JP3840687B2 - テレビカメラの微調整レンズ駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビカメラの微調整レンズ駆動装置に係り、特にENGカメラ用テレビレンズの微調整レンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は特願平7−237184号において、テレビカメラの微調整レンズ駆動装置を提案している。この微調整レンズ駆動装置は、微調整レンズ用モータをレンズ鏡胴の側部に設けると共に、このモータの出力軸に駆動プーリを取り付け、この駆動プーリと微調整レンズのレンズ枠体に固定された従動プーリとをベルトを介して連結している。また、前記レンズ枠体は、レンズ鏡胴の固定部材にネジで螺合連結され、このネジのバックラッシュをバネの付勢力で除去している。更に、前記微調整レンズ駆動装置は、複数のテンションローラで前記ベルトに一定の張力を与える構造となっている。
【0003】
従って、前記微調整レンズ駆動装置は、モータでベルトを駆動すると微調整レンズがネジの作用によって前後移動しピント位置を検出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記微調整レンズ駆動装置は、ベルト駆動で微調整レンズを移動させる構造のためベルト、2個のプーリ、複数のテンションローラが必要になり部品点数が多くなるという欠点がある。
また、前記微調整レンズ駆動装置は、雰囲気温度の変化でベルトが伸縮してしまうので、例えば伸びた場合には駆動力が微調整レンズに伝達し難くなり、収縮した場合にはテンションが過大になってモータの負荷が増大するという欠点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、部品点数が少なく、且つ、雰囲気温度に影響されることなく微調整レンズを円滑に前後移動させることができるテレビカメラの微調整レンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、フォーカスレンズ、ズームレンズ、及びリレーレンズがテレビレンズのレンズ鏡胴内に被写体側から順に光軸に沿って配置されるとともに、前記リレーレンズの一部のレンズであってリレーレンズの中で被写体側の微調整レンズが光軸に沿って前後移動自在に支持されたテレビカメラであって、前記レンズ鏡胴の側部にモータ支持部材を介して取り付けられた微調整レンズ用モータと、前記微調整レンズ用モータの出力軸に取り付けられ、その周面にカム面が形成された回転円盤と、前記回転円盤の前記カム面に一端が当接されると共に他端が前記微調整レンズのレンズ枠体に固定された固定部材と、前記微調整レンズのレンズ枠体と前記レンズ鏡胴との間に配置され、前記レンズ枠体に付勢力を与えて前記固定部材の一端を前記回転円盤のカム面に押圧当接させる付勢部材とを有し、前記微調整レンズ用モータで前記回転円盤を回転させて、前記固定部材を回転円盤のカム面に沿って前後移動させることにより、前記微調整レンズを前後移動させてピント位置を検出し、前記レンズ鏡胴の側部には、フォーカスリング駆動用モータ、ズームリング駆動用モータ、及びアイリスリング駆動用モータが収納されたドライブユニットが設けられ、該ドライブユニット内に、前記微調整レンズ用モータ、前記回転円盤、及び前記固定部材が収納されていることを特徴としている。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、微調整レンズ用モータで回転円盤を回転させると、固定部材は付勢部材の付勢力で回転円盤のカム面に押圧当接されているので、回転円盤のカム面に沿って前後移動し、そして、この固定部材に連結された微調整レンズが前後移動する。従って、本発明は、微調整レンズ駆動装置の部品点数を少なくでき、且つ、雰囲気温度に影響されることなく微調整レンズを円滑に前後移動させることができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、微調整レンズ用モータをダンパ部材を介してモータ支持部材に取り付けて、モータからの振動をダンパ部材で緩衝させるようにしたので、モータ振動による騒音を低減することができる。
請求項3記載の発明は、レンズ鏡胴に支持された微調整レンズ用モータ、回転円盤、及び固定部材をドライブユニット内に収納したものである。このドライブユニットの外装ケースはグリップとして兼用され、予め大きめに形成されているので、このドライブユニットに収納すると、既存のドライブユニットのサイズ、形状を変えることなく使用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るテレビカメラの微調整レンズ駆動装置の好ましい実施の形態を詳述する。
図1では本発明が適用されるENGカメラ用テレビレンズが示され、このテレビレンズのレンズ鏡胴10にはフォーカスリング14、ズームリング16、アイリスリング18が設けられており、更にレンズ鏡胴10の後端部にはエクステンダ装置20が設けられる。レンズ鏡胴10の側部にはフォーカスリング14、ズームリング16、アイリスリング18を駆動するドライブユニット22が設けられている。
【0010】
レンズ鏡胴10内には固定フォーカスレンズ24、移動フォーカスレンズ26、ズームレンズ28、30、微調整レンズ32、固定リレーレンズ34、エクステンダー36、リレーレンズ38が順に配置されている。フォーカス調整はフォーカスリング14を回動することにより移動フォーカスレンズ26を移動して粗調整し、リレーレンズの一部である微調整レンズ32を高速に移動(振動)させてピントのピーク値を検出してピント位置を正確に検出する。ズーム調整はズームリング16を回動することによりズームレンズ28、30を移動してズーム調整がなされ、アイリス調整はアイリスリング18を回動することによりアイリス40の絞り径が調整されるようになっている。
【0011】
ドライブユニット22はケース42を有し、このケース42は図示しないビスを介してレンズ鏡胴10の側部に固着される。ケース42には、図示しないフォーカスリング駆動用モータが配置され、このフォーカスリング駆動用モータは、図示しないギア伝達機構を介してギア44を回転し、ギア44と噛み合っているフォーカスリング14を回動する。
【0012】
更に、ケース42には、図示しないズームリング駆動用モータが配置され、このズームリング駆動用モータは、図示しないギア伝達機構を介してギア46を回転し、ギア46と噛み合っているズームリング16を回動する。
同様に、ケース42には、図示しないアイリスリング駆動用モータが配置され、このアイリスリング駆動用モータは、図示しないギア伝達機構を介してギア48を回転し、ギア48と噛み合っているアイリスリング18を回動する。
【0013】
図2、図3に示すように微調整レンズ用モータ50は、モータ50のジャケット52が2本のネジ54、54によってモータ支持板56に取り付けられる。また、モータ支持板56は、ダンパーであるゴム製の筒体58、58…を介してブラケット62に取り付けられると共に、該筒体58、58…に介在されたネジ60、60…によってブラケット62に固定されている。このブラケット62は図3に示すように2本のネジ64、64によってレンズ鏡胴10の側部に固定され、これにより、前記モータ50がレンズ鏡胴10の側部に配置される。また、モータ50はその出力軸66がENGカメラの光軸Pと平行になるように配置される。前記出力軸66は図2に示すように、前記モータ支持板56とブラケット62とに各々形成された開口部56A、62Aに貫通配置され、その先端部に回転円盤68が固着されている。
【0014】
回転円盤68は図4に示すように、出力軸66に対して傾斜したカム面70が図中右側の周面に形成される。このカム面70には図2に示すように固定部材72の上端部72Aが当接される。固定部材72はレンズ鏡胴10を貫通して配置されると共に、図示しないガイド部材によって光軸Pに対し前後移動自在にガイドされる。また、固定部材72は、その下端部に形成された雄ネジ72Bが、微調整レンズ32のレンズ枠体74に形成された雌ネジ74Aに螺合連結されている。
【0015】
ところで、前記レンズ枠体74の図2中下部には筒部76が形成される。この筒部76は、光軸Pと平行に形成されると共にレンズ鏡胴10内に固定された凹形状のフレーム78内に配置される。また、前記筒部76は、軸受80を介してガイドバー82に支持される。このガイドバー82は、光軸Pと平行に配置されると共にその両端が前記フレーム78に固定支持されている。これにより、前記微調整レンズ32は、ガイドバー82に沿って光軸P方向に前後移動自在となっている。
【0016】
一方、前記筒部76の右側にはコイルスプリング84が配置され、筒部76はコイルスプリング84の付勢力によってフレーム78内に安定して支持されている。前記コイルスプリング84は、筒部76の図中右端部とフレーム78との間に配置され、その付勢力で筒部76を即ち微調整レンズ32を前方に向けて付勢するものである。そして、この付勢力はレンズ枠体74を介して固定部材72に伝達されるので、固定部材72の上端部72Aは回転円盤68のカム面70に常に押圧当接された状態となっている。従って、回転円盤68が回転駆動されると、固定部材72は回転円盤68のカム面70に沿って前後移動され、そして、この固定部材72に連結された微調整レンズ32が前後移動される。
【0017】
次に、前記の如く構成された本実施の形態に係るテレビカメラの微調整レンズ駆動装置の作用について説明する。
フォーカス調整において、ドライブユニット22側の図示しないフォーカス用モータによってギア44が回転され、これによってフォーカスリング14が回動され、移動フォーカスレンズ26が前後移動し、ピント合わせの粗調整がなされる。次に、微調整用のモータ50で回転円盤68を回転させると、そのカム面70に押圧当接された固定部材72が前後移動するので、レンズ枠体74が即ち微調整レンズ32がガイドバー82に沿って光軸P方向に高速に前後移動し、ピントのピーク値方向を判別・検出してピント位置を正確に検出する。
【0018】
このように、本実施の形態では、回転円盤68で固定部材72を移動させて微調整レンズ32を前後移動させるだけの構造なので、ベルト駆動型の従来の装置と比較して、装置の部品点数を少なくでき、且つ、雰囲気温度に影響されることなく微調整レンズを円滑に前後移動させることができる。
また、本実施の形態では、微調整レンズ用モータ50をダンパーである筒体58を介してブラケット62に取り付けたので、モータ50からの振動を筒体58で緩衝させることができる。従って、本実施の形態では、モータ振動による騒音を低減することができると共に、モータ振動がレンズ鏡胴10に伝達しないのでレンズ鏡胴10に悪影響を与えるのを防止できる。
【0019】
本実施の形態では、回転円盤68のカムは片側カム面70なので、固定部材72と回転円盤68との取付位置精度が緩和され、よって、前記ダンパーを介在させることができる。
また、前記片側カム面70に代えて回転円盤68の周縁部にカム溝を形成し、このカム溝に固定部材72の上端部72Aを係合させても良い。
【0020】
更に、本実施の形態によれば、モータ50をブラケット62を介してレンズ鏡胴10に取り付け、このモータ50をドライブユニット22のケース42内に収容している。このドライブユニット22のケース42はグリップとして兼用されるため予め大きめに形成されている。よって、このケース42に前記の如くモータ50等を収納すると、既存のドライブユニットのサイズ、形状を変えることなく使用できるので、互換性を持たせることができる。
【0021】
本実施の形態では、微調整レンズとしてフォーカス調整用レンズ32を適用したが、収差補正用レンズ等の微調整レンズにも適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明に係るテレビカメラの微調整レンズ駆動装置によれば、微調整レンズ用モータで回転円盤を回転させて、固定部材を回転円盤のカム面に沿って前後移動させることにより、この固定部材に連結された微調整レンズを前後移動させる構造としたので、部品点数が少なくなり、且つ、雰囲気温度に影響されることなく微調整レンズを円滑に前後移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態を示す半断面図
【図2】図1に示した微調整レンズ駆動装置の要部を示す拡大断面図
【図3】本発明に係る実施の形態の側断面図
【図4】回転円盤の実施例を示す斜視図
【符号の説明】
10…レンズ鏡胴
22…ドライブユニット
32…微調整レンズ
50…微調整レンズ用モータ
58…筒体(ダンパー)
68…回転円盤
70…カム面
72…固定部材
74…微調整レンズのレンズ枠体
76…筒部
82…ガイドバー
84、86…コイルスプリング
Claims (2)
- フォーカスレンズ、ズームレンズ、及びリレーレンズがテレビレンズのレンズ鏡胴内に被写体側から順に光軸に沿って配置されるとともに、前記リレーレンズの一部のレンズであってリレーレンズの中で被写体側の微調整レンズが光軸に沿って前後移動自在に支持されたテレビカメラであって、
前記レンズ鏡胴の側部にモータ支持部材を介して取り付けられた微調整レンズ用モータと、
前記微調整レンズ用モータの出力軸に取り付けられ、その周面にカム面が形成された回転円盤と、
前記回転円盤の前記カム面に一端が当接されると共に他端が前記微調整レンズのレンズ枠体に固定された固定部材と、
前記微調整レンズのレンズ枠体と前記レンズ鏡胴との間に配置され、前記レンズ枠体に付勢力を与えて前記固定部材の一端を前記回転円盤のカム面に押圧当接させる付勢部材とを有し、
前記微調整レンズ用モータで前記回転円盤を回転させて、前記固定部材を回転円盤のカム面に沿って前後移動させることにより、前記微調整レンズを前後移動させてピント位置を検出し、
前記レンズ鏡胴の側部には、フォーカスリング駆動用モータ、ズームリング駆動用モータ、及びアイリスリング駆動用モータが収納されたドライブユニットが設けられ、該ドライブユニット内に、前記微調整レンズ用モータ、前記回転円盤、及び前記固定部材が収納されていることを特徴とするテレビカメラの微調整レンズ駆動装置。 - 前記微調整レンズ用モータは、ダンパ部材を介して前記モータ支持部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のテレビカメラの微調整レンズ駆動装置。
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JP07044796A JP3840687B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | テレビカメラの微調整レンズ駆動装置 |
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JP07044796A Expired - Fee Related JP3840687B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | テレビカメラの微調整レンズ駆動装置 |
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1996
- 1996-03-26 JP JP07044796A patent/JP3840687B2/ja not_active Expired - Fee Related
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