JP3844726B2 - 風力選別機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、混合物中に含まれる様々な物を、その重量に応じて選別する風力選別機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、廃棄物(ごみ)は、大きく分けて一般家庭や小売店、レストランから出される一般廃棄物と、事業活動に伴って生じた産業廃棄物に分けられる。中でも産業廃棄物は、事業活動に伴って生じることから特定の性状のものが大量に発生する場合が多く、例えば建築物の解体現場では、通常、コンクリート塊、木材片、ガラス片、壁土、新建材、金具等が細かいばらものとなった解体屑、またはミンチと称するそれらの混合物が発生し、これが粗大廃棄物と混在して混合廃棄物となることが多い。この混合廃棄物中には、上記以外にも、廃プラスチック類、ゴムくず、がれき類等が含まれる場合もある。
【0003】
昨今、建設副産物の再利用の気運の高まりから、このような混合廃棄物を発生させないために、分別解体の推奨や分別搬出の義務付けがなされようとしているが、その発生を皆無にすることは難しいのが現状である。
【0004】
そこで、このような混合廃棄物の分別を行うために、風力を用いて廃棄物の選別を行う風力選別機がある。
【0005】
この風力選別機としては、例えば特開2001−300427号公報に記載のような、傾動可能な筒状部材(選別機本体)と、この筒状部材の略中央部に設けたホッパと、筒状部材の低位置側(傾斜したときの低位置側)端部に設けられ筒状部材に空気流を送り込む送風機(風供給手段)と、筒状部材の低位置側下部に設けた重量物排出用の排出口と、筒状部材の高位置側(傾斜したときの高位置側)端部に設けた軽量物排出用の排出口(筒体)とを備えたものがある。この従来技術では、ホッパから筒状部材内へ投入された混合廃棄物等の被処理物に選別用の空気流を衝突させることで、被処理物中の軽量物を高位置側端部の排出口より排出し、重量物のみを低位置側の排出口から落下させて選別するようになっている。この風力選別機では、筒状部材の傾斜角度を調整することで被処理物の筒状部材内での滞在時間を変化させ、所望する比重の被処理物を選別することができるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−300427号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した風力選別機は筒状部材の傾斜角度を調整することができるので、被処理物の選別精度を向上させるためには、投入される被処理物の性状等に応じ、その都度筒状部材の傾斜角度を変更することが効果的である。
【0008】
しかしながら、上記従来技術では以下のような課題が存在する。
一般に、混合廃棄物等の被処理物を選別する際には、その被処理物はコンベア(投入コンベア、二次選別機として用いる場合には一次選別機の排出コンベア)によりホッパに投入される。そして、上記従来技術によれば、筒状部材に設けたホッパが傾動支点(軸)より高位置側にあるため、筒状部材の傾斜角度を変更する都度ホッパの高さが変動する。このため、傾斜角度を変更する度にコンベアの高さ調整を行わなければならなくなる。しかも、例えばこのコンベアが一次選別機の排出コンベア等の固定式のものである場合には排出高さを調整することができず、一次選別機から排出される被処理物を風力選別機のホッパまで搬送する中間コンベアを別途設置する必要が生じる。また、この中間コンベアについても筒状部材の傾斜角度の変更の度に高さ調整を行うか、あるいは高さの異なる複数の中間コンベアを用意して取り替える必要がある。以上のように、上記従来技術の風力選別機は、コンベアの高さ調整作業、又は中間コンベアの設置作業及び高さ調整・交換作業が必要となる分、被処理物の選別作業時間が減少することとなり、その結果、生産性が低下していた。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、混合廃棄物等の被処理物の選別生産性を向上することができる風力選別機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、風力により混合物を選別する風力選別機において、フレームと、その長手方向一方側に設けた傾動支点を介し前記フレームに傾動可能に支持された筒状部材と、この筒状部材の長手方向他方側に設けたホッパと、前記筒状部材の長手方向一方側から前記ホッパに向けて延在するように前記筒状部材に設けたコンベアと、前記筒状部材の長手方向一方側に設けられ、前記コンベアにより前記ホッパに投入され前記筒状部材内を移動する混合物に吹き付ける空気流を生起する送風機とを備えるものとする。
【0011】
一般に、風力選別機においては、筒状部材の傾斜角度を調整することで混合物の筒状部材内での滞在時間を変化させ、所望する比重の被処理物を選別するようになっている。したがって、混合物の選別精度を向上させるためには、投入される混合物の性状等に応じ、その都度筒状部材の傾斜角度を変更することが効果的である。
【0012】
本発明においては、混合物をホッパに向けて搬送し筒状部材内に投入するコンベアを、長手方向一方側(傾斜したときの低位置側)から長手方向他方側(傾斜したときの高位置側)に向けて延在するように筒状部材に設け、これら筒状部材とコンベアとを長手方向一方側に設けた傾動支点を支点としてフレームに対し傾動させるので、上述したように混合物の選別精度向上のために筒状部材を傾動させてその傾斜角度を変更しても、外部からの混合物の受け入れ場所であるコンベアの低位置側末端の高さ方向の位置変化を少なくすることができる。この結果、傾斜角度を変更するたびにコンベアの高さ調整作業、又は中間コンベアの設置作業及び高さ調整・交換作業が必要となる前述の従来技術のような構造に比べ、その余分な作業が不要となる分、風力選別機による混合物の選別作業時間を増加させることができる。したがって、混合物の選別生産性を向上することができる。
【0013】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記コンベアを、前記筒状部材の長手方向他方側を傾動支点として前記筒状部材に対し傾動可能に設けるものとする。
【0014】
これにより、外部からの混合物の受け入れ場所であるコンベアの低位置側末端の高さを任意に変更できるので、混合物の受け渡し高さを最適な高さに容易に調整することができる。また、混合物の受け入れ場所の高さを任意に変更できることにより、本発明の風力選別機を例えば既存のプラントに追加する際等にその組み込み箇所の自由度が大きくなり、その結果、その既存のプラント内でのレイアウトの自由度を大きくすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の風力選別機の一実施の形態を図1乃至図6を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の風力選別機の一実施の形態の内部構造を表す側断面図である(但し、後述する投入コンベア40については図示省略)。この図1において、100は例えば最終処分場等に設けられる風力選別機である。また、1は筒状部材としての本体回転ドラム、2は本体回転ドラム1を回転駆動する駆動手段としての本体回転ドラム駆動モータ、3は後述の投入コンベア40により搬送される混合廃棄物Mを受け入れる投入口として本体回転ドラム1の長手方向一方側(図1中右側)に設けたホッパ、4はブロア(送風機)、5は本体支持フレーム、6はベースフレーム(フレーム)であり、これらは上記風力選別機100に備えられている。また、7,8,9は風力選別機100の長手方向一方側に設置したフィルタ装置、フィルタ側ベースフレーム、軽量物分離チャンバである。
【0016】
本体支持フレーム5は、ピン10を介してベースフレーム6に対して回動可能(傾動可能)に接続されている。11はその傾動動作用のシリンダ(例えば電動シリンダ、油圧シリンダ等)であり、一端側(図1中下側)がピン12を介しベースフレーム6に設けたブラケット13に回動自在に接続されており、他端側(図1中上側)がピン14を介し本体支持フレーム5に設けたブラケット15に回動自在に接続されている。このような構造により、シリンダ11の伸縮動作によって本体回転ドラム1をピン10を回動支点として所望の傾斜角度(=任意の傾斜状態、但し水平状態を含む)に保持可能となっている。
【0017】
本体回転ドラム1は、詳細な支持構造の図示及び説明を省略するが、回転ドラム支持ローラ16a,16bを介して本体支持フレーム5に対し回転自在に支持されており、図1中右側の回転ドラム支持ローラ16bに上述の回転ドラム駆動モータ(電動モータ、又は油圧モータ、あるいはエンジン直結でもよい。また可変速として回転速度を自在に調節できるようにしてもよい)2の駆動力が伝達されることにより、本体回転ドラム1はその軸心線(図示省略)まわりに回転駆動されるようになっている。
【0018】
また、17は外郭を構成するドラム本体、18は長手方向他方側(図1中左側)端部に設けた重量物排出口、19は長手方向一方側(図1中右側)端部に設けた廃棄物導入口(軽量物排出口を兼ねる)、20は長手方向一方側において廃棄物導入口19よりも長手方向他方側に設けた中間物排出口、21はこの中間物排出口20に設けたスクリーン、22はスクリーンカバーである。
【0019】
23a,23b,23cはこの順序で中間物排出口20側から重量物排出口18側に間隔をおいてそれぞれ配列した流路形成ブロックであり、それぞれが略円環状形状となっており、その外周面がドラム本体17の内周面に密着するように固定されている。24a,24b,24cはそれぞれ、流路形成ブロック23aの廃棄物導入口19側、流路形成ブロック23a,23bの間、流路形成ブロック23b,23cの間に設けた掻き上げ板であり、各掻き上げ板24はそれぞれドラム本体17内周面の円周方向複数箇所(例えば4箇所、但し数及びピッチは導入する最大廃棄物大きさを考慮し、廃棄物が掻き上げ板24,24間に挟み込まれ固まって不動とならないようにする)に所定ピッチで配列固定されている。このような構造によって、本体回転ドラム1内の流路において、流路形成ブロック23a,23b,23cの内周側には他の部分よりも流路断面積が小さな小径部25A,25B,25Cがそれぞれ形成されるとともに、小径部25Aと廃棄物導入口19との間、小径部25A,25Bの間、小径部25B,25Cの間、小径部25Cと重量物排出口18との間に、大径部26A,26B,26C,26Dがそれぞれ形成される。言い換えれば、これら小径部25A,25B,25C及び大径部26A,26B,26C,26Dは、ドラム本体17の両端部を除く長手方向中間部に、廃棄物導入口19側から大径部26A、小径部25A、大径部26B、小径部25B、大径部26C、小径部25C、大径部26Dの順で交互に配置されている。
【0020】
なお、後述するように、廃棄物導入口19から導入された混合廃棄物M(特に重量物H)はドラム本体17内をその長手方向に図1中左側(言い換えれば重量物排出口18側)に流れ、このとき、各流路形成ブロック23a,23b,23cの廃棄物導入口19側(図1中右側)壁面23aA,23bA,23cAは、その流れる混合廃棄物Mを対応する小径部25A,25B,25Cの手前で捕捉する段付き部として機能する(各流路形成ブロック23a,23b,23cにより段付き部が形成される)。また、前述の掻き上げ板24a,24b,24cはそれぞれ、段付き部としての上記各流路形成ブロック壁面23aA,23bA,23cAで捕捉された混合廃棄物Mを回転ドラム1の回転とともにその回転方向に掻き上げて同伴させる掻き上げ機能を有する。また、流路形成ブロック23cの重量物排出口18側(図1中左側)壁面23cBはテーパ形状となっており、ここまで到達した重量物Hが重量物排出口18まで自重ですばやく円滑に転げ落ちるように図られている。
【0021】
27は、本体支持フレーム5の軽量物分離チャンバ9側(図1中右側)端部近傍に支持部材28を介して固定された通路部材であり、ホッパ3を上部に接続するホッパ接続部27aと、このホッパ接続部27aより回転ドラム1側(図1中左側)に設けられ、ホッパ3から投入されホッパ接続部27aを介し導入された混合廃棄物Mを導出する拡径形状の導出部27bと、ホッパ接続部27aより軽量物分離チャンバ9側(図1中右側)に設けられた軽量物排出部27cとを備えている。このような構造により、通路部材27は、ホッパ接続部27aの下方位置が空気流方向におけるその前後部分(導出部27b及び軽量物排出部27c)に比べて縮径したいわゆるベンチュリ管状の形状となっている。この結果、空気流方向に絞りを設けたのと同等となってこの部分の静圧が低下し、ホッパ接続部27aを介した空気流の吹き出しを低減し、投入混合廃棄物Mの逆流を防止するようになっている。また、導出部27bはドラム本体17の廃棄物導入口19を含む図1中右側端部17a近傍を覆うように、かつ固定側であるその端部27bAが回転側であるドラム本体端部17aとの間にわずかな隙間を介在させるように、配置されている。
【0022】
ホッパ3は、長手方向他方側(図1中左側)に投入口3aを有しており、この投入口3aに後述の投入コンベア40によって搬送される混合廃棄物Mが投入されるようになっている。
【0023】
ブロア4は、本体支持フレーム5の図1中左側端部近傍に支持部材29を介して固定されており、ブロア駆動モータ30(電動モータ、又は油圧モータ、あるいはエンジン直結でもよい。また可変速として風速を自在に調節できるようにしてもよい)によって駆動され混合廃棄物M中の軽量物Lを重量物Hから選別し搬送するための空気流を生起する。31はブロア4の出口側に接続された送風ダクト、32は送風ダクト31の送風方向下流側に配置された略円板状のダクトガードである。このダクトガード32は、その径方向中心側領域は例えば格子状のフィルタ部となっており、送風ダクト31からの空気流に含まれる粗大な異物をブロックし本体回転ドラム1内への流入を防止している。そしてダクトガード32は、全体として、ドラム本体17の重量物排出口18を含む図1中左側端部17b近傍を覆うように、かつ固定側であるその端部32aが回転側であるドラム本体端部17bとの間にわずかな隙間を介在させるように、配置されている。また33は送風ダクト31に連続するように延設される送風フードであり、ブロア4で生起された空気流は、送風ダクト31、送風フード33を介し本体回転ドラム1内に供給される。このとき、送風フード33は、大径部26Dのうち重量物Hを排出する固定側の排出シュート34側の領域には開口部33Aを臨ませて重量物Hを排出可能とする一方、排出シュート34と反対側の領域を仕切ってそちらには空気流や重量物Hの流れが流れないようにする役割を果たしている。
【0024】
軽量物分離チャンバ9は、前述の通路部材軽量物排出部27cに接続される入口側空気通路を構成する導入部9aと、上記フィルタ装置7を設置する出口側空気通路を構成する空気流排出部9bと、下方に設けられる軽量物排出部9cとを備えている。また35は下端部が前述のフィルタ側ベースフレーム8に、上端部が軽量物分離チャンバ9の下部に接続された公知のリンク機構であり、前述のようにピン10を傾動支点として本体支持フレーム5が傾動することで軽量物排出部27cの高さが変化するのに追従させて、軽量物分離チャンバ9の高さ方向位置を調整できるようになっている。また36は、導入部9aと通路部材27の軽量物排出部27cとの間に設けられた、例えば弾性材料からなるシール部材であり、前述のように本体支持フレーム5が傾動することで軽量物排出部27cと導入部9aとの間のなす角度等微妙な位置関係が変化しても、これらの間をシールし空気流の漏れのない接続を確保できるようになっている。
【0025】
フィルタ装置7は、軽量物分離チャンバ9の空気流排出部9bに設けられ、導入部9aから軽量物分離チャンバ9内に導入された軽量物Lを含む空気流から、軽量物Lを除去する機能を備えている。このフィルタ装置7により除去された軽量物Lは、軽量物排出部9cから軽量物分離チャンバ9の下方に排出されるようになっている。
【0026】
ここで、本実施の形態の最も大きな特徴は、投入コンベアを風力選別機本体に搭載したことである。以下、この詳細について説明する。
図2は風力選別機100の全体構造を表す一部断面で示す側面図、図3は図2中矢印A方向から見た風力選別機100の矢視後面図(但し、ベースフレーム6は図示せず)、図4は一部断面(図2中IV-IV面相当)で示す風力選別機100の正面図(但し、ベースフレーム6は図示せず)である。
【0027】
これら図2乃至図4において、40は投入コンベア(コンベア)である。また、41はコンベアフレーム、42,43はこのコンベアフレーム41の両端に設けた駆動輪及び従動輪、44はこれら駆動輪42及び従動輪43に巻き回され、図示しない駆動モータによって駆動輪42が回転駆動されることにより循環駆動する搬送ベルトであり、これらは上記投入コンベア40に備えられる。
【0028】
また、45,46は略門型形状をしたコンベア支持架台であり、コンベア支持架台45,45は本体回転ドラム1に覆い被さるようにして本体支持フレーム5に設けられ、コンベア支持架台46は支持部材29に設けられている。投入コンベア40は、これらコンベア支持架台45,46によりコンベアフレーム41が支持固定されることによって、本体回転ドラム1の上方にその長手方向が本体回転ドラム1の長手方向と略平行となるように並列に配設されている。このとき、投入コンベア40は、その従動輪43側末端がホッパ3の投入口3aに挿し込まれ、駆動輪42側末端がコンベア支持架台46から長手方向他方側(図2中左側)に突き出るように配置されている。
【0029】
301は、本風力選別機100を例えば二次選別機として用いる場合に、その前段の一次選別を行う一次選別機300(後述の図6参照)の排出コンベアである(又は別途用意する中間コンベアでもよい)。また、47は、投入コンベア40の長手方向他方側においてその短手方向両側に取り付けられ、上方に向けて拡開形状をした煽り板である。この煽り板47,47により、上記排出コンベア301から受け渡される混合廃棄物を効率良く搬送ベルト44上に導入することができるようになっている。このとき、この混合廃棄物の受け入れ場所である投入コンベア40の煽り板設置箇所は、本体支持フレーム5の傾動支点であるピン10の略上方に位置しており、本体支持フレーム5を傾動させ本体回転ドラム1の傾斜角度を変更した場合にも、その混合廃棄物の受け入れ位置の高さ方向の変化が小さくなるようになっている。
【0030】
なお、上記図2においては、風力選別機100の長手方向他方側(図2中左側)から投入コンベア40に混合廃棄物を受け渡すようにしたが、例えば図5に示すように片側の煽り板47を取り外すことで、短手方向(すなわち横方向)から混合廃棄物を受け渡すことも可能である。これにより、本風力選別機100が設置される最終処分場等内におけるレイアウトの自由度を大きくすることができるようになっている。
【0031】
以上において、ピン10はフレームの長手方向一方側に設けた傾動支点を構成する。
【0032】
次に、上記構成の本発明の風力選別機の一実施の形態の動作及び作用を以下に説明する。
上記構成の風力選別機100において、図1に示すようにシリンダ11を伸長させて本体回転ドラム1の廃棄物導入口19側が高くなるように本体支持フレーム5を傾斜させ保持した後、本体回転ドラム駆動モータ2を駆動すると、回転ドラム支持ローラ16a,16bを介し本体回転ドラム1はその軸心線まわりに回転する。そしてブロア駆動モータ30を駆動すると、ブロア4から空気流が生起されて送風ダクト31、送風フード33を介し本体回転ドラム1内に供給され、さらに通路部材27の導出部27bで絞られ、軽量物排出部27cから軽量物分離チャンバ9内に吹き出される。
【0033】
この状態で、例えばコンクリート塊、木材片、ガラス片、がれき類等の重量物Hやビニールシート、紐状あるいはフィルム状の物等の軽量物L等が混在した混合廃棄物Mが、一次選別機300の排出コンベア301から投入コンベア40に受け渡されると、搬送ベルト44により傾斜方向上方に向かって搬送され、ホッパ3の投入口3aより投入される。投入された混合廃棄物Mは、通路部材ホッパ接続部27aより下方に導入されて上記の空気流が吹き付けられて衝突され、大部分の軽量物Lはこの空気流に載って(風力によって)選別され、空気流れの下流側(図1中右側)に搬送されて、軽量物分離チャンバ9内に導入される。一方、重量物Hは、空気流には載らず(重力によって風力に打ち勝ち)、上記のように本体支持フレーム5が傾斜していることから自重によって選別されなかった残りのわずかな軽量物Lとともに(その意味では正確には重量物Hと軽量物Lとの混合廃棄物である)通路部材導出部27bから廃棄物導入口19を介し本体回転ドラム1内に導入され、さらにドラム本体17内周面に沿って本体回転ドラム1の長手方向他方側(図1中左側)へ向かって転がるようにして流れていく。このとき、重量物Hの流れ方向(=空気流方向とは逆になる)最上流側の流路形成ブロック23aの壁面23aAによって、上記のように傾斜に沿って流れる重量物Hは一旦捕捉され滞留する。このとき、壁面23aAの手前側(図1中右側)の大径部26Aには周方向複数箇所に掻き上げ板24aが設けられていることから、上記捕捉された重量物Hは、掻き上げ板24a,24aの間に滞留する。この結果、回転ドラム本体1が回転していることから、捕捉された重量物Hは掻き上げ板24aによってその回転方向に掻き上げて同伴され、高さ方向に大きく持ち上げられた後に重力で再び落下して攪拌され解きほぐされ、この落下するときに流路形成ブロック23aを乗り越えつつ小径部25Aを通過し、次の大径部26Bに流入する。以下同様に、流入した重量物Hは再び流路形成ブロック23bの壁面23bAによって捕捉されて大径部26Bに設けた掻き上げ板24b,24bの間に滞留し、回転ドラム本体1の回転と共に掻き上げ板24aによって持ち上げられた後に落下して解きほぐされ、流路形成ブロック23bを乗り越えつつ小径部25Bを通過し、次の大径部26Cに流入する。さらに重量物Hは再び流路形成ブロック壁面23cAによって捕捉されて掻き上げ板24cによって持ち上げられた後に落下して解きほぐされ、流路形成ブロック23cを乗り越え小径部25Cを通過し、最終段の大径部26Dに流入する。
【0034】
このように、大径部26に滞留→掻き上げ板24で持ち上げて落下→流路形成ブロック23を乗り越えて小径部25を通過→次の大径部26に流入、という挙動を繰り返させることにより、例えば石、がれき等の重量物Hに、ビニールシート、紐状あるいはフィルム状の軽量物Lが強固に絡み合っていた等によって、軽量物Lが重量物Hに付着し塊を形成している場合であっても、その塊を確実に解きほぐし、軽量物Lを重量物Hから剥がし取り分離することができる。このときまた、小径部25を通過し各流路形成ブロック23を乗り越えるとき、ブロック23のエッジによって軽量物Lを剥がしとる効果もある。さらに、小径部25においては断面積の縮小(縮径)に伴って空気流の流速が増大するため、ここを通過するときにその速い空気流によって塊状となったものから軽量物Lを剥がし取ることで分離促進することができ、また大きな重量物Hが通過するときには、実質的な空気流通過断面積が減少してさらに空気流速が増大し、さらに分離促進することができる。なおこの空気流の流速増大は、軽量物Hが傾斜方向下側(重量物排出口側)に落ちていくのを確実に防止できる効果もある。
【0035】
なお、ホッパ3に投入された混合廃棄物M内に、大径部26Aの空気流速では軽量物排出口(廃棄物導入口)19まで吹き飛ばすことができず、かといって小径部(縮径部)25Aの風速では押し戻されて重量物排出口18側へ向かって流路形成ブロック23aも乗り越えられないような小型、微細な重量物(例えば金属片等)が含まれる場合等は、大径部26Aから上記のスクリーン21を介し中間物排出口20より本体回転ドラム1外へ排出される。
【0036】
以上のようにして軽量物Lが十分に分離された重量物Hは、大径部26Dから重量物排出口18、さらに排出シュート34を介し、最終的に本体回転ドラム1の下方側端部(言い換えればブロア4側端部)から排出される。
【0037】
一方、重量物Hから分離された軽量物Lは、ブロア4によって本体回転ドラム1内を吹き通されている空気流により傾斜を上る方向(図1中右側)へと搬送され、廃棄物導入口19を介し本体回転ドラム1の上方側端部(言い換えればブロア4と反対側端部)から排出され、さらに通路部材27の導出部27b、軽量物排出部27cを経て軽量物分離チャンバ9内へと排出される。
【0038】
以上のようにして混合廃棄物Mの選別が行われる風力選別機100において、選別効果の強弱は、混合廃棄物Mの本体回転ドラム1内における滞在時間(すなわち本体回転ドラム1の傾斜角度)による。すなわち、本体回転ドラム1の傾斜角度が小さい場合には、ドラム内の混合廃棄物Mの自重による傾斜方向下側への流れ速度が遅くなるため、各流路形成ブロック23の壁面に捉えられやすくなり、各掻き上げ板24による攪拌・解きほぐし時間が長くなる。この結果、混合廃棄物Mを重量物Mと軽量物Lとに選別する効果が強くなる。一方、本体回転ドラム1の傾斜角度が大きい場合には、混合廃棄物Mの自重による傾斜方向下側への流れ速度が速くなるため、各流路形成ブロック23の壁面に捉えられにくくなり、各掻き上げ板24による攪拌・解きほぐし時間が短くなる結果、選別効果が弱くなる。このように、本風力選別機100においては、本体回転ドラム1の傾斜角度を調整することで混合廃棄物Mのドラム内での滞在時間を変化させ、選別効果の強弱を調整する。したがって、選別精度を向上させるためには、投入される混合廃棄物Mの性状等に応じ、その都度本体回転ドラム1の傾斜角度を変更することが効果的である。
【0039】
図6は、このときの本体回転ドラム1の傾斜角度を変更する動作を示す図である。尚、この図6では煩雑防止のため、煽り板47及び軽量物分離チャンバ9等は図示省略する。
この図6に示すように、混合廃棄物Mが比較的選別しやすい性状である場合には図中アのように傾斜角度を比較的大きくし、例えば重量物Hに軽量物Lが強固に絡み合って混合物Mが比較的選別しにくい性状である場合には図中イのように傾斜角度を比較的小さくする。このように傾斜角度を変更するときの、一次選別機300の排出コンベア301から投入コンベア40へ受け渡される混合廃棄物Mの受け入れ位置(すなわち排出コンベア301の先端近傍を通過する鉛直線(図中1点鎖線ウで示す)と投入コンベア40との交点の位置)の高さ方向の変化量は、図中両矢印エが示す範囲となる。
【0040】
ここで、風力選別機が前述した従来技術のような投入コンベア40を搭載していない構造である場合には、混合廃棄物Mの受け入れ位置となるホッパ投入口3aの高さ方向の位置変化量は図6中両矢印オに示すように比較的大きくなり、一次選別機の排出コンベアの大幅な高さ調整作業が必要となる(本実施の形態では、例えば排出コンベア301を釣支する支持部材302を異なる長さのものに交換する作業等が必要となる)。さらに、一次選別機の排出コンベアが固定式で排出高さを調整できない場合や調整できてもその高さ調整が位置変化量オに及ばない場合には、一次選別機の排出コンベアから風力選別機100の投入コンベア40まで混合廃棄物Mを搬送する中間コンベアを別途設ける必要があり、しかもこの場合にはその中間コンベアの高さ調整作業又は高さの異なる中間コンベアへの交換作業が必要となる。このように、本体回転ドラム1の傾斜角度を変更するたびに、一次選別機の排出コンベアの高さ調整作業、又は中間コンベアの設置作業及び高さ調整・交換作業が必要となる。
【0041】
これに対し、本実施の形態では、前述したように混合廃棄物受け入れ位置が本体支持フレーム5の傾動支点であるピン10の略上方となるように構成するので、本体回転ドラム1の傾斜角度変更の際のその高さ位置の変化量を図中両矢印ウが示すように大幅に小さくすることができる。これにより、一次選別機排出コンベア301の高さ調整作業が不要となり、また中間コンベアが不要となることでその中間コンベアの設置作業及び高さ調整・交換作業についても不要となるので、この余分な作業が不要となる分、上記従来技術と比べて風力選別機100による混合物の選別作業時間を大幅に増加させることができる。したがって、混合廃棄物の選別生産性を向上することができる。さらに、中間コンベアが不要となる分、風力選別機100の設置時に必要となるスペースを小さくすることができ、最終処分場等の現場におけるレイアウトの自由度を大きくすることができる。
【0042】
次に、本発明の風力選別機の他の実施の形態を図7を参照しつつ説明する。本実施の形態は、投入コンベア40を本体回転ドラム1に対して傾動可能に設けたものである。
図7は、本発明の風力選別機の他の実施の形態の全体構成を一次選別機と共に表す側面図である。なお、この図7において、前述の一実施の形態における図2と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
【0043】
この図7において、200は本実施の形態の風力選別機である。また、50は投入コンベア40の傾動動作用のシリンダ(例えば電動シリンダ、油圧シリンダ等)であり、一端側(図7中下側)がピン51を介し支持部材29に設けたブラケット52に回動自在に接続されており、他端側(図7中上側)がピン53を介しコンベアフレーム41の長手方向一方側(図7中左側)に設けたブラケット54に回動自在に接続されている。また、55はコンベアフレーム41の長手方向他方側(図7中右側)に設けたブラケットであり、このブラケット55はコンベア支持架台45の上端部にピン56を介して回動自在に接続されている。このような構造により、シリンダ50の伸縮動作によって投入コンベア40をピン56を回動支点として回動させ、本体回転ドラム1に対し所望の傾斜角度に保持可能となっている。このとき、回動支点であるピン56が投入コンベア40の長手方向他方側末端近傍に位置することにより、投入コンベア40の長手方向他方側末端(すなわちホッパ3の投入口3aに挿し込まれた部分)の回動動作による位置変化は極力小さくなるようになっている。
以上説明した部分以外の構成は前述の一実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0044】
上記構成の本発明の風力選別機の他の実施の形態によれば、本体支持フレーム5をベースフレーム6に対し傾動させて本体回転ドラム1及び投入コンベア40を傾斜させた状態から、さらに投入コンベア40を本体回転ドラム1に対し傾動させることができる。これにより、一次選別機300の排出コンベア301からの混合廃棄物の受け入れ場所である投入コンベア40の長手方向一方側(図7中左側)端部の高さを任意に変更することができ、混合廃棄物の受け渡し高さを最適な高さに容易に調整することができる。また、このように混合廃棄物の受け入れ位置の高さを任意に変更できることによって、風力選別機200を例えば既存のプラントに追加する際等にその組み込み箇所の自由度が大きくなり、その結果、その既存のプラント内でのレイアウトの自由度を大きくすることができる。また、例えば混合廃棄物が選別しやすい性状であり、前述の一実施の形態の図6中アのように比較的傾斜角度を大きくした状態において、混合廃棄物が転がりやすい形状でその傾斜角度では投入コンベア40で搬送しにくい場合などに、本体回転ドラム1の傾斜角度を変更せずに投入コンベア40の傾斜角度のみ小さくして対応することができる。したがって、風力選別機200で選別可能な混合廃棄物の対象範囲を拡大する効果も得ることができる。
【0045】
なお、以上説明してきた本発明の風力選別機の一実施の形態及び他の実施の形態においては、本体回転ドラム1を回転駆動する構造としたが、これに限らず、本体ドラムが回転駆動しない構造の風力選別機に本発明を適用してもよい。
【0046】
また、上記本発明の一実施の形態及び他の実施の形態においては、本体支持フレーム5のベースフレーム6に対する傾動駆動及び投入コンベア40の本体回転ドラム1に対する傾動駆動をシリンダを用いて行うようにしたが、これに限らず、例えば棒状の支持部材で本体支持フレーム5又は投入コンベア40を支持し、その支持部材の長さをターンバックル等によって可変させることにより、これら本体支持フレーム5又は投入コンベア40を所望の傾斜角度に支持するようにしてもよいし、その棒状の支持部材に複数の挿通孔を設け、本体支持フレーム5又は投入コンベア40に設けた突起部をその複数の挿通孔のうちの1つに選択的に嵌合させることで所望の傾斜角度に支持するようにしてもよい。また、チェーンブロック等の別途の支持手段で所望の傾斜角度に保持するようにしてもよい。
【0047】
また、上記本発明の一実施の形態及び他の実施の形態においては、一次選別機300により一次選別された混合廃棄物を風力選別機100(又は風力選別機200)に受け入れ二次選別を行うようにしたが、これに限らず、風力選別機100(又は風力選別機200)を単独で用いてもよい。このとき、例えば油圧ショベル等の重機により混合廃棄物を直接投入コンベア40に投入すること等が考えられるが、この場合、前述したように投入コンベア40の混合廃棄物の受け入れ位置の高さ変動が小さいことにより、油圧ショベル等の重機による投入作業性を向上することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、コンベアを長手方向一方側から長手方向他方側に向けて延在するように筒状部材に設け、これら筒状部材とコンベアとが長手方向一方側を傾動支点としてフレームに対し傾動するので、選別効果の調整のために筒状部材の傾斜角度を変更しても、外部からの混合物の受け入れ場所であるコンベアの長手方向一方側末端の高さ変化を少なくすることができる。この結果、傾斜角度を変更するたびにコンベアの高さ調整作業、又は中間コンベアの設置作業及び高さ調整・交換作業が必要となる前述の従来技術のような構造に比べ、その余分な作業が不要となる分、風力選別機による混合物の選別作業時間を増加させることができる。したがって、混合物の選別生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風力選別機の一実施の形態の内部構造を表す側断面図である。
【図2】本発明の風力選別機の一実施の形態の全体構造を表す一部断面で示す側面図である。
【図3】本発明の風力選別機の一実施の形態の全体構造を表す図2中矢印A方向から見た矢視後面図である。
【図4】本発明の風力選別機の一実施の形態の全体構造を表す一部断面で示す正面図である。
【図5】本発明の風力選別機の一実施の形態の変形例の全体構造を表す一部断面で示す正面図である。
【図6】本発明の風力選別機の一実施の形態における本体回転ドラムの傾斜角度を変更する動作を示す図である。
【図7】本発明の風力選別機の他の実施の形態の全体構成を一次選別機と共に表す側面図である。
【符号の説明】
1 本体回転ドラム(筒状部材)
3 ホッパ
4 ブロア(送風機)
6 ベースフレーム(フレーム)
10 ピン(傾動支点)
40 投入コンベア(コンベア)
100 風力選別機
200 風力選別機
M 混合廃棄物(混合物)
【発明の属する技術分野】
本発明は、混合物中に含まれる様々な物を、その重量に応じて選別する風力選別機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、廃棄物(ごみ)は、大きく分けて一般家庭や小売店、レストランから出される一般廃棄物と、事業活動に伴って生じた産業廃棄物に分けられる。中でも産業廃棄物は、事業活動に伴って生じることから特定の性状のものが大量に発生する場合が多く、例えば建築物の解体現場では、通常、コンクリート塊、木材片、ガラス片、壁土、新建材、金具等が細かいばらものとなった解体屑、またはミンチと称するそれらの混合物が発生し、これが粗大廃棄物と混在して混合廃棄物となることが多い。この混合廃棄物中には、上記以外にも、廃プラスチック類、ゴムくず、がれき類等が含まれる場合もある。
【0003】
昨今、建設副産物の再利用の気運の高まりから、このような混合廃棄物を発生させないために、分別解体の推奨や分別搬出の義務付けがなされようとしているが、その発生を皆無にすることは難しいのが現状である。
【0004】
そこで、このような混合廃棄物の分別を行うために、風力を用いて廃棄物の選別を行う風力選別機がある。
【0005】
この風力選別機としては、例えば特開2001−300427号公報に記載のような、傾動可能な筒状部材(選別機本体)と、この筒状部材の略中央部に設けたホッパと、筒状部材の低位置側(傾斜したときの低位置側)端部に設けられ筒状部材に空気流を送り込む送風機(風供給手段)と、筒状部材の低位置側下部に設けた重量物排出用の排出口と、筒状部材の高位置側(傾斜したときの高位置側)端部に設けた軽量物排出用の排出口(筒体)とを備えたものがある。この従来技術では、ホッパから筒状部材内へ投入された混合廃棄物等の被処理物に選別用の空気流を衝突させることで、被処理物中の軽量物を高位置側端部の排出口より排出し、重量物のみを低位置側の排出口から落下させて選別するようになっている。この風力選別機では、筒状部材の傾斜角度を調整することで被処理物の筒状部材内での滞在時間を変化させ、所望する比重の被処理物を選別することができるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−300427号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した風力選別機は筒状部材の傾斜角度を調整することができるので、被処理物の選別精度を向上させるためには、投入される被処理物の性状等に応じ、その都度筒状部材の傾斜角度を変更することが効果的である。
【0008】
しかしながら、上記従来技術では以下のような課題が存在する。
一般に、混合廃棄物等の被処理物を選別する際には、その被処理物はコンベア(投入コンベア、二次選別機として用いる場合には一次選別機の排出コンベア)によりホッパに投入される。そして、上記従来技術によれば、筒状部材に設けたホッパが傾動支点(軸)より高位置側にあるため、筒状部材の傾斜角度を変更する都度ホッパの高さが変動する。このため、傾斜角度を変更する度にコンベアの高さ調整を行わなければならなくなる。しかも、例えばこのコンベアが一次選別機の排出コンベア等の固定式のものである場合には排出高さを調整することができず、一次選別機から排出される被処理物を風力選別機のホッパまで搬送する中間コンベアを別途設置する必要が生じる。また、この中間コンベアについても筒状部材の傾斜角度の変更の度に高さ調整を行うか、あるいは高さの異なる複数の中間コンベアを用意して取り替える必要がある。以上のように、上記従来技術の風力選別機は、コンベアの高さ調整作業、又は中間コンベアの設置作業及び高さ調整・交換作業が必要となる分、被処理物の選別作業時間が減少することとなり、その結果、生産性が低下していた。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、混合廃棄物等の被処理物の選別生産性を向上することができる風力選別機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、風力により混合物を選別する風力選別機において、フレームと、その長手方向一方側に設けた傾動支点を介し前記フレームに傾動可能に支持された筒状部材と、この筒状部材の長手方向他方側に設けたホッパと、前記筒状部材の長手方向一方側から前記ホッパに向けて延在するように前記筒状部材に設けたコンベアと、前記筒状部材の長手方向一方側に設けられ、前記コンベアにより前記ホッパに投入され前記筒状部材内を移動する混合物に吹き付ける空気流を生起する送風機とを備えるものとする。
【0011】
一般に、風力選別機においては、筒状部材の傾斜角度を調整することで混合物の筒状部材内での滞在時間を変化させ、所望する比重の被処理物を選別するようになっている。したがって、混合物の選別精度を向上させるためには、投入される混合物の性状等に応じ、その都度筒状部材の傾斜角度を変更することが効果的である。
【0012】
本発明においては、混合物をホッパに向けて搬送し筒状部材内に投入するコンベアを、長手方向一方側(傾斜したときの低位置側)から長手方向他方側(傾斜したときの高位置側)に向けて延在するように筒状部材に設け、これら筒状部材とコンベアとを長手方向一方側に設けた傾動支点を支点としてフレームに対し傾動させるので、上述したように混合物の選別精度向上のために筒状部材を傾動させてその傾斜角度を変更しても、外部からの混合物の受け入れ場所であるコンベアの低位置側末端の高さ方向の位置変化を少なくすることができる。この結果、傾斜角度を変更するたびにコンベアの高さ調整作業、又は中間コンベアの設置作業及び高さ調整・交換作業が必要となる前述の従来技術のような構造に比べ、その余分な作業が不要となる分、風力選別機による混合物の選別作業時間を増加させることができる。したがって、混合物の選別生産性を向上することができる。
【0013】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記コンベアを、前記筒状部材の長手方向他方側を傾動支点として前記筒状部材に対し傾動可能に設けるものとする。
【0014】
これにより、外部からの混合物の受け入れ場所であるコンベアの低位置側末端の高さを任意に変更できるので、混合物の受け渡し高さを最適な高さに容易に調整することができる。また、混合物の受け入れ場所の高さを任意に変更できることにより、本発明の風力選別機を例えば既存のプラントに追加する際等にその組み込み箇所の自由度が大きくなり、その結果、その既存のプラント内でのレイアウトの自由度を大きくすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の風力選別機の一実施の形態を図1乃至図6を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の風力選別機の一実施の形態の内部構造を表す側断面図である(但し、後述する投入コンベア40については図示省略)。この図1において、100は例えば最終処分場等に設けられる風力選別機である。また、1は筒状部材としての本体回転ドラム、2は本体回転ドラム1を回転駆動する駆動手段としての本体回転ドラム駆動モータ、3は後述の投入コンベア40により搬送される混合廃棄物Mを受け入れる投入口として本体回転ドラム1の長手方向一方側(図1中右側)に設けたホッパ、4はブロア(送風機)、5は本体支持フレーム、6はベースフレーム(フレーム)であり、これらは上記風力選別機100に備えられている。また、7,8,9は風力選別機100の長手方向一方側に設置したフィルタ装置、フィルタ側ベースフレーム、軽量物分離チャンバである。
【0016】
本体支持フレーム5は、ピン10を介してベースフレーム6に対して回動可能(傾動可能)に接続されている。11はその傾動動作用のシリンダ(例えば電動シリンダ、油圧シリンダ等)であり、一端側(図1中下側)がピン12を介しベースフレーム6に設けたブラケット13に回動自在に接続されており、他端側(図1中上側)がピン14を介し本体支持フレーム5に設けたブラケット15に回動自在に接続されている。このような構造により、シリンダ11の伸縮動作によって本体回転ドラム1をピン10を回動支点として所望の傾斜角度(=任意の傾斜状態、但し水平状態を含む)に保持可能となっている。
【0017】
本体回転ドラム1は、詳細な支持構造の図示及び説明を省略するが、回転ドラム支持ローラ16a,16bを介して本体支持フレーム5に対し回転自在に支持されており、図1中右側の回転ドラム支持ローラ16bに上述の回転ドラム駆動モータ(電動モータ、又は油圧モータ、あるいはエンジン直結でもよい。また可変速として回転速度を自在に調節できるようにしてもよい)2の駆動力が伝達されることにより、本体回転ドラム1はその軸心線(図示省略)まわりに回転駆動されるようになっている。
【0018】
また、17は外郭を構成するドラム本体、18は長手方向他方側(図1中左側)端部に設けた重量物排出口、19は長手方向一方側(図1中右側)端部に設けた廃棄物導入口(軽量物排出口を兼ねる)、20は長手方向一方側において廃棄物導入口19よりも長手方向他方側に設けた中間物排出口、21はこの中間物排出口20に設けたスクリーン、22はスクリーンカバーである。
【0019】
23a,23b,23cはこの順序で中間物排出口20側から重量物排出口18側に間隔をおいてそれぞれ配列した流路形成ブロックであり、それぞれが略円環状形状となっており、その外周面がドラム本体17の内周面に密着するように固定されている。24a,24b,24cはそれぞれ、流路形成ブロック23aの廃棄物導入口19側、流路形成ブロック23a,23bの間、流路形成ブロック23b,23cの間に設けた掻き上げ板であり、各掻き上げ板24はそれぞれドラム本体17内周面の円周方向複数箇所(例えば4箇所、但し数及びピッチは導入する最大廃棄物大きさを考慮し、廃棄物が掻き上げ板24,24間に挟み込まれ固まって不動とならないようにする)に所定ピッチで配列固定されている。このような構造によって、本体回転ドラム1内の流路において、流路形成ブロック23a,23b,23cの内周側には他の部分よりも流路断面積が小さな小径部25A,25B,25Cがそれぞれ形成されるとともに、小径部25Aと廃棄物導入口19との間、小径部25A,25Bの間、小径部25B,25Cの間、小径部25Cと重量物排出口18との間に、大径部26A,26B,26C,26Dがそれぞれ形成される。言い換えれば、これら小径部25A,25B,25C及び大径部26A,26B,26C,26Dは、ドラム本体17の両端部を除く長手方向中間部に、廃棄物導入口19側から大径部26A、小径部25A、大径部26B、小径部25B、大径部26C、小径部25C、大径部26Dの順で交互に配置されている。
【0020】
なお、後述するように、廃棄物導入口19から導入された混合廃棄物M(特に重量物H)はドラム本体17内をその長手方向に図1中左側(言い換えれば重量物排出口18側)に流れ、このとき、各流路形成ブロック23a,23b,23cの廃棄物導入口19側(図1中右側)壁面23aA,23bA,23cAは、その流れる混合廃棄物Mを対応する小径部25A,25B,25Cの手前で捕捉する段付き部として機能する(各流路形成ブロック23a,23b,23cにより段付き部が形成される)。また、前述の掻き上げ板24a,24b,24cはそれぞれ、段付き部としての上記各流路形成ブロック壁面23aA,23bA,23cAで捕捉された混合廃棄物Mを回転ドラム1の回転とともにその回転方向に掻き上げて同伴させる掻き上げ機能を有する。また、流路形成ブロック23cの重量物排出口18側(図1中左側)壁面23cBはテーパ形状となっており、ここまで到達した重量物Hが重量物排出口18まで自重ですばやく円滑に転げ落ちるように図られている。
【0021】
27は、本体支持フレーム5の軽量物分離チャンバ9側(図1中右側)端部近傍に支持部材28を介して固定された通路部材であり、ホッパ3を上部に接続するホッパ接続部27aと、このホッパ接続部27aより回転ドラム1側(図1中左側)に設けられ、ホッパ3から投入されホッパ接続部27aを介し導入された混合廃棄物Mを導出する拡径形状の導出部27bと、ホッパ接続部27aより軽量物分離チャンバ9側(図1中右側)に設けられた軽量物排出部27cとを備えている。このような構造により、通路部材27は、ホッパ接続部27aの下方位置が空気流方向におけるその前後部分(導出部27b及び軽量物排出部27c)に比べて縮径したいわゆるベンチュリ管状の形状となっている。この結果、空気流方向に絞りを設けたのと同等となってこの部分の静圧が低下し、ホッパ接続部27aを介した空気流の吹き出しを低減し、投入混合廃棄物Mの逆流を防止するようになっている。また、導出部27bはドラム本体17の廃棄物導入口19を含む図1中右側端部17a近傍を覆うように、かつ固定側であるその端部27bAが回転側であるドラム本体端部17aとの間にわずかな隙間を介在させるように、配置されている。
【0022】
ホッパ3は、長手方向他方側(図1中左側)に投入口3aを有しており、この投入口3aに後述の投入コンベア40によって搬送される混合廃棄物Mが投入されるようになっている。
【0023】
ブロア4は、本体支持フレーム5の図1中左側端部近傍に支持部材29を介して固定されており、ブロア駆動モータ30(電動モータ、又は油圧モータ、あるいはエンジン直結でもよい。また可変速として風速を自在に調節できるようにしてもよい)によって駆動され混合廃棄物M中の軽量物Lを重量物Hから選別し搬送するための空気流を生起する。31はブロア4の出口側に接続された送風ダクト、32は送風ダクト31の送風方向下流側に配置された略円板状のダクトガードである。このダクトガード32は、その径方向中心側領域は例えば格子状のフィルタ部となっており、送風ダクト31からの空気流に含まれる粗大な異物をブロックし本体回転ドラム1内への流入を防止している。そしてダクトガード32は、全体として、ドラム本体17の重量物排出口18を含む図1中左側端部17b近傍を覆うように、かつ固定側であるその端部32aが回転側であるドラム本体端部17bとの間にわずかな隙間を介在させるように、配置されている。また33は送風ダクト31に連続するように延設される送風フードであり、ブロア4で生起された空気流は、送風ダクト31、送風フード33を介し本体回転ドラム1内に供給される。このとき、送風フード33は、大径部26Dのうち重量物Hを排出する固定側の排出シュート34側の領域には開口部33Aを臨ませて重量物Hを排出可能とする一方、排出シュート34と反対側の領域を仕切ってそちらには空気流や重量物Hの流れが流れないようにする役割を果たしている。
【0024】
軽量物分離チャンバ9は、前述の通路部材軽量物排出部27cに接続される入口側空気通路を構成する導入部9aと、上記フィルタ装置7を設置する出口側空気通路を構成する空気流排出部9bと、下方に設けられる軽量物排出部9cとを備えている。また35は下端部が前述のフィルタ側ベースフレーム8に、上端部が軽量物分離チャンバ9の下部に接続された公知のリンク機構であり、前述のようにピン10を傾動支点として本体支持フレーム5が傾動することで軽量物排出部27cの高さが変化するのに追従させて、軽量物分離チャンバ9の高さ方向位置を調整できるようになっている。また36は、導入部9aと通路部材27の軽量物排出部27cとの間に設けられた、例えば弾性材料からなるシール部材であり、前述のように本体支持フレーム5が傾動することで軽量物排出部27cと導入部9aとの間のなす角度等微妙な位置関係が変化しても、これらの間をシールし空気流の漏れのない接続を確保できるようになっている。
【0025】
フィルタ装置7は、軽量物分離チャンバ9の空気流排出部9bに設けられ、導入部9aから軽量物分離チャンバ9内に導入された軽量物Lを含む空気流から、軽量物Lを除去する機能を備えている。このフィルタ装置7により除去された軽量物Lは、軽量物排出部9cから軽量物分離チャンバ9の下方に排出されるようになっている。
【0026】
ここで、本実施の形態の最も大きな特徴は、投入コンベアを風力選別機本体に搭載したことである。以下、この詳細について説明する。
図2は風力選別機100の全体構造を表す一部断面で示す側面図、図3は図2中矢印A方向から見た風力選別機100の矢視後面図(但し、ベースフレーム6は図示せず)、図4は一部断面(図2中IV-IV面相当)で示す風力選別機100の正面図(但し、ベースフレーム6は図示せず)である。
【0027】
これら図2乃至図4において、40は投入コンベア(コンベア)である。また、41はコンベアフレーム、42,43はこのコンベアフレーム41の両端に設けた駆動輪及び従動輪、44はこれら駆動輪42及び従動輪43に巻き回され、図示しない駆動モータによって駆動輪42が回転駆動されることにより循環駆動する搬送ベルトであり、これらは上記投入コンベア40に備えられる。
【0028】
また、45,46は略門型形状をしたコンベア支持架台であり、コンベア支持架台45,45は本体回転ドラム1に覆い被さるようにして本体支持フレーム5に設けられ、コンベア支持架台46は支持部材29に設けられている。投入コンベア40は、これらコンベア支持架台45,46によりコンベアフレーム41が支持固定されることによって、本体回転ドラム1の上方にその長手方向が本体回転ドラム1の長手方向と略平行となるように並列に配設されている。このとき、投入コンベア40は、その従動輪43側末端がホッパ3の投入口3aに挿し込まれ、駆動輪42側末端がコンベア支持架台46から長手方向他方側(図2中左側)に突き出るように配置されている。
【0029】
301は、本風力選別機100を例えば二次選別機として用いる場合に、その前段の一次選別を行う一次選別機300(後述の図6参照)の排出コンベアである(又は別途用意する中間コンベアでもよい)。また、47は、投入コンベア40の長手方向他方側においてその短手方向両側に取り付けられ、上方に向けて拡開形状をした煽り板である。この煽り板47,47により、上記排出コンベア301から受け渡される混合廃棄物を効率良く搬送ベルト44上に導入することができるようになっている。このとき、この混合廃棄物の受け入れ場所である投入コンベア40の煽り板設置箇所は、本体支持フレーム5の傾動支点であるピン10の略上方に位置しており、本体支持フレーム5を傾動させ本体回転ドラム1の傾斜角度を変更した場合にも、その混合廃棄物の受け入れ位置の高さ方向の変化が小さくなるようになっている。
【0030】
なお、上記図2においては、風力選別機100の長手方向他方側(図2中左側)から投入コンベア40に混合廃棄物を受け渡すようにしたが、例えば図5に示すように片側の煽り板47を取り外すことで、短手方向(すなわち横方向)から混合廃棄物を受け渡すことも可能である。これにより、本風力選別機100が設置される最終処分場等内におけるレイアウトの自由度を大きくすることができるようになっている。
【0031】
以上において、ピン10はフレームの長手方向一方側に設けた傾動支点を構成する。
【0032】
次に、上記構成の本発明の風力選別機の一実施の形態の動作及び作用を以下に説明する。
上記構成の風力選別機100において、図1に示すようにシリンダ11を伸長させて本体回転ドラム1の廃棄物導入口19側が高くなるように本体支持フレーム5を傾斜させ保持した後、本体回転ドラム駆動モータ2を駆動すると、回転ドラム支持ローラ16a,16bを介し本体回転ドラム1はその軸心線まわりに回転する。そしてブロア駆動モータ30を駆動すると、ブロア4から空気流が生起されて送風ダクト31、送風フード33を介し本体回転ドラム1内に供給され、さらに通路部材27の導出部27bで絞られ、軽量物排出部27cから軽量物分離チャンバ9内に吹き出される。
【0033】
この状態で、例えばコンクリート塊、木材片、ガラス片、がれき類等の重量物Hやビニールシート、紐状あるいはフィルム状の物等の軽量物L等が混在した混合廃棄物Mが、一次選別機300の排出コンベア301から投入コンベア40に受け渡されると、搬送ベルト44により傾斜方向上方に向かって搬送され、ホッパ3の投入口3aより投入される。投入された混合廃棄物Mは、通路部材ホッパ接続部27aより下方に導入されて上記の空気流が吹き付けられて衝突され、大部分の軽量物Lはこの空気流に載って(風力によって)選別され、空気流れの下流側(図1中右側)に搬送されて、軽量物分離チャンバ9内に導入される。一方、重量物Hは、空気流には載らず(重力によって風力に打ち勝ち)、上記のように本体支持フレーム5が傾斜していることから自重によって選別されなかった残りのわずかな軽量物Lとともに(その意味では正確には重量物Hと軽量物Lとの混合廃棄物である)通路部材導出部27bから廃棄物導入口19を介し本体回転ドラム1内に導入され、さらにドラム本体17内周面に沿って本体回転ドラム1の長手方向他方側(図1中左側)へ向かって転がるようにして流れていく。このとき、重量物Hの流れ方向(=空気流方向とは逆になる)最上流側の流路形成ブロック23aの壁面23aAによって、上記のように傾斜に沿って流れる重量物Hは一旦捕捉され滞留する。このとき、壁面23aAの手前側(図1中右側)の大径部26Aには周方向複数箇所に掻き上げ板24aが設けられていることから、上記捕捉された重量物Hは、掻き上げ板24a,24aの間に滞留する。この結果、回転ドラム本体1が回転していることから、捕捉された重量物Hは掻き上げ板24aによってその回転方向に掻き上げて同伴され、高さ方向に大きく持ち上げられた後に重力で再び落下して攪拌され解きほぐされ、この落下するときに流路形成ブロック23aを乗り越えつつ小径部25Aを通過し、次の大径部26Bに流入する。以下同様に、流入した重量物Hは再び流路形成ブロック23bの壁面23bAによって捕捉されて大径部26Bに設けた掻き上げ板24b,24bの間に滞留し、回転ドラム本体1の回転と共に掻き上げ板24aによって持ち上げられた後に落下して解きほぐされ、流路形成ブロック23bを乗り越えつつ小径部25Bを通過し、次の大径部26Cに流入する。さらに重量物Hは再び流路形成ブロック壁面23cAによって捕捉されて掻き上げ板24cによって持ち上げられた後に落下して解きほぐされ、流路形成ブロック23cを乗り越え小径部25Cを通過し、最終段の大径部26Dに流入する。
【0034】
このように、大径部26に滞留→掻き上げ板24で持ち上げて落下→流路形成ブロック23を乗り越えて小径部25を通過→次の大径部26に流入、という挙動を繰り返させることにより、例えば石、がれき等の重量物Hに、ビニールシート、紐状あるいはフィルム状の軽量物Lが強固に絡み合っていた等によって、軽量物Lが重量物Hに付着し塊を形成している場合であっても、その塊を確実に解きほぐし、軽量物Lを重量物Hから剥がし取り分離することができる。このときまた、小径部25を通過し各流路形成ブロック23を乗り越えるとき、ブロック23のエッジによって軽量物Lを剥がしとる効果もある。さらに、小径部25においては断面積の縮小(縮径)に伴って空気流の流速が増大するため、ここを通過するときにその速い空気流によって塊状となったものから軽量物Lを剥がし取ることで分離促進することができ、また大きな重量物Hが通過するときには、実質的な空気流通過断面積が減少してさらに空気流速が増大し、さらに分離促進することができる。なおこの空気流の流速増大は、軽量物Hが傾斜方向下側(重量物排出口側)に落ちていくのを確実に防止できる効果もある。
【0035】
なお、ホッパ3に投入された混合廃棄物M内に、大径部26Aの空気流速では軽量物排出口(廃棄物導入口)19まで吹き飛ばすことができず、かといって小径部(縮径部)25Aの風速では押し戻されて重量物排出口18側へ向かって流路形成ブロック23aも乗り越えられないような小型、微細な重量物(例えば金属片等)が含まれる場合等は、大径部26Aから上記のスクリーン21を介し中間物排出口20より本体回転ドラム1外へ排出される。
【0036】
以上のようにして軽量物Lが十分に分離された重量物Hは、大径部26Dから重量物排出口18、さらに排出シュート34を介し、最終的に本体回転ドラム1の下方側端部(言い換えればブロア4側端部)から排出される。
【0037】
一方、重量物Hから分離された軽量物Lは、ブロア4によって本体回転ドラム1内を吹き通されている空気流により傾斜を上る方向(図1中右側)へと搬送され、廃棄物導入口19を介し本体回転ドラム1の上方側端部(言い換えればブロア4と反対側端部)から排出され、さらに通路部材27の導出部27b、軽量物排出部27cを経て軽量物分離チャンバ9内へと排出される。
【0038】
以上のようにして混合廃棄物Mの選別が行われる風力選別機100において、選別効果の強弱は、混合廃棄物Mの本体回転ドラム1内における滞在時間(すなわち本体回転ドラム1の傾斜角度)による。すなわち、本体回転ドラム1の傾斜角度が小さい場合には、ドラム内の混合廃棄物Mの自重による傾斜方向下側への流れ速度が遅くなるため、各流路形成ブロック23の壁面に捉えられやすくなり、各掻き上げ板24による攪拌・解きほぐし時間が長くなる。この結果、混合廃棄物Mを重量物Mと軽量物Lとに選別する効果が強くなる。一方、本体回転ドラム1の傾斜角度が大きい場合には、混合廃棄物Mの自重による傾斜方向下側への流れ速度が速くなるため、各流路形成ブロック23の壁面に捉えられにくくなり、各掻き上げ板24による攪拌・解きほぐし時間が短くなる結果、選別効果が弱くなる。このように、本風力選別機100においては、本体回転ドラム1の傾斜角度を調整することで混合廃棄物Mのドラム内での滞在時間を変化させ、選別効果の強弱を調整する。したがって、選別精度を向上させるためには、投入される混合廃棄物Mの性状等に応じ、その都度本体回転ドラム1の傾斜角度を変更することが効果的である。
【0039】
図6は、このときの本体回転ドラム1の傾斜角度を変更する動作を示す図である。尚、この図6では煩雑防止のため、煽り板47及び軽量物分離チャンバ9等は図示省略する。
この図6に示すように、混合廃棄物Mが比較的選別しやすい性状である場合には図中アのように傾斜角度を比較的大きくし、例えば重量物Hに軽量物Lが強固に絡み合って混合物Mが比較的選別しにくい性状である場合には図中イのように傾斜角度を比較的小さくする。このように傾斜角度を変更するときの、一次選別機300の排出コンベア301から投入コンベア40へ受け渡される混合廃棄物Mの受け入れ位置(すなわち排出コンベア301の先端近傍を通過する鉛直線(図中1点鎖線ウで示す)と投入コンベア40との交点の位置)の高さ方向の変化量は、図中両矢印エが示す範囲となる。
【0040】
ここで、風力選別機が前述した従来技術のような投入コンベア40を搭載していない構造である場合には、混合廃棄物Mの受け入れ位置となるホッパ投入口3aの高さ方向の位置変化量は図6中両矢印オに示すように比較的大きくなり、一次選別機の排出コンベアの大幅な高さ調整作業が必要となる(本実施の形態では、例えば排出コンベア301を釣支する支持部材302を異なる長さのものに交換する作業等が必要となる)。さらに、一次選別機の排出コンベアが固定式で排出高さを調整できない場合や調整できてもその高さ調整が位置変化量オに及ばない場合には、一次選別機の排出コンベアから風力選別機100の投入コンベア40まで混合廃棄物Mを搬送する中間コンベアを別途設ける必要があり、しかもこの場合にはその中間コンベアの高さ調整作業又は高さの異なる中間コンベアへの交換作業が必要となる。このように、本体回転ドラム1の傾斜角度を変更するたびに、一次選別機の排出コンベアの高さ調整作業、又は中間コンベアの設置作業及び高さ調整・交換作業が必要となる。
【0041】
これに対し、本実施の形態では、前述したように混合廃棄物受け入れ位置が本体支持フレーム5の傾動支点であるピン10の略上方となるように構成するので、本体回転ドラム1の傾斜角度変更の際のその高さ位置の変化量を図中両矢印ウが示すように大幅に小さくすることができる。これにより、一次選別機排出コンベア301の高さ調整作業が不要となり、また中間コンベアが不要となることでその中間コンベアの設置作業及び高さ調整・交換作業についても不要となるので、この余分な作業が不要となる分、上記従来技術と比べて風力選別機100による混合物の選別作業時間を大幅に増加させることができる。したがって、混合廃棄物の選別生産性を向上することができる。さらに、中間コンベアが不要となる分、風力選別機100の設置時に必要となるスペースを小さくすることができ、最終処分場等の現場におけるレイアウトの自由度を大きくすることができる。
【0042】
次に、本発明の風力選別機の他の実施の形態を図7を参照しつつ説明する。本実施の形態は、投入コンベア40を本体回転ドラム1に対して傾動可能に設けたものである。
図7は、本発明の風力選別機の他の実施の形態の全体構成を一次選別機と共に表す側面図である。なお、この図7において、前述の一実施の形態における図2と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
【0043】
この図7において、200は本実施の形態の風力選別機である。また、50は投入コンベア40の傾動動作用のシリンダ(例えば電動シリンダ、油圧シリンダ等)であり、一端側(図7中下側)がピン51を介し支持部材29に設けたブラケット52に回動自在に接続されており、他端側(図7中上側)がピン53を介しコンベアフレーム41の長手方向一方側(図7中左側)に設けたブラケット54に回動自在に接続されている。また、55はコンベアフレーム41の長手方向他方側(図7中右側)に設けたブラケットであり、このブラケット55はコンベア支持架台45の上端部にピン56を介して回動自在に接続されている。このような構造により、シリンダ50の伸縮動作によって投入コンベア40をピン56を回動支点として回動させ、本体回転ドラム1に対し所望の傾斜角度に保持可能となっている。このとき、回動支点であるピン56が投入コンベア40の長手方向他方側末端近傍に位置することにより、投入コンベア40の長手方向他方側末端(すなわちホッパ3の投入口3aに挿し込まれた部分)の回動動作による位置変化は極力小さくなるようになっている。
以上説明した部分以外の構成は前述の一実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0044】
上記構成の本発明の風力選別機の他の実施の形態によれば、本体支持フレーム5をベースフレーム6に対し傾動させて本体回転ドラム1及び投入コンベア40を傾斜させた状態から、さらに投入コンベア40を本体回転ドラム1に対し傾動させることができる。これにより、一次選別機300の排出コンベア301からの混合廃棄物の受け入れ場所である投入コンベア40の長手方向一方側(図7中左側)端部の高さを任意に変更することができ、混合廃棄物の受け渡し高さを最適な高さに容易に調整することができる。また、このように混合廃棄物の受け入れ位置の高さを任意に変更できることによって、風力選別機200を例えば既存のプラントに追加する際等にその組み込み箇所の自由度が大きくなり、その結果、その既存のプラント内でのレイアウトの自由度を大きくすることができる。また、例えば混合廃棄物が選別しやすい性状であり、前述の一実施の形態の図6中アのように比較的傾斜角度を大きくした状態において、混合廃棄物が転がりやすい形状でその傾斜角度では投入コンベア40で搬送しにくい場合などに、本体回転ドラム1の傾斜角度を変更せずに投入コンベア40の傾斜角度のみ小さくして対応することができる。したがって、風力選別機200で選別可能な混合廃棄物の対象範囲を拡大する効果も得ることができる。
【0045】
なお、以上説明してきた本発明の風力選別機の一実施の形態及び他の実施の形態においては、本体回転ドラム1を回転駆動する構造としたが、これに限らず、本体ドラムが回転駆動しない構造の風力選別機に本発明を適用してもよい。
【0046】
また、上記本発明の一実施の形態及び他の実施の形態においては、本体支持フレーム5のベースフレーム6に対する傾動駆動及び投入コンベア40の本体回転ドラム1に対する傾動駆動をシリンダを用いて行うようにしたが、これに限らず、例えば棒状の支持部材で本体支持フレーム5又は投入コンベア40を支持し、その支持部材の長さをターンバックル等によって可変させることにより、これら本体支持フレーム5又は投入コンベア40を所望の傾斜角度に支持するようにしてもよいし、その棒状の支持部材に複数の挿通孔を設け、本体支持フレーム5又は投入コンベア40に設けた突起部をその複数の挿通孔のうちの1つに選択的に嵌合させることで所望の傾斜角度に支持するようにしてもよい。また、チェーンブロック等の別途の支持手段で所望の傾斜角度に保持するようにしてもよい。
【0047】
また、上記本発明の一実施の形態及び他の実施の形態においては、一次選別機300により一次選別された混合廃棄物を風力選別機100(又は風力選別機200)に受け入れ二次選別を行うようにしたが、これに限らず、風力選別機100(又は風力選別機200)を単独で用いてもよい。このとき、例えば油圧ショベル等の重機により混合廃棄物を直接投入コンベア40に投入すること等が考えられるが、この場合、前述したように投入コンベア40の混合廃棄物の受け入れ位置の高さ変動が小さいことにより、油圧ショベル等の重機による投入作業性を向上することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、コンベアを長手方向一方側から長手方向他方側に向けて延在するように筒状部材に設け、これら筒状部材とコンベアとが長手方向一方側を傾動支点としてフレームに対し傾動するので、選別効果の調整のために筒状部材の傾斜角度を変更しても、外部からの混合物の受け入れ場所であるコンベアの長手方向一方側末端の高さ変化を少なくすることができる。この結果、傾斜角度を変更するたびにコンベアの高さ調整作業、又は中間コンベアの設置作業及び高さ調整・交換作業が必要となる前述の従来技術のような構造に比べ、その余分な作業が不要となる分、風力選別機による混合物の選別作業時間を増加させることができる。したがって、混合物の選別生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風力選別機の一実施の形態の内部構造を表す側断面図である。
【図2】本発明の風力選別機の一実施の形態の全体構造を表す一部断面で示す側面図である。
【図3】本発明の風力選別機の一実施の形態の全体構造を表す図2中矢印A方向から見た矢視後面図である。
【図4】本発明の風力選別機の一実施の形態の全体構造を表す一部断面で示す正面図である。
【図5】本発明の風力選別機の一実施の形態の変形例の全体構造を表す一部断面で示す正面図である。
【図6】本発明の風力選別機の一実施の形態における本体回転ドラムの傾斜角度を変更する動作を示す図である。
【図7】本発明の風力選別機の他の実施の形態の全体構成を一次選別機と共に表す側面図である。
【符号の説明】
1 本体回転ドラム(筒状部材)
3 ホッパ
4 ブロア(送風機)
6 ベースフレーム(フレーム)
10 ピン(傾動支点)
40 投入コンベア(コンベア)
100 風力選別機
200 風力選別機
M 混合廃棄物(混合物)
Claims (2)
- 風力により混合物を選別する風力選別機において、
フレームと、
その長手方向一方側に設けた傾動支点を介し前記フレームに傾動可能に支持された筒状部材と、
この筒状部材の長手方向他方側に設けたホッパと、
前記筒状部材の長手方向一方側から前記ホッパに向けて延在するように前記筒状部材に設けたコンベアと、
前記筒状部材の長手方向一方側に設けられ、前記コンベアにより前記ホッパに投入され前記筒状部材内を移動する混合物に吹き付けるための空気流を生起する送風機と
を備えたことを特徴とする風力選別機。 - 請求項1記載の風力選別機において、前記コンベアを、前記筒状部材の長手方向他方側を傾動支点として前記筒状部材に対し傾動可能に設けたことを特徴とする風力選別機。
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