本発明は、電子メール配信システムに関し、特に、送信先の電子メールアドレスの末尾に所定の文字列を付加して送信することにより、送信元の電子メールアドレスを所定のメール配信サーバにおいて予め登録されている所定の電子メールアドレスに変換して電子メールを送信先に配信する電子メール配信システムに関する。
近年、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)や携帯電話等の携帯端末が普及したことに加え、パソコンのみならず携帯端末、とりわけ携帯電話からもインターネットに接続が可能となったことに伴い、パソコンや携帯電話によるインターネットを利用した電子メール通信が、コミュニケーション手段の一つとして広く定着している。
この電子メール通信を利用する際は、送信元及び送信先を判別するため、電子メール通信利用者の住所ともいうべき電子メールアドレスが必要となる。電子メールアドレスは、ユーザー名とドメイン名とをアットマーク「@」で介した構成となっている。前記ユーザー名は、電子メールを受信する者が指定する任意の文字列、又は、電子メールを受信する者が所属する組織毎に決められたルールに従って特定される文字列であり、前記ドメイン名は、電子メールを受信する者が所属する組織又は電子メール通信の提供者(インターネットサービスプロバイダ、携帯電話会社)を示す文字列となっている。例えば、電子メールアドレスが「yyy@zzz.com」である場合、アットマーク「@」を境として、「yyy」がユーザー名であり、「zzz.com」がドメイン名となる。
個人の場合においては、一般的に、パソコンによる電子メール通信における電子メールアドレス(以下、パソコン用電子メールアドレスという。)は、インターネットサービスプロバイダにより割り当てられ、携帯電話による電子メール通信における電子メールアドレス(以下、携帯電話用電子メールアドレスという。)は、携帯電話会社により割り当てられるので、パソコン用電子メールアドレスと携帯電話用電子メールアドレスとは全く別個のものであり、自宅や会社等におけるパソコンで電子メール通信を利用する一方で携帯電話によっても電子メール通信を利用する者にとっては、複数の異なる電子メールアドレスを有することとなる。さらに、その電子メールアドレスは、例えば「電子メール利用者の名前のローマ字表記@携帯電話会社の名称のローマ字表記.ne.jp」のように、電子メール利用者が希望する任意の文字列からなるユーザー名と、インターネットサービスプロバイダや携帯電話会社の名称又は通称が含まれるドメイン名からなることが多いので、割り当てられる電子メールアドレスは一般的に全体として冗長なものである。
また、パソコンや携帯電話による電子メール通信の普及に伴って、無差別に送信されるウィルスメールや広告メールなど、受信を希望しない迷惑メールが問題になっている。迷惑メールが送信されてくる仕組みは、あらゆるパターンにより文字列を組み合わせてなるユーザー名と、著名なインターネットサービスプロバイダや携帯電話会社の名称に「.ne.jp」等を付したドメイン名とからなる電子メールアドレスを大量に自動生成し、無差別に送信するようになっている。その多くは電子メールアドレスとして実在しないので送信元へ戻ってしまうが、偶然に電子メールアドレスが実在してしまうと、それ以降はその実在する電子メールアドレスに対して大量の迷惑メールが送信されることとなる。
電子メール通信の利用者は、このような迷惑メールを受信しないために、いわゆる受信メールのフィルタリング機能を利用したり、電子メールアドレスを適宜変更するなどの対策をしている。特に、電子メールアドレスの変更に際しては、ユーザー名として「−(ハイフン)」や「_(アンダーバー)」などの文字を取り入れて比較的長い文字列を採用し、比較的自動生成されにくい電子メールアドレスに変更するという対策も提案されている。ここで、受信メールのフィルタリング機能とは、一般的には、受信を希望しない電子メールアドレスに含まれる文字列をメールサーバに予め登録しておくことにより、前記登録した文字列を含む電子メールアドレスからの電子メールの受信を拒否するというものであり、これに関して、例えば以下の特許文献に示すようなものが提案されている。
しかしながら、フィルタリング機能は、受信を希望しない電子メールを振り分けるためのフィルタリング条件を設定しておくことが前提となるものであるが、既に受信された過去の迷惑メールを参照してフィルタリング条件を設定せざるを得ず、未知の迷惑メールに対しては、これを拒否するためのフィルタリング条件を設定することができず、結局無防備となってしまう。
一方、電子メールアドレスを変更すると、従来より使用している電子メールアドレスが使用できなくなるため、変更された新たな電子メールアドレスを電子メール通信の総ての相手に通知しなければならず、極めて煩雑な作業が必要となり、また、このような作業を嫌って電子メールアドレスの変更を躊躇し、有効な迷惑メール対策をとっていない者も多い。
電子メールアドレスの変更は、一般的にはユーザー名の変更に過ぎないので、ドメイン名を固定して仮想の電子メールアドレスを自動生成する前記迷惑メールの送信の仕組みからすれば、再び迷惑メールが送信されてくる可能性は依然として存在しており、電子メールアドレスにおけるユーザー名の変更は、迷惑メールの受信防止のための根本的な対策とはなっていない。
比較的長い文字列でなる電子メールアドレスに変更するという対策に関しては、前記のように、電子メールアドレスはユーザー名とドメイン名からなり、ドメイン名には携帯電話会社の名称等が含まれる場合が多く、ドメイン名だけでも少なくとも十数文字と冗長であるにもかかわらず、ユーザー名を敢えて長い文字列を採用してしまうと、全体として極めて冗長な電子メールアドレスとなってしまうので、該電子メールアドレスに対して電子メールを送信しようとする者にとっては、該電子メールアドレスを覚えておくことはまず不可能であり、また、送信時に該電子メールアドレスを入力する場合においても入力文字数が多くなり煩雑となる。
また、迷惑メール対策に限らず、電子メールアドレスが変更される場合がある。すなわち、インターネットサービスプロバイダや携帯電話会社を変更する場合は、電子メールアドレスは新たなインターネットサービスプロバイダや携帯電話会社によって新たに割り当てられ、少なくともドメイン名が変更されてしまうため、新たな電子メールアドレスを電子メール通信の総ての相手先に通知しなければならない。このような煩雑な作業を嫌って、インターネットサービスプロバイダや携帯電話会社を変更することに躊躇する者も多い。
前記の通り、複数の電子メールアドレスを有している場合が多いが、これらを一元的に管理できる電子メール通信が望まれている。
そこで本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであって、携帯電話等により送信される電子メールの配信を特定のメール配信サーバを介して行われるようにするとともに、送信元の電子メールアドレスを前記メール配信サーバに予め登録されている所定の短い電子メールアドレスに変換して電子メールを送信先に配信することにより、送信元の電子メールアドレスを短縮して返信を容易に行うことができ、また、電子メールアドレスの一元的に管理が可能で、かつ、迷惑メールを受信しないための措置をとりやすい電子メール配信システムを提供することを目的とする。
本発明による電子メール配信システムは、アットマークと、該アットマークより前に位置する文字列であるユーザー名と、前記アットマークより後に位置する文字列であるドメイン名と、からなる送信先の電子メールアドレスに対して電子メールを配信する電子メール配信システムであって、前記送信先の電子メールアドレスを構成する前記ユーザー名とアットマークとドメイン名の各文字列を変更することなく、前記送信先の電子メールアドレスの末尾に所定の文字列を付加して電子メールを送信する送信手段と、前記送信手段により付加された所定の文字列を含むドメイン名を有するメール配信サーバにアクセスするメールサーバアクセス手段と、前記メール配信サーバが受信した電子メールの送信元の電子メールアドレスを照合する照合手段と、前記照合手段の照合結果に基づいて送信元の登録電子メールアドレスを変換電子メールアドレスに変換する電子メールアドレス変換手段と、前記送信先の電子メールアドレスに付加された前記所定の文字列を削除するとともに送信元を前記変換電子メールアドレスとしたまま前記送信先の電子メールアドレスに電子メールを配信する配信手段と、前記配信手段から配信される電子メールを受信する受信手段からなることを特徴とする。また、本発明による電子メール配信システムの前記送信先の電子メールアドレスの末尾に付加する所定の文字列は、前記メール配信サーバのドメイン名ではない文字列若しくは前記メール配信サーバのドメイン名である文字列であることを特徴とする。また、本発明による電子メール配信システムの前記送信先の電子メールアドレスの末尾に付加する所定の文字列は、3文字以上であることを特徴とする。また、本発明による電子メール配信システムの前記送信手段が、文字列の選択及び入力操作が可能な複数のキーを有する携帯端末であって、前記キーには複数の文字が割り当てられており、前記キーを押す回数に応じて所定の文字を選択可能なものである場合において、前記送信先の電子メールアドレスの末尾に付加する所定の文字列は、前記キーを最初に押すことにより選択可能な文字からなることを特徴とする。また、本発明による電子メール配信システムは、前記変換電子メールアドレスを送信先として電子メールを送信する送信手段と、前記変換電子メールアドレスに含まれるドメイン名を有するメール配信サーバにアクセスするメールサーバアクセス手段と、前記メール配信サーバが受信した電子メールの前記変換電子メールアドレスを照合する照合手段と、前記照合手段の照合結果に基づいて前記変換電子メールアドレスを登録電子メールアドレスに変換する電子メールアドレス変換手段と、前記登録電子メールアドレスを送信先として電子メールを配信する配信手段と、前記配信手段から配信される電子メールを受信する受信手段を有することを特徴とする。また、本発明による電子メール配信システムの前記電子メールアドレス変換手段は、前記メール配信サーバのドメイン名を有する変換電子メールアドレスと登録電子メールアドレスとを相互に変換可能なことを特徴とする。また、本発明による電子メール配信システムの前記送信手段及び/または前記受信手段は、携帯端末であることを特徴とする。また、本発明による電子メール配信システムは、前記送信手段によって送信された電子メールに含まれる絵文字の文字コードを、前記受信手段において表示可能な絵文字の文字コードに変換する文字コード変換手段を有することを特徴とする。また、本発明による電子メール配信システムは、前記送信手段によって送信された絵文字が含まれる電子メールを自動判別し、前記受信手段において絵文字が含まれる前記電子メール本文全体を閲覧可能なフォーマットによるファイルに変換して、前記変換後のフォーマットによるファイルを前記メール配信サーバに保存するとともに、前記変換後のフォーマットによるファイルの保存場所を表すURLを前記電子メールに表示して送信する手段を有することを特徴とする。また、本発明による電子メール配信システムは、前記送信手段によって送信された電子メールに添付される画像、映像その他のファイルのフォーマットを前記受信手段において表示可能なファイルのフォーマットに変換し、該変換後のフォーマットによるファイルを前記メール配信サーバに保存するとともに、前記変換後のフォーマットによるファイルの保存場所を表すURLを前記電子メールに表示するフォーマット変換手段を有することを特徴とする。
本発明による電子メール配信システムによれば、送信元のパソコン用電子メールアドレス又は携帯電話用電子メールアドレスは、予めメール配信サーバに登録されている電子メールアドレス(変換電子メールアドレス)に変換されて送信先に配信され、該電子メールに対して返信する場合は、前記変換電子メールアドレスを送信先(返信先)とすればよいので、電子メール通信の相手方にとっては、前記変換電子メールアドレスのみを知っておけば足りる。
また、本発明によれば、変換電子メールアドレスは、そのドメイン名を既存の著名なインターネットサービスプロバイダや携帯電話会社の名称等とは全く関係のない文字列とすることが可能であり、迷惑メールの送信の際に自動生成が極めてされ難い電子メールアドレスであるので、変換電子メールアドレスを送信先とした迷惑メールが送信されてくることをほぼ完全に防止できる。
従って、電子メール通信を行う総ての相手に対して、予め変換電子メールアドレスを通知しておき該変換電子メールアドレスで電子メールのやりとりを行うように決めておけば、パソコン用電子メールアドレス又は携帯電話用電子メールアドレスに対して迷惑メールが届くようになっても、パソコン用電子メールアドレス又は携帯電話用電子メールアドレスを適宜変更し、前記メール配信サーバにその変更を登録しておくことにより、引き続き前記変換電子メールアドレスを使用できるので、従来のような電子メール通信の相手方への電子メールアドレスの変更の通知という煩雑な作業を行う必要はない。また、パソコン用電子メールアドレス又は携帯電話用電子メールアドレスを変更した場合に変換電子メールアドレスを引き続き使用するために必要な手続は、メール配信サーバへの登録という一回の手続を行えばよく、従来のような電子メールアドレスの変更の通知は全く必要がないので、パソコン用電子メールアドレス又は携帯電話用電子メールアドレスに対して迷惑メールが届くようになった場合には、その都度パソコン用電子メールアドレス又は携帯電話用電子メールアドレスを変更すればよく、煩雑な作業をすることなく迷惑メールの受信を有効に防止できる。
また、インターネットサービスプロバイダや携帯電話会社を変更することにより、電子メールアドレスを変更せざるを得ない場合であっても、メール配信サーバに新たな電子メールアドレスを再登録しておくことにより、変換メールアドレスはそのまま使用することができるので、従来のような電子メールアドレスの変更の通知を行う必要はない。
また、本発明によれば、電子メールを送信する際に、送信先の電子メールアドレスの末尾に所定の文字列を付加するという極めて簡単な操作によって、所定のメール配信サーバを介した電子メールの送信を実現することができる。特に、本発明によれば、前記付加する所定の文字列が短いので、電子メールの送信作業をより簡単なものとすることができる。
また、本発明によれば、送信先の電子メールアドレスの末尾に付加する所定の文字列は、文字列の選択及び入力操作が可能な複数のキーを有する携帯端末の前記キーを最初に押すことにより選択可能な文字からなるので、入力作業が極めて容易なものとなる。
また、本発明によれば、変換電子メールアドレスを極めて短いものとすることが可能であるので、比較的覚えやすい文字列とすることも可能であり、また、送信時に該変換電子メールアドレスを入力する場合においても入力文字数が少なく便利である。
また、電子メール通信利用者が、例えば、パソコン用電子メールアドレスと携帯電話用電子メールアドレスのように複数の電子メールアドレスを所有している場合、これらの複数の電子メールアドレスのいずれもが1つの変換電子メールアドレスに変換されるようにメール配信サーバにおいて予め登録しておくことにより、変換電子メールアドレスに対して送信された電子メールは、前記登録がされている総ての電子メールアドレスに配信されるため、パソコン又は携帯電話のいずれかで電子メールの受信の確認をすれば足り、複数の電子メールアドレスを一元的に管理することができる。
以下図面を参照して、本発明による電子メール配信システムの実施の形態について説明する。本発明による電子メール配信システムは、携帯電話等の携帯端末による電子メールの送信に既存のドメイン名の末尾に所定の文字列を付加して送信することにより、メール配信サーバにアクセスしてメール配信サーバに登録されている変換電子メールアドレスに置き換えて送信でき、送信元の電子メールアドレスの文字数を少なくして返信を容易に行え、また、電子メールアドレスを一元的に管理できるようにしたものである。
図1は、本発明による電子メール配信システムの構成の概略を示す図、図2は、メール配信サーバの構成およびデータベースの構成を示す図である。図1に示すように、電子メール配信システム1は、通信ネットワークであるインターネット2と、電子メールの配信を行うメール配信サーバ3と、電子メールの送信、受信を行う携帯端末としての携帯電話6と、携帯電話6との通信接続を行う移動通信網5と、インターネット2の接続を行うインターネットサービスプロバイダー8と、LAN7を有している。また、図1に示すように、移動通信網5、インターネットサービスプロバイダー8およびLAN7には、メールサーバ4を有している。通信ネットワークであるインターネット2には、電子メールの配信を行うメール配信サーバ3と、携帯電話6との接続及び通信を行う移動通信網5と、インターネット2を利用するパソコン10の接続を行うインターネットサービスプロバイダー8と、企業、団体等が有するLANとが接続されている。
通常の電子メールの送受信は、例えば、携帯電話6Aから携帯電話6Bに電子メールを送信する場合、携帯電話6Aと基地局5aとが無線で通信を行って、携帯電話会社の移動通信網5に接続し、送信先と送信元の電子メールアドレスのドメイン名が同一のときには、基地局5aから送信先の電子メールアドレスの携帯電話6Bに電子メールを送信したり、移動通信網5内のメールサーバ4に電子メールが一時的に蓄積される。また、送信先と送信元の電子メールアドレスのドメイン名が異なるときには、インターネット2を経由して、他の移動通信網5に接続して、基地局5aから送信先の電子メールアドレスの携帯電話6Bに電子メールを送信したり、移動通信網5内のメールサーバ4に電子メールが一時的に蓄積される。
本発明による電子メール配信システム1は、電子メールの送受信をメール配信サーバ3を経由して行うようにしたものである。上記の構成からなる電子メール配信システム1において、例えば、携帯電話6Aから携帯電話6Bへ電子メールを送信する場合、携帯電話6Aと基地局5aとが無線で通信を行って、メールサーバアクセス手段としての移動通信網5およびインターネットに接続して、インターネット上のドメイン名を有するメール配信サーバ3に接続されて、メール配信サーバ3に電子メールが到着する。そしてメール配信サーバ3からインターネット上の移動通信網5に接続されて、基地局5aから携帯電話6Bに電子メールが配信される。なお、本発明による電子メール配信システム1では、携帯電話6Aとパソコン10との間での電子メールの送受信をメール配信サーバ3を経由して行うことも可能である。
次に、メール配信サーバ3の構成、動作について、図2(a)を参照して説明する。図2(a)に示すように、メール配信サーバ3は、演算、電子メールアドレスの検索、電子メールアドレスの照合、制御等を行うCPU3aと、電子メールの受信、送信の制御、電子メールアドレスの照合、変換を行うソフトウェアを記憶した記憶装置3bと、ソフトウェアを記憶した記憶装置3bから読み出したプログラムの記憶、データの一時記憶等に使用するメモリ(RAM)3cと、登録電子メールアドレス、変換電子メールアドレス等の情報から成るデータファイルを記憶した記憶装置3dと、外部との通信の制御を行う通信制御部3fとからなる。なお、図示していないが、メール配信サーバ3はキーボード等の入力部、液晶モニタ等の表示部も有している。メール配信サーバ3は、メモリ3cに記憶されているプログラムを実行して、通信制御部3fの電子メールの受信の制御、受信した電子メールアドレスと記憶装置3dに記憶登録されている電子メールアドレスとの照合処理、照合処理結果に基づく電子メールの配信処理等を行う。
次に、記憶装置3dに格納されている登録電子メールアドレス、変換電子メールアドレス等の情報から成るデータファイルについて、図2(b)を参照して説明する。図2(b)に示す登録電子メールアドレスとは、携帯電話6等で現在使用している電子メールアドレスであってメール配信サーバ3に登録されている電子メールアドレスをいう。また、変換電子メールアドレスとは、現在使用している電子メールアドレスをメール配信サーバ3に登録する際に、ユーザに付与される電子メールアドレスであって、メール配信サーバ3のドメイン名を含んだ電子メールアドレスをいう。メール配信サーバ3の記憶装置3dには登録電子メールアドレスに対して変換電子メールアドレスが対応するように記憶されている。登録電子メールアドレス、変換電子メールアドレス等の情報から成るデータファイルは、検索、照合が容易に行えるようにデータベースとして記憶装置3dに記憶されている。このため、メール配信サーバ3は、登録電子メールアドレスを指定することにより対応する変換電子メールアドレスを読み出すことができ、また、変換電子メールアドレスを指定することにより対応する登録電子メールアドレスを読み出すことができるようになっている。なお、メール配信サーバ3の記憶装置3dでは、一つの登録電子メールアドレスと一つの変換電子メールアドレスとの組合せに限らず、ユーザがパソコン用電子メールアドレスと携帯電話用電子メールアドレスのように複数の電子メールアドレスを有している場合には、複数の登録電子メールアドレスと一つの変換電子メールアドレスとの組合せで記憶させておくことも可能である。
メール配信サーバ3は、携帯電話6Aにより送信先の電子メールアドレスの末尾に所定の文字列を付加されて送信される電子メールを受信して、メールヘッダのFrom(送信元)の電子メールアドレスを記憶装置3dに記憶されている登録電子メールアドレスと照合して、From(送信元)の電子メールアドレスを記憶装置3dから読み出した変換電子メールアドレスに変換し、さらに、送信先の電子メールアドレスの末尾に付加された所定の文字列を削除して、From(送信元)を変換電子メールアドレスとしたまま電子メールを送信先の電子メールアドレスに配信するようになっている。また、メール配信サーバ3は、変換電子メールアドレスを送信先として送信された電子メールを受信した場合には、記憶装置3dのデータベースと照合して、メールヘッダのTo(送信先)の変換電子メールアドレスを登録電子メールアドレスに変換して配信するようになっている。
以上述べたように、メール配信サーバ3は、受信した電子メールの送信元又は送信先の電子メールアドレスを記憶装置3dのデータベースと照合する照合手段と、前記照合手段の照合結果に基づいて登録電子メールアドレスと変換電子メールアドレスとを変換する電子メールアドレス変換手段と、送信先の電子メールアドレスに付加された前記所定の文字列を削除するとともに送信元を前記変換電子メールアドレスとしたまま送信先の電子メールアドレスに電子メールを配信する配信手段とを有している。
次に、電子メールの送信、受信を行う送信手段または受信手段としての携帯電話6のキーについて、図3を参照して説明する。図3は、携帯電話6の外観およびキー配列を示す図である。図3に示すように、携帯電話6は電話番号、電子メールアドレス、電子メールの内容等を表示する表示部6aと、数字、英文字、ひらがな等を入力するキー部6b等を有している。キー部6bは、電子メールアドレス等の文字列を入力する際には、自動またはキー操作による手動で半角の英字入力モードになるように設定されている。なお、図3に示すキーは、半角の英字入力モードにおける文字の配列を示す。
図3に示すように、現在普及している携帯電話は、一般的に、テンキーによりアルファベット、数字及び所定の記号の選択及び入力が可能になっており、例えば、英字入力モードにおいて、テンキーの第1のキーには「a,b,c」、第2のキーには「d,e,f」、第3のキーには「g,h,i」、第4のキーには「j,k,l」、第5のキーには「m,n,o」、第6のキーには「p,q,r,s」、第7のキーには「t,u,v」、第8のキーには「w,x,y,z」、第9のキーには「.(ドット),@(アットマーク)等」が割り振られている。英字入力モードにおける1つのキーには、前記のように複数の文字が割り振られており、例えば、第5キーを繰り返して押すことにより、mからn,oと順に文字が指定される。従って、例えば「jpo」と選択及び入力する場合には、第4のキーを1回押し、第6のキーを1回押し、第5のキーを3回押せば「jpo」の文字を選択及び入力できるようになっている。図3に示すように、前記のような文字の割り振りがなされているテンキーによれば、各キーを1回押すことによって選択及び入力が可能な文字は、a,d,g,j,m,p,t,w ,.(ドット)の文字となる。
なお、図3に示す携帯電話6のキー配列は、現在、広く一般的に携帯電話に採用されているものであり、また、本発明では、携帯電話に限らず他の携帯端末であってもよい。また、携帯端末のキーに割り当てられる文字は、前記の文字に限定するものではなく、他の文字であってもよい。
次に、メール配信サーバ3に使用するインターネット2上のドメイン名について説明する。メール配信サーバ3に使用するインターネット2上のドメイン名は、予め、所定のドメイン名登録機関において登録をしておく。メール配信サーバ3に使用するインターネット2上のドメイン名としては、例えば、「p.mw」、「w.jg」、「t.da」のように、図3に示すような携帯電話6において文字の割り振りがなされているテンキーの各キーを1回押すことによって選択及び入力可能な「a,d,g,j,m,p,t,w ,.(ドット)」を適宜組み合わせてなるドメイン名が好適であり、また、全体として短いドメイン名であることが好適である。また、メール配信サーバ3のインターネット2上のドメイン名としては、携帯電話6のテンキーの各キーを1回押すことによって選択可能な「a,d,g,j,m,p,t,w ,.(ドット)」を適宜組み合わせてなるドメイン名(例えば、「p.mw」等)に限らず、これとは別に、「bb.mw」、「cc.mw」、「dd.mw」、「da.mw」等、比較的短い多種の組合せでなる多数のドメイン名を登録しておくのが好適である。
本発明の電子メール配信システムは、携帯電話6によって送信先の電子メールアドレスの末尾に所定の文字列を追加して電子メールを送信することにより、前記追加した文字列を含むドメイン名を有するメール配信サーバ3で電子メールを受信し、メール配信サーバ3でFrom(送信元)の電子メールアドレスを変換電子メールアドレスに変換するとともに、To(送信先)の電子メールアドレスの末尾に付加された前記文字列を削除して、送信先の電子メールアドレスに電子メールを配信するものである。例えば、メール配信サーバ3のインターネット2上におけるドメイン名として「p.mw」をドメイン名の登録機関に登録しておき、送信先の電子メールアドレスを「sss@yyy.ne.jp」とすれば、この末尾に「.p.mw」という所定の文字列を付加して、「sss@yyy.ne.jp.p.mw」として電子メールアドレスを送信することにより、インターネット上のドメイン名が「p.mw」であるメール配信サーバ3に電子メールが届き、メール配信サーバ3において前記付加した所定の文字列「.p.mw」を削除した上で該電子メールを配信すると、送信先である「sss@yyy.ne.jp」に電子メールが届くものである。
次に、電子メール配信システム1におけるメール配信サーバ3への電子メールアドレスの登録、メール配信サーバ3への送信、メール配信サーバ3からの配信、および受信した電子メールへの返信について図4乃至図7を参照して説明する。図4は、メール配信サーバ3への電子メールアドレスの登録の手順を示すフローチャート、図5は、メール配信サーバ3への電子メールの送信、処理順序および配信処理を示すフローチャート、図6は、携帯電話で受信した電子メールに返信する際の、メール配信サーバ3の処理順序および配信処理を示すフローチャート、図7は、電子メールアドレスの変移を示す図である。
最初に、メール配信サーバ3への電子メールアドレスの登録について図4を参照して説明する。予め、メール配信サーバ3のインターネット2上のドメイン名を所定のドメイン名登録機関において登録しておき、前記ドメイン名をインターネット2上のドメイン名とするメール配信サーバ3を準備しておく。以下、説明の便宜上、前記メール配信サーバ3のドメイン名を「p.mw」及び「bb.mw」として説明するが、本発明におけるメール配信サーバ3のインターネット2上のドメイン名としては、これに限られるものではなく、適宜採択可能である。
図4に示すように、メール配信サーバ3を管理し本発明による電子メール配信システムを提供する者のホームページにアクセス等して、電子メール使用の手続きを行う(ステップS1)。電子メール使用の手続きは、会員登録を行い、登録者(ユーザー)は、携帯電話6Aで現在使用している電子メールアドレスを登録する。携帯電話6Aの現在使用している電子メールアドレスとして、例えば「zzz@yyy.ne.jp」を登録すると、「zzz@yyy.ne.jp」が図2(b)に示すデータベースの登録電子メールアドレスとして記憶される(ステップS2)。次に、登録者(ユーザー)には、メール配信サーバ3により管理する新たな電子メールアドレスとして変換電子メールアドレスが付与される(ステップS3)。例えば、図2(b)のデータベースの変換電子メールアドレスの欄に示す「aa@bb.mw」が付与される。このとき、変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」は、登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」と対応してデータベース上に記憶される(ステップS4)。
なお、登録者(ユーザー)に付与される変換電子メールアドレスは、前記「aa@bb.mw」に限られるものではない。登録者(ユーザー)に付与する変換電子メールアドレスとしては、変換電子メールアドレスのドメイン名において、メール配信サーバ3のインターネット2上のドメイン名(「p.mw」又は「bb.mw」等)を含むものであればよい。ここで、例えば、メール配信サーバ3のインターネット2上のドメイン名として「da.mw」が登録されていれば、登録者の氏が「山田」である場合、その氏のローマ字表記「yamada」の「a」に「@(アットマーク)」をあてて「yam@da.mw」のような変換電子メールアドレスを付与することができ、このような変換電子メールアドレスによれば極めて短く、かつ、電子メール通信の相手方にとっても覚えやすいものとなる。したがって、メール配信サーバ3のインターネット2上のドメイン名としては、携帯電話6のテンキーの各キーを1回押すことによって選択可能な「a,d,g,j,m,p,t,w ,.(ドット)」を適宜組み合わせてなるドメイン名(例えば、「p.mw」)に限らず、これとは別に、「bb.mw」、「cc.mw」、「dd.mw」、「da.mw」等、比較的短い多種の組合せでなる多数のドメイン名を登録しておくことにより、より多くの登録者(ユーザー)に対して変換電子メールアドレスを付与することができるとともに、登録者(ユーザー)の希望に応じた比較的短い変換電子メールアドレスを付与することができ、また、既存の著名なインターネットサービスプロバイダや携帯電話会社の名称等とは全く関係のないドメイン名を採用することが可能となる。
また、以上は新規の登録者(ユーザー)の登録手続を説明したものであるが、既に本発明による電子メール使用の手続を完了している者が、諸事情により、携帯電話6Aで現在使用している電子メールアドレスを変更することになった場合は、既に登録がされている変更前の電子メールアドレスを新たな電子メールアドレスに変更する登録手続を行えばよく、かかる手続をしておくことによって、既に付与されている変換電子メールアドレスを引き続き使用することができるようになる。なお、登録電子メールアドレスは一つに限らず、複数の電子メールアドレスを登録可能であることは前記の通りである。
次に、携帯電話6Aから電子メールを送信する際のメール配信サーバ3の処理手順について、図5及び図7参照して説明する。なお、図7に示す実線で囲んだFrom(送信元),To(送信先)の電子メールアドレスからなるメールヘッダおよびメール配信サーバ3の電子メールアドレスの変換処理を示す変換処理は、送信元の携帯電話6Aから送信先の携帯電話6Bへ送信する場合の電子メールアドレスの変移を示し、破線で囲んだメールヘッダ、変換処理は、携帯電話6Bから携帯電話6Aに返信する場合の電子メールアドレスの変移を示す。また、矢印は電子メールの送信方向を示す。
説明の便宜上、送信元の携帯電話6Aの電子メールアドレスは「zzz@yyy.ne.jp」、送信先の携帯電話6Bの電子メールアドレスは「sss@yyy.ne.jp」、メール配信サーバのドメイン名は「p.mw」及び「bb.mw」、末尾に付加する文字列は「.p.mw」の5文字とし、「sss@yyy.ne.jp.p.mw」として送信するものとする。なお、本発明において、メール配信サーバのドメイン名は「p.mw」及び「bb.mw」に限られるものでないことは前記の通りである。
事前にドメイン名「p.mw」及び「bb.mw」をドメイン名の登録機関に登録しておき、ドメイン名「p.mw」及び「bb.mw」のメール配信サーバ3を準備しておく。最初に、携帯電話6Aの送信者は、送信先の携帯電話6Bの電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」に「.p.mw」の5文字を追加した「sss@yyy.ne.jp.p.mw」に対して電子メールを送信する(図5に示すステップS10)。このときの、携帯電話6Aからの電子メールのメールヘッダは、図7に示すメールヘッダ1のように「To:sss@yyy.ne.jp.p.mw、From:zzz@yyy.ne.jp」となっている。携帯電話6Aからの電子メールは、基地局5a、移動通信網5、インターネット2を通じてインターネット上のドメイン名「p.mw」を管理するメール配信サーバ3で受信される(ステップS11)。メール配信サーバ3は、受信したFrom(送信元)の電子メールアドレス、この場合は「zzz@yyy.ne.jp」がデータベースの登録電子メールアドレスとして登録されているか否かを照合する(ステップS12)。照合処理により、From(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」が登録電子メールアドレスとして登録されているときは(ステップS13)、登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」に対応する変換電子メールアドレスを検出し、メールヘッダのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」を前記変換電子メールアドレスに変換する(ステップS14)。図2(b)に示す例では、変換電子メールアドレスは「aa@bb.mw」である。なお、照合処理により、所定の登録電子メールアドレスに対応する変換電子メールアドレスが存在しないとき、又は、登録電子メールアドレスが存在しないときには、エラーメールを返信するようにする(ステップS18)。次に、メール配信サーバ3は、送信先(To)の電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp.p.mw」から所定の文字列としての「.p.mw」を削除して本来の送信先の電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」に変換し(ステップS15)、本来の送信先の電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」に対して、電子メールをインターネット2に配信する(ステップS16)。このように配信された電子メールは、移動通信網5、基地局5aを介して携帯電話6Bで受信される(ステップS17)。このとき、携帯電話6Bで受信される電子メールのメールヘッダは、図7に示すメールヘッダ2「To:sss@yyy.ne.jp、From(Reply−To):aa@bb.mw」のようになっており、送信元の携帯電話6Aの電子メールアドレスは変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」となっている。
次に、携帯電話6Bが受け取った携帯電話6Aからの電子メールに対して返信する際の処理手順について、図6および図7を参照して説明する。携帯電話6Bが受け取った携帯電話6Aからの電子メールのメールヘッダは、図7のメールヘッダ2に示すように「To:sss@yyy.ne.jp、From(Reply−To):aa@bb.mw」となっており、この電子メールに対して携帯電話6Bが携帯電話6Aに返信する場合は、「aa@bb.mw」という変換電子メールアドレスに対して電子メールを送信(返信)すればよく、この場合のメールヘッダは、図7のメールヘッダ3に示すように「To:aa@bb.mw、From:sss@yyy.ne.jp」となり(図6のステップS20)、「bb.mw」のドメイン名を管理するメール配信サーバ3で受信される(ステップS21)。メール配信サーバ3は、前記変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」についてデータベースの変換電子メールアドレスの検索を行い、データベースに登録されているかを照合し(ステップS22)、照合の結果、前記変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」に対応する登録電子メールアドレスが存在する場合には(ステップS23)、携帯電話6Aの登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」を検出して、前記変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」を登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」に変換し(ステップS24)、登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」に対して電子メールを配信することにより(ステップS25)、移動通信網5、基地局5aを介して携帯電話6Aにより受信される(ステップS26)。このとき、携帯電話6Aで受信される電子メールのメールヘッダは、図7に示すメールヘッダ4「To:aa@bb.mw、From:sss@yyy.ne.jp、Delivered−To:zzz@yyy.ne.jp」となり、登録電子メールアドレスである「zzz@yyy.ne.jp」が「Delivered−To:」として表示されるようになっている。ステップS22の照合処理で、所定の変換電子メールアドレスに対応する登録電子メールアドレスが存在しないとき、又は、変換電子メールアドレスが存在しないときには、エラーメールを返信するようにする(ステップS27)。なお、以上は、携帯電話6Bが受け取った携帯電話6Aからの電子メールに対して返信する際の処理手順を説明したものであるが、携帯電話6Bから電子メールを送信する者において、携帯電話6Aの変換電子メールアドレスが既知である場合には、以上の送信手順と同様にして新たな電子メールを携帯電話6Aに送信できることはいうまでもない。
また、例えば携帯電話6Aの電子メールアドレスとパソコン10の電子メールアドレスの両者を登録電子メールアドレスとしてメール配信サーバ3に登録されている場合は、携帯電話6B(又は図示しないパソコン)から携帯電話6A及びパソコン10に係る1つの変換電子メールアドレスに対して電子メールを送信すると、携帯電話6A及びパソコン10の両方に電子メールが配信されるようになる。
なお、上述した電子メール配信システムでは、送信先の携帯電話の電子メールアドレスの末尾に「.p.mw」のような所定の文字列としての5文字を追加して、インターネット2上におけるドメイン名「p.mw」を有するメール配信サーバ3に電子メールを送信するようにしている。これにより、電子メールアドレスの末尾に追加する「.p.mw」の最初のドット「 .」を介して、メール配信サーバ3のドメイン名が指定される。
以上述べたように、本発明による電子メール配信システムによれば、送信元のパソコン用電子メールアドレス又は携帯電話用電子メールアドレスは、予めメール配信サーバに登録されている電子メールアドレス(変換電子メールアドレス)に変換されて送信先に配信され、該電子メールに対して返信又は送信する場合は、前記変換電子メールアドレスを送信先(返信先)とすればよいので、電子メールのやりとりを行う相手方は変換電子メールアドレスを知っていればよい。
また、本発明によれば、変換電子メールアドレスは、そのドメイン名を既存の著名なインターネットサービスプロバイダや携帯電話会社の名称等とは全く関係のない文字列とすることが可能であり、迷惑メールの送信の際に自動生成が極めてされ難い電子メールアドレスであるので、変換電子メールアドレスを送信先とした迷惑メールが送信されてくることをほぼ完全に防止できる。
従って、予め電子メール通信を行う総ての相手に対して、変換電子メールアドレスを通知しておき該変換電子メールアドレスで電子メールのやりとりを行うように決めておけば、携帯電話用電子メールアドレスに対して迷惑メールが届くようになっても、携帯電話用電子メールアドレスを適宜変更し、前記メール配信サーバにその変更を再登録しておくことにより、引き続き前記変換電子メールアドレスを使用できるので、従来のような電子メールアドレスの変更の通知を行う必要はない。また、携帯電話用電子メールアドレスを変更した場合に必要な手続は、メール配信サーバへの再登録という一回の手続のみであって、従来のような電子メールアドレスの変更の通知は全く必要がないので、携帯電話用電子メールアドレスに対して迷惑メールが届くようになった場合には、その都度携帯電話用電子メールアドレスを変更すればよく、煩雑な作業をすることなく迷惑メールの受信を有効に防止できる。
また、インターネットサービスプロバイダや携帯電話会社を変更することにより、電子メールアドレスが変更せざるを得ない場合であっても、メール配信サーバに新たな電子メールアドレスを再登録しておくことにより、変換メールアドレスはそのまま使用することができるので、従来のような電子メールアドレスの変更の通知を行う必要はない。
また、本発明によれば、送信先の電子メールアドレスの末尾に付加する所定の文字列は、文字列の選択及び入力操作が可能な複数のキーを有する携帯端末の前記キーを最初に押すことにより選択可能な文字からなるので、入力作業が極めて容易なものとなる。
また、電子メール通信利用者が、例えば、パソコン用電子メールアドレスと携帯電話用電子メールアドレスのように複数の電子メールを所有している場合、これらの複数の電子メールアドレスのいずれもが1つの変換電子メールアドレスに変換されるようにメール配信サーバにおいて予め登録しておくことにより、変換電子メールアドレスに対して送信された電子メールは、前記登録がされている総ての登録電子メールアドレスに配信されるため、パソコン又は携帯電話のいずれかで電子メールの受信の確認すれば足り、複数の電子メールアドレスを一元的に管理することができる。
以上説明した電子メール配信システムでは、送信先の電子メールアドレスの末尾に「.p.mw」などの所定の5文字の文字列を付加する実施の形態について述べたが、以下、送信先の電子メールアドレスの末尾に所定の文字列としてドットを含む3文字又は4文字を付加する電子メール配信システムの実施例について説明する。なお、前記実施の形態において述べた事項と共通するものについては、その説明を省略する。
次に示す実施例では、送信先の電子メールアドレスの末尾に所定の3文字の文字列を付加して電子メールを送受信する場合について、図8を参照して説明する。図8は、本実施例による電子メールアドレスの変移図である。通常、電子メールアドレスのドメイン名の末尾に、国別を指定する国コードトップレベルドメインが割り当てられていることが多い。例えば、日本国内では、国コードトップレベルドメインとして「jp」が割り当てられている。このため、通常、日本国内での個人の電子メールアドレスは、一例として「sss@yyy.ne.jp」のようなものとなる。そこで、説明の便宜上、メール配信サーバのドメイン名は「jp.mw」及び「bb.mw」とし、送信先の電子メールアドレスは「sss@yyy.ne.jp」、末尾に付加する文字列は「.mw」の3文字とし、「sss@yyy.ne.jp.mw」として送信するものとする。ただし、本実施例はこれに限られるものではなく、例えば、送信先の電子メールアドレスのトップレベルドメインが「.kr」であるような場合には、メール配信サーバのドメイン名は「kr」を最初に含む「kr.mw」とすればよく、トップレベルドメインを最初に含むドメイン名を適宜採択可能である。
事前にドメイン名「jp.mw」及び「bb.mw」をドメイン名の登録機関に登録しておき、ドメイン名「jp.mw」及び「bb.mw」のメール配信サーバ3を準備する。送信先の携帯電話6Bの電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」に「.mw」の3文字を追加して送信される携帯電話6Aからの電子メールは、基地局5a、移動通信網5、インターネット2を介してドメイン名「jp.mw」を管理するメール配信サーバ3で受信される。メール配信サーバ3に登録済みの携帯電話6Aからの電子メールのメールヘッダは、図8に示すメールヘッダ5のように、「To:sss@yyy.ne.jp.mw、From:zzz@yyy.ne.jp」となっている。メール配信サーバ3は、受信した電子メールのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」がデータベースの登録電子メールアドレスとして登録されているか否かを照合し、照合の結果、登録されているときは、登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」に対応する変換電子メールアドレスを検出し、メールヘッダのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」を前記変換電子メールアドレスに変換する。図2(b)に示す例では、変換電子メールアドレスが「aa@bb.mw」となる。次に、メール配信サーバ3は、To(送信先)の電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp.mw」から所定の文字列としての「.mw」を削除して本来の送信先の電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」に変換し、該電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」に対して、電子メールをインターネット2に配信する。携帯電話6Bで受信される電子メールのメールヘッダは、図8に示すメールヘッダ6「To:sss@yyy.ne.jp、From(Reply−To):aa@bb.mw」のようになっている。
また、携帯電話6Bが受け取った携帯電話6Aからの電子メールに返信する場合には、電子メールアドレスの変移は、図8の破線で示すメールヘッダ7,8のようになる。なお、図8に示すメールヘッダ7,8の変移の仕方は、図7に示すメールヘッダ3,4の変移と同一であるため、説明を省略する。
以上説明した送信先の電子メールアドレスの末尾に付加する3文字「.mw」は、メール配信サーバ3のドメイン名でない文字であり、また、メール配信サーバ3のドメイン名の一部の文字を含んだものであり、メール配信サーバ3のドメイン名としての「jp.mw」を付加する必要がないため、送信先の電子メールアドレスの入力操作が簡単となる。
次に、送信先の電子メールアドレスの末尾に所定の文字列としてドットを含む4文字を付加する電子メール配信システムの実施例について、図9を参照して説明する。図9は、本実施例による電子メールアドレスの変移図である。組織、団体等の電子メールアドレスのドメイン名の末尾が「.com」となっていることが多い。「qqq@mmm.com」のような電子メールアドレスが一例である。そこで、説明の便宜上、メール配信サーバのドメイン名は「coma.mw」及び「bb.mw」とし、送信先の電子メールアドレスは「qqq@mmm.com」、末尾に付加する文字列は「a.mw」の4文字とし、「qqq@mmm.coma.mw」として送信するものとする。ただし、本実施例はこれに限られるものではなく、送信先の電子メールアドレスのトップレベルドメインを最初に含むドメイン名を適宜採択可能である。
事前にドメイン名「coma.mw」及び「bb.mw」をドメイン名の登録機関に登録しておき、ドメイン名「coma.mw」及び「bb.mw」のメール配信サーバ3を準備する。送信先の携帯端末6Dの電子メールアドレス「qqq@mmm.com」に「a.mw」の4文字を追加して送信される携帯電話6Aからの電子メールは、基地局5a、移動通信網5、インターネット2を介してドメイン名「coma.mw」を管理するメール配信サーバ3で受信される。メール配信サーバ3に登録済みの携帯電話6Aからの電子メールのメールヘッダは、図9に示すメールヘッダ9のように、「To:qqq@mmm.coma.mw、From:zzz@yyy.ne.jp」となっている。メール配信サーバ3は、受信した電子メールのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」がデータベースの登録電子メールアドレスとして登録されているか否かを照合し、照合の結果、登録されているときは、登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」に対応する変換電子メールアドレスを検出し、メールヘッダのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」を前記変換電子メールアドレスに変換する。図2(b)に示す例では、変換電子メールアドレスが「aa@bb.mw」となる。次に、メール配信サーバ3は、To(送信先)の電子メールアドレス「qqq@mmm.coma.mw」から所定の文字列としての「a.mw」を削除して本来の送信先の電子メールアドレス「qqq@mmm.com」に変換し、該電子メールアドレス「qqq@mmm.com」に対して、電子メールをインターネット2に配信する。携帯端末6Dで受信されるメールヘッダは、図9に示すメールヘッダ10「To :qqq@mmm.com、From(Reply−To):aa@bb.mw」のようになっている。
また、携帯端末6Dが受け取った携帯電話6Aからの電子メールに返信する場合には、電子メールアドレスの変移は、図9の破線で示すメールヘッダ11,12のようになる。なお、図9に示すメールヘッダ11,12の変移の仕方は、図7に示すメールヘッダ3,4の変移と同一であるため、説明を省略する。また、本実施例では携帯端末6Dとしているが、携帯電話でもパソコンでもよい。
次に、メール配信サーバ3に登録済みの携帯電話6A,6B間の電子メールの送受信について、図10を参照して説明する。図10は、本実施例による電子メールの変移図である。説明の便宜上、携帯電話6Aの電子メールアドレスを図2(b)に示す登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」とし、これに対応してメール配信サーバ3に登録されている変換電子メールアドレスを「aa@bb.mw」とする。また、携帯電話6Bの電子メールアドレスを図2(b)に示す登録電子メールアドレス「xxx@yyy.ne.jp」とし、これに対応してメール配信サーバ3に登録されている変換電子メールアドレスを「cc@bb.mw」とする。
携帯電話6Aから携帯電話6Bに電子メールを送信する際には、携帯電話6Bの変換電子メールアドレス「cc@bb.mw」に対して電子メールを送信すればよく、このときの携帯電話6Aからの電子メールのメールヘッダは、図10に示すメールヘッダ13「To:cc@bb.mw、From:zzz@yyy.ne.jp」となっている。携帯電話6Aからの電子メールは基地局5a、移動体電話網5、インターネット2を介して、ドメイン名「bb.mw」を管理するメール配信サーバ3で受信される。メール配信サーバ3は、受信した電子メールのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」がデータベースの登録電子メールアドレスとして登録されているか否かを照合する。照合処理によりFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」が登録電子メールアドレスとして登録されているときは、登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」に対応する携帯電話6Aの変換電子メールアドレスを検出し、メールヘッダのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」を携帯電話6Aの前記変換電子メールアドレスに変換する。図2(b)に示す例では、携帯電話6Aの前記変換電子メールアドレスは「aa@bb.mw」となる。また、To(送信先)の電子メールアドレス「cc@bb.mw」が、データベースの変換電子メールアドレスとして登録されているか否かを照合する。照合処理により、To(送信先)の電子メールアドレス「cc@bb.mw」が携帯電話6Bの変換電子メールアドレスとして登録されているときは、該変換電子メールアドレス「cc@bb.mw」に対応する携帯電話6Bの登録電子メールアドレスを検出し、メール配信サーバ3は、携帯電話6Bの登録電子メールアドレス「xxx@yyy.ne.jp」に対して、電子メールをインターネット2に配信する。このように携帯電話6Bで受信される電子メールのメールヘッダは、「To:cc@bb.mw、From:aa@bb.mw、Delivered−To:xxx@yyy.ne.jp」となっている。
次に、携帯電話6Bから携帯電話6Aに電子メールを返信・送信する場合には、携帯電話6Aの変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」に対して電子メールを送信(返信)すればよく、このときの携帯電話6Bからの電子メールのメールヘッダは、図10に示すメールヘッダ15の「To:aa@bb.mw、From:xxx@yyy.ne.jp」となっている。携帯電話6Bからの電子メールは移動体電話網5、インターネット2を通じて、ドメイン名「bb.mw」を管理するメール配信サーバ3で受信される。メール配信サーバ3は、受信した電子メールのFrom(送信元)の電子メールアドレス「xxx@yyy.ne.jp」がデータベースの登録電子メールアドレスとして登録されているか否かを照合する。照合処理によりFrom(送信元)の電子メールアドレス「xxx@yyy.ne.jp」が登録電子メールアドレスとして登録されているときは、登録電子メールアドレス「xxx@yyy.ne.jp」に対応する携帯電話6Bの変換電子メールアドレスを検出し、メールヘッダのFrom(送信元)の電子メールアドレス「xxx@yyy.ne.jp」を携帯電話6Bの前記変換電子メールアドレスに変換する。図2(b)に示す例では、携帯電話6Bの前記変換電子メールアドレスは「cc@bb.mw」となる。また、To(送信先)の電子メールアドレス「aa@bb.mw」が、データベースの変換電子メールアドレスとして登録されているか否かを照合する。照合処理により、To(送信先)の電子メールアドレス「aa@bb.mw」が携帯電話6Aの変換電子メールアドレスとして登録されているときは、該変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」に対応する携帯電話6Aの登録電子メールアドレスを検出し、登録電子メールアドレス宛に送信する。図2(b)に示す例では、登録電子メールアドレスは「zzz@yyy.ne.jp」となる。そして、メール配信サーバ3は、携帯電話6Aの登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」に対して、電子メールをインターネット2に配信する。このように携帯電話6Aで受信される電子メールのメールヘッダは、図10に示すメールヘッダ16「From:aa@bb.mw、To:cc@bb.mw、Delivered−To:zzz@yyy.ne.jp」となっている。
以上述べたように、登録手続済みの携帯電話間の電子メールの送受信では、電子メールアドレスに所定の文字列を付加することなしに電子メールの送受信を行うことができ、また、メール配信サーバ3の変換電子メールアドレスのみで電子メールの送受信を行うことができる。
次に、メール配信サーバ3に登録手続を行っていない携帯電話6Cから登録済み携帯電話6Aへの電子メールの送信および登録手続済み携帯電話6Aから登録手続を行っていない携帯電話6Cへの電子メール返信・送信の実施例について、図11を参照して説明する。図11は、本実施例による電子メールアドレスの変移図である。
説明の便宜上、登録手続済み携帯電話6Aの電子メールアドレスを「zzz@yyy.ne.jp」、 これに対応してメール配信サーバ3に登録されている変換電子メールアドレスを「aa@bb.mw」、登録手続を行っていない携帯電話6Cの電子メールアドレスを「xxx@xxx.jp」、メール配信サーバ3のインターネット上のドメイン名は「6.kz」及び「bb.mw」であって予め所定のドメイン名登録機関で登録されているものとする。なお、登録手続を行っていない携帯電話6Cには、携帯電話6Aの変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」のみを通知しているものとする。
図11に示すように、携帯電話6Cから携帯電話6Aに電子メールを送信する場合には、携帯電話6Aの変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」に対して電子メールを送信すればよく、このときの携帯電話6Cからの電子メールのメールヘッダは、図11に示すメールヘッダ17「To:aa@bb.mw、From:xxx@xxx.jp」となっている。携帯電話6Cからの電子メールは移動通信網5、インターネット2を介して、ドメイン名「bb.mw」を管理するメール配信サーバ3で受信される。メール配信サーバ3は、図11に示す実線で囲んだ変換処理9を行う。メール配信サーバ3は、受信したTo(送信先)の電子メールアドレス「aa@bb.mw」が、データベースの変換電子メールアドレスとして登録されているか否かを照合する。照合処理により、To(送信先)の電子メールアドレス「aa@bb.mw」が携帯電話6Aの変換電子メールアドレスとして登録されているときは、該変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」に対応する携帯電話6Aの登録電子メールアドレスを検出し、To(送信先)の変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」を登録電子メールアドレスに変換する。図2(b)に示す例では、登録電子メールアドレスは「xxx@yyy.ne.jp」となる。また、メール配信サーバ3はFrom(送信先)の電子メールアドレス「xxx@xxx.jp」中の「@(アットマーク)」を「♯」に変換し、末尾に「@6.kz」を付加して、「xxx♯xxx.jp@6.kz」という電子メールアドレスに変換する。なお、本実施例では「@(アットマーク)」を「#」に置き換えているが、これに限定されるものではなく、「+」、「%」等のように、アルファベット、数字、ハイフン、ドット、アンダーバー、アットマーク以外の文字、記号を適宜採択することが可能である。また、本実施例では、末尾に「6.kz」の4文字を付加しているが、メール配信サーバ3のインターネット上でのドメイン名として登録されているものであればよく、文字数や文字列は適宜採択可能である。
そして、メール配信サーバ3は、以上の変換処理を行った後、携帯電話6Aの登録電子メールアドレス「xxx@yyy.ne.jp」に対して、電子メールをインターネット2に配信する。このように携帯電話6Aで受信される電子メールのメールヘッダは、図11のメールヘッダ18「To:aa@bb.mw、From:xxx♯xxx.jp@6.kz、Delivered−To:zzz@yyy.ne.jp」となっている。
次に携帯電話6Aが受け取った携帯電話6Cからの前記電子メールに対して、携帯電話6Aから返信・送信する場合には、携帯電話6Cからの前記電子メールのFrom(送信元)の電子メールアドレス「xxx♯xxx.jp@6.kz」に対して電子メールを返信・送信すればよく、このときの携帯電話6Aからの電子メールのメールヘッダは、図11に示す破線で囲んだメールヘッダ19「To:xxx♯xxx.jp@6.kz、From:zzz@yyy.ne.jp」のようになっている。携帯電話6Aからの電子メールは移動体電話網5、インターネット2を通じて、ドメイン名「6.kz」を管理するメール配信サーバ3で受信される。メール配信サーバ3は、受信した電子メールのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」がデータベースの登録電子メールアドレスとして登録されているか否かを照合する。照合処理によりFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」が登録電子メールアドレスとして登録されているときは、登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」に対応する携帯電話6Aの変換電子メールアドレスを検出し、メールヘッダのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」を携帯電話6Aの前記変換電子メールアドレスに変換する。図2(b)に示す例では、携帯電話6Aの前記変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」となる。また、メール配信サーバ3は、メールヘッダ19のTo(送信先)の電子メールアドレス「xxx♯xxx.jp@6.kz」中の「♯」を「@(アットマーク)」に変換し、末尾の文字列「@6.kz」を削除して、「xxx@xxx.jp」という電子メールアドレスに変換する。
そして、メール配信サーバ3は、以上の変換処理を行った後、「xxx@xxx.jp」という電子メールアドレス、すなわち、携帯電話6Cの電子メールアドレスに対して電子メールを配信する。このように携帯電話6Cで受信される電子メールのメールヘッダは、図11に示す破線で囲んだメールヘッダ20「To:xxx@xxx.jp、From:aa@bb.mw」となっている。
以上述べたように本発明による電子メール配信システムによれば、電子メールを送信する際に、送信先の電子メールアドレスの末尾に所定の文字列を付加するという極めて簡単な操作によって、所定のメール配信サーバを介した電子メールの送信を実現することができる。特に、本発明によれば、前記付加する所定の文字列が3文字と極めて短いので、電子メールの送信作業をより簡単なものとすることができる。
また、本発明によれば、変換電子メールアドレスを極めて短いものとすることが可能であるので、比較的覚えやすい文字列とすることも可能であり、また、送信時に該変換電子メールアドレスを入力する場合においても入力文字数が少なく便利である。
また、本発明の他の実施例として、いわゆる絵文字を使用した電子メールの送受信や、ダウンロードされた画像やカメラ機能付き携帯電話によって撮影された画像(動画及び静止画を含む。)を添付した電子メールの配信システムについて説明する。
近年、絵文字を使用した電子メール、画像(動画及び静止画を含む。)を添付した電子メールの送受信が行えるようになっているが、前記絵文字は、携帯電話会社(キャリア)毎に異なる文字コードが採用されているため、絵文字を使った電子メールのやり取りが可能なのは、送信元及び送信先の携帯電話会社の絵文字の文字コードが共通する場合のみであり、送信元と送信先の携帯電話会社が異なると、文字化け等して判読することができない。また、同様に、画像についても携帯電話会社毎に異なるフォーマットを採用しているので、送信元と送信先の携帯電話会社が異なる場合、送信先の携帯電話では添付された画像を表示することができなかったり、また、異なるフォーマットによる画像を添付した電子メールが送信先の携帯電話会社のメールサーバで受信された段階で前記添付画像を削除した上で、送信先に電子メールを送信するようになっている場合もある。
このため、送信元と送信先の携帯電話会社が異なる場合であっても、絵文字を使用した電子メールを送信先の携帯電話で判読できるように、送信先の携帯電話会社が採用する文字コードに変換することや、添付された画像を送信先の携帯電話で表示できるように、送信先の携帯電話会社が採用する画像のフォーマットに変換することが行われている。
前記の絵文字の文字コードの変換や画像のフォーマットの変換は、送信先の電子メールアドレスのドメイン名を変更して電子メールを送信することにより、所定のメールサーバで前記電子メールを受信し、前記メールサーバにおいて、前記電子メールで使用されている絵文字を変換、又は、添付されている画像の変換及び該変換後の画像が保存されているメールサーバのURLを電子メールの本文に追加表示した上で、本来の送信先電子メールアドレスに変換し、送信することによって行われている。
以下にまず、現在用いられている、絵文字を使用した電子メール、画像を添付した電子メールの送受信に於ける文字コード変換、画像フォーマットの変換処理について説明する。
説明の便宜上、送信元の電子メールアドレスを「zzz@yyy.ne.jp」、第1送信先の電子メールアドレスを「sss@yyy.ne.jp」、第2送信先の電子メールアドレスを「ttt@vvv.ne.jp」、送信元の携帯電話会社をA、第1送信先の携帯電話会社をB、第2送信先の携帯電話会社をCとし、携帯電話会社は夫々異なるものとする。
予め、絵文字の変換にあっては、携帯電話会社Aが採用している絵文字(例えば、太陽の絵文字)と携帯電話会社B,Cが採用している絵文字のうち近似するもの(例えば、太陽の絵文字)同士を選定し、互いに変換可能にルール化しておく。また、画像の変換にあっては、各携帯電話会社が採用しているフォーマットに互いに変換可能にルール化しておく。さらに、送信先の電子メールアドレスのドメイン名の変更をルール化しておく。すなわち、例えば、携帯電話会社Bのユーザーの電子メールアドレス(前記第1送信先の電子メールアドレスを含む)のドメイン名「yyy.ne.jp」は「y.netw.jp」と変更して送信すること、同様に、携帯電話会社Cのユーザーの電子メールアドレス(前記第2送信先の電子メールアドレスを含む)のドメイン名「vvv.ne.jp」は「vvv.netw.jp」と変更して送信することとしておく。また、必要なドメイン名「y.netw.jp」及び「vvv.ne.jp」を所定の登録機関において登録をしておき、前記ドメイン名をインターネット上のドメイン名とするメールサーバを準備しておく。
これにより、送信元の携帯電話から第1送信先の電子メールアドレスに対して、送信元の携帯電話により入力した絵文字を使用した電子メールを送信する場合、又は、送信元の携帯電話により画像を添付した電子メールを送信する場合、第1送信先の電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」のドメイン名「yyy.ne.jp」を「y.netw.jp」と変更して送信する。前記メールサーバは、変更された第1送信先の電子メールアドレス「sss@y.netw.jp」宛の電子メールを受信して、前記ルールに従って、該電子メールにおいて使用されている絵文字を携帯電話会社Bの文字コードによる絵文字に変換し、また、前記電子メールに添付されている画像を携帯電話会社Bのフォーマットに変換しメールサーバ上に保存するとともに該保存場所のURLを前記メールの本文に追加表記する。さらに、前記メールサーバは、変更された第1送信先の電子メールアドレス「sss@y.netw.jp」を本来の第1送信先の電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」に変換してインターネット上に送信することにより、携帯電話会社Bのメールサーバを介して第1送信先の携帯電話に電子メールが送信される。第1送信先の携帯電話では、送信元の携帯電話会社Aの文字コードによる絵文字は携帯電話会社Bの文字コードによる絵文字として判読することができ、また、前記URLにアクセスすることによって送信元の携帯電話において添付された画像を見ることが可能となる。
なお、送信元の携帯電話から第1送信先の電子メールアドレスに対して、絵文字を使用した電子メールや画像を添付した電子メールを送信する場合は、第2送信先の電子メールアドレス「ttt@vvv.ne.jp」のドメイン名「vvv.ne.jp」を「vvv.netw.jp」と変更して送信しなければならない。
このような従来の電子メール配信システムによると、絵文字を使用した電子メールや画像を添付した電子メールを送信する場合、その都度、送信先の携帯電話会社を送信先の電子メールアドレスのドメイン名から推察し、前記ドメイン名を、携帯電話会社毎に設定された所定のルールに従って変更して送信しなければならないので、送信先の携帯電話会社ごとに異なる煩雑な作業が必要となってしまう。
従来の電子メール配信システムでの煩雑な作業を改善すべく、本発明の電子メール配信システムによれば、送信先の携帯電話会社に関係なく、送信先の電子メールアドレスの末尾に所定の文字列を付加して送信するだけで、前記と同様の絵文字の変換や画像の変換を行うことが可能となる。以下、図8及び図12を参照し、送信先の電子メールアドレスの末尾に3文字の文字列を付加して送信する場合について説明する。図12は、メール配信サーバの電子メールの処理順序および送信処理を示すフローチャートである。なお、図8において、既に説明した構成、処理及び電子メールアドレスの変移等、同様の部分については、その説明を省略する。
メール配信サーバ3においては、文字コード変換手段として、従来行われているものと同様に、携帯電話会社Aが採用している絵文字と携帯電話会社B,Cが採用している絵文字のうち近似するもの同士を選定し、互いに変換可能に設定されている。また、画像の変換についても、フォーマット変換手段として、各携帯電話会社が採用しているフォーマットに互いに変換可能に設定されている。
携帯電話6Aから携帯電話6Bに対して、絵文字を使用した電子メールや画像を添付した電子メールを送信する場合は、送信先の携帯電話6Bの電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」に「.mw」の3文字を追加するして送信する(図12に示すステップ27)。このようにして送信された電子メールは、ドメイン名「jp.mw」を管理するメール配信サーバ3で受信される(ステップ28)。メール配信サーバ3は、受信した電子メールのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」がデータベースの登録電子メールアドレスとして登録されているか否かを照合する(ステップ29)。照合処理によりFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」が登録電子メールアドレスとして登録されているときは(ステップS30)、登録電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」に対応する変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」を検出し、メールヘッダのFrom(送信元)の電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」を前記変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」に変換する(ステップS31)。なお、照合処理により、所定の登録電子メールアドレスに対応する変換電子メールアドレスが存在しないとき、又は、登録電子メールアドレスが存在しないときには、エラーメールを返信するようにする(ステップS40)。次に、メール配信サーバ3は、送信先(To)の電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp.mw」から所定の文字列としての「.mw」を削除して本来の送信先の電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」に変換する(ステップS32)。
メール配信サーバ3で受信した前記電子メールの本文において、絵文字が使用されている場合には(ステップ33)、前記文字コード変換手段により、該電子メールにおいて使用されている絵文字を送信先の携帯電話会社Bの文字コードによる絵文字に変換する(ステップ34)。また、前記電子メールに画像が添付されている場合は(ステップ35)、前記フォーマット変換手段により、添付されている画像を携帯電話会社Bのフォーマットに変換して、またはそのままのフォーマットで、メール配信サーバ3上に保存し(ステップ36)、該保存場所のURLを前記電子メールの本文に表示する(ステップ37)。その後、本来の送信先の電子メールアドレス「sss@yyy.ne.jp」に対して、電子メールをインターネット2に配信し(ステップS38)、移動通信網5を介して携帯電話6Bで受信される(ステップS39)。このように配信された電子メールは、携帯電話6Bにおいて、携帯電話会社Bの文字コードによる絵文字として判読でき、また、前記URLにアクセスすることによって、添付された画像を表示させてみることが可能となる。また、前記のようにして送信された電子メールに対して返信する場合に、絵文字を使用したり画像を添付して、所定の絵文字の変換や画像のフォーマットの変換を行うことも可能である。
また、図12に示すステップS33で、メール配信サーバ3が受信した前記電子メールの本文に絵文字が使用されているかを判断し、絵文字が使用されていれば、ステップ34で、文字コード変換手段により絵文字を送信先の携帯電話会社Bの文字コードによる絵文字に変換する実施例を示したが、ステップ33及びステップ34は次のような変換手段としてもよい。すなわち、図12に示すステップ33で、前記メール配信サーバ3が受信した前記電子メールの本文に絵文字が使用されているかを自動判別し、絵文字を含む場合には、ステップ34で、前記電子メールの本文全体を送信先の携帯電話会社Bの携帯電話6Bで閲覧可能なフォーマットによるファイルに変換し、該変換後のファイルをメール配信サーバ3に保存するとともに、前記変換後のフォーマットによるファイルの保存場所を表すURLを前記電子メールの本文に表示して配信する。なお、メール配信サーバ3は、前記変換後に携帯電話6Bの電子メールアドレスに配信する場合において、ステップ28で受信した電子メールの本文を受信した状態で配信してもよいし、前記電子メールの本文を削除して配信してもよい。以上のような変換手段を有する場合には、送信元と送信先の携帯電話会社が異なるために絵文字の文字コードが相互に異なる場合であっても、送信元の携帯電話会社(A)が採用する文字コードによる絵文字を含んだ電子メールの本文全体を、送信先の携帯電話会社(B)の携帯電話(6B)において表示可能なフォーマットによるファイルに変換するため、前記URLにアクセスすることによって、送信先の携帯電話においても、送信元の携帯電話会社が採用する絵文字のままで電子メールを表示させてみることが可能となる。
このように、本発明による電子メール配信システムによれば、絵文字を使用した電子メールや画像を添付した電子メールを、携帯電話会社の異なるいずれの電子メールアドレスに対して送信する場合であっても、「.mw」という3文字の文字列を送信先電子メールアドレスの末尾に付加するだけでよいので、携帯電話会社毎に定められた所定のドメイン名に変更するという煩雑な作業が不要となる。なお、本実施例では、所定の文字列として3文字を付加する場合について説明したが、図9に示すように4文字の文字列、図7に示すように5文字の文字列であってもよく、それ以上の文字数の文字列であってもよい。また、図11に示すように、メール配信サーバ3に登録手続を行っていない携帯電話6Cから登録済み携帯電話6Aへの電子メールの送信および登録手続済み携帯電話6Aから登録手続を行っていない携帯電話6Cへの電子メール返信・送信も可能である。
本実施例では、画像ファイルを添付した場合について述べたが、本発明ではこれらに限られるものではなく、他のフォーマットの添付ファイルでも同様の処理を行うことにより、対応が可能である。
上述した電子メールアドレス「zzz@yyy.ne.jp」等、変換電子メールアドレス「aa@bb.mw」等、メールの配信サーバのドメイン「jp.mw」等及びこれらに基づく付加文字列「.mw」等は、あくまでも説明の便宜上の一例に過ぎず、本発明ではこれらに限られるものではなく、適宜採用可能である。
また、以上に説明した本発明に係る電子メール配信システムで電子メールを送信する場合としては、宛先として「To」の場合を例に説明したが、これに限られるものではなく、宛先として「CC(Carbon Copy)」や「BCC(Blind Carbon Copy)」で電子メールを送信する場合も含まれるものである。
以上述べた電子メール配信システムの実施の形態および実施例は、主として送信先、送信元が共に携帯電話の場合について説明したが、本発明による電子メール配信システムは、携帯電話同士に限らず、携帯電話とパソコン、パソコン同士でもよく、また、いわゆるPDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)でもよい。
本発明による電子メール配信システムの構成の概略を示す図である。
(a)はメール配信サーバの構成を示す図、(b)はメール配信サーバのデータベースの構成を示す図である。
携帯電話の外観およびキー配列を示す図である。
メール配信サーバへの電子メールアドレスの登録の手順を示すフローチャートである。
メール配信サーバの電子メールの処理順序および送信処理を示すフローチャートである。
電子メールを返信する際の処理手順を示す図である。
メール配信サーバによる電子メールアドレスの変移を示す図である。
電子メールアドレスの末尾に新たに3文字を付加した電子メールの送受信における電子メールアドレスの変移図を示す。
電子メールアドレスの末尾に新たに4文字を付加した電子メールの送受信における電子メールアドレスの変移図を示す。
登録済み携帯電話の電子メールの送受信における電子メールアドレスの変移図を示す。
未登録携帯電話から登録済み携帯電話の電子メールの送信および登録済み携帯電話から未登録携帯電話への電子メール返信の電子メールアドレスの変移図を示す。
メール配信サーバの電子メールの処理順序および送信処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 電子メール配信システム
2 インターネット
3 メール配信サーバ
3a CPU
3b ソフトウェアを記憶した記憶装置
3c メモリ
3d データベースを記憶した記憶装置
3f 通信制御部
4 メールサーバ
5 移動通信網
5a 基地局
6、6A、6B、6C 携帯電話
6D 携帯端末
6a 表示部
6b キー部
7 LAN
8 インターネットサービスプロバイダー
10 パソコン