JP3841122B2 - 車両用エンジン装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃焼室に燃料を噴射する車両用エンジン装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジン装置は、シリンダボディにシリンダヘッドを載置し、シリンダボディのシリンダに往復動可能に設けられたピストンの頭部とシリンダヘッドの凹部とで燃焼室を形成し、この燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタを備えるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような車両用エンジン装置では、例えば、インジェクタがシリンダヘッドに備えられるが、インジェクタには燃料配管が接続されると共に、シリンダヘッドには吸気管や排気管が接続され、さらに吸気管には吸入空気量を制御する吸気制御弁が備えられるため、シリンダヘッドにインジェクタや燃料配管をコンパクトに配置することが困難であった。
【0004】
この発明は、かかる点に鑑みなされたもので、インジェクタや燃料配管をコンパクトに配置することができ、しかも組付性が向上する車両用エンジン装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、請求項1記載の発明は、『シリンダボディにシリンダヘッドを載置し、前記シリンダボディのシリンダに往復動可能に設けられたピストンの頭部と前記シリンダヘッドの凹部とで燃焼室を形成し、この燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタを備える車両用エンジン装置において、
前記シリンダヘッドに取付面を介して着脱可能に締付固定される吸入空気制御弁ユニットに、前記シリンダヘッドの吸気通路に連なる弁通路と、この弁通路内に位置して吸入空気量を制御する吸気制御弁と、前記インジェクタに燃料を供給する燃料レールとを一体に設け、
前記インジェクタを、前記燃焼室に開口した前記吸気通路の下方位置に配置して前記シリンダへッドに取り付けるとともに、前記インジェクタの一端部を前記燃焼室に臨ませ、
前記インジェクタの他端部側に前記取付面に対して略直交する接続部を形成し、
前記吸入空気制御弁ユニットには、前記インジェクタの接続部分が嵌合され、かつ前記燃料レールと連通する嵌合孔が、前記取付面に対して略直交する方向に設けられていることを特徴する車両用エンジン装置。』であり、インジェクタが吸気通路の下方位置のスペースを利用して配置され、しかも吸入空気制御弁ユニットに吸気制御弁と燃料レールが一体に備えられ、インジェクタや燃料配管をコンパクトに配置することができる。また、シリンダヘッドに吸入空気制御弁ユニットを組み付けると、吸気制御弁が吸気通路に接続されると共に、燃料レールがインジェクタに接続され、組付性が向上する。
【0006】
請求項2記載の発明は、『前記シリンダヘッドに複数の吸気通路を設け、前記吸入空気制御弁ユニットに前記それぞれの吸気通路と連通する複数の弁通路を設け、この複数の弁通路の内一部に前記吸気制御弁を配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジン装置。』であり、複数の弁通路の内一部に配置した吸気制御弁の作動でシリンダヘッドの複数の吸気通路の流速が変化して燃焼室にスワールが生じ、燃焼速度を速めることができる。
【0007】
請求項3記載の発明は、『前記燃料レールを、前記吸気制御弁の下側または上側に配置し、この燃料レールを前記インジェクタに連通させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用エンジン装置。』であり、燃料レールをエンジンの車種等に応じて、吸気制御弁の下側または上側に配置し、燃料配管をコンパクトに配置することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の車両用エンジン装置の実施例を図面に基づいて説明する。図1は車両用エンジン装置の平面図、図2は図1のII-II線に沿う断面図、図3はシリンダヘッドの吸気側の側面図、図4はシリンダヘッドの底面図である。
【0009】
車両用エンジン装置1は、4気筒の4サイクルエンジンであり、シリンダボディ2の上部には、シリンダヘッド3が載置されている。シリンダボディ2のシリンダ2aにピストン4が往復動可能に設けられ、このピストン4の頭部4aとシリンダヘッド3の凹部3aとで燃焼室5が形成されている。
【0010】
シリンダヘッド3には、点火プラグ6が燃焼室5を臨むように設けられている。また、シリンダヘッド3には、各気筒の燃焼室5に開口して一対の吸気通路8及び排気通路7が形成され、この吸気通路8及び排気通路7は図示しない吸気弁及び排気弁により所定のタイミングで開閉される。排気通路7には排気管9が接続される。
【0011】
シリンダヘッド3の各気筒の一対の吸気通路8の間の下方位置には、インジェクタ10が配置されている。このインジェクタ10の一端部10aは、燃焼室5に臨ませ、他端部10b側には、シリンダヘッド3の吸気側に形成された取付面3hに対して略直交する接続部11aがキャップ11に形成されている。このインジェクタ10により燃焼室5内に燃料を直接噴射する。インジェクタ10にはキャップ11が設けられている。
【0012】
シリンダヘッド3の吸気側には、取付面3hを介して吸入空気制御弁ユニット12が締付ボルト13により着脱可能に締付固定されている。吸入空気制御弁ユニット12には各気筒に応じて弁通路12aが形成され、弁通路12aはシリンダヘッド3の吸気通路8に接続されている。吸入空気制御弁ユニット12には吸入空気量を制御する吸気制御弁14とインジェクタ10に燃料を供給する燃料レール15が一体に備えられている。吸入空気制御弁ユニット12には、インジェクタ10に設けたキャップ11の接続部分11a1が嵌合され、かつ燃料レール15と連通する嵌合孔12hが取付面3hに対して略直交する方向に設けられている。吸気制御弁14には、一部に切欠きを設けて吸入空気を燃焼室5内でスワールさせるように構成され、燃焼速度を速めることができる。
【0013】
燃料レール15には、燃料配管16を介して燃料ポンプ17が接続され、燃料ポンプ17の駆動に燃料が燃料配管16を介して燃料レール15に供給される。燃料は燃料レール15から各気筒のインジェクタ10に供給される。吸入空気制御弁ユニット12の弁通路12aには、吸気管18が接続され、この吸気管18にはサージタンク19が接続されている。
【0014】
このように、インジェクタ10が吸気通路8の下方位置のスペースを利用して配置され、しかも吸入空気制御弁ユニット12に吸気制御弁14と燃料レール15が一体に備えられており、インジェクタ10や燃料配管16をコンパクトに配置することができる。また、シリンダヘッド3に吸入空気制御弁ユニット12を組み付けると、吸気制御弁14が吸気通路8に接続されると共に、燃料レール15がインジェクタ10に接続され、組付性が向上する。
【0015】
図5は吸入空気制御弁ユニットの他の実施の形態を示すシリンダヘッドの底面図である。この実施の形態では、吸入空気制御弁ユニット12に一対の弁通路12aが形成され、このそれぞれの一対の弁通路12aがシリンダヘッド3に形成された吸気通路8に連通している。この一対の弁通路12aの内一部に吸気制御弁14を配置し、この吸気制御弁14の作動でシリンダヘッド3の吸気通路8の流速が変化して燃焼室5にスワールが生じ、燃焼速度を速めることができる。
【0016】
図6は吸入空気制御弁ユニットのさらに他の実施の形態を示す断面図、図7はシリンダヘッドの吸気側の側面図である。この実施の形態では、吸入空気制御弁ユニット12に燃料レール15を、吸気制御弁14の上側に配置している。この燃料レール15に接続した連通路15aは、弁通路12aの側方を通過してインジェクタ10に連通しており、燃料レール15をエンジンの車種等に応じて吸気制御弁14の上側に配置でき、燃料配管をコンパクトに配置することができる。
【0017】
【発明の効果】
前記したように、請求項1記載の発明は、インジェクタが吸気通路の下方位置のスペースを利用して配置され、しかも吸入空気制御弁ユニットに吸気制御弁と燃料レールが一体に備えられ、インジェクタや燃料配管をコンパクトに配置することができる。また、シリンダヘッドに吸入空気制御弁ユニットを組み付けると、吸気制御弁が吸気通路に接続されると共に、燃料レールがインジェクタに接続され、組付性が向上する。
【0018】
請求項2記載の発明では、複数の弁通路の内一部に配置した吸気制御弁の作動でシリンダヘッドの複数の吸気通路の流速が変化して燃焼室にスワールが生じ、燃焼速度を速めることができる。
【0019】
請求項3記載の発明では、燃料レールをエンジンの車種等に応じて、吸気制御弁の下側または上側に配置し、燃料配管をコンパクトに配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用エンジン装置の平面図である。
【図2】図1のII-II線に沿う断面図である。
【図3】シリンダヘッドの吸気側の側面図である。
【図4】シリンダヘッドの底面図である。
【図5】吸入空気制御弁ユニットの他の実施の形態を示すシリンダヘッドの底面図である。
【図6】吸入空気制御弁ユニットのさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【図7】シリンダヘッドの吸気側の側面図である。
【符号の説明】
1 車両用エンジン装置
2 シリンダボディ
3 シリンダヘッド
4 ピストン
5 燃焼室
8 吸気通路
10 インジェクタ
12 吸入空気制御弁ユニット
14 吸気制御弁
15 燃料レール

Claims (3)

  1. シリンダボディにシリンダヘッドを載置し、前記シリンダボディのシリンダに往復動可能に設けられたピストンの頭部と前記シリンダヘッドの凹部とで燃焼室を形成し、この燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタを備える車両用エンジン装置において、
    前記シリンダヘッドに取付面を介して着脱可能に締付固定される吸入空気制御弁ユニットに、前記シリンダヘッドの吸気通路に連なる弁通路と、この弁通路内に位置して吸入空気量を制御する吸気制御弁と、前記インジェクタに燃料を供給する燃料レールとを一体に設け、
    前記インジェクタを、前記燃焼室に開口した前記吸気通路の下方位置に配置して前記シリンダへッドに取り付けるとともに、前記インジェクタの一端部を前記燃焼室に臨ませ、
    前記インジェクタの他端部側に前記取付面に対して略直交する接続部を形成し、
    前記吸入空気制御弁ユニットには、前記インジェクタの接続部分が嵌合され、かつ前記燃料レールと連通する嵌合孔が、前記取付面に対して略直交する方向に設けられていることを特徴する車両用エンジン装置。
  2. 前記シリンダヘッドに複数の吸気通路を設け、前記吸入空気制御弁ユニットに前記それぞれの吸気通路と連通する複数の弁通路を設け、この複数の弁通路の内一部に前記吸気制御弁を配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジン装置。
  3. 前記燃料レールを、前記吸気制御弁の下側または上側に配置し、この燃料レールを前記インジェクタに連通させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用エンジン装置。
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