JP3841441B2 - 不織ウェブのフォーム製法への遠心ポンプの使用 - Google Patents
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Description
不織繊維ウェブを形成するためのフォーム−レイド・プロセス(foam-laid process)は米国特許第3,716,449号、第3,871,952号及び第3,938,782号(これらの開示は本明細書に援用される)に基本的に開示されている。フォーム−レイド・プロセスは、合成又はセルロース繊維ウェブを製造するために最も慣用的に用いられているウォーター−レイド・プロセス(water-laid process)を凌駕する多くの利点を有する。本発明は、フォーム−レイド・プロセスをその態様を改良するように実施するためのプロセスとアセンブリとに関する。
フォームプロセスは繊維不織ウェブの製造においてウォーター−レイド・プロセスを凌駕する多くの利点を有するが、その商業化を特定の種類のフォームに限定しているその実際の欠点の1つは、10mを越えうる、ウォーター−レイド・プロセスを用いた典型的な製紙機でのウェブ幅に比べて、今までにフォーム−レイド・プロセスから製造されたウェブが比較的狭い幅(例えば、典型的に1〜1.5mの範囲内)であることである。さらに、フォームプロセスの生産速度は、今までは、典型的に100m/分よりかなり下であった。
フォームプロセスを実施する先行技術系におけるウェブの幅と操作速度とにおける主な限界は、方法の実施に用いられるポンプであった。ポンプは例えばスクリューポンプ、ツインスクリューポンプ、ツインローターポンプ等のような、限定されたポンピング容量を有する容積移送式ポンプ(positive displacement pump)である。これらの容積移送式ポンプの一部はポンピングされる物質に比較的影響を受けないので、当然フォームプロセスの特徴である、繊維及びガス含有流体の製造に良好に作動し、これらのポンプが用いられるのはこの理由からである。しかし、これらのポンプの一部は消耗されやすく、高価であり、損傷されやすい。したがって、生産を(ワイヤー又は他の有孔要素の幅を1.5mより大きく増大することによって生産されるウェブのサイズを増大させることによるように)増大すべき場合には、幾つかのポンプを並行使用しなければならない。このことはアセンブリの費用を劇的に高めるばかりでなく、ポンプの1つが損傷しても、損傷したポンプを修理又は交換するためにプロセス全体を停止させるという危険性をもたらすことになる。
WO−A−9602702は、フォーム形成された繊維又は紙ウェブを製造するための方法と配置とを開示している。このWO文献は、繊維を含むフォームのポンピングを考察し、フォームのポンピングに適した数種類のポンプを提案している。挙げられたポンプは、慣用的ピストンポンプ、水封型(water-ring type)真空ポンプ及びいわゆるDiscfloポンプである。これらのポンプの全ての一般的特徴は次のように挙げることができる:これらは高いガス含有を有する媒質をポンピングすることができ、これらの効率は顕著に低く、それらがポンピングする媒質からガスを分離しない。
フォームプロセスの実施中にガス除去の必要性を先行技術が認識する状況においても、何らかの種類の別のガス抜き(degassing)構造が備えられ、慣用的な容積移送式ポンプを用いてポンピングが行われる。例えば、米国特許第4,944,843号の図3では、ガス抜きは遠心セパレータによって行われるが、有孔要素を通過して、ダクトから除去されるフォームは容積移送式ポンプを用いてポンピングされる。
本発明によると、慣用的フォームプロセスにおける上記欠点は簡単で、その上効果的なやり方で克服される。フォームスラリー(foam slurry)(繊維を含有するかしないかに拘わらず)の取扱いに遠心ポンプを用いることによって、ワイヤー(又は他の有孔要素(foraminous element))の幅を2mより大きく増大して、生産速度を100m/分より大きく(例えば、200〜500m/分)高めることができる。しかし、大抵の遠心ポンプは、本発明によってフォームプロセスで扱われるような種類のスラリーをポンピングするには不適切である。しかし、本発明は、本発明によってフォームプロセスの実施に有効であると判明しているガス抜き遠心ポンプを用いる。米国特許第4,435,193号と第4,476,886号及びカナダ特許第1,128,368号に示されるようなガス抜き遠心ポンプは製紙用パルプ等の生産中の中程度の濃度(medium consistency)(例えば、約6〜18%固形分)の液体繊維スラリーのポンピングに多年にわたって用いられているが、フォームプロセスの実施において遭遇される種類のスラリーのポンピングにそれらを用いることは、実際的と又は上述したような、フォームプロセスの実施における長年存在する問題の解決策と見なされていない。
本発明の1態様によると、可動有孔要素(例えば、シングルワイヤー、ツインワイヤー、又は他の任意の慣用的有孔要素)を用いて繊維材料の不織ウェブの製造方法を提供する。この方法は次の工程を含む:(a)空気、水、繊維及び界面活性剤の第1フォームスラリーを形成する。(b)第1フォームスラリーを遠心的にポンピングして、可動有孔要素に接触させる。(c)該可動有孔要素上で繊維材料の不織ウェブを形成しながら、該可動有孔要素から実質的に繊維を含まないフォームを取り出す。及び(d)工程(c)からの実質的に繊維を含まないフォームの少なくとも一部を工程(a)の実施に用いるために再循環させる。
工程(d)は好ましくは一部においてフォームの遠心ポンピングによって実施する。好ましくは、工程(b)と(d)は、フォームをその遠心ポンピング中に部分的にガス抜きすることによって行われる(例えば、米国特許第4,435,193号と第4,476,886号及びカナダ特許第1,128,368号に基本的に述べられているようなガス抜き遠心ポンプを用いる)。
工程(a)〜(d)は好ましくは、2m幅よりも大きい(例えば、2.1〜10m幅)可動有孔要素を用いて、2m幅より大きいウェブを不織繊維ウェブとして製造するように行われれる。さらに、工程(a)〜(d)は約100m/分より大きい(例えば、約200m/分より大きく、例えば約200〜500m/分)形成速度で、不織ウェブを製造するように行われることが好ましい。好ましくは、遠心ポンプは工程(a)〜(d)の実施において繊維フォームスラリー又は実質的に繊維を含まないフォームスラリーのいずれかをポンピングするために用いられる唯一のポンプである。
本発明の他の態様によると、不織繊維ウェブを製造するためのフォームプロセスアセンブリ(foam process assembly)をも提供する。このアセンブリは下記要素を含むことができる:その上で不織ウェブを形成することができる可動有孔要素。空気、水、繊維及び界面活性剤の第1フォームスラリーのソース。第1フォームスラリーをポンピングして可動有孔要素に接触させて、実質的に繊維を含まないフォームを該可動有孔要素に通過させながら、繊維材料の不織ウェブを該可動有孔要素上に形成するための第1遠心ポンプ。及び該可動有孔要素を通過した実質的に繊維を含まないフォームの少なくとも一部を第1フォームスラリーのソースに戻す再循環系。
可動有孔要素は、例えばシングルワイヤー又はダブルワイヤーのような、任意の慣用的な有孔要素であることができる。第1フォームスラリーのソースは、例えばミキサー/パルパー及び/又はワイヤーピットのような任意の商業的ソースを含むことができ、ポンピング後に、フォームが有孔要素に接触する前に、フォームの発生を促進するためには、フォームノズル(foam nozzle)が典型的に用いられる。再循環系は典型的にワイヤーピットと、種々な導管と、第2遠心ポンプ(好ましくは、上述したようなガス抜きポンプ)とを包含し、第1遠心ポンプは好ましくはガス抜きポンプでもある。しかし、再循環系は任意の慣用的要素を含むことができる。再循環系は典型的にワイヤーピットを包含し、第2遠心ポンプはワイヤーピットから実質的に繊維を含まないフォームをミキサー/パルパーにポンピングする。該可動有孔要素は、2m幅より大きい不織ウェブを製造するように、2m幅より大きいことが好ましい。
本発明の他の態様によると、ガス抜き遠心ポンプの使用方法を提供する。この方法は、ウェブ製造のフォームプロセスによる不織繊維ウェブの製造中に、少なくともガスと、水と、界面活性剤とを含むフォームスラリーをガス抜き遠心ポンプによってポンピングし、同時にスラリーから若干のガスを除去する工程を含む。この工程は約0.2〜2.5重量%の繊維をも包含するフォームスラリーをポンピングし、さらに実質的に繊維を含まないフォームをポンピングすることによって、典型的に行われる。
実際のウェブ幅及び/又は形成速度を高めることを含む。不織ウェブのフォーム製法の実施を簡単に、その上効果的に強化することが、本発明の主要な目的である。本発明のこの目的及び他の目的は本発明の詳細な説明の綿密な検査と添付請求の範囲とから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のプロセスを実施することができるフォーム−レイド・プロセス系と用いる本発明の装置との全体的概略図である。
図2は、一部は断面及び一部は立面である詳細な概略図であり、図1の系のマニホルドとヘッドボックス(headbox)とに供給するポンプへのミキサーからのフォーム/繊維スラリーの供給を示す。
図3は、本発明の実施に用いられる典型的なガス抜き遠心ポンプの、大部分は断面であるが一部は立面である側面図である。
図面の詳細な説明
本発明が望ましく用いられるフォーム−レイド・プロセスを実施するための典型的なフォーム−レイド・プロセスを図1の10に概略的に示す。この系は繊維インプット(input)12と、界面活性剤インプット13と、他の添加剤、例えば、炭酸カルシウム又は酸のようなpH調節化学物質、安定剤等のインプット14とを有する混合タンク又はパルパー11を包含する。繊維(ガラス、合成及び/又はセルロースであろうと、天然であろうと)、界面活性剤及び添加剤の特定の性質は重要ではなく、これらは製造されるべき生成物の正確な詳細(基本重量を包含する)に広く依存して変化しうる。界面活性剤はかなり容易に洗い流されうる界面活性剤を用いることが望ましい、この理由は、界面活性剤はまだ存在するならば、最終ウェブの表面張力を低下させるので、一部の製品にとっては望ましくない特徴であるからである。米国特許第3,716,449号、第3,871,952号及び第4,856,456号に一般的に述べられているような、商業的に入手可能である非常に多くの界面活性剤から、厳密に如何なる界面活性剤を用いるかは本発明に関係しない。
タンク11はそれ自体全く慣用的であり、ウォーター−レイド・プロセスを用いる慣用的な製紙系にパルパーとして用いられるタンクと同じ種類である。唯一の差異は、ミキサー/パルパー11の側壁がウォーター−レイド・プロセスにおける高さに比べて約3倍に上方に伸びていることであり、この理由はフォームが水の密度の約1/3の密度を有するからである。慣用的な機械的ミキサーのrpmとブレード形状とは生産される製品の特定の性質に依存して変化するが、特に重要ではなく、種々な要素とパラメーターとの広範囲な変化を用いることができる。壁にブレーカー(braker)を備えることもできる。フォームが流出するタンク11の底部には渦(vortex)が存在するが、この渦は、一度始動が生じたならば、タンク11がフォームと繊維とで満たされるので、目視されない。
タンク11は、多くの異なる箇所でpHを測定するために、多数のpH計15を内部に含むことも好ましい。pHは表面張力に影響を与えるので、正確に測定することが望ましい。pH計を毎日キャリブレートする。
初期始動時に、水をライン12からの繊維と、ライン13からの界面活性剤と、ライン14における他の添加剤と共に加える;しかし、一度、操作が開始されたならば、追加の水は不必要であり、タンク11内では、フォームが発生するばかりでなく、フォームが単に維持されてもいる。
フォームはタンク11の底部から渦として出て、ポンプ17の影響下でライン16に入る。本発明によると、ポンプ17は、系10の他の全てのポンプと同様に、ガス抜き遠心ポンプであることが好ましい。ポンプ7から放出されるフォームはライン18に入って他の要素に達する。
図1は点線内に任意の保持タンク19を示す。保持タンク19は必ずしも必要ではないが、ミキサー11中に導入される若干の変化がある場合には、フォーム中への繊維の比較的一様な分布を保証するために望ましいと考えられる。即ち、保持タンク19(小型であり、典型的に僅か5m3のオーダーである)は、繊維分布を平均にさせるための“サージタンク(surge tank)”に幾らか類似して作用する。プロセスの実施において、ミキサー11からヘッドボックス(30)までの総合時間は典型的に僅か約45秒間であるので、保持タンク(用いる場合に)は変化を平均するための時間を与える。
保持タンク19を用いる場合には、フォーム(泡)はポンプ17からライン20内でタンク19の頂部に供給され、タンクの底部から遠心ポンプ22の影響下でライン21に入り、次にライン18に達する。即ち、保持タンク19を用いる場合に、ポンプ17は直接ライン18に接続せず、タンク19を介してのみ接続する。
ライン18はワイヤーピット23に達する。ワイヤーピット23自体は慣用的なタンクであり、この場合にも、高い側壁を有する以外は、慣用的なウォーター−レイド・プロセス系におけると同じである。ワイヤーピット23をデッドコーナー(dead corner)がないように作ることが重要であるので、タンク23は大き過ぎてはならない。ライン18中のフォームと繊維の混合物をガス抜き遠心ポンプ25(ワイヤーピット23に隣接して作用的に接続する)中に導入させる慣用的構造24を、図2に関してさらに説明する。いずれにしても、ポンプ25は、機構24によって導入される、ライン18中のフォーム/繊維混合物と、ワイヤーピット24からの付加的なフォームとをライン26中にポンピングする。かなり多量のフォームがワイヤーピット23からポンプ25中に汲み出されるので、ライン26中の濃度(consistency)は典型的にライン18中の濃度よりもかなり低くなる。ライン18中の濃度は典型的に2〜5%固形分(繊維)であり、ライン26中の濃度は典型的に0.2〜2.5%(例えば、約0.5〜2.5%)であるが、各場合の濃度は約12%程度に高いことも可能である。
ワイヤーピット23中では、異なる密度層へのフォームの分離が生じない。底部方向への最小の増加が存在するが、この増加度は系の操作に影響を与えない。
ライン26からフォーム/繊維は、それに付随したフォーム形成ノズル28を有するマニホルド27に達する。ノズル28(本明細書に援用される、’449号、’952号及び’782号特許に用いられているような慣用的なフォーム形成ノズル(フォームを非常に撹拌する)である)をマニホルド27に取り付けるのが好ましく、多数のノズル28をマニホルド27に取り付ける。各ノズル28からは導管29が伸びて、ヘッドボックス(headbox)30に達する、ヘッドボックス30には1つ以上の慣用的な製紙ワイヤー又は任意の他の適当な有孔要素が通過している。
ヘッドボックス30は複数個の吸引ボックス31(典型的には、約3〜5個)を有し、これらはフォーム/繊維混合物の導入からワイヤー(有孔要素)の反対側からフォームを引き出し、最終分離ボックス32がヘッドボックス30からの形成ウェブ33の放出端部に存在する。排水(drainage)を制御するために吸引台(suction table)に備えられた吸引ボックス31の数はより濃密な製品のためには、又はより高速な操作のためには増加させる。典型的に約40〜60%(例えば、約50%)の固形分濃度を有する形成ウェブ33は、図1の洗浄ステージ34によって概略的に示すように、洗浄作用にさらすことが好ましい。洗浄ステージ34は界面活性剤を除去するためである。ウェブ33の高濃度とは、最小量の乾燥装置を用いる必要があることを意味する。
ウェブ33は洗浄機(washer)34から1つ以上の任意の塗布機(coater)35を過ぎて慣用的な乾燥ステーション36に達する。慣用的な乾燥ステーション36では、合成シース/コア繊維(例えば、Cellbond)がウェブ33の一部であるときに、ドライヤー34を操作して、ウェブをシース材料(典型的にポリプロピレン)の融点よりも高温に、但し、コア材料(典型的にPET)は溶解しないように温度上昇させる。例えば、Cellbond繊維をウェブ33に用いる場合には、ドライヤー中の温度は典型的に約130℃又はこれよりやや高く、この温度はシース繊維の溶融温度又はこれよりやや高いが、コア繊維の約250℃の溶融温度よりも充分に低い温度である。このようにして、結合作用がシース材料によって与えられるが、製品の保全性(integrity)(コア繊維によって与えられる)は弱められない。
必ずしも必要ではないが、この方法は多くの有利な目的のためにヘッドボックス30に又はヘッドボックス30に直接隣接して純粋なフォームを加えることも考慮する。図1に見られるように、遠心ポンプ41はワイヤーピット23からライン40中にフォームを汲み出す。ライン40中のフォームはヘッダー42にポンピングされ、ヘッダー42は次のフォームをヘッドボックス30方向の多数の異なる導管43に分配する。フォームを(ライン44によって示すように)ヘッドボックス30(これは傾斜ワイヤーヘッドボックスである)のルーフの直接下方に、及び/又はフォーム/繊維混合物をヘッドボックス30に導入するために導管45を介してライン29(又はノズル28)に導入することができる。
吸引ボックス31はヘッドボックス30から引き出されたフォームをライン46によってワイヤーピット23中に放出する。典型的には、このためにポンプは必要ではない、又は用いられない。
ワイヤーピット23中のフォームのかなりの量がパルパー11へ再考慮される(recalculated)。フォームを遠心ポンプ48によってライン47に取り出し、次に導管47によって慣用的なイン−ライン密度測定デバイス49に通して(50に概略的に示すように)タンク11に戻し入れる。ライン47内のフォームのために49において密度測定を行う他に、図1に概略的に示すように、1つ以上の密度測定ユニット(例えば、密度計(denseometer))49Aをタンク11内に直接取り付けることができる。
フォーム再循環の他に、水再循環も典型的に存在する。最後の吸引ボックス32から引き出されたフォームはライン51を介して慣用的なセパレータ(例えばサイクロンセパレータ)53に達する。セパレータ53(例えば、渦作用による)は、セパレータ53に導入されたフォームから空気と水とを分離し、そのなかに空気を殆ど含まない水を生成する。分離された水はセパレータ53の底部からライン54によって水タンク55に達する。セパレータ53によって分離された空気はセパレータ53の頂部からライン56に入り、ファン57の補助を受けて、大気に放出されるか、又は燃焼プロセスに用いられるか若しくは他の方法で処理される。
図1の60に概略的に示すように、液体レベル58が水タンク55では確立され、若干の液体が溢流して、下水又は処理に達する。水はまた、タンク55内のレベル58の下方からもライン61を介して取り出され、遠心ポンプ62の影響下で、ライン61にポンピングされ、(ポンプ62を制御する)慣用的な流量計63を通過する。或いは、再循環水は(図1の64に概略的に示すように)ミキサー11の頂部に導入される。
典型的な流量は、ライン18では4000リットル/分のフォーム/繊維、ライン26では40,000リットル/分のフォーム/繊維、ライン47では3500リットル/分のフォーム、及びライン51では500リットル/分のフォームである。
系10はまた多くの制御要素をも包含する。この系の操作を制御するための種々な手段(alternatives)の好ましい例は、第1ファジイ制御装置(first fuzzy controller)71を含み、これはタンク11内のフォームのレベルを制御する。第2ファジイ制御装置72はライン13内の界面活性剤の添加を制御する。第3ファジイ制御装置73はヘッドボックス30領域におけるウェブ形成を制御する。第4ファジイ制御装置74は洗浄機34に対して用いられる。第5ファジイ制御装置75はミキサー11へのライン14による他の添加剤の添加を制御する。ファジイ制御はさらに界面活性剤と生成(formation)の制御に用いられる。さらに、多変数制御系(multi-variable control system)と、Neuronet制御系とは、他の制御に重複して好ましく用いられる。多変数制御はウェブ生成における流出比率(efflux ratio)を制御するためにも用いられる。変数は、所望のプロセス制御と最終結果とに対するそれらの効果に依存して、変化することができる。
種々な要素の制御を促進するために、かつ単位時間当たりの繊維の添加量を正確に決定するために、典型的にスケール76が繊維導入12に接続される。界面活性剤の導入を制御するために、ライン13中のバルブ77をスケール78と同様に設けることができる。バルブ79もライン14に備えることができる。
系10には、ライン46中に備えられたレベル制御バルブを可能な例外として、フォームの取り扱い中のいずれの点においても意図的にフォームと接触するようなバルブは本質的に備えられない。
さらに、図1の系のプロセスの全実施中に、フォームは比較的高い剪断条件下に維持される。剪断が高ければ高いほど、粘度は低くなるので、フォームを高い剪断に維持することが望ましい。フォーム/繊維混合物は疑似塑性として作用して、非Newtonian挙動を示す。
フォーム−レイド・プロセスの使用は、特に高吸収性製品のためのウォーター−レイド・プロセスに比べて多くの利点を有する。ウェブ33が高濃度であるための低いドライヤー容量の他に、フォームプロセスは、任意の種類の繊維又は粒子のスラリー中(最終的にはウェブ中)の一様な分布(低密度粒子が多少“沈降”する−これらは水中では全く沈降しない−とはいえ、高密度粒子の過度の“沈降”なしに)を、繊維又は粒子が約0.15〜13の比重を有するかぎり、可能にする。フォームプロセスはまた、広範囲に多様な基本重量のウェブの製造、ウォーター−レイド・プロセス製品に比べて向上した均一性と高い嵩(bulk)を有する製品、及び非常に高いレベルの均一性を可能にする。複数個のヘッドボックスを連続的に備えることができる、又は2個(又はそれ以上)の層をダブルワイヤー等によっててヘッドボックス内で同時に形成することができる、及び/又は簡単な塗布機35を用いて、非常に簡単に(塗布と同様に)追加の層を設けることができる。
図2は、ワイヤーピット23に結合した遠心ガス抜きポンプ25へのフォーム/繊維混合物、及びフォームの導入を示す。構造24は、例えば本明細書に援用される特許に開示されているような、Wiggins Teapeプロセスから公知であり、ライン18に達したフォーム/繊維は曲がり導管83によって説明されるように、ライン18の開放端部84から、フォーム/繊維混合物がポンプ25の取り入れ口85中に直接放出されるように、方向転換される。ワイヤーピット23からのフォームもまた、矢印86によって説明されるように、取り入れ口85に流入する。ファジイ制御下で行われる、ポンプ48の操作は、ワイヤーピット23中のレベルを制御する。
フォームの製造に用いられる繊維が特に長い、即ち、数インチのオーダーである場合には、(図2に見られるように)ライン18をポンプ25の吸引取り入れ口85に向ける代わりに、ライン18はポンプ25の下流のライン26中に達する。この場合に、ポンプ17はもちろん他の場合よりも高い圧力、即ち、18からの流れが、ポンプ25からの圧力がライン26中に存在するにも拘わらず、ライン26中に流入するような充分な圧力を与えなければならない。
本発明によって、ポンプ17、25、41、48、62の1つ以上として使用可能である、典型的なガス抜きポンプを図3に参照番号100によって一般的に示す、これはAhlstrom Machinery社とAhlstrom Machinery Oyによって販売され、米国特許第4,435,193号と第4,476,886号及びカナダ特許第1,128,368号に示されている、慣用的なMC(登録商標)ポンプと基本的に同じものである。
ポンプ100は典型的に、軸方向取り入れチャンネル104を含む慣用的なボリュート・ケーシング102と、好ましくは、加圧開口108を含む接線方向放出チャンネル106とを含む。その上、ケーシングは、中心又は回転可能なシャフト112を有するケーシングカバー110を含む。ボリュート・ケーシング102の内側では、インペラー114がシャフト112に取り付けられている。インペラー114は実質的半径方向ディスク(substantially radial disk)116を含むことができ、その正面には(取り入れチャンネル側には)作動ブレード118が存在する。インペラー114の裏側にはバック・ベーン120も備えられる。1つの開口又は幾つかの開口122がディスク116を通って、好ましくはシャフト112に密接して伸びる。インペラー114の正面に蓄積されたガスは開口(単数又は複数)122を通って流れて、インペラー114の背後の容積121に、即ち、ディスク116と、ポンプ100のケーシング・カバー110との間の容積121に達する。シャフト112は任意の適当な電源、例えば図3の123に概略的に示した電気モーターによって回転する。
ケーシング・カバー110はさらに、インペラー114の背後の容積(volume)121から分離したガスを除去するために、シャフト112の周囲の環状ガス排出口チャンネル124、又はケーシング・カバー110自体の特別な開口(図示せず)を備える。ガス排出チャンネル(又は開口)124は吸引デバイス(図3の125においてごく概略的に示す)に接続し、この吸引デバイスはガス除去のために必要な減圧(underpressure)を生じるために用いられる。吸引デバイス125はしばしば、液封ポンプ(liquid ring pump)、即ち、Nashポンプ(これらのポンプの伝統的な製造者に因んで命名)である。吸引デバイス125はインペラー114と同じシャフト(112)に取り付けることができる、又は遠心ポンプ100から離れた分離操作デバイスとして備えることができる。図3では、吸引デバイス125はポンプ100とは分離して配置されているので、ポンプ100からのガス除去系はチャンネル126を包含し、チャンネル126はポンプ100内に発生したガス又はフォームを吸引デバイス125に除去するために用いられる。
図3はまた、多量の繊維がガス分離系に供給された場合に、分離ホイール128をガス分離系にどのように取り付けることができるかを説明し、ガス分離系では分離ホイール128がガス流中の繊維をバック・ベーン120の操作によってポンプ100から導管130中にポンピングして、繊維が吸引デバイス125に入らないようにする。特に短い循環用途では、除去されるガス流中に繊維が捕捉されることが殆どなく、したがって吸引デバイス125に対する繊維の損傷効果も殆ど存在しないので、ホイール128等は通常、不必要である。
上記ポンプ100は、ポンプ100の吸引チャンネル104中の物質がインペラー114の効果によって回転を開始するように作動するので、物質中のガスは気泡(gas bubble)としてインペラー114の正面に集積される。上記吸引デバイス125の効果がガス排出チャンネル124又はケーシングのケーシング・カバー110上の開口を通して、インペラー114の背後の容積121に及ぼされ、そこからさらにインペラー114の開口122を通してインペラー114の正面に及ぼされるときに、気泡中のガスは吸引デバイス125の方向に流れ始める。幾つかの例外的な場合には、この吸引はさらに液体と繊維さえも容積121中に引き入れ始める。このような場合には、インペラー114のバック・ベーン120を用いて、液体及び/又は繊維をガスから分離して、分離流を形成し、この分離流を次にディスク116の外縁を介して主要流に戻して、加圧排出口108を介してポンプ100から除去する。
したがって、上述したように、不織繊維ウェブを製造するためのフォームプロセス・アセンブリが提供されることが理解されるであろう。フォームプロセス・アセンブリは、その上で不織ウェブを形成する、ヘッドボックス30内の慣用的な可動有孔要素と、空気、水、繊維及び界面活性剤の第1フォームスラリーのソースとを包含する。このソースはミキサー/パルパー11及び/又はワイヤーピット23を含むことができる。第1遠心ポンプ(17又は25)は第1フォームスラリーをポンピングして、ヘッドボックス30内の可動有孔要素と接触させて、実質的に繊維を含まないフォームを有孔要素に通過させながら、不織ウェブを形成する。吸引ボックス31と、ワイヤーピット23と、導管47と、第2遠心ガス抜きポンプ48とを包含することができる再循環系が、有孔要素を通過する実質的に繊維を含まないフォームの少なくとも一部をソースに戻す。例えば、導管47又はポンプ48を用いる場合には、これらは、ライン46からワイヤーピット23中に達するフォームの一部をミキサー/パルパー11に戻す。
ポンプ25は典型的に、繊維を包含するフォームスラリーをフォーム形成ノズル28に通してポンピングして、ヘッドボックス30内の有孔要素と接触させるポンプであり、これを行うための唯一のポンプである必要がある。遠心ポンプは容積移送式ポンプよりも非常に高い容量を有するので、有孔要素は2m幅より大きく(例えば2.1m幅から約10m幅まで)なることができ、それでもまだ単一ポンプ25のみが必要であるに過ぎない。さらに、例えば、ポンプ25、48のような遠心ポンプの使用は、公知のフォームプロセス系に比べて、生成速度をかなり高める、約100m/分より大きく、実際に約200m/分より大きく(例えば、約200〜500m/分)高めることを可能にする。
本発明による、方法の実施と系の使用とにおいて、使用可能である典型的なフォームプロセスパラメータを下記表に記載する(但し、製品範囲がさらに広い場合には、パラメータの範囲を非常に広くすることができる):
フォーム−レイド・プロセスを非常に有利に改変することが、本発明の主要な目的である。本発明の最も実用的で、最も好ましい実施態様であると現在考えられる実施態様に関して本発明を示し、説明したが、本発明の範囲内で本発明の多くの改変がなされうること、本発明の範囲があらゆる同等な方法及びアセンブリを包括するように添付請求の範囲の最大に広い解釈によるものであることは、当業者に明らかであろう。
Claims (17)
- 可動有孔要素を用いた、繊維材料の不織ウェブの製造方法であって、次の工程:
(a)空気、水、繊維及び界面活性剤の第1フォームスラリーを形成する工程と
(b)第1フォームスラリーを遠心的にポンピング(pumping)して、可動有孔要素に接触させる工程と;
(c)該可動有孔要素上に繊維材料の不織ウェブを形成しながら、該可動有孔要素から実質的に繊維を含まないフォーム(foam)を引き出す工程と;
(d)工程(c)からの実質的に繊維を含まないフォームの少なくとも一部を工程(a)の実施に用いるために再循環させる工程と
を含み、
工程(b)において、フォームの遠心ポンピング中にフォームを部分的にガス抜きすること、及び
工程(a)において、第1フォームスラリーが25〜75体積%の空気含量を有すること
を特徴とする上記方法。 - 工程(d)を、その一部においてフォームの遠心ポンピングによって行うことを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 工程(d)を、フォームの遠心ポンピング中に、フォームの部分的ガス抜きによって行うことを特徴とする、請求項2記載の方法。
- 工程(a)〜(d)を2m幅よりも大きい可動有孔要素を用いて行って、2m幅より大きいウェブを不織繊維ウェブとして製造することを特徴とする、請求項1又は3に記載の方法。
- 工程(a)〜(d)を約100m/分より大きい形成速度で不織ウェブを製造するように行うことを特徴とする、請求項4記載の方法。
- 工程(a)〜(d)を約200m/分よりも大きい形成速度で不織ウェブを製造するように行うことを特徴とする、請求項4記載の方法。
- 工程(a)〜(d)の実施において繊維フォームスラリー又は実質的に繊維を含まないフォームスラリーのいずれかをポンピングするために用いられる唯一のポンプが遠心ポンプ(17、25、41、48、62、100)であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 繊維材料の不織ウェブを製造するためのフォームプロセスアセンブリ(foam process assembly)であって、下記要素:
その上で不織ウェブ(33)を形成することができる可動有孔要素と;
空気、水、繊維及び界面活性剤の第1フォームスラリーであって、25〜75体積%の空気含量を有する第1フォームスラリーのソース(11)と;
第1フォームスラリーをポンピングして可動有孔要素に接触させて、実質的に繊維を含まないフォームを該可動有孔要素に通過させながら、繊維材料の不織ウェブ(33)を該可動有孔要素上に形成するための第1ポンプと;
該可動有孔要素を通過した実質的に繊維を含まないフォームの少なくとも一部を第1フォームスラリーのソース(11)に戻す再循環系(23、48)と
を含み、
前記第1ポンプ(25)がガス抜き遠心ポンプであることを特徴とする上記フォームプロセスアセンブリ。 - 前記再循環系(23、48)が第2ガス抜き遠心ポンプ(48)を包含することを特徴とする、請求項8記載のフォームプロセスアセンブリ。
- 前記再循環系が第2遠心ポンプ(48)を包含することを特徴とする、請求項8記載のフォームプロセスアセンブリ。
- 前記可動有孔要素が、2m幅より大きい不織ウェブ(33)を製造するために、2m幅より大きいことを特徴とする、請求項8記載のフォームプロセスアセンブリ。
- 前記第1遠心ポンプ(25)と前記可動有孔要素との間に配置されたフォーム形成ノズル(28)を有し、かつ、前記第1遠心ポンプ(25)が、前記フォーム形成ノズル(28)から第1フォームスラリーをポンピングするポンプであり、第1フォームスラリーをフォーム形成ノズル(28)からポンピングする唯一のポンプでもあることを特徴とする、請求項11記載のフォームプロセスアセンブリ。
- 前記ソースがミキサー/パルパー(11)と、ワイヤーピット(23)とを含むことを特徴とする、請求項8記載のフォームプロセスアセンブリ。
- 前記再循環系が前記ワイヤーピット(23)と、実質的に繊維を含まないフォームを前記ワイヤーピット(23)から前記ミキサー/パルパー(11)にポンピングするための第2遠心ポンプ(48)とを包含すること特徴とする、請求項13記載のフォームプロセスアセンブリ。
- 少なくともガスと、水と、界面活性剤とを含むフォームスラリーをポンピングするためのガス抜き遠心ポンプ(17、25、41、48、62、100)の使用であって、
フォームスラリーが25〜75体積%の空気含量を有し、
ウェブ製造のフォームプロセスによる不織繊維ウェブ(33)の製造中に、同時にスラリーから若干のガスを除去する上記使用。 - 前記フォームスラリーが約0.2〜2.5重量%の繊維をも包含することを特徴とする、請求項15記載の使用。
- 前記フォームスラリーが実質的に繊維を含まないフォームであることを特徴とする、請求項15記載の使用。
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