、サーチ窓は比較的大きい。その後の繰り返しは、最初の解像度に戻るまで増大する解像度で2つのイメージについて実行される。これらその後の繰り返しにおいては、サーチ窓のサイズは徐々に減少される。マッチング技術はエイ・ローゼンフェルド及びエイ・カクによるディジタル・ピクチャー・プロセッシング(アカデミック・プレス、1982、第2巻、セクション9・4及び12・1)に記載されている。
【0145】
3.被検査及び基準推定イメージの2進表示のローカルマッチング。このマッチングは、推定欠陥ピクセルの包囲する矩形に含まれるサブイメージのみが考慮されるという意味においてローカルである。このステップは前に言及したテンプレートマッチングステップによって具現化できるが、しかしテンプレート領域はここでは包囲する矩形領域であり、解像度は最初の2進解像度である。
【0146】
4.次の一方又は両方よりなるものでよい差の測定値を計算すること。
(a)ローカルマッチング後の被検査及び基準イメージ部分間のXORの領域
(b)ローカルマッチング後の被検査及び基準イメージ部分間のXORの幅。
幅の測定はこの幅があるスレッショルドを超えるか超えないかの指示として演算化することができる。この指示は予め定められた数のピクセル層を侵食することによって具現化できる。この予め定められた数は、所望の誤警報率の及び真正の欠陥として分類されるべきである推定の欠陥の最小のサイズを決定する予め定められたスレッショルドの関数でよい。
【0147】
5.欠陥の領域(面積)、サイズ及びタイプのインベントリを提供するためのマッチングイメージの分類。
【0148】
次に、図1のスキャナ10の好ましい一実施例のブロック図及び概略前面図の組合せである図24を参照する。図24に示すスキャナ10はこの発明の好ましい一実施例に従って構成され、かつ動作する。
【0149】
スキャナ10は302で指示された2軸位置決めサブシステム、下部及び上部照明サブシステム304及び305、並びにイメージ捕捉サブシステム306より構成されている。各サブシステムの構造及び動作について以下に個々に記載する。
【0150】
2軸位置決めサブシステム302は米国ニューヨーク州ホーポージのアノラッド(Anorad)社から市販されているマイクログライドL250でよく、孔309及びリニアモータ(図示せず)を備えた移動台310を有する御影石のテーブル308、空気ベアリング(図示せず)及びレーザ干渉計314よりなる。干渉計314によって測定される台310の位置は台コントローラ312に送られる。
【0151】
被検査レチクルを保持するための2軸位置決め可能なかつ回転可能なホルダー316が台310の上に支持されている。ホルダー316の位置及び配向はモータコントローラ318によってモータ(図示せず)を通じて制御される。
【0152】
レチクルは御影石テーブル308の下側に位置する下部照明サブシステム304によって照明される。この下部照明サブシステム304については図25及び図26を参照して詳細に説明する。サブシステム304の孔及びフィルタはモータコントローラ318の制御下でモータ駆動される。
【0153】
照明されたレチクルは顕微鏡320で観察される。顕微鏡320は好ましくは標準倍率である異なる倍率の複数の対物レンズを備えていることが好ましい。顕微鏡320によって発生されるレチクルの拡大イメージはカメラユニット322のCCDラインアレイセンサによって捕捉される。レチクルは焦点制御ユニット326によって制御される自動焦点アセンブリ324によって焦点に維持される。選択された対物レンズがモータコントローラ318によって駆動される顕微鏡モータ手段(図示せず)の光学軸に関して位置決めされる。
【0154】
カメラユニット322のタイミング及び拡大動作はカメラコントローラ328によって制御される。カメラコントローラ328に対するトリガ信号は、台310の座標を記述する台コントローラ312から受信した信号に応答して、視覚(ビジョン)ユニット330によって発生される。
【0155】
カメラコントローラ328は生の(未処理の)8ビットグレイデータのディジタルビデオ信号を視覚ユニット330に送信する。視覚ユニット330はこのデータを処理し、CCDセンサの応答の非均一性を補償し、この処理された最終グレイデータの出力を図1のユニット30及び22へ供給する。
【0156】
顕微鏡320とカメラ322との間に延長管332が挿入されている。この延長管332は顕微鏡320によって発生されたイメージを三眼ユニット334及びカラーカメラ336へ中継し、イメージをカラーディスプレイ338上に表示できるようにする。
【0157】
台コントローラ312、モータコントローラ318、焦点コントローラ326及びカメラコントローラ328の動作は図1の主制御装置8によってスキャナ10に送られる制御データに従ってCPU340によって制御される。
【0158】
次に、図1のスキャナ10の光学的構成要素の分解図である図25及び図26を参照する。
【0159】
照明サブシステム304は高圧水銀アークランプのようなランプを収容するランプハウジング342及び0.5を超えることが好ましい高い開口数を有する平行光用レンズ344を含むことが好ましい。ランプから発せられた光ビームは2つの「コールドミラー」346及び348によって反射される。これらミラー346及び348はIR(赤外)光をフィルタ除去し、また、これらミラー346及び348の上の光学系の光学軸に沿って光ビームを整列させるのに必要な程度の自由度を提供する。
【0160】
光ビームがミラー348で偏向された後、フォーカスレンズ350は、長い幅の広い光ファイバからなるクラッドロッド352の下面にアークランプの拡大されたイメージを生成する。クラッドロッド352は、システムが最高の開口数に対する及び異なる厚さのレチクルに対する可能な最も大きい立体角を必要とするときに、その上面の照明がシステムによって必要とされる最も幅の広い可能な視野にわたって均一のままであるように、構成され、配置されている。
【0161】
均一な照明の直径の及び開口数の好ましい値はそれぞれ2.8mm及び0.55である。これら値は異なる厚さのレチクル354が、補償レンズを使用することなしに、かつ任意の光学素子を移動させることなしに、照明されることを可能にする。
【0162】
クラッドロッド352の上面は、レンズ356、358、360及び362からなる全体として355で指示されたレンズアセンブリによってイメージが形成される。レンズ356及び358は視野絞り(フィールドアパーチャ)364の平面にクラッドロッド352の上面の中間イメージを発生することによって照明される視野幅を制御する。レンズ356はクラッドロッド352から光を集める。レンズ358は、すべての光が「ビネット風にぼかす」必要なしにクラッドロッド352の上面から集められることを可能にする視野レンズである。
【0163】
レンズ360及び362はレチクル354の上面に中間イメージ及び視野絞り364の像を形成する。レンズ360は照明システム304の集光レンズであるレンズ362に対する視野レンズとして動作する。集光レンズ362の下側の集光絞り(コンデンサアパーチャ)366はコンデンサ360の開口数を異なるシステム動作モードの特定の要件に調節する。レンズ356及び362は集光レンズであってもよい。レンズ358及び360は視野レンズであってもよい。
【0164】
レンズアセンブリ355はレチクル354上に像が形成されるいかなる臨界的な光学表面も持たないことが好ましい。レンズアセンブリ355の長さはクラッドロッド上面のイメージをテーブル308及び移動台310を通じてレチクルに「転送する」のに十分である。
【0165】
視野絞り364及び集光絞り366の直径はモータ372及び374によってそれぞれ駆動されるギア368及び370によってそれぞれ調整される。モータ372及び374はモータ制御ユニット318(図24参照)によって制御され、御影石テーブルの下側に位置していることが好ましい。
【0166】
検査システム6の特定の動作モードに対する照明レベルは連続的に変化するNDフィルタホイールの使用によって得られる。この分野においてよく知られているように、そのようなフィルタのトランスミッションはその回転角の関数として変わる。システムに存在する実際の照明レベルはカメラ322によって検出される。カメラ322はアークライトによる光の発生における任意の劣化を補償することができる。カメラ322によって検出された光レベルを、動作モードのそれぞれに対するNDフィルタ376の角度位置の関数として校正することにより、CPUユニット340はシステム内の照明レベルをモータ制御ユニット318を通じて制御することができる。NDフィルタ376はモータ及びギア構成(図示せず)のような任意適当な手段によって回転可能である。
【0167】
NDフィルタ378の一部分の上に金属板378が設けられている。板378は、スキャナが「上部照明モード」にあるときに、或いはカメラ322の「暗レベル」校正の間、下部照明システムを遮断するように動作する。金属板378及びNDフィルタホイール376は同じモータ及びコントローラによって回転させられる。
【0168】
光ファイバの光ガイド380がレンズ356の横に設けられ、かつクラッドロッド352の上面に向かって整列され、アーク強度の変化が検出され、測定されることを可能にしている。光ガイド380の位置はアークの移動の結果としての変化を最小にする。
【0169】
ガイド380はクラッドロッド352から発せられる光をサンプルし、このサンプルを光検出器382に送る。検出器382からの電気信号は、アーク強度の変化を測定し、かつこれを補償するカメラ制御ユニット328へ送られる。
【0170】
顕微鏡320は「無限遠補正」タイプのものであることが好ましく、レチクル354の拡大イメージを約103mm上に配置された平面に発生する。顕微鏡320は主として、回転可能な対物レンズホイール386に装着された3つの対物レンズ384と、「ライツ(Leitz) 」モジュロ−パックLAFユニット390の一部を形成するレンズのような望遠鏡レンズ388を含む。
【0171】
モジュロ−パックユニット390はさらに、レチクル354の上面に関する顕微鏡の光学経路における対物レンズの集束エラーを感知するための自動焦点センサ392を含む。センサ392からのエラー信号は焦点コントローラ326(図24参照)に送られ、焦点コントローラ326は補正信号を焦点モータ394に送る。モータ394の回転移動は、ギア及びスライダ構成396によって、ナル信号が焦点コントローラ326によって検出されるまで、対物レンズホイール386の垂直方向の移動に変換される。
【0172】
異なる高さの種々のレチクル354及び対物レンズ384が焦点センサ392の基準平面を変更することによって適応できる。これはモジュロ−パックユニット390内に組み込まれた、モータコントローラ318(図24参照)の制御下でギア及びモータ398によって基準平面の高さを設定する焦点オフセットユニット(図示せず)によって、達成される。顕微鏡320によって発生されたレチクルのイメージは、横方向色収差、非点収差及び湾曲収差のような残留収差を受ける可能性がある。光学的サブアセンブリ401が、例えば1024素子のラインアレイよりなるCCDセンサ400と同じ視野にわたって回折制限イメージを得るために、使用できる。サブアセンブリ401は代表的には接眼レンズ404及び二重リレーレンズ406よりなる。CCDセンサ400は、このセンサ400をシステムの光学軸に整列させるために3つの並進運動(3つの方向への運動)と2つの回転運動の自由度を有する固定具407上に置かれる。
【0173】
レチクルのテストの結果の検証するために、延長管アセンブリ332(図24参照)がレチクルのイメージを三眼のユニット334及びカラーTVカメラ336へ搬送するために使用される。延長管332はプリズムホイール408、クロスレチクル410、レンズ312、及びビームスプリッタ414から構成されている。ビームスプリッタ414はビームの一部分を、レンズ416及びミラー417を通じて三眼のユニット334へ指向する。ビームスプリッタ414はビームの他の部分を、レンズ420及びミラー418、422を通じてカメラ336へ指向する。
【0174】
プリズムホイール408はレチクル走査モードにおいてイメージがCCDセンサ400へ直線の経路で送られるための孔424を備えており、かつレチクル検証モードの間イメージを三眼のユニット334及びカメラ336へ反射させるための2つのプリズム426及び428を支持している。ホイール408はモータ402によって回転させられる。
【0175】
レチクルが下部(透過光)照明システム304によって照明されるときに、プリズム426が使用される。レチクルが上部(入射光)照明サブシステム305によって照明されるときに、プリズム428がプリズム426の代わりに使用される。プリズム426と428の差は、プリズム426がUV光を遮断し、かつ可視光を安全なレベルに減衰させるようにコーティングが施されていることである。
【0176】
上部照明システム305は御影石テーブル308の下側に位置付けされることが好ましいタングステンハロゲンランプ425を使用してもよい。光は光ファイバの光ガイド426によって伝達される。レチクルが入射光によって照明されると、スキャナ10は「上部照明モード」にあると言われ、ランプ342からのすべての透過光はフィルタホイール376及び阻止板378を回転させることによって阻止される。下部照明システム304からの光が阻止されることを検証するために、一対の検出器429が三眼ユニット334のカメラ開口に設けられている。検出器429の出力は制御ユニット(図示せず)によって受信される。安全なスレッショルド値を超える信号が検出された場合には、コーティングを施された安全保護プリズムが光学経路中に回転させられる。
【0177】
この明細書及び特許請求の範囲において使用されている用語「検査される対象物」、「検査された対象物」、「被検査対象物」、「検査されるべき対象物」及び「パターン化対象物」は、限定するものではないが、次の素子のような実質的に任意の対象物を含むことを意図している。即ち、フラットパネルディスプレイ、レチクル、プリント回路板、半導体ウェーハ、及びホトマスクである。
【0178】
上記用語は、その表面が上記素子の任意のもののブランクのような連続する外観を有する対象物を排除することを意図するものではない。
【0179】
この発明は特に図示し、かつ上に説明したものに限定されないということはこの分野の技術者には理解されよう。従って、この発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の好ましい一実施例に従って構成され、かつ動作する装置の一般化したブロック図である。
【図2】この発明の好ましい一実施例に従って構成され、かつ動作する装置の一般化したブロック図である。
【図3】図2の2進欠陥検出器32に対する好ましいアルゴリズムの段階を概念的に例示した図である。
【図4】5×5ピクセルの近傍系及び図2の2進欠陥検出器32における侵食前と後の2進形状を概念的に例示した図である。
【図5】図2の2進欠陥検出器32との関連において有用なノイズフィルタリング方法を概念的に例示した図である。
【図6】図2の超微細レベル欠陥検出器64のブロック図である。
【図7】図2の超微細レベル欠陥検出器64の好ましい一実施例において使用された欠陥及び欠陥感知オペレータのタイプを概念的に例示した図である。
【図8】図6の平滑化ユニット100及び欠陥検出器104のブロック図である。
【図9】図6の欠陥検出器102及び欠陥比較ユニット106のブロック図である。
【図10】図8及び図9の欠陥検出ユニット118のブロック図である。
【図11】図8及び図9の欠陥検出ユニット119のブロック図である。
【図12】図8及び図9の欠陥検出ユニット120のブロック図である。
【図13】図8及び図9の欠陥検出ユニット121のブロック図である。
【図14】図8及び図9の欠陥検出ユニット122のブロック図である。
【図15】図8及び図9の欠陥検出ユニット123のブロック図である。
【図16】図8及び図9の欠陥検出ユニット124のブロック図である。
【図17】図8及び図9の欠陥検出ユニット125のブロック図である。
【図18】図8のコンボルビングユニット116のブロック図である。
【図19】図8のコンボルビングユニット116によって使用される窓の座標を例示する図である。
【図20】図9のチャネルハンドラ140のブロック図である。
【図21】図9のチャネルハンドラ140のブロック図である。
【図22】図2の実時間欠陥記録ユニット66のブロック図である。
【図23】図2の後処理ユニット67のブロック図である。
【図24】図1のスキャナ10のブロック図及び概略前面図である。
【図25】図1のスキャナ10の光学的構成要素の分解図である。
【図26】図1のスキャナ10の光学的構成要素の分解図である。
【符号の説明】
6 検査装置
8 主制御装置
10 スキャナ
22 タイミング制御装置
30、44 2値化ユニット
32 2進欠陥検出器
34 イメージ遅延補償器
36 データベース前処理ステーション
38 データベースラスタライザ
43 基準ダイメモリ
45 スイッチ
58 ミスアライメント検出メモリ
59 データベースアライメントメモリ
60 ダイアライメントメモリ
61 ミスアライメントコンピュータ
62 欠陥処理ユニット
64 超微細レベル欠陥検出器
65 スイッチ
66 実時間記録ユニット
67 後処理ユニット
100 平滑化ユニット
101、103 スイッチ
102、104 欠陥感知素子
106 欠陥比較ユニット
110 特徴検出器
112 擬似欠陥センサ

Claims (46)

  1. 検査されるべき、かつ基準と比較されるべきパターン化された対象物を用意する段階と、
    前記パターン化された対象物を検査し、このパターン化された対象物の可視的に感知できる特性の表示を提供する段階と、
    前記パターン化された対象物の可視的に感知できる特性の表示を前記基準の可視的に感知できる特性に関係する情報と比較し、前記パターン化された対象物と前記基準との差の出力指示を提供する段階と、
    前記検査する段階及び前記比較する段階の少なくとも一方は、前記表示の少なくとも1つの変更を逐次に実行し、前記パターン化された対象物及び前記基準の少なくとも一方の、変更されない表示及び少なくとも1つの変更された表示を含む、複数の表示を提供する段階を含み、
    前記検査する段階及び前記比較する段階の少なくとも一方を実行中に、前記複数の表示の中から個々のものを比較し、選択された大きさの範囲内の前記パターン化された対象物の可視的に感知できる特性と前記基準の可視的に感知できる特性との差をフィルタ除去する段階と
    からなることを特徴とする検査方法。
  2. 検査されるべき、かつ基準と比較されるべきパターン化された対象物を用意する段階と、
    前記パターン化された対象物を検査し、このパターン化された対象物の可視的に感知できる特性に関係する情報の出力を提供する段階と、
    前記パターン化された対象物の可視的に感知できる特性に関係する情報を前記基準と比較し、選択された大きさの範囲内の前記パターン化された対象物の可視的に感知できる特性と前記基準の可視的に感知できる特性との差をフィルタ除去して、前記パターン化された対象物と前記基準との差の指示を提供する段階と、
    前記パターン化された対象物の少なくともある領域の可視的に感知できる特性の超微細検査を自動的に実行する段階と
    からなることを特徴とする検査方法。
  3. 検査される対象物を基準と比較し、該検査される対象物の可視的に感知できる特性に関係する情報の出力を提供するための比較手段と、
    前記検査される対象物の可視的に感知できる特性に関係する2進レベル情報を前記基準の可視的に感知できる特性に関係する2進レベル情報と比較するための2進レベル比較手段と、
    前記検査される対象物の可視的に感知できる特性に関係するグレイレベル情報を前記基準の可視的に感知できる特性に関係するグレイレベル情報と比較するためのグレイレベル比較手段と
    を具備し、前記2進レベル比較手段は、前記検査される対象物の可視的に感知できる特性と前記基準の可視的に感知できる特性との差の指示を提供するための差指示手段を含み、該差指示手段は選択された大きさの範囲内の差をフィルタ除去するための手段を含むことを特徴とする検査システム。
  4. 前記基準の可視的に感知できる特性に関係する情報を提供するための手段をさらに含む請求項に記載の検査システム。
  5. 前記グレイレベル比較手段は、前記基準の可視的に感知できる特性に関係する2進レベル情報をグレイレベル情報に変換するための手段を含む請求項に記載の検査システム。
  6. 前記2進レベル比較手段は、前記検査される対象物の可視的に感知できる特性と少なくとも第1の最小のサイズの基準の可視的に感知できる特性との差を感知するように動作し、前記グレイレベル比較手段は、前記検査される対象物の可視的に感知できる特性と前記第1の最小のサイズよりも小さい少なくとも第2の最小のサイズの基準の可視的に感知できる特性との差を感知するように動作する請求項に記載の検査システム。
  7. 前記グレイレベル比較手段は、
    前記検査される対象物の可視的に感知できる特性に関係する情報における丘プロフィール及び谷プロフィールを感知するための第1の手段と、
    前記基準の可視的に感知できる特性に関係する情報における丘プロフィール及び谷プロフィールを感知するための第2の手段と、
    少なくとも十分なレベルの丘プロフィール又は谷プロフィールが前記検査される対象物の所定の位置に対して感知され、かつ前記基準の対応する位置に対しては感知されないときに、欠陥指示を提供するための手段と
    を具備する請求項に記載の検査システム。
  8. 前記欠陥指示を提供するための手段は、前記基準の複数の位置における選択された可視的に感知できる特徴の存在を指示する選択された情報に応答して、それら位置に関しては前記検査される対象物と前記基準との差の出力指示の提供を阻止するための手段を含む請求項に記載の検査システム。
  9. 前記基準及び前記検査される対象物の個々の1つにおける前記位置は前記基準及び前記検査される対象物の他方の1つにおける前記対応する位置よりも領域が大きい請求項に記載の検査システム。
  10. 前記グレイレベル比較手段は、前記基準の複数の位置における選択された可視的に感知できる特徴の存在を指示する選択された情報に応答して、それら位置に関しては前記検査される対象物と前記基準との差の出力指示の提供を阻止するための手段を含む請求項に記載の検査システム。
  11. 前記2進レベル比較手段は、少なくとも1つのSUBTRACTION論理オペレータ及び少なくとも1つのXOR論理オペレータの少なくとも一方を含む請求項に記載の検査システム。
  12. 前記フィルタ除去するための手段はEROSIONオペレータを含む請求項に記載の検査システム。
  13. 前記フィルタ除去するための手段はACCEPTANCEオペレータを含む請求項に記載の検査システム。
  14. 前記比較するための手段は、前記基準のデータベースの先行するものから前記基準の可視的に感知できる特性に関係した情報を受信するための手段を含む請求項に記載の検査システム。
  15. 前記比較するための手段は、前記基準を検査し、この基準の可視的に感知できる特性に関係する情報を提供するための手段を含む請求項に記載の検査システム。
  16. 前記比較するための手段は、
    前記基準のデータベースの先行するものから前記基準の可視的に感知できる特性に関係した情報を受信するための手段と、
    前記基準を検査し、この基準の可視的に感知できる特性に関係する情報を提供するための手段と、
    前記受信するための手段又は前記検査するための手段を選択可能に付勢するための手段と
    からなる請求項に記載の検査システム。
  17. 前記比較するための手段は、少なくとも前記検査される対象物が検査される倍率を変化させるための手段を含む請求項に記載の検査システム。
  18. 前記比較するための手段は、少なくとも前記検査される対象物の検査に関係する少なくとも1つのパラメータを、前記倍率の関数として、自動的に制御するための手段をさらに含む請求項17に記載の検査システム。
  19. 対象物を検査し、この検査される対象物の可視的に感知できる特性に関係する情報の出力を提供するための手段と、
    選択された大きさの範囲内の前記検査される対象物の可視的に感知できる特性と前記基準の可視的に感知できる特性との差をフィルタ除去して、前記検査される対象物と基準との差の出力指示を提供し、同時に前記検査される対象物の、あり得る欠陥が指示される領域の可視的に感知できる特性に関する情報を記憶するための手段と
    を具備し、前記記憶するための手段は、前記最初に検査するための手段によって提供された前記情報を記憶するように動作し、また、前記差の出力指示を提供するための手段から受信した前記検査される対象物と前記基準との差の出力指示を記憶するように動作することを特徴とする検査システム。
  20. 前記記憶された情報を使用して前記検査される対象物の前記領域の可視的に感知できる特性のさらなる検査を自動的に実行するためのさらなる検査手段を含む請求項19に記載の検査システム。
  21. 前記自動的に実行するための手段は、前記領域の少なくともあるものの可視的に感知できる特性を基準と比較するための手段を含む請求項20に記載の検査システム。
  22. 前記記憶された情報をオペレータに表示するための手段をさらに含む請求項19に記載の検査システム。
  23. 前記基準の可視的に感知できる特性に関係する情報を提供するための手段をさらに含む請求項19に記載の検査システム。
  24. 前記さらなる検査手段は、少なくとも1つの規準に従って前記あり得る欠陥の少なくともあるものを分類するための手段を含む請求項20に記載の検査システム。
  25. 前記さらなる検査手段は、検査される対象物の領域の可視的に感知できる特性の前記さらなる検査が、前記出力指示を提供するための手段が動作している間に、開始できるという点に特徴を有する請求項20に記載の検査システム。
  26. 前記さらなる検査手段は、検査される対象物の領域の可視的に感知できる特性の前記さらなる検査が、前記出力指示を提供するための手段が前記検査される対象物について動作している間に、開始できるという点に特徴を有する請求項25に記載の検査システム。
  27. 前記最初に検査するための手段は、前記基準のデータベースの先行するものから前記基準の可視的に感知できる特性に関係した情報を受信するための手段を含む請求項19に記載の検査システム。
  28. 前記検査するための手段は、前記基準を検査し、前記基準の可視的に感知できる特性に関係する情報を提供するための手段を含む請求項19に記載の検査システム。
  29. 前記最初に検査するための手段は、前記基準のデータベースの先行するものから前記基準の可視的に感知できる特性に関係する情報を受信するための手段と、前記基準を検査し、この基準の可視的に感知できる特性に関係する情報を提供するための手段の一方を選択可能に付勢するための手段を含む請求項19に記載の検査システム。
  30. 前記検査するための手段は、少なくとも前記検査される対象物が検査される倍率を変化させるための手段を含む請求項19に記載の検査システム。
  31. 前記検査するための手段は、少なくとも前記検査される対象物の検査に関係する少なくとも1つのパラメータを、前記倍率の関数として、自動的に制御するための手段をさらに含む請求項30に記載の検査システム。
  32. 検査される対象物の可視的に感知できる特性の少なくとも1つの表示を提供するための手段と、
    前記検査される対象物の前記少なくとも1つの表示の個々の1つを基準と比較し、選択された大きさの範囲内の前記検査される対象物の前記少なくとも1つの表示と前記基準との差をフィルタ除去して、差の出力指示を提供するための第1の手段と、
    前記少なくとも1つの表示の個々の1つを基準と比較する超微細検査手段と
    を具備することを特徴とする検査システム。
  33. 検査される対象物を検査し、この検査される対象物の可視的に感知できる特性の表示を提供するための検査手段と、
    前記検査される対象物と基準の可視的に感知できる特性の表示との差の出力指示を提供するための差指示手段と、
    前記検査するための手段及び前記差指示手段の少なくとも一方は、それぞれが前記表示の1つを変更する少なくとも1つの表示変更サブシステムを定め、それによって前記検査される対象物及び前記基準の少なくとも一方の、変更されない表示及び少なくとも1つの変更された表示を含む、複数の表示を定め、選択された大きさの範囲内の前記検査される対象物の前記複数の表示と前記基準との差をフィルタ除去し、
    前記検査するための手段及び前記差指示手段を通じて、前記複数の表示の中から個々のものを比較するための比較手段と、
    を具備することを特徴とする検査システム。
  34. 前記比較手段は、前記少なくとも1つのサブシステムの選択された1つに直接入力を提供するための手段を含む請求項33に記載の検査システム。
  35. 前記入力は、前記選択されたサブシステムの上流のサブシステムによって提供された前記検査される対象物及び基準の一方の可視的に感知できる特性の表示からなる請求項34に記載の検査システム。
  36. 前記入力はテストパターンからなる請求項34に記載の検査システム。
  37. 前記比較手段は、前記少なくとも1つのサブシステムの選択された1つの出力を検査するための手段を含む請求項33に記載の検査システム。
  38. 選択された対象物の可視的に感知できる特性に関係する情報の表示を前記少なくとも1つのサブシステムの選択された1つに提供し、それによって前記選択された対象物の可視的に感知できる特性に関係した情報の複数の表示を提供するための手段をさらに含む請求項33に記載の検査システム。
  39. 前記検査するための手段は、少なくとも前記検査される対象物が検査される倍率を変化させるための手段を含む請求項33に記載の検査システム。
  40. 前記検査するための手段は、少なくとも前記検査される対象物の検査に関係する少なくとも1つのパラメータを、前記倍率の関数として、自動的に制御するための手段をさらに含む請求項39に記載の検査システム。
  41. 検査される対象物を基準と比較し、前記検査される対象物の可視的に感知できる特性に関係する情報の出力を提供するための手段と、
    選択された大きさの範囲内の前記検査される対象物の前記基準との差をフィルタ除去して、前記検査される対象物と前記基準との差の指示を提供するための第1の手段と、
    前記検査される対象物の少なくともある領域の可視的に感知できる特性の超微細検査を自動的に実行する手段と
    を具備することを特徴とする検査システム。
  42. 前記増強するための手段は、前記検査される対象物の少なくともある領域における前記差の出力指示の提供を阻止し、それによって前記第1の手段の誤警報率を低減させるための手段を含む請求項41に記載の検査システム。
  43. 前記超微細検査を実行する手段は、前記第1の手段によって検出されなかった前記検査される対象物と前記基準との差の出力指示を提供するための手段を含む請求項41に記載の検査システム。
  44. 前記基準を検査するための手段は、前記検査される対象物を検査するとともに前記基準を検査するための単一の光学ヘッドからなる請求項15に記載の検査システム。
  45. 前記単一の光学ヘッドは、前記検査される対象物の一部分と前記基準の対応する部分とを同時に検査する請求項44に記載の検査システム。
  46. 前記基準を検査するための手段は、前記基準の少なくとも一部分の可視的に感知できる特性に関係する情報を記録するための手段をさらに含む請求項44に記載の検査システム。
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