JP3840619B2 - 変位計 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば金属、樹脂、紙、セラミック等の被測定物の表面に光を投射して、被測定物の表面の変位を測定する変位計に関するものである。ただし、ここで用いる「表面」とは、投射された光が反射する面、即ち界面のことをいう。例えば、ガラス等の透光性のある物質に光を投射した場合、ガラスの表面と裏面で反射が起こるがこの2つの面の両方ともに表面とみなす。
【0002】
【従来の技術】
金属、樹脂等の被測定物の表面の変位を測定する装置には、例えば合焦点検出型非接触変位計が実用されている。
図13は、雑誌「光技術コンタクトVol.26,No.11(1988)」第775頁に示されているフーコー法による合焦点検出型非接触変位計の模式的構成図である。レーザダイオード1の出射光は、レンズ2と光波分割プリズム3と、レンズ4とを通って被測定物5へ投射される。
【0003】
被測定物5からの反射光は、光波分割プリズム3で反射した後、光波分割プリズム6を通り、被測定物5に投射した光の合焦点を検出する、夫々が2分割のホトダイオード7a,7bへ入射する。ホトダイオード7a,7bで光電変換された電気信号は差動アンプ8へ入力される。制御部9はレンズ位置制御回路9aとデータ処理回路9bと表示回路9cとで構成されており、レンズ位置制御回路9aには差動アンプ8の出力信号が入力される。レンズ位置制御回路9aから出力される制御信号は、レンズ4を光軸方向へ上、下動させる電磁コイル10へ与えられる。
【0004】
次にこの非接触変位計の動作を説明する。レーザダイオード1から被測定物5へ光を投射すると、被測定物5からの反射光は光波分割プリズム3で反射してホトダイオード7a,7bへ入射する。ここでレンズ4と被測定物5との距離が変化すると、被測定物からの反射光束の広がり角が変化して、ホトダイオード7a,7bの受光量に差が生じる。そして差動アンプ8から受光量の差に応じた信号が出力されてレンズ位置制御回路9aへ入力される。そして、被測定物5に、レーザダイオード1からの出射光の合焦点が生じたときにはホトダイオード7a,7bの各受光量が等しくなり、差動アンプ8の出力信号が消滅する。
【0005】
このようにして、ホトダイオード7a,7bの受光量に基づいてレーザダイオード1が出射した光の合焦点が被測定物に生じているか否かを検出することになる。そこでホトダイオード7a,7bの受光量が等しくなるように、つまり被測定物に合焦点が生じるようにレンズ位置制御回路9aからの制御信号により電磁コイル10を駆動してレンズ4の位置を上、下動させれば、レンズを上下動させる制御量が被測定物の表面の変位に対応することになり、その制御量により、被測定物の表面の変位を測定している。
【0006】
しかしながら被測定物5に投射した光が被測定物5の内部に潜り込む、所謂潜り光が発生した場合は、被測定物5の表面には潜り光による3次元の光の拡がりが生じることになって、2つのホトダイオード7a,7bの夫々は合焦点が生じている光と、潜り光により拡がっている光とを受光することになり、ホトダイオード7a,7bの受光量に差が生じる。
ここでいう、「潜り光」は、上述した「表面」による反射光とは別のものであり、例えば、物質の中に入り界面でない部分で反射し、この物質外に出る光は、「表面」による反射光とはいわず、「潜り光」となる。
【0007】
一方、それとは別にレーザダイオード1内等で迷光が発生している場合は、被測定物5の表面に合焦点が生じている位置の近くに迷光が投射され、そのため2つのホトダイオード7a,7bは、合焦点が生じている光と、迷光による光とを受光して、この場合もホトダイオード7a,7bの受光量に差が生じる。そのため、潜り光又は迷光が生じている場合には、レーザダイオード1が出射した光の合焦点が被測定物5に生じていても、2つのホトダイオード7a,7bの受光量が等しくならず、被測定物5の表面の変位を測定した値に誤差が生じるという問題がある。
ここで言う迷光とは光学機器内で発生する正規の屈折又は反射以外の原因により発生する望ましくない光を指す。
【0008】
この問題を解決するため図1に示すような測定方法が提案されている。図1に示すようにレーザダイオードCからの出射光をビームスプリッタD、レンズL及びレンズAを通して被測定物Bに対して収束させ投射する。レンズAを所定振幅で矢符で示す光軸方向に振動させると、レンズAの位置は図2に示す曲線Qのように変化する。そしてレンズAと被測定物Bとの距離が変化する。被測定物Bからの反射光はビームスプリッタDで反射して光絞り部Fを通って受光部Eに入射する。レンズAの振動の1周期内に、被測定物Bに投射した光の合焦点が被測定物B上に2回生じ、合焦点が生じる都度、受光部Eの受光量が最大になる。即ち、レンズAと被測定物Bとが所定距離になったときに被測定物B上に合焦点が生じる。
【0009】
そこで、被測定物Bの表面の変位(高さ)が高,中,低の3段階であるとして、その低の高さ位置に光を投射している場合は、レンズAが被測定物Bに最接近する前、後の各時点で被測定物Bに合焦点が生じて受光部Eの受光量が最大となり、図3(a)に示すように合焦点検出信号Z,Zが発生する。また、中の高さ位置に光を投射している場合は、レンズAが被測定物Bに最接近する時点と、最離反する時点との中間時点で被測定物Bに合焦点が生じて受光部Eの受光量が最大となり、図3(b)に示すように合焦点検出信号Z,Zが発生する。更に、高の高さ位置に光を投射している場合は、レンズAが被測定物Bに最離反する前、後の各時点で、被測定物Bに合焦点が生じて受光部Eの受光量が最大となり、図3(c)に示すように合焦点検出信号Z,Zが発生する。
これにより、合焦点検出信号Z,Zが発生した時点のレンズAの位置、つまりレンズAの振幅が光学系の基準位置から被測定物までの距離に対応し、被測定物Bを光軸と直交する方向へ移動させると、被測定物Bの表面の変位を測定できる。
【0010】
以下この従来の変位計の構成及び動作について図面を用いて詳述する。図4は従来の変位計の模式的構成図である。レーザパワー制御回路11で駆動されるレーザダイオード12の出射光は、ビームスプリッタ13と、レンズ14及びレンズ15とを順次通過して、被測定物16に投射されるようになっている。被測定物16からの反射光はレンズ15と、レンズ14とを通ってビームスプリッタ13で反射し、ピンホール17aを形成している光絞り部17のピンホール17aを通ってホトダイオード18へ入射するようになっている。ピンホール17aの大きさφは、次式により可及的に微小な径になすべく選定している。ここで用いられているピンホールは、直径数マイクロメートル程度の微少な大きさの穴を指し、レンズにより収束された出射光のビーム径と同程度の大きさである。
φ=0.61×レーザダイオードの光の波長/NA …(1)
但し、NAは開口数であり、光学系で示される定数である。この式は「レイリーの分解能限界」により導出されるものである。
【0011】
ホトダイオード18で光電変換した信号は増幅器19へ入力され、その出力信号Xは演算部20へ入力されるようになっている。U字状をした音叉21の一側長寸部の先端にはレンズ15の周縁部分が取付けられている。レンズ15は、音叉21の振動により、レーザダイオード12の出射光の光軸方向に所定振幅で振動させられるようになっている。音叉21の一側長寸部の先端側の側方には、例えば磁気、光又は静電容量を利用したセンサからなる、位置検出部たる音叉振幅検出器22が配設されていて、音叉21の振幅、つまりレンズ15の位置を検出するようになっている。音叉振幅検出器22が検出した検出振幅信号は増幅器23へ入力され、その出力信号Yは演算部20へ入力される。音叉21の他側長寸部の先端側の側方には、音叉21を振動させるためのソレノイド24が配設されている。
【0012】
ソレノイド24には音叉振幅制御回路25からの制御電流が供給され、音叉振幅制御回路25には増幅器23の出力信号が与えられて音叉21の振幅を一定になすべく制御されるようになっている。演算部20で捉えて出力される変位信号は距離変換部50へ入力されるようになっている。
【0013】
図5は演算部20の構成を示すブロック図である。演算部20へ入力される増幅器19(図4参照)の出力信号Xは微分器30と、第1の比較器31の正入力端子+とに入力される。比較器31の負入力端子−には基準電圧Vrefが入力される。微分器30の出力信号S30は第2の比較器32の負入力端子−へ入力される。比較器32の正入力端子+は接地されている。比較器31,32の出力信号S31、S32はAND回路33の一側入力端子、他側入力端子へ各別に入力され、その出力信号S33はワンショットパルス発生回路34へ入力される。ワンショットパルス発生回路34が出力するワンショットパルスS34は、オン,オフ制御信号としてスイッチSWへ与えられる。
【0014】
増幅器23(図4参照)からの出力信号Yは、増幅器35と、スイッチSWとを介して増幅器36へ入力される。増幅器36の入力側はコンデンサ37を介して接地されている。増幅器36とコンデンサ37とによりサンプルホールド回路38を構成しており、増幅器36から変位信号S38が出力されるようになっている。
【0015】
次にこのように構成した変位計の動作を説明する。
音叉振幅制御回路25からソレノイド24に電流を供給すると、ソレノイド24により磁界が発生する。この発生磁界により音叉21が所定振幅で振動し、レンズ15を、それを通る光の光軸方向へ振動させる。音叉振幅検出器22は音叉21の振幅、即ちレンズ15の振幅を検出し、レンズ15の振幅たる正弦波信号を出力する。この正弦波信号を、増幅器23で増幅し、増幅器23から出力される出力信号Yを演算部20へ入力させる。
【0016】
一方、レーザパワー制御回路11からレーザダイオード12に駆動電流を供給すると、レーザダイオード12はレーザ光を出射する。この出射光はビームスプリッタ13、レンズ14及びレンズ15を通って被測定物16へ投射される。被測定物16で反射した反射光はレンズ15とレンズ14を通ってビームスプリッタ13で反射して光絞り部17側へ投射され、ピンホール17aを透過した光のみがホトダイオード18へ入射する。そのため、ホトダイオード18には、被測定物16で生じた潜り光及びレーザダイオード12で発生した迷光による反射光はピンホール17aで遮られてピンホール17aを通らずホトダイオード18には、被測定物16に生じた合焦点の光のみが入射することになる。
【0017】
ところで、レンズ15が振動させられているために、レンズ15と被測定物16との距離が変化し、所定距離に達した時点で、被測定物16に投射した光の合焦点が被測定物16に生じると、ホトダイオード18の受光出力は瞬時に最大となり、この受光出力に応じた信号が増幅器19へ入力され、増幅器19から図6(a)に示す出力信号Xが出力され演算部20へ入力される。
【0018】
このようにして出力信号X、出力信号Yが演算部20へ入力されると、出力信号Xは微分器30により微分されて微分器30から図6(b)に示すような逆S字状をした微分波形の出力信号S30が出力される。そして出力信号Xの最大値が、出力信号S30のゼロクロス時点T0により検出されて、被測定物16に投射した光の合焦点が生じた時点を正確に検出することになる。この出力信号S30が比較器32へ入力され、比較器32は出力信号S30と接地電位とを大小比較して、比較器32から出力信号S30のゼロクロス時点T0で立上り、出力信号S30の負の半周期の期間に対応するパルス幅の図6(d)に示すパルスの出力信号S32を出力する。
【0019】
一方、比較器31は、出力信号Xと基準電圧Vrefとを大小比較し、比較器31から、出力信号Xが基準電圧Vref以上にある期間に対応するパルス幅の図6(c)に示す出力信号S31を出力する。これらの出力信号S31、S32の論理が成立するとAND回路33から図6(e)に示すパルスの出力信号S33を出力して、ワンショットパルス発生回路34へ入力する。それによりワンショットパルス発生回路34は、出力信号S33の立上りに同期して立上る図6(f)に示すワンショットパルスS34を出力する。そしてこのワンショットパルスS34によりスイッチSWをオンさせる。
【0020】
そうすると、出力信号Yを増幅した増幅器35の出力信号YがスイッチSWを介してサンプルホールド回路38へ入力され、サンプルホールド回路38は出力信号Yの信号レベルをサンプリングして保持し、増幅器35で増幅して変位信号S38を出力する。これにより出力信号S30のゼロクロス時点における出力信号Yのレベル、即ち対物レンズ15の振幅をサンプリングすることになる。そしてサンプリングした変位信号S38を距離変換部50へ入力して、変位信号S38を、変位信号S38に応じた距離に変換して、被測定物16の表面の変位を測定する。
【0021】
図7は出力信号Y、ワンショットパルスS34及び変位信号S38のタイミングチャートである。前述したようにレンズ15の位置(振幅)に対応して図7(a)に示すように出力信号Yが変化しているときに、被測定物16に合焦点が生じた時点で図7(b)に示すワンショットパルスS34が発生すると、その時点の出力信号Yのレベルがサンプリングされる。そして被測定物16を光軸と直交する方向へ移動させると、被測定物16の表面の変位に応じて、変位信号S38は図7(a)に示すように階段状に変化して、変位信号S38のレベルと、被測定物16の表面の変位とが対応する。そのため出力信号Yのレベルをサンプリングすれば、出力信号Yのレべルに応じて被測定物16の変位を高精度に測定できる。
【0022】
また、レンズ15を振動させておいて、合焦点が生じた時点の出力信号Yのレベルをサンプリングして被測定物16の表面の変位を測定するから、その変位を高速度に測定できる。
【0023】
図8は演算部20の他の構成を示すブロック図である。
出力信号Xはピーク検出回路40へ入力され、ピーク検出回路40から出力されるピーク検出信号SPは第1のカウンタ41へ入力され、そのカウント値は演算回路42へ入力される。一方、出力信号Yはゼロクロス検出回路43へ入力され、ゼロクロスを検出したゼロクロス検出信号S0は第1のカウンタ41及び第2のカウンタ44へ与えられる。カウンタ44のカウント値は演算回路42へ入力される。
【0024】
そして演算回路42から演算結果たる位相信号S42が出力され距離変換部50へ入力されるようになっている。カウンタ41はラッチ部を備えており、カウント値を2回ラッチでき、ゼロクロス検出信号S0によりカウント値がクリアされるようになっている。カウンタ44はラッチ部を備えており、カウント値を1回ラッチでき、ゼロクロス検出信号S0によりカウント値がクリアされるようになっている。
【0025】
次にこのように構成した演算部を用いた場合の変位計の動作を、出力信号Y、ピーク値検出信号SP及びゼロクロス検出信号S0のタイミングチャートを示す図9とともに説明する。
いま、レンズの位置(振幅)に応じた図9(a)に示す出力信号Yがゼロクロス検出回路43へ入力されると、出力信号Yのゼロクロス時点が検出されて、ゼロクロス検出回路43から図9(c)に示すゼロクロス検出信号S0が出力される。それによりカウンタ41,44のカウント値がクリアされ、続いてカウンタ41,44はカウント動作を開始して時間をカウントしていく。そしてカウンタ44は、1回目のゼロクロス検出信号S0が与えられた時点から2回目のゼロクロス検出信号S0が与えられる時点までの時間、つまり出力信号Yの1周期の時間t3をカウントしてそのカウント値をラッチ部にラッチさせる。
【0026】
一方、被測定物16に合焦点が生じたときに得られる出力信号Xがピーク検出回路40入力れると、ピーク検出回路40は出力信号Xのピーク値を検出し、ピーク検出信号SPを出力してカウンタ41へ入力する。これによりカウンタ41は1回目のピーク検出信号SPが入力された時点までのカウント値t1をカウンタ41のラッチ部にラッチさせる。更に2回目のピーク検出信号SPが入力された時点までのカウント値t2をカウンタ41のラッチ部にラッチさせる。このようにしてラッチしたカウント値t1,t2,t3を演算回路42へ入力する。それにより、演算回路42は入力されたカウント値t1,t2,t3により、sin−1(t1/t3)及びsin−1(t2/t3)を演算してピーク検出信号SPの出力時点の出力信号Yの位相を算出する。
【0027】
このように算出した出力信号Yの位相は被測定物16に合焦点が生じた時点の出力信号Yのレベル、つまりレンズ15の位置に対応する。そして、演算結果である位相信号S38が演算部20(演算回路42)から出力されて距離変換部50へ入力され、距離に変換して被測定物16の表面の変位を測定する。このようにして出力信号Xのピーク値を検出した時点の出力信号Yの位相を求めても被測定物16の表面の変位を測定できる。
【0028】
なお、被測定物16からの反射光をピンホール17aを透過してホトダイオード18へ入射させた場合には、潜り光又は迷光によって被測定物16の光投射位置に光の拡がりが生じていても、合焦点が生じたときの強い光のみがホトダイオード18に入射し、潜り光及び迷光による反射光により、ホトダイオード18の受光出力が変化することがなく被測定物の表面の変位を誤差を与えずに測定できる。
【0029】
図10は加振部の他の従来例の構成図である。
音叉21の一側長寸部の外側面及び他側長寸部の外側面夫々に圧電素子CMを固着しており、この圧電素子CMに電圧を印加することにより音叉21を振動させることができる。
【0030】
図11は加振部の更に他の従来例の構成図である。音叉21の各側長寸部の先端にはレンズ15及びレンズ14の周縁部分をそれぞれ取付けている。そしてレンズ15及びレンズ14をともに振動させ得るようになしている。このようにすると音叉21の各一側長寸部間の重量を平衡させ得て、音叉を効率良く振らせることができる。
【0031】
図12は光絞り部17の他の従来例の構成図である。所定長で直線状に開設したスリットSLTとなっており、スリットSLTの開口幅はピンホール17aの直径と略同寸に形成されている。このようなスリットSLTを用いた場合は、被測定物からの反射光が若干余分に通過し受光部の受光性能が僅かに低下するが、被測定物からの特定の反射光を通すための組立時における位置調整が容易になる。
【0032】
このような、潜り込み光や迷光に対する測定誤差は図1に示すように受光部Eの前方に光絞り部Fを配置し、かつ合焦点時の対象物へ照射されるレーザ光のスポットの大きさを小さくし、潜り込み光や迷光が受光部Eにより受光されることのないようにして解消されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
しかし、このように潜り込み光や迷光の影響を排除しても、図14に示すように透光性のある物質50を通して対象物16の表面の変位を測定する場合、透光性のある物質50をレーザ光が通過するとき、この物質により屈折し、光束に収差が生じる。従ってレーザ光のスポットの大きさを1点に収束することが出来なくなる。
【0034】
図14において、波線は透光性のある物質50がない時のレーザ光が収束する状態を示しており、実線は透光性のある物質50がある時のレーザ光が収束する状態を示している。図14からわかるように、透光性のある物質50がある場合は、収差が生じるためレーザ光を対象物16上で1点に収束させることが出来ず、測定精度が低下するという問題がある。
【0035】
本発明はかかる問題に鑑み、従来の合焦点を利用した表面の変位を測定する変位計において透光性の物質を通して対象物の表面の変位を測定できる変位計を提供し、さらには、透光性のある物質がある時とない時の両方の場合において精度よく表面の変位を測定する変位計を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる変位計は、発光部が出射した光を収束させ、被測定物に投射させるレンズと、被測定物からの反射光を受光する受光部とを有し、該受光部が受光した受光量に基づき透光性の物質を通して被測定物の表面の変位を測定する変位計において、前記レンズのうち少なくとも1枚のレンズを略光軸方向に移動させる移動手段と、該移動手段により移動されるレンズの位置を検出する位置検出部と、被測定物からの反射光を受光する受光部の前方に配置された第1の光絞り部と、前記位置検出部が出力する検出位置信号を、前記受光部の受光量の最大時点で捉える手段と、捉えた検出位置信号に基づいて被測定物の表面の変位を求める手段と、前記レンズの前方又は後方に配置され、配置されている部分の前記発光部が出射した光の光束の直径に対して穴が小さく設定され、前記発光部が出射した光の光軸に対して外周部分を通過して前記被測定物に照射される光を排除し、前記透光性の物質を通過するときの収差の影響を改善する第2の光絞り部とを備え、前記透光性の物質を通して前記被測定物の表面の変位を測定する場合には、前記第2の光絞り部を配置し、前記透光性の物質を通さずに前記被測定物の表面の変位を測定する場合には、前記第2の光絞り部を配置しない
ことを特徴とする。
【0037】
【作用】
本発明では、出射した光を収束させるレンズを略光軸方向に所定振幅で振動させると、振動させられたレンズと被測定物との距離が変化する。このレンズと被測定物とが所定距離に達したとき、被測定物に対して振動させられたレンズ及び第2の光絞り部を通して収差の影響が改善された収束光が投射される。この時スポットの大きさは小さくされており、投射された光の合焦点が透光性のある物質を介して被測定物に生じる。被測定物からの反射光が第1の光絞り部へ投射されて、潜り光及び迷光によって被測定物に生じた反射光が遮られる。そして合焦点が生じている合焦点位置からの反射光のみが第1の光絞り部を通過し、それを受光部が受光し、受光部の受光量が最大になる。そして、受光量が最大になった時点のレンズの位置が、光学系の基準位置から被測定物までの距離に対応する。被測定物を光軸と直交する方向へ移動させると被測定物の表面の変位を測定できる。
【0038】
さらに、第2の光絞り部を着脱可能又はスライド可能にすることにより透光性のある物質のある時とない時の両方において収差の影響のない変位計を実現することが出来る。
【0039】
即ち、透光性のある物質がない時は、NAを大きくすることにより、より小さく収束された光スポットを被測定物の表面に投射することができる。
一方、透光性のある物質のある時は、NAは第2の光絞り部により小さくなるものの、収差の影響を抑え、小さく収束された光スポットを被測定物の表面に投射できるので測定精度の悪化を抑えることができる。
【0040】
【実施例】
以下本発明をその実施例を示す図面により詳述する。図15は本発明に係る変位計の模式的構成図である。図4の構成に加えてレンズ15の前方に第2の光絞り部29が配置されている。またこの第2の光絞り部29は、所定の直径を有する穴で構成されており、他の光学系に対してV方向にスライド可能に装着されている。この穴は透光性のある物質を通して対象物の表面の変位を測定する時にレーザの光軸上に移動させて配置することが出来、レーザの光束を絞ることが出来るようになっている。
【0041】
この穴は、例えば直径数ミリメートル程度であり、第2の光絞り部29が配置されている部分の光束の直径に対して小さく設定されており、好ましくは前記光束の直径の半分程度であることが望ましい。
【0042】
このことにより、図14の実線で示される光束のうち、光軸に対して外周部分を通過して対象物に照射されていたレーザ光が排除され、レーザ光の収差が第2の光絞り部29がなかったときと比較して小さくなる。従って、透光性の物質を通して対象物の表面の変位を測定するときの測定精度を向上させることが出来る。
【0043】
さらに、前述したように第2の光絞り部29はスライド可能に装着されているので、透光性の物質が存在しないときには第2の光絞り部29を光軸を含む光束から退避させることにより測定精度を下げることなく変位を測定できる。
【0044】
また、この第2の光絞り部29は実施例においてはレンズ15の前方に配置されていたが、レンズ15の後方であっても、さらにこの実施例では複数枚のレンズから構成されているので、レンズ14の後方であってもよい。即ち、複数枚のレンズがある時は、隣接するレンズ間に第2の光絞り部29が配置されていてもよい。
【0045】
さらに、この第2の光絞り部29は実施例においては穴であったが、図12の第1の光絞り部としてのスリットと同様に前記の穴の直径と同程度の幅を有するの矩形上のスリットであってもよい。
【0046】
加えて、この第2の光絞り部29は、スライド可能に構成されているが、着脱可能であるように構成されていてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、従来の変位計に加えて第2の光絞り部を備え、この光絞り部をレンズの前方又は後方に配置し、さらにスライド可能又は着脱可能にしたので、透光性の物質のない時に加えて、ある場合であっても、測定対象物の表面の変位を精度よく測定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の変位測定方法の原理の説明図である。
【図2】図1のレンズAの振幅を示す信号の波形図である。
【図3】合焦点が生じたときの受光部の受光量変化と、レンズAの振幅との関係を示す波形図である。
【図4】従来の変位計の模式的構成図である。
【図5】演算部の構成を示すブロック図である。
【図6】演算部における各部信号波形である。
【図7】演算部における各部信号のタイミングチャートである。
【図8】演算部の他の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示す演算部における各部信号のタイミングチャートである。
【図10】加振部の他の従来例を示す構成図である。
【図11】加振部の他の従来例を示す構成図である。
【図12】第1の光絞り部の他の従来例を示す構成図である。
【図13】従来の非接触変位計の模式的構成図である。
【図14】透光性のある物質を通して対象物の表面の変位を測定する時に発生する収差の発生を説明するための模式図である。
【図15】本発明に係る変位計の模式的構成図である。
【符号の説明】
12 レーザダイオード
14,15レンズ
16 被測定物
17 第1の光絞り部
18 ホトダイオード
20 演算部
21 音叉
22 音叉振幅検出器
24 ソレノイド
29 第2の光絞り部
Claims (8)
- 発光部が出射した光を収束させ、被測定物に投射させるレンズと、
被測定物からの反射光を受光する受光部とを有し、
該受光部が受光した受光量に基づき透光性の物質を通して被測定物の表面の変位を測定する変位計において、
前記レンズのうち少なくとも1枚のレンズを略光軸方向に移動させる移動手段と、
該移動手段により移動されるレンズの位置を検出する位置検出部と、
被測定物からの反射光を受光する受光部の前方に配置された第1の光絞り部と、
前記位置検出部が出力する検出位置信号を、前記受光部の受光量の最大時点で捉える手段と、
捉えた検出位置信号に基づいて被測定物の表面の変位を求める手段と、
前記レンズの前方又は後方に配置され、配置されている部分の前記発光部が出射した光の光束の直径に対して穴が小さく設定され、前記発光部が出射した光の光軸に対して外周部分を通過して前記被測定物に照射される光を排除し、前記透光性の物質を通過するときの収差の影響を改善する第2の光絞り部とを備え、
前記透光性の物質を通して前記被測定物の表面の変位を測定する場合には、前記第2の光絞り部が配置され、
前記透光性の物質を通さずに前記被測定物の表面の変位を測定する場合には、前記第2の光絞り部が配置されない
ことを特徴とする変位計。 - 前記移動手段は前記移動されるレンズを所定振幅で振動させる加振手段であり、前記加振手段は前記移動されるレンズを連結した音叉と、
該音叉を駆動するソレノイド又は圧電素子とにより構成してある請求項1記載の変位計。 - 前記加振手段の前記音叉の一端及び他端に前記移動されるレンズをそれぞれ連結してある請求項2記載の変位計。
- 前記第1の光絞り部を、ピンホール又はスリットにより形成して構成してある請求項1ないし請求項3記載の変位計。
- 前記第2の光絞り部を、穴又はスリットにより形成して構成してある請求項1ないし請求項4記載の変位計。
- 前記第2の光絞り部である穴の直径又はスリットの幅が前記第2の光絞り部が配置される位置における光束の直径に対して略半分である様に構成されている請求項5記載の変位計。
- 前記第2の光絞り部をスライドさせるスライド手段を備える請求項1ないし請求項6記載の変位計。
- 前記第2の光絞り部が着脱可能である請求項1ないし請求項6記載の変位計。
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