JP2004015180A - 電子メールの選別転送方法、アドレス変換サーバー - Google Patents
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Abstract
【課題】迷惑メールの送達確率を激減させる電子メールの選別転送方法を提供する。
【解決手段】アドレス変換サーバーが会員の携帯電話機メールアドレスと会員の受信許可ドメイン名とを対応付けして登録するプロセスと、会員が加入している携帯電話キャリアのメールサーバーに対して会員の受信許可ドメイン名を設定させるプロセスと、アドレス変換サーバーが特定のメールサーバー経由で送達された電子メールについて、その宛先メールアドレスのドメイン名を当該ドメイン名にあらかじめ対応付けされている特定のキャリアのドメイン名に変換するとともに、この変換後のメールアドレスが会員の携帯電話機メールアドレスとして登録されている場合に、ドメイン名に会員の受信許可ドメイン名を記載したメールアドレスを送信元としてメール網に送出するプロセスとを含む電子メールの選別転送方法としている。
【選択図】 図5
【解決手段】アドレス変換サーバーが会員の携帯電話機メールアドレスと会員の受信許可ドメイン名とを対応付けして登録するプロセスと、会員が加入している携帯電話キャリアのメールサーバーに対して会員の受信許可ドメイン名を設定させるプロセスと、アドレス変換サーバーが特定のメールサーバー経由で送達された電子メールについて、その宛先メールアドレスのドメイン名を当該ドメイン名にあらかじめ対応付けされている特定のキャリアのドメイン名に変換するとともに、この変換後のメールアドレスが会員の携帯電話機メールアドレスとして登録されている場合に、ドメイン名に会員の受信許可ドメイン名を記載したメールアドレスを送信元としてメール網に送出するプロセスとを含む電子メールの選別転送方法としている。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子メールの選別転送方法に関し、具体的には、携帯電話機に宛てた迷惑メールの送達確率を激減させる電子メールの選別転送方法に関する。またこの方法を適用したアドレス変換サーバーにも関する。
【0002】
【発明の背景】
現在、携帯電話機の多くはインターネットを介して電子メールを送受信できる機能を標準で備え、携帯電話機が広く普及するのにともなって、携帯電話機を端末とした電子メールの流通量も膨大なものとなった。それにより、一方的に広告を送りつけたり、誘惑的なキャッチコピーで有料コンテンツへと誘導したりする迷惑メールは、携帯電話機のユーザを主なターゲットとするようになった。
【0003】
周知の通り、メールアドレスは、例えばabc@keitai.ne.jpように記載される。abcはユーザIDやアカウント名などと呼ばれ、@より後のkeitai.ne.jpはドメイン名と呼ばれる。そして、迷惑メールの配信者(迷惑メール配信業者)は、専用のプロブラムを実装したコンピュータにより、英数字を適当に組み合わせた文字列xxxxを大量生成するとともに、生成された各文字列xxxxをメールアドレスのユーザIDとして、各ユーザIDxxxxに「@」と公知の移動体通信事業者(キャリア)のドメイン名keitai.ne.jpとを記載してメールアドレスxxxx@keitai.ne.jpを得る。そして、そのメールアドレスxxxx@keitai.ne.jpに宛てて迷惑メールを大量発送している。当然、存在しないユーザIDもあり、送達されない電子メールも多い。しかし、ユーザID部分はある程度文字数も決まっており、携帯電話機のユーザ数も多いこともあって、迷惑メールが送達される確率はそのメールを配信するコストに見合うものとなっている。
【0004】
もちろん、キャリア側のメールサーバーは、ユーザの指示により携帯電話機のメールアドレス(携帯アドレス)のユーザIDの部分の変更を受け付けるが、上述したように、ユーザIDは迷惑メール配信業者側で大量生成されているので、変更後のユーザIDもいつかは生成されてしまう。頻繁にユーザIDを変更していれば迷惑メールは滅多に送達されない。しかしユーザは、ユーザIDを変更する毎に、知人や購読希望しているメールマガジンの配信業者などにその変更したユーザIDを通知しなければならず、極めて不便である。
【0005】
そこでキャリアは、迷惑メール対策として、ユーザが指定した特定のドメイン名を含んだメールアドレスからの電子メールに限って受信可能にするサービスを提供するようになった。これは、キャリア側のメールサーバーで各携帯アドレス毎に受信を許可するドメイン名(受信許可ドメイン名)を対応付けして記憶しておき、ある携帯アドレス宛の電子メールがメールサーバーに送達されたとき、その電子メールの送信元のメールアドレス(送信元アドレス)のドメイン名と受信許可ドメイン名とを比較し、双方が一致すればこの電子メールを該当の携帯電話機に送達可能にする。一致しなければその電子メールを削除する。
【0006】
しかし、キャリア側のメールサーバーで参照している送信元アドレスは、電子メールのメールヘッダに記載されている「from:」以降の文字列中にあるドメイン名である。周知のごとく、送信元アドレスの文字列は宛先となるメールアドレス(宛先アドレス)の文字列と同様にユーザが指定するデータであり、簡単に改竄することができる。そのため、迷惑メールは、受信許可ドメイン名を含む送信元アドレスからの電子メールに簡単に成りすますことができる。したがって、キャリア側のメールサーバーに受信許可ドメイン名を設定したとしても、迷惑メールが届かなくなる期間は一時的であり、送信元アドレスが変わっただけで実質的に同じ迷惑メール配信業者からの迷惑メールが再び届くようになる。
【0007】
【発明の開示】
本発明者らは、迷惑メール自体を完全に排除することは実施的に困難であるという前提の下、携帯電話機に迷惑メールを1通送達させるためのコストが莫大な額になれば、迷惑メール配信業者の経済的負担が大きくなり、最終的には迷惑メールの配信を諦めると考えた。
【0008】
本発明の基本思想は、多数の携帯アドレスのそれぞれにユニークな文字列やあらかじめ用意された多数種類の文字列から適宜に選出された文字列などを受信許可ドメイン名として対応付けしておくことで、受信許可ドメイン名の文字列を大量生成し、1つの迷惑メールを異なる送信元アドレスで大量発送しくてはならないような状況を作り出し、実質的に迷惑メールが送達される確率を迷惑メールの配信コストに見合わなくする点にある。もちろん、この状況を作り出した上で、送信元アドレスが受信許可ドメインに該当しない場合でも、携帯電話機同士の電子メールは迷惑メールと区別してユーザの携帯電話機に送達されるなど、通常の電子メールのやりとりに支障を来さない工夫も必要となる。
【0009】
本発明は、上記思想に基づき成されたもので、その目的は、迷惑メールの送達確率を激減させる電子メールの選別転送方法を提供することにある。
【0010】
上記目的を達成するための第1の発明は、アドレス変換サーバーが、会員の携帯電話機メールアドレスと、会員の受信許可ドメイン名とを対応付けして登録する会員登録プロセスと、会員が加入している携帯電話キャリアのメールサーバーに対して会員の受信許可ドメイン名を設定させる対キャリア設定プロセスと、アドレス変換サーバーが、特定のメールサーバー経由で送達された電子メールについて、その宛先メールアドレスのドメイン名を当該ドメイン名にあらかじめ対応付けされている特定のキャリアのドメイン名に変換したときに、当該変換後のメールアドレスが会員の携帯電話機メールアドレスとして登録されている場合、ドメイン名に会員の受信許可ドメイン名を記載したメールアドレスを送信元としてでメール網に送出するメール転送プロセスと、を含んだ電子メールの選別転送方法としている。
【0011】
あるいは、アドレス変換サーバーが会員の携帯電話機メールアドレスと、会員の受信許可ドメイン名と当該アドレス変換サーバーをドメイン名とする会員の移転メールアドレスとを対応付けして登録する会員登録プロセスと、会員が加入している携帯電話キャリアのメールサーバーに対して会員の受信許可ドメイン名を設定させる対キャリア設定プロセスと、アドレス変換サーバーが会員の移転メールアドレス宛に特定のメールサーバー経由で届いた電子メールについて、その宛先をその会員の携帯電話機メールアドレスに変換するとともに、ドメイン名に会員の受信許可ドメイン名を記載したメールアドレスを送信元としてメール網に送出するメール転送プロセスとを含んだ電子メールの選別転送方法としてもよい。
【0012】
また、前記会員登録プロセスは、登録した会員の各携帯電話機メールアドレスのそれぞれにユニークなドメイン名を対応付けすることとしたり、各会員の携帯電話機メールアドレス毎に特有のサブドメイン名に相当する文字列と、全ての会員の携帯電話機アドレスに共通の文字列とを含むドメイン名を対応付けしたりした電子メールの選別転送方法とすることもできる。
【0013】
前記アドレス変換サーバーに特定のメールサーバー経由で送達された電子メールの宛先メールアドレスのドメイン名と特定のキャリアのドメイン名、あるいは、携帯電話機メールアドレスと移転メールアドレスの双方のドメイン名部分が、所定のアルゴリズムに基づいて相互変換されることで対応付けされるようにしてもよい。
【0014】
なお、前記会員登録プロセスには、所定のURLに基づいてアクセスしてきた携帯電話機にアドレス変換サーバー宛の登録要求メールを送信させる機能を含む会員登録用Webページを送付するプロセスと、携帯電話機から送付されてきた登録要求メールの送信元メールアドレスを会員の携帯電話機アドレスとして登録するプロセスとが含まる電子メールの選別転送方法とすることもできる。
【0015】
前記対キャリア設定プロセスには、アドレス変換サーバーが前記会員登録プロセスにより登録した携帯電話機メールアドレスに所定のURLを本文に記載した受信設定通知メールを送付するプロセスと、アドレス変換サーバーが受信設定通知メールに記載したURLに基づいてアクセスしてきた携帯電話機に受信許可ドメイン名を隠し項目として含むとともにこの受信許可ドメイン名を当該電話機のキャリアのメールサーバーに設定する機能を含んだ受信設定Webページを送付するプロセスとが含まれるようにした電子メールの選別転送方法に変更することもできる。
【0016】
また、上記の電子メールの選別転送方法に適用される前記アドレス変換サーバーも本発明の範囲であって、所定の情報通信ネットワークを介して外部のコンピュータと通信するとともに、多数の携帯電話機メールアドレスをデータベースに蓄積・管理し、前記会員登録プロセスと、対キャリア設定プロセスと、前記メール転送プロセスとを実行する手段を備えている。
【0017】
【発明の実施の形態】
===ネットワーク構成と電子メールの流通経路===
図1は本発明の実施例における電子メールの選別転送方法が実施されるネットワーク構成図である。この図では、インターネット20と、2つのキャリアA,Bの移動体通信網10を含んで構成されたネットワークが示されている。本発明の主体となるアドレス変換サーバー1は、インターネット20上に設置されて、Webサーバーとメールサーバーの基本機能を備えている。そして、携帯電話機2A,2B宛の電子メールの流通経路に介在して迷惑メールの送達確率を激減させる「迷惑メール撃退サービス」を提供している。
【0018】
インターネット20に接続される迷惑メールの送信コンピュータ(迷惑メール配信サーバー)3は、ユーザIDを自動生成し、そのIDに携帯電話機2のキャリアのドメイン名を付加した携帯アドレスに宛てて大量の迷惑メールを発送している。また、送信元アドレスの改竄機能を有し、任意のドメイン名を含んだ送信元アドレスで迷惑メールを送信することができるようになっている。
【0019】
迷惑メール撃退サービスの享受者となる会員の携帯電話機(会員電話機)2aを含む多数の携帯電話機2は、基地局11を介して移動体通信網10に接続するとともに、この網10内に設置されているゲートウェイサーバー12を介してインターネット20にも接続する。
【0020】
===本実施例の概略===
本実施例では、このネットワーク構成において、アドレス変換サーバー1が多数の会員電話機2aのアドレス毎にユニークな受信可能ドメイン名を対応付けして記憶し、会員は自身の電話機2aが加入しているキャリアのメールサーバー4に該当の受信可能ドメイン名を設定しておく。したがって、会員電話機2a宛ての電子メールは、その送信元アドレスのドメイン名(送信元ドメイン名)が受信許可ドメイン名と一致していなければ、会員電話機2aに送達されない。
【0021】
その一方で、会員電話機2aと異なるキャリアの携帯電話機2から会員携帯電話2aに宛てた電子メールについては、アドレス変換サーバー1を経由して該当の会員電話機2aに送達されるようになっている。なお、同じキャリアの携帯電話機同士の電子メールについては、普通、当該キャリアのドメイン名が無条件に受信可能ドメイン名として設定されているので、あるキャリアの携帯電話機2から同じキャリアの会員の携帯電話機2aに宛てた電子メールは、アドレス変換サーバー1を経由させなくても通常の経路(携帯電話機2→同じ移動体通信網10内のメールサーバー4→同じ移動体通信網10内の会員の携帯電話機2a)で電子メールが会員携帯電話機2aに送達される。
【0022】
===会員登録===
携帯電話機2のユーザが本サービスを享受するためには、アドレス変換サーバー1に自身の携帯アドレスを登録する必要がある。本実施例では、ブラウザ機能を実装した携帯電話機2のユーザをサービス対象としている。まず、携帯電話機2のブラウザが所定のURLを指定してアドレス変換サーバー1にアクセスして会員登録用Webページを取り寄せる。ユーザには、この会員登録用WebページのURLを、印刷広告・放送・ダイレクトメールなど、適宜な告知手段によって知らせればよい。あるいは、他のWebページからリンクを辿ってこの会員登録用Webページが送達されるようにしておいてもよい。
【0023】
会員登録用Webページには周知のmailtoタグが記載されており、携帯電話機2に所定のメールアドレスに宛てた電子メールを送信させるための機能を含んでいる。図2(A)(B)に会員登録用Webページと、このWebページの機能によって起動されるメールソフトの画面概略図をそれぞれに示した。この例では、Webページ中の「メール起動」ボタンを指示すると、メールソフトが起動し、本文に所定の文面が記載された電子メールの送信画面が表示される。
【0024】
ここで「送信」ボタンを指示すると、アドレス変換サーバー1の所定のCGIにこの電子メールが送達される。このCGIは、送達された電子メールの送信元アドレスを取得するとともに、ユニークなサブドメイン名を生成して取得した携帯アドレスに対応付けして記憶する。したがって受信可能ドメイン名は、ユニークなサブドメイン名に続いて「.」と、ドメイン名部分における共通の文字列とを記載したものとなる。ここでは、abc@keitai.ne.jpという携帯アドレスに対してghiというサブドメイン名が生成され、共通の文字列部分がdef.comであるものとする。すなわち、受信可能ドメイン名は、ghi.def.comとなる。
【0025】
なお、会員登録のプロセス自体は、携帯電話機2のユーザがアドレス変換サーバー1を管理する事業者に携帯アドレスと会員登録する旨を郵送で通知するなど適宜な手続きを経て行われてもよい。
【0026】
===受信可能ドメイン名の設定===
アドレス変換サーバー1にて会員電話機2に対応付けされた受信可能ドメイン名はその会員電話機2aのキャリアのメールサーバー4に設定されて初めて、送信元アドレスのドメイン名に基づいた電子メール受信制御が行われる。キャリアのメールサーバーに受信許可ドメイン名を設定するプロセスとしては、会員電話機2aに受信可能ドメイン名を電子メールなどで通知し、会員自身がキャリアのメールサーバー4にその受信可能ドメイン名を設定する作業を行うようにしてもよいが、本実施例では、会員が面倒な設定操作をすることなく、キャリアのメールサーバー4に受信可能ドメイン名を設定することができる。
【0027】
具体的には、アドレス変換サーバー1にて受信可能ドメイン名ghi.def.comが対応付けされた携帯アドレスabc@keitai.ne.jpに宛てて、所定のURLが本文に記載されている電子メール(受信設定通知メール)を送付する。このURLには、アドレス変換サーバー1の所定のCGIに該当のサブドメイン名を引数として与える旨が記載されている。会員電話機2aにて受信設定通知メールの本文を表示させた状態で、URLの記載部分を指示すると、前記CGIにサブドメイン名ghiが渡される。
【0028】
当該CGIは、会員電話機2aから受け取ったサブドメイン名ghiを含んだフルネームのドメイン名ghi.def.comを会員電話機2aが加入するキャリアのメールサーバー4に設定させるための機能を含んだWebページ(受信設定Webページ)を返送する。受信設定Webページには、受信可能ドメイン名ghi.def.comが周知のhiddenタグによって隠し項目として記載されるとともに、当該ドメイン名をフォームデータとしてキャリアのメールサーバー4のにHTTP送信するためのボタンが配設されている。
【0029】
また、一般的にメールサーバー4は、パスワードによる認証手続きを経ないと、受信可能ドメイン名の設定登録などの各種設定変更を受け付けないようになっている。しかし、このパスワードはユーザが携帯電話機2を購入した後で意識的に変更しない限り所定の初期値に設定されたままであり、本実施例では、そのパスワードの初期値も隠し項目として受信設定Webページに記載しておき、受信可能ドメイン名とともにフォームデータとしてメールサーバー4に送付することとしている。
【0030】
なお、パスワードが変更されていたとしても、メールサーバー4からパスワードを再入力するためのフォームを含んだWebページが返送されるだけであり、ユーザはそのフォームに正規のパスワードを入力してそのフォームを送り返せば、受信可能ドメイン名がメールサーバー4に設定される。図3(A)〜(E)にアドレス変換サーバー1が会員電話機2a経由で受信可能ドメイン名を該当のメールサーバー4に設定させる手順を会員電話機2aにおける画面遷移図によって示した。会員電話機2aのパスワードが初期値のままである場合は、(A)→(B)→(E)の画面遷移を経て受信可能ドメイン名がメールサーバー4に設定される。パスワードを再入力する場合は(A)〜(E)の順に画面遷移する。また図4に、本実施例における会員登録から受信可能ドメイン名をメールサーバー4に設定するまでの実施手順図を示した。
【0031】
===迷惑メールの送達確率===
迷惑メール配信サーバー3が、会員の携帯アドレスabc@keitai.ne.jpに宛てて迷惑メールを送信したとする。このとき、送信元アドレスのドメイン名がghi.def.comに一致しない限り、このメールは会員電話機2aに送達されない。例え、受信可能ドメイン名における共通文字列部分def.comが迷惑メール配信業者に知られてしまったとしても、サブドメイン名ghiは携帯アドレスに固有に対応付けされているため、知ることができない。そのため、迷惑メールを会員電話機2aに送達させるためには、宛先アドレスのユーザID部分と同様に、送信元アドレスのサブドメイン名を大量生成しなければならない。
【0032】
サブドメイン名が一致する確率がユーザIDと同程度であれば、単純に計算しても従来の二乗の数の電子メールを送信しなければ特定の会員電話機2aに迷惑メールが送達されない。例えば、ユーザIDとサブドメイン名が、ともに6桁の数字で記載されるのであれば、ある携帯アドレスのユーザIDに一致する確率は100万分の1で、サブドメイン名に一致する確率も同じく100万分の1となる。したがって、ある会員電話機2aに迷惑メールが送達される確率は1兆分の1となり限りなくゼロに近い。言い換えれば、迷惑メールの配信コストが1通1円であれば、迷惑メールの配信に掛かる全コストが1兆円になることになる。迷惑メールの配信数はもとより、この莫大な額を掛けることも現実的にはあり得ない。ユーザIDやドメイン名の文字数を増やしたり、数字・記号・アルファベットを混在させたりすれば迷惑メールの送達確率はさらにゼロに近くなる。
【0033】
===会員電話機への電子メール転送===
会員電話機2aに迷惑メールが送達される確率を激減させる一方で、会員が受信希望する通常の電子メールは確実に会員電話機2aに送達されるようにしなければならない。しかし、一般ユーザが使用するPCや携帯電話機2では送信元アドレスを変更することができない。アドレス変換サーバー1は、会員に宛てた一般の電子メールについて、その送信元アドレスのドメイン名を受信可能ドメイン名に変更してから会員の携帯アドレスに宛てて転送するメール転送サービスも提供している。本実施例では、迷惑メールがインターネット20に直接接続されたコンピュータから送信されていることを考慮して、携帯電話機2,2aからの電子メールを会員電話機2aに転送するサービスを提供している。ここでは、キャリアBの携帯電話機2から送信された電子メールを、キャリアAの会員携帯電話機2aに送達させるための手順を示す。
【0034】
アドレス変換サーバー1のドメイン名(移転ドメイン名とする)は、キャリアA,Bのそれぞれに対応して2つあり、キャリアBの携帯電話機2(電話機Bとする)は、キャリアAの会員携帯電話機2a(会員電話機Aとする)に電子メールを送信する際、会員電話機Aの携帯メールアドレスのドメイン名部分を、キャリアAのドメイン名ではなく、アドレス変換サーバーにおけるキャリアAに対応するドメイン名(移転ドメイン名)に変更したメールアドレス(移転メールアドレス)に宛てる。それによって、この電子メールはアドレス変換サーバー1に送達される。各キャリアに対応するアドレス変換サーバーのドメイン名と該当のキャリアのドメイン名とは対応表によって双方を対応付けしておいてもよいし、移転ドメイン名部分を所定のアルゴリズムに基づて変換すると、キャリアのドメイン名となるようにしてもよい。
【0035】
本実施例では、ある携帯アドレス123@idoutai.ne.jpの電話機Bから、携帯アドレスがabc@keitai.ne.jpの会員電話機Aに電子メールを送達させようとするとき、電話機Bのユーザは携帯アドレスabc@keitai.ne.jpに宛てて電子メールを送信するのではなく、電話機Aのキャリアのドメイン名keitai.ne.jpに応じてあらかじめ決められているドメイン名(移転ドメイン名:例えばkeitai2.ne.jp)に変更した移転メールアドレスabc@keitai2.ne.jpに宛てて電子メールを送信することとしている。なお、携帯電話機Aのキャリアと移転ドメイン名との対応関係は、前もって適宜な方法(広告・放送・会員からの直接通知など)で、電話機Bのユーザに告知されることとしている。
【0036】
移転メールアドレスabc@keitai2.ne.jpを宛先として電話機Bから送信された電子メールはアドレス変換サーバー1に送達する。アドレス変換サーバー1は、送達された電子メールについて、まず、この電子メールがキャリアBの携帯電話機2から送信されたものであるかどうか、すなわち特定のメールサーバーを経由してきたかどうかを判定する。本実施例では、メールヘッダに記載されているReceived:の項に記載されている送信元のメールサーバー名を取得し、このサーバー名が携帯電話機2のキャリアのメールサーバー名に一致すれば、送達された電子メールを転送対象とする。もちろん、IPパケットのヘッダにも電子メールの経路に関する情報が記載されており、このIPパケットの経路情報に基づいて転送対象メールとそれ以外とを判別するようにしてもよい。なお、転送対象でない電子メールについてはその場で削除したり、そのまま放置したり、あるいは転送できない旨の電子メールを送信元アドレスに返送したりするなど適宜に棄却すればよい。
【0037】
つぎにアドレス変換サーバー1は、送達された電子メールの移転メールアドレスabc@keitai2.ne.jpのドメイン名部分keitai2を所定のアルゴリズムに基づいて変換する。この例では、転送対象メールの宛先アドレスのドメイン名と携帯アドレスのドメイン名とを対応付けしたテーブルを用意している。そして、keitai2.ne.jpにはkeitai.ne.jpが対応付けされている。そして、アドレス変換サーバー1は、電話機Bから送達された電子メールの宛先アドレスをabc@keitai.ne.jpに変更する。なお、変換アルゴリズムに基づいてドメイン名を変換する場合には、ドメイン名の頭文字を削除したり、ドメイン名に特定の文字を付加したりするなど、適宜な変換規則が採用できる。具体的には、電話機Bが送信する電子メールの宛先アドレスを、該当のキャリアAのドメイン名における先頭文字を削除してeitai.ne.jpとすることなどが考えられる。
【0038】
つぎにアドレス変換サーバー1は、変換後の宛先アドレスが会員の携帯アドレスに該当する場合、そのアドレスに対応付けされているサブドメイン名を取得し、電子メールの送信元アドレスのドメイン名をそのサブドメイン名を含む受信可能ドメイン名に変更する。この例では、送信元アドレスのユーザID部分は変更せず、ドメイン名だけを変更している。したがってアドレス変換サーバー1は、123@ghi.def.comを送信元アドレスとした電子メールをabc@keitai.ne.jpに宛ててインターネット20に送出する。もちろん、どの電子メールについても一律に同じ送信元アドレスで転送してもよい。なお、当初の送信元メールアドレスを転送した電子メールの本文に挿入するなど、会員が送信者を特定できるようにすることも可能である。
【0039】
また、変換後の宛先アドレスが会員の携帯アドレスに該当しない場合は、送信元アドレスを変更せずにそのままこの電子メールをネットワークに送出する。もちろん、該当する携帯アドレスが登録されていない場合には、その電子メールを棄却するようにしてもよい。
【0040】
電話機Bから送信された電子メールはアドレス変換サーバー1を経由して、会員電話機Aのキャリアのメールサーバー4に送達される。メールサーバー4は、携帯アドレスabc@keitai.ne.jp宛のメールが受信可能ドメイン名ghi.def.comを含んだ送信元アドレスから送付されていることを認知し、この電子メールを会員電話機Aに送達する。なお、上述した電子メールの送達経路図を図5に示した。
【0041】
===応用例===
本発明では、電子メールの宛先を移転メールアドレスに変更するとともに、その電子メールが特定のメールサーバーを経由しない限り会員電話機に当該電子メールが送達されない。そのため、このままでは、会員が購読希望する正規のメールマガジンも配信されないことになる。そこで、迷惑メール撃退サービスの運営者(メール選別転送事業者)がメールマガジン配信業者と提携し、会員にメールマガジンを転送する事業を展開すれば、新たなビジネスモデルが構築できる。
【0042】
すなわち、メールマガジンの配信業務に係わるコンピュータ(メールマガジン配信サーバー)と、アドレス変換サーバーとを連動させ、メールマガジン配信サーバーがメールマガジンに相当する電子メールとその配信先となる携帯アドレスのリストとをアドレス変換サーバーに与える。アドレス変換サーバーは各携帯アドレスに対応付けされている受信可能ドメイン名を記載した送信元アドレスでメールマガジンを該当の携帯アドレスに送付する。したがって、メール選別転送事業者は、このメールマガジンの転送サービスに対してメールマガジン配信業者からサービス料を徴収するASP(Application Service Provider)事業を展開するのである。
【0043】
===その他の実施例・変更例・補足===
上記実施例では、アドレス変換サーバー1が送達された電子メールの宛先アドレスのドメイン名を変換し、その変換後の宛先アドレスが会員アドレスとして登録されていると会員の携帯電話機に電子メールを転送するようにしていた。この構成に限らず、各会員の携帯アドレスと移転先メールアドレスとの対応付けを登録しておき、アドレス変換サーバーが、送達されてきた電子メールの宛先アドレスが会員の移転先メールアドレスに該当する場合に、その電子メールを該当する会員の携帯電話機に転送するようにしてもよい。
【0044】
上述したように、同じキャリアの携帯電話機同士で電子メールをやりとりする際には、特に移転メールアドレスに宛てて電子メールを送信する必要はないが、移転メールアドレスに宛てても構わない。上記実施例と同様にして会員の携帯電話機に電子メールが送達される。
【0045】
上記実施例では、携帯電話機から送信された電子メールを転送対象の電子メールとしていた。もちろん、アドレス変換サーバーに特定のプロバイダのメールサーバーについてのサーバー名やIPアドレスなどを転送条件として設定しておけば、そのメールサーバーを介して送信された電子メールも転送対象とすることができ、該当するプロバイダに加入しているPCユーザからの電子メールも会員電話機に送達される。
【0046】
また、会員が電子メールの受信を許可する送信元アドレスのリストをアドレス変換サーバーに登録しておき、アドレス変換サーバーに送達されたある会員宛ての電子メールについて、その送信元アドレスが前記リストに記載されていれば、送信元アドレスのドメイン名を受信許可ドメイン名に変更し、該当の携帯アドレスに宛てて電子メールを転送するようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明による電子メールの選別転送方法によれば、迷惑メール自体を排除するのに代えて、迷惑メールの送達確率をその送信コストに見合わなくなるほど低くすることができる。それによって、実質的に迷惑メールが携帯電話機に送達されないようにすることができる。また、所定のメールサーバーを経由した電子メールは、会員の携帯電話機に確実に送達される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における電子メールの選別転送方法が実施されるネットワーク構成図を示している。
【図2】上記実施例において、携帯アドレスをアドレス変換サーバーに登録する際に、携帯電話機に表示される画面概略図を示している。
【図3】上記実施例において、受信可能ドメイン名をメールサーバーに設定する際に、携帯電話機に表示される画面概略図を示している。
【図4】上記実施例において、受信可能ドメイン名をメールサーバーに設定するまでの実施手順図を示している。
【図5】上記実施例において、会員電話機に電子メールが送達されるまでの経路図を示している。
【符号の説明】
1 アドレス変換サーバー
2 携帯電話機
2a 会員電話機
3 迷惑メール配信サーバー
4 メールサーバー
10 移動体通信網
20 インターネット
【発明の属する技術分野】
本発明は電子メールの選別転送方法に関し、具体的には、携帯電話機に宛てた迷惑メールの送達確率を激減させる電子メールの選別転送方法に関する。またこの方法を適用したアドレス変換サーバーにも関する。
【0002】
【発明の背景】
現在、携帯電話機の多くはインターネットを介して電子メールを送受信できる機能を標準で備え、携帯電話機が広く普及するのにともなって、携帯電話機を端末とした電子メールの流通量も膨大なものとなった。それにより、一方的に広告を送りつけたり、誘惑的なキャッチコピーで有料コンテンツへと誘導したりする迷惑メールは、携帯電話機のユーザを主なターゲットとするようになった。
【0003】
周知の通り、メールアドレスは、例えばabc@keitai.ne.jpように記載される。abcはユーザIDやアカウント名などと呼ばれ、@より後のkeitai.ne.jpはドメイン名と呼ばれる。そして、迷惑メールの配信者(迷惑メール配信業者)は、専用のプロブラムを実装したコンピュータにより、英数字を適当に組み合わせた文字列xxxxを大量生成するとともに、生成された各文字列xxxxをメールアドレスのユーザIDとして、各ユーザIDxxxxに「@」と公知の移動体通信事業者(キャリア)のドメイン名keitai.ne.jpとを記載してメールアドレスxxxx@keitai.ne.jpを得る。そして、そのメールアドレスxxxx@keitai.ne.jpに宛てて迷惑メールを大量発送している。当然、存在しないユーザIDもあり、送達されない電子メールも多い。しかし、ユーザID部分はある程度文字数も決まっており、携帯電話機のユーザ数も多いこともあって、迷惑メールが送達される確率はそのメールを配信するコストに見合うものとなっている。
【0004】
もちろん、キャリア側のメールサーバーは、ユーザの指示により携帯電話機のメールアドレス(携帯アドレス)のユーザIDの部分の変更を受け付けるが、上述したように、ユーザIDは迷惑メール配信業者側で大量生成されているので、変更後のユーザIDもいつかは生成されてしまう。頻繁にユーザIDを変更していれば迷惑メールは滅多に送達されない。しかしユーザは、ユーザIDを変更する毎に、知人や購読希望しているメールマガジンの配信業者などにその変更したユーザIDを通知しなければならず、極めて不便である。
【0005】
そこでキャリアは、迷惑メール対策として、ユーザが指定した特定のドメイン名を含んだメールアドレスからの電子メールに限って受信可能にするサービスを提供するようになった。これは、キャリア側のメールサーバーで各携帯アドレス毎に受信を許可するドメイン名(受信許可ドメイン名)を対応付けして記憶しておき、ある携帯アドレス宛の電子メールがメールサーバーに送達されたとき、その電子メールの送信元のメールアドレス(送信元アドレス)のドメイン名と受信許可ドメイン名とを比較し、双方が一致すればこの電子メールを該当の携帯電話機に送達可能にする。一致しなければその電子メールを削除する。
【0006】
しかし、キャリア側のメールサーバーで参照している送信元アドレスは、電子メールのメールヘッダに記載されている「from:」以降の文字列中にあるドメイン名である。周知のごとく、送信元アドレスの文字列は宛先となるメールアドレス(宛先アドレス)の文字列と同様にユーザが指定するデータであり、簡単に改竄することができる。そのため、迷惑メールは、受信許可ドメイン名を含む送信元アドレスからの電子メールに簡単に成りすますことができる。したがって、キャリア側のメールサーバーに受信許可ドメイン名を設定したとしても、迷惑メールが届かなくなる期間は一時的であり、送信元アドレスが変わっただけで実質的に同じ迷惑メール配信業者からの迷惑メールが再び届くようになる。
【0007】
【発明の開示】
本発明者らは、迷惑メール自体を完全に排除することは実施的に困難であるという前提の下、携帯電話機に迷惑メールを1通送達させるためのコストが莫大な額になれば、迷惑メール配信業者の経済的負担が大きくなり、最終的には迷惑メールの配信を諦めると考えた。
【0008】
本発明の基本思想は、多数の携帯アドレスのそれぞれにユニークな文字列やあらかじめ用意された多数種類の文字列から適宜に選出された文字列などを受信許可ドメイン名として対応付けしておくことで、受信許可ドメイン名の文字列を大量生成し、1つの迷惑メールを異なる送信元アドレスで大量発送しくてはならないような状況を作り出し、実質的に迷惑メールが送達される確率を迷惑メールの配信コストに見合わなくする点にある。もちろん、この状況を作り出した上で、送信元アドレスが受信許可ドメインに該当しない場合でも、携帯電話機同士の電子メールは迷惑メールと区別してユーザの携帯電話機に送達されるなど、通常の電子メールのやりとりに支障を来さない工夫も必要となる。
【0009】
本発明は、上記思想に基づき成されたもので、その目的は、迷惑メールの送達確率を激減させる電子メールの選別転送方法を提供することにある。
【0010】
上記目的を達成するための第1の発明は、アドレス変換サーバーが、会員の携帯電話機メールアドレスと、会員の受信許可ドメイン名とを対応付けして登録する会員登録プロセスと、会員が加入している携帯電話キャリアのメールサーバーに対して会員の受信許可ドメイン名を設定させる対キャリア設定プロセスと、アドレス変換サーバーが、特定のメールサーバー経由で送達された電子メールについて、その宛先メールアドレスのドメイン名を当該ドメイン名にあらかじめ対応付けされている特定のキャリアのドメイン名に変換したときに、当該変換後のメールアドレスが会員の携帯電話機メールアドレスとして登録されている場合、ドメイン名に会員の受信許可ドメイン名を記載したメールアドレスを送信元としてでメール網に送出するメール転送プロセスと、を含んだ電子メールの選別転送方法としている。
【0011】
あるいは、アドレス変換サーバーが会員の携帯電話機メールアドレスと、会員の受信許可ドメイン名と当該アドレス変換サーバーをドメイン名とする会員の移転メールアドレスとを対応付けして登録する会員登録プロセスと、会員が加入している携帯電話キャリアのメールサーバーに対して会員の受信許可ドメイン名を設定させる対キャリア設定プロセスと、アドレス変換サーバーが会員の移転メールアドレス宛に特定のメールサーバー経由で届いた電子メールについて、その宛先をその会員の携帯電話機メールアドレスに変換するとともに、ドメイン名に会員の受信許可ドメイン名を記載したメールアドレスを送信元としてメール網に送出するメール転送プロセスとを含んだ電子メールの選別転送方法としてもよい。
【0012】
また、前記会員登録プロセスは、登録した会員の各携帯電話機メールアドレスのそれぞれにユニークなドメイン名を対応付けすることとしたり、各会員の携帯電話機メールアドレス毎に特有のサブドメイン名に相当する文字列と、全ての会員の携帯電話機アドレスに共通の文字列とを含むドメイン名を対応付けしたりした電子メールの選別転送方法とすることもできる。
【0013】
前記アドレス変換サーバーに特定のメールサーバー経由で送達された電子メールの宛先メールアドレスのドメイン名と特定のキャリアのドメイン名、あるいは、携帯電話機メールアドレスと移転メールアドレスの双方のドメイン名部分が、所定のアルゴリズムに基づいて相互変換されることで対応付けされるようにしてもよい。
【0014】
なお、前記会員登録プロセスには、所定のURLに基づいてアクセスしてきた携帯電話機にアドレス変換サーバー宛の登録要求メールを送信させる機能を含む会員登録用Webページを送付するプロセスと、携帯電話機から送付されてきた登録要求メールの送信元メールアドレスを会員の携帯電話機アドレスとして登録するプロセスとが含まる電子メールの選別転送方法とすることもできる。
【0015】
前記対キャリア設定プロセスには、アドレス変換サーバーが前記会員登録プロセスにより登録した携帯電話機メールアドレスに所定のURLを本文に記載した受信設定通知メールを送付するプロセスと、アドレス変換サーバーが受信設定通知メールに記載したURLに基づいてアクセスしてきた携帯電話機に受信許可ドメイン名を隠し項目として含むとともにこの受信許可ドメイン名を当該電話機のキャリアのメールサーバーに設定する機能を含んだ受信設定Webページを送付するプロセスとが含まれるようにした電子メールの選別転送方法に変更することもできる。
【0016】
また、上記の電子メールの選別転送方法に適用される前記アドレス変換サーバーも本発明の範囲であって、所定の情報通信ネットワークを介して外部のコンピュータと通信するとともに、多数の携帯電話機メールアドレスをデータベースに蓄積・管理し、前記会員登録プロセスと、対キャリア設定プロセスと、前記メール転送プロセスとを実行する手段を備えている。
【0017】
【発明の実施の形態】
===ネットワーク構成と電子メールの流通経路===
図1は本発明の実施例における電子メールの選別転送方法が実施されるネットワーク構成図である。この図では、インターネット20と、2つのキャリアA,Bの移動体通信網10を含んで構成されたネットワークが示されている。本発明の主体となるアドレス変換サーバー1は、インターネット20上に設置されて、Webサーバーとメールサーバーの基本機能を備えている。そして、携帯電話機2A,2B宛の電子メールの流通経路に介在して迷惑メールの送達確率を激減させる「迷惑メール撃退サービス」を提供している。
【0018】
インターネット20に接続される迷惑メールの送信コンピュータ(迷惑メール配信サーバー)3は、ユーザIDを自動生成し、そのIDに携帯電話機2のキャリアのドメイン名を付加した携帯アドレスに宛てて大量の迷惑メールを発送している。また、送信元アドレスの改竄機能を有し、任意のドメイン名を含んだ送信元アドレスで迷惑メールを送信することができるようになっている。
【0019】
迷惑メール撃退サービスの享受者となる会員の携帯電話機(会員電話機)2aを含む多数の携帯電話機2は、基地局11を介して移動体通信網10に接続するとともに、この網10内に設置されているゲートウェイサーバー12を介してインターネット20にも接続する。
【0020】
===本実施例の概略===
本実施例では、このネットワーク構成において、アドレス変換サーバー1が多数の会員電話機2aのアドレス毎にユニークな受信可能ドメイン名を対応付けして記憶し、会員は自身の電話機2aが加入しているキャリアのメールサーバー4に該当の受信可能ドメイン名を設定しておく。したがって、会員電話機2a宛ての電子メールは、その送信元アドレスのドメイン名(送信元ドメイン名)が受信許可ドメイン名と一致していなければ、会員電話機2aに送達されない。
【0021】
その一方で、会員電話機2aと異なるキャリアの携帯電話機2から会員携帯電話2aに宛てた電子メールについては、アドレス変換サーバー1を経由して該当の会員電話機2aに送達されるようになっている。なお、同じキャリアの携帯電話機同士の電子メールについては、普通、当該キャリアのドメイン名が無条件に受信可能ドメイン名として設定されているので、あるキャリアの携帯電話機2から同じキャリアの会員の携帯電話機2aに宛てた電子メールは、アドレス変換サーバー1を経由させなくても通常の経路(携帯電話機2→同じ移動体通信網10内のメールサーバー4→同じ移動体通信網10内の会員の携帯電話機2a)で電子メールが会員携帯電話機2aに送達される。
【0022】
===会員登録===
携帯電話機2のユーザが本サービスを享受するためには、アドレス変換サーバー1に自身の携帯アドレスを登録する必要がある。本実施例では、ブラウザ機能を実装した携帯電話機2のユーザをサービス対象としている。まず、携帯電話機2のブラウザが所定のURLを指定してアドレス変換サーバー1にアクセスして会員登録用Webページを取り寄せる。ユーザには、この会員登録用WebページのURLを、印刷広告・放送・ダイレクトメールなど、適宜な告知手段によって知らせればよい。あるいは、他のWebページからリンクを辿ってこの会員登録用Webページが送達されるようにしておいてもよい。
【0023】
会員登録用Webページには周知のmailtoタグが記載されており、携帯電話機2に所定のメールアドレスに宛てた電子メールを送信させるための機能を含んでいる。図2(A)(B)に会員登録用Webページと、このWebページの機能によって起動されるメールソフトの画面概略図をそれぞれに示した。この例では、Webページ中の「メール起動」ボタンを指示すると、メールソフトが起動し、本文に所定の文面が記載された電子メールの送信画面が表示される。
【0024】
ここで「送信」ボタンを指示すると、アドレス変換サーバー1の所定のCGIにこの電子メールが送達される。このCGIは、送達された電子メールの送信元アドレスを取得するとともに、ユニークなサブドメイン名を生成して取得した携帯アドレスに対応付けして記憶する。したがって受信可能ドメイン名は、ユニークなサブドメイン名に続いて「.」と、ドメイン名部分における共通の文字列とを記載したものとなる。ここでは、abc@keitai.ne.jpという携帯アドレスに対してghiというサブドメイン名が生成され、共通の文字列部分がdef.comであるものとする。すなわち、受信可能ドメイン名は、ghi.def.comとなる。
【0025】
なお、会員登録のプロセス自体は、携帯電話機2のユーザがアドレス変換サーバー1を管理する事業者に携帯アドレスと会員登録する旨を郵送で通知するなど適宜な手続きを経て行われてもよい。
【0026】
===受信可能ドメイン名の設定===
アドレス変換サーバー1にて会員電話機2に対応付けされた受信可能ドメイン名はその会員電話機2aのキャリアのメールサーバー4に設定されて初めて、送信元アドレスのドメイン名に基づいた電子メール受信制御が行われる。キャリアのメールサーバーに受信許可ドメイン名を設定するプロセスとしては、会員電話機2aに受信可能ドメイン名を電子メールなどで通知し、会員自身がキャリアのメールサーバー4にその受信可能ドメイン名を設定する作業を行うようにしてもよいが、本実施例では、会員が面倒な設定操作をすることなく、キャリアのメールサーバー4に受信可能ドメイン名を設定することができる。
【0027】
具体的には、アドレス変換サーバー1にて受信可能ドメイン名ghi.def.comが対応付けされた携帯アドレスabc@keitai.ne.jpに宛てて、所定のURLが本文に記載されている電子メール(受信設定通知メール)を送付する。このURLには、アドレス変換サーバー1の所定のCGIに該当のサブドメイン名を引数として与える旨が記載されている。会員電話機2aにて受信設定通知メールの本文を表示させた状態で、URLの記載部分を指示すると、前記CGIにサブドメイン名ghiが渡される。
【0028】
当該CGIは、会員電話機2aから受け取ったサブドメイン名ghiを含んだフルネームのドメイン名ghi.def.comを会員電話機2aが加入するキャリアのメールサーバー4に設定させるための機能を含んだWebページ(受信設定Webページ)を返送する。受信設定Webページには、受信可能ドメイン名ghi.def.comが周知のhiddenタグによって隠し項目として記載されるとともに、当該ドメイン名をフォームデータとしてキャリアのメールサーバー4のにHTTP送信するためのボタンが配設されている。
【0029】
また、一般的にメールサーバー4は、パスワードによる認証手続きを経ないと、受信可能ドメイン名の設定登録などの各種設定変更を受け付けないようになっている。しかし、このパスワードはユーザが携帯電話機2を購入した後で意識的に変更しない限り所定の初期値に設定されたままであり、本実施例では、そのパスワードの初期値も隠し項目として受信設定Webページに記載しておき、受信可能ドメイン名とともにフォームデータとしてメールサーバー4に送付することとしている。
【0030】
なお、パスワードが変更されていたとしても、メールサーバー4からパスワードを再入力するためのフォームを含んだWebページが返送されるだけであり、ユーザはそのフォームに正規のパスワードを入力してそのフォームを送り返せば、受信可能ドメイン名がメールサーバー4に設定される。図3(A)〜(E)にアドレス変換サーバー1が会員電話機2a経由で受信可能ドメイン名を該当のメールサーバー4に設定させる手順を会員電話機2aにおける画面遷移図によって示した。会員電話機2aのパスワードが初期値のままである場合は、(A)→(B)→(E)の画面遷移を経て受信可能ドメイン名がメールサーバー4に設定される。パスワードを再入力する場合は(A)〜(E)の順に画面遷移する。また図4に、本実施例における会員登録から受信可能ドメイン名をメールサーバー4に設定するまでの実施手順図を示した。
【0031】
===迷惑メールの送達確率===
迷惑メール配信サーバー3が、会員の携帯アドレスabc@keitai.ne.jpに宛てて迷惑メールを送信したとする。このとき、送信元アドレスのドメイン名がghi.def.comに一致しない限り、このメールは会員電話機2aに送達されない。例え、受信可能ドメイン名における共通文字列部分def.comが迷惑メール配信業者に知られてしまったとしても、サブドメイン名ghiは携帯アドレスに固有に対応付けされているため、知ることができない。そのため、迷惑メールを会員電話機2aに送達させるためには、宛先アドレスのユーザID部分と同様に、送信元アドレスのサブドメイン名を大量生成しなければならない。
【0032】
サブドメイン名が一致する確率がユーザIDと同程度であれば、単純に計算しても従来の二乗の数の電子メールを送信しなければ特定の会員電話機2aに迷惑メールが送達されない。例えば、ユーザIDとサブドメイン名が、ともに6桁の数字で記載されるのであれば、ある携帯アドレスのユーザIDに一致する確率は100万分の1で、サブドメイン名に一致する確率も同じく100万分の1となる。したがって、ある会員電話機2aに迷惑メールが送達される確率は1兆分の1となり限りなくゼロに近い。言い換えれば、迷惑メールの配信コストが1通1円であれば、迷惑メールの配信に掛かる全コストが1兆円になることになる。迷惑メールの配信数はもとより、この莫大な額を掛けることも現実的にはあり得ない。ユーザIDやドメイン名の文字数を増やしたり、数字・記号・アルファベットを混在させたりすれば迷惑メールの送達確率はさらにゼロに近くなる。
【0033】
===会員電話機への電子メール転送===
会員電話機2aに迷惑メールが送達される確率を激減させる一方で、会員が受信希望する通常の電子メールは確実に会員電話機2aに送達されるようにしなければならない。しかし、一般ユーザが使用するPCや携帯電話機2では送信元アドレスを変更することができない。アドレス変換サーバー1は、会員に宛てた一般の電子メールについて、その送信元アドレスのドメイン名を受信可能ドメイン名に変更してから会員の携帯アドレスに宛てて転送するメール転送サービスも提供している。本実施例では、迷惑メールがインターネット20に直接接続されたコンピュータから送信されていることを考慮して、携帯電話機2,2aからの電子メールを会員電話機2aに転送するサービスを提供している。ここでは、キャリアBの携帯電話機2から送信された電子メールを、キャリアAの会員携帯電話機2aに送達させるための手順を示す。
【0034】
アドレス変換サーバー1のドメイン名(移転ドメイン名とする)は、キャリアA,Bのそれぞれに対応して2つあり、キャリアBの携帯電話機2(電話機Bとする)は、キャリアAの会員携帯電話機2a(会員電話機Aとする)に電子メールを送信する際、会員電話機Aの携帯メールアドレスのドメイン名部分を、キャリアAのドメイン名ではなく、アドレス変換サーバーにおけるキャリアAに対応するドメイン名(移転ドメイン名)に変更したメールアドレス(移転メールアドレス)に宛てる。それによって、この電子メールはアドレス変換サーバー1に送達される。各キャリアに対応するアドレス変換サーバーのドメイン名と該当のキャリアのドメイン名とは対応表によって双方を対応付けしておいてもよいし、移転ドメイン名部分を所定のアルゴリズムに基づて変換すると、キャリアのドメイン名となるようにしてもよい。
【0035】
本実施例では、ある携帯アドレス123@idoutai.ne.jpの電話機Bから、携帯アドレスがabc@keitai.ne.jpの会員電話機Aに電子メールを送達させようとするとき、電話機Bのユーザは携帯アドレスabc@keitai.ne.jpに宛てて電子メールを送信するのではなく、電話機Aのキャリアのドメイン名keitai.ne.jpに応じてあらかじめ決められているドメイン名(移転ドメイン名:例えばkeitai2.ne.jp)に変更した移転メールアドレスabc@keitai2.ne.jpに宛てて電子メールを送信することとしている。なお、携帯電話機Aのキャリアと移転ドメイン名との対応関係は、前もって適宜な方法(広告・放送・会員からの直接通知など)で、電話機Bのユーザに告知されることとしている。
【0036】
移転メールアドレスabc@keitai2.ne.jpを宛先として電話機Bから送信された電子メールはアドレス変換サーバー1に送達する。アドレス変換サーバー1は、送達された電子メールについて、まず、この電子メールがキャリアBの携帯電話機2から送信されたものであるかどうか、すなわち特定のメールサーバーを経由してきたかどうかを判定する。本実施例では、メールヘッダに記載されているReceived:の項に記載されている送信元のメールサーバー名を取得し、このサーバー名が携帯電話機2のキャリアのメールサーバー名に一致すれば、送達された電子メールを転送対象とする。もちろん、IPパケットのヘッダにも電子メールの経路に関する情報が記載されており、このIPパケットの経路情報に基づいて転送対象メールとそれ以外とを判別するようにしてもよい。なお、転送対象でない電子メールについてはその場で削除したり、そのまま放置したり、あるいは転送できない旨の電子メールを送信元アドレスに返送したりするなど適宜に棄却すればよい。
【0037】
つぎにアドレス変換サーバー1は、送達された電子メールの移転メールアドレスabc@keitai2.ne.jpのドメイン名部分keitai2を所定のアルゴリズムに基づいて変換する。この例では、転送対象メールの宛先アドレスのドメイン名と携帯アドレスのドメイン名とを対応付けしたテーブルを用意している。そして、keitai2.ne.jpにはkeitai.ne.jpが対応付けされている。そして、アドレス変換サーバー1は、電話機Bから送達された電子メールの宛先アドレスをabc@keitai.ne.jpに変更する。なお、変換アルゴリズムに基づいてドメイン名を変換する場合には、ドメイン名の頭文字を削除したり、ドメイン名に特定の文字を付加したりするなど、適宜な変換規則が採用できる。具体的には、電話機Bが送信する電子メールの宛先アドレスを、該当のキャリアAのドメイン名における先頭文字を削除してeitai.ne.jpとすることなどが考えられる。
【0038】
つぎにアドレス変換サーバー1は、変換後の宛先アドレスが会員の携帯アドレスに該当する場合、そのアドレスに対応付けされているサブドメイン名を取得し、電子メールの送信元アドレスのドメイン名をそのサブドメイン名を含む受信可能ドメイン名に変更する。この例では、送信元アドレスのユーザID部分は変更せず、ドメイン名だけを変更している。したがってアドレス変換サーバー1は、123@ghi.def.comを送信元アドレスとした電子メールをabc@keitai.ne.jpに宛ててインターネット20に送出する。もちろん、どの電子メールについても一律に同じ送信元アドレスで転送してもよい。なお、当初の送信元メールアドレスを転送した電子メールの本文に挿入するなど、会員が送信者を特定できるようにすることも可能である。
【0039】
また、変換後の宛先アドレスが会員の携帯アドレスに該当しない場合は、送信元アドレスを変更せずにそのままこの電子メールをネットワークに送出する。もちろん、該当する携帯アドレスが登録されていない場合には、その電子メールを棄却するようにしてもよい。
【0040】
電話機Bから送信された電子メールはアドレス変換サーバー1を経由して、会員電話機Aのキャリアのメールサーバー4に送達される。メールサーバー4は、携帯アドレスabc@keitai.ne.jp宛のメールが受信可能ドメイン名ghi.def.comを含んだ送信元アドレスから送付されていることを認知し、この電子メールを会員電話機Aに送達する。なお、上述した電子メールの送達経路図を図5に示した。
【0041】
===応用例===
本発明では、電子メールの宛先を移転メールアドレスに変更するとともに、その電子メールが特定のメールサーバーを経由しない限り会員電話機に当該電子メールが送達されない。そのため、このままでは、会員が購読希望する正規のメールマガジンも配信されないことになる。そこで、迷惑メール撃退サービスの運営者(メール選別転送事業者)がメールマガジン配信業者と提携し、会員にメールマガジンを転送する事業を展開すれば、新たなビジネスモデルが構築できる。
【0042】
すなわち、メールマガジンの配信業務に係わるコンピュータ(メールマガジン配信サーバー)と、アドレス変換サーバーとを連動させ、メールマガジン配信サーバーがメールマガジンに相当する電子メールとその配信先となる携帯アドレスのリストとをアドレス変換サーバーに与える。アドレス変換サーバーは各携帯アドレスに対応付けされている受信可能ドメイン名を記載した送信元アドレスでメールマガジンを該当の携帯アドレスに送付する。したがって、メール選別転送事業者は、このメールマガジンの転送サービスに対してメールマガジン配信業者からサービス料を徴収するASP(Application Service Provider)事業を展開するのである。
【0043】
===その他の実施例・変更例・補足===
上記実施例では、アドレス変換サーバー1が送達された電子メールの宛先アドレスのドメイン名を変換し、その変換後の宛先アドレスが会員アドレスとして登録されていると会員の携帯電話機に電子メールを転送するようにしていた。この構成に限らず、各会員の携帯アドレスと移転先メールアドレスとの対応付けを登録しておき、アドレス変換サーバーが、送達されてきた電子メールの宛先アドレスが会員の移転先メールアドレスに該当する場合に、その電子メールを該当する会員の携帯電話機に転送するようにしてもよい。
【0044】
上述したように、同じキャリアの携帯電話機同士で電子メールをやりとりする際には、特に移転メールアドレスに宛てて電子メールを送信する必要はないが、移転メールアドレスに宛てても構わない。上記実施例と同様にして会員の携帯電話機に電子メールが送達される。
【0045】
上記実施例では、携帯電話機から送信された電子メールを転送対象の電子メールとしていた。もちろん、アドレス変換サーバーに特定のプロバイダのメールサーバーについてのサーバー名やIPアドレスなどを転送条件として設定しておけば、そのメールサーバーを介して送信された電子メールも転送対象とすることができ、該当するプロバイダに加入しているPCユーザからの電子メールも会員電話機に送達される。
【0046】
また、会員が電子メールの受信を許可する送信元アドレスのリストをアドレス変換サーバーに登録しておき、アドレス変換サーバーに送達されたある会員宛ての電子メールについて、その送信元アドレスが前記リストに記載されていれば、送信元アドレスのドメイン名を受信許可ドメイン名に変更し、該当の携帯アドレスに宛てて電子メールを転送するようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明による電子メールの選別転送方法によれば、迷惑メール自体を排除するのに代えて、迷惑メールの送達確率をその送信コストに見合わなくなるほど低くすることができる。それによって、実質的に迷惑メールが携帯電話機に送達されないようにすることができる。また、所定のメールサーバーを経由した電子メールは、会員の携帯電話機に確実に送達される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における電子メールの選別転送方法が実施されるネットワーク構成図を示している。
【図2】上記実施例において、携帯アドレスをアドレス変換サーバーに登録する際に、携帯電話機に表示される画面概略図を示している。
【図3】上記実施例において、受信可能ドメイン名をメールサーバーに設定する際に、携帯電話機に表示される画面概略図を示している。
【図4】上記実施例において、受信可能ドメイン名をメールサーバーに設定するまでの実施手順図を示している。
【図5】上記実施例において、会員電話機に電子メールが送達されるまでの経路図を示している。
【符号の説明】
1 アドレス変換サーバー
2 携帯電話機
2a 会員電話機
3 迷惑メール配信サーバー
4 メールサーバー
10 移動体通信網
20 インターネット
Claims (9)
- アドレス変換サーバーが、会員の携帯電話機メールアドレスと、会員の受信許可ドメイン名とを対応付けして登録する会員登録プロセスと、
会員が加入している携帯電話キャリアのメールサーバーに対して会員の受信許可ドメイン名を設定させる対キャリア設定プロセスと、
アドレス変換サーバーが、特定のメールサーバー経由で送達された電子メールについて、その宛先メールアドレスのドメイン名を当該ドメイン名にあらかじめ対応付けされている特定のキャリアのドメイン名に変換したときに、当該変換後のメールアドレスが会員の携帯電話機メールアドレスとして登録されている場合、ドメイン名に会員の受信許可ドメイン名を記載したメールアドレスを送信元としてでメール網に送出するメール転送プロセスと、
を含んだことを特徴とする電子メールの選別転送方法。 - アドレス変換サーバーが、会員の携帯電話機メールアドレスと、会員の受信許可ドメイン名と、当該アドレス変換サーバーをドメイン名とする会員の移転メールアドレスとを対応付けして登録する会員登録プロセスと、
会員が加入している携帯電話キャリアのメールサーバーに対して会員の受信許可ドメイン名を設定させる対キャリア設定プロセスと、
アドレス変換サーバーが、会員の移転メールアドレス宛に特定のメールサーバー経由で届いた電子メールについて、その宛先をその会員の携帯電話機メールアドレスに変換するとともに、ドメイン名に会員の受信許可ドメイン名を記載したメールアドレスを送信元としてメール網に送出するメール転送プロセスと、
を含んだことを特徴とする電子メールの選別転送方法。 - 請求項1または2において、前記会員登録プロセスは、登録した会員の各携帯電話機メールアドレスのそれぞれにユニークな受信許可ドメイン名を対応付けすることを特徴とする電子メールの選別転送方法。
- 請求項1または2において、前記会員登録プロセスによって携帯電話機メールアドレスに対応付けされる受信可能ドメイン名は、各会員の携帯電話機メールアドレス毎に特有のサブドメイン名に相当する文字列と、全ての会員の携帯電話機アドレスに共通の文字列とを含むことを特徴とする電子メールの選別転送方法。
- 請求項1において、前記アドレス変換サーバーに特定のメールサーバー経由で送達された電子メールの宛先メールアドレスのドメイン名と、特定のキャリアのドメイン名とが所定のアルゴリズムに基づいて相互変換されることであらかじめ対応付けされることを特徴とする電子メールの選別転送方法。
- 請求項2において、携帯電話機メールアドレスと移転メールアドレスは、双方のドメイン名部分が所定のアルゴリズムに基づいて相互変換されることで対応付けされることを特徴とする電子メールの選別転送方法。
- 請求項1または2において、前記会員登録プロセスには、所定のURLに基づいてアクセスしてきた携帯電話機にアドレス変換サーバー宛の登録要求メールを送信させる機能を含む会員登録用Webページを送付するプロセスと、携帯電話機から送付されてきた登録要求メールの送信元メールアドレスを会員の携帯電話機アドレスとして登録するプロセスとが含まれていることを特徴とする電子メールの選別転送方法。
- 請求項1または2において、前記対キャリア設定プロセスには、アドレス変換サーバーが前記会員登録プロセスにより登録した携帯電話機メールアドレスに所定のURLを本文に記載した受信設定通知メールを送付するプロセスと、アドレス変換サーバーが受信設定通知メールに記載したURLに基づいてアクセスしてきた携帯電話機に受信許可ドメイン名を隠し項目として含むとともにこの受信許可ドメイン名を当該電話機のキャリアのメールサーバーに設定する機能を含んだ受信設定Webページを送付するプロセスとが含まれていることを特徴とする電子メールの選別転送方法。
- 請求項1〜8いずれかに記載の方法に適用される前記アドレス変換サーバーであって、所定の情報通信ネットワークを介して外部のコンピュータと通信するとともに、多数の携帯電話機メールアドレスをデータベースに蓄積・管理し、前記会員登録プロセスと、対キャリア設定プロセスと、前記メール転送プロセスとを実行する手段を備えたことを特徴とする。
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