JP3844748B2 - 軸流ファン - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器を冷却するための軸流冷却ファン、特に、高集積化した電子機器を高性能で冷却する軸流冷却ファンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子機器用軸流冷却ファンは、初めは真空管などの電子管を実装した電子機器を冷却するために開発されたものであり、そのインペラは、空気を冷却ファンの軸方向に送るために、プロペラ形のブレードで構成されている。この従来の冷却ファンの設計は、電子機器を冷却するのに必要な風量が得られるように設計されなければならず、そのために必要な風圧を発生させるようなっていなければならない。しかし、このような電子管式電子機器においては、内部の電子要素間の間隔が大きく空気の流通路も大きくて、風圧が小さくても充分な風量が得られるので、風圧対策は二次的なものであった。
【0003】
次いで、電子機器に半導体要素が採用されるに至っても、実装された電子要素間の間隔が充分にあるために、従来のプロペラ形の軸流冷却ファンによって必要な風量が得られていた。
【0004】
しかしながら、電子要素に集積回路を用い、且つ、それが高集積化するにつれて、電子機器内の電子要素間の間隔が極めて小さくなって、これらの間の通路が狭くなり、通常の状態では空気を充分に通せなくなるという問題が生じている。このような狭い通路に空気を充分に通すためには、冷却ファンで高い風圧を発生させればよい。そのために、従来の冷却ファンにおいては、プロペラブレードの外周とファン・ハウジングの内周面との間の間隔を小さくしてこの間隔を通して逆流する空気量を少なくすればよいが、実際は、プロペラ・ファンの外周面の形状上の制約から、この間隔を必要なだけ小さくするには限度があって、充分な風圧が得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、インペラとしてリング状のセントリフューガル・ブロワー形のものを用い、かつ、冷却ファンを通過する空気流を軸流化にすることによって、電子機器の冷却を高い風圧と必要な風量で効率的に行うことができる電子機器用軸流冷却ファンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明に係る軸流ファンは、軸を中心として回転するロータを持つ電動機と、板状をなすと共にその中央部には該板状の厚み方向に貫通する吸気孔が形成され、内面となる該板状の一面の外周部に断面三角形のリム部が形成された吸気側端板と、板状をなし、該板状の厚み方向に貫通する気体吐出孔が形成されると共に前記軸が該板状に対して垂直になるように前記電動機が取り付けられた吐出側端板と、円板状をなし、該円板状の中心部が前記ロータに取り付けられて前記吐出側端板に所定の隙間を空けて該円板状の1面が対向し、該ロータと共に回転する回転板と、前記回転板の前記円板状の他方の面に立設され、該回転板の回転にともなって円運動し、前記吸気孔から与えられた気体を遠心方向にそれぞれ放射する複数のブレードと、筒状をなし、筒状の一端で吐出側端板の周辺部を支持し、該筒状の他端で前記吸気側端板の周辺部を該吸気側端板及び該吐出側端板が平行になるように支持し、該筒状の内側に前記電動機、回転板及び複数のブレードを収容すると共に該複数のブレードと該筒状の内周面と該吸気側端板との間で前記放射された気体の圧力を高め、該圧力の高まった気体を前記隙間を介して前記気体吐出孔に与え、該気体吐出孔から該圧力の高まった気体を前記軸に平行な流れを持つ気体にして送出させるハウジングと、を備えたことを特徴とする。
なお、前記複数のブレードは、前記回転板の円周方向に所定間隔をおいて配列され、該複数のブレードの前記吸気側端板側には、外径が円運動する該複数のブレードの外端で規定される外周面の直径に等しく、内径が該複数のブレードの内端で規定される内周面の直径以上のリング状吸気側端板が形成されていてもよい。
また、前記複数のブレードは、前記回転板の円周方向に所定間隔をおいて配列され、該複数のブレードの前記吸気側端板側には、該複数のブレードを補強するための円形のリムが形成されていてもよい。
また、前記各ブレードは、前記円運動の方向に凸状に湾曲していてもよい。
また、前記各ブレードは、平板で構成されていてもよい。
また、前記ハウジングの前記筒状の一端又は他端の外周面には、取付孔を有する突起が形成されていてもよい。
【0007】
本発明によれば、以上のように軸流ファンを構成したので、ロータの回転と共に複数のブレードが回転し、吸気孔から与えられた気体が遠心方向に放射される。放射された気体は、ハウジングの筒状の内周面と複数のブレードと吸気側端板との間で圧縮されて気圧が高まる。その気圧の高まった気体は、軸流に変換されて気体吐出孔から放出される。従って、前記課題を解決できるのである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に基づく電子機器用軸流冷却ファンの実施形態について説明する。
【0009】
図1乃至図4は、本発明の軸流冷却ファン(以下、単に冷却ファンと言う)の1実施形態を示す。冷却ファン1は、ハウジング2と、その中に配設されたセントリフューガル・ブロワー形インペラ(以下、単に「インペラ」という)3と、その中央部を支持して回転させるアウタ・ロータ形電動機10から成る。
【0010】
ハウジング2は、円筒形の内周面4aが形成された円筒形の胴部4を有し、該胴部4の一端に、円形の吸気孔5が形成されたリング状の吸気側端板6が固定されている。さらに、胴部4の他端に円盤状の空気吐出側端板7が形成され、その外周部に扇形の空気吐出孔8が、半径方向に延びる支持ウエブ9で仕切られて円周方向に間隔を置いて配設されている。図2乃至図4に示すように、両端板6,7が共に正方形に形成され、胴部4から半径方向外側へ突出している隅部(突起)6a,7aそれぞれに取付孔6b,7bが形成されている。従って、本実施例の冷却ファンは平角型である。
【0011】
ハウジング2の中央にアウタ・ロータ形電動機10が設けられており、それのステータ22が空気吐出側端板7の内面の中央に固定され、このステータ22の周囲にロータ11が設けられている。
【0012】
インペラ3も、円盤状の空気吐出側端板12を有し、その中央部に吸気側へ延びて電動機10のロータ11に嵌装固定されるボス部13を形成すると共に、端板12の内面の外周部から吸気側へ向けて複数のブレード14を突設させている。図1の上側に示すように、ブレード14の吸気端にリング状の吸気側端板20が設けられている。この端板20はその内径がハウジング2の吸気孔5の直径と同じか若干小さく形成されている。また、端板20はその外面がハウジング2の吸気側端板6の内面に極めて接近するように形成され、両面の間を空気が吸気孔の方へ流れるのを極力抑えている。また、図1の下側に示すように、ブレード14の吸気側端部の外周部にこれを補強するために、端板20の代わりに、円状のリム21を設けてもよい。
【0013】
図4に示すように、これらブレード14は端板12の円周方向に等間隔に配置されており、それらの外端及び内端は、それぞれ、円筒形の外周面15及び円筒形の内周面16を規定しており、外周面15の直径は空気側端板20の外径に等しくなっている。これらブレード14を外周面15から内周面16へ向けてインペラ3の回転方向Rに傾斜させ、それと共に、望ましくは、この回転方向Rへ凸状に湾曲した渦巻線(例えば、長円の一部)に形成する。このブレード14の形状は、インペラ14の寸法、ブレードの寸法・傾斜角・数、所望風圧、所望風量などに応じて適切なものが選択され、風圧発生性能を若干落としてもよい場合は、図4の下側に示すように、各ブレード14を平板で形成することもできる。
【0014】
インペラ3の外周面15とこれと共軸の胴部4の円筒形内周面4aとの間に、リング状の空気流軸流化室19が形成されており、これが空気吐出側端板7の空気吐出孔8に連通するようになっている。また、吸気側端板6の内面の外周部に断面三角形のリム部6cを形成し、吸気側端板6及び20間の空間に空気が空気流軸流化室19から流入するのを制限している。
【0015】
図5は、セントリフューガル・ブロワー形インペラを備えた本願の軸流冷却ファンと従来のプロペラ形インペラを備えた軸流冷却ファンの風圧−風量特性曲線17,18を、それぞれ、実線と点線で示す。両インペラは寸法が同じにしてある。風圧及び風量の単位は、通常は、それぞれ、ミリメートル(水柱)、立方メートル/分で表わされる。これらの特性から、両曲線の交点Aより左側では、同じ風量に対して本発明の冷却ファンは従来の冷却ファンよりも大きな風圧を発生させることと、同じ作動点Bでは、本発明の冷却ファンの方が従来の冷却ファンよりも多くの風量(図5の例では約2倍)を発生させることが分かる。従って、本発明は従来よりも高能率で電子機器を冷却することができることが明らかである。
【0016】
次に、本実施例の冷却ファン1の作動について説明する。
【0017】
冷却ファン1を、集積回路を持つ電子要素を備えた電子機器に空気を送り込むために使用する場合には、ボルトを取付孔6bに通して、空気吐出側端板7を内側にして吸気側端板6の隅部6aを電気機器の取付孔の回りに取り付ける。また、冷却ファン1を、電子機器から空気を吸入して器外へ排出する場合には、ボルトを取付孔7bに通して、吸気側端板6を内側にして空気吐出側端板7の隅部7aを電気機器の取付孔の回りに取り付ける。いずれの場合も、冷却ファン1を電子機器内に埋込み、器外へ突出して邪魔にならないようにしている。
【0018】
電動機10を作動してインペラ3を図4でRで示す方向へ回転させると、空気を、吸気孔5から取り入れながら、ブレード14によって図5に実線で示す特性に応じて高圧にしインペラ3の半径方向外側へ送り出す。このように送り出された空気は、インペラ3の回りの空気流軸流化室19内でハウジング2の軸方向かつ空気吐出側へ送られ、空気吐出孔8を通して吐出される。
【0019】
冷却ファン1が、吸気用に用いる時は、機器内に高い負圧を発生させ、電子要素間の空間、即ち、空気通路を通して大きな風量で空気を通過させ、これら電子要素を十分に冷却することができ、また、この冷却ファン1が、電子機器内に空気を送り込む場合は、機器内に大きな正の風圧を発生させ、これも負圧を掛ける場合と同様に、機器内の電子機器を充分に冷却することができるようになっている。
【0020】
図6は、本発明の冷却ファンの第2実施形態を示す。この冷却ファン51は、取付手段を除けば、第1実施形態の冷却ファンと構造、作用が全て同じである。そして取付手段は、第1実施形態ではハウジング2の正方形の両端板の隅部に取付孔を形成して構成されているが、第2実施形態は円筒形ハウジング52の外周面の吸気側端部及び空気吐出側端部上にそれぞれに略半円形の突起73,74を、ハウジング52の円周方向に離間して複数個(本実施例の場合には、等間隔にそれぞれ4個)形成し、これらに取付孔75,76を形成して構成されている。アウタ・ロータ電動機60及びブレード64は、それぞれ、第1実施形態のアウタ・ロータ電動機10及びブレード14と同じである。
【0021】
なお、上記第1実施形態では、ハウジングの両端板は正方形にしているが、他の正多角形でもよく、また、一般の多角形でも良い。更に、第2実施形態では、突起73,74を半円形にしているが、取付目的に応じて他の形状にしてもよい。加えて、冷却ファンを吸気専用にする場合または空気送入専用にする場合は、上記の取付手段をハウジングの空気吐出側だけに、または、ハウジングの吸気側だけに設けても良い。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、複数のブレードの回転によって遠心方向に放射された気体を、ハウジングの内周面と複数のブレードとの間で圧縮して圧力を高め、圧力の高まった気体を気体突出孔に与え、ロータの回転軸に平行な流れを持つ気体を放出する構成にしたので、例えば、集積度の高い集積回路を有する電子要素が実装されている電子機器を効果的に冷却できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく電子機器用軸流冷却ファンの第1実施形態の縦断面図である。
【図2】図1の冷却ファンを吸気側から見た図である。
【図3】図1の冷却ファンの空気吐出側から見た図である。
【図4】図1に5−5線に沿う断面図である。
【図5】本発明の冷却ファンと従来の冷却ファンの風圧−風量特性図である。
【図6】本発明に基づく電子機器用軸流冷却ファンの第2実施形態の吸気側から見た斜視図である。
【符号の説明】
1 第1実施形態の冷却ファン
2 ハウジング
3 インペラ
4 胴部
4a 内周面
5 吸気孔
6 ハウジングの吸気側端板
6a 隅部(突起)
6b 取付孔
6c リム部
7 ハウジングの空気吐出側端板
7a 隅部(突起)
7b 取付孔
8 空気吐出孔
10 アウタ・ロータ電動機
11 ロータ
12 インペラの空気吐出側端板
14 ブレード
15 外周面
16 内周面
17 本発明の冷却ファンの風圧−風量特性
18 従来の冷却ファンの風圧−風量特性
19 空気流軸硫化室
20 インペラの吸気側端板
21 リム
22 ステータ
51 第2実施形態の冷却ファン
52 ハウジング
60 アウタ・ロータ電動機
64 ブレード
73 突起
74 突起
75 取付孔
76 取付孔
R インペラの回転方向
B 作動点
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器を冷却するための軸流冷却ファン、特に、高集積化した電子機器を高性能で冷却する軸流冷却ファンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子機器用軸流冷却ファンは、初めは真空管などの電子管を実装した電子機器を冷却するために開発されたものであり、そのインペラは、空気を冷却ファンの軸方向に送るために、プロペラ形のブレードで構成されている。この従来の冷却ファンの設計は、電子機器を冷却するのに必要な風量が得られるように設計されなければならず、そのために必要な風圧を発生させるようなっていなければならない。しかし、このような電子管式電子機器においては、内部の電子要素間の間隔が大きく空気の流通路も大きくて、風圧が小さくても充分な風量が得られるので、風圧対策は二次的なものであった。
【0003】
次いで、電子機器に半導体要素が採用されるに至っても、実装された電子要素間の間隔が充分にあるために、従来のプロペラ形の軸流冷却ファンによって必要な風量が得られていた。
【0004】
しかしながら、電子要素に集積回路を用い、且つ、それが高集積化するにつれて、電子機器内の電子要素間の間隔が極めて小さくなって、これらの間の通路が狭くなり、通常の状態では空気を充分に通せなくなるという問題が生じている。このような狭い通路に空気を充分に通すためには、冷却ファンで高い風圧を発生させればよい。そのために、従来の冷却ファンにおいては、プロペラブレードの外周とファン・ハウジングの内周面との間の間隔を小さくしてこの間隔を通して逆流する空気量を少なくすればよいが、実際は、プロペラ・ファンの外周面の形状上の制約から、この間隔を必要なだけ小さくするには限度があって、充分な風圧が得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、インペラとしてリング状のセントリフューガル・ブロワー形のものを用い、かつ、冷却ファンを通過する空気流を軸流化にすることによって、電子機器の冷却を高い風圧と必要な風量で効率的に行うことができる電子機器用軸流冷却ファンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明に係る軸流ファンは、軸を中心として回転するロータを持つ電動機と、板状をなすと共にその中央部には該板状の厚み方向に貫通する吸気孔が形成され、内面となる該板状の一面の外周部に断面三角形のリム部が形成された吸気側端板と、板状をなし、該板状の厚み方向に貫通する気体吐出孔が形成されると共に前記軸が該板状に対して垂直になるように前記電動機が取り付けられた吐出側端板と、円板状をなし、該円板状の中心部が前記ロータに取り付けられて前記吐出側端板に所定の隙間を空けて該円板状の1面が対向し、該ロータと共に回転する回転板と、前記回転板の前記円板状の他方の面に立設され、該回転板の回転にともなって円運動し、前記吸気孔から与えられた気体を遠心方向にそれぞれ放射する複数のブレードと、筒状をなし、筒状の一端で吐出側端板の周辺部を支持し、該筒状の他端で前記吸気側端板の周辺部を該吸気側端板及び該吐出側端板が平行になるように支持し、該筒状の内側に前記電動機、回転板及び複数のブレードを収容すると共に該複数のブレードと該筒状の内周面と該吸気側端板との間で前記放射された気体の圧力を高め、該圧力の高まった気体を前記隙間を介して前記気体吐出孔に与え、該気体吐出孔から該圧力の高まった気体を前記軸に平行な流れを持つ気体にして送出させるハウジングと、を備えたことを特徴とする。
なお、前記複数のブレードは、前記回転板の円周方向に所定間隔をおいて配列され、該複数のブレードの前記吸気側端板側には、外径が円運動する該複数のブレードの外端で規定される外周面の直径に等しく、内径が該複数のブレードの内端で規定される内周面の直径以上のリング状吸気側端板が形成されていてもよい。
また、前記複数のブレードは、前記回転板の円周方向に所定間隔をおいて配列され、該複数のブレードの前記吸気側端板側には、該複数のブレードを補強するための円形のリムが形成されていてもよい。
また、前記各ブレードは、前記円運動の方向に凸状に湾曲していてもよい。
また、前記各ブレードは、平板で構成されていてもよい。
また、前記ハウジングの前記筒状の一端又は他端の外周面には、取付孔を有する突起が形成されていてもよい。
【0007】
本発明によれば、以上のように軸流ファンを構成したので、ロータの回転と共に複数のブレードが回転し、吸気孔から与えられた気体が遠心方向に放射される。放射された気体は、ハウジングの筒状の内周面と複数のブレードと吸気側端板との間で圧縮されて気圧が高まる。その気圧の高まった気体は、軸流に変換されて気体吐出孔から放出される。従って、前記課題を解決できるのである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に基づく電子機器用軸流冷却ファンの実施形態について説明する。
【0009】
図1乃至図4は、本発明の軸流冷却ファン(以下、単に冷却ファンと言う)の1実施形態を示す。冷却ファン1は、ハウジング2と、その中に配設されたセントリフューガル・ブロワー形インペラ(以下、単に「インペラ」という)3と、その中央部を支持して回転させるアウタ・ロータ形電動機10から成る。
【0010】
ハウジング2は、円筒形の内周面4aが形成された円筒形の胴部4を有し、該胴部4の一端に、円形の吸気孔5が形成されたリング状の吸気側端板6が固定されている。さらに、胴部4の他端に円盤状の空気吐出側端板7が形成され、その外周部に扇形の空気吐出孔8が、半径方向に延びる支持ウエブ9で仕切られて円周方向に間隔を置いて配設されている。図2乃至図4に示すように、両端板6,7が共に正方形に形成され、胴部4から半径方向外側へ突出している隅部(突起)6a,7aそれぞれに取付孔6b,7bが形成されている。従って、本実施例の冷却ファンは平角型である。
【0011】
ハウジング2の中央にアウタ・ロータ形電動機10が設けられており、それのステータ22が空気吐出側端板7の内面の中央に固定され、このステータ22の周囲にロータ11が設けられている。
【0012】
インペラ3も、円盤状の空気吐出側端板12を有し、その中央部に吸気側へ延びて電動機10のロータ11に嵌装固定されるボス部13を形成すると共に、端板12の内面の外周部から吸気側へ向けて複数のブレード14を突設させている。図1の上側に示すように、ブレード14の吸気端にリング状の吸気側端板20が設けられている。この端板20はその内径がハウジング2の吸気孔5の直径と同じか若干小さく形成されている。また、端板20はその外面がハウジング2の吸気側端板6の内面に極めて接近するように形成され、両面の間を空気が吸気孔の方へ流れるのを極力抑えている。また、図1の下側に示すように、ブレード14の吸気側端部の外周部にこれを補強するために、端板20の代わりに、円状のリム21を設けてもよい。
【0013】
図4に示すように、これらブレード14は端板12の円周方向に等間隔に配置されており、それらの外端及び内端は、それぞれ、円筒形の外周面15及び円筒形の内周面16を規定しており、外周面15の直径は空気側端板20の外径に等しくなっている。これらブレード14を外周面15から内周面16へ向けてインペラ3の回転方向Rに傾斜させ、それと共に、望ましくは、この回転方向Rへ凸状に湾曲した渦巻線(例えば、長円の一部)に形成する。このブレード14の形状は、インペラ14の寸法、ブレードの寸法・傾斜角・数、所望風圧、所望風量などに応じて適切なものが選択され、風圧発生性能を若干落としてもよい場合は、図4の下側に示すように、各ブレード14を平板で形成することもできる。
【0014】
インペラ3の外周面15とこれと共軸の胴部4の円筒形内周面4aとの間に、リング状の空気流軸流化室19が形成されており、これが空気吐出側端板7の空気吐出孔8に連通するようになっている。また、吸気側端板6の内面の外周部に断面三角形のリム部6cを形成し、吸気側端板6及び20間の空間に空気が空気流軸流化室19から流入するのを制限している。
【0015】
図5は、セントリフューガル・ブロワー形インペラを備えた本願の軸流冷却ファンと従来のプロペラ形インペラを備えた軸流冷却ファンの風圧−風量特性曲線17,18を、それぞれ、実線と点線で示す。両インペラは寸法が同じにしてある。風圧及び風量の単位は、通常は、それぞれ、ミリメートル(水柱)、立方メートル/分で表わされる。これらの特性から、両曲線の交点Aより左側では、同じ風量に対して本発明の冷却ファンは従来の冷却ファンよりも大きな風圧を発生させることと、同じ作動点Bでは、本発明の冷却ファンの方が従来の冷却ファンよりも多くの風量(図5の例では約2倍)を発生させることが分かる。従って、本発明は従来よりも高能率で電子機器を冷却することができることが明らかである。
【0016】
次に、本実施例の冷却ファン1の作動について説明する。
【0017】
冷却ファン1を、集積回路を持つ電子要素を備えた電子機器に空気を送り込むために使用する場合には、ボルトを取付孔6bに通して、空気吐出側端板7を内側にして吸気側端板6の隅部6aを電気機器の取付孔の回りに取り付ける。また、冷却ファン1を、電子機器から空気を吸入して器外へ排出する場合には、ボルトを取付孔7bに通して、吸気側端板6を内側にして空気吐出側端板7の隅部7aを電気機器の取付孔の回りに取り付ける。いずれの場合も、冷却ファン1を電子機器内に埋込み、器外へ突出して邪魔にならないようにしている。
【0018】
電動機10を作動してインペラ3を図4でRで示す方向へ回転させると、空気を、吸気孔5から取り入れながら、ブレード14によって図5に実線で示す特性に応じて高圧にしインペラ3の半径方向外側へ送り出す。このように送り出された空気は、インペラ3の回りの空気流軸流化室19内でハウジング2の軸方向かつ空気吐出側へ送られ、空気吐出孔8を通して吐出される。
【0019】
冷却ファン1が、吸気用に用いる時は、機器内に高い負圧を発生させ、電子要素間の空間、即ち、空気通路を通して大きな風量で空気を通過させ、これら電子要素を十分に冷却することができ、また、この冷却ファン1が、電子機器内に空気を送り込む場合は、機器内に大きな正の風圧を発生させ、これも負圧を掛ける場合と同様に、機器内の電子機器を充分に冷却することができるようになっている。
【0020】
図6は、本発明の冷却ファンの第2実施形態を示す。この冷却ファン51は、取付手段を除けば、第1実施形態の冷却ファンと構造、作用が全て同じである。そして取付手段は、第1実施形態ではハウジング2の正方形の両端板の隅部に取付孔を形成して構成されているが、第2実施形態は円筒形ハウジング52の外周面の吸気側端部及び空気吐出側端部上にそれぞれに略半円形の突起73,74を、ハウジング52の円周方向に離間して複数個(本実施例の場合には、等間隔にそれぞれ4個)形成し、これらに取付孔75,76を形成して構成されている。アウタ・ロータ電動機60及びブレード64は、それぞれ、第1実施形態のアウタ・ロータ電動機10及びブレード14と同じである。
【0021】
なお、上記第1実施形態では、ハウジングの両端板は正方形にしているが、他の正多角形でもよく、また、一般の多角形でも良い。更に、第2実施形態では、突起73,74を半円形にしているが、取付目的に応じて他の形状にしてもよい。加えて、冷却ファンを吸気専用にする場合または空気送入専用にする場合は、上記の取付手段をハウジングの空気吐出側だけに、または、ハウジングの吸気側だけに設けても良い。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、複数のブレードの回転によって遠心方向に放射された気体を、ハウジングの内周面と複数のブレードとの間で圧縮して圧力を高め、圧力の高まった気体を気体突出孔に与え、ロータの回転軸に平行な流れを持つ気体を放出する構成にしたので、例えば、集積度の高い集積回路を有する電子要素が実装されている電子機器を効果的に冷却できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく電子機器用軸流冷却ファンの第1実施形態の縦断面図である。
【図2】図1の冷却ファンを吸気側から見た図である。
【図3】図1の冷却ファンの空気吐出側から見た図である。
【図4】図1に5−5線に沿う断面図である。
【図5】本発明の冷却ファンと従来の冷却ファンの風圧−風量特性図である。
【図6】本発明に基づく電子機器用軸流冷却ファンの第2実施形態の吸気側から見た斜視図である。
【符号の説明】
1 第1実施形態の冷却ファン
2 ハウジング
3 インペラ
4 胴部
4a 内周面
5 吸気孔
6 ハウジングの吸気側端板
6a 隅部(突起)
6b 取付孔
6c リム部
7 ハウジングの空気吐出側端板
7a 隅部(突起)
7b 取付孔
8 空気吐出孔
10 アウタ・ロータ電動機
11 ロータ
12 インペラの空気吐出側端板
14 ブレード
15 外周面
16 内周面
17 本発明の冷却ファンの風圧−風量特性
18 従来の冷却ファンの風圧−風量特性
19 空気流軸硫化室
20 インペラの吸気側端板
21 リム
22 ステータ
51 第2実施形態の冷却ファン
52 ハウジング
60 アウタ・ロータ電動機
64 ブレード
73 突起
74 突起
75 取付孔
76 取付孔
R インペラの回転方向
B 作動点
Claims (6)
- 軸を中心として回転するロータを持つ電動機と、
板状をなすと共にその中央部には該板状の厚み方向に貫通する吸気孔が形成され、内面となる該板状の一面の外周部に断面三角形のリム部が形成された吸気側端板と、
板状をなし、該板状の厚み方向に貫通する気体吐出孔が形成されると共に前記軸が該板状に対して垂直になるように前記電動機が取り付けられた吐出側端板と、
円板状をなし、該円板状の中心部が前記ロータに取り付けられて前記吐出側端板に所定の隙間を空けて該円板状の1面が対向し、該ロータと共に回転する回転板と、
前記回転板の前記円板状の他方の面に立設され、該回転板の回転にともなって円運動し、前記吸気孔から与えられた気体を遠心方向にそれぞれ放射する複数のブレードと、
筒状をなし、筒状の一端で吐出側端板の周辺部を支持し、該筒状の他端で前記吸気側端板の周辺部を該吸気側端板及び該吐出側端板が平行になるように支持し、該筒状の内側に前記電動機、回転板及び複数のブレードを収容すると共に該複数のブレードと該筒状の内周面と該吸気側端板との間で前記放射された気体の圧力を高め、該圧力の高まった気体を前記隙間を介して前記気体吐出孔に与え、該気体吐出孔から該圧力の高まった気体を前記軸に平行な流れを持つ気体にして送出させるハウジングと、
を備えたことを特徴とする軸流ファン。 - 前記複数のブレードは、前記回転板の円周方向に所定間隔をおいて配列され、該複数のブレードの前記吸気側端板側には、外径が円運動する該複数のブレードの外端で規定される外周面の直径に等しく、内径が該複数のブレードの内端で規定される内周面の直径以上のリング状吸気側端板が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸流ファン。
- 前記複数のブレードは、前記回転板の円周方向に所定間隔をおいて配列され、該複数のブレードの前記吸気側端板側には、該複数のブレードを補強するための円形のリムが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軸流ファン。
- 前記各ブレードは、前記円運動の方向に凸状に湾曲していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の軸流ファン。
- 前記各ブレードは、平板で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の軸流ファン。
- 前記ハウジングの前記筒状の一端又は他端の外周面には、取付孔を有する突起が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の軸流ファン。
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