JP3843409B2 - 2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料ポンプによって昇圧された燃料を燃料噴射弁を介して機関へ噴射供給する燃料噴射装置に関し、そのうち特に、単一のスロットルボデー内に第1及び第2吸気路が設けられるとともに各吸気路には大気と絞り弁より下流側吸気路とを連絡する第1及び第2バイパス通路を設けた2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置は、実開平2−127776号公報に示される。これは第1吸気路と第2吸気路とを備えるスロットルボデーの上端に凹部が設けられる。又、絞り弁の下流側の第1吸気路に開口する第1バイパス通路と、絞り弁の下流側の第2吸気路に開口する第2バイパス通路とがその上流側において一本の通路に集合され、この集合された通路の上流が前記大気に連なる凹部に開口する。そして集合された通路に該通路を流れる空気量を制御する単一の空気制御弁が配置される。従ってアイドル空気の制御は、凹部内の空気が集合された通路内へ流入するととともに該通路内において、空気制御弁にてその量が調整、制御され、この調整された空気が第1バイパス通路を介して絞り弁より下流側の第1吸気路内へ供給され、又第2バイパス通路を介して絞り弁より下流側の第2吸気路内へ供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置によると、絞り弁の下流側の第1の吸気路内の脈動圧は、第1バイパス通路、集合された通路を介して凹部に達し、一方、絞り弁の下流側の第2の吸気路内に脈動圧は、第2バイパス通路、集合された通路を介して凹部に達する。ここで第1の吸気路に連なる第1の気筒と、第2の吸気路に連なる第2の気筒における吸気、排気タイミングに着目すれば、両気筒間における吸排タイミングに位相差を有する。以上によれば、第1バイパス通路、第2バイパス通路との間において空気干渉作用が生じ、アイドル空気を正確に制御する上で好ましいものでない。
【0004】
又、スロットルボデーが配置される機関の近傍の大気中には浮遊カーボンが存在するものである。ここで凹部から集合された通路内への空気流れについて着目すると、凹部から集合された通路内へ向かう空気流れは、直接的に空気制御弁に衝突する。言いかえると、凹部から流れる空気は壁等の障害物に衝突することなく空気制御弁に衝突する。以上によると、大気中の浮遊カーボンは衝突部であるところの空気制御弁に付着し易いもので、長期間に渡る使用時において、空気制御弁に付着した浮遊カーボンにより制御空気が減少傾向を示す恐れがある。
【0005】
本発明は、かかる不具合に鑑み成されたもので、第1バイパス通路と第2バイパス通路との間において空気干渉がなくより正確なアイドル空気を制御すること。及び長期間に渡って正確で安定したアイドル空気を制御すること。のできる2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明になる2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置は、前記目的達成の為に、単一のスロットルボデーの上端から下端に向けて絞り弁を備えた第1吸気路と第2吸気路とが夫々独立して穿設されるとともに各吸気路には、大気と下流側吸気路とを連絡し、それぞれ空気制御弁を備えた第1バイパス通路と第2バイパス通路とを設けた2バレル型スロットルボデーにおいて、
スロットルボデー1の第1吸気路2Aと第2吸気路2Bとの間に、第1バイパス通路7、第2バイパス通路6とそれぞれのバイパス通路6、7に設けられた空気制御弁V、Vを備え、第1吸気路2Aと第2吸気路2Bとの間のスロットルボデー1の上端1Cに、空気取入れ凹部5を凹設するとともに該空気取入れ凹部を仕切壁5Bにて第1空気取入れ凹部5Cと第2空気取入れ凹部5Dとに区分し、第1バイパス通路7の上流端7Bを第1空気取入れ凹部5Cの底部5Aに連絡し、下流端を第1吸気路2Aの絞り弁4より下流側吸気路2Cに連絡し、第2バイパス通路6の上流端6Bを第2空気取入れ凹部5Dの底部5Aに連絡し、下流端6Aを第2吸気路2Bの絞り弁4より下流側吸気路2Eに連絡したことを第1の特徴とする。
【0007】
又、本発明は前記第1の特徴に加え、前記空気制御弁は略円柱形状のプランジャー弁として形成され、該空気制御弁を空気取入れ凹部5と絞り弁軸3との間に配置し、空気制御弁V、Vの長手軸心線を吸気路2A、2Bの長手軸心線及び絞り弁軸3の長手軸心線に直交して配置するとともにそれぞれの空気制御弁V、Vの長手軸心線を平行に配置したことを第2の特徴とする。
【0008】
更に本発明は前記第1の特徴に加え、前記第1空気取入れ凹部5C、第2空気取入れ凹部5Dのスロットルボデー1の上端1Cへの開口部S、Kは、大気に連なる開口部分S1、K1と大気と遮断される閉塞部分S2、K2とより形成され、開口部分S1、K1を介して第1及び第2空気取入れ凹部5C、5D内へ進入する空気流れを、前記空気取入れ凹部5C、5D内に形成される衝突壁8に衝突させた後に第1バイパス通路7の上流端7Bを介して第1バイパス通路7内へ流入させるとともに第2バイパス通路6の上流端6Bを介して第2バイパス通路6内へ流入させたことを第3の特徴とする。
【0009】
更に又、本発明は前記第3の特徴に加え、前記空気取入れ凹部に形成される衝突壁8を、吸気路2A、2Bの長手軸心線に平行に形成したことを第4の特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明によれば、特にスロットルボデーの第1吸気路と第2吸気路との間に空気制御弁を備える第1バイパス通路と、空気制御弁を備える第2バイパス空気通路とが配置され、スロットルボデーの上端に形成される空気取入れ凹部は、仕切壁によって第1空気取入れ凹部と第2空気取入れ凹部とに区分される。そして第1バイパス通路の上流端は第1空気取入れ凹部内に連絡されて開口し、一方第2バイパス通路の上流端は第2空気取入れ凹部内に連絡されて開口する。而して、絞り弁より下流側の第1吸気路内に生起する脈動圧は、第1バイパス通路を介して第1空気取入れ凹部内へのみ作用し、絞り弁より下流側の第2吸気路内に生起する脈動圧は第2バイパス通路を介して第2空気取入れ凹部内へのみ作用するので、第1バイパス通路、第2バイパス通路との間において空気干渉作用がなく、アイドル空気を正確に制御することができる。
又、第1及び第2空気取入れ凹部内へ進入する空気流れは、それぞれの空気取入れ凹部内において衝突壁に衝突し、衝突した後の空気が第1及び第2バイパス通路内へ流入する。而して第1及び第2空気取入れ凹部内の空気中に含まれる浮遊カーボンは空気が衝突壁に衝突する際において衝突壁に付着し、浮遊カーボンが大きく除去された空気が各バイパス通路内へ流入する。而して各バイパス通路内に配置される空気制御弁に浮遊カーボンが付着することがなく、長期間に渡って安定したアイドル空気制御を行なうことができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明になる2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置の一実施例を図により説明する。図1は2バレル型スロットルボデーの上部平面図、図2は図1のA−A線における縦断面図、図3は、図1のB−B線における要部縦断面図である。尚、説明において上、下、左、右は図において言うものでこれに限定されることはない。又、例えば、燃料分配管、燃料噴射弁等については説明を容易にする為に省略した。1は単一のスロットルボデー(以下スロットルボデーという)であって、上端1Aから下端1Bに向けて第1吸気路2Aと第2吸気路2Bとが貫通して穿設される。3は第1及び第2吸気路、2A及び2Bを横断し、スロットルボデー1に回転自在に支承される絞り弁軸であり、該絞り弁軸には第1及び第2吸気路、2A及び2Bを開閉する絞り弁4が取着される。以上によれば、第1吸気路2Aは、絞り弁4より下流側吸気路2Cと絞り弁4より上流側吸気路2Dとに区分され、第2吸気路2Bは絞り弁4より下流側吸気路2Eと絞り弁4より上流側吸気路2Fとに区分される。又、前記絞り弁軸が回転することによって、第1吸気路2A及び第2吸気路2Bはそれぞれの絞り弁4にて同期的に開閉される。
【0012】
5はスロットルボデー1の上端1Aであって、且つ第1吸気路2Aと第2吸気路2Bとの間のスロットルボデー1の上端1Cに開口する底部5Aを備えた空気取入れ凹部であり、その中間部には底部5Aより上端1Cに向かう仕切壁5Bが立設される。以上によると、空気取入れ凹部5は、仕切壁5Bによって、第1空気取入れ凹部5Cと第2空気取入れ凹部5Dとに区分される。本例において第1空気取入れ凹部5Cと第2空気取入れ凹部5Dとは仕切壁5Bをはさんで対称に形成された。
【0013】
6は、第2バイパス通路であり、その下流端6Aは、第2吸気路2Bの絞り弁4より下流側吸気路2Eに連絡して開口し、上流端6Bは第2空気取入れ凹部5Dの底部5Aに開口する。又、前記第2バイパス通路6には円筒状の空気制御弁Vが移動自在に配置されるもので、本例にあってはこの空気制御弁Vが図1において上方へ移動すると、第2バイパス通路6の上流端6Bの第2空気取入れ凹部5D内への開口が増加して第2バイパス通路6から絞り弁4より下流側吸気路2Eに向かう空気量を増加し、一方空気制御弁Vが図1において下方へ移動すると、第2バイパス通路6の上流端6Bの第2空気取入れ凹部5D内への開口が減少して第2バイパス通路6から絞り弁4より下流側吸気路2Eに向かう空気量を減少させる。
【0014】
7は、第1バイパス通路であり、その下流端は、第1吸気路2Aの絞り弁4より下流側吸気路2Cに連絡して開口し、上流端7Bは第1空気取入れ凹部5Cの底部5Aに開口する。又、前記第1バイパス通路7には円筒状の空気制御弁Vが移動自在に配置されるもので、本例にあってはこの空気制御弁Vが図1において上方へ移動すると、第1バイパス通路7の上流端7Bの第1空気取入れ凹部5C内への開口が増加して第1バイパス通路7から絞り弁4より下流側吸気路2Cに向かう空気量を増加し、一方空気制御弁Vが図1において下方へ移動すると、第1バイパス通路7の上流端7Bの第1空気取入れ凹部5C内への開口が減少して第1バイパス通路7から絞り弁4より下流側吸気路2Cに向かう空気量を減少させる。
【0015】
そして、かかるスロットルボデー1は機関へ組付けられるもので、スロットルボデー1の下端1Bが吸気管を介して機関へ装着され、スロットルボデー1の上端1Aにエアクリーナが装着される。(吸気管、機関及びエアクリーナは図示されない。)以上によると、エアクリーナを通過する空気は、第1及び第2吸気路2A、2Bから吸気管を介して機関へ供給されるとともに第1空気取入れ凹部5C及び第2空気取入れ凹部5D内へと供給される。
【0016】
次にその作用について説明する。第1吸気路2A及び第2吸気路2Bに配置される各絞り弁4は、絞り弁軸3に共通に取着されているので、絞り弁軸3の回転動作に応じて前記各吸気路を同調して開閉制御するものであるが各部品構成の製作誤差、組付けの誤差等によってそのアイドル空気量に多少のバラツキを生じるものであるが、前記アイドル空気量のバラツキは以下によって補正される。例えば、第1吸気路2A内を流れる空気量が所定のアイドル空気量に比較して多い場合、第1バイパス通路7内に配置される空気制御弁Vを図1において下方向へ移動させる。以上によると、第1バイパス通路7の上流端7Bの第1空気取入れ凹部5C内への開口は減少し、これによると第1空気取入れ凹部5Cから第1バイパス通路7の下流端を介して第1吸気路2Aの絞り弁4より下流側吸気路2C内へ供給されるバイパス空気量が減少されるので、第1吸気路2Aより機関に向けて供給される空気量を所定のアイドル空気量に調整しうる。一方、第2吸気路2B内を流れる空気量が所定のアイドル空気量に比較して少ない場合、第2バイパス通路6内に配置される空気制御弁Vを図1において上方向へ移動させる。以上によると、第2バイパス通路6の上流端6Bの第2空気取入れ凹部5D内への開口は増加し、これによると第2空気取入れ凹部5Dから第2バイパス通路6の下流端6Aを介して第2吸気路2Bの絞り弁4より下流側吸気路2E内へ供給されるバイパス空気量が増加されるので、第2吸気路2Bより機関に向けて供給される空気量を所定のアイドル空気量に調整しうる。
【0017】
ここで、本発明によれば、第1吸気路2Aの絞り弁4より下流側吸気路2C内の脈動圧は第1バイパス通路7、第1バイパス通路7の上流端7Bを介して第1空気取入れ凹部5C内へ作用し、一方、第2吸気路2Bの絞り弁4より下流側吸気路2E内の脈動圧は第2バイパス通路6、第2バイパス通路6の上流端6Bを介して第2空気取入れ凹部5D内へ作用するものであるが、前述の如く、第1空気取入れ凹部5Cと第2空気取入れ凹部5Dとが仕切壁5Bによって分離されていることから第1空気取入れ凹部5C内に作用する脈動圧が第2空気取入れ凹部5Dへ作用することがなく、又第2空気取入れ凹部5D内に作用する脈動圧が第1空気取入れ凹部5C内へ作用することがない。以上によれば、各吸気路2A、2Bに連なる機関の気筒間における吸排タイミングに位相があったとしても、あるいは吹き返し等による吸気路内の圧力変動があったとしても他のバイパス通路内の空気流れに対して何等の影響を与えることがなく、空気制御弁Vによって設定される適正なアイドル空気を各吸気路2A、2B内へ供給できたものである。
【0018】
次に、前記第1の実施例に対して構成を付加した第2の実施例について特に図1及び図2を用いて説明する。第1空気取入れ凹部5Cにおいて、第1衝突壁8A、第2衝突壁8Bよりなる衝突壁8がその底部5Aより上端1Cに向けて突設される。第1衝突壁8Aは、第1空気取入れ凹部5Cの左側壁5Fより右方へ向かって延びるとともに第1空気取入れ凹部5Cの底部5Aに開口する第1バイパス通路7の上流端7Bの上方位置に形成される。尚、第1衝突壁8Aの右端8Cと仕切壁5Bの左側壁5Gとの間には空間部Xが形成される。第2衝突壁8Bは、第1空気取入れ凹部5Cの上側壁5Hより下方にある第1衝突壁8Aに向かって延び、この第2衝突壁8Bの下端8Dと第1衝突壁8Aとの間には空間部Yが形成される。
【0019】
第2空気取入れ凹部5Dにおいて、第1衝突壁8A、第2衝突壁8Bよりなる衝突壁8がその底部5Aより上端1Cに向けて突設される。第1衝突壁8Aは、第2空気取入れ凹部5Dの右側壁5Jより左方へ向かって延びるとともに第2空気取入れ凹部5Dの底部5Aに開口する第2バイパス通路6の上流端6Bの上方位置に形成される。尚、第1衝突壁8Aの左端8Eと仕切壁5Bの右側壁5Jとの間には空間部Xが形成される。第2衝突壁8Bは、第2空気取入れ凹部5Dの上側壁5Kより下方にある第1衝突壁8Aに向かって延び、この第2衝突壁8Bの下端8Dと第1衝突壁8Aとの間には空間部Yが形成される。
【0020】
以上の構成よりなるスロットルボデー1もまた前記実施例と同様に機関に装着されるものであるが、特にスロットルボデー1の上端1A上にエアクリーナを配置する際、該上端1A上に図4に示される如きパッキンPが配置される。パッキンPはスロットルボデー1の上端1Aと略同形状をなす平板状をなし、第1吸気路2A、第2吸気路2Bに相当する大径孔P1、P1と、第1空気取入れ凹部5Cの左側壁5F、上側壁5H、第2衝突壁8B、第1衝突壁8Aにて囲繞される空間部に相当する第1開口P2と、第2空気取入れ凹部5Dの右側壁5J、上側壁5K、第2衝突壁8B、第1衝突壁8Aにて囲繞される空間部に相当する第2開口P3とが穿設される。
【0021】
そして、スロットルボデー1とエアクリーナとの組付け時において、前記パッキンがスロットルボデー1の上端1A上に固定配置される。以上によると、第1吸気路2Aに臨んで大径孔P1が配置され、第2吸気路2Bに臨んで大径孔P1が配置され、第1開口P2が第1空気取入れ凹部5Cの左上方部に臨んで配置され、第2開口P3が第2空気取入れ凹部5Dの右上方部に臨んで配置される。以上によれば、図5に示す如く、第1空気取入れ凹部5Cの開口部Sは、パッキンPの第1開口P2に臨む開口部分S1とパッキンPによって閉塞される閉塞部分S2とよりなる。又、第2空気取入れ凹部5Dの開口部Kは、パッキンPの第2開口P3に臨む開口部分K1と、パッキンPによって閉塞される閉塞部分K2とよりなる。前記開口部分S1、K1は図5において斜線で示され、閉塞部分S2、K2は、点線で示される。
【0022】
そして、エアクリーナを通過した空気は、一方の大径孔P1を介して第1吸気路2A内に流入し、他方の大径孔P1を介して第2吸気路2B内に流入する。
【0023】
一方、バイパス通路にあっては、以下の如く空気が流れる。第1バイパス通路7につい説明すると、エアクリーナを通過した空気はパッキンPの第1開口P2の開口部分S1を介して、第1空気取入れ凹部5Cの左側壁5F、上側壁5H、第2衝突壁8B、第1衝突壁8Aにて囲繞される第1空気取入れ凹部5C内に流入し、しかる後に第2衝突壁8Bの下端8Dと第1衝突壁8Aとの空間部Y、第1衝突壁8Aの右端8Cと仕切壁5Bの左側壁5Gとの空間部X、を通過し、しかる後に第1バイパス通路7の上流端7B内へ流入する。
【0024】
以上によれば、第1空気取入れ凹部5C内を流れる空気流れは、開口部分S1を第1衝突壁8Aに向かって流れる第1流れJ1と、空間部Yから仕切壁5Bの左側壁5Gに向かって流れる第2流れJ2と、空間部Xから第1バイパス通路7の上流端7Bに向かって流れる第3流れJ3との流れ形態をとる。この流れJ1、J2、J3は図5に示される。
【0025】
而して、第1空気取入れ凹部5C内の空気流れJについて着目すれば、エアクリーナより流入する空気は、第1流れJ1によって第1衝突壁8Aに衝突し、又第2流れJ2によって更に仕切壁5Bの左側壁5Gに衝突した後に第1バイパス通路7の上流端7Bに向かって流れこむ。
【0026】
以上の如く、第1バイパス通路7の上流端7Bに流れこむ空気は、第1空気取入れ凹部5C内において第1衝突壁8A、仕切壁5Bの左側壁5Gに衝突するので、該空気中に含まれる浮遊カーボンは該衝突部分に付着し、衝突部分より下流側にある上流端7Bを含む第1バイパス通路7内に流入することがない。従って第1バイパス通路7内に配置される空気制御弁V、空気制御孔に相当する第1バイパス通路7の上流端7Bに浮遊カーボンが付着することがなく、長期間に渡って安定したアイドル空気の制御を行なうことができたものである。尚、衝突壁については、前記実施例に限定されるものでなく、第1空気取入れ凹部5C内にあって、第1バイパス通路7の上流端7Bに流入する以前に空気の主たる流れが衝突する壁部であればよい。又、第2空気取入れ凹部5D、第2バイパス通路6にあっても前述した第1空気取入れ凹部5C、第1バイパス通路7における空気と同様の流れ形態を示すもので説明を省略する。
【0027】
【発明の効果】
以上の如く、本発明になる2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置によると、スロットルボデーの第1吸気路、第2吸気路の間に空気制御弁を備える第1バイパス空気通路と、空気制御弁を備える第2バイパス空気通路が配置され、スロットルボデーの上端に設けた空気取入れ凹部を仕切壁にて第1空気取入れ凹部と第2空気取入れ凹部とに区分し、第1バイパス通路の上流端を第1空気取入れ凹部の底部に連絡するとともに第1バイパス通路に空気制御弁を設け、又、第2バイパス通路の上流端を第2空気取入れ凹部の底部に連絡するとともに第2バイパス通路に空気制御弁を設けたので、第1バイパス通路と第2バイパス通路との間における干渉作用が皆無となり正確なアイドル空気の制御を行なうことができたものである。
又、第1空気取入れ凹部、第2空気取入れ凹部のスロットルボデーの上端への開口部は、大気に連なる開口部分と大気と遮断される閉塞部分とより形成され、開口部分を介して第1及び第2空気取入れ凹部内へ進入する空気流れを、前記空気取入れ凹部内に形成される衝突壁に衝突させた後に第1バイパス通路の上流端を介して第1バイパス通路内へ流入させるとともに第2バイパス通路の上流端を介して第2バイパス通路内へ流入させたので、各バイパス通路内に配置される空気制御弁に浮遊カーボンが付着することがなく長期間に渡って安定したアイドル空気の制御を行なうことができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置の一実施例を示す要部上部平面図。
【図2】 図1のA−A線における縦断面図。
【図3】 図1のB−B線における要部縦断面図。
【図4】 スロットルボデーの上端に配置されるパッキンの平面図。
【図5】 空気取入れ凹部内における空気流れを示す簡略図。
【符号の説明】
1 スロットルボデー
2A 第1吸気路
2B 第2吸気路
4 絞り弁
5B 仕切壁
5C 第1空気取入れ凹部
5D 第2空気取入れ凹部
6 第2バイパス通路
6B 第2バイパス通路の上流端
7 第1バイパス通路
7B 第1バイパス通路の上流端
8 衝突壁
S、K 開口部
S1、K1 開口部分
S2、K2 閉塞部分
V 空気制御弁
Claims (4)
- 単一のスロットルボデーの上端から下端に向けて絞り弁を備えた第1吸気路と第2吸気路とが夫々独立して穿設されるとともに各吸気路には、大気と下流側吸気路とを連絡し、それぞれ空気制御弁を備えた第1バイパス通路と第2バイパス通路とを設けた2バレル型スロットルボデーにおいて、
スロットルボデー1の第1吸気路2Aと第2吸気路2Bとの間に、第1バイパス通路7、第2バイパス通路6とそれぞれのバイパス通路6、7に設けられた空気制御弁V、Vを備え、第1吸気路2Aと第2吸気路2Bとの間のスロットルボデー1の上端1Cに、空気取入れ凹部5を凹設するとともに該空気取入れ凹部を仕切壁5Bにて第1空気取入れ凹部5Cと第2空気取入れ凹部5Dとに区分し、第1バイパス通路7の上流端7Bを第1空気取入れ凹部5Cの底部5Aに連絡し、下流端を第1吸気路2Aの絞り弁4より下流側吸気路2Cに連絡し、第2バイパス通路6の上流端6Bを第2空気取入れ凹部5Dの底部5Aに連絡し、下流端6Aを第2吸気路2Bの絞り弁4より下流側吸気路2Eに連絡したことを特徴とする2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置。 - 前記空気制御弁は略円柱形状のプランジャー弁として形成され、該空気制御弁を空気取入れ凹部5と絞り弁軸3との間に配置し、空気制御弁V、Vの長手軸心線を吸気路2A、2Bの長手軸心線及び絞り弁軸3の長手軸心線に直交して配置するとともにそれぞれの空気制御弁V、Vの長手軸心線を平行に配置したことを特徴とする請求項1記載の2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置。
- 前記第1空気取入れ凹部5C、第2空気取入れ凹部5Dのスロットルボデー1の上端1Cへの開口部S、Kは、大気に連なる開口部分S1、K1と大気と遮断される閉塞部分S2、K2とより形成され、開口部分S1、K1を介して第1及び第2空気取入れ凹部5C、5D内へ進入する空気流れを、前記空気取入れ凹部5C、5D内に形成される衝突壁8に衝突させた後に第1バイパス通路7の上流端7Bを介して第1バイパス通路7内へ流入させるとともに第2バイパス通路6の上流端6Bを介して第2バイパス通路6内へ流入させてなる請求項1記載の2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置。
- 前記空気取入れ凹部に形成される衝突壁8を、吸気路2A、2Bの長手軸心線に平行に形成したことを特徴とする請求項3記載の2バレル型スロットルボデーにおけるアイドル空気制御装置。
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