以下、本発明の実施例としてのディスクのフォーマット及び記録再生装置を以下の順序で説明する。
1)ディスク及び記録再生装置の外観及び構成
2)ディスクにおけるP−TOCフォーマット
3)ディスクにおけるU−TOCフォーマット
4)ディスクにおけるエリア構造
5)データ用セクターのフォーマット
6)データU−TOCによるデータファイル管理方式
7)データU−TOC管理による記録/再生動作
<1.ディスク及び記録再生装置の外観及び構成>
図1に実施例となる記録再生装置及びディスクの外観を示す。
ディスク1としては光磁気ディスクが用いられるが、図1に示すようにその外部はカートリッジKに収納されており、シャッタSがスライドされることによりディスク記録面が表出されるようになされている。
記録再生装置10としてはディスク1が収納されたカートリッジKが装填されるディスク挿入部11が設けられ、カートリッジKがこのディスク挿入部11に挿入されることにより、図示しない内部機構によってシャッタSがスライドされ、ディスク1の盤面が表出されて記録又は再生可能状態とされる。
記録再生装置10の筺体上面にはユーザー操作に供されるキー入力部12及びデータ検索のためのメニュー情報や検索されたデータの表示出力を行なうための表示部13が設けられている。キー入力部12としてはカーソル移動キー、エンターキー、データ入力キー等が設けられる。
また14は画像スキャナ部であり、紙面に記された画像情報を検出してドットデータに変換し、画像データとして入力できるようになされている。
さらに15は入出力コネクタ部であり、通信ケーブルCを接続することにより、他の情報機器(コンピュータ、ワープロ等)とデータの送受信ができるようになされている。
記録再生装置10の要部の構成は図2に示される。
図2においてはディスク1(ディスク1を収納したカートリッジK)が装填された状態で示している。21は記録再生装置の各種動作を制御するシステムコントローラを示し、例えばマイクロコンピュータにより形成される。
22はスピンドルモータであり、装填されたディスク1はスピンドルモータ22により回転駆動される。23はディスク1に対して記録/再生時にレーザ光を照射する光学ヘッドであり、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力をなし、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力をなす。
このため、光学ヘッド23はレーザ出力手段としてのレーザダイオードや、偏向ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。対物レンズ23aは2軸機構24によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されており、また、光学ヘッド23全体はスレッド機構25によりディスク半径方向に移動可能とされている。
また、26は供給された情報によって変調された磁界を光磁気ディスクに印加する磁気ヘッドを示し、ディスク1を挟んで光学ヘッド23と対向する位置に配置されている。
再生動作によって、光学ヘッド23によりディスク21から検出された情報はRFアンプ27に供給される。RFアンプ27は供給された情報の演算処理により、再生RF信号、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、絶対位置情報(ディスク1にプリグルーブ(ウォブリンググルーブ)として記録されている絶対位置情報)、アドレス情報、サブコード情報、フォーカスモニタ信号等を抽出する。そして、抽出された再生RF信号はデコーダ部28に供給される。また、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号はサーボ回路29に供給される。さらにフォーカスモニタ信号はシステムコントローラ21に供給される。
また、アドレスデコーダ29から出力される、プリグルーブ情報をデコードして得られた絶対位置情報、又はデータとして記録されたアドレス情報はデコーダ部28を介してシステムコントローラ21に供給され、各種の制御動作に用いられる。
サーボ回路29は供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号や、システムコントローラ21からのトラックジャンプ指令、シーク指令、回転速度検出情報等により各種サーボ駆動信号を発生させ、2軸機構24及びスレッド機構25を制御してフォーカス及びトラッキング制御をなし、またスピンドルモータ22を一定角速度(CAV)又は一定線速度(CLV)に制御する。
再生RF信号はデコーダ部28でEFM復調、CIRCデコード、ACIRCデコード等のデコード処理された後システムコントローラ21を介して所定の処理に供される。
また、記録動作の際にディスク1に記録すべき情報としてシステムコントローラ21に供給された情報はエンコーダ30においてACIRCエンコード、CIRCエンコード、EFM変調等のエンコード処理された後磁気ヘッド駆動回路31に供給される。
磁気ヘッド駆動回路31はエンコード処理された記録データに応じて、磁気ヘッド26に磁気ヘッド駆動信号を供給する。つまり、ディスク1に対して磁気ヘッド26によるN又はSの磁界印加を実行させる。また、このときシステムコントローラ21は光学ヘッド23に対して、記録レベルのレーザ光を出力するように制御信号を供給する。
32はコードデータをフォントデータに変換するための変換メモリであり、ディスク1から読み出した文字データ等の表示のためのフォント変換処理を行なう。
また、33はバッファRAMであり画像スキャナ14によって取り込まれたドットデータ、表示部13で表示させる表示データ、コネクタ部15による送受信データなどの一時保持や、ディスク1から読み出されたデータを出力する際の一時記憶部として機能する。
また、ディスク1に対して記録/再生動作を行なう際には、ディスク1に記録されている管理情報、即ちP−TOC,U−TOC,及びデータU−TOCを読み出して、システムコントローラ21はこれらの管理情報に応じて記録すべきアドレスや、データ検索及び再生すべきアドレスを判別することとなるが、この管理情報はバッファRAM33に保持される。つまり、システムコントローラ21はこれらの管理情報をディスク1が装填された際に管理情報エリア(例えばディスクの最内周側)の再生動作を実行させることによって読み出し、バッファRAM33に記憶しておき、以後そのディスク1に対する記録/再生動作の際に参照できるようにしている。
また、U−TOC,及びデータU−TOCはデータの記録や消去に応じて書き換えられるものであるが、システムコントローラ21は記録/消去動作のたびにこの書換をバッファRAM33に記憶された管理情報に対して行ない、その書換動作に応じて所定タイミングでディスク1の管理情報エリアについても書き換えるようにしている。
34は通信回路を示し、コネクタ部15を介してデータの外部機器と送受信を実行する。
35は表示コントローラであり、システムコントローラ21からの表示データ、即ち検索メニューの表示やディスク1から読み出したデータの表示等を表示部13において実行させるための制御回路となる。
以上の構成により、記録再生装置10は各種データのディスク1に対する記録動作及び再生動作が可能となる。
<2.ディスクにおけるP−TOCフォーマット>
次にディスク1におけるP−TOCのフォーマットについて説明する。
なお、音響記録再生用のいわゆるミニディスクシステムとしてのディスクの場合、予め楽曲等が記録されているプリマスタードタイプ(光ディスク)のものとユーザーが音楽データ等を記録することのできるデータ書き換え可能とされるもの(光磁気ディスク)、及び楽曲等を予め記録したROMエリアと録音可能な光磁気エリアを設けたハイブリッドタイプのものがあり、これらのディスクにはそのタイプに応じて、既に楽曲等のデータが記録されているエリアや未記録エリアを管理するデータ等がP−TOC又はU−TOC情報として記録されている。
本実施例のディスク及び記録再生装置は、このミニディスクシステムのフォーマットを利用したうえで、データ記録用途に好適なものとするものであり、P−TOC及びU−TOCにおける管理情報としては、必要部分をそのまま流用している。従って、オーディオデータの記録を行なわない場合は不要な情報も含まれるが、以下、そのオーディオデータ用の管理情報も含めて説明する。
P−TOC情報としては、ディスクの記録可能エリア(レコーダブルユーザーエリア)などのエリア指定やROMエリアの管理等が行なわれる。また、オーディオデータ用途として、プリマスタードディスク又はハイブリッドディスクの場合に、ROM化されて記録されている楽曲の管理も行なうことができるようになされている。
P−TOCのフォーマットを図3に示す。
図3はP−TOC用とされる領域(例えばディスク最内周側のROMエリア)において繰り返し記録されるP−TOC情報の1つのセクターを示している。
P−TOCのセクターのデータ領域は、例えば4バイト×587 のデータ領域として構成され、先頭位置にオール0又はオール1の1バイトデータによって成る同期パターンを及びクラスタアドレス及びセクターアドレスを示すアドレス等が4バイト付加され、以上でヘッダとされてP−TOCの領域であることが示される。
また、ヘッダに続いて所定アドレス位置に『MINI』という文字に対応したアスキーコードによる識別IDが付加されている。
さらに、続いてディスクタイプや録音レベル、記録されている最初の楽曲の曲番(First TNO)、最後の楽曲の曲番(Last TNO) 、リードアウトスタートアドレスROA 、パワーキャルエリアスタートアドレスPCA 、U−TOC(後述する図4のU−TOCセクター0のデータ領域)のスタートアドレスUSTA 、録音可能なエリアのスタートアドレスRSTA 等が記録され、さらに続いて、記録されている各楽曲等を後述する管理テーブル部におけるパーツテーブルに対応させるテーブルポインタ(P-TNO1 〜P-TNO255) を有する対応テーブル指示データ部が用意されている。
そして対応テーブル指示データ部に続く領域には、対応テーブル指示データ部におけるテーブルポインタ(P-TNO1 〜P-TNO255) に対応して、(01h) 〜(FFh) までの255個のパーツテーブルが設けられた管理テーブル部が用意される(なお、以下『h』を付した数値はいわゆる16進表記のものである)。
それぞれのパーツテーブルには、或るセグメント(この場合、セグメントとはディスクのトラック上で物理的に連続してデータが記録されたトラック部分をいう)について起点となるスタートアドレス、終端となるエンドアドレス、及びそのセグメント(トラック)のモード情報(トラックモード)が記録できるようになされている。
各パーツテーブルにおけるトラックのモード情報とは、そのセグメントが例えばオーバーライト禁止やデータ複写禁止に設定されているか否かの情報や、オーディオ情報か否か、モノラル/ステレオの種別などが記録されている。
管理テーブル部における(01h) 〜(FFh) までの各パーツテーブルは、対応テーブル指示データ部のテーブルポインタ (P-TNO1〜P-TNO255) によって、そのセグメントの内容が示される。つまり、第1曲目の楽曲についてはテーブルポインタP-TNO1として或るパーツテーブル(例えば(01h) 。ただし実際にはテーブルポインタには所定の演算処理によりTOCセクター0内のバイトポジションで或るパーツテーブルを示すことができる数値が記されている)が記録されており、この場合パーツテーブル(01h) のスタートアドレスは第1曲目の楽曲の記録位置のスタートアドレスとなり、同様にエンドアドレスは第1曲目の楽曲が記録された位置のエンドアドレスとなる。さらに、トラックモード情報はその第1曲目についての情報となる。
同様に第2曲目についてはテーブルポインタP-TNO2に示されるパーツテーブル(例えば(02h) )に、その第2曲目の記録位置のスタートアドレス、エンドアドレス、及びトラックモード情報が記録されている。
以下同様にテーブルポインタはP-TNO255まで用意されているため、TOC上では第255曲目まで管理可能とされている。
そして、このようにTOCセクター0が形成されることにより、例えば再生時において、所定の楽曲をアクセスして再生させることができる。
なお、本実施例について後述するようにデータ記録用途に用いられる場合、又は音楽用途であってもプリマスタードの楽曲エリアが存在しない録音/再生タイプのディスクの場合は、上記した対応テーブル指示データ部及び管理テーブル部は用いられることはないため、各バイトは全て『00h』とされている。
<3.ディスクにおけるU−TOCフォーマット>
図4はU−TOCの1セクターのフォーマットを示しており、主にユーザーが録音を行なった楽曲や新たに楽曲が録音可能な未記録エリアについての管理情報が記録されているデータ領域とされる。
例えばディスクが音楽用途とされて、これに或る楽曲の録音を行なおうとする際には、このユーザーTOCからディスク上の未記録エリアを探し出し、ここに音声データを記録していくことができるようになされている。また、再生時には再生すべき楽曲が記録されているエリアをU−TOC情報から判別し、そのエリアにアクセスして再生動作を行なう。
図4に示すU−TOCのセクターには、P−TOCと同様にまずヘッダが設けられ、続いて所定アドレス位置に、メーカーコード、モデルコード、最初の楽曲の曲番(First TNO)、最後の楽曲の曲番(Last TNO)、セクター使用状況、ディスクシリアルナンバ、ディスクID等のデータが記録され、さらに、ユーザーが録音を行なって記録されている楽曲の領域や未記録領域等を後述する管理テーブル部に対応させることによって識別するため、対応テーブル指示データ部として各種のテーブルポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TNO1〜P-TNO255) が記録される領域が用意されている。
そして対応テーブル指示データ部のテーブルポインタ(P-DFA〜P-TNO255) に対応させることになる、管理テーブル部として(01h) 〜(FFh) までの255個のパーツテーブルが設けられ、それぞれのパーツテーブルには、上記図3のTOCセクター0と同様に或るセグメントについて起点となるスタートアドレス、終端となるエンドアドレス、そのセグメントのモード情報(トラックモード)が記録されており、さらにこのU−TOCセクター0の場合、各パーツテーブルで示されるセグメントが他のセグメントへ続いて連結される場合があるため、その連結されるセグメントのスタートアドレス及びエンドアドレスが記録されているパーツテーブルを示すリンク情報が記録できるようになされている。
音楽用途のミニディスクシステムの場合、例えば1つの楽曲のデータが物理的に不連続に、即ち複数のセグメントにわたって記録されていてもセグメント間でアクセスしながら再生していくことにより再生動作に支障はないため、ユーザーが録音する楽曲等については、録音可能エリアの効率使用等の目的から、複数セグメントにわけて記録する場合もある。そのため、リンク情報が設けられ、例えば各パーツテーブルに与えられたナンバ(01h) 〜(FFh) (実際には所定の演算処理によりU−TOCセクター0内のバイトポジションとされる数値で示される)によって、連結すべきパーツテーブルを指定することによってパーツテーブルが連結できるようになされている。(なお、あらかじめ記録される楽曲等については通常セグメント分割されることがないため、前記図3のようにTOCセクター0においてリンク情報はすべて『(00h) 』とされている。)
つまりU−TOCセクター0における管理テーブル部においては、1つのパーツテーブルは1つのセグメントを表現しており、例えば3つのセグメントが連結されて構成される楽曲についてはリンク情報によって連結される3つのパーツテーブルによって、そのセグメント位置の管理はなされる。
U−TOCセクター0の管理テーブル部における(01h) 〜(FFh) までの各パーツテーブルは、対応テーブル指示データ部におけるテーブルポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TNO1〜P-TNO255) によって、以下のようにそのセグメントの内容が示される。
テーブルポインタP-DFA は光磁気ディスク1上の欠陥領域に付いて示しており、傷などによる欠陥領域となるトラック部分(=セグメント)が示された1つのパーツテーブル又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、欠陥セグメントが存在する場合はテーブルポインタP-DFA において(01h) 〜(FFh) のいづれかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、欠陥セグメントがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、他にも欠陥セグメントが存在する場合は、そのパーツテーブルにおけるリンク情報として他のパーツテーブルが指定され、そのパーツテーブルにも欠陥セグメントが示されている。そして、さらに他の欠陥セグメントがない場合はリンク情報は例えば『(00h) 』とされ、以降リンクなしとされる。
テーブルポインタP-EMPTY は管理テーブル部における1又は複数の未使用のパーツテーブルの先頭のパーツテーブルを示すものであり、未使用のパーツテーブルが存在する場合は、テーブルポインタP-EMPTY として、(01h) 〜(FFh) のうちのいづれかが記録される。未使用のパーツテーブルが複数存在する場合は、テーブルポインタP-EMPTY によって指定されたパーツテーブルからリンク情報によって順次パーツテーブルが指定されていき、全ての未使用のパーツテーブルが管理テーブル部上で連結される。
例えば全く楽曲等の音声データの記録がなされておらず欠陥もない光磁気ディスクであれば、パーツテーブルは全て使用されていないため、例えばテーブルポインタP-EMPTY によってパーツテーブル(01h) が指定され、また、パーツテーブル(01h) のリンク情報としてパーツテーブル(02h) が指定され、パーツテーブル(02h) のリンク情報としてパーツテーブル(03h) が指定され、というようにパーツテーブル(FFh) まで連結される。この場合パーツテーブル(FFh) のリンク情報は以降連結なしを示す『(00h) 』とされる。
テーブルポインタP-FRA は光磁気ディスク1上のデータの書込可能な未記録領域(消去領域を含む)について示しており、未記録領域となるトラック部分(=セグメント)が示された1又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、未記録領域が存在する場合はテーブルポインタP-FRA において(01h) 〜(FFh) のいづれかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、未記録領域であるセグメントがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、このようなセグメントが複数個有り、つまりパーツテーブルが複数個有る場合はリンク情報により、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで順次指定されている。
図5にパーツテーブルにより、未記録領域となるセグメントの管理状態を模式的に示す。これはセグメント(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) が未記録領域とされている時に、この状態が対応テーブル指示データP-FRA に引き続きパーツテーブル(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) のリンクによって表現されている状態を示している。なお、上記した欠陥領域や、未使用パーツテーブルの管理形態もこれと同様となる。
テーブルポインタP-TNO1〜P-TNO255は、光磁気ディスク1にユーザーが記録を行なった楽曲について示しており、例えばテーブルポインタP-TNO1では1曲目のデータが記録された1又は複数のセグメントのうちの時間的に先頭となるセグメントが示されたパーツテーブルを指定している。
例えば1曲目とされた楽曲がディスク上でトラックが分断されずに(つまり1つのセグメントで)記録されている場合は、その1曲目の記録領域はテーブルポインタP-TNO1で示されるパーツテーブルにおけるスタート及びエンドアドレスとして記録されている。
また、例えば2曲目とされた楽曲がディスク上で複数のセグメントに離散的に記録されている場合は、その楽曲の記録位置を示すため各セグメントが時間的な順序に従って指定される。つまり、テーブルポインタP-TNO2に指定されたパーツテーブルから、さらにリンク情報によって他のパーツテーブルが順次時間的な順序に従って指定されて、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで連結される(上記、図5と同様の形態)。このように例えば2曲目を構成するデータが記録された全セグメントが順次指定されて記録されていることにより、このU−TOCセクター0のデータを用いて、2曲目の再生時や、その2曲目の領域へのオーバライトを行なう際に、光学ヘッド3及び磁気ヘッド6をアクセスさせ離散的なセグメントから連続的な音楽情報を取り出したり、記録エリアを効率使用した記録が可能になる。
なお、本実施例について後述するようにデータ記録用途に用いられる場合、このU−TOCにおいても上記した対応テーブル指示データ部及び管理テーブル部は用いられることはないため、全て『00h』とされている。
<4.ディスクにおけるエリア構造>
ここで、ディスク1におけるエリア構造を説明し、上記したP−TOC及びU−TOCの位置関係及び管理態様を説明する。
光磁気ディスクの場合、大きくわけて図6にピットエリアとして示すようにエンボスピットによりデータが記録されているエリア(プリマスタードエリア)と、いわゆる光磁気エリアとされてグルーブが設けられているグルーブエリアに分けられる。
ここでプリマスタードエリアとしては上記したP−TOCが記録される再生専用管理エリアとされており、P−TOCセクターが繰り返し記録されている。
なお、ディスク1における記録トラックに対する最小の記録再生動作単位はクラスタとされており、つまり、記録動作又は再生動作は必ず1クラスタを最小単位として実行される。
そして1クラスタは図7に示すように36セクターから構成されている。ただし、そのうちの4セクターはサブデータやリンキングエリアとしてなどに用いられるサブデータ領域とされ、TOCデータ、オーディオデータ、もしくは本実施例で実現されるオーディオ以外の一般データの記録は32セクターのメインデータ領域に行なわれる。
図6に示すようにディスク1の最内周側のプリマスタードエリアに続いて、例えばクラスタアドレス『0000h』〜『0BFFh』までグルーブエリアが形成されるが、このうちクラスタアドレスとして『0000h』から上記P−TOC内のリードアウトスタートアドレスROA として示されるアドレスまでのエリアが、記録可能なレコーダブルエリアとされる。
さらにこのレコーダブルエリアのうち、実際にデータが記録されるレコーダブルユーザーエリアは、上記P−TOC内のレコーダブルユーザーエリアスタートアドレスRSTA として示される位置(例えばクラスタアドレス『0032h』)から、リードアウトスタートアドレスROA までとなる。
この場合でクラスタアドレス『0000h』からレコーダブルユーザーエリアスタートアドレスRSTA (クラスタアドレス『0032h』)までは、記録再生管理エリアとされ、上記したU−TOC等が記録されるエリアとなる。
記録再生管理エリアにおいてパワーキャルエリアスタートアドレスPCA として示される位置から1クラスタ分はレーザパワーのキャリブレーションエリアとして設けられる。
U−TOCはクラスタアドレス『0000h』〜『0032h』の記録再生管理エリアにおいて所要の位置に3クラスタ連続して記録されるものであり、U−TOCがどのクラスタアドレスに記録されるかはP−TOCにおけるU−TOCスタートアドレスUSTA に示される。
以上のようにディスク上のエリア管理はP−TOCによってなされ、又レコーダブルユーザーエリアにおいてオーディオデータが記録される場合は、そのレコーダブルユーザーエリアの管理は上記した形態でU−TOCにより行なわれる。
そしてさらに本実施例では、レコーダブルユーザーエリアにおいてオーディオデータ以外のデータの記録/再生を行なうため、これを管理する情報として後述するデータU−TOCが設けられるが、このデータU−TOCはクラスタアドレス『0000h』〜『0032h』の記録再生管理エリアにおいて所要の位置に3クラスタ連続して記録されるものであり、その先頭位置は図示するように、P−TOCにおけるU−TOCスタートアドレスUSTA に示されるU−TOCの先頭位置より例えば『10h』オフセットされたクラスタアドレスとして設定される。または、U−TOCの先頭位置が『0020h』より後方アドレス位置であって、『10h』オフセットされた位置から3クラスタ記録すると『0032h』より後方(つまり、レコーダブルユーザエリア)にはみ出してしまう場合は、U−TOCの先頭位置より例えば『−10h』オフセットされたクラスタアドレス位置から記録されることになる。いづれにしても、データU−TOCも記録再生管理エリア内に記録され、このデータU−TOCはグルーブエリアについてデータ記録再生用に管理を行なう。
そして、記録再生管理エリア内のデータU−TOCのスタートアドレスは、P−TOCには直接示されないが、P−TOCにおけるU−TOCスタートアドレスUSTA に示されるU−TOCの先頭位置アドレスから『10h』または『−10h』だけクラスタアドレスが加算されることによって得られるものとなる。
もちろんデータ記録再生の際に、実際のデータ用に用いられるエリアはレコーダブルユーザーエリアとなる。
以下、本実施例についての特徴となるデータ記録/再生用途としてのデータエリア及びデータU−TOCについてのフォーマットを説明していく。
<5.データ用セクターのフォーマット>
実際のデータの記録/再生に用いられるためにレコーダブルエリア内に設けられるデータ用セクタの構造を図8〜図11で説明する。
なお、最小記録再生動作単位(即ち図2におけるエンコーダ30の入力単位又はデコーダ28の出力単位でもある)は上述したように1クラスタであり、この1クラスタにはメインデータ領域として32セクターが存在するが、図示されているのはそのセクター構造となる。
図8は本実施例に採用されるデータ用セクターのフォーマットを一般的に示している(データU−TOCにおけるセクターも含む)。
1セクターは全体で4×587バイトとされており、セクターの先頭12バイトは同期パターンとされており、例えばCD−ROMの同期パターンが採用される。
続いての16バイトがヘッダとして設けられる。ヘッダとしてはまず2バイトにクラスタアドレスが記録され(Cluster H ,Cluster L )、続いて1バイトにセクターアドレスが記録される(sector)。さらに、続く1バイトにモード情報としてCD−ROM規定のモード情報が記録される。
さらに、続く4バイトにはアプリケーション側のためのアドレスエリア(Logical Sector 0 〜Logical Sector 3)が設けられる。
続いてエラー訂正モードを示す情報(Mode) 、データファイルの属性を示すカテゴリー情報(Category)、データファイルのパラメータを示すインデックス情報(Index )が設けられる。インデックス情報としての具体的な例はカテゴリー情報及びアプリケーションにより決定されるが(後述)、インデックス情報が『00h』であるときは、データ記録内容(つまりボリュームが)ゼロであることを示すことになる。エラー訂正モードを示す情報(Mode) 及びデータファイルの属性を示すカテゴリー情報(Category)については後述する。
ヘッダの最後の4バイトはシステムIDが付加される。
このような16バイトのヘッダに続いて2048バイトのデータエリアが用意される。
データエリア以降の276バイトは付加エリアとされている(Aux 0 〜Aux 275 )。
上記したようにヘッダには第9バイト目にエラー訂正モードを示す情報(Mode) が存在し、エラー訂正モードとしては例えばモード0、モード1、モード2の3種類が考えられる。このモード判別のための情報が情報(Mode) として示されている。各モードにおけるデータ用セクターのフォーマットを順に説明する。
モード0のデータ用セクターのフォーマットは図9に示される。エラー訂正モードを示す情報としてヘッダの第9バイト目(図中5行目の第1バイトの(Mode) )は図示するように『00000000』、つまり『00h』とされている。 このモード0では、特にエラー検出及び訂正用のデータを付加するエリアは設けられていない。つまり4×519バイト目以降の付加エリア(Aux 0 〜Aux 275 )は未定義のままである。
データ用セクターのフォーマットがこのように構成されている場合、このディスクからの再生情報に関しては、記録再生装置において図2に示すデコーダ28でCIRCコードによるエラー検出、訂正処理がなされるのみであるが、CIRCコードはよく知られているように実用上十分なエラー訂正能力を有するものであり特にエラー処理について問題は生じない。
モード1のデータ用セクターのフォーマットは図10に示される。エラー訂正モードを示す情報としてヘッダの第9バイト目の(Mode) は図示するように『00000001』、つまり『01h』とされている。
このモード1では、エラー検出及び訂正用のデータとしてエラー検出用パリティが4バイト付加されている。すなわち2048バイトのデータエリアに続く4バイトにパリティ(ECD0〜ECD3)が付加される。これにより未定義の付加エリアは(Aux 0 〜Aux 271 )の272バイトとなる。
このパリティP(X) (つまりECD0〜ECD3)についての生成多項式は、P(X) =(x16+x15+x2 +1)(x16+x2 +x+1)
である。
データ用セクターのフォーマットがこのように構成されている場合、このディスクからの再生情報に関しては、記録再生装置において図2に示すデコーダ28からのエラー検出結果を用いずに、デコーダ28からのデジタル信号出力のみでエラー検出を行なうことができる。
モード2のデータ用セクターのフォーマットは図11に示される。エラー訂正モードを示すヘッダの第9バイトの情報(Mode) は図示するように『00000010』、つまり『02h』とされている。
このモード2では、付加エリアの全てについてエラー検出及び訂正用のデータが使用される。つまり2048バイトのデータエリアに続く172バイトにPパリティ(P-parity0 〜P-parity171 )が付加され、さらに続く104バイトにQパリティ(Q-parity0 〜Q-parity103 )が付加される。これにより最大80バイト程度のエラー訂正能力が実現される。
このPパリティ及びQパリティはいわゆるCD−ROMで採用されているガロアフィールド(Garoa Field )(28 )との距離(26,24)のリードソロモンコードと同様の構成となっている。
なお、これらのモード0〜モード2では、モードによらずデータエリアはセクター内のバイト位置がセクターとしての第29バイト目〜第2076バイト目の2048バイト(図中7行目〜518行目)に固定されているので、モード0のフォーマットに対応した記録再生装置であっても、モード1又はモード2が採用されたディスクに対しても何の支障もなく再生動作を行なうことができる。つまり、上記のモードフォーマットが採用されることにより、ディスクは記録再生装置に対して下位互換性を備えることになる。
次にヘッダの第10バイト目に設けられるカテゴリー情報の定義について説明する。
・・・ カテゴリー情報(Category)=『00h』の場合。
データエリアの状態に関わらず、このセクターがデータが記録されていないオープンセクターであることを示す。従って、セクターの内容を消去したい場合は、このカテゴリー情報(Category)を『00h』に書き換えればよい。
・・・ カテゴリー情報(Category)=『01h』の場合。
このセクターにバイナリデータが記録されていることを示す。データの種類には制限がない。このようなセクターは、データエリアに記録されたバイトをそのままデジタルデータとしてアプリケーション(ソフトウエア)側に渡すような使い方がされることになる。なお、カテゴリー情報がこの『01h』である場合、続くインデックス情報としては、(Index )としてのバイトに記録されている数値×128バイトの大きさだけデータ領域が確保されていることを示すこととなる。なお、データエリアは2048バイトであるため、インデックス情報(Index )は『00h』〜『10h』の内のいづれかの値をとることになる。
・・・ カテゴリー情報(Category)=『10h』〜『1Fh』の場合。
このセクターにドキュメント(文書)データが記録されていることを示す。
この場合も、続くインデックス情報としては同様に、(Index )としてのバイトに記録されている数値×128バイトの大きさだけデータ領域が確保されていることを示すこととなる。
・・・ カテゴリー情報(Category)=『20h』〜『2Fh』の場合。
このセクターにシングルドットイメージ、つまり1枚のイメージファイルが白黒のドットデータとして記録されていることを示す。この場合も、続くインデックス情報としては同様に、(Index )としてのバイトに記録されている数値×128バイトの大きさだけデータ領域が確保されていることを示す。
・・・ カテゴリー情報(Category)=『30h』〜『3Fh』の場合。
このセクターにマルチプルドットイメージ、つまり複数枚のイメージファイルが白黒のドットデータとして記録されていることを示す。この場合も、続くインデックス情報としては同様に、(Index )としてのバイトに記録されている数値×128バイトの大きさだけデータ領域が確保されていることを示す。
・・・ カテゴリー情報(Category)=『E0h』〜『E2h』の場合。
このセクターはアロケーションテーブルとして使用されていることを示す。本実施例の場合、後述するクラスタアロケーションテーブル(CAT)に相当するセクターとなる。なおクラスタアロケーションテーブル(CAT)としての具体的なデータフォーマット(つまり2048バイトのデータエリアの使用形態を定めたフォーマット)は後述する。
この場合、続くインデックス情報としては、(Index )=『00h』は非使用、(Index )≠『00h』のときは使用するということを表わすこととなる。
・・・ カテゴリー情報(Category)=『F0h』,『F1h』の場合。
このセクターはディレクトリとして使用されていることを示す。本実施例においてディレクトリとして使用されるセクターとしての具体的なデータフォーマット(つまり2048バイトのデータエリアの使用形態を定めたフォーマット)は後述する。
この場合、続くインデックス情報としては、(Index )として示された数値が記録されているディレクトリの数を示すこととなる。後述するようにセクター内にディレクトリは64単位構成することができるので、インデックス情報(Index )は0から64のいづれかの数値を示すことになる。
・・・ カテゴリー情報(Category)=『FEh』,『FFh』の場合。
このセクターはデータファイルに関連して例えばその一部が抽出されて成る文書やドットイメージによる参照情報(参照ファイル)が記録されたセクター(以下、ヘディングセクターという)であることを示す。本実施例においてヘディングセクターとして使用されるセクターとしての具体的なデータフォーマット(つまり2048バイトのデータエリアの使用形態を定めたフォーマット)は後述する。
この場合、続くインデックス情報としては、(Index )として示された数値が記録されている参照ファイル(ヘディングパーツ)の数を示すこととなる。後述するようにヘディングパーツは1セクター内に文書の場合で32ユニット(1ユニット64バイトとすると2048バイトのデータエリアに32ユニット記録可能)であり、ドットイメージの場合で4ユニット(1ユニット512バイトとすると同じくデータエリアに4ユニット記録可能)であるため、インデックス情報(Index )は0〜32もしくは0〜4のいづれかの数値を示すことになる。
<6.データU−TOCによるデータファイル管理方式>
以下、上記のフォーマットのディスクに対して記録/再生を行なう際のデータファイルの管理方式について説明する。なお、ここでは以下のように管理情報のフォーマットを示す。
−a− データU−TOCのクラスタ構成
−b− CAT(クラスタアロケーションテーブル)セクター
−c− ディレクトリセクター
−d− ヘディングセクター
−a− データU−TOCのクラスタ構成
記録再生装置10にディスク1が挿入されると、前述したように先ず記録再生装置10はP−TOCを読み込み、バッファRAM33に保持する。
そして、そのP−TOCの情報の内、U−TOCのスタートアドレスUSTA を参照し、U−TOCの記録位置を確認する。そして、前述したようにデータU−TOCはU−TOCのスタートアドレスUSTA からクラスタアドレスが『10h』又は『−10h』オフセットされた位置に記録されているものであるため(前記図6参照)、その位置にアクセスしてデータU−TOCを取り込む。なお、その位置にデータU−TOCが存在しない場合は、そのディスクはデータ記録のなされていないバージンディスクと判断して、データU−TOCのイニシャライズを行なうこととなる。
データU−TOCを取り込んだ場合(又は初期管理情報を生成してこれを取り込んだ場合)は、その管理情報を用いて実際のデータの記録/再生を行なうべきエリアの管理や、データ検索が行なわれることになる。
ところで、ディスク1がデータ記録専用とされる場合は、実際にU−TOC(つまりオーディオデータの管理情報)が存在していなくてもよい。そしてU−TOCの記録されるべきアドレスはP−TOCの情報であるU−TOCのスタートアドレスUSTA として管理おり、データU−TOCの位置はこのU−TOCのスタートアドレスUSTA から算出されるため、U−TOCの有無に関わらず所定位置にデータU−TOCを生成し、またデータU−TOCを読み込んで管理情報として使用することができる。
このように、データの記録/再生の管理を実行できるように構成されたデータU−TOCのクラスタについて説明する。
データU−TOCは1クラスタのサイズとされ、記録再生管理エリアにおいて上記したU−TOCスタートアドレスUSTA より『10h』又は『−10h』オフセットされた位置に3クラスタにわたって3重書きされるものである。
そしてデータU−TOCにはデータを記録/再生するレコーダブルエリアについてのクラスタ(図6の『0000h』から『0BFFh』までのクラスタ)の結合状態の情報を示すクラスタアロケーションテーブル(以下、CATという)と、データファイル名等が格納され、またそのデータファイルの先頭のアドレス位置(下層のディレクトリが存在し、それを示すディレクトリの場合にはその下層のディレクトリのアドレス位置)等を示すことができるディレクトリ、及び参照情報としてのヘディングパーツを備えたセクターを有する構成とされる。
データU−TOCの32セクター(1クラスタ)の構成を図12に示す。
先ず先頭の3セクター(セクター00〜セクター02)がCAT(CAT0〜CAT2)とされている。
続くセクター03がルートディレクトリのために割り当てられ、以下セクター04〜セクター1Fまでの28セクターにおける『Reserved』はディレクトリの拡張用や後述するヘッディングセクターとして用いることができるように用意されている。
−b− CAT(クラスタアロケーションテーブル)セクター
セクター00に割り当てられるCAT0のフォーマットは図13に示される。CATとして使用されるセクターの場合、16バイトのヘッダにおいて最後の4バイトに割り当てられているシステムID(図8のID0〜ID3)としては、図13に示すように『MINX』という文字がアスキーコードにより記録される。この『MINX』は、そのセクターがオーディオ用ではないデータU−TOCとして使用されていることを示すものとなる。従って、データU−TOCをイニシャライズする際、書き換える際などには記録再生装置10はこの『MINX』をデータU−TOCの各セクターにシステムIDとして記録することになる。これによりP−TOCの識別IDである『MINI』と区別される。
そしてデータU−TOCを読み出す際には、この『MINX』というシステムIDを参照して、そのセクターがデータU−TOCとしてのセクターであるか否かを判別し、データU−TOCとしてのセクターであることが確認されたらそのセクターの情報を管理情報として用いることになる。
また、図13のフォーマットはCAT(CAT0)を示すものであるためヘッダにおける第10バイト目のカテゴリー情報は『11100000』、つまり『E0h』とされ、当セクターがCAT(CAT0)であることを示すことになる。
データエリアとなる2048バイトにはCATユニットとしてのデータが記録されている。CATとしてはレコーダブルエリアにおける全クラスタ(図6の『0000h』から『0BFFh』までのクラスタ)についての結合状態のデータが示される必要があるが、まずCAT0においては、第0から第1023のクラスタについての情報が割り当てられ、1024個のCATユニットが記録される。
なお、レコーダブルユーザーエリアにおけるクラスタのうち、CAT0の1024個のCATユニットで対応しきれないクラスタについては、後述するCAT1,CAT2によって管理されることになる。このように3セクターのCATにより『0000h』から『0BFFh』までの全クラスタをカバーできる。
CATユニットとしては、1クラスタについて2バイトが割り当てられており、例えば第0クラスタは(CAT000-H)と(CAT000-L)により表現される。また同様に、例えば第4クラスタについての情報は(CAT004-H)と(CAT004-L)に示されることとなる。
各CATユニットの構成は図16に示される。2バイトのCATユニットは4ビットずつのワードW0〜W3とされる。
そしてワードW0は、そのクラスタの分類を示し、またワードW1〜W3は、データファイルが連続するクラスタ以外のクラスタに続いている場合にそのアクセスすべきクラスタナンバを示す場合か、又は連続する空きクラスタの長さを示す場合、さらに又はデータファイルの先頭クラスタの場合の結合情報を示す場合のみに用いられる。
ワードW0における定義を図17に示す。
ワードW0=『Fh』の場合はそのクラスタは記録可能な空きクラスタであることを示している。なお、この場合ワードW1〜W3において連続する空きクラスタの長さが示されることになる。
ワードW0=『Eh』は、そのクラスタがあるファイルデータの終了部となるクラスタであることを示す。
ワードW0=『Dh』は、そのクラスタがあるファイルデータ内で次のクラスタに連続しているクラスタであることを示す。
ワードW0=『Ch』は、そのクラスタがあるファイルデータので先頭のクラスタであることを示す。
ワードW0=『Bh』は、そのクラスタから、ワードW1〜W3で示されるクラスタに続いてジャンプすべきことを示している。
ワードW0=『6h』〜『1h』についてはそのクラスタが記録禁止とされているクラスタであることを示し、『6h』はデータファイルの終了部のクラスタ、『5h』は次のクラスタと連続するクラスタ、『4h』はデータファイルの先頭のクラスタ、『3h』はワードW1〜W3で示されるアドレスのクラスタにジャンプすべきクラスタであることをそれぞれ示している。
ワードW0=『0h』であるときは、そのクラスタが記録及び再生禁止とされているクラスタであることを示す。
なお、ワードW0=『Ch』又は『4h』でデータファイルの先頭クラスタとされる場合には、ワードW1,W2,W3が『000h』であれば、そのデータファイルは次のクラスタに連続することを示し、ワードW1,W2,W3が『FFFh』であれば、そのデータファイルはその先頭クラスタである1クラスタのみで終了していることを示し、またワードW1,W2,W3が『000h』又は『FFFh』でない場合は、そのデータファイルはその先頭のクラスタからワードW1,W2,W3で示されるクラスタに連続していることを示すことになる。
このようにCATユニットが構成されることにより、CATとしては例えば4クラスタで1つのデータファイルが形成されている場合、その4つのクラスタに該当する各CATユニットでは、『W0,W1,W2,W3』は、『C000h』『D***h』『D***h』『E***h』となる(*、つまりW1,W2,W3は規定されない)。例えば第0〜第3クラスタがこのようにデータファイルで構成されていれば、(CAT000-H,CAT000-L)のCATユニットから、(CAT003-H,CAT003-L)のCATユニットに『C000h』『D***h』『D***h』『E***h』と記録されることになる。
以上の管理形態でCATが構成されるわけであるが、ディスク1はらせん状に記録トラックが形成されているため、データファイルとしては連続したクラスタに記録されていくことが多くなると考えられる。従って、上記CAT形態は多くの場合においてワードW1〜W3については演算の必要が無いことになり非常に効率的にクラスタ連結状態を把握できることになる。
データU−TOCのセクター01に記録されるCAT1についてのフォーマットは図14に示され、このセクターでも16バイトのヘッダにおいて最後の4バイトに割り当てられているシステムIDとしては、『MINX』がアスキーコードにより記録される。また、ヘッダにおける第10バイト目のカテゴリー情報は『11100001』、つまり『E1h』とされ、当セクターがCAT(CAT1)であることを示すことになる。
データエリアとなる2048バイトにはCAT0と同様に1024個のCATユニットとしてのデータが記録されている。ここでは第1024から第2047のクラスタについての情報が割り当てられる。CATユニット(CAT1024-H ,CAT1024-L )〜(CAT2014-H ,CAT2047-L )までのCATユニットの構造は上記図16、図17のとおりである。
データU−TOCのセクター02に記録されるCAT2についてのフォーマットは図15に示され、このセクターでも16バイトのヘッダにおいて最後の4バイトに割り当てられているシステムIDとしては、『MINX』がアスキーコードにより記録される。また、ヘッダにおける第10バイト目のカテゴリー情報は『11100010』、つまり『E2h』とされ、当セクターがCAT(CAT2)であることを示すことになる。
データエリアとなる2048バイトにはCAT0,CAT1と同様に1024個のCATユニットとしてのデータが記録されている。ここでは第2048から第3071のクラスタについての情報が割り当てられる。CATユニット(CAT2048-H ,CAT2048-L )〜(CAT3071-H ,CAT3071-L )までのCATユニットの構造は上記図16、図17のとおりである。
以上のCAT0,CAT1,CAT2のセクターによりレコーダブルエリアにおける全クラスタの結合状態が管理される。
−c− ディレクトリセクター
データU−TOCのセクター03においてルートディレクトリとして形成されるセクター(又はセクター04〜1Fにおいてディレクトリとして形成されるセクター)のフォーマットは図18に示される。
ディレクトリとして使用されるセクターの場合、16バイトのヘッダにおいて最後の4バイトに割り当てられているシステムID(図8のID0〜ID3)としては、CATの場合と同様に、図18のとおり『MINX』がアスキーコードにより記録される。この『MINX』は、そのセクターがデータU−TOCとして使用されていることを示すものとなる。従って、データU−TOCをイニシャライズする際、書き換える際などには記録再生装置10はこの『MINX』をディレクトリとしてのセクターにもシステムIDとして記録することになる。
そして記録再生装置10では、CATの場合と同様にディレクトリセクターについても、この『MINX』というシステムIDを参照して、そのセクターがデータU−TOCとしてのセクターであるか否かを判別し、データU−TOCとしてのセクターであることが確認されたらそのセクターの情報を管理情報として用いることになる。
また、図18のフォーマットはディレクトリを示すものであるためヘッダにおける第10バイト目のカテゴリー情報は『1111000*』、つまり『F0h』又は『F1h』とされ、当セクターがディレクトリであることを示すことになる。
データエリアとなる2048バイトにはディレクトリユニットとしてのデータが記録されている。
ディレクトリユニット(つまり1つのディレクトリ)は或るデータファイルに対応して設けられるものであり、32バイトで構成される。
図18では32バイトからなる1つのディレクトリユニットしか示していないが、2048バイトのデータエリア内には同様に32バイトからなる64単位のディレクトリユニットが記録可能とされる。
ディレクトリユニットにおいて先頭の8バイト(Name0 〜Name7 )にはデータファイルの名称が記録される。また、続く3バイト(Suffix0 〜Suffix2 )には拡張子が記録されるように割り当てられている。
例えばレコーダブルユーザーエリアに記録されているデータファイルを検索する際には、このディレクトリユニットの名称及び拡張子が用いられる。
拡張子に続く1バイトにはカテゴリー情報(Category )が配される。このカテゴリー情報(Category )はこのディレクトリユニットの対応するデータファイルの属性を示すもので、前述したデータ用セクターのフォーマットの中で説明したカテゴリー情報と同様のものである。
続く2バイトのボリューム情報(Volume1-0 ,Volume1-1 )は、このディレクトリが示すデータファイルが使用しているクラスタ数を表わしている。つまりデータファイルの再生に何クラスタのアクセスが必要かを示す。
さらに続く2バイトのボリューム情報(Volume2-0 ,Volume2-1 )は、このディレクトリが示すデータファイルを受け取って使用するために必要なホスト機器側のメモリ容量を表わす。
このボリューム情報(Volume1-0 ,Volume1-1 )又は(Volume2-0 ,Volume2-1 )については、定義されていない場合(つまりアプリケーション側に任されている場合)は『00h』となる。
続く2バイトのインデックス情報(Index0,Index1)は、このディレクトリセクターと同じクラスタ内に、そのデータファイルの参照情報としてのヘディングセクターが存在する場合に用いられるもので、インデックス情報(Index0)としてそのヘディングセクターのセクターナンバが記録され、インデックス情報(Index1)としてそのヘディングセクターのセクター内におけるパーツナンバ(後述)が記録されている。
ヘディングセクターが存在しない場合はインデックス情報(Index0)=『00h』とされる。
また1バイトおいて続く5バイトにはそのディレクトリが対応するデータファイルが最後に更新された日時情報が記録される。即ち、年、月、日、時、分の情報が、それぞれ(Year)、(Month) 、(Day) 、(Hour)、(Minutes) としてのバイトに記録される。
続いて対応するデータファイルのアドレスが記録される。即ち(Cluster-H)(Cluster-L)の2バイトでクラスタアドレスが示され、(Sector)の1バイトでセクターアドレスが示される。
以上の構成でディレクトリユニットが形成され、各データファイルについての検索情報として機能することになる。
ここで、このディレクトリユニットにおける第12バイト目となるカテゴリー情報(Category )がディレクトリを示す『F0h』又は『F1h』であった場合、そのディレクトリユニットで示されるセクターは1段下層のディレクトリとなる。つまりディレクトリを階層化する際に用いられる。この場合他のディレクトリとの混成は禁止される。
ファイルの構造を階層化する場合には、データU−TOCのセクター03におけるルートディレクトリ内に、ディレクトリユニットの第12バイト目のカテゴリー情報(Category )がディレクトリを示すディレクトリユニットを設け、そのディレクトリユニットの示すアドレス位置に下層のディレクトリユニットを作ることになる。もちろんさらに下層のディレクトリユニットを作る場合も同様にする。
この場合に本実施例では、図12に示すセクター04〜1Fにおいて下層のディレクトリユニットを設けることができるようにしている。
ディレクトリを階層化した場合は、従来の情報機器のデータ検索の際にはディレクトリを何度もアクセスしてそのチェインをたどっていき、最後にデータファイルにたどり着くという動作が必要になるが、本実施例の場合、ディレクトリは全てデータU−TOC内、即ち1クラスタ内に集中されている。そして前述したように記録/再生動作の最小単位はクラスタであるため、1クラスタ内に階層構造でチェインされたディレクトリユニットが全て存在する限り、ディレクトリ間でのアクセス動作は不要となり、ディレクトリから実際にデータファイルにアクセスする1回のみでよい。従って検索動作の著しい効率化、迅速化が実現される。
なお、データU−TOCのクラスタの全てのセクターを使用したとすると、最大28のディレクトリセクターが構成可能で、各セクターは64単位のディレクトリユニットが形成できるため、1クラスタ内には最大1729単位のディレクトリユニットを形成することができ、かなり大規模な階層化がなされても対応可能である。また、さらにそれ以上のディレクトリが必要な場合は、データを記録するレコーダブルユーザーエリアの任意の場所(ただし3クラスタ連続して記録できる場所)に新たに下層のディレクトリ用のクラスタを設け、ディレクトリを形成していくようにすればよい。
図19にディレクトリ階層構造の概念図を示す。図19における各ブロックはディレクトリユニットを示し、『DIR*』の名称で示すブロックは階層化されているディレクトリユニット、『File*』名称で示すユニットは実際のデータファイルに対応しているディレクトリユニットを示すとする。
階層化されている『DIR*』のディレクトリユニットはそれぞれ下層のディレクトリユニットを示すセクターアドレスが記録される(実線矢印)。一方、最下層となり実際のデータファイルを示す『File*』のディレクトリユニットにはそのデータファイルのクラスタアドレスが記録される(点線矢印)。
これらのディレクトリユニットは図中左側に示すようにデータU−TOC内のセクター03〜セクター08に記録されているとする。
いま、データファイル名が『FileE』とされクラスタ500に記録されたデータファイルをアクセスすることを考えると、ルートディレクトリとしてのセクター03に記録されたディレクトリユニット『DIR0』から『DIR1』→『DIR3』→『DIR4』→『FileE』という用にチェインされたディレクトリユニットのパスを通ってディレクトリユニット『FileE』により、そのデータファイルのクラスタアドレスが検索され、クラスタ500におけるデータファイルのアクセスが実行されるわけであり、つまり、セクター03〜07までをたどっているが、このセクター03〜07は同一クラスタ内に存在するものであるので、実際には500クラスタへの1回のアクセスのみでデータ検索/実行が可能となる。
−d− ヘディングセクター
次にヘディングセクターについて説明する。
上述したようにディレクトリセクターとして形成できるデータ−TOC内のセクターはヘディングセクターとしても用いることができる。
セクターがヘディングセクターとして用いられる際のフォーマットを図20、図21に示す。なお図20は文字による参照情報が形成されるヘディングセクター、図21はドットデータによる参照情報が形成されるヘディングセクターである。
まず図20の文字による参照情報がヘディングセクターとして設けられる場合を説明する。
データU−TOCにおける或るセクターがヘディングセクターとされて使用される場合、16バイトのヘッダにおいて最後の4バイトに割り当てられているシステムID(図8のID0〜ID3)としては、CAT、ディレクトリの場合と同様に、『MINX』がアスキーコードにより記録される。この『MINX』は、そのセクターがデータU−TOCとして使用されていることを示すものとなる。従って、データU−TOCにおいてヘディングセクターが形成される際は、記録再生装置10はこの『MINX』をヘディングセクターにもシステムIDとして記録することになる。
そして記録再生装置10では、CAT,ディレクトリの場合と同様にヘディングセクターについても、この『MINX』というシステムIDを参照して、そのセクターがデータU−TOCとしてのセクターであるか否かを判別し、データU−TOCとしてのセクターであることが確認されたらそのセクターの情報を管理情報として用いることになる。
また、このセクターがヘディングセクター(文字データのヘディングセクター)であることを示すため、ヘッダにおける第10バイト目のカテゴリー情報は『11111111』、つまり『FFh』とされる。
データエリアとなる2048バイトには所定のデータファイルに対応する参照情報となるヘディングパーツとしてのデータが記録されている。
ヘディングパーツ(つまり1つの参照情報)は或るデータファイルに対応して、例えばそのデータファイルの文頭文字が抽出されて設けられるものであり、64バイトで構成される。もちろんヘディングパーツとしては文頭文字に限らず、ユーザーによる指定した文字部分、又はアプリケーション側のプログラムにより指定された文字部分で形成されてもよい。
図20では(Hd-Data0) 〜(Hd-Data63)1つのヘディングパーツしか示していないが、2048バイトのデータエリア内には同様に64バイトからなる32単位のヘディングパーツが記録可能とされる。1セクターに何単位のヘディングパーツが記録されているかはヘッダ中のIndex によって示される。そして、各ヘディングパーツは、上述したように或るディレクトリユニットにおいてインデックス情報(Index0,Index1)においてセクターナンバ及びパーツナンバが記録されていることにより特定のディレクトリユニット(つまり特定のデータファイル)にチェインされている。
次に図21のドットデータによる参照情報がヘディングセクターとして設けられる場合を説明する。
文字の場合と同様にデータU−TOCにおける或るセクターがドットデータによる参照情報を記録したヘディングセクターとされて使用される場合、16バイトのヘッダにおいて最後の4バイトに割り当てられているシステムIDとしては、CAT、ディレクトリの場合と同様に、『MINX』がアスキーコードにより記録される。
また、このセクターがヘディングセクター(ドットデータのヘディングセクター)であることを示すため、ヘッダにおける第10バイト目のカテゴリー情報は『11111110』、つまり『FEh』とされる。
データエリアとなる2048バイトには所定のデータファイルに対応する参照情報となるヘディングパーツとしてのデータが記録される。
この場合ヘディングパーツは、或るデータファイルに対応して、例えばそのデータファイルの一部を抽出して生成するか、又は関連した図柄を配したもので(いわゆるアイコン)あり、512バイトで構成される。もちろんこの場合もデータファイルからドットデータを抽出する際のデータ部位は各種考えられる。
そして、図21では(Hd-Data0) 〜(Hd-Data511) として記録される1つのヘディングパーツしか示していないが、2048バイトのデータエリア内には同様に512バイトからなる4単位のヘディングパーツが記録可能とされる。1セクターに何単位のヘディングパーツがあるかについては、ヘッダ中のIndex によって示される。そして、各ヘディングパーツは、上述したように或るディレクトリユニットにおいてインデックス情報(Index0,Index1)においてセクターナンバ及びパーツナンバが記録されていることにより特定のディレクトリユニット(つまり特定のデータファイル)にチェインされている。
これらのヘディングパーツとしての参照情報は、データファイルの検索を行なう際に、ファイル名以外のパラメータとして、例えばユーザーのファイル選択動作を容易にしたり、プログラム検索の多様性を実現するものである。
例えばデータファイルが文字情報のものである場合には、キーワード検索としても用いることができる。とくに、或る複数のディレクトリに示されるデータファイルの中から特定のキーワードを持つデータファイルを検索しようとする場合、ファイル名だけでは不十分な場合が多いが、このような場合に各ディレクトリユニットにチェインされているヘディングパーツの情報を参照することにより、十分にキーワード検索が可能となる。
そしてさらに本実施例では、このようなヘディングセクターはディレクトリと同一のクラスタ内に設けられるため、キーワード検索を行なう際も余分なアクセス動作は不要となり、迅速なキーワード検索が実現される。
さらに、ユーザーの補助としては、ファイルの文頭情報やアイコン、ファイル内の図形をヘディングパーツとして保持しておくことにより、ユーザーに各ファイル内容の識別を助けることとなる。
以上のようにCATセクター、ディレクトリセクター、及びヘッディングセクターが構成されるデータU−TOCにより、一般データの記録/再生の際のデータ管理機能が実現されることになる。
つまり、文書データファイルやそのファイル名を入出力(及び記録/再生)し、またこれらを通信することができる情報機器に対する記録媒体として実現される。また、例えばイメージスキャナ等でデジタル化され、所定規則で配列された画像情報(ドットデータ)についても同様にデータファイルの入出力(及び記録/再生)、及び通信をすることができる情報機器に対する記録媒体として成立する。
もちろんこれらのデータ管理はオーディオデータ管理とは完全に独立して行なわれる。
<7.データU−TOC管理による記録/再生動作>
データU−TOCにおけるCAT,ディレクトリ,ヘディングセクターは以上のように構成されている。このようなデータU−TOCを管理情報として用いた、データの記録/再生の際の記録再生装置10の動作を図22のフローチャートに示す。なお、このフローチャートは記録再生装置10におけるシステムコントローラ21の制御処理動作となる。
記録再生装置10にディスク1が挿入されると、先ず記録再生装置10はP−TOCに対してアクセスを行ない、P−TOCデータを読み込んで、これをバッファRAM33に保持する(F101)。ただしP−TOCアクセスにおいてP−TOCがみつからなかった場合は適正なディスクではないとしてエラー処理を行なう (F102→F103) 。
P−TOCデータを読み込んだら、そのP−TOCの情報の内、U−TOCのスタートアドレスUSTA を参照し、U−TOCの記録位置(記録される位置)を確認する。そして、U−TOCスタートアドレスUSTA におけるクラスタアドレス部分がクラスタアドレス『20h』より小さいアドレスか否かを判別する(F104)。USTA ≦『20h』であれば、U−TOCの記録位置より後方のアドレス位置において記録再生管理エリアには3クラスタ連続のデータU−TOCを記録する余裕があり、このディスクについてはUSTA +『10h』の位置がデータU−TOCのスタートアドレスと設定されている(もしくは以後設定される)ため、USTA +『10h』をデータU−TOCのスタートアドレスAd(DU)として把握する(F105)。
また、USTA >『20h』であったら、次にU−TOCスタートアドレスUSTA におけるクラスタアドレス部分がクラスタアドレス『30h』より小さいアドレスか否かを判別する (F104→F106) 。
U−TOCスタートアドレスUSTA がクラスタアドレス『30h』より大きいアドレスである場合は、U−TOCは適正位置に記録されることのないもので、適正ディスクでないと判断し、エラー処理を行なう (F106→F103) 。
ステップF106でUSTA ≦『30h』であったら、U−TOCの記録位置より前方のアドレス位置において記録再生管理エリアには3クラスタ連続のデータU−TOCを記録する余裕があり、このディスクについてはUSTA −『10h』の位置がデータU−TOCのスタートアドレスと設定されている(もしくは以後設定される)ため、USTA −『10h』をデータU−TOCのスタートアドレスAd(DU)として把握する(F107)。
以上のようにデータU−TOCのアドレスを把握したら、データの記録又は再生又は消去が指示されることを待機する(F108)。
再生が指示された場合は処理はステップF109に進み、まずアドレスAd(DU)におけるデータU−TOCをアクセスする。ここで、データU−TOCがみつからなかった場合は即ちデータファイルが以前に記録されておらず、データU−TOCも生成されていないとしてエラー処理(ファイルなしとしての処理)を行なう (F110→F112) 。
アドレスAd(DU)にデータU−TOCが存在したら、そのデータU−TOCを読み込んで上記したディレクトリやヘディングデータによりデータファイルの検索を行なう(F111)。そして必要とされたデータファイルがみつかれば、そのデータファイルのアドレスへアクセスし (F113→F114) 、データを読み込んでバッファRAM33へ読み込む(F115)。もちろん、この再生動作の際にはディレクトリより再生するデータファイルの先頭クラスタのアドレスを確認した後、CATによりクラスタ連結状態を参照してクラスタアクセスを行ない、そのデータファイルを再生していくことになる。
なお、ディレクトリによる検索によって所要のデータファイルが見つからなかったら、ファイルなしとしてエラー処理を行なう (F113→F112) 。
ステップF108において記録指示がなされた場合は、処理はステップF116に進み、まずアドレスAd(DU)におけるデータU−TOCをアクセスする。ここで、データU−TOCがみつからなかった場合は即ちデータファイルが以前に記録されておらず、データU−TOCも生成されていないバージンディスクであると考えられる。
一方、アドレスAd(DU)にデータU−TOCが見つかった場合は、記録データとされているデータファイルのサイズが、そのまま記録可能なサイズであるかを判別するため、データU−TOCに示されている空きエリアと比較する(F118)。空きエリアが十分に存在すれば、そのデータファイルをそのディスク上の空きエリアに記録していき(F119)、その記録動作に応じてデータU−TOCを更新して処理を終える(F120)。
バージンディスクでデータU−TOCが存在しない場合はP−TOCからディスク容量を計算する(F121)。そしてこれを空きエリアとしてステップF118においてデータファイルのサイズと比較する。空きエリアが十分とされれば、そのデータファイルをそのディスク上の空きエリアに記録していき(F119)、この場合はその記録動作に応じてデータU−TOCを新たに生成して(イニシャライズ及び更新)、アドレスAd(DU)の位置に書き込み、処理を終えることになる(F120)。
なお、ステップF118でデータファイルのサイズが空きエリアより大きいとされた場合はオーバーボリュームで記録不能としてのエラー処理を行なう(F122)。
ステップF108において消去が指示された場合は処理はステップF123に進み、まずアドレスAd(DU)におけるデータU−TOCをアクセスする。ここで、データU−TOCがみつからなかった場合は即ちデータファイルが以前に記録されておらず、データU−TOCも生成されていないとしてエラー処理(消去すべきファイルなしとしての処理)を行なう (F124→F125) 。
アドレスAd(DU)にデータU−TOCが存在したら、そのデータU−TOCを読み込んで上記したディレクトリにより、消去すべきとして指定されたデータファイルの検索を行なう(F126)。そして消去と指定されたデータファイルがみつかれば、そのデータU−TOC中のディレクトリを削除する。そして、この消去動作に応じてデータU−TOCを更新することになる(F130)。
なお、ディレクトリによる検索によって所要のデータファイルが見つからなかったら、該当ファイルなしとしてエラー処理を行なう (F127→F125) 。
なお、以上のように実施例を説明してきたが、データ記録再生用途として利用できる本発明の記録装置又は再生装置としては、図1、図2に示した入出力手段(データ表示手段、データ通信手段、画像スキャナ手段、キー入力手段)や、データ−フォント変換のための手段については、必ずしもこれらの全てを備える必要はなく、用途に応じて一部のみが設けられたものであってもよい。また、他のデータ入出力手段が付加されたものであってもよい。