JP3844741B2 - 女性ホルモン分解細菌及びその用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、女性ホルモンを分解する新規微生物とそれを利用した環境浄化方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、下水や排水中に存在する人畜由来の女性ホルモンの環境への悪影響が指摘されている。例えば、下水やその処理水が流入する河川流域において、雄性魚の血中ビテロジェニン濃度の上昇や卵胞の形成など雌性化の兆候が確認されている。これらの現象は、実際に、僅か10ng/L程度の低濃度の17β―エストラジオールやエストロンを添加した清水中で飼育した雄性魚に雌性化の兆候としても確認されている。また多くの河川では、17β―エストラジオールやエストロンが1ng/L程度の極めて低い濃度ないしそれを超える濃度域で検出されている。さらに下水や畜産系排水には、17β―エストラジオールが100ng/L以上の濃度で検出され、下水処理水にも17β―エストラジオールやエストロンが10ng/L以上の濃度で検出されている。またピルの主成分であるエチニルエストラジオールなどの合成女性ホルモンも生活排水や環境水から検出されている。
このように天然又は合成の女性ホルモンに起因する河川や湖沼などの水環境における生態系への悪影響が懸念されている。したがって、下水や畜産系排水などに存在する女性ホルモンをng/Lレベル以下の極めて低い濃度になるまで除去する技術が必要とされてきた。
【0003】
それら水環境から女性ホルモンを除去する技術としては、オゾン処理法、促進酸化法、活性炭吸着法、逆浸透膜分離法のような処理技術が効果的であることは既に確認されている。しかし、この種の技術は一部の下水処理場において処理水の再利用を目的とした高度な処理法として適用されるものである。仮にそのような高度な処理法によって希薄な女性ホルモンを含み得る多大な下水処理水の全量を処理するとすれば、あまりにも非効率的であるし、また多大なエネルギー及びコストを要するので現実的な解決とはならない。
上記のような技術に比べて、活性汚泥法等の生物学的な処理は、低コストであり、多大な処理量にも対処することができる。したがって、微生物を利用する生物学的処理によって、水環境に含まれる17β-エストラジオール、エストロン、エストリオール、又はエチニルエストラジオールのような女性ホルモンを魚類等の生態系に影響を及ぼさない程度に十分に低い濃度レベルにまで低減できる技術を提供することが切望されている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
しかしながら、活性汚泥等の公知の生物処理技術について検討してみると、問題とされる各種女性ホルモンについて十分な対策が図られているとは言えない。例えば、17β-エストラジオールなど天然女性ホルモンの除去率が低く、17β-エストラジオールの酸化体であるエストロンは、生物処理水中に17β-エストラジオールより残留しやすい。特にエストロンは17β-エストラジオールに次いで高い女性ホルモン活性を有していることから、17β-エストラジオールと共にその対策が必要である。また、合成女性ホルモンであるエチニルエストラジオールは、天然女性ホルモンと同等の高い女性ホルモン活性を有していることから、その対策が必要であるが、天然女性ホルモンよりさらに分解性は低い。
【0005】
特に活性汚泥等に存在する女性ホルモン分解微生物は、分解作用を発揮できる女性ホルモン濃度に限界があり、それを環境に無影響な濃度まで低減するには不十分とされる。例えば、女性ホルモンの魚類に対する無影響濃度は一般にng/Lレベルの極めて低い濃度であるが、このような極低濃度域においては、その分解が進行しなくなるという現象が17β-エストラジオールの活性汚泥処理実験において確認されている。また実際に発明者等により分離された多くの分解菌は、10ng/L程度の低濃度になると分解速度が極めて遅くなり、やはりそれ以降の分解反応がほとんど進行しないという現象が認められた。
例えば、非特許文献1に記載の女性ホルモン分解菌であるNovosphingobium属 ARI-1株の分解能力に関する情報を検討すると、そのARI-1株は1g/Lというかなり高濃度の17β-エストラジオールを20日間かけて60%程度分解除去するものであり、1ng/Lレベルの極低濃度までの除去が可能であるかは不明であった。また、このARI-1株は生物処理水中に残留しやすいエストロンの分解速度が17β-エストラジオールと比較して悪いこと、加えてエチニルエストラジオールを分解できないという問題がある。
また、非特許文献2に記載の女性ホルモン分解菌に関する情報によると、100mg/L(100ppm)という高濃度での分解を報告するに過ぎず、しかも17β-エストラジオールを完全に分解するのに少なくとも24時間を要する。
【0006】
他方、一般に難分解性有機物を分解する微生物には増殖速度の遅いものが多く、この点が微生物の工業的な利用可能性を制限する要因となる場合がある。したがって、上記のような生物的処理に利用される微生物についても、一般的な栄養培地中で高い増殖速度を確保できることが重要である。
上述のような背景の中で、難分解性の合成女性ホルモンを含め各種女性ホルモンを環境への影響が無くなる極低濃度まで効率的に分解処理でき、さらに容易に培養・増殖できる微生物を見出すことについての要求が存在する。
【0007】
【非特許文献1】
Applied Environmental Microbiology Apr.2002. p2057-2060
【非特許文献2】
日本内分泌攪乱物質学会、2002年、第5回研究発表会要旨集第432頁
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明者等は、極低濃度の女性ホルモンに対して高い基質親和性を示し、且つ高い分解速度を発揮する微生物を見出すために鋭意検討を重ねた結果、公知の微生物よりも各種女性ホルモンを効率的に分解除去する複数の細菌を下水処理場の活性汚泥から分離することに成功し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、Novosphingobium属、Sphingomonas属又はOchrobactrum属のいずれかに属する女性ホルモン分解細菌であって、下記性質(a)〜(c):
(a)女性ホルモンのうち、少なくともエチニルエストラジオールを分解する能力を有する;
(b)女性ホルモンのうち、少なくとも17β-エストラジオール及び/又はエストロンを分解する能力を有し、且つ該17β-エストラジオール及び/又は該エストロンの分解速度定数k1が0.05以上である;又は
(c)女性ホルモンのうち、少なくとも17β-エストラジオール及び/又はエストロンを分解する能力を有し、且つ排水等の処理対象物に含まれる該17β-エストラジオール及び/又は該エストロンの濃度を10ng/L未満まで減少させる能力を有する;
のうち、少なくともいずれか一つを有する細菌を提供する。
【0010】
前記(a)の性質に関し、本発明の細菌には、前記(a)の性質を有する細菌であって、さらに17β-エストラジオール、エストロン、及びエストリオールを分解する能力を有する細菌が含まれる。
前記(b)の性質に関し、本発明の細菌には、前記(b)の性質を有する細菌であって、該17β-エストラジオール及び/又は該エストロンの分解速度定数k1が好ましくは0.5以上、より好ましくは該エストロンの分解速度定数k1が1.5以上である細菌が含まれる。
前記(c)の性質に関し、本発明の細菌には、前記(c)の性質を有する細菌であって、該17β-エストラジオール及び/又は該エストロンの濃度を約10μg/Lから約10ng/L未満へ、好ましくは約1ng/Lまで減少させる能力を有する細菌が含まれる。さらに本発明の細菌には、前記(c)の性質を有する細菌であって、それらの適正な菌体濃度下で、前記濃度減少を多くとも24時間、好ましくは3時間で達成する能力を有する細菌が含まれる。
加えて、本発明の細菌には、栄養培地中で培養した場合の最大比増殖速度(μmax)が少なくとも0.1である細菌も含まれる。
【0011】
本発明の細菌の好ましい態様は、Novosphingobium sp. JEM-1株(FERM P-19234)、Sphingomonas sp. JEM-3株(FERM P-19235)、Sphingomonas sp. JEM-14株(FERM P-19236)、又はOchrobactrum sp. JEM-23株(FERM P-19237)が挙げられる。これら寄託細菌は、上記性質ないし特徴の少なくとも一つを有するか、又はそれらを様々な組み合わせで有している。本明細書は、それら細菌の菌学的性質ないし特徴をあらゆる組み合わせで開示することを意図している。
【0012】
さらに本発明者は、上記発見に基づき、当該細菌を単離して単独で使用するか又は活性汚泥中に共存させることにより、各種女性ホルモンを極低濃度まで効率的に低減する技術を開発した。
したがって、本発明は、女性ホルモンの分解処理方法であって、前記いずれかの特徴を有する細菌又は該細菌を担持させた担体を女性ホルモンに接触させることを含む方法を提供する。
本発明による処理方法は、排水における女性ホルモンの分解処理方法であって、前記いずれかの特徴を有する細菌を担持させた担体を充填したカラム状の容器内に排水を通水することを含む。
【0013】
また本発明による処理方法において、除去される女性ホルモンが、エチニルエストラジオール、17β-エストラジオール、エストロン、及び/又はエストリオールであることが好ましい。
本発明の分解処理方法は、前記特徴を有する細菌又はそのような細菌のあらゆる組み合わせを利用した処理方法をも意図して開示されている。
加えて、本発明は、前記のいずれかの特徴を有する細菌又は該細菌の培養物を含有する女性ホルモン分解剤を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
(1)女性ホルモン分解菌の分離法
本発明によれば、各種女性ホルモンを極めて低い濃度まで低減して実質的に除去することができる細菌が提供される。本明細書において、女性ホルモンとは、17β-エストラジオール、エストロン、エストリオール、17α-エストラジオール、エチニルエストラジオール、それらの抱合体、又はそれらに類した女性ホルモン様物質をいい、本発明においては、それら化学物質から選ばれる少なくとも1種又はそれらのあらゆる組み合わせを意味する。
【0015】
女性ホルモン分解菌の分離方法は次の通りである。すなわち、活性汚泥、土壌などの分離源を17β-エストラジオール、またはエストロンを主な炭素源として含有する培地で培養し、そして培養後の女性ホルモン濃度を測定し、その有意な低下を指標として分解活性が認められた培養体を同じ培養液に数回植え継ぐことにより、分解微生物を集積化する。そしてこの集積培養体を栄養寒天培地などに混釈し培養することによりコロニーを形成させる。形成したコロニーを釣り上げ、液体培地により培養し、培養後の各菌体を女性ホルモンを含む反応液に加え、反応後の女性ホルモン濃度を測定し、その有意な低下を指標として候補の女性ホルモン分解微生物を選択する。このようにして集積・分離される女性ホルモン分解微生物には、Novosphingobium属、Sphingomonas属、Ochrobactrum属、又はこれらに属さない複数の細菌が含まれる。
【0016】
上述の方法で選択した細菌の中から、更に所望の低濃度女性ホルモンを効率的に分解処理できる細菌を次のようにして選択する。その選択に際しては、菌体を含む反応液に女性ホルモンを最終濃度10000〜0.001μg/Lになるように添加し、反応後の女性ホルモン濃度を測定する。そして、所望される濃度の女性ホルモンの減少を指標として好適な女性ホルモン分解細菌を選択する。
この場合に検出可能な濃度の下限値を考慮すると、一回のサンプリングに必要な試料量は最低でも400mL以上とする。このようにすることではじめて、1ng/L以下の極低濃度までに至って作用できる除去能力を評価することができ、またそのような極低濃度域で効果的に分解処理可能な細菌を選択することができる。
【0017】
上記女性ホルモンの測定方法としては、ELISAキットを用いる方法、GC/MSを用いる方法、LC/MS/MSを用いる方法など公知の方法が利用できるが、17β-エストラジオール、エストロンなど女性ホルモン類を同時に測定できるLC/MS/MS法が好ましい(実施例1参照)。
【0018】
(2)分離された代表的な分解細菌、及びそれらの性質
本発明者により、低濃度の女性ホルモンを効率的に分解できる5つの菌株が分離され、それぞれJEM-1、JEM-2、JEM-3、JEM-14及びJEM-23と命名された。これらのうち、JEM-1、JEM-3、JEM-14及びJEM-23の4菌株は、平成15年 月 日に独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託済みであり、それぞれFERM P-19234、FERM P-19235、FERM P-19236、FERM P-19237の寄託番号が付与されている。これら女性ホルモン分解細菌は、菌学的性質等を調べるために各種試験に供された。
上記の代表的細菌に関する検討によれば、本発明の女性ホルモン分解細菌(以下「本菌株又は本細菌とも記述する」)の典型的な性質は、下記の通りである。
【0019】
微生物学的性状
表1は、本細菌の微生物学的性状を示す。
【表1】
Figure 0003844741
【0020】
低濃度な女性ホルモンについての分解能力
先ず本細菌には、エチニルエストラジオールについて、公知の分解細菌よりも有意に高い分解能力、好ましくは、十分に高い分解能力を有する細菌が含まれる(実施例1の表4)。実施例によれば、エチニルエストラジオールについて極めて高い分解能力を有する細菌の好適な例はJEM-1株であり、有意に高い分解能力を有する細菌の好適な例はJEM-23株である。
【0021】
また本細菌には、排水等の生物処理水中に残留しやすいエストロンを効率的に除去する能力を有する細菌が含まれる(実施例2の表3参照)。実施例によれば、エストロンについて高い分解能力を有する細菌の好適な例は、JEM-1株、JEM-2株、JEM-3株、JEM-11株、JEM-14株、及びJEM-15株である。
【0022】
さらに本細菌には、10μg/Lを下回る濃度、好ましくは10ng/Lの濃度、より好ましくは1ng/Lの濃度の極低濃度女性ホルモンについての分解能力を有する細菌が含まれる。すなわち、本細菌には、17β-エストラジオール又はエストロンが10μg/L又はそれを超える濃度で排水等の処理対象物中に含まれる場合に、それらの少なくともいずれか1種の女性ホルモンを10ng/L又はそれを下回る濃度(1000分の1以下)、より好ましくは1ng/L又はそれを下回る濃度(10,000分の1以下)まで効果的に分解する細菌が含まれる(実施例2に関する図1及び図2参照)。
実施例によれば、とりわけ好ましい本細菌には、17β-エストラジオール及び/又はエストロンについての上記のように定義される濃度低下を、それらの適正な菌体濃度下で、24時間以内、好ましくは3時間以内に達成する細菌が含まれる。そのような濃度低下を3時間以内で達成する好適な細菌の例は、JEM-1株、JEM-2株、JEM-3株、及びJEM-14株であり、また、24時間以内で達成する好適な細菌の例は、JEM-23株である。
【0023】
本明細書において意図される「適正な菌体濃度下」とは、典型的には、添加される乾燥菌体重量にして5mg/L程度(約5.0×107 CFU/mLに相当する)である(実施例2参照)。因みに、本細菌の菌体濃度を更に上げることによって、上記のような濃度低下をより短時間に、例えば30分以内に達成することも可能である。
【0024】
本明細書に使用される「処理対象物」という用語は、特段の説明がない限り、適切なBOD濃度を有する排水やその生物処理水等、汚泥、又はそれに類した廃棄物を意味するが、例えば、液体中の濃度表示が意図されている場合は生物処理水を意味する。
【0025】
また本細菌は、上記と同様にエストリオールも速やかに分解処理できることが確認されている。
【0026】
従って、とりわけ好ましい本細菌は、17β-エストラジオール及びエストロンの双方について、最も好ましくは17β-エストラジオール、エストロン及びエストリオールのすべてについて、上記のような分解能力を有する細菌である。
実施例によれば、極低濃度の17β-エストラジオール及びエストロンの双方について効果的な分解能力を有する細菌の好適な例は、JEM-1株、JEM-2株、JEM-3株、JEM-14株、及びJEM-23株である(表2及び表3参照)。また、極低濃度の17β-エストラジオール、エストロン及びエストリオールのすべてについて効果的な分解能力を有する細菌の好適な例は、JEM-1株、JEM-2株及びJEM-3株である(表5参照)。
【0027】
本発明により、例えば、本細菌又はそれら細菌のあらゆる組み合わせを利用することで、エチニルエストラジオール、17β-エストラジオール、エストロン、及びエストリオールに対しての分解処理能力が好ましく改善された生物学的処理方法が提供される。
【0028】
低濃度女性ホルモンについての分解速度
本分解細菌による分解反応は、10μg/L又はそれ以下の基質濃度において、基質濃度の低下に伴って分解速度が小さくなることから1次反応である。従って、この分解反応は、下記式1により示すことができる。ここで、本細菌による分解効率は、式1から導かれる分解速度定数k1を使用して定義することができる。
【0029】
Ln(C/Co)=k1・X・t 式1
(Ln=自然対数、C=女性ホルモン濃度、Co=初期女性ホルモン濃度、k1=分解速度定数(L/(mg・t)、X=菌体濃度(mg/L)、t=反応時間(h))
ここで、5mg/L(乾燥重量)の分解微生物菌体を用いて処理対象物中の女性ホルモンを99.9%除去するためには、分解微生物の各物質に対する分解速度定数k1が、反応時間3時間で0.5、反応時間24時間で0.05程度必要となる。
【0030】
本細菌には、排水等の生物処理水中に含まれる10μg/Lのような比較的高濃度の17β-エストラジオール又はエストロンを約10ng/L又はそれを下回る濃度へ、好ましくは約1ng/L又はそれを下回る濃度へ分解する場合に、その分解反応の分解速度定数k1が0.05以上、好ましくは0.5以上である細菌が含まれる(実施例2の表5並びにそれに関する図1及び図2参照)。
さらに好ましくは本細菌は、17β-エストラジオール及びエストロンの双方の分解速度定数k1について、いずれもが少なくとも0.05、好ましくはいずれもが少なくとも0.5であり、生物処理水中に残存しやすいエストロンの分解速度定数k1が1.5以上であることがさらに好ましい。実施例によれば、このような高い分解速度定数k1を有する細菌の好適な例は、JEM-1株、JEM-2株、JEM-3株、及びJEM-14株である。
かくして本発明によれば、17β-エストラジオール及び/又はエストロンを、水環境における魚類等の生態系に影響を及ぼさない程度の極めて低い濃度まで効率良く分解できる細菌が提供され、これにより、例えば多大な量の排水処理も低コストで提供される。
【0031】
本細菌のその他の性質及び培地等
各細菌について各種糖の酸生成、各種基質の資化能力、さらに酵素活性について調査が行われた(実施例3の表6〜8参照)。資化能力に関しては、本細菌には、女性ホルモンを唯一の炭素源として増殖する細菌も含まれる(実施例4、図4及び図5参照)。
本細菌を培養するには、それら細菌が増殖可能である限り、任意の培地を用いることができる。例えば、各種排水や17β-エストラジオールなど女性ホルモンを炭素源とした培地で培養することもできるし、後述のように一般的な栄養培地で培養することもできる。
【0032】
特に、微生物培養に一般的に用いられる栄養培地、例えば、ペプトン、肉エキス、酵母エキスなどで培養可能な本細菌によれば、その増殖及び維持が容易なので、この種の細菌に良く見受けられる工業的利用性に関する制限がないという利点を享受できる。
【0033】
すなわち、栄養培地における最大比増殖速度(μmax)が少なくとも0.1を示す細菌が含まれる(実施例4及び図6〜8参照)。実施例によれば、栄養培地で好ましい比増殖速度を示す細菌の好適な例は、JEM-2株、JEM-3株、JEM-11株、JEM-14株、及びJEM-23株である。
【0034】
本明細書で定義される最大比増殖速度(μmax)とは、各細菌について最適な培地を用いた振とう培養において、OD660nmで測定される菌体数についての時間当たりの変化量の関数である比増殖速度(μ)のうち最大の値であり、一般には最適培養条件下での対数増期における比増殖速度(μ)を意味する。
【0035】
上記のように本細菌には、女性ホルモンを単一の炭素源として資化増殖する細菌のみならず、他の豊富な炭素源が混在する環境中で好ましく増殖できる細菌も含まれる。多くの場合、生物的処理される排水中にはmg/Lレベル以上の有機物が含まれるが、本発明によれば、そのような有機物豊富な環境中でも、上述のように効率よく低濃度女性ホルモンを分解する菌株も提供される。
【0036】
本細菌の分類学上の位置づけ
本発明者によって本細菌を代表する幾つかの菌株の16s-rRNA全塩基配列が決定された(JEM-1、JEM-2、JEM-3、JEM-14、及びJEM-23の各16s-rRNA塩基配列はそれぞれ配列番号1〜5に示される)。そして、16s-rRNA塩基配列について本細菌及び公知の各種菌株の間で相同性解析が行われた。(実施例3及び図3参照)。
ここで本発明は、本細菌の代表株の発見とそれらの系統学的解析に依拠し、それら代表株と実質的に同等な菌学的性質を有し得る一定の変異株等を提供することにも向けられている。従って、本発明の範囲に包含される細菌は、下記の分類学上の位置づけによって定義することができる。
【0037】
▲1▼JEM-1株は、Novosphingobium属に分類され、16s-rRNAの相同性解析の結果、既知の女性ホルモン分解菌との間で96%の相同性、及び他の近縁な公知細菌に対して多くとも95%の相同性しか有さない。
従って、本細菌には、JEM-1株と同等の性質を有するNovosphingobium属に属する細菌であって、配列番号1に記載の塩基配列に対し95%を超える相同な塩基配列、好ましくは96%を超える相同な塩基配列、より好ましくは、少なくとも98%相同な塩基配列を有する細菌が含まれる。
【0038】
▲2▼JEM-2株は、Sphingomonas属に分類され、16s-rRNAの相同性解析の結果、既知の女性ホルモン分解菌との間で91%の相同性、及び他の近縁な公知細菌に対して多くとも93%の相同性しか有さない。
従って、本細菌には、JEM-2株と同等の性質を有するSphingomonas属に属する細菌であって、配列番号2に記載の塩基配列に対し、91%を超える相同な塩基配列、好ましくは93%を超える相同な塩基配列、より好ましくは少なくとも95%相同な塩基配列を有する細菌が含まれる。
【0039】
▲3▼JEM-3株は、Sphingomonas属に分類され、16s-rRNAの相同性解析の結果、既知の女性ホルモン分解菌との間で91%の相同性、及び他の近縁な公知細菌に対して多くとも93%の相同性しか有さない。
従って、本細菌には、JEM-3株と同等の性質を有するSphingomonas属に属する細菌であって、配列番号3に記載の塩基配列に対し、91%を超える相同な塩基配列、好ましくは93%を超える相同な塩基配列、より好ましくは少なくとも95%相同な塩基配列を有する細菌が含まれる。
【0040】
▲4▼JEM-14株は、Sphingomonas属に分類され、16s-rRNAの相同性解析の結果、既知の女性ホルモン分解菌との間で92%の相同性、及び他の近縁な公知細菌に対して多くとも95%の相同性しか有さない。
従って、本細菌には、JEM-14株と同等の性質を有するSphingomonas属に属する細菌であって、配列番号4に記載の塩基配列に対し、92%を超える相同な塩基配列、好ましくは95%を超える相同な塩基配列、より好ましくは少なくとも98%相同な塩基配列を有する細菌が含まれる。
【0041】
▲5▼JEM-23株は、Ochrobacterium属に分類された。
従来、Ochrobacterium属について、JEM-23株のような女性ホルモン分解能を有する細菌は報告されていない。従って、本細菌には、配列番号5に記載の塩基配列との相同性により特徴づけられるOchrobacterium属に属する細菌であって、JEM-23株と同等の性質を有する細菌が含まれる。そのような細菌の例には、配列番号5に記載の塩基配列に対し、少なくとも88%、好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも97%相同な塩基配列を有する細菌が含まれ得る。
【0042】
上記細菌の中でも、公知の女性ホルモン分解細菌ARI-1株との間の相同性について、JEM-2株及びJEM-3株には91%の相同性しか認められず、同様にJEM-14株には92%の相同性しか認められなかった。これらの相同性の低さから見て、それら菌株は、Sphingomonas属の新種であると結論づけられた。かくして、本発明によれば、JEM-2株、JEM-3株、又はJEM-14株のいずれかの菌株と同等の性質を有し且つSphingomonas属に属する、新種の女性ホルモン分解細菌が提供される。
【0043】
(3)本細菌の利用法
本発明によれば、本細菌から選ばれる女性ホルモン分解細菌を、好気的又は嫌気的な条件下で女性ホルモンに接触させて作用させることを特徴とする、女性ホルモン分解処理方法が提供される。
接触方法としては、本細菌又はその培養物を、生物処理反応槽中の処理対象物中に添加する方法、固定化担体に固定する方法、または、好気性ろ床法や回転円盤法で使用されるろ材に付着又は固定させる方法が考えられるが、特にこれらに限定されるわけではない。
【0044】
本法を適用可能な処理対象物には、各種の排水、汚泥、又はそれらに類した廃棄物が含まれるが、特にそれらに限定されるわけではない。また、本法により処理可能な排水には、典型的には下水等の生活排水又は畜産排水が含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
排水との接触方法としては、本細菌を生物処理槽中に添加する方法、排水中に直接添加する方法、細菌を予め担持させた固定化担体を生物処理槽内に投入し、スクリーンなどによって槽内に安定的に維持する方法が考えられる。また別の方法によれば、本細菌を予め担持した担体を投入したカラムのような通水可能な容器にその排水を通水させる方法も適用することができる。
【0046】
本細菌を担持する担体としては、例えば、プラスチック、セラミックス、活性炭、ポリアクリルアミドゲル、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アガロース、又はデキストリンゲル等を使用することができる。固定化方法としては、例えば、付着又は包括固定等を採用することができる。さらに好気性ろ床や回転円盤法などの固定床に同細菌を付着・保持させることもできる。また遊離細菌をメンブレンバイオリアクター内に保持して、そこに排水を通水するとしてもよい。
【0047】
本法に使用される細菌は、一般的な栄養培地で培養された細菌の培養物をそのまま使用してもよいし、冷蔵もしくは凍結保存した形態や乾燥菌体の形態で使用してもよい。また培養液からの遠心分離等によって菌体を回収濃縮して得た形態のものを保存し、適宜使用してもよい。特に本細菌の多くは、上述の一般的な栄養培地における増殖が可能であるか又はその増殖速度が好ましく高いので、工業的な利用に好都合である。
【0048】
本細菌を排水と接触させるときの最終濃度は、例えば、103個/L又はそれを超える濃度、好ましくは105個/Lまたはそれを超える濃度である。乾燥重量であれば、例えば、0.001mg/L又はそれを超える濃度、好ましくは0.1mg/L又はそれを超える濃度である。
本法において、少なくともエチニルエストラジオール、17β-エストラジオール、エストロン、及びエストリオールを分解することができる本細菌を、それら女性ホルモンを除去すべき排水に接触させることにより、当該排水からそれら女性ホルモンを網羅的に除去することができる。
【0049】
また本法において、10ng/L未満、又は1ng/L未満の濃度の17β-エストラジオール及び/又はエストロンについて分解能力を有する本細菌を、それら女性ホルモンを除去すべき排水と接触させることにより、当該排水からそれら女性ホルモンを所望の極低濃度まで確実に除去することができる。
【0050】
さらに本法において、17β-エストラジオール及び/又はエストロンについての分解速度定数k1が0.05以上、好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくはエストロンについての分解速度定数k1が1.5以上の本細菌を、それら女性ホルモンを除去すべき排水と接触させることで、当該排水からそれら女性ホルモンを所望の短時間内に効率的に所望の極低濃度まで除去することができる。
【0051】
実際に排水中に見られる女性ホルモン濃度は一般に0.000001〜0.1mg/L程度である。本法によれば、上述のように排水中の女性ホルモン濃度を10ng/L未満、好ましくは、1ng/L未満まで速やかに低減することができる。また処理される排水中の女性ホルモン濃度に制約はなく、0.1mg/L以上でもよい。
【0052】
またさらに本法は、汚泥又は汚泥廃棄物の処理工程において、本細菌をそれら種々の汚泥又は排水に好気的または嫌気的な条件下で接触させることにより、汚泥中の比較的高濃度の女性ホルモンを効率的に除去することもできる。
特に汚泥処理工程を有する排水処理場においては、汚泥処理工程から排水処理工程へ返送される排水中の女性ホルモン濃度を著しく低減することができるので、排水処理システムに存在するか又は蓄積される女性ホルモン濃度を低減することができる。その結果として、環境への放流水中の女性ホルモン濃度を低減することができるし、廃棄される汚泥中の女性ホルモン濃度を低減することもできる。廃棄物としての汚泥中の女性ホルモン濃度を低減することができれば、汚泥を農地還元する場合の環境負荷を低減することにもつながる。
【0053】
本法を汚泥処理に適用する場合、本細菌との接触は、生汚泥、余剰汚泥、返送汚泥、濃縮汚泥、嫌気性消化汚泥などの各種汚泥に適用可能であるが、さらに脱水ろ液、返送水などの汚泥分離水へ適用することも効果的である。また、し尿や畜産系排水等の女性ホルモンを含有する濃厚廃棄物についても同様の方法によって、そこに含有される女性ホルモン濃度を低減することができる。
さらに、本細菌又は該細菌の培養物を用いて女性ホルモン分解剤が提供される。女性ホルモン分解剤の好ましい態様としては、培養液や乾燥粉末体があるが、これらに限定されるわけではない。例えば、その乾燥粉末体は、当該技術分野においてよく知られた凍結乾燥装置等を用いた乾燥処理によって製造できる。また本細菌をポリエチレングリコールやポリビニルアルコールなどのポリマーと混合固化して粒状又はキューブ状に成形して得られる包括固定化物の形態の女性ホルモン分解剤を製造してもよい。また、予め成形して固化形成した上記ポリマー担体、活性炭、セラミック担体、又はウレタンスポンジなどに培養菌体を接触させることによってこれを付着させた形態の分解細菌付着担体もまた女性ホルモン分解剤として製造し、使用することができる。
【0054】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]−分解細菌の単離−
本発明の細菌の単離は以下のように行った。
集積培養体の作成
栃木県内の下水処理場より活性汚泥を採取し、冷蔵して輸送後直ちに集積培養の種汚泥として実験に供した。集積培養のための培地は、Yeast Nitrogen Base without amino acid(YNB)培地(Difco)とYNB培地に50mg/Lの酵母エキスを加えたYNBYE培地の2種類の培地を基礎培地とし、ここに最終濃度1000mg/Lの17β-エストラジオール、またはエストロンを炭素源として加えて使用した。滅菌した試験管に酢酸エチルに溶解した各女性ホルモンを注入し、酢酸エチルを揮発除去した後にろ過滅菌した基礎培地と種汚泥(最終濃度100mg/L)を添加しシリコ栓をして28℃で振とう培養を行なった。培養後の17β-エストラジオール、またはエストロン濃度を測定し、減少が認められたものを分解とみなした。分解を確認した集積培養体は、新しい同じ組成の培地に1%を植え継ぎ、この操作を繰り返して安定した集積培養体を作成した。
【0055】
17β-エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオールの測定は以下のように行った。集積培養試験管に3mL×2の酢酸エチルで抽出し、50%(V/V)メタノールで希釈した。そして内部標準物質(17β-estradiol-16,16,17-d3 (Aldrich)、estrone-16,16-d2 (CDN Isotopes)、16α-hydroxy-17β-estradiol-2,4-d2(CDN Isotopes))を加えて、液体クロマトグラフ−タンデム質量分析計(LC/MS/MS)により測定した。採用したLC/MS/MSの測定条件は、下記の通りである。
【0056】
〔HPLC〕
HPLC:HP1100(Hewlett Packard)、Column: L-column ODS (2.1×150mm,5μm;化学物質評価研究機構)、移動相:40%アセトニトリル/水−(2分)−80%アセトニトリル/水、移動相流速:200μL/min、ポストカラム添加:0.05%アンモニア/メタノール;30μL/min、試料注入量:20μL
【0057】
〔MS/MS〕
MS/MS:Quattro II (Micromass)、イオン化モード:ESI(negative)、Cone Voltage:50V、Collision Energy:38eV、Collision Gas:アルゴン
モニターイオン: エストロン;m/z269→145、17β-エストラジオール;m/z271→145、エストリオール;m/z287→171、エストロン-d2;m/z271→145、17β-エストラジオール-d3;m/z274→145、エストリオール-d2 : m/z289→173、エチニルエストラジオール m/z295→145
【0058】
女性ホルモン分解細菌の単離
上記の方法で調製した集積培養体を滅菌水で希釈してNB培地(Difco)または、PGY培地(2g/Lペプトン、0.5g/Lグルコース、1.0g/L酵母エキス、pH7.0)に1.5%バクトアガー(Difco)を加えた寒天培地に混釈して、固化した寒天プレートを28℃で培養することでコロニーを形成させた。形成したコロニーのうち約100個を白金耳で釣り上げ、女性ホルモン分解活性を以下の方法で測定した。
単離したコロニーをNB培地に接種して28℃で振とう培養し、培養後の各菌体を遠心分離(5000rpm、15分)によって集菌洗浄した。そして洗浄菌体をOD660nmが1.0になるように1mg/Lの17β-エストラジオール、またはエストロン、またはエチニルエストラジオールを含むYNB培地に加え、滅菌済みシリコ栓付試験管に5mL注入して28℃で振とうして反応させた。そして反応0日、7日後の女性ホルモン濃度を前述と同様の方法で測定し、各種の女性ホルモン濃度の低減が認められる微生物を女性ホルモン分解菌として選択した(JEM-1〜34)。
【0059】
表2は17β−エストラジオール分解試験の結果、表3はエストロン分解試験の結果、表4はエチニルエストラジオール分解試験の結果をそれぞれ示す。
17β−エストラジオールの分解試験において、分解細菌の多くが17β−エストラジオールをエストロンに酸化する能力を有することから、エストロン濃度も同時に測定したものである。これら実験における対照は菌体を添加せずに処理を行った結果である。
【0060】
【表2】
Figure 0003844741
【0061】
【表3】
Figure 0003844741
【0062】
【表4】
Figure 0003844741
【0063】
各表中に掲げられているように、本試験で分離された細菌には、それらの16s-rRNAの塩基配列情報から、Novosphingobium属(JEM-1)、Sphingomonas属(JEM-2、JEM-3、JEM-14など)、Ochrobactrum属(JEM-23)、及びこれらとは異なる属に属する複数の属(JEM-29、JEM-32)に属する細菌が含まれていた。またそれらの細菌とは別に、17β-エストラジオールをエストロンに酸化するがエストロン以降の分解が認められない微生物(例えばJEM-8株など)も存在した。
【0064】
上記表4の結果からは、JEM-1株はエチニルエストラジオールについて極めて高い分解率を有し、JEM-23株も対照と比べて有意に高いエチニルエストラジオールの分解率が認められた。
【0065】
[実施例2]−回分処理試験−
実施例1に記載したようにして得られた女性ホルモン分解細菌の中から、低濃度女性ホルモンを更に効率的に分解処理できる細菌を選択すると共にそれらの分解処理能力を比較する目的で、以下の方法による女性ホルモン回分処理実験を行った。
【0066】
極低濃度 17 β - エストラジオール及びエストロンの分解能力
NB培地(Difco)で培養した菌体を5mg/Lの濃度で人工下水希釈液に懸濁し、2Lの反応容器に入れた。そこに最終濃度が10μg/Lになるように17β-エストラジオール、またはエストロンを添加し、室温(25℃)で攪拌しながら分解反応を進行させた。人工下水希釈液の組成は、3mg/Lポリペプトン、9.3mg/L酢酸ナトリウム、0.3mg/L酵母エキス、2.3mg/LMgSO4・7H2O、1.5mg/LNaCl、0.9mg/LKH2PO4、0.7mg/LCaCl2・H2O、1.5mg/LNH4Clであり、最終BODは約7.5 mg/Lである。そして経時的に反応液中の女性ホルモン濃度を測定した。
【0067】
女性ホルモン濃度の測定は、反応液の一定量を固相抽出カラム(セップパックプラスC18、Waters)に、セップパックコンセントレーター(Waters)を用いて通水し、カラムを純水で洗浄後脱水して、メタノールを通水することにより溶出した。この溶出液をさらに濃縮したのち、水エーテル分配によりエーテル相を回収し、50%メタノールで置換したのち、内部標準物質(17β-estradiol-16,16,17-d3 (Aldrich)、estrone-16,16-d2 (CDN Isotopes)、16α-hydroxy-17β-estradiol-2,4-d2(CDN Isotopes))を添加してLC/MS/MSによる測定を行なった。なお、一回にサンプリングする試料量を1Lとした場合、定量下限値は17β-エストラジオール0.5ng/L、エストロン0.3ng/Lである。
【0068】
図1及び図2は、上記回分処理試験の結果を示し、代表的な分解細菌の分解に起因する低濃度域の各女性ホルモン濃度の変化を表している。この結果から、JEM-1株、JEM-2株、JEM-3株などは易分解性有機物が共存する環境下で、10μg/Lの17β-エストラジオール及びエストロンを3時間以内に1ng/Lレベルの極低濃度まで低減できることが分かった。
なお本実験では、すべての対象細菌について30分、1、3、5時間後の各々で17β-エストラジオール及びエストロン濃度を測定したが、図1及び図2に示す実験結果において、検出下限値(17β-エストラジオール0.5ng/L、エストロン0.3ng/L)以下の場合はプロットしていない。
また、これらの菌株による17β-エストラジオール分解の結果として、17β-エストラジオールの減少に伴うエストロンの生成が一時的に認められるものの、そのエストロンも次第に分解されて低減し、残留することはなかった。
本試験の結果から、それら細菌は極低濃度の17β-エストラジオールとエストロンの双方に分解能力を有すると言える。
一方、JEM-14株は、JEM-1、JEM-3株と同様に、比較的速くエストロンを分解するが、10ng/L程度になると急激に分解反応の進行が遅くなった。なおJEM-16株、JEM-29株は両物質を24時間以内では、ほとんど分解することができなかった。
【0069】
エストリオールについての分解能力
エストリオールについても上記と同様の回分処理試験を行った。その結果から、上記代表的な分解細菌は、エストリオールを速やかに分解処理する能力も有することが確認された。
表5は、エストリオールの回分処理試験の結果を示す。特にJEM-1株とJEM-3株は、エストリオールを3〜5時間以内に10ng未満の極低濃度まで速やかに分解する能力を示した。
【表5】
Figure 0003844741
【0070】
分解速度定数
上述の試験結果から、17βエストラジオール及びエストロンに対する各分解細菌の分解速度定数k1を算出した。
表6は、17βエストラジオール及びエストロンの分解速度定数k1についてまとめたものである。
【0071】
【表6】
Figure 0003844741
【0072】
[実施例3]−分解細菌の同定−
酸生成試験及び資化性試験等
表7及び表8は、女性ホルモンを効率的に分解処理する上記代表的菌株について、糖からの酸生成試験及び資化性試験の結果を示す。なお、資化性試験はAPI20NE(Biomerieux)、酸生成試験はAPI50(Biomerieux)とAPI50 CHBメディウムを使用した。
【0073】
【表7】
Figure 0003844741
【0074】
【表8】
Figure 0003844741
【0075】
表9は、前記各細菌における主要な酵素活性の有無をAPIZYM(Biomerieux)により測定した結果を示す。
【表9】
Figure 0003844741
【0076】
相同性解析
さらに、上記代表的菌株の16s-rRNAのほぼ全長の塩基配列を決定した。代表的な配列は、それぞれ配列表の配列番号1(JEM-1)、配列番号2(JEM-3)、配列番号3(JEM-14)、配列番号4(JEM-23)で示される。さらにこれら塩基配列を公知の細菌の配列と比較してNJ(近隣接合)法により系統樹を作成した。
さらにそれら16s-rRNA配列についてCLUSTAL Wによる関連既存株との相同性解析を行った。なお、Sphingomonas属の細菌については、International Jurnal of Systematic and Evolutionary Microbiology (2001), vol.51, p1405によると、その属を4つのクラスターに細分する新しい分類法が提唱されているので、これを考慮した。
図3は、それら本細菌の公知細菌との間の位置づけを表す系統樹を示し、表10は関連既存株との相同性解析の結果を示す。
【0077】
【表10】
Figure 0003844741
【0078】
以上の検討から、女性ホルモン分解細菌JEM-1株はNovosphingobium属に分類され、JEM-2、JEM-3及びJEM-14株はSphingomonas属に分類され、そして、JEM-23株はOchrobactrum属に分類される(したがって、これら菌株は、それぞれNovosphingobium sp. JEM-1株、Sphingomonas sp. JEM-2株、JEM-3株、JEM-14株、Ochrobactrum sp. JEM-23株とも記述され、また他の関連菌株もこれに従う)。
【0079】
JEM-1株は、既存の女性ホルモン分解菌ARI-1株と16s-rRNA全長の相同性が96%である。さらにJEM-1株は、ARI-1株が分解できないエチニルエストラジオールを分解する能力を有していることから、これとは明らかに異なる細菌である。他方、JEM-2株、JEM-3株、JEM‐14株はARI-1株との相同性がそれぞれ91%、92%とさらに低く、また他の既知微生物との相同性も低いことから新種の細菌であった。またJEM-23株はOchrobactrum属に属すると分かった。
【0080】
[実施例4]−分解細菌の増殖特性−
上記代表的細菌について、17β-エストラジオール、エストロンを炭素源とした場合の増殖速度を比較した。
本実験は、実施例1に示した集積培養用の培地7mLを含む直径21mmのシリコ栓付試験管に各細菌を一定濃度で接種し、28℃で150rpm振とう培養し、OD660nmの経時変化を測定した。
【0081】
図4は、17β-エストラジオールを炭素源とした増殖曲線、図5は、エストロンを炭素源とした増殖曲線を示す。
さらに図6〜8は、同様にしてNB培地(Difco)による増殖を比較したものである。この時、温度の影響を調べるため、15、25、30、35、40℃で各菌株をそれぞれ振とう培養し、OD660nmの経時変化を測定した。それらの結果において、各菌株は35℃で最も速い増殖速度を示した。
【0082】
また、NB培地でのJEM-1株は、17β-エストラジオール又はエストロンを炭素源とした場合と同レベルの速度速度を示したが、JEM-3株及びJEM-14株ではNB培地の方が高い増殖速度を示した。またこれら細菌は、PGY培地、トリプティケースソイ培地など一般的な栄養培地においてもNB培地とほぼ同様に増殖することを確認した。
【0083】
表11は、上記の結果を基に算出されたNB培地、35℃培養時における最大比増殖速度μmaxを示す。同表には、他の複数の分解細菌について同様の方法により得られた結果も加えた。
【0084】
【表11】
Figure 0003844741
【0085】
[実施例5]−分解細菌を用いた排水処理−
下水処理場の流入下水、生物処理水、重力濃縮汚泥、消化汚泥、脱水ろ液、さらに畜産排水を対象として、分解細菌を用いた女性ホルモン回分処理を行った。
本実験はガラス製広口ビンにいれた2Lの各排水をマグネットスターラーで撹拌し、そこに5mg/Lの濃度で各分解細菌を加えて、室温(25℃)で撹拌して反応させた。2時間反応後に各1L採水し、女性ホルモン濃度を下記のようにして測定した。
【0086】
排水試料中の17β-エストラジオール、エストロン、及びエストリオールのLC/MS/MSにより測定するための前処理方法は次の通りである。すなわち、各下水試料は、ガラスろ紙でろ過した後、原水500mL、処理水1000mLを標準容量として、内部標準物質を加えた後、固相抽出法により濃縮した。なお、ろ紙残渣はメタノール中で超音波を与えて抽出し、ろ液と混合した。汚泥試料を遠心分離(3000rpm、15分)によって固液分離した後、沈殿物を酢酸メタノール、メタノールの順で抽出し、抽出液をロータリーエバポレエタ−で濃縮後、上澄液と混合して液体試料と同様に固相抽出法により濃縮した。固相カラムはOasis HLB Plus (Waters)を使用し、試料を通水後、超純水、30%アセトンの順で洗浄し、脱水した後メタノールで溶出した。溶出液は窒素ガス気流下で濃縮し、水/エーテルによって分配後、エーテル相を回収した。さらにSep-pak NH2 (Waters)カートリッジによるクリーンアップを行ない、エーテル溶出液中にエストロン、17β-エストラジオールを、メタノール溶出液中にエストリオールを回収し、それぞれを濃縮、再溶解後LC/MS/MSで測定した。なお、LC/MS/MSの運転条件は実施例1に記載した通りである。
【0087】
表12は、本細菌を添加して2時間処理した排水中の17β-エストラジオール、エストロン濃度を示す。その結果から、本細菌を添加したいずれの処理水においても、2時間反応後の各女性ホルモン濃度は著しく低減することが確認された。他方、本細菌を添加しないで同様に2時間反応させた系では、いずれの排水においても女性ホルモンの低減は認められなかった。
【0088】
【表12】
Figure 0003844741
【0089】
[実施例6]−分解細菌の活性汚泥への添加効果−
生活排水を処理する排水処理場の活性汚泥(MLSS1500mg/L)を採取し、そこにJEM-1株、またはJEM-3株を1, 5, 20mg/Lの濃度で加えた。さらに17β-エストラジオールを最終濃度10μg/Lになるように添加して1時間曝気処理した後、遠心分離(3000rpm, 15分)を行い、上澄液中の17β-エストラジオール、及びエストロン濃度を測定した。
図9はJEM-1株による処理効果、図10はJEM-3株による処理効果を示す。
【0090】
なおこの活性汚泥では、1時間の反応によって、残存する女性ホルモンの大半がエストロンに変換されていた。この場合においても、1mg/L(乾燥重量)、あるいはそれ以上の濃度で分解細菌を加えることにより明白な処理効果が認められた。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、17β-エストラジオール、エストロン、エストリオール、及び/又はエチニルエストラジオールを効率よく分解する細菌が提供され、これら細菌を利用することで、排水や廃棄物中のそれら女性ホルモンを河川や湖沼などの環境中の生態系への悪影響を十分に低減できるような低濃度まで除去することができる。
【配列表】
Figure 0003844741
Figure 0003844741
Figure 0003844741
Figure 0003844741
Figure 0003844741
Figure 0003844741

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例の細菌による回分処理実験における17β-エストラジオール濃度の変化を示す。
【図2】図2は、実施例の細菌による回分処理実験におけるエストロン濃度の変化を示す。
【図3】図3は、実施例のNovosphingobium sp. JEM-1株、Sphingomonas sp. JEM-3株、Sphingomonas sp. JEM-14株、Ochrobactrum sp. ES-23株、及び公知の近縁細菌の16s-rRNA遺伝子のほぼ全長を比較して作成した系統樹を示す。
【図4】図4は、17β-エストラジオールを炭素源とした培養液における各分解細菌の増殖曲線を示す。
【図5】図5は、エストロンを炭素源とした培養液における各分解細菌の増殖曲線を示す。
【図6】図6は、各温度におけるNovosphingobium sp. JEM-1株の増殖曲線を示す。
【図7】図7は、各温度におけるSphingomonas sp. JEM-3株の増殖曲線を示す。
【図8】図8は、各温度におけるOchrobactrum sp. JEM-23株の増殖曲線を示す。
【図9】図9は、Novosphingobium sp. JEM-1株を活性汚泥に添加した場合の女性ホルモン処理効果を示す。
【図10】図10は、Sphingomonas sp. JEM-3株を活性汚泥に添加した場合の女性ホルモン処理効果を示す。

Claims (3)

  1. 女性ホルモンとしてエチニルエストラジオール、17β−エストラジオール及びエストロンを分解する能力を有する Novosphingobium sp. JEM-1 株(受託番号 FERM P-19234 )。
  2. 女性ホルモンを含む排水の処理方法であって、請求項に記載の細菌又は該細菌を担持させた担体に排水を接触させることを含み、
    該女性ホルモンが、エチニルエストラジオール、17β−エストラジオール又はエストロンである、上記方法。
  3. 女性ホルモンを含む排水の処理方法であって、請求項に記載の細菌を担持させた担体を充填したカラム状の容器内に排水を通水することを含み、
    該女性ホルモンが、エチニルエストラジオール、17β−エストラジオール又はエストロンである、上記方法。
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