JP3842985B2 - 光記録装置における半導体レーザーの劣化検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ヘッドの半導体レーザーの劣化を検出する光記録装置における半導体レーザーの劣化検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク記録装置においては、一般に光源に半導体レーザー(レーザーダイオード)を用いた光学ヘッドが使用されており、このような光ディスク記録装置としては、CD(Compact Disc)フォーマットのCD−R(Recordable)ドライブ及びCD−RW(ReWritable)ドライブが良く知られている。
【0003】
CD−Rドライブ及びCD−RWドライブの場合、CDフォーマットに応じた記録が行われ、記録データに応じて半導体レーザーが駆動され、光学ヘッドからディスクに照射されるパルス状のレーザー光によりデータ記録が行われる。特に、CD−RWドライブの場合、マルチパルス記録方式で記録が行われ、記録信号に対してパルス幅の狭いレーザー光によりデータ記録が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体レーザーを使用した光学ヘッドを備える光ディスク記録装置においては、半導体レーザーの発光時間に応じて半導体レーザーの劣化が進行し、やがて、ディスクに対する記録及び再生が正常に行えなくなってしまう。
【0005】
したがって、半導体レーザーの劣化を検出することが必要である。
【0006】
また、半導体レーザーが劣化した状態でディスク記録が行われると、ディスクに損傷を与えたり、既に記録されたデータを破壊する危惧がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、製造工程の製品検査時にレーザー駆動回路により半導体レーザーを所定の標
準記録出力で駆動した際に半導体レーザーから出射されて記録媒体に導かれるレーザー光を受光する光学ヘッドのフロントモニタから得られる受光レベルを平滑化した直流電圧をデータ化した標準データをあらかじめ記憶するメモリと、半導体レーザーの劣化検出時に前記レーザー駆動回路により半導体レーザーを所定の標準記録出力で駆動した際に前記フロントモニタの受光出力を平滑化した直流電圧をデータ化した受光データと前記メモリに記憶された標準データとを比較し、前記受光データと前記標準データとのレベル差を検出する比較手段と、記録媒体から読み出される信号に対応する受光出力のデータにより記録媒体が装着されているか否かを検出する装着検出手段と、半導体レーザーの劣化を検出するための動作制御を行うレーザー劣化検出制御手段とを備え、半導体レーザーの劣化検出を行う時点で、半導体レーザーを再生出力で駆動するべくレーザー駆動回路を作動させて前記装着検出手段による記録媒体の装着の検出を前記レーザー劣化検出制御手段により実行させ、更に、この検出により記録媒体が装着されていないことが検出された際に前記比較手段による前記受光データと前記標準データとのレベル差の検出を前記レーザー劣化検出制御手段により実行させ、このレベル差が所定値を超えているとの判断により半導体レーザーの劣化を検出するようにしている。
【0008】
【実施例】
図1は本発明に係る光記録装置における半導体レーザーの劣化検出装置の一実施例を示す回路ブロック図である。
【0009】
光学ヘッド1は光源にレーザーダイオード2を使用しており、ディスク3に対して記録及び再生を行うためのレーザー光を照射する。そして、光学ヘッド1はレーザーダイオード2から出射されてディスク3に導かれる光路途中で分離されるレーザー光を受光するフロントモニタ(図示せず)を備えており、このフロントモニタに受光される受光出力はヘッドアンプ4を介してレーザー駆動回路5に供給され、フロントモニタに受光される受光量が一定に制御されるべくレーザー駆動回路5によるレーザーダイオード2の駆動が行われてレーザーダイオード2から出射されるレーザー光が一定に保持されるようになっている。
【0010】
また、フロントモニタからの受光出力はヘッドアンプ4により増幅された後、積分回路6により積分されると共に、レベルシフトされてA/Dコンバータ7によりデジタルデータに変換されてマイクロコンピュータ8に入力される。
【0011】
一方、光学ヘッド1から出射され、ディスク3に照射されたレーザー光の反射光は、光学ヘッド1の反射光受光用の光検出器(図示せず)に受光され、該光検出器からの各受光出力はヘッドアンプ4によりそれぞれ増幅される。そして、ヘッドアンプ4内に備えられるRF信号生成回路9は前記光検出器の所定の受光出力を用いてディスクからの読み取り信号であるRF信号を生成する。
【0012】
そのRF信号はA/Dコンバータ10によりデジタルデータに変換されてマイクロコンピュータ8に入力される。
【0013】
マイクロコンピュータ8は、光学ヘッド1のレーザーダイオード2の劣化を検出するための動作制御を行うレーザー劣化検出制御手段11と、レーザーダイオード2の劣化を検出するの比較基準となる標準データが記憶されるEEPROMにより構成されるメモリ12と、該メモリ12に記憶された標準データとA/Dコンバータ7から出力されるフロントモニタの受光出力に対応した受光データとを比較する比較手段13と、A/Dコンバータ10から出力されるRF信号に対応する受光出力のデジタルデータによりディスクが装着されているか否かを検出するディスク装着検出手段14と、記録及び再生の各種操作を行う入力キー15の入力状態を管理してキー入力に対応した制御を行わせる制御信号を発生するキー入力制御手段16とを備える。
【0014】
上述のように構成される光ディスク記録装置における半導体レーザーの劣化検出装置は、電源投入時、記録開始準備時、及びレーザーダイオード2からのレーザー光量を一定に調整するためのレーザー出力制御時においてレーザー劣化検出制御手段11によりディスク装着検出手段14による検出出力に応じてレーザーダイオード2の劣化検出が行われる。
【0015】
レーザー劣化検出制御手段11はレーザーダイオード2の劣化検出が行われる時点で、レーザーダイオード2がディスクを再生する再生出力で駆動されるべくレーザー駆動回路5を作動させ、ディスク装着検出手段14はその際にA/Dコンバータ10から出力されるRF信号に対応する受光出力のデータによりディスクが装着されているか否かを検出する。
【0016】
ディスク装着検出手段14によりディスクが装着されていないことが検出されると、レーザー劣化検出制御手段11はレーザーダイオード2の劣化検出を実行する。
【0017】
レーザーダイオード2の劣化検出の実行により、レーザーダイオード2がディスクを記録する所定の記録出力で駆動されるべくレーザー駆動回路5が作動され、この際のレーザー出力が光学ヘッド1のフロントモニタにより受光され、この受光出力がヘッドアンプ4を介して積分回路6に供給され、該積分回路6により積分されると共に、レベルシフトされてA/Dコンバータ7によりデジタルの受光データに変換されてマイクロコンピュータ8に入力される。
【0018】
マイクロコンピュータ8に入力される受光データは、比較手段13によりメモリ12に記憶されている標準データと比較される。
【0019】
前記メモリ12に記憶される標準データは、製造工程の製品検査時にレーザー駆動回路5によりレーザーダイオード2をあらかじめ決められた所定のディスク記録の標準出力で駆動した際に光学ヘッド1のフロントモニタから得られる受光出力をヘッドアンプ4、積分回路6及びA/Dコンバータ7を介して得られるレベルシフトした直流電圧のデータである。
【0020】
ここで、ヘッドアンプ4を介して得られる光学ヘッド1のフロントモニタの受光出力Aは、レーザーダイオード2に劣化が生じていない場合、図2の(イ)に示される如く矩形状のパルス波形となるが、レーザーダイオード2に劣化が生じた場合、図3の(イ)に示される如く矩形状が崩れたパルス波形となる。
【0021】
その為、ヘッドアンプ4から出力されたフロントモニタの受光出力Aを積分回路6により平滑すると共に、レベルシフトすると、積分回路6の出力Bは、図2の(ロ)に示されるレーザーダイオード2に劣化が生じていない場合と、図3の(ロ)に示されるレーザーダイオード2に劣化が生じた場合とでは、その直流電圧が相違する。
【0022】
メモリ12に記憶される標準データは、レーザーダイオード2に劣化が生じていない状態におけるフロントモニタの受光出力に対応した直流電圧の標準データであるので、比較手段13はこの標準データの基準レベルVref(0(V))に対する標準レベル差V0を基準としてこの標準レベル差V0と、レーザーダイオード2の劣化検出時におけるフロントモニタの受光出力に対応した直流電圧の検出データの基準レベルVrefに対する検出レベル差V1とを比較する。この標準レベル差V0と検出レベル差V1との比較は、同一の基準レベルVrefに対するものであるので、比較手段13により標準データと検出データとが比較されることと実質的に同一である。
【0023】
比較手段13により標準データと検出データとが比較され、検出データの標準データに対する差が記録再生に与える影響の許容値を考慮してあらかじめ設定される所定値以内であると判断された場合、レーザー劣化検出制御手段11はレーザーダイオード2に劣化が生じていない旨の検出を行い、キー入力制御手段16に制限を与えない。
【0024】
一方、比較手段13により検出データの標準データに対する差があらかじめ設定される所定値を超えていると判断された場合、レーザー劣化検出制御手段11はレーザーダイオード2に劣化が生じた旨の検出を行い、キー入力制御手段16に制限を与え、記録及び再生に関する各種キー入力を受け付けない状態に制御する。
【0025】
同時に、表示によりレーザーダイオード2に劣化が生じたことを使用者に知らしめる。
【0026】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る光記録装置における半導体レーザーの劣化検出装置は、光学ヘッドに備えるフロントモニタの受光出力を用いて半導体レーザーの劣化を検出することが出来、特に、半導体レーザーを再生出力で駆動して記録媒体の装着の有無を検出し、記録媒体が装着されていないことが検出された際に半導体レーザーの劣化検出を行うようにしているので、記録媒体が装着されていた場合に半導体レーザーの劣化検出が行われずに済むと共に、半導体レーザーの劣化検出時に半導体レーザーが記録出力によって駆動されることにより光学ヘッドから出力されるレーザー光によって記録媒体に損傷を与える危惧がない。
【0028】
また、半導体レーザーの劣化と判断された際に、記録操作を無効にしているので、半導体レーザーに劣化が生じていた場合に記録動作が行われることによって記録媒体に損傷を与えることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録装置における半導体レーザーの劣化検出装置の一実施例を示す回路ブロック図である。
【図2】レーザーダイオード2に劣化が生じていない場合における図1のヘッドアンプ4を介して得られる光学ヘッド1のフロントモニタの受光出力及び積分回路6の出力を示す波形図である。
【図3】レーザーダイオード2に劣化が生じた場合における図1のヘッドアンプ4を介して得られる光学ヘッド1のフロントモニタの受光出力及び積分回路6の出力を示す波形図である。
【符号の説明】
1 光学ヘッド
2 レーザーダイオード
4 ヘッドアンプ
5 レーザー駆動回路
6 積分回路
8 マイクロコンピュータ
11 レーザー劣化検出制御手段
12 メモリ
13 比較手段
14 ディスク装着検出手段
16 キー入力制御手段
Claims (2)
- 半導体レーザーを使用した光学ヘッドからパルス状に発光されるレーザー光を照射して記録媒体にデータ記録を行う光記録装置において、光学ヘッドの半導体レーザーを駆動するレーザー駆動回路と、製造工程の製品検査時に該レーザー駆動回路により半導体レーザーを所定の標準記録出力で駆動した際に半導体レーザーから出射されて記録媒体に導かれるレーザー光を受光する光学ヘッドのフロントモニタから得られる受光レベルを平滑化した直流電圧をデータ化した標準データをあらかじめ記憶するメモリと、半導体レーザーの劣化検出時に前記レーザー駆動回路により半導体レーザーを所定の標準記録出力で駆動した際に前記フロントモニタの受光出力を平滑化した直流電圧をデータ化した受光データと前記メモリに記憶された標準データとを比較し、前記受光データと前記標準データとのレベル差を検出する比較手段と、記録媒体から読み出される信号に対応する受光出力のデータにより記録媒体が装着されているか否かを検出する装着検出手段と、半導体レーザーの劣化を検出するための動作制御を行うレーザー劣化検出制御手段とを備え、該レーザー劣化検出制御手段は半導体レーザーの劣化検出を行う時点で、半導体レーザーを再生出力で駆動するべくレーザー駆動回路を作動させて前記装着検出手段による記録媒体の装着の検出を実行させ、この検出により記録媒体が装着されていないことが検出された際に前記比較手段による前記受光データと前記標準データとのレベル差の検出を実行させ、このレベル差が所定値を超えているとの判断により半導体レーザーの劣化を検出することを特徴とする光記録装置における半導体レーザーの劣化検出装置。
- 前記レーザー劣化検出制御手段が半導体レーザーの劣化を判断した際に、記録操作を無効にしたことを特徴とする請求項1記載の光記録装置における半導体レーザーの劣化検出装置。
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