JP3844768B2 - 無線端末装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線端末装置に関し、特に、無線機能を有した複数の端末の間でコネクションレス方式にてパケットを送受信することにより通信を行う無線アドホックネットワークでの通信に関するものである。
設備が容易に構築できること、端末装置を移動して通信することができること等の観点より、無線アドホックネットワークによりLANが構築される。無線アドホックネットワークは、無線機能を有した複数の端末の間でコネクションレス方式にてパケットを送受信することにより通信を行うものである。特に、端末の移動や障害物等により無線経路の切断などが起こり易い無線アドホックネットワークにおいて、音声、動画像などといったマルチメディア通信に関しては安定した通信品質が求められている。
無線アドホックネットワークでは、ルーティングプロトコルに従って、送信先の無線端末装置(端末と略す)までの経路が設定され、経路上の中継端末を経由して送信先の端末にパケットが届けられるようになっている。無線アドホックネットワークでのルーティングプロトコルには、AODV、OSRなどの様々なプロトコルが提供されている。無線アドホックネットワークでのルーティングプロトコルは、一定時間間隔でネットワークの経路情報を更新している。通常、経路情報を各端末が通信し合い、新たな経路が発見されると、次端末の経路情報を更新する方式がとられている。経路情報の更新間隔を短くすると、それだけ経路情報のやり取りが多くなり、ネットワークトラヒックが増大することになる。このため、通常更新間隔は、数秒〜数十秒で行われるように実装されている。
従来の無線アドホックネットワークでは、端末が移動した場合やトラヒックの増大により経路情報が更新間隔を越えて受信できない場合では、経路が断となり、新たな通信経路が形成されるまでには一定時間を有する場合が存在する。このような場合、通信経路が断となっているパケットは削除されていた。
例えば、宛先端末までの中継端末の数が多くなっても、パケットで伝送する情報を少なくし、経路断時に経路の再構築を行う時間を短縮する方式(特開2001−127797号公報)や、経路再構築のための制御パケットを少なくし、データトラヒックの減少を防ぐ方式(特開2000−252992号公報)が提案されている。しかし、これらの方式は、経路変更やその制御のために送受信する制御パケットを少なくするものであり、経路が再構築されるまでは、当該経路に係わるパケットは削除されるという問題点がある。
また、宛先端末が移動して経路断になり宛先端末にパケットが不達になると、別の端末にパケットを一旦保持し、宛先端末が中継端末の無線通信可能範囲内に現れると、宛先端末が中継端末より保持端末が保持していた不足パケットを受信する方式(特開平11−289349号公報)が提案されている。しかし、この方式では、発信端末がパケットを送信してからこのパケットが保持端末を通して宛先端末に届くまでに時間がかかり、音声や動画等のリアルタイム性が要求されるマルチメディア通信では有効でない。
無線アドホックネットワークでは、経路途中の端末に係わる経路が消失したとき、新たな経路が確立されるまでには多少の時間を有する。この時間に通信していた当該経路に係わるパケットは消失することとなる。マルチメディア通信においては、リアルタイム性を保証しなければならないが、この間に消失したパケットを保証することはできない。そのためサービスの品質を低下させる原因となっている。従来は、上述したように、経路再構築のための時間短縮や制御パケット軽減についての方式が提案されているが、これらの方式では、マルチメディア通信におけるパケット消失を防ぐ方式は開示されていない。
本発明の目的は、無線アドホックネットワークにおいて、何らかの理由により通信経路が一時的に切断した場合でも、高品質なサービスが可能な無線端末を提供することである。
本発明の一側面によれば、無線端末装置であって、所定のダイナミックルーティングプロコルに従って、各宛先アドレスについて、当該アドレスを宛先とするデータグラムを中継する中継無線端末装置のアドレスをルーティングテーブルに登録するルート監視処理部と、前記ルーティングテーブルに従って、データグラムの宛先アドレスに該当する中継無線端末装置にデータグラムを送信する第1送信処理部と、前記第1送信部が送信したデータグラムの宛先アドレスに該当する中継無線端末装置が送信した当該データグラムを受信することにより、当該データグラムが中継されたか否かを監視するデータグラム監視処理部と、受信したデータグラムが自端末装置が中継すべきものである場合には、前記ルーティングテーブルに従って、当該データグラムの宛先アドレスに該当する無線端末装置にデータグラムを送信する第2送信処理部とを具備したことを特徴とする無線端末装置が提供される。
好ましくは、前記第1送信処理部は、前記データグラムが中継されていないと判断される場合には、当該データグラムと宛先アドレスが同一のデータグラムを保存部に保存し、前記ルーティングテーブルを参照して、当該データグラムの宛先アドレスについての中継無線端末装置のアドレスが更新されたとき、前記保存部に保存されている保存時刻の古いものからデータグラムを送信する。
図1は本発明の原理図;
図2は図1の端末の機能ブロック図;
図3は本発明の第1実施形態による無線アドホックネットワーク構成図;
図4は図3中の端末の通信アプリケーションを示す図;
図5は図4中の物理層及びIP層の機能ブロック図;
図6はIPヘッダ構成例を示す図;
図7は図5中のIPデータグラム情報テーブルの構成図;
図8は転送監視を示す図;
図9は転送監視を示すシーケンスチャート;
図10A〜図10DはIPデータグラム情報テーブルの例を示す図;
図11は通信不可状態の時のIPデータグラムの保存を示す図;
図12は通信不可状態の時のIPデータグラムの保存のシーケンスチャート;
図13は本発明の第2実施形態による無線アドホックネットワーク構成図;
図14は図13中の物理層及びIP層の機能ブロック図;
図15はIPヘッダ構成例を示す図;
図16は輻輳時の制御を示す図;
図17は本発明の第3実施形態による無線アドホックネットワーク構成図;
図18は図17中の物理層及びIP層の機能ブロック図;
図19は通信不可状態の時のブロードキャストを示す図;
図20は通信不可状態の時のシーケンスチャートである。
発明を実施するための最良の態様
発明を実施するための最良の態様の説明をする前に本発明の原理の説明をする。図1及び図2は本発明の原理図である。図1に示すように、複数の無線端末2#i(i=1,2,…)が無線アドホックネットワークを構成している。図2に示すように、各無線端末2#iは、ルート管理処理部10#i、第1送信処理部12#i、データグラム監視処理部14#i及び第2送信処理部16#iを有する。ここでは、データグラムの送信元が無線端末2#1、宛先が無線端末2#4、中継端末が無線端末2#2である場合を例に説明する。
ルート管理処理部10#1は、所定のダイナミックルーティングプロコルに従って、各宛先アドレスについて、当該アドレスを宛先とするデータグラムを中継する中継無線端末装置のアドレスをルーティングテーブル18#1に登録している。これにより、宛先が無線端末2#4であるデータグラムについては、中継端末が無線端末2#2となっているものとする。
(1)に示すように、第1送信処理部12#1は、ルーティングテーブル18#1に従って、宛先が無線端末2#4であるデータグラムを中継無線端末2#2に送信する。無線端末2#2中の第2送信処理部16#2は、受信したデータグラムの宛先が無線端末2#4であり、自端末2#2が中継すべきものであるので、(2)に示すように、当該データグラムの宛先アドレスに該当する無線端末2#4にデータグラムを送信する。無線端末2#1中のデータグラム監視処理部14#1は、(3)に示すように、第2送信部16#2が送信したデータグラムの宛先アドレスに該当する中継無線端末装置が送信した当該データグラムを受信することにより、当該データグラムが中継されたか否かを監視する。これにより、データグラムが中継されたか否かを判断することができ、中継されない場合は、データグラムをブロードキャストしたり、データグラムを保存した後、経路が更新されてから保存したデータグラムを再送信することができる。
第1実施形態
図3は本発明の実施形態の無線アドホックネットワークの構成図である。図3に示すように、無線アドホックネットワークは、複数の無線端末(端末と略す)50#i(i=1,2,…)から構成されている。端末50#iは、ノートパソコン等の移動端末やデスクトップパソコン等の固定端末であるが、無線通信の利便性により移動端末が多く使用されている。図3中の破線はダイナミックルーティングプトコルにより無線通信できると判断された隣接端末間の無線リンクを示す。
図4は端末50#iの通信アプリケーションのレイヤ構成図である。本実施形態では、無線アドホックネットワークのプロトコルとしてTCP/IPを使用していることから、図4に示すように、通信アプリケーションは、下層から、物理層60#i、IP層62#i、TCP/UDP層64#i及びアプリケーション層66#iにより構成される。
図5は図4中の物理層60#i及びIP層62#iの機能ブロック図である。物理層60#iは、物理的な通信手段を提供する(例えば、イーサネット、IEEE802.11b等)ものであり、送信処理部80#i及び受信処理部82#iを有する。送信処理部80#iは次の機能を有する。(1)IP層62#iよりIPデータグラムを入力すると、物理レイヤの規定プロトコルに従って、物理フレームに組み立てる。(2)物理フレームを無線送信する。受信処理部82#iは、(1)物理レイヤの規定プロトコルに従って、IPデータグラムを含む物理フレームを全て無線受信する。全てのIPデータグラムを受信するのはIPデータグラムが中継されたか否かを確認するためである。(2)物理フレームをIPデータグラムに分解して、IPデータグラムをIP層62#iに出力する。
IP層62#iは、IPデータグラムのルーティング機能を提供するものであり、ルート管理部102#i、送信処理部104#i、保存部106#i、IPデータグラム監視処理部108#i、受信処理部110#i、転送処理部114#i、通知処理部116#i、ルーティングテーブル117#i及びIPデータグラム情報テーブル118#iを有する。
ルート管理部102#iは、次の機能を有する。(1)AODV、OSRなどのダイナミックルーティングプロトコルに従って、各送信先IPアドレスについての中継端末のアドレス(次ホップアドレス)、メトリック等のルーティング情報をルーティングテーブル117#iに格納する。(2)通常更新間隔は、数秒〜数十秒で各送信先アドレスについてルーティング情報を更新する。この更新間隔で中継端末が消失した場合には、当該端末に係わるルーティグ情報を削除する。(3)消失していたルートが復旧若しくは新たなルートが決定された場合、その旨を保存部106#iに通知する。
送信処理部104#iは、次の機能を有する。(1)TCP/UDP層64#iよりTCP/UDPデータグラムを入力すると、次の処理を行う。(i)図6に示すIPヘッダを作成する。TCP/UDPデータグラムにIPヘッダを付加してIPデータグラムを作成して、送信処理部80#iに出力する。(ii)ルーティングテーブル117#iを参照して、宛先が中継端末でない時、IPデータグラムの宛先アドレス、発信元アドレスについて、IPデータグラム情報テーブル118#iにIPデータグラム情報を作成・更新する。IPデータグラム情報テーブル118#iに登録されていない新規IPデータグラムについては、IPデータグラム情報(宛先アドレス、発信元アドレス、CheckをYes、次ホップアドレス)を作成する。新規IPデータグラムでない場合は、CheckをYes、カウンタをインクリメントする。(2)(i)転送処理部114#iより転送すべきIPデータグラムを入力すると、送信処理部80#iに出力する。(ii)(1)−(ii)と同様の処理を行う。(3)IPデータグラムの宛先が中継端末でなく且つ宛先アドレス、発信元アドレスについて、新規IPデータグラムであるとき、IPデータグラム監視処理部108#iに新規監視IPデータグラム情報(宛先アドレス、発信元アドレス、次ホップアドレス)を通知する。(4)IPデータグラムの宛先が中継端末でないとき、IPデータグラム情報テーブル118#iを参照して、中継端末への経路が無効であるとき、または、カウンタが閾値を越えるとき、IPデータグラムを保存部106#iに格納する。(5)保存部106#iよりIPデータグラムが送られると、送信処理部80#iに出力する。
図6はIPヘッダの構成例を示す図である。本実施形態では、IPヘッダのオブションフィールドを以下のように使用する。オプションIDの前のフィールドはIPヘッダとして公知であるので説明を省略する。オプションIDはIPデータグラム監視をするためには該当するIDが設定される。オプションフィールドの後続4バイト領域は、当該IPデータグラムを送信した自端末のIPアドレス(識別ID)が格納される。識別IDはIPデータグラムを誰が転送したかを識別することにより、監視対象の中継端末がIPデータグラムを転送したか否かを判別するためである。この部分を拡張ヘッダと呼ぶ。
保存部106#iは、次の機能を有する。(1)送信処理部104#iよりIPデータグラムを受け取り保存する。(2)ルート管理部102#iより宛先アドレスについての消失していたルートが更新されたとき、IPデータグラムの保存の早い順にIPデータグラムを送信処理部104#iに出力する。
IPデータグラム監視処理部108#iは、次の機能を有する。(1)送信処理部104#iより新規監視IPデータグラム情報の通知を受け取ると、データグラム情報監視テーブル118#iに監視開始フラグ(ActiveフラグをNo、CheckフラグをYes、カウンタを0)に設定する。(2)受信処理部82#iより監視データグラムを受け取ると、該当するデータグラム情報の監視確認フラグをYesに設定する。監視データグラムとは、自端末が送信したIPデータグラムの中継データグラムをいう。監視データグラムであるか否かは、当該IPデータグラムの発信元アドレス、宛先アドレス及び拡張ヘッダの識別IDが監視データグラム情報テーブル118#iに格納されているものであるか否かにより判断する。
受信処理部110#iは、次の機能を有する。(1)IPデータグラム監視処理部108#iよりIPデータグラムを受け取ると、IPヘッダより宛先IPアドレスが自アドレスであるか、自端末が中継端末であるかをチェックする。(2)宛先IPアドレスが自アドレスである場合、IPデータグラムからIPヘッダを削除して、TCP/UDP層64#iに出力する。自端末が中継端末であるとき、IPデータグラムを転送処理部114#iに出力する。
転送処理部114#iは、受信処理部110#iよりIPデータグラムを受け取ると、送信処理部104#iに出力する。通知処理部116#iは、IPデータグラム情報テーブル118#iに格納されたIPデータグラム情報を読み出して、TCP/UDP層64に通知する。TCP/UDP層64でIPデータグラム情報を元に統計処理を行うためである。
図7はIPデータグラム情報テーブル118#iの構成図である。図7に示すように、IPデータグラム情報テーブル118#iは、宛先アドレス(Dst.)、発信元アドレス(Src.)、次ホップアドレス(NEXT)、経路フラグ(Active)、チェックフラグ(Check)、カウンタ(Num)及び利用インタフェース(IF)から構成される。宛先アドレスとはIPデータグラムの宛先IPアドレスである。発信元アドレスc.とはIPデータグラムの発信元IPアドレスである。次ホップアドレスとはIPデータグラムの中継端末のIPアドレスである。経路フラグは、経路が有効か無効であるかを示すフラグであり、Yesが有効、Noが無効である。チェックフラグは当該宛先アドレス及び発信元アドレスのIPデータグラムが中継されたか否かの監視対象を示すフラグであり、Yesが監視対象、Noが監視対象外である。カウンタは転送状態確認までに送信されたIPデータグラム数を示すカウンタである。利用インタフェースは、イーサ(eth0)等の利用インタフェースを示すものである。利用インタフェースに応じて制御を変更可能とするためである。
TCP/UDP層64#iは、エンド端末間でのセッションを管理する機能を提供する。TCPプロトコルは、通信相手からデータグラムの受信確認をしてから行うプロトコルであり、UDPプロトコルは、動画等のリアルタイム転送が要求される転送について、通信相手からデータグラムの受信確認を行わずに送信を継続するプロトコルであるが、本実施形態は、UDPプロトコルの場合において、効果が発揮される。アプリケーション層66#iは、Webや動画等のストリームの転送等ユーザにサービスを提供する。
以下、図3のアドホックネットワークの動作説明をする。ここでは、端末50#4から端末50#6へデータグラムを転送する場合を例に説明する。本実施形態のアドホックネットワークでは、端末50#4→端末50#6へ端末50#5経由でIPデータグラムを送信する場合、端末50#4は端末50#5へIPデータグラムの転送すると、端末50#4は端末50#5が端末50#6へIPデータグラムを転送したことの確認を行う。端末50#4,50#5,50#6をそれぞれ端末A,R,Cで表す。以下、これらについて説明する。
図8はIPデータグラムの転送確認を示す図であり、図9はIPデータグラムの転送確認のシーケンスチャートである。図10A〜図10Dは端末50#4中のIPデータグラム情報テーブル118#4の発信元アドレスが端末A、宛先アドレスが端末Cについての内容を示す図である。
(1) 端末A→端末RへIPデータグラムの転送
(2)において、送信処理部104#4には、端末C宛てのデータグラムが入力される。(4)において、送信処理部104#4は、図10Aに示すように、IPデータグラム情報テーブル118#4中の発信元アドレスが端末A、宛先先アドレスが端末Cの経路について、IPデータグラム情報テーブル118#4に、宛先アドレスが端末C、発信元アドレスが端末A、次ホップアドレスが端末R、チェックフラグをYes、カウンタを0に設定する。
(6)において、送信処理部104#4は、IPデータグラム監視処理部108#4に新規監視IPデータグラム情報(宛先アドレス、発信元アドレス、次ホップアドレス)を通知する。(8)において、IPデータグラム監視処理部108#4は、図10Bに示すように、IPデータグラム情報テーブル118#4中の宛先アドレス、発信元アドレス、次ホップアドレスに該当するIPデータグラム情報の経路情報をNoに設定して、IPデータグラムの転送の監視を開始する。(10)において、送信処理部104#4は図6に示すIPヘッダ、オプションID及び拡張ヘッダを設定して、送信処理部80#4を介して、図9中の(a)に示すように、端末Rにフレームに収容されたIPデータグラムを送信する。
(2) 端末R→端末CにIPデータグラムの転送
(10)において、受信処理部82#5は、端末Aから送信されたフレームを受信して、IPデータグラムをIPデータグラム監視処理部108#5に出力する。(12)において、IPデータグラム監視処理部108#5は、次の処理を行う。(i)IPデータグラムの発信元アドレス、宛先アドレス及び識別IDにIPデータグラム情報テーブル118#5中の発信元アドレス、宛先アドレス及び次ホップアドレスが一致し且つチェックフラグ=Yesであるものが存在するかを判断する。存在しなければ、IPデータグラムを受信処理部110#5に出力する。存在すれば、後述する処理を行う。ここでは、IPデータグラム監視処理部108#5は、端末C宛てのIPデータグラムであることから上記条件を満たすものがIPデータグラム情報テーブル118#5に登録されていないことから、IPデータグラムを受信処理部110#5に出力する。
(14)において、受信処理部110#5は、IPデータグラムの宛先アドレスが自端末アドレスではないので、IPデータグラムを転送処理部114#5に出力する。(16)において、転送処理部114#5は、IPデータグラムを送信処理部104#5に出力する。尚、ここでは、IPデータグラムの次ホップアドレスが宛先アドレスであるので、当該IPデータグラムの監視を行わないが、次ホップアドレスが宛先アドレスでない場合には(6)〜(8)と同様の処理を行う。(20)において、送信処理部104#5は、図8中の(b)に示すように、送信処理部80#5を通して、端末CにIPデータグラムを送信する。IPデータグラムは図8中の(c)に示すように、端末Aでも受信される。
(3) 端末Aでの転送監視(正常に転送された場合)
(20)において、受信処理部82#4は、端末Rから送信されたフレームを受信して、IPデータグラムをIPデータグラム監視処理部108#4に出力する。(22)において、IPデータグラム監視処理部108#4は、(12)と同様に、IPデータグラムの発信元アドレス、宛先アドレス及び識別IDに、IPデータグラム情報テーブル118#4中の発信元アドレス、宛先アドレス及び次ホップアドレスが一致し且つチェックフラグがYesであるものが存在するか否かを判断するが、ここでは存在するので、次の処理を行う。IPデータグラム監視処理部108#4は、図10Cに示すように、IPデータグラム情報テーブル118#4中の発信元アドレスが端末A、宛先アドレスが端末C、次ホップアドレスが端末Rの経路フラグをYes、チェックフラグをNoに、カウンタを0に設定する。以下、(30)〜(34)に示すように、処理が繰り返される。
(4) 端末Aでの転送監視(正常に転送されなかった場合)
図11は正常に転送されなかった場合の処理を示す図であり、図12は正常に転送されなかった場合のシーケンスチャートである。(50)において、送信処理部104#4には、端末C宛てのIPデータグラムが入力される。(52)において、送信処理部104#4は、既に、IPデータグラム情報がIPデータグラム監視処理部108#4に格納されていることから、図10Dに示すように、IPデータグラム情報テーブル118#4中のIPデータグラムのカウンタをインクリメントする。(54)において、送信処理部104#4は、IPデータグラム情報の経路フラグがNo、又はカウンタが閾値を越えている場合は、IPデーグラムを保存部106#4に保存する。ここでは、端末Rが何らかの理由(シャドーイングや端末Rの移動)により通信不可能な状態が発生して、経路フラグがNo又はカウンタが閾値を越えているので、図11中の(a)に示すように、IPデータグラムを保存する。(56)において、送信処理部104#4は、IPヘッダのオプションID及び識別IDに端末Aのアドレスを設定して、図11中の(b)に示すように、送信処理部80#4を介して、端末Rにフレームに収容されたIPデータグラムを送信する。
端末A→端末Cに係わるルーティング情報について、ルーティングテーブル117#4が更新されたものとする(タイプA)。(60)において、ルート管理部102#4はルーティングテーブル117#4が更新されると、保存部106#4及びIPデータグラム情報テーブル118#4に通知する。IPデータグラム情報テーブル118#4はリート管理部102#4より更新通知を受けると、更新に係わるIPデータグラム情報を削除する。(62)において、保存部106#4は更新に係わるIPデータグラムを保存の古い順に読み出して、送信処理部104#4に出力する。送信処理部104#4及びIPデータグラム監視部108#4は、図9中の(4)〜(8)と同様に、更新に係わる経路について、IPデータグラム監視テーブル118#4を更新する。送信処理部104#4は、IPデータグラムを更新された次端末、例えば、端末Rに送信処理部80#4を通して、図11中の(c)に示すように、IPデータグラムを送信する。
端末Rは、図9中の(10)〜(20)と同様にして、端末AからのIPデータグラムを受信して、端末Cへ転送したものとする。(70)において、IPデータグラム監視処理部108#4は、IPデータグラムを受信する。(72)において、IPデータグラム監視処理部108#4は、(22)と同様に、IPデータグラムの発信元アドレス、宛先アドレス及び識別IDに、IPデータグラム情報テーブル118#4中の発信元アドレス、宛先アドレス及び次ホップアドレスが一致し且つチェックフラグがYesであるものが存在するか否かを判断する。ここでは存在するので、次の処理を行う。IPデータグラム監視処理部108#4は、図10Cに示すように、IPデータグラム情報テーブル118#4中の発信元アドレスが端末A、宛先アドレスが端末C、次ホップアドレスが端末Rの経路フラグをYes、チェックフラグをNoに、カウンタを0に設定する。
(74)において、IPデータグラム監視処理部108#4は、保存部106#4にIPデータグラム情報テーブル118#4の更新を通知する。(76)において、保存部106#4は、保存しているIPデータグラムを送信処理部104#4に送る。送信処理部104#4は、保存されていたIPデータグラムを受け取ると、IPヘッダのオプションID及び識別IDに端末Aのアドレスを設定して、送信処理部80#4を介して、端末Rにフレームに収容されたIPデータグラムを送信する。
以上説明したように、無線アドホックネットワークにおいては、隣接端末が自端末向けに発信したIPデータグラムを受信することにより、全てのIPデータグラムを受信し解析する機能を持たせることにより、余分な通信を発生させることなく隣接端末の存在確認をすることができる。また、NEXT端末から送信されるIPデータグラムを監視することにより転送状況を確認しているので、送信キューの制御方式を変更することがない。これはマルチメディア通信では重要な点である。例えば、通信帯域を保障するような場合において、端末内に複数の送信キューを用意しておき、その送信キューに優先度をつけることにより通信帯域の保障を実現するCBQ方式がある。このような機能を持ったネットワークにおいては、送信機能を変更する必要がないため、既存技術に影響を与えることがない。
また、無線アドホックネットワークでは、通信経路を形成する端末が一時的に消滅する場合が考えられる。送信すべきIPデータグラムを一時的に保存する機能を持たせることにより、一時的な通信不可状態に陥っても復旧後直ちにデータ損失なく通信を再開することができる。移動端末の多いネットワーク環境においては、経路情報が刻一刻と変化する状況が予想される。無線アドホックネットワーク環境のルーティング情報の更新には新たな経路を検索するまでの時間を必要とする。マルチメディア通信を考えた場合、新規経路情報が更新されるまでのIPデータグラムは全て破棄されることになり、ザービス品質の低下を引き起こさせる結果ともなるが、新規経路情報が更新されるまで保存しておき、新規経路が更新されると保存してあったIPデータグラムを再送するのでサービス品質の低下を最小限に抑えることができる。
第2実施形態
図13は本発明の第2実施形態によるアドホックネットワークの構成図である。図14は図13中の物理層及びIP層の機能ブロック図であり、図4中の構成要素と実質的に同一の構成要素には同一の符号を附している。IPデータグラム監視処理部220#iは、図4中の機能に加えて以下の機能を有する。(1)次端末において、自端末200#iが発信元又は中継端末以外の経路について輻輳をしているか否かを判断する。例えば、端末Rが端末Bから端末Cまでの経路についての中継端末であり、端末Rが端末Aから端末Cまでの経路についての中継端末でもある場合、端末Aから端末Cまでの経路が優先され、端末Rで輻輳が発生しているような場合をいう。これは、例えば、RSVPなどにより、端末A−端末C間の通信帯域が確保されている場合に生じる。輻輳の判断基準は、例えば、端末AからのIPデータグラムと自端末Bから送信するIPデータグラムの比率がある閾値を越えている場合に輻輳していると判断する。(2)次端末で輻輳が発生している場合は、ブロードキャストによりデータ送信を行うように送信処理部224#iに指示する。(3)ブロードキャストしたIPデータグラムについての中継Pデータグラムを受信した場合には、ルート管理部226#iに通知すると共に送信処理部222#iにブロードキャストを停止するよう指示する。
送信処理部222#iは、図4中の送信処理部104#iの機能に加えて、次の機能を有する。(1)IPデータグラム監視処理部220#iよりブロードキャストによりデータ送信を行うよう指示されたとき、IPヘッダを図15に示すようにブロードキャスト通信に変更する。(2)IPデータグラム監視処理部220#iよりブロードキャストの停止を指示されたとき、ルーティングテーブル117#iに従って、次端末へIPデータグラムを送信する。
図15はIPヘッダの構成図である。図15に示すように、IPデータグラムをブロードキャストする場合、送信元アドレスを全て0、宛先アドレスをブロードキャストアドレス、オプションID、及び識別ID(自端末アドレス)、変更前発信元アドレス及び変更前宛先アドレスを設定する。以下、識別ID、変更前発信元アドレス、変更前宛先アドレスを拡張ヘッダと呼ぶ。
受信処理部224#iは、図4中の受信処理部110#iの機能に加えて、次の機能を有する。(1)宛先アドレスがブロードキャストアドレスであるとき、拡張ヘッダの変更前発信元アドレスを発信元アドレスに、変更前宛先アドレスを宛先アドレスに設定して、転送処理部114#iに出力する。(2)自端末がIPデータグラムの次端末であるとき、IPデータグラムを転送処理部114#iに出力する。
図16は図13の動作説明図である。図16に示すように、端末A→端末R→端末Cの経路が優先経路として設定されている。端末Aは端末C宛てのIPデータグラムを送信する。端末Rは端末Aから端末C宛てのIPデータグラムを受信して、端末Cに送信する。一方、端末Bは端末C宛てのIPデータグラムを有しており、端末Bのルーティングテーブル117#6には、端末Bから端末Cへの経路として端末Rを通過する経路が設定されていたものとする。端末Bは、端末Rから発信元が端末A、宛先が端末CのIPデータグラムを受信すると、端末AからのIPデータグラムと自端末Bから送信するべきIPデータグラムの比率がある閾値を越えているか否かを判断する。閾値を越えていれば、端末Rで輻輳が発生し、端末Bから端末Rを経由する端末C宛てのデータグラムが中継されずに破棄される恐れがあるものとが判断して、端末C宛てのIPデータグラムのIPヘッダを図15に示すようにブロードキャスト通信に変更する。
端末Dはブロードキャストアドレスが設定された端末BからのIPデータグラムを受信すると、IPヘッダの拡張ヘッダの変更前発信元アドレス及び変更前宛先アドレスを発信元アドレス(端末B)及び宛先アドレス(端末C)に設定して、図16に示すように、端末Cに送信する。端末Bは端末Dが中継した端末C宛てのIPデータグラムを受信すると、宛先アドレスが端末Cについて、ルーティングテーブル117#8の中継端末アドレスを端末Dに更新すると共にIPデータグラム情報117#8に通知する。IPデータグラム情報テーブル117#8は発信元アドレスが端末B、宛先アドレスが端末Cについて、IPデータグラム情報を初期化する。以降、図16に示すように、端末Bは端末C宛てのIPデータグラムを中継端末を端末Dとして送信する。端末Dは、端末C宛てにIPデータテグラムを端末Cに送信する。端末Cは発信元アドレスが端末BであるIPデータグラムを受信する。尚、端末Cは、端末Bからブロードキャスト受信した複数端末から送信された同一のIPデータグラムを受信した場合は、最初のもの以外を破棄する。
以上説明したように、無線アドホックネットワークにおいては、隣接端末が自端末向けに発信したIPデータグラムを受信することにより、全てのIPデータグラムを受信し解析する機能を持たせることにより、余分な通信を発生させることなく隣接端末の輻輳状態確認をすることができる。そして、輻輳状態が発生したと判断される場合は、ブロードキャストするので、パケットが目的の端末まで届けられる可能性が高くなりサービスの低下を最小限に抑えることができる。
第3実施形態
図17は本発明の第3実施形態によるアドホックネットワークの構成図である。図18は図17中の物理層及びIP層の機能ブロック図であり、図4及び図14中の構成要素と実質的に同一の構成要素には同一の符号を附している。送信処理部320#iは、次の機能を有する。(1)IPデータグラムを入力すると、IPデータグラム情報テーブル118#i中の当該IPデータグラムの発信元アドレスと宛先アドレスに該当するIPデータグラム情報をチェックして、当該発信元アドレス及び宛先アドレスに一致するIPデータグラムが中継されているか否かを図5中の送信処理部104#iと同様にして判断する。(2)IPデータグラムが中継されているものと判断される場合、図5中の送信処理部104#iと同様の処理をする。(3)当該IPデータグラムが中継されていないと判断される場合、IPデータグラムのIPヘッダを図15に示すようにブロードキャスト通信に更新する。
本実施形態においても、端末A→端末R→端末CにIPデータグラムの送信する場合を例に説明する。端末Rが何らかの理由(シャドーイング、端末Rの移動)により端末A→端末R間が通信不可能な状態が発生するまで、端末Aでの端末RへのIPデータグラムの送信処理、端末Rから端末CへのIPデータグラムの転送の確認処理は第1実施形態と同様なので端末A→端末R間で通信不可能な状態が発生してからの処理の説明をする。
図19は端末A→端末R間で通信不可能な状態が発生してからの処理を説明するためのする図であり、図20は端末A→端末R間で通信不可能な状態が発生してからの処理の説明するためのシーケンスチャートである。
(1) ブロードキャスト送信
図20中の(100)において、送信処理部320#4には、端末C宛てのIPデータグラムが入力される。(102)において、送信処理部320#4は、図10Dに示すように、送信元が端末A、宛先が端末Cについて、IPデータグラム情報テーブル118#4中のIPデータグラム情報のチェックフラグをYes、カウンタを1増やす。IPデータグラム情報テーブル118#4を参照して、IPデータグラムが中継端末により転送されているか否かを確認する。ここでは、端末Aと端末Rの間の通信不可能な状態でありカウンタが閾値を越えているものとする。(104)において、送信処理部320#4はIPヘッダを図15に示したようにブロードキャスト用IPヘッダに更新する。(106)において、送信処理部320#4は、送信処理部80#4を介して、端末Rにフレームに収容されたIPデータグラムを図19中の(a)に示すようにブロードキャストする。
(2) ブロードキャスト受信
端末Aの周辺にいた端末DがIPデータグラムを受信したものとする。(106)において、端末Bの受信処理部82#8はフレームを受信すると、IPデータグラムをIPデータグラム監視処理部108#8に出力する。IPデータグラム監視処理部108#8は、IPデータグラム情報テーブル118#8を参照すると、当該IPデータグラムが監視対象外であることが判別されるから、IPデータグラムを受信処理部222#8に出力する。受信処理部222#8は、オプションヘッダに設定されている変更前宛先アドレス、変更前送信元アドレスを、IPヘッダの宛先アドレス、送信元アドレスに設定し、IPデータグラムヘッダを構成する。(108)において、受信処理部222#8はデータ処理部114#8にIPデータグラムを出力する。データ転送処理部114#8は送信処理部322#8に出力する。送信処理部320#8は、図9中の(12)〜(20)と同様にして、送信処理部80#8を介して、図19中の(b)に示すように、フレームに収容されたIPデータグラムを端末Cに送信する。端末A→端末Cの経路のルーティングテーブル117#4が更新されるまで、(100)〜(110)と同様の処理を行う。
(3) ルーティングテーブル117#4が更新された場合(タイプA)
端末A→端末Cの経路のルーティングテーブル117#4が更新されたものとする。例えば、端末Rが元の位置に戻った場合、端末Dが中継端末となった場合である。ここでは、端末Rが元の位置に戻ることによりルーティングテーブル117#4が更新されたものとする。(120)において、ルート管理部102#4は端末A→端末Cの経路のルーティングテーブル117#4を更新すると共にIPデータグラム情報テーブル118#4に通知する。IPデータグラム情報テーブル118#4は、端末A→端末CについてのIPデータグラム情報を初期化する。(122)において、端末Aの送信処理部320#4にIPデータグラムが入力される。
(124)において、送信処理部322#4は、IPデータグラム監視処理部108#4に新規監視IPデータグラム情報を通知する。IPデータグラム監視処理部108#4は、IPデータグラム情報テーブル118#4に宛先アドレス、発信元アドレス、次ホップアドレスに該当するIPデータグラム情報の経路フラグをNoに設定して、IPデータグラムの転送の監視を開始する。(126)において、送信処理部320#4は送信処理部80#4を介して、図19中の(c)に示すように、端末Rにフレームに収容されたIPデータグラムを送信する。
受信処理部222#5はIPデータグラムを受け取ると、(128)において、転送処理部114#5に出力する。(130)において、送信処理部320#5は、IPヘッダのオプションID及び識別IDに端末Aのアドレスを設定して、図19中の(d)に示すように送信処理部80#5を介して、端末Cにフレームに収容されたIPデータグラムを送信する。
ルーティングテーブル117#4が更新されて、最初のIPデータグラムが送信されてからをタイプ2と呼ぶ。(130)において、受信処理部82#4は、端末Rから送信されたフレームを受信して、IPデータグラムをIPデータグラム監視処理部108#4に出力する。(132)において、IPデータグラム監視処理部108#4は、(22)と同様の処理をして、IPデータグラム情報テーブル118#4を更新する。(134)〜(140)において、(122)〜(128)と同様にして、端末Aから端末RへIPデータグラムを送信する。
無線アドホックネットワークにおいて、経路上の端末が突然消滅(例えば、端末の電源断、端末の移動により中継機能を果たさなくなった)することが考えられる。このような場合であっても、直ちに他の隣接端末から通信を行うことができるためデータの送信なく通信を行うことができる。無線アドホックネットワークでは通信経路は刻一刻と変化する。このとき、複数の経路を事前に用意しておき、メインの経路が切断された場合に他の経路を選択し通信する方法が考えられる。このような場合、複数の経路が同時に使用不可能になった場合、実際には他の経路により通信が可能であるにも関わらず、通信できない状況となる。本実施形態では経路が切断されると、IPデータグラムをブロードキャストするので、目的端末へ経路を有するIPデータグラムを受信した隣接端末が中継するので、データの損失を最小限にすることができる。
以上説明した本発明によれば、隣接端末が送信したIPデータグラムを受信して、隣接端末がIPデータグラムを転送したか否かを監視し、隣接端末間で通信が不能状態であれば、IPデータグラムを保存して、通信が再開すると、保存したIPデータグラムを送信するので、データの損失を最小限にすることができる。

Claims (8)

  1. 無線端末装置であって、
    所定のダイナミックルーティングプロコルに従って、各宛先アドレスについて、当該アドレスを宛先とするデータグラムを中継する中継無線端末装置のアドレスをルーティングテーブルに登録するルート監視処理部と、
    前記ルーティングテーブルに従って、データグラムの宛先アドレスに該当する中継無線端末装置にデータグラムを送信する第1送信処理部と、
    前記第1送信部が送信したデータグラムの宛先アドレスに該当する中継無線端末装置が送信した当該データグラムを受信することにより、当該データグラムが中継されたか否かを監視するデータグラム監視処理部と、
    受信したデータグラムが自端末装置が中継すべきものである場合には、前記ルーティングテーブルに従って、当該データグラムの宛先アドレスに該当する無線端末装置にデータグラムを送信する第2送信処理部と、
    を具備したことを特徴とする無線端末装置。
  2. 前記第1送信処理部は、前記データグラムが中継されていないと判断される場合には、当該データグラムと宛先アドレスが同一のデータグラムを保存部に保存し、前記ルーティングテーブルを参照して、当該データグラムの宛先アドレスについての中継無線端末装置のアドレスが更新されたとき、前記保存部に保存されている保存時刻の古いものからデータグラムを送信することを特徴とする請求項1記載の無線端末装置。
  3. 前記データグラム監視処理部は、中継無線端末装置が送信したデータグラムを受信することにより、自無線端末装置が送信したデータグラムの中継データグラム以外のデータグラムで輻輳状態であるか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の無線端末装置。
  4. 前記第1送信処理部は、前記データグラムが中継されていないと判断される場合には、当該データグラムと宛先アドレスが同一のデータグラムのヘッダの所定領域に設定されている宛先アドレスを他の領域に格納し、当該所定領域の宛先アドレスをブロードキャストアドレスに更新して、送信することを特徴とする請求項1記載の無線端末装置。
  5. 前記第1送信処理部は、データグラムの宛先アドレスに該当する中継無線端末装置が輻輳状態であると判断される場合には、当該データグラムのヘッダの所定領域に設定されている宛先アドレスを他の領域に格納し、当該所定領域の宛先アドレスをブロードキャストアドレスに更新して、送信することを特徴とする請求項3記載の無線端末装置。
  6. 前記第2送信処理部は、データグラムのヘッダにブロードキャストアドレスが設定されており、前記他の領域に宛先アドレスが格納されている場合には、当該宛先アドレスを前記所定領域に設定して、送信することを特徴とする請求項4記載の無線端末装置。
  7. 送信元アドレス、宛先アドレス及びカウンタを含む監視情報を格納するデータグラム監視テーブルを具備し、前記第1送信部は、データグラムを送信する際に、当該データグラムの送信元アドレス及び宛先アドレスに該当する前記カウンタをインクリメントし、当該カウンタが閾値を越えている場合に、当該データグラムと送信元アドレス及び宛先アドレスが同一のデータグラムが中継されていないものと判断し、前記データグラム監視部は、受信したデータグラムの宛先アドレス及び送信元アドレスに該当する監視情報のカウンタをリセットすることを特徴とする請求項1記載の無線端末装置。
  8. 前記ルート管理部は、前記プローキャストアドレスが設定されたデータグラムの中継データグラムが受信されたとき、当該中継データグラムの送信元アドレス及び宛先アドレスに該当する中継無線端末装置のアドレスを更新することを特徴とする請求項6記載の無線端末装置。
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