JP3843370B2 - 工作機械用ワイパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械や産業機械に使用されるワイパー(この明細書では工作機械用ワイパーという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械における切り粉、切削油の除去に使用されるワイパーは、一般的にリップ部にはゴム材料が使用されているが、これはゴムの弾性を利用してあらゆる方向に対して追従性、掻き取り能力を優れたものとするためである。
【0003】
ここで、板金で形成された掻き取り面に対して使用するワイパーでは、板金面に少々の曲面(うねり)がある場合にはワイパ−の十分な押し付け幅を持たせるべくリップ部を長く設定し、掻き取り面に対するリップ部の押し付け量を大きくしている。近年、板金加工に要する費用を低く抑えることに伴って板金面のうねりが大きくなっていることから、大きな押し付け量をとれるワイパ−が求められるようになってきている。
【0004】
しかしながら、現在のワイパーWでは図8に示すように、ゴム材料で構成されたリップ部2を単に長くしただけのストレ−ト構造を採っているため、リップ部2の掻き取り面9への押し付け量が増大すると、リップ部2の先端尖り部20が掻き取り面9に対して線接触から面接触に移行していき、掻き取り面9へのリップ部2の接触圧が低下して切り粉、切削油の掻き取り能力が低下するという問題があった。これよりさらに前記押し付け量が増大すると、図8の二点鎖線に示すように、リップ部2の先端尖り部20が浮いてしまい、工作機械で生じた切削屑が掻き取り面9との間に挟まって板金面を傷つけてしまうという事態が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明では、リップ部の掻き取り面への押し付け量を大きくとっても優れた掻き取り能力が維持できる工作機械用ワイパ−を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1記載の発明)
この発明は、掻き取り面9に対して垂直方向に延びる態様で工作機械に取り付けられる取付部1と、この取付部1に対して傾斜して延設されたゴム製のリップ部2とを具備し、前記リップ部2の先端尖り部20が掻き取り面9に対して押し付けられた状態で使用される工作機械用ワイパーであって、リップ部2における掻き取り面9との対向面側に、先端尖り部20から取付部1側に向かう所定の範囲に凹み部21が形成されており、前記凹み部21におけるリップ部2の押し付け方向の長さLを、リップ部2の押し付け量よりも大きく設定してあり、リップ部2の押し付け量の前記範囲であれば、押し付け量を大きくしても当該リップ部2の先端尖り部20が掻き取り面9に対して線接触であるものとしている。
(請求項2記載の発明)
この発明の工作機械用ワイパーは、上記請求項1記載の発明に関し、凹み部21の底面は、複数の平面、一つ以上の曲面、又は一つ以上の平面と曲面の組合せにより構成されている。
【0007】
上記発明の工作機械用ワイパーは以下のように機能する。
【0008】
リップ部2における掻き取り面9との対向面側に、先端尖り部20から取付部1側に向かう所定の範囲に凹み部21が形成されており、前記凹み部21におけるリップ部2の押し付け方向の長さLを、リップ部2の押し付け量よりも大きく設定してあるから、リップ部2を所定量(大きさにかかわらず)押し付けても、従来の技術の欄に記載した如く、リップ部2の先端尖り部20が掻き取り面9に対して線接触から面接触に移行したり、リップ部2の先端尖り部20が掻き取り面9から浮いてしまうという事態は発生しない。したがって、切り粉、切削油の掻き取り能力が低下するという問題は生じないし、工作機械で生じた切削屑が掻き取り面9との間に挟まって板金面を傷つけてしまうという事態も発生しない。
【0009】
つまり、この発明の工作機械用ワイパ−を使用すると、リップ部2の掻き取り面9への押し付け量を大きくとっても優れた掻き取り能力が維持できることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を実施例として示した図面に従って説明する。
〔実施形態1〕
図1は発明の実施形態の工作機械用ワイパ−Wの斜視図を示しており、図2は前記工作機械用ワイパ−Wの側面図を示している。
(この工作機械用ワイパ−Wの基本的構成について)
この実施形態1の工作機械用ワイパ−Wは、図1や図2に示すように、機台表面やカバー表面等のような掻き取り面9に対して相対的に往復移動する工作機械に取り付けられる取付部1と、前記取付部1に対して傾斜して延設されたリップ部2とを具備しており、前記リップ部2の先端尖り部20が掻き取り面9に対して押し付けられた状態で使用される。
【0011】
取付部1は、図2に示すように、金属製の芯金部10とこれの片面と一体に形成された背部11とから構成されており、工作機械にボルト止めするためのボルト挿通孔12を形成してある。
【0012】
リップ部2は、図2に示すように、掻き取り面9との対向面2a側に、先端尖り部20から取付部1までのほぼ全範囲に凹み部21(左上がりの斜線部分)を形成してあり、前記凹み部21におけるリップ部2の押し付け方向の長さLを、リップ部2の押し付け量よりも大きく設定してある。
【0013】
なお、上記した背部11及びリップ部2は弾性部材により一体的に形成されており、前記弾性部材としては、NBR、ウレタンゴム、フッ素ゴム、H−NBR等が採用できる。そしてこれら弾性部材は、耐油性を有し、硬度が50度〜90度の範囲内で適度の弾性を有するものが好ましく選定される。また、背部11及びリップ部2は芯金部10と加硫接着等により一体化されている。
(この工作機械用ワイパ−Wと従来の技術の欄で示したものとの比較)
ここで、この実施形態1の工作機械用ワイパ−Wの具体的寸法を図3に示し、従来の技術の欄で示した工作機械用ワイパーの具体的寸法を図9に示す(単位はmm)。これら両者を、図4や図8の二点鎖線に示すようにそれぞれ掻き取り面9に対して押し付け、その押し付け量を0〜5mmまで変化させたときの掻き取り面9に対するリップ部2の先端の状態を調査した。その結果を以下の表にしめす。
【0014】
上の表より明らかなように、従来の技術の欄に記載したワイパ−では、掻き取り面9に対する押し付け量が1.5mmを越えると、リップ部2の先端面は掻き取り面9に対して面接触に移行し、掻き取り能力が低下し始める。これに対して、実施形態1のワイパーWでは、掻き取り面9に対する押し付け量が5.0mmとなってもリップ2の先端は密着状態であり、掻き取り能力は低下しない。すなわち、実施形態1のワイパーWを使用すると、掻き取り面9への押し付け量を大きくとっても優れた掻き取り能力が維持できる。
【0015】
なお、図4や図8の実線に示したものは押し付け量が0mmの時点を示したものであり、図4や図8の二点鎖線に示したものは、押し付け量が5.0mmの時点を示したものである。
〔他の実施形態〕
図5〜図7に示したワイパ−Wでは、リップ部2は、掻き取り面9との対向面2a側に、先端尖り部20から取付部1までの半分程度の範囲に凹み部21(左上がりの斜線部分)を形成したものである。この場合においても、前記凹み部21におけるリップ部2の押し付け方向の長さLを、上記実施例1と同様にリップ部2の押し付け量よりも大きく設定してある。なお、凹み部21の底面は、図5においては二つの平面により、図6においては一つの円弧面(曲面)により、図7においては一つの円弧面(曲面)と二つの平面により構成されている。
【0016】
【発明の効果】
この発明は上記のような構成であるから次の効果を有する。
【0017】
課題を解決するための手段の欄の後半部の説明から明らかなように、リップ部の掻き取り面への押し付け量を大きくとっても優れた掻き取り能力が維持できる工作機械用ワイパ−を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の工作機械用ワイパ−の斜視図。
【図2】前記工作機械用ワイパ−の側面図を示している。
【図3】前記工作機械用ワイパ−の具体的寸法を示す図。
【図4】前記工作機械用ワイパ−を掻き上げ面に押し付る前、押し付けた後の側面図。
【図5】この発明の他の実施形態の工作機械用ワイパ−の斜視図。
【図6】この発明の他の実施形態の工作機械用ワイパ−の斜視図。
【図7】この発明の他の実施形態の工作機械用ワイパ−の斜視図。
【図8】従来の工作機械用ワイパ−を掻き上げ面に押し付る前、押し付けた後の側面図。
【図9】従来の工作機械用ワイパ−の具体的寸法を示す図。
【符号の説明】
1 取付部
2 リップ部
9 掻き取り面
20 先端尖り部
21 凹み部
Claims (2)
- 掻き取り面(9)に対して垂直方向に延びる態様で工作機械に取り付けられる取付部(1)と、この取付部(1)に対して傾斜して延設されたゴム製のリップ部(2)とを具備し、前記リップ部(2)の先端尖り部(20)が掻き取り面(9)に対して押し付けられた状態で使用される工作機械用ワイパーであって、リップ部(2)における掻き取り面(9)との対向面側に、先端尖り部(20)から取付部(1)側に向かう所定の範囲に凹み部(21)が形成されており、前記凹み部(21)におけるリップ部(2)の押し付け方向の長さ(L)を、リップ部(2)の押し付け量よりも大きく設定してあり、リップ部(2)の押し付け量の前記範囲であれば、押し付け量を大きくしても当該リップ部(2)の先端尖り部(20)が掻き取り面(9)に対して線接触であることを特徴とする工作機械用ワイパー。
- 凹み部(21)の底面は、複数の平面、一つ以上の曲面、又は一つ以上の平面と曲面の組合せにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の工作機械用ワイパー。
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