JP3840281B2 - ガス用自在継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス用自在継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭57−173683号公報に水用自在継手についての記載がある。このものは、球面部を備える挿口と、この挿口の球面部に外嵌合されてその球面部の半周より少し広い部分を収容する受口とを備えており、受口の球面状の内周面と挿口の球面部とを球面接触させることによって受口と挿口とが相対的に全方位揺動自在に連結され、また、受口と挿口との間に介在されたOリングなどのゴム製のシールリングによってその球面接触箇所に不可避的に生じる隙間が水密にシールされるようになっている。そして、受口と挿口との揺動の最大角度が、挿口の球面部に設けられた突起と受口の端面との衝突によって規制されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水用自在継手と本発明の対象であるガス用自在継手とでは、要求されるシール性能において大きく相違する。すなわち、可燃性ガスが使用対象であるガス用自在継手ではガス漏洩により爆発や火災の誘発が予想されるのに対し、水用自在継手ではそのような事態は予想されない。そのため、上述した従来の水用自在継手の構造をガス用自在継手にそのまま転用することは、ガス用自在継手に要求されるシール性能である気密性能を満たす上で問題がある。
【0004】
そこで、本願発明者は鋭意研究を重ねて本発明を完成させた。すなわち、本発明は、周囲で火災が発生して当該ガス用自在継手が加熱されたような場合にも気密性が失われにくいという気密性についての耐火性能を持つガス用自在継手を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、個々の部品の製作が容易であり、しかも部品同士の組立性に優れたガス用自在継手を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガス用自在継手は、短管の端部周囲に膨出状に設けられた球面部を備える挿口と、この挿口の球面部に外嵌合されてその球面部の全体を収容する受口とを備え、挿口の球面部と受口との間に、球面部に摺動自在に密接して球面部と受口との相互間に隙間を形成する環状スペーサと、球面部に摺動自在に密接して上記隙間を気密にシールするゴム製のシールリングと、球面部に摺動自在に当接するように上記隙間に保持された熱膨張性黒鉛を含むゴム製の耐火リングと、が介在され、上記シールリングおよび耐火リングのうちの少なくとも一方のリングと上記環状スペーサとの共働により、上記球面部と受口とがその球面部の中心回りで相対的に全方位揺動自在にかつ相対回転自在に保持し合っている、というものである。
【0007】
ここで、「シールリングおよび耐火リングのうちの少なくとも一方のリングと環状スペーサとの共働により、球面部と受口とがその球面部の中心回りで相対的に全方位揺動自在にかつ相対回転自在に受口に保持し合っている」という文言の意味は、球面部と受口とがその球面部の中心回りで相対的に全方位揺動自在にかつ相対回転自在に保持し合うのに役立っている部材が、シールリングと環状スペーサとの二者である場合と、耐火リングと環状スペーサとの二者である場合と、シールリングおよび耐火リングと環状スペーサとの三者である場合とを含む意味である。
【0008】
このように構成されたガス用自在継手において、挿口と受口との間の相対的な揺動や捩れは、シールリングおよび耐火リングのうちの少なくとも一方のリングと環状スペーサとの共働により、上記球面部がその中心回りで相対的に全方位揺動自在にかつ相対回転自在に上記受口に保持されていることにより確保される。また、通常時の気密性は、シールリングが球面部に摺動自在に密接していることや、ゴム製の耐火リングが球面部に摺動自在に当接していること、などによって確保される。
【0009】
他方、周囲で発生した火災などにより当該ガス用伸縮継手が加熱された影響でゴム製のシールリングによる気密性が失われたような場合には、耐火リングが気密性を継続することに役立つ。すなわち、耐火リングに熱膨張黒鉛を含むゴム製のものが用いられているから、この耐火リングが加熱されると、それに含まれる熱膨張黒鉛の膨張により球面部や受口に対する耐火リングの当接力が増大して気密性が継続される。その上、球面部と受口との相互間に隙間を形成するという環状スペーサの機能が失われたときでも、上記のようにして膨張した耐火リングが球面部と受口との相互間に隙間を確保することに役立つようになるので、挿口と受口との相対的揺動作用や相対的捩れ作用が継続して維持される。
【0010】
本発明において、シールリングが、球面部の中心を通りかつ短管の軸線に直交する仮想平面上に配備され、そのシールリングの両側に環状スペーサと耐火リングとが振り分けて配備されていると、通常時のシールリングによる気密性が確実に発揮される。
【0011】
また、受口が、球面部の外周直径よりも径大な円筒状の第1内周面と短管の軸方向奥側で上記第1内周面に隣接する箇所に第1段付面を介して設けられてその第1内周面よりも径小な円筒状の第2内周面とこの第2内周面の上記軸方向奥側の端部に設けられた第2段付面とねじ部とを備える受口本体と、この受口本体のねじ部にねじ合わされたねじ部および筒状の内向き突出部を備える押輪と、からなり、シールリングが第1内周面と球面部との間において上記第1段付面と内向き突出部とにより挾圧されており、環状スペーサが内向き突出部の内周面と球面部との間に介在され、耐火リングが第2内周面と第2段付面と球面部との間に介在されている、という構成を採用することができる。
【0012】
このように構成されたガス用自在継手では、受口の内周面を球面に加工する必要がないので、受口の製作を容易に高精度に行うことができる。また、この構成において、第1段付面や第2段付面のそれぞれの内端縁を球面部に接触しない範囲でできるだけ近接させておけば、第2内周面と第2段付面と球面部との間に介在されている耐火リングに含まれる熱膨張黒鉛が加熱されて膨張したときに、その耐火リングが第2内周面と第2段付面と球面部とによって囲まれる空間の外にはみ出さなくなるため、球面部や受口に対する耐火リングの当接力が上述したものよりもさらに増大して気密信頼性がさらに向上するのみならず、耐火リングが球面部と受口との相互間に隙間を確保するという作用の信頼性も向上する。
【0013】
本発明においては、受口に対し短管が球面部の中心回りに揺動されたときに、短管の管壁外周面に面接触して短管の揺動の最大角度を規制するテーパ状の当り面が当該受口と同心状にその受口に設けられている、という構成を採用することが望ましい。
【0014】
この構成によれば、冒頭で説明した従来の水用自在継手のように球面部に突起を形成するというような煩わしい製作工程を行わずに済む。
【0015】
本発明においては、2つの管を気密状態で伸縮可能にかつ相対回転自在に連結してなる伸縮機構を有し、この伸縮機構により連結された2つの管のうちの一方の管が受口に連結されている、という構成を採用することができる。
【0016】
この構成によれば、挿口と受口とが相対的に揺動できる作用や相対的に捩れる機能に加えて、伸縮機能が付与される。この場合、受口に連結された一方の管の端部に設けられた伸縮機構のハウジングと、そのハウジングを通して上記一方の管に内嵌合された他方の管との間に、熱膨張性黒鉛を含むゴム製の耐火リングが介在されている、という構成を採用することが望ましく、このように構成すると、伸縮機構に耐火性が付与される。
【0017】
また、2つの管の端部に各別に受口が設けられていると共に、それらの管に各別の伸縮機構を介して他の管が伸縮可能にかつ相対回転自在に連結されており、各別の伸縮機構のハウジングとそのハウジングを通して上記2つの管に内嵌合された上記他の管との間のそれぞれに、熱膨張性黒鉛を含むゴム製の耐火リングが介在されている、という構成を採用することにより、挿口と受口とが相対的に揺動できる機能や相対的に捩じれる機能、伸縮機能などがいっそう顕著に発揮される。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態を示すガス用自在継手を一部省略して示した部分破断側面図、図2は作用説明図、図3は図1の要部を拡大した部分断面図、図4は図1の他の要部を拡大した部分断面図であり、このガス用自在継手は、挿口1と受口2と伸縮機構5とを備えている。
【0019】
図1および図3のように、挿口1は、短管11の端部周囲に膨出状に設けられた球面部12を備えている。この実施形態において、球面部12は、球体に所定内径の貫通孔13を形成したものを短管11の端部に嵌め込んでその短管11に溶接することにより形成されており、球面部12の表面は滑らかな球面になっている。Wは溶接箇所を示す。
【0020】
受口2は、受口本体3と押輪4とからなる。図3のように、受口本体3は、円筒状の第1内周面31と、上記短管11の軸方向奥側で第1内周面31に隣接する箇所に第1段付面32を介して設けられた円筒状の第2内周面33と、この第2内周面33の上記軸方向奥側の端部に設けられた第2段付面34と、を備えており、第1内周面31は上記球面部12の外周直径よりも径大であり、第2内周面33は第1内周面31よりも径小であり、さらに、第1段付面32の内周縁と第2内周面34との間の箇所イや、第2段付面34に隣接する箇所ロでは、受口2の内面が上記球面部12の表面に沿うように傾斜した傾斜方向でフラットなテーパ面35,36になっている。また、受口本体3の先端部内周面に、上記第1内周面31に隣接して雌ねじ35が設けられている一方、受口本体3の後端部はスリーブ38として形成されており、このスリーブ38に雌ねじ39と環状溝41と環状凸部42とが設けられている。この受口本体3は鋼材で製作されている。
【0021】
受口本体3は、挿口1の球面部12に外嵌合されていて、第1内周面31と第1段付面32と球面部12とで囲まれる空間にニトリルゴム(NBR)などのゴムで作られたOリングでなるシールリング43が介在され、第2内周面33と第2段付面34と球面部12とで囲まれる空間に耐火リング7が介在されている。ここで、耐火リング7には、加熱されると体積を膨張させるという性質を備えた熱膨張黒鉛を含むクロロプレンゴム(CR)で作られたものが用いられている。
【0022】
押輪4は、筒状の内向き突出部45を備えており、この内向き突出部45の外周面に形成された雄ねじ46が受口本体3の上記雌ねじ37にねじ合わされている。そして、受口本体3に内嵌合された上記内向き突出部45がその端面で上記シールリング6を第1段付面32と共働して挾圧しており、この挾圧によってシールリング6が径方向内方に張り出そうとして球面部12に摺動自在に密接している。また、上記内向き突出部45の内周面47と球面部12との間に耐磨耗性に富むMCナイロンで作られた環状スペーサ8が球面部12に対して摺動自在な密接状態で介在されている。
【0023】
図1に説明的に示したように、上記シールリング6は、球面部12の中心Pを通りかつ短管11の軸線Lに直交する仮想平面S−S上に配備されている。したがって、シールリング6は、球面部12の最も径大な箇所に摺動自在に密接している。また、そのシールリング6の両側に環状スペーサ8と耐火リング7とが振り分けて配備されている。
【0024】
上記した環状スペーサ8は、球面部12と受口2との相互間に所定の隙間δ(図3参照)を形成する役割を担っており、シールリング6や耐火リング7はその隙間δを気密にシールする役割を主に担っている。また、上記シールリング6と耐火リング7と環状スペーサ8とは、それらが共働して上記球面部12と受口2とをその球面部12の中心P回りで上記隙間δを保ったまま相対的に全方位揺動自在にかつ相対回転自在に保持し合うことに役立っている。そして、上記テーパ面35,36は球面部12に接触しない範囲でその球面部12に近接している。なお、シールリング6が柔軟で硬度の低い材質で作られている場合には、環状スペーサ8と耐火リング7との二者が球面部12と受口2との相互保持に実質的に寄与していると考えられ、また、耐火リング7に含まれる熱膨張黒鉛が未膨張のときのその耐火リングの球面部12に対する当接力がそれほど大きくないときには、シールリングと環状スペーサとの二者が球面部12と受口2との相互保持に実質的に寄与していると考えられる。したがって、このガス用自在継手においては、シールリング6および耐火リング7のうちの少なくとも一方のリングと環状スペーサ8との共働により、上記球面部12と受口2とがその球面部12の中心P回りで相対的に全方位揺動自在にかつ相対回転自在に保持し合っていればよい。
【0025】
さらに、上記押輪4には、受口2と同心状にテーパ状の当り面48が備わっており、この当り面48に上記短管11の管壁外周面が当たって面接触することにより、その短管11の揺動の最大角度θが規制されるようになっている。この実施形態では上記最大角度θを15度の触れ角に定めてある。
【0026】
図1や図4のように、伸縮機構5は円筒状のハウジング51を有する。このハウジング51の内周面には、径大な2つの環状凹所52,52と、それらの環状凹所52,52の両側の径小な2つの環状凹所53,53と、径大な2つの環状凹所52,52の中間部の1つの径小な環状凹所54と、端面に近い箇所の径小な環状凹所55とが形成されている。そして、そのうちの径大な環状凹所52,52にNBRなどのゴムで作られたOリングでなるシールリング56,56が保持され、径小な2つの環状凹所53,53にMCナイロンで作られたスペーサとしての役割を担うスライドリング57,57が保持され、1つの径小な環状凹所54に耐火リング58が保持され、他の1つの環状凹所55にフェルト材で作られたリング状のダストシール59が保持されている。
【0027】
この伸縮機構5において、上記ハウジング5の基部には鋼管91が溶接で同心状に接合されている。そして、図1や図3のように、この鋼管91の端部に形成された雄ねじ92が上記受口本体3のスリーブ38の雌ねじ39にねじ合わされ、かつその鋼管91の端面93が上記受口本体3の環状凸部42に突き当てられている。また、鋼管91のが外周面の端部には平滑面94が形成されており、この平滑面94に上記スリーブ38の環状溝41に保持されたシールリング49が密接してその箇所の気密性を保持している。
【0028】
これに対し、図1や図4のように、ステンレス管で作られた他の管95が上記ハウジング51を挿通して上記鋼管91に内嵌合されている。この管95は先端近傍箇所に形成された環状溝96にステンレス製の抜止めリング97を保持している。また、この管95には、上記したシールリング56,56、スライドリング57,57、耐火リング58およびダストシール59が摺動自在に密着または当接している。したがって、伸縮機構5を介して連結された上記鋼管91と他の管95とは、他の管95が鋼管91に対して出退することにより伸縮し、また、双方の管91,95が相対回転自在である。なお、抜止めリング97は、他の管95が鋼管91に対して引抜き方向に移動してハウジング51の凸部98に当たることによってその管95を抜止めする。
【0029】
図1で判るように、図例のガス用自在継手では、その軸方向の中央部(一転鎖線Cで示した位置)の左右の構造を対称にしてある。すなわち、上記した他の管95の両端部のそれぞれが各別の伸縮機構5,5を介してそれらの伸縮機構5,5のハウジング51,51に各別に接合された2つの鋼管91,91に伸縮可能にかつ相対回転自在に連結されている。また、それぞれの鋼管91,91の端部に各別に受口2,2が設けられている。そして、受口2,2のそれぞれには、図1や図3について上述した構造で挿口1が組み付けられている。
【0030】
以上のように構成されたガス用自在継手において、受口2と挿口1の球面部12との嵌合箇所では、環状スペーサ8やシールリング6または耐火リング7が隙間δ(図3参照)を保持し、しかもその隙間δの気密性がシールリング6や耐火リング7によって保持される。この隙間δやその隙間δの気密性は、球面部12がその中心Pの回りに回転した場合でも保たれる。そのため、短管11は、受口2に対して相対的に全方位揺動可能であり、また、鋼管91や受口2に対して球面部12の中心Pを通る軸線の回りで相対回転自在である。したがって、このガス用自在継手を採用したガス管路に、地震や風圧に起因する揺れや捩れの作用が加わったとしても、短管11と受口2とが相対的に揺動したり回転したりすることによってその揺れや捩れが吸収される。また、図2のように揺動した短管11が押輪4の当り面48に当たることによって短管11の最大揺れ幅が規制されるので、短管11がそれよりも大きく揺れて球面部12から耐火リング7などが外れるおそれはない。
【0031】
また、このガス用自在継手を採用したガス管路に、地震や風圧に起因する伸縮方向の力が加わったとしても、その力は、伸縮機構5で連結された鋼管91に他の管95が出退することによって吸収される。鋼管91と他の管95は、伸縮機構5を介して相対的に回転自在になっているから、捩れの作用も伸縮機構5によって吸収される。
【0032】
ところで、周囲で発生した火災などにより当該ガス用自在継手が加熱された影響でゴム製のシールリング6による気密性が失われたような場合には、耐火リング7が気密性を継続することに役立つ。すなわち、耐火リング7に熱膨張黒鉛を含むゴム製のものが用いられているから、この耐火リング7が加熱されると、それに含まれる熱膨張黒鉛の膨張により球面部12や受口本体3に対する耐火リング7の当接力が増大して気密性が継続される。この場合、耐火リング7の熱膨張黒鉛は、第2内周面33と第2段付面34と球面部12とによって囲まれる空間の中で膨張するので、気密信頼性や隙間δを確保するという作用についての信頼性も高いものとなる。また、球面部12と受口2との相互間に隙間δを形成するという環状スペーサ8の機能が失われたときでも、上記のように膨張した耐火リング7が球面部12と受口2との相互間に隙間δを確保することに役立つようになるので、挿口1と受口2とによる揺動吸収作用や捩れ吸収作用が継続して維持される。
【0033】
伸縮機構5に用いられている耐火リング58についても、上記した耐火リング7と同じ作用が発揮される。
【0034】
この実施形態のガス用自在継手においては、挿口1と受口2との共働による揺動吸収作用や回転吸収作用を発揮する箇所が2箇所にあり、また、伸縮機構5による伸縮吸収作用や回転吸収作用を発揮する箇所が2箇所にあるので、それらの作用が十分に発揮される。したがって、たとえば高層ビルに施工された管路のように、揺れ幅や伸縮幅が30cm程度に達することが予想されるような管路に好適に採用することができる。
【0035】
また、受口本体3と球面部12とを球面接触させたものではないので、受口本体3に球面加工を施す必要がなく、しかも第1内周面31や第2内周面33を円筒状に加工するだけでよいので、受口本体3を容易にかつ高精度に製作することが可能になるという利点がある。
【0036】
図5は変形例による球面部12を採用したものを示している。同図の球面部12は短管11の端部を球状に膨出させて球面部12としたものである。他の構成は、図3で説明したところと同様であるので、相応する部分に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
【発明の効果】
請求項1に係る発明のガス用自在継手は、挿口と受口との間の相対的な揺動機能や捩れ機能を具備するので、管路の揺動や捩れを吸収しなければならないというガス用自在継手に要求される基本機能が満足される。
【0038】
そして、ガス用自在継手に要求される通常時の気密性がシールリングや耐火リングによって確保される。
【0039】
他方、周囲で発生した火災などにより当該ガス用伸縮継手が加熱された影響でゴム性のシールリングによる気密性が失われたような場合には、耐火リングに含まれる熱膨張黒鉛が膨張して気密性が継続されるので、当該ガス用自在継手に要求される火災発生時の気密性も確保される。また、周囲で発生した火災などにより環状スペーサの機能が失われたときでも、上記のようにして膨張した耐火リングが球面部と受口との相互間に隙間を確保することに役立つようになるので、挿口と受口との相対的揺動作用や相対的捩れ作用が継続して維持される。
【0040】
請求項1に係る発明のガス用自在継手によれば、上記した効果の他に、受口を容易かつ高精度に製作できるようになるという効果がある。
【0041】
請求項2に係る発明によれば、従来の水用自在継手のように球面部に揺動角度を規制するための突起を形成するというような煩わしい製作工程が不要になるという効果がある。
【0042】
請求項3に係る発明によれば、ガス用自在継手に、それに要求される上述の基本機能に加えて伸縮機能が付与されるので、地震対策として、あるいは高層ビルの風圧などによる揺れ対策として有益なガス用自在継手を提供できるようになる。また、請求項4に係る発明によれば、さらに伸縮機構の耐火性も確保される。この効果は、請求項5に係る発明によっていっそう顕著に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態を示すガス用自在継手を一部省略して示した部分破断側面図である。
【図2】 揺動吸収作用の説明図である。
【図3】 図1の要部を拡大した部分断面図である。
【図4】 図1の他の要部を拡大した部分断面図である。
【図5】 変形例による球面部を採用したガス用自在継手の要部を拡大した部分断面図である。
【符号の説明】
1 挿口
2 受口
3 受口本体
4 押輪
5 伸縮機構
6 シールリング
7 耐火リング
8 環状スペーサ
11 短管
12 球面部
31 第1内周面
32 第1段付面
33 第2内周面
34 第2段付面
37 ねじ部
45 内向き突出部
46 ねじ部
48 当り面
51 ハウジング
58 耐火リング
91 鋼管(一方の管)
95 他の管
L 短管の軸線
S 仮想平面
Claims (5)
- 短管の端部周囲に膨出状に設けられた球面部を備える挿口と、この挿口の球面部に外嵌合されてその球面部の全体を収容する受口とを備え、挿口の球面部と受口との間に、球面部に摺動自在に密接して球面部と受口との相互間に隙間を形成する環状スペーサと、球面部に摺動自在に密接して上記隙間を気密にシールするゴム製のシールリングと、球面部に摺動自在に当接するように上記隙間に保持された熱膨張性黒鉛を含むゴム製の耐火リングと、が介在され、上記シールリングおよび耐火リングのうちの少なくとも一方のリングと上記環状スペーサとの共働により、上記球面部と受口とがその球面部の中心回りで相対的に全方位揺動自在にかつ相対回転自在に保持し合っており、
上記シールリングが、上記球面部の中心を通りかつ上記短管の軸線に直交する仮想平面上に配備され、そのシールリングの両側に上記環状スペーサと上記耐火リングとが振り分けて配備されており、
上記受口が、上記球面部の外周直径よりも径大な円筒状の第1内周面と上記短管の軸方向奥側で上記第1内周面に隣接する箇所に第1段付面を介して設けられてその第1内周面よりも径小な円筒状の第2内周面とこの第2内周面の上記軸方向奥側の端部に設けられた第2段付面とねじ部とを備える受口本体と、この受口本体のねじ部にねじ合わされたねじ部および筒状の内向き突出部を備える押輪と、からなり、
上記シールリングが上記第1内周面と上記球面部との間において上記第1段付面と上記内向き突出部とにより挾圧されており、上記環状スペーサが上記内向き突出部の内周面と上記球面部との間に介在され、上記耐火リングが上記第2内周面と上記第2段付面と上記球面部との間に介在されていることを特徴とするガス用自在継手。 - 受口に対し短管が球面部の中心回りに揺動されたときに、短管の管壁外周面に面接触して短管の揺動の最大角度を規制するテーパ状の当り面が当該受口と同心状にその受口に設けられている請求項1に記載のガス用自在継手。
- 2つの管を気密状態で伸縮可能にかつ相対回転自在に連結してなる伸縮機構を有し、この伸縮機構により連結された2つの管のうちの一方の管が受口に連結されている請求項1又は請求項2に記載のガス用自在継手。
- 受口に連結された一方の管の端部に設けられた伸縮機構のハウジングと、そのハウジングを通して上記一方の管に内嵌合された他方の管との間に、熱膨張性黒鉛を含むゴム製の耐火リングが介在されている請求項3に記載のガス用自在継手。
- 2つの管の端部に各別に受口が設けられていると共に、それらの管に各別の伸縮機構を介して他の管が伸縮可能にかつ相対回転自在に連結されており、各別の伸縮機構のハウジングとそのハウジングを通して上記2つの管に内嵌合された上記他の管との間のそれぞれに、熱膨張性黒鉛を含むゴム製の耐火リングが介在されている請求項1又は請求項2に記載のガス用自在継手。
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