JP3840308B2 - 電気車制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は全閉型誘導電動機を主電動機として備えた電気車における電気車制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気車の駆動制御方式では、近年、誘導電動機駆動のVVVFインバータ制御方式が主流となっている。そして主電動機に用いる誘導電動機として、保守の省力化をさらに進めるために全閉型誘導電動機が開発され、実用段階に入っている。図8は、全閉型誘導電動機の一般的な内部構造を示している。この全閉型誘導電動機は、フレーム1の内周面にステータ鉄心2が固定され、このステータ鉄心2の内周部にステータコイル3が支持されている。フレーム1の両端の支持部材4,5によってベアリング6,7が支持され、このベアリング6,7によって回転子8の回転軸9が支持されている。この回転軸9にはロータ鉄心10、ロータバー11、エンドリング12及び内部ファン13が装着されている。
【0003】
フレーム1の外周には放熱用の冷却フィン15が設けられ、この冷却フィン15を貫通する形でバイパスダクト16が設けられていて、ロータの回転時に内部ファン13も回転して、フレーム1に設けられた風穴17を通して空気Aを軸方向に循環させ、冷却フィン15で放熱し、排熱効果を高めるようにしている。
【0004】
このような全閉型誘導電動機を主電動機として用いた電気車の制御方式として、従来は自己通風型誘導電動機と同じVVVFインバータ制御方式が用いられている。図9は従来のVVVFインバータ装置による誘導電動機の制御方式を示している。ここで破線で囲まれた部分20は制御演算部であり、主にモータ電流のパターン制御を実行する部分である。
【0005】
制御演算部20への入力には、運転台の主幹制御器からのノッチ指令、前後進指令のディジタル入力(DI)21、フィードバックモータ電流信号、応荷重信号、ブレーキパターン信号のアナログ入力(AI)22、速度センサとして用いられているパルスジェネレータ(PG)からのパルス入力(PI)23がある。
【0006】
制御演算部20内では、電流パターン生成部24がノッチ指令と応荷重信号とに基づいて基本的な電流パターンを生成し、この電流パターンに対して個別制御部または2モータ制御の場合には軸重移動補償制御部25により台車後位軸のモータ電流を増加させ、台車前位軸のモータ電流を減少させる補正をかけて出力する。速度センサからの速度パルス信号に対して回転周波数演算部26で回転周波数frの演算を行い、さらに空転滑走制御部27で電流絞り値を演算し、これを電流パターン生成部24からの電流パターン出力に対して補正して車輪の空転、滑走が生じた場合の電流絞り制御を行う。そしてモータ電流のフィードバック値とこの電流パターンとを比較し、定電流制御部28ですべり周波数fsを演算する。さらに、ここで得られたすべり周波数fsと回転周波数演算部26で算出された主電動機回転周波数frとを加算することによってインバータ周波数finvを求め、PWM制御部29で主回路スイッチング素子のオン/オフのパターンを生成し、これによって主回路のインバータのスイッチング制御を行う。なお、210はPWM制御部29の変調率を設定する変調率演算部である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
全閉型誘導電動機を主電動機に採用した電気車において、このようなVVVFインバータ制御方式を適用する場合、従来一般的に採用されてきた自己通風型誘導電動機には見られない次のような点を考慮する必要がある。
【0008】
(1)誘導電動機が全閉自冷型であるため、熱時定数が自己通風型誘導電動機に比べて非常に長い。図10は自己通風型誘導電動機と全閉型誘導電動機との対応各部の温度上昇の時間的推移をグラフに表したものであるが、自己通風型誘導電動機の場合には通風ファンを備え、主電動機外部より冷却用空気を取入れているために熱時定数が約30分であるが、全閉型誘導電動機の場合には熱時定数が約2.5時間であり、自己通風型の約5倍である。すなわち、全閉型誘導電動機は自己通風型誘導電動機に比べて、温度上昇、低下に長い時間がかかり、短時間の過負荷運転における熱的耐量が大きいという熱的特徴がある。
【0009】
(2)全閉自冷型であるため、列車編成中の主電動機取付け位置により温度上昇値が大きく異なる。図11は誘導電動機の台車への一般的な取付け方を示している。台車30の車軸31と誘導電動機32の回転軸3が平行になるように配置され、誘導電動機32の取付け座33により台車30の台枠34にボルト締めされ固定されている。このように誘導電動機32は台車30の構造部品の一部として組込まれ、列車編成中に分散配置されるため、取付け位置により、温度上昇値が大きく異なるのである。
【0010】
図12は列車編成中の全閉型誘導電動機の各取付け位置において期待できる走行風速の分布の一例を示している。従来の自己通風型誘導電動機の場合、前述のように冷却を通風ファンによっているため走行風にはほとんど無関係であるが、全閉型誘導電動機の場合には冷却を電動機外部に設けられている冷却フィンからの放熱によっているため、冷却効果が車両走行により電動機本体に得られる走行風の風速に大きく依存することになるが、取付け位置によって冷却に期待できる走行風速は約1〜3m/秒と大きくばらつき、温度上昇値も電動機の取付け位置によって最高と最低とで約40〜50Kの差が出る。
【0011】
ところが、全閉型誘導電動機の設計は最も厳しい温度条件を前提に熱的設計をする必要があり、熱的に厳しい全閉型誘導電動機の定格を走行風の最も少ない位置の条件で決定しなければならなくて定格容量が低く抑えられ、結果的に列車編成中の主電動機の数を増加させねばならず、車両価格が増大する問題点があった。
【0012】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、全閉型誘導電動機を主電動機として採用した電気車制御装置において、各誘導電動機の温度上昇を抑制することによって定格のより大きな全閉型誘導電動機を主電動機に採用することができ、それによって列車編成中の主電動機の搭載台数を削減し、車両価格を抑制することができる電気車制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、全閉型誘導電動機を主電動機とし、複数台の主電動機を個別に制御する電気車制御装置において、前記主電動機の各々の温度状態を監視する温度監視手段と、前記温度監視手段が監視する前記主電動機のいずれかの温度状態が基準状態を超えた時に、該当する主電動機を停止すると共に休止中の他の主電動機を起動するローテーション運転制御手段とを備えたものである。
【0014】
この請求項1の発明の電気車制御装置では、ローテーション運転制御手段が温度監視手段の監視する複数台の主電動機のいずれかの温度状態が基準状態を超えた時に該当する主電動機を停止すると共に休止中の他の主電動機を起動するローテーション運転制御を行う。これによって列車編成全体としての推進力を維持しつつ、温度上昇の激しい誘導電動機についてはその温度上昇を抑制する。
【0021】
請求項の発明は、請求項の電気車制御装置において、前記温度監視手段の代りに、前記主電動機各々に一定時間内に流れるモータ電流実効値を検出する電流検出手段を備え、前記ローテーション運転制御手段は、前記電流検出手段が検出する前記モータ電流実効値が電流基準値を超えた時に該当する主電動機又は他の主電動機を制御するようにしたものである。
【0022】
この請求項の発明の電気車制御装置では、ローテーション運転制御手段が、電流検出手段の検出する複数台の主電動機各々に流れるモータ電流実効値を電流基準値と比較し、電流基準値を超えるモータ電流実効値を示す主電動機について温度上昇限度到達を判定し、該当する主電動機を停止させ、休止中の他の主電動機を起動するローテーション運転制御を行う
【0023】
請求項の発明は、請求項の電気車制御装置において、前記温度監視手段が前記主電動機各々の適所に取り付けられた温度センサであることを特徴とするものである。
【0024】
この請求項の発明の電気車制御装置では、複数台の主電動機各々の適所に取付けられた温度センサが検出する温度を温度基準値と比較し、温度基準値を超える温度を示す主電動機について温度上昇限度到達を判定し、該当する主電動機停止させ、休止中の他の主電動機を起動するローテーション運転制御を行う
【0025】
請求項の発明は、請求項1〜3の電気車制御装置においてさらに、非常高加速運転時に、台車後位の車軸を駆動する主電動機の電流指令値を増加させる軸重移動補償制御手段を備えたものである。
【0026】
この請求項の発明の電気車制御装置では、全閉型誘導電動機の特徴である短時間の過負荷運転における熱的耐量が大きいという熱的特徴を利用し、通常運転時には複数台の主電動機各々の温度上昇を抑制しながらも、非常高加速運転時には軸重移動補償制御手段は台車後位の車軸を駆動する主電動機の電流指令値を増加させることによって高加速運転できるようにする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の電気車制御装置の制御ブロック図である。この第1の実施の形態の電気車制御装置の構成は、図9に示した従来例の電気車制御装置において、さらにモータ電流入力に対して電流実効値を演算するモータ電流実効値演算部211と、このモータ電流実効値演算部211が求める一定時間内のモータ電流実効値が基準値に到達した時に温度上昇限度到達と判定し、該当する全閉型誘導電動機の主回路ユニットに開放指令をディジタル信号(DO)として出力する温度上限判定部212を備えたことを特徴とする。なお、図1の回路において図9の回路と共通する部分には同一の符号を付して示してある。
【0028】
この第1の実施の形態の電気車制御装置では、モータ電流実効値演算部211がモータ電流のフィードバック値に基づいてモータ電流実効値を常時演算し、かつ監視していて、温度上昇限度判定部212はある一定時間内のモータ電流実効値、つまりRMS(二乗平均値)が所定の基準値に到達した時に温度上昇限度到達と判定し、対応する主回路ユニットに開放指令を出力し、該当する主電動機を停止させる。
【0029】
こうして温度限度到達により運転休止した主電動機に対しては、タイマ213の管理の下で所定時間経過すれば運転再開し、再び上記の制御を繰り返す。
【0030】
この第1の実施の形態の電気車制御装置によれば、特に温度上昇が大きくなると予測される場所、図12において、たとえば列車編成の前後中間部分に設置されている主電動機に対して過度の温度上昇を防止することができる。この結果として、各主電動機に温度上昇が比較的大きい定格の小さい全閉型誘導電動機を採用しても効果的に温度上昇を抑えることができ、それだけ主電動機1台あたりの駆動力を大きくすることができ、編成当りの搭載台数を削減することができ、車両価格の低減が図れることになる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態の電気車制御装置を図2に基づいて説明する。この第2の実施の形態の電気車制御装置は、列車編成中に搭載されている多数台の全閉型誘導電動機32a,32b,32c,…それぞれを個別に制御する制御演算部20a,20b,20c…として図1に示した制御演算部20を用い、さらにこれらの制御演算部20a,20b,20c,…からのユニット開放指令を受けて、ローテーション制御により対応する主回路ユニット35a,35b,35c,…を時間差を設けて一定時間ずつ開放させるローテーション制御部40を備えた点を特徴とする。なお、各誘導電動機32a,32b,…を個別に制御するための制御演算部20a,20b,…として採用される図1に示した制御演算部20においては、温度上昇限度判定部212は温度上昇限度基準値として第1の実施の形態のものよりも低い値とし、その基準値にモータ電流実効値が到達した時に直ちに主回路ユニットを開放させなくもよい余裕を持たせることにより、ローテーション制御で自装置に順番が回ってくるまでの間に第1の実施の形態で採用した温度上昇限度値に到達することがないように配慮しておく。
【0032】
この第2の実施の形態によれば、温度上昇の厳しい主電動機に対して順繰りに休ませながら運転することができ、それによって各全閉型誘導電動機32a,32b,…の温度上昇を抑制することができる。この結果、第1の実施の形態と同様に各主電動機に温度上昇が比較的大きい定格の小さい全閉型誘導電動機を採用しても効果的に温度上昇を抑えることができ、それだけ主電動機1台あたりの駆動力を大きくすることができ、編成当りの搭載台数を削減することができ、車両価格の低減が図れることになる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施の形態の電気車制御装置を図3に基づいて説明する。この第3の実施の形態の特徴は、モータ電流実効値演算部211で算出するRMS(二乗平均値)が温度上昇限度に対応するレベルに達し、温度上昇限度判定部212で当該全閉型誘導電動機の温度上昇が限度値相当に到達したと判断した時、電流パターン生成部24に対して回生ブレーキ時のモータ電流パターンをゼロレベルまで絞り込む制御を行い、回生ブレーキを開放するようにした点にある。
【0034】
またこの実施の形態の場合、回生ブレーキの開放後もモータ電流実効値演算部211はモータ電流のRMSを継続して演算し、温度上昇限度判定部212はこのモータ電流RMSが所定値以下まで低下すれば主電動機の温度上昇が抑制されたものと判断して電流パターン生成部24に再度回生ブレーキを投入する指令を与える機能も有している。
【0035】
この第3の実施の形態によれば、電空ブレンディング制御によりブレーキ力負担を空気ブレーキ装置に切り換えることができ、熱的に厳しい条件の場所に設置されている主電動機の稼働率を強制的に低減させることによって温度上昇を抑制することができる。この結果、第1の実施の形態と同様に各主電動機に温度上昇が比較的大きい定格の小さい全閉型誘導電動機を採用しても効果的に温度上昇を抑えることができ、それだけ主電動機1台あたりの駆動力を大きくすることができ、編成当りの搭載台数を削減することができ、車両価格の低減が図れることになる。
【0036】
また、この第3の実施の形態の場合、列車編成中の複数台の全閉型誘導電動機それぞれの温度上昇の度合いを見て熱時定数を考慮した運転制御が行え、車両性能の低下に伴う運用の阻害を極力抑制することができる。
【0037】
次に、本発明の第4の実施の形態の電気車制御装置を図4及び図5に基づいて説明する。この第4の実施の形態の電気車制御装置は、図3に示した第3の実施の形態の制御演算部20と回路構成を同じくする複数台の全閉型誘導電動機の制御演算部20a,20b,…各々の温度上昇限度判定部212a,212b,…に対して相互通信する相補制御部41を設け、各温度上昇限度判定部212a,212b,…が電流パターン生成部24に対して自主電動機のモータ電流指令を減少させる指令を相補制御部41に対しても送信し、相補制御部41は温度上昇限度判定部212a,212b,…のいずれかからモータ電流指令減少の指令を受けた時にモータ電流指令減少の指令を送信してきていない制御演算部を制御演算部20a,20b,…の中から選び出し、選び出した制御演算部の温度上昇指令判定部に対してモータ電流指令増加の指令を与えるモータ電流指令の相補制御を行うようにしたことを特徴とする。
【0038】
したがっていま、たとえば、制御演算部20aのモータ電流実効値演算部211aが算出した所定時間内のモータ電流実効値RMSを温度上昇限度判定部212aにおいて温度上昇限度基準値と比較し、この基準値を超えていて電流パターン生成部24にモータ電流指令を減少させる指令を与えた時に、この温度上昇限度判定部212aからのモータ電流減少指令を相補制御部41でも受け取り、相補制御部41はモータ電流減少指令を送ってきていない制御演算部(ここでは制御演算部20bがそのようなものであったとする)を選び出し、この制御演算部20bの温度上昇限度判定部212bに対してモータ電流指令を所定値だけ上昇させる指令を出力するように指令を出す。
【0039】
制御演算部20bの温度上昇限度判定部212bではこのモータ電流指令増加の指令を受け取ると、自装置のモータ電流実効値が温度上昇限度基準値に到達していないことを確認した後、自装置の電流パターン生成部24にモータ電流指令増加の指令を与え、モータ電流指令値を増加させて誘導電動機の駆動力を上げる。
【0040】
こうして、この第4の実施の形態によれば、いずれかの誘導電動機の温度上昇が限度に到達すればその誘導電動機に対する電流指令を絞って温度上昇を抑制し、かつ電流を絞ることによって減少する駆動力は、他の熱的に余裕がある誘導電動機の電流指令を増加して駆動力を増加させることによって補う制御をすることによって、列車編成全体としての車両性能を維持しつつ、各全閉型誘導電動機の温度上昇を抑制することができる。
【0041】
次に、本発明の第5の実施の形態を図6に基づいて説明する。この第5の実施の形態の特徴は、図1に示した第1の実施の形態のようにモータ電流実効値を温度上昇限度相当の基準値と比較して主回路ユニットの開放判定を行う代わりに、制御演算部20のアナログ入力(AI)として誘導電動機の適所に取り付けられた温度センサからの信号を取り込み、この温度センサ信号から温度検出を行う温度検出部214を設け、この主電動機温度検出値を温度上昇限度判定部212に与え、温度上昇限度判定部212では温度上昇限度として設定されている温度基準値と比較し、この温度基準値に主電動機温度が到達した時に主回路ユニット開放指令をディジタル信号DOとして出力し、またある温度値まで低下した時に主回路ユニットの復帰指令を出力する構成にした点にある。
【0042】
したがって、この第5の実施の形態の電気車制御装置では、現実の主電動機温度に基づいて温度上昇判定を行うことができる。
【0043】
なお、第2〜第4の実施の形態それぞれにおいても、主電動機温度上昇限度到達の判定のために、モータ電流実効値を温度上昇限度相当の基準値と比較する手段に代えて、上記の第5の実施の形態と同様に誘導電動機の適所に取り付けられた温度センサからの信号を取り込み、その温度センサ信号から温度検出を行う温度検出部214を設け、主電動機温度検出値を温度上昇限度判定部212に与え、温度上昇限度値と比較する構成にすることができる。
【0044】
次に、本発明の第6の実施の形態を図7に基づいて説明する。全閉型誘導電動機の特徴は熱時定数が大きい点にあるが、これはまた一時的に大電流を流して高加速を行っても主電動機温度が急上昇することがないことを意味している。電気車の場合、全閉型誘導電動機を搭載している列車編成で、各誘導電動機の温度上昇を抑制しながら編成全体としては通常の駆動力を得る運転制御を行っていても、非常高加速を必要とすることがあり得る。このような非常高加速推進運転は温度上昇抑制制御よりも優先させる必要がある。
【0045】
そこで第6の実施の形態は、このような必要に対処することができる電気車制御装置として、図7に示すように軸重移動補償運転制御部51と通常の温度上昇抑制運転制御部52と運転指令に応じてこれらの軸重移動補償制御運転と温度上昇抑制制御運転との調停を行う制御方式調停部53とを備えたことを特徴とする。
【0046】
軸重移動補償運転制御部51は運転指令により非常高加速運転指令を受けた時に、温度上昇抑制運転制御部52に優先して動作し、各車両の台車後位の車軸を駆動する誘導電動機、たとえば、誘導電動機20a,20c,20e,…の制御を受け持つ制御演算部20a,20c,20e,…の軸重移動補償制御部25に対してモータ電流指令の増加指令を与える制御を行うことにより、車輪のレールとの粘着を極力確保し、温度上昇抑制制御による運転阻害を最小限に抑え、加速性を向上させる働きをする。
【0047】
温度上昇抑制運転制御部52は、非常高加速運転指令を受けていない時に優先的に動作し、上記の第1〜第5の実施の形態のいずれかの制御方式によって各制御演算部20a,20b,20c,…を動作させ、誘導電動機20a,20b,20c,…を駆動する。
【0048】
制御方式調停部53は運転指令の内容に応じて非常高加速運転指令であれば軸重移動補償運転制御部51側を起動させ、それ以外の運転指令であれば温度上昇抑制運転制御部52側を起動させる調停を行う。
【0049】
これによってこの第の実施の形態の電気車制御装置によれば、全閉型誘導電動機を主電動機に採用した列車編成において、通常運転時には各誘導電動機の温度上昇を抑制する方式で主電動機制御することができ、しかも一時的な高加速運転時にも効果的に対応して必要な推進力を発揮できることになる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、列車編成中の複数台の全閉型誘導電動機それぞれの温度状態を監視していて、誘導電動機のいずれかが温度上昇限度に到達した時にはその主電動機を停止すると共に休止中の他の主電動機を起動するローテーション運転制御を行うようにしたので、列車編成全体として必要な推進力を維持しつつ、温度上昇の激しい主電動機についてはその温度上昇を抑制することができる。
【0054】
請求項の発明によれば、電流検出手段の検出する複数台の主電動機各々に流れるモータ電流実効値を電流基準値と比較し、電流基準値を超えるモータ電流実効値を示す主電動機について温度上昇限度到達とみなすようにしたので、電動機制御に本来必要とされるモータ電流信号を利用して温度状態を判定することができ、電動機温度を温度センサで検出し、そのセンサ信号を制御装置内に取り込んで温度状態を判断する必要がなくて温度状態判定のために利用する部品点数の削減が図れる。
【0055】
請求項の発明によれば、複数台の主電動機各々の適所に取付けられた温度センサが検出する温度を温度基準値と比較して温度上昇限度到達を判定するので、各主電動機の温度状態を正確に判定することができ、制御の信頼性が高い。
【0056】
請求項の発明によれば、全閉型誘導電動機の特徴である短時間の過負荷運転における熱的耐量が大きいという熱的特徴を利用し、通常運転時には複数台の全閉型主電動機各々の温度上昇を抑制しながら運転することができ、しかも非常高加速運転時には軸重移動補償制御によっては台車後位の車軸を駆動する主電動機の電流指令値を増加させることによってレールとの粘着力を確保し、効果的に高加速運転することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機能ブロック図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の機能ブロック図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の機能ブロック図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の機能ブロック図。
【図5】上記の実施の形態のさらに詳しい機能ブロック図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の機能ブロック図。
【図7】本発明の第6の実施の形態の機能ブロック図。
【図8】一般的な全閉型誘導電動機の構造図。
【図9】従来例の機能ブロック図。
【図10】全閉型誘導電動機と自己通風型誘導電動機との温度上昇特性の比較グラフ。
【図11】一般的な台車枠の構造図。
【図12】列車編成中の各位置の走行風速の分布グラフ。
【符号の説明】
20,20a,20b,20c,… 制御演算部
21 ディジタル入力
22 アナログ入力
23 パルス入力
24 電流パターン生成部
25 個別制御部または軸重移動補償制御部
26 回転周波数演算部
27 空転滑走制御部
28 定電流制御部
29 PWMパターン生成部
210 変調率演算部
211,211a,211b,… モータ電流実効値演算部
212,212a,212b,… 温度上昇限度判定部
213 タイマ
214 温度検出部
32a,32b,32c,… 誘導電動機
35a,35b,35c,… 主回路ユニット
40 ローテーション制御部
41 相補制御部
51 軸重移動補償運転制御部
52 温度上昇抑制運転制御部
53 制御方式調停部

Claims (4)

  1. 全閉型誘導電動機を主電動機とし、複数台の主電動機を個別に制御する電気車制御装置において、
    前記主電動機の各々の温度状態を監視する温度監視手段と、
    前記温度監視手段が監視する前記主電動機のいずれかの温度状態が基準状態を超えた時に、該当する主電動機を停止すると共に休止中の他の主電動機を起動するローテーション運転制御手段とを備えて成る電気車制御装置。
  2. 前記温度監視手段の代りに、前記主電動機各々に一定時間内に流れるモータ電流実効値を検出する電流検出手段を備え、前記ローテーション運転制御手段は、前記電流検出手段が検出する前記モータ電流実効値が電流基準値を超えた時に該当する主電動機又は他の主電動機を制御することを特徴とする請求項1に記載の電気車制御装置。
  3. 前記温度監視手段は、前記主電動機各々の適所に取り付けられた温度センサであることを特徴とする請求項1に記載の電気車制御装置。
  4. 非常高加速運転時に、台車後位の車軸を駆動する主電動機の電流指令値を増加させる軸重移動補償制御手段を備えて成る請求項1〜3のいずれかに記載の電気車制御装置。
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