JP3839180B2 - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、二次元撮像素子と撮影光学系との間に、入射光の角度変位が可能な機構を設け、高精細の画像を生成する撮像装置及び撮像方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCD(Charge Coupled Devices)等の二次元撮像素子を用いた撮像装置では、画像と撮像素子との相対位置を微小に変位させ、変位させた毎に画像を入力して各画像を合成し、見かけ上の画素数を増加させて解像度を上昇させるものが知られている。このような方法により解像度を向上させる従来の撮像装置として、例えば、特開平7−236086号公報に示されるものがある。これは、撮影光学系と二次元撮像素子との間に平板透明部材を配置し、この透明部材を角度変位させることにより、撮影光学系からの入射光を変位させて、撮像素子上の画像を微小変位させるものである。
【0003】
図41は上記特開平7−236086号公報に示された従来の撮像装置の構成を示すブロック図であり、図42は上記撮像装置の機構を示す図である。図41及び図42において、101は画像を結像させるための撮像レンズ、102は画像を光電変換するための二次元に配列されたCCD等の撮像素子、103は撮像レンズ101と撮像素子102の間にほぼ平行に配置され、撮像レンズ101から撮像素子102への入射光の入射角度に微小変位をもたらす透明平板部材、104は透明平板部材103を支持するベースユニットである。
【0004】
また、図42において、105a,105bは、ベースユニット104を支持部109に固定すると共に、2点を選択的に作動させてベースユニット104を傾斜させる圧縮ばね、105cはベースユニット104を支持部109に固定する圧縮ばね、106a,106b,106cは、対応する圧縮ばね105a,105b,105cを各々押さえる押さえ板、107aは、圧縮ばね105aを貫通するねじに係合し、ベースユニット104を駆動することにより、透明平板部材103の近傍部位を光軸方向に変位させるモータである。また、図示されていないが、圧縮ばね105bに対しても同様にモータ107bが備えられている。108a,108bは、圧縮ばね105a,105b、押さえ板106a,106b,モータ107a,107bによる第1及び第2作動部である。また、支持部109は図示していない匡体に固定されている。
【0005】
また、図41において、110はモータ107a,107bを駆動する変位装置、111は3原色に分離する色分離回路、112は種々の補正を行うプロセス回路、113はモニタ、114はアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D(A/Dコンバータ)、115はデジタル信号に変換されたカラー画像を記憶する画像バッファメモリ、116は3色分のカラー画像を記憶する画像合成メモリ、117はデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A(D/Aコンバータ)、118は高精細モニタ、119は各部を制御する制御回路、120は撮像素子102を駆動する駆動回路である。
【0006】
次に動作について説明する。
まず、第1及び第2作動部108a、108bのいずれも作動させない状態で、撮像レンズ101からの画像を、駆動回路120により駆動される撮像素子102で結像し、色分離回路111,プロセス回路112,A/D114を経て、画像バッファメモリ115に画像データを記憶する。
【0007】
次に、変位装置110により第1作動部108aを作動させると、第2作動部108bと支持部109を結ぶ線を回転軸として、透明平板部材103が回転する。したがって、透明平板部材103を透過した画像は、透明平板部材103の傾斜によって移動されて撮像素子102上に結像し、画像バッファメモリ115にわずかにずれた画像を記憶する。さらに、第1作動部108aを作動させると、同一方向に順次移動した画像が撮像素子102に結像され、画像バッファメモリ115に記憶される。
【0008】
また逆に、第1作動部108aを駆動させずに、第2作動部108bを駆動させると、第1作動部108aと支持部109を結ぶ線を回転軸として、透明平板部材103が傾斜し、上記とは異なる方向に画像の移動が行われる。
【0009】
これら2方向の移動を適宜組み合わせることにより、任意の位置への2次元の画素ずらしを実施の後、画像バッファメモリ115に蓄積された複数の撮影画像を、画素ずらしの実施方向を考慮して、各対応画素毎に内挿することで、光学的に画素数を増加させた画像が画像合成メモリ116に記憶され、D/A117でアナログ信号に変換されて、高精細モニタ118で表示される。
【0010】
次に、画素ずらしによって得られた画像から、高精細画像を生成する従来の信号処理方式について説明する。図43は、撮像素子102として、単板カラーの撮像素子を使用した場合、最もよく使われている画素のBayer配列を示す図である。図におけるR(赤)、G(緑)、B(青)は、撮像素子102の各画素位置に結像される色信号である。
【0011】
図44は、図43に示す1枚目の撮影画像の色信号と、図43に示す色信号を斜め1/2画素右下にずらして撮像した2枚目の撮影画像の色信号とを重ねて表示した図である。図において、R1,G1,B1が1枚目の撮影画像の色信号であり、R2,G2,B2は、第1作動部108a又は第2作動部108bにより、画素ずらしを行い2枚目の撮影画像から得られた色信号である。
【0012】
図44に示した画像を高解像度画像として生成する場合、図43と比較して水平垂直とも2倍の画素数になっているため、4倍の画素数のフルカラー信号を生成する必要があり、図44における撮像画素における非撮影色信号を、周辺画素信号から生成して補間すると共に、空白画素の全色信号を同様に内挿する必要がある。ここで、撮像画素は、R1,G1,B1,R2,G2,B2であり、空白画素は、それ以外の空白部分の画素であり、撮像画素における非撮影色信号とは、例えば、撮像画素がG1の場合、非撮影色信号はR成分、B成分を示す。
【0013】
図45はG信号の補間処理を説明する図であり、G信号のみを表示している。ここでは、撮像画素B1におけるG成分(G1’)を、周囲のG1より平均値を求めて補間し、撮像画素R2におけるG成分(G2’)を、周囲のG2より平均値を求めて補間している。
【0014】
図46はG信号の内挿処理を説明する図であり、G信号のみを表示している。ここでは、空白画素におけるG成分を、周囲のG1,G1’,G2,G2’より平均値を求めて内挿している。このように、補間処理と内挿処理により全画素分のG信号を求める。
【0015】
図47はB信号の補間処理を説明する図であり、B信号のみを表示している。ここでは、各撮像画素G1におけるB成分(B1’)を、周囲のB1より平均値を求めて補間し、撮像画素R1におけるB成分(B1”)を、周囲のB1’より平均値を求めて補間している。
【0016】
図48はB信号の内挿処理を説明する図であり、B信号のみを表示している。ここでは、空白画素におけるB成分を、周囲のB1’,B1”,B2,B2’より平均値を求めて内挿している。このように、補間処理と内挿処理により全画素分のB信号を求める。R信号についても、B信号と同様に補間処理と内挿処理により求める。以上のようにして、全画素におけるR,G,B信号を求めることができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−236086号公報に示される撮像装置は、光路を二次元的に変更するのに、透明平板部材103を2つのモータ107a,107bにより機械的に駆動制御しているため、精度の高い画素ずらし量を実現することが困難という課題があった。特に、近年の固体撮像素子の画素ピッチは、数ミクロンものが主流となっており、機械的にその数分の一の精度を得るためには、複雑な制御系が必要となり、また、機械的な振動を用いて制御するため、振動や繰り返し寿命等を十分に考慮した設計を必要とするという課題があった。
【0018】
さらに、上記方法により撮像した画像から、高解像度画像を生成する従来の信号処理では、単なる近傍画素の平均値を求めて補間や内挿を行う線形処理であるため、画素ずらしを行うことによって得られる画素数分だけの解像度を得ることができないという課題があった。すなわち、撮像素子102として、単板カラーの撮像素子を使用した場合、図43に示す各画素上に1色の色フィルタを配置していることにより、各画素について、R,G,Bの全ての成分が得られないため、画素数分だけの解像度を実現できず、2回の撮像画素から高解像度画像を得ようとしても、単なる近傍画素の平均値を求めて補間や内挿を行う線形処理では、解像度の向上が見込めないという課題があった。
【0019】
上記課題のうち、撮像光学系の機械的精度の課題を解決するために、本出願人は、特開昭61−267462号公報等において、撮像光学系を機械的に振動させることなく、微小画素ずらしを行う方法を出願している。そこで、この発明は、画素数の増加量に対して、十分に画素数分だけの解像度が向上した高精細の画像を生成する撮像装置及び撮像方法を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る撮像装置は、撮像光学系への入射光を二次元的に配置された複数の画素で構成された単板カラーの撮像素子に導き、上記撮像素子により光電変換してカラー画像信号を生成するものにおいて、上記撮像光学系からの入射光の上記撮像素子への結像位置を、水平及び垂直方向に1/2画素分変位させうる画素変位条件を制御する撮像部制御手段と、上記撮像部制御手段により制御された第一の画素変位条件に基づき、上記撮像光学系からの入射光を上記撮像素子に結像させると共に、上記撮像部制御手段により制御された上記第一の画素変位条件に対して水平及び垂直方向に1/2画素分変位させた第二の画素変位条件に基づき、上記撮像光学系からの入射光を上記撮像素子に結像させる画素ずらし光学手段と、上記第一の画素変位条件に基づき結像され上記撮像素子より光電変換された第一の撮影画像と、上記第二の画素変位条件に基づき結像され上記撮像素子より光電変換された第二の撮影画像を、上記第一の撮影画像の撮像画素に対して上記第二の撮影画像の撮像画素を水平及び垂直方向に1/2画素ずらした2×2画素からなるマトリクスに対応する位置に記憶する画像メモリと、上記画像メモリに記憶されている上記撮像画素に対しては、画素変位方向に対して垂直方向の複数の色信号の相関を考慮して非撮影色信号を補間し、上記画像メモリ内の上記撮像画素以外の空白画素に対しては、周辺画素を参照して画像中のエッジ線分方向を検出し、上記エッジ線分方向の複数の色信号に基づき、内挿処理を行う画素補間・合成手段とを備えたものである。
【0021】
この発明に係る撮像装置は、第一及び第二の撮影画像を固定長符号に圧縮する固定長圧縮手段と、上記固定長圧縮手段により圧縮された第一及び第二の撮影画像を記憶する圧縮画像メモリと、上記圧縮画像メモリに記憶されている圧縮された第一及び第二の撮影画像を復号化する固定長伸長手段とを備え、上記復号化された第一及び第二の撮影画像を画像メモリに記憶するものである。
【0022】
この発明に係る撮像装置は、画像メモリに記憶されている第一及び第二の撮影画像について、各画像の最大信号レベル値及び最小信号レベル値を検出することにより各信号特性レベルを求め、一方の信号特性レベルを、他方の信号特性レベルに合わせる信号レベル補正手段を備えたものである。
【0023】
この発明に係る撮像装置は、画像メモリに記憶されている第一及び第二の撮影画像について、所定領域における平均信号レベルを求め、一方の平均信号レベルを、他方の平均信号レベルに合わせる信号レベル補正手段を備えたものである。
【0024】
この発明に係る撮像装置は、画素ずらし光学手段が、入射光から直線偏光を生成する偏光板と、磁場の強さに応じて上記偏光板からの直線偏光の振動方向を変化させる磁気光学素子と、上記磁気光学素子からの直線偏光の振動方向により屈折率の異なる複屈折板とを備えたものである。
【0025】
この発明に係る撮像装置は、画素ずらし光学手段が、電界の強さに応じて透過光の屈折率を変化させる電気光学素子と、上記電気光学素子からの透過光から直線偏光を生成する偏光板とを備えたものである。
【0026】
この発明に係る撮像装置は、画素ずらし光学手段が、入射光から直線偏光を生成する偏光板と、与えられる電圧の有無により上記偏光板からの直線偏光の振動方向を変化させる液晶板と、上記液晶板からの直線偏光の振動方向により屈折率の異なる複屈折板とを備えたものである。
【0027】
この発明に係る撮像方法は、撮像光学系への入射光を二次元的に配置された複数の画素で構成された単板カラーの撮像素子に導き、上記撮像素子により光電変換してカラー画像信号を生成するものにおいて、撮像部制御手段により制御された第一の画素変位条件に基づき、上記撮像光学系からの入射光を上記撮像素子に結像させると共に、上記撮像部制御手段により制御された上記第一の画素変位条件に対して水平及び垂直方向に1/2画素分変位させた第二の画素変位条件に基づき、上記撮像光学系からの入射光を上記撮像素子に結像させ、上記第一の画素変位条件に基づき結像され上記撮像素子より光電変換された第一の撮影画像と、上記第二の画素変位条件に基づき結像され上記撮像素子より光電変換された第二の撮影画像を、上記第一の撮影画像の撮像画素に対して上記第二の撮影画像の撮像画素を水平及び垂直方向に1/2画素ずらした2×2画素からなるマトリクスに対応する位置になるよう画像メモリ記憶し、上記画像メモリに記憶されている上記撮像画素に対しては、画素変位方向に対して垂直方向の複数の色信号の相関を考慮して非撮影色信号を補間し、上記画像メモリ内の上記撮像画素以外の空白画素に対しては、周辺画素を参照して画像中のエッジ線分方向を検出し、上記エッジ線分方向の複数の色信号に基づき、内挿処理を行うものである。
【0028】
この発明に係る撮像方法は、第一及び第二の撮影画像を固定長符号に圧縮し、上記圧縮された第一及び第二の撮影画像を圧縮画像メモリに記憶し、上記圧縮画像メモリに記憶されている圧縮された第一及び第二の撮影画像を復号化し、上記復号化された第一及び第二の撮影画像を画像メモリに記憶するものである。
【0029】
この発明に係る撮像方法は、画像メモリに記憶されている第一及び第二の撮影画像について、各画像の最大信号レベル値及び最小信号レベル値を検出することにより各信号特性レベルを求め、一方の信号特性レベルを、他方の信号特性レベルに合わせるものである。
【0030】
この発明に係る撮像方法は、画像メモリに記憶されている第一及び第二の撮影画像について、所定領域における平均信号レベルを求め、一方の平均信号レベルを、他方の平均信号レベルに合わせるものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1による撮像装置の構成を示すブロック図であり、ここでは、静止画像を撮影可能なディジタルスチルカメラとして実現した場合を想定している。図において、1は入射する被写体像の光路を変位させる画素ずらし光学手段であり、例えば、本出願人により出願済みの特開昭61−267462号公報に示されるように、磁場により異方性を示す磁気光学素子を用いた場合を例にとって説明する。2は、図43のBayer配列がなされた正方形の電荷結合素子(以下、CCDと称す)を面状に備え、光学像を光電変換する撮像素子である。
【0032】
また、図1において、3は撮像素子2からのアナログ信号をデジタル変換するアナログ/デジタル変換手段(以下、A/D変換手段)、4は画素ずらし光学手段1、撮像素子2及びA/D変換手段3を制御する撮像部制御手段、5は画素ずらし光学手段1,撮像素子2,A/D変換手段3,撮像部制御手段4を含む撮像部である。
【0033】
さらに、図1において、6は、撮像部制御手段4と通信しながら、撮像装置全体の制御を行うCPU等のカメラ制御手段、7はデジタルの画像データを一時記憶する画像メモリ、8はA/D変換手段3からのデジタルの画像データを画像メモリ7に書込むダイレクトメモリアクセスコントローラ(以下、DMAコントローラ)等のメモリ制御手段、9は、画像メモリ7に蓄積された画像データに対して、画像処理を施すソフトウェア又は電子回路により構成される画像処理部である。
【0034】
さらに、図1において、10は、画像メモリ7に蓄積された画像データに対して、白バランス補正や黒レベル補正、又はガンマ補正等を施す信号レベル補正手段、11は画像データをデジタル画像処理で高解像度に補間・合成する画素補間・合成手段、12は、画素補間・合成手段11で得られる1枚の高解像度化された画像に対し、光学系あるいは回路系で発生するノイズ除去を行うノイズ除去フィルタ等を含む画像補正手段、13は最終的に得られるフルカラー画像を国際標準化方式であるJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等の画像圧縮方式で符号化する画像圧縮手段である。
【0035】
さらに、図1において、14は、撮像部5及び画像処理部9を経て、最終的に得られる画像を液晶画面表示したり、又はフラッシュメモリ等の2次記憶手段に蓄積するインタフェース部であり、そのほか、RS232C等のシリアルインタフェースや、赤外線通信等の伝送路とのデータインタフェース、シャッタスイッチ等のマンマシンインタフェースの機能も備えている。
【0036】
図2は撮像部5の構成を示す図であり、図において、31は画像の入射光を結合するレンズ、32は結合された入射光に対して振動面が一平面に制限された直線偏光を生成する偏光板、33はコイル34と共に磁界を発生させる磁界発生手段、35は、コイル34内に発生した磁場により光学的性質が変化する磁気光学効果を生じ、直線偏光の振動方向を変化させる鉛ガラス等のファラデー素子(磁気光学素子)、36は、振動方向により屈折率が変化し、光を独立した偏光成分に分割する水晶板等の複屈折板である。
【0037】
次に動作について説明する。
初めに撮像装置全体の概略動作を説明し、各部の詳細な動作は後述する。ここでは、画素ずらし光学手段1を用いて、45度方向に半画素ずらした画像を2枚撮影し、CCDに結像された実際の画素数に対して、2×2倍の画素密度を有する高精細画像を得る手順について説明する。
【0038】
撮影者により高精細モードでの撮影がインタフェース部14から設定され、図示しないレリーズスイッチの押し下げが、マンマシンインタフェースからカメラ制御手段6に伝達されると、撮像部5では、撮像部制御手段4からの指示に基づき、磁界発生手段33における第一の磁界印加条件(例えば、印加磁界なし)での撮像を行い、撮像素子2で光電変換される。撮像素子2からの画像信号は、A/D変換手段3によりデジタル化され、メモリ制御手段8へ伝送される。メモリ制御手段8は、入力された画像データを画像メモリ7に後述する規則に従って記憶させる。
【0039】
次に、撮像部制御手段4からの指示に基づき、磁界発生手段33における第二の磁界印加条件により、1枚目の撮影画像に比べて−45度方向に1/2画素ずらして撮影された画像は、メモリ制御手段8により画像メモリ7に記憶される。次に、画像処理部9では、第二の撮影画像の入力終了に伴い、画像メモリ7上に記憶されている第一及び第二の撮影画像の読出しを行い、信号レベル補正手段10にて、両画像のRGB各色の信号レベル値に、強度補正係数を乗じて白バランス補正処理を施す。
【0040】
次に、画素補間・合成手段11では、第一及び第二の撮影画像に対し後述する高解像度化処理を施し、2枚の撮影画像を1枚の高解像度画像に合成する。さらに、後段の画像補正手段12,画像圧縮手段13を経て、図示しない液晶ディスプレイへの表示、又はコンパクトフラッシュメモリカード等の二次記憶媒体への記憶を行うために、インタフェース部14へ転送される。
【0041】
以下に、撮像部5における画素ずらし光学手段1,メモリ制御手段8による画像メモリ7への画像記憶方法、及び画素補間・合成手段11の動作について詳細な説明を行う。
【0042】
図3は図2に示す撮像部5の光学系を示す図である。図において、lはファラデー素子35の厚さ、Haはファラデー素子35に印加されている磁界の方向、Loは第一の磁界印加条件による常光線、Leは第二の磁界印加条件による異常光線で、Pは常光線Loと異常光線Leの撮像素子2上の距離を示す。なお、常光線Loは複屈折板36を真っ直ぐに通過する光線であり、異常光線Leは複屈折板36を屈折して通過する光線である。
【0043】
図4,図5,図6は、偏光板32,ファラデー素子35,複屈折板36を、それぞれ図3のA−A方向、B−B方向、C−C方向から見た図である。図3において、画像を結像させるためのレンズ31からの光が偏光板32に入射すると、図4に示す振動方向Waの直線偏光が得られる。振動方向Waの直線偏光が、ファラデー素子35に入射すると、上記磁界の方向Haの印加磁界により、上記直線偏光の偏光面が回転する。なお、ファラデー素子35に、磁界の方向Haに進む直線偏光を入射させると、その透過光の偏光面が回転するが、その回転角θは次の(1)式により得られる。
θ=R×l×H (1)
【0044】
ここで、lはファラデー素子の厚さ、Hは磁界の強さ、Rはベルデ(Verdet)定数である。なお、上記(1)式に関しては、例えば、株式会社朝倉書店発行の「光学的測定ハンドブック」等に記載されている。図5において、回転角θが0度となる磁界の強さをHθ0とすると、H=Hθの時には振動方向Waの直線偏光が得られ、H=Hθ0の時には、振動方向Wθ0の直線偏光が得られる。
【0045】
振動方向Waの直線偏光が複屈折板36に入射すると、図6に示す常光線Loが得られる。また、振動方向Wθ0の直線偏光が複屈折板36に入射すると、図6に示す異常光線Leが得られる。常光線Loと異常光線Leの距離をPとすると、P=PH/2(PHは撮像素子2の水平画素ピッチを示す)に選ぶ。
【0046】
図7は実施の形態1による撮像装置の動作タイミングを示す図である。図において、図7(1)は撮影するフレームの同期をとるためのフィールドシフトパルス、図7(2)はファラデー素子35に印加される磁界の強さH、図7(3)は信号読み出しパルス、図7(4)は撮像素子2の出力信号、図7(5)はA、Bフィールドを1フレームとして見た場合の信号読み出しパルスを示す。ここでは図7(2)に示すように、ファラデー素子35に印加される磁界の強さHの変化の位相を、図7(1)のフィールドシフトパルスに一致させている。
【0047】
上記処理により、この撮像装置では、各A,Bフィールドでの信号電荷蓄積を、入射画像と撮像素子2の画素との相対的な位置に関して、PH/2だけ離れた位置で行うことができる。すなわち、ファラデー素子35に印加される磁界の強さHを時間的に変化させ、入射光学像と撮像素子2との相対的な位置関係を時間的に変化させることにより、撮影画像の空間サンプリング領域を増加できる。これに対応して、図7(3)に示す信号読み出しパルスのタイミングも、上記PH/2に相当する時間Tだけずらしている。その結果、図7(5)に示すように、各A,Bフィールドを1フレームとした1周期で高画素密度化画像を得ることが可能になる。
【0048】
この実施の形態では、説明の簡易化のために、画素ずらし方向として水平方向、すなわち一次元空間に対する座標について説明したが、同様な原理で画素ずらし位置を二次元的に行える。その際には、偏光板32,磁気光学効果を有するファラデー素子35,複屈折板36からなるn組の光学素子群を撮像系に配置し、それぞれの光学素子群の間に、例えば、直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板をn−1個挿入すればよい。上記n組の光学素子群におけるn個の磁気光学効果を有する光学素子に印加する2値的な電圧を、それぞれ設定することにより、2のn乗枚の画素ずらしを行った画像を得ることができる。
【0049】
図8は画素ずらしを説明する図である。図において、上記撮像原理により、図43のBayer型単板カラーの撮像素子2を用いて、図8に示す●印で表される第一の印加磁界条件による重心(画素の中心)を持つ画素位置に対して、−45度方向に1/2画素ずらした○印で表される第二の印加磁界条件による重心を持つ画素位置に撮像することができる。この場合の画像メモリ7への記憶方法、及び画素補間・合成手段11における高解像度化処理について、図を用いて詳細に説明する。
【0050】
図9は画素ずらしをした場合の各画素の位置関係を示す図であり、図において、●印(R1,G1,B1)は第一の印加磁界条件で撮像した場合の撮像画素、○印(R2,G2,B2)は第二の印加磁界条件で撮像した場合の撮像画素、斜線がある画素は空白画素である。この空白画素に色信号を内挿することにより、図に示すように、撮像素子2に対して主走査方向及び副走査方向に、各々2倍の都合4倍の画素数を持つ画像を生成することになる。各撮影画像は、メモリ制御手段8により、画像メモリ7において、2×2画素からなるマトリクスの対応する位置、例えば1枚目の撮像画素は、各マトリクスの左上の画素位置に、2枚目の撮像画素は、各マトリクスの右下の画素位置(即ち1枚目の対応する画素に比べて−45度方向にずらした位置)に、一時記憶される。
【0051】
実際には、メモリ制御手段8として構成されるDMAコントローラは、メモリの連続領域に対して、高速にデータ転送を行うことが可能であるため、実際のメモリの物理アドレスとして、図9に示すように配列することが必ずしも得策ではない。例えば、各撮影した画像データを画像メモリ7の連続する領域に各々格納しておき、以下の画素補間・合成手段11において、図9の相対位置関係を保持するようにアドレッシングすることで、同等の意味を持たせて処理を行うこともできる。
【0052】
画像メモリ7に記憶された各画像データは、信号レベル補正手段10によって補正処理が施される。補正処理は、例えば、撮像素子2におけるRGB各色に対応した色フィルタの感度特性を補正し、白色を正しい信号レベルに補正する白バランス補正処理や、低感度域あるいは高感度域の信号のダイナミックレンジを補正するガンマ補正処理等が必要に応じて選択される。
【0053】
図10は画素補間・合成手段11の処理手順を示すフローチャートである。画素補間・合成手段11が、撮像画素において非撮影色信号を生成して補間すると共に、空白画素における全色成分の内挿を行うことで、色補間と高解像度化を実現する。初めに、図43のBayer配列をしたR色フィルタ又はB色フィルタを透過したR成分又はB成分である撮像画素(以下、R/B画素位置と称し、図9のR1,R2,B1,B2)におけるG成分生成処理(補間処理)を行い(ST101)、次に、図9の空白画素位置におけるG成分生成処理(内挿処理)を行う(ST102)ことにより、図9の全画素におけるG成分を生成する。
【0054】
次に、R/B画素位置におけるB成分又はR成分の生成処理(補間処理)を行い(ST103)、G画素位置におけるR色成分及びB色成分の生成処理(補間処理)を行い(ST104)、そして、図9の空白画素位置におけるR色成分及びB色成分の生成処理(内挿処理)を行う(ST105)ことにより、図9の全画素におけるR成分及びB成分を生成する。
【0055】
各処理は、色成分生成を行う対象画素(以下、注目画素と称す)を画像メモリ7に蓄積される画素位置に対して、順次x方向(主走査)にラスタスキャンを行い、1ラインの処理が終了した場合に、y方向に1画素進んだラスタスキャンを繰り返し行う。
【0056】
次に、各ステップにおける具体的な動作について説明する。上記図44には、画素補間・合成手段11の処理前の既存の色信号成分とその位置関係が示されている。図44において、1の添え字がついた色信号は1枚目の撮影画像から得られ、2の添え字がついた色信号は2枚目の撮影画像から得られる。画素補間・合成手段11は、1枚目及び2枚目の撮影色信号を用いて他の色信号を生成する。
【0057】
初めに、R/B画素位置におけるG成分生成処理(ST101)では、画素ずらし光学手段1における画素ずらし方向(右下がりの方向)に対して垂直方向(右上がりの方向)に存在するG成分及びR成分(又はB成分)を用いることで、相似的に注目画素におけるG成分を算出する。例えば、R画素位置のG成分は、次の(2)式に従って演算する。図11は、(2)式における各参照画素位置、すなわち、注目画素がR画素である場合に、注目画素のG成分を求める際の参照画素位置を示す図である。
gR=R×(G1>>2+G2>>2+G3>>2+G4>>2)/(R1>>2+R>>1+R2>>2) (2)
【0058】
上記(2)式において、gRは注目画素がR画素位置である場合のG成分値、Rは注目画素におけるR成分値を示している。また、演算記号>>はビットシフト演算を示し、例えば、G1>>2は、2進数で示されたG1の成分値を2ビット右にシフトすることにより、G1の成分値を4で割ることを意味し、R>>1は、2進数で示されたRの成分値を1ビット右にシフトすることにより、Rの成分値を2で割ることを意味する。
【0059】
上記(2)式は、R成分の変化に対して、近似的にG成分を相似演算するものである。図12は、このR成分の変化に対する近似的なG成分の相似演算を説明する図である。図において、●は撮像画素における撮影値であり、○が左右のG2,G3成分の中間値(平均値)、◎が(2)式により算出された注目画素におけるG成分(gR)である。一般的に、撮影画像における局所領域では、各色信号の変化に相関があり、例えばR2,G3成分値でピークがある場合、G成分値もピーク値になることが多い。しかし、従来の線形処理では、例えば、左右のG成分の中間値○が注目画素におけるG成分値となるため、R画素位置におけるG成分をピークとして再現できず、再生する画像の解像度が、撮像素子2の持つ解像度の1/2以下に抑制されるばかりか、色間の相関が崩れて、本来存在しない偽色が発生する原因になる。
【0060】
この実施の形態においては、画素ずらし光学手段1により、−45度方向(2枚目の撮影画像を基準に考えれば135度方向)に、1/2画素ずらして撮影しているため、ずらし方向に対しては、撮像素子2の持つナイキスト周波数を超える解像度の画像が撮像されている。従って、上記(2)式を、画素ずらし方向(右下がりの方向)に対して垂直方向(右上がりの方向)に適用することにより、画素ずらし方向に対して法線方向の解像度も上昇させることが可能となり、これにより得られるG成分の画像は、全方位に対して解像度の高いものとなる。
【0061】
次に、空白画素位置におけるG成分生成(ST102)について詳細に説明する。図13は7×7画素からなる参照画素ウィンドウを示す図である。図において、網掛け部分は、ステップST101の処理により、この段階で画像中に存在するG成分の位置を示し、空白部分はこの段階で色成分が存在しない空白画素である。また、矢印は注目画素を中心とする7×7画素からなる参照画素ウィンドウで検出可能な線分方向を示している。
【0062】
空白画素位置のG成分を内挿する場合、周辺画素を参照して、画像中のエッジにあたる部分が注目画素を通過するか否かを判定し、画像中のエッジにあたる部分が注目画素を通過する場合には、エッジ線分の稜線方向に画素内挿を実行することで、シャープなエッジ再現が可能である。
【0063】
線分方向の検出は、以下の手順に従って実行する。注目画素及び8近傍画素に存在するG成分に対して、信号レベル平均値Davを算出する。次に、算出した信号レベル平均値Davをしきい値として、7×7画素ウィンドウ内の各G画素の信号値を、信号レベル平均値Davより大きい場合は1、又は信号レベル平均値Davより小さい場合は0に2値化する。2値化されたウィンドウ内のG画素は、予め定められている複数のパターンと比較され、パターンの一致により、中心画素を通る線分方向、及び線分のどちら側に明あるいは暗があるかという線分方向情報が認識される。これらの線分方向情報に基づいて、線分の稜線方向に存在する複数の画素値を、例えば線形内挿して注目画素のG成分が算出される。
【0064】
図14は2値化されたウィンドウ内のパターンと線分方向を示す図である。例えば、7×7画素ウィンドウ内の画素が、図14の斜線部(0)及びたすき線部(1)に2値化された場合、パターンマッチングにより、図の矢印の線分方向に画像のエッジが通っていることが検出され、図における注目画素に近い4つの画素A1,A2,A3,A4の画素値を単純平均、又は注目画素からの距離に対する重み付け平均等により、注目画素のG成分を内挿する。
【0065】
線分方向を検出し、その稜線方向に内挿することで、一般的な8近傍画素の単純平均値により成分内挿する場合に比べ、エッジをシャープに、かつ線分を滑らかに内挿することが可能となる。これにより、画像の観察者に対して高い解像感を与えることが可能となる。
【0066】
以上の方法で、全画素のG成分が高い解像度で生成され、この結果を参照することで、R/B成分に関しても高解像度に補間生成することができる。図15は注目画素がB画素である場合に、注目画素のR成分を求める際の参照画素位置を示す図である。即ち、R/B画素位置におけるB/R成分を生成する処理(ステップST103)において、例えばB画素位置におけるR成分を生成する場合には、図15の位置関係にあるR1,R2画素及びR1,R2画素におけるG成分から、次の(3)式を用いて相似演算を行う。
【0067】
上記(3)式において、gB,g1,g2は、上記ステップST101の処理で求めた注目画素(B画素),R1画素,R2画素におけるG成分である。
【0068】
図16はG成分の変化に対する近似的なR成分の相似演算を説明する図である。図において、●はステップST101までの処理で求められている画素値であり、○が左右のR1,R2成分の中間値(平均値)、◎が(3)式により算出された注目画素におけるR成分である。このようにして、B画素位置におけるR成分を高解像度に再現する。同様にして、R画素位置におけるB成分も高解像度に再現することができる。
【0069】
次に、G画素位置におけるR/B成分生成の処理(ステップST104)について説明する。図17は注目画素がG画素である場合に、注目画素のR成分を求める際の参照画素位置を示す図である。図において、Rは撮像時のR画素位置を示し、rは前段階で補間生成されたB画素位置におけるR成分を示す。また、Xは注目画素(G画素)における生成対象のR成分を示し、この時点で全画素のG成分は算出済みである。図17の位置関係に存在するR成分とG成分を、上記(3)式に相当する式に当てはめて、相似演算を行うことにより、G画素位置におけるR成分を高解像度に再現する。G画素位置におけるB成分も、同様にして高解像度に再現することができる。
【0070】
また、空白画素位置におけるR/B成分生成(ST105)に関しては、上記空白画素位置におけるG成分生成と同様のパターンマッチングを用いた線分に対する稜線方向検出により内挿を行う。この時、R/G/B成分のパターンマッチング結果の相違から生じる誤生成を防止するために、G成分生成時に検出した線分方向に基づき、R/B成分生成を行うように構成してもよい。
【0071】
以上のように、撮像素子の2×2倍の画素数を持つ4画素分の高解像度画像が、画素補間・合成手段11により生成され、生成されたフルカラー画像は、画像補正手段12において、光学系及び撮像系の画像歪を補正するノイズ除去フィルタ等の処理が施され、画像圧縮手段13により、JPEG方式の画像符号化の後、インタフェース部14に送られる。このようにして、2枚の画素ずらし画像から撮像素子2のナイキスト周波数を超える高解像度の画像が形成される。
【0072】
この実施の形態1では、画素ずらし光学手段1により、−45度方向に1/2画素ずらして撮影した2枚の画像を用いて高解像度化処理する例を示したが、この限りでない。すなわち、撮像素子2の各受光素子は、有限数が面状に配置されており、受光素子面における入射光を積分値として信号出力するため、これにより、撮影画像の空間周波数は、ナイキスト周波数により制約を受けていることが標本化定理より説明できる。
【0073】
これに対し、「2台のカメラを用いる超高精細画像取得法」(小松、相澤、斎藤:テレビジョン学会誌Vol.45,N0.10,pp.1256〜1262)によると、開口率100%の撮像素子を用いて画素ずらし画像を統合した場合、2倍以内の解像度まで改善可能であることが明示されている。本方式を用いて、実際の撮像素子の開口率や受光素子の形状等を考慮して、ずらし方向、ずらし量及び撮影枚数を最適化することで、合成画像における解像度を最適化することができる。
【0074】
また、この実施の形態1では、(2)式及び(3)式により、2色成分の相似比を用いて色成分を相似演算する方法を示したが、式の形態はこの限りでない。即ち、撮像素子2の解像度に比較して、レンズ等の光学系の解像度が十分に高く、かつ構成する撮像装置が自動合焦手段を備え、被写体に高精度に合焦している場合、(2)式に用いた各色成分値の画素の相対位置関係では、急峻なエッジを十分に再現できない場合がある。
【0075】
その場合、(2)式の演算により、偽色抑制効果が十分に発揮されないことになり、画質劣化に繋がるため、例えば、注目画素の周辺画素値を参照してエッジ量を求めておき、エッジ量に応じて相似強度を適応的に調節することで、安定した画質を確保することができる。これは、例えば、上記(2)式を次の(4)式のように変形させることで容易に達成可能である。
【0076】
【数1】
【0077】
ここで、nはエッジ強度に応じて変化させる相似強度のレンジを表し、k(0≦k≦n)は、エッジ強度を調節する係数であり、エッジ強度でエッジ成分が小さいほど値は大きくなる。従って、k=nの場合に、(4)式は次の(5)式に示すように、周辺G成分からの線形補間値となり、本手法を安定化させることが可能になる。
gR=G1>>2+G2>>2+G3>>2+G4>>2 (5)
【0078】
また、この実施の形態1では、パターンマッチングの際に、7×7画素からなるウィンドウを用いて、8方向の線分検出を行っているが、この限りでなく、実行するソフトウェアの高速化や回路規模の低減を図る場合は、ウィンドウサイズを小型化し、45度刻みの4方向や、水平及び垂直のみの2方向の画素間におけるエッジ線分の相関を用いるように構成してもよい。
【0079】
また、この実施の形態1では、画素ずらし光学手段1の撮像条件を変化させた2枚の画像を撮影し、画像メモリ7に記憶し終えた後に、後段の画像処理部9における処理を開始する構成としたが、この限りでない。即ち、画像処理部9における信号レベル補正手段10は、2枚の撮影画像に対して、同じ白補正係数又はガンマ補正テーブルを用いて、一括して実施することも可能であるが、各画像に対して個別に実行してもよく、この場合、2枚目の撮影動作を行っている間に、1枚目の信号レベル補正手段10による処理を行うように構成することで、全工程の高速化に繋がる。
【0080】
また、この実施の形態1では、1枚目の撮影画像に対して、2枚目の撮影画像を−45度方向に画素ずらしする例を示したが、この限りでなく、45度方向、135度方向あるいは−135度方向にずらしても、同一の処理が適用可能であることは言うまでもない。
【0081】
以上のように、この実施の形態1によれば、偏光板32,ファラデー素子35,複屈折板36により、精度の高い画素ずらし量を実現することができると共に、画素補間・合成手段11が、撮像画素において、各色信号の相関を考慮して非撮影色信号を補間し、空白画素において、画像中のエッジにあたる部分のエッジ線分方向を考慮して、全色成分の内挿を行うことで、単なる近隣画素の平均値を求めて補間や内挿を行う線形処理の画像に比べ、高解像度の画像を実現できるという効果が得られる。
【0082】
実施の形態2.
図18は実施の形態2による撮像装置の構成を示すブロック図である。図において、21は、撮像部5から出力される画像データのうち、ライン数分を遅延蓄積するラインバッファ、22はラインバッファ21に蓄積された画像データを固定長圧縮方式にて符号化する固定長圧縮手段、23は固定長圧縮手段22で圧縮された画像データを蓄積する圧縮画像メモリ、24は、画像処理部9の中に構成され、圧縮画像メモリ23に蓄積されている画像データを復号化する固定長伸長手段である。その他の構成は、実施の形態1における図1と同等である。
【0083】
次に動作について説明する。
画素ずらし光学手段1を含む撮像部5の動作については、実施の形態1と同等である。撮像部5から入力された画像データは、固定長圧縮手段22で画像圧縮するために、ラインバッファ21に一時記憶される。以下に、固定長圧縮手段22における圧縮動作について詳細に説明する。
【0084】
固定長圧縮手段22における固定長符号化アルゴリズムとしては、例えば4×4画素を1単位とするブロック毎に、隣接画素情報の冗長性を排除する符号化法を行うものを用いる。この場合、図43に示す画素配列では、隣接する画素位置には、同じ色の画素が存在しないため、固定長圧縮手段22は、同色画素をブロック化する。
【0085】
図19は、固定長圧縮手段22により、図43の画素配列が並べ替えられる様子を示した図である。図19(1)が並べ替え前の画素配列を示し、図19(2)が並べ替え後の画素配列を示す。撮影された画像データは、撮像部5から順次ラインバッファ21に蓄積され、未処理の画像データが8ライン分揃った段階で、固定長圧縮手段22は画素配列の並べ替えを行い、符号化を実施する。画素並べ替えは、8×8画素単位に行い、各色4×4画素を単位ブロックとしてブロック化する。並べ替え後の画像データは、ブロックの左上方向のアドレスと右下方向のアドレスにG成分が集められて配列され、左下方向のアドレスにB成分、右上方向のアドレスにR成分が集められて配列される。
【0086】
次に固定長圧縮手段22における画像符号化方法について説明する。図20は上記並べ替えられた単位ブロック内のカラー画像データを、固定長圧縮手段22で符号化する場合のアドレスを示す図である。すなわち、縦横4画素分ずつの同一カラーの画像データの塊である単位ブロックのうち、縦方向m行、横方向n列(m,nは自然数で、0<m,n≦4)のアドレスの画像データに、後述する量子化レベルを付す処理を行う。
【0087】
図21は各画素の画像データの強度を階層化(量子化)する量子化レベルを示す図である。図において、Lminは、図20に示した4×4画素の画像信号強度中の最小値、Lmaxは同じ4×4画素の画像信号強度中の最大値、P1は最大値Lmaxと最小値Lminとの間を8等分した下から8分の1の値、P2は上から8分の1の値、Q1はLmin以上でP1以下の信号強度を有する画素の平均値、Q8はLmax以下でP2より大きい信号強度の画素の平均値である。
【0088】
また、LDは単位ブロック内の階調幅指標で、Q8−Q1に等しい。L1〜L7は階調幅指標LDを8等分した値を小さいほうから並べたものである。LAは単位ブロック内の画像データ平均値レベルで、(Q1+Q8)/2に等しい。φijkは画素毎の量子化レベルを表す。
【0089】
図22及び図23は固定長圧縮手段22による符号化手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照しながら符号化手順を説明する。まず、固定長圧縮手段22は、図19(2)のように並べ替えられた単位ブロック内の画像データを読み込む(ステップST1)。
【0090】
次に、読み込んだ4×4画素分の画像データの信号強度を演算し、以下の各式に従って順次P1,P2,Q1,Q8,LA,LD,L1〜L7の値を求める(ステップST2〜ステップST13)。
P1=(Lmax+7Lmin)/8
P2=(7Lmax+Lmin)/8
Q1=Ave(Xmn≦P1)
Q8=Ave(Xmn>P2)
LA=(Q1+Q8)/2
LD=Q8−Q1
L1=LA−3LD/8
L2=LA−LD/4
L3=LA−LD/8
L5=LA+LD/8
L6=LA+LD/4
L7=LA+3LD/8
【0091】
なお、ステップST4のQ1の式は、Lmin以上でP1以下の信号強度を持つ画素の平均値を求めることを意味し、ステップST5のQ8の式は、Lmax以下でP2より大きい信号強度を持つ画素の平均値を求めることを意味する。
【0092】
このようにして、順次P1,P2,Q1,Q8,LA,LD,L1〜L7の値を求めた後、固定長圧縮手段22は、n=1、m=1とおいて(図23のステップST14、15)、この時のアドレス(m,n)の画素の信号強度(以後、画素値と称する)Xmn(すなわち画素値X11)が、L1以下であるか否かを判断する(ステップST16)。
【0093】
画素値X11がL1以下である場合には、この画素値の量子化レベルφijkを2進数の000と設定する(ステップST17)。次に、mを1だけインクリメントし(ステップST31)、mが4以下であるか否かを判別する(ステップST32)。mが4以下である場合は、その画素の画素値を再びL1と比較する(ステップST16)。
【0094】
ステップST32で、mが4より大きい場合には、nを1だけインクリメントし(ステップST33)、インクリメントしたnが4以下であるか否かを判別する(ステップST34)。nが4以下である場合は、ステップST15に戻り、m=1にして、その画素の画素値を再びL1と比較する(ステップST16)。
【0095】
画素値XmnがL1より大きい場合には、L2以下であるか否かを判別し(ステップST18)、画素値XmnがL2以下である場合は、この画素の量子化レベルφijkを2進数の001と設定する(ステップST19)。次に、mを1だけインクリメントし(ステップST31)、mが4以下であるか否かを判別する(ステップST32)。mが4以下である場合は、その画素の画素値Xmnを再びL1と比較する(ステップST16)。mが4より大きい場合には、nを1だけインクリメントし(ステップST33)、インクリメントしたnが4以下であるか否かを判別する(ステップST34)。nが4以下である場合には、ステップST15に戻り、m=1にして、その画素の画素値を再びL1と比較する(ステップST16)。
【0096】
以下、同様に、画素値がL1〜L2間、L2〜L3間、L3〜LA間、LA〜L5間、L5〜L6間、L6〜L7間のいずれの値を有するかを判別し(ステップST16,ST18,ST20,ST22,ST24,ST26,ST28)、その値に応じて、それぞれ量子化レベルφijk=000,001,010,011,100,101,110,111を当該画素に割り振る(ステップST17,ST19,ST21,ST23,ST25,ST27,ST29)。
【0097】
このようにして、同一単位ブロック内の全画素に量子化レベルを割り振って符号化を終了する。単位ブロックの符号化データはLA,LD,各画素毎のφijkである。
【0098】
これらの処理は、画面全体に対して単位ブロック数分繰り返す。A/D変換手段3からの画像データが、1画素あたり10ビットである場合、すなわち、ビット詰めしない場合、2バイト(16ビット)に相当し、4×4画素の単位ブロックでは、固定長符号化を行わない場合には、256ビット必要であるが、固定長符号化を行う場合には、画像データ平均値レベルLA,階調幅指標LDが各16ビット、量子化レベルφijkが48ビットで、合計80ビットで済み、固定長符号化による画像圧縮率は10/32となる。
【0099】
このように、撮影された各画像データは、逐次同色画素の画素のみで構成されたブロック毎に、固定長圧縮手段22において固定長符号化が行われ、画像データ量の低減が施された上で、メモリ制御手段8を介して圧縮画像メモリ23に蓄積される。
【0100】
以上のようにして、2枚の撮影された画像データが圧縮画像メモリ23に蓄積された後に、画像処理部9における画像処理が施される。初めに、固定長伸長手段24が圧縮画像メモリ23に蓄積されている画像データの復号化処理を行う。図24は固定長伸長手段24の処理を示すフローチャートである。
【0101】
固定長復号化動作が開始されると、まず、縦方向座標値nを1に設定し(ステップST40)、横方向座標値mを1に設定する(ステップST41)。すなわち、ステップST40及びステップST41の処理により、ある単位ブロック中の座標値(1,1)のアドレスが指定される。
【0102】
次に、指定したアドレスの量子化レベルΦijkがいくつであるか判定し(ステップST42,ST44,ST46,ST48,ST50,ST52,ST54)、判定した各量子化レベルΦijkに応じて、平均値レベルLAと階調幅指標LDとに基づいて、その画素の信号強度Ymn(座標値(1,1)の画素であるならばY11)を求める(ステップST43,ST45,ST47,ST49,ST51,ST53,ST55,ST56)。
【0103】
各ステップにおいて、平均値レベルLAと階調幅指標値LDとから信号強度Ymnを求めるには、それぞれ次の演算式に従う。
Ymn=LA−LD/2 (ステップST43)
Ymn=LA−5LD/14 (ステップST45)
Ymn=LA−3LD/14 (ステップST47)
Ymn=LA−LD/14 (ステップST49)
Ymn=LA+LD/14 (ステップST51)
Ymn=LA+3LD/14 (ステップST53)
Ymn=LA+5LD/14 (ステップST55)
Ymn=LA+LD/2 (ステップST56)
【0104】
画素(1,1)の信号強度を求めたら、次に横方向に画素を1つ移動し(ステップST57,ST58)、同一の手順で画素(2,1)の信号強度を復号化する(ステップST42〜ST56)。
【0105】
このようにして、単位ブロック内の最上段の画素について信号強度を復号化した後(ステップST58)、縦方向の座標値を1だけインクリメントし(ステップST59)、次の段の画素について同様にして信号強度を復号化する(ステップST42〜ST58)。
【0106】
このようにして、単位ブロック内の全画素について信号強度を復号化して(ステップST41〜ST60)、復号化動作を終了する。
【0107】
図25は逆の並べ替え処理を説明する図である。図25(1)が逆の並べ替え前の画素配列を示し、図25(2)が逆の並べ替え後の画素配列を示す。次に、図25に示すように、固定長伸長手段24は、復号化されたデータに対して、固定長圧縮手段22で並べ替えた逆の並べ替え処理を施して、画素データを走査線方向に読み出したときと同一の順序で並べ替えて、画像メモリ7に記憶する。
【0108】
以上のように、画像メモリ7には、固定長圧縮前の画像データと等価な画像データが蓄積されていることになり、実施の形態1と同様の画像処理が、画像処理部9の他のブロックにおいて施され、インタフェース部14に出力される。
【0109】
以上のように、この実施の形態2によれば、複数枚の画像を撮影する際に、固定長圧縮手段22が、各々の画像データを圧縮することにより、撮像部5のA/D変換手段3から出力される画像データを圧縮画像メモリ23に蓄積する際、より少ないデータ量を蓄積することになり、連写間隔を短縮するための高速なメモリ制御回路、あるいは最低2フレーム分の高速書込みが可能な半導体メモリを使用する必要がなくなり、撮像装置を低価格に構成することが可能となるという効果が得られる。
【0110】
これは言い換えれば、少量の高速な圧縮画像メモリ23を使用することで、圧縮画像メモリ23への撮影したデータ蓄積速度を、見かけ上高速化することが可能であり、1枚目の撮影シーケンスが短時間に終了することで、2枚目の撮影動作を短時間の間合いで開始することができることになる。そのために、2枚の撮影画像間に生じる被写体の時間的な変化、あるいは撮影者の手ぶれ等を最小限に抑えることが可能となり、同一被写体を高精度に1/2画素ずらした撮影が実現できるという効果が得られる。
【0111】
この実施の形態2では、画像メモリ7と圧縮画像メモリ23を別個に設ける構成としたが、この限りでなく、同一の記憶領域を有する半導体メモリ上に併設する構成としてもよい。
【0112】
また、実施の形態2では、ラインバッファ21,固定長圧縮手段22,圧縮画像メモリ23を別個に設ける構成としたが、この限りでなく、これらの構成要素の2つ以上を、LSI等の集積回路1石に包含する構成としてもよい。
【0113】
さらに、実施の形態2では、画像メモリ7として、固定長伸長手段24で伸長した2画面分の記憶容量を持つもの示しているが、この限りではない。すなわち、固定長伸長手段24における復号化時に、図25(2)に示すx方向に処理を継続した場合、8ライン単位の復号画像が得られ、後段の信号レベル補正手段10は1画素単位に、画素補間・合成手段11は、最大でも図11に示す9ライン単位に、画像補正手段12は、3×3又は5×5画素のフィルタを想定した場合、高々3ライン又は5ライン単位に、画像圧縮手段13は、JPEG方式を用いた場合、8ライン単位に処理が可能である。
【0114】
そのため、画像メモリ7として、数十ライン分のラインバッファで構成し、固定長伸長手段24から画像圧縮手段13、又はインタフェース部14における出力までを、必要最小限のライン単位に実行することで、画像メモリ7は大幅に削減可能である。
【0115】
実施の形態3.
この実施の形態3による撮像装置の構成は、実施の形態1の図1、又は実施の形態2の図18と同等である。この実施の形態3では、画像処理部9における信号レベル補正手段10の処理が、上記実施の形態と異なる。
【0116】
撮像部5で撮影された2枚の画像データは、A/D変換手段3を経て、画像メモリ7に蓄積される。蓄積された画像データは、各々、信号レベル補正手段10で、白バランス補正処理やガンマ補正処理等の個別に適用可能な信号補正処理が施される。この時、1枚目の画像と2枚目の画像は、時系列的に撮影されているため、例えば50〜60MHzの比較的低周波で、発光を繰り返す蛍光灯を光源として撮影した場合、光源の発光タイミングとシャッタ時間の関係で、2枚の画像の入射光量に差異が生じる場合がある。即ち、撮影した2枚の画像の平均明度に差が生じ、後段の画素補間・合成手段11で画像合成を行う際に、画質劣化の原因となりうる。
【0117】
図26は信号レベル補正手段10の処理を説明する図である。図26(a)は、1枚目の撮像条件に比して、2枚目の撮像条件における照明光量が、30%程度低下した場合の同一被写体を撮影した際の明度特性を示している。定照明下で撮影した際の各信号レベルは、照明条件が変化した場合に、平均明度の低下とダイナミックレンジの縮小が発生する。図において、Max及びMin値は、各画像における最大信号レベル及び最小信号レベルである。実施の形態3における信号レベル補正手段10では、各画像内の信号レベル補正処理の他、2枚の画像の信号レベル補正処理を行う。
【0118】
即ち、各画像における最大信号レベル値及び最小信号レベル値を検出し、いずれか一方の信号レベル特性に、他方を合せ込む処理を行う。通常は、1枚目の画像撮影時に、自動露出補正あるいはシャッタ速度補正を行い、最適条件下で撮影を行うため、2枚目の画像を1枚目の明度分布特性に合わせるようにする。補正前後の2枚目の画像における各信号レベルを、それぞれD(j)(jは定照明下での各明度レベル値)及びD’(j)とすると、図26(b)に示すように、次の(6)式に従って補正を行う。
D’(j)=D(j)+(Min1−Min2) (6)
【0119】
続いて、図26(c)に示すように、次の(7)式に従って、1枚目の画像及び(6)式にて補正した2枚目の画像のダイナミックレンジを補正し、最終的な2枚目の補正信号レベルD”(j)を算出する。
D”(j)=D’(j)×(Max1−Min1)
/(Max2’−Min2’) (7)
【0120】
以上のように、この実施の形態3によれば、信号レベル補正手段10が、上記の処理を行うことにより、撮影した2枚の画像の照明条件が異なる場合においても、明度特性を良好に一致させることが可能であり、画素補間・合成手段11により、高精細画像を生成できるという効果が得られる。
【0121】
また、撮像装置の構成を、実施の形態2の図18に示す構成にし、撮影した画像データを、固定長圧縮手段22により符号化する場合、各符号における画像データ平均値LAは、16画素からなるブロック内の平均信号レベルを代表する値であることから、上記手順を全てLAを対象に実施しても、等価的に同等の効果を実現可能であることは容易に説明できる。このように構成した場合、上記全画素を対象に行っていた最大・最小信号レベル検出、及び信号レベル補正に関する演算規模を、1/16に抑制することが可能であり、処理の高速化を実現できるという格別の効果も得られる。
【0122】
実施の形態3では、2枚目の撮影画像に対して、(6)式及び(7)式を順次適用するように構成したが、この限りでなく、これらを1回の画像データ走査で行えることは言うまでもない。
【0123】
実施の形態4.
この実施の形態4による撮像装置の構成は、実施の形態1の図1、又は実施の形態2の図18と同等である。この実施の形態4では、画素ずらし光学手段1として、電界の強さに応じて透過光の屈折現象が変化する電気光学素子を用いる点が、実施の形態1及び実施の形態2と異なる。図27は実施の形態4による撮像部5の構成を示す図である。図において、41は電圧印加により電界を発生する電界発生手段、42は電界の強さに応じて透過光の屈折率が変化する電気光学素子であり、その他の構成は、実施の形態1の図2と同等である。
【0124】
次に動作について説明する。
図28は図27に示す撮像部5の光学系を示す図であり、図において、Eaは電気光学素子42に印加される電界の方向を示す。図29、図30、図31は、図28における電気光学素子42及び偏光板32を、A−A,B−B,C−Cの方向から見た図である。図28において、画像を結像するためのレンズ31から電気光学素子42に入射する自然光は、図29に示すように、互いに直交する2つの偏光成分LX、LYであらわすことができる。電気光学素子42に電界が印加されていない場合は、図30のLX0,LY0に示す偏光成分が、上記LX,LYが直進した位置に観測される。
【0125】
電気光学素子42に所定の電界の強さEが印加されると、電気光学素子42は複屈折現象を呈し、図30のLX1,LY1に示す偏光成分が観測される。ここで、LX1は複屈折現象における常光線として、LXが直進した位置に観測され、LY1は複屈折現象の異常光線として、LYが直進した位置より距離Pだけずれた位置に観測される。ただし、この場合、図31に示すようなP=PH/2(PHは撮像素子2の水平画素ピッチを示す)となるような電界の強さEを、電界発生手段41により電気光学素子42に印加する。
【0126】
電気光学素子42を通過した、電界が印加されていない場合のLX0,LY0、電界が印加された場合のLX1,LY1は、偏光板32で直線偏光となり、LY0,LY1が距離Pだけずれて透過し、図28に示すように、撮像素子2で距離Pだけずれた位置に結像される。
【0127】
この実施の形態による撮像装置の動作タイミングは、実施の形態1の図7と同等である。ただし、図7(2)は電気光学素子42に印加される電界Eの強さを示す図であり、電界Eの強さの変化の位相を、図7(1)のフィールドシフトパルスに一致させる。
【0128】
上述の動作により、この実施の形態4による撮像装置は、A、Bフィールドでの信号電荷蓄積を、入射画像と撮像素子2の画素との相対的な位置に関して、PH/2だけ離れた位置で行うことができる。これに対応して、図7(3)に示す信号読み出しパルスのタイミングも、PH/2に相当する時間Tだけずらしてある。その結果、図7(5)に示すように、この撮像装置はA、Bフィールドを1フレームとした1周期で高画素密度化した画像を得ることができる。
【0129】
以上のように、この実施の形態4によれば、電気光学素子42,偏光板32により、精度の高い画素ずらし量を実現することができるという効果が得られる。
【0130】
実施の形態5.
この実施の形態5による撮像装置の構成は、実施の形態1の図1、又は実施の形態2の図18と同様である。この実施の形態5では、画素ずらし光学手段1として、入射光の振動方向を変更する液晶板を用いている。図32は実施の形態5による撮像部5の構成を示す図である。図において、51は印加電圧を発生する駆動電圧発生手段、52は、偏光板32により生成された直線偏光を、駆動電圧発生手段51から発生された印加電圧により振動方向を変化させる液晶板である。その他の構成は、実施の形態1の図2と同等である。
【0131】
次に動作について説明する。
図33は図32の撮像部5の光学系を示す図であり、図において、A−Aは偏光板32の入射側、B−Bは偏光板32の出射側、C−Cは液晶板52の出射側、D−Dは複屈折板36の出射側を示している。図34、図35、図36、図37は、図33に示した上記A−A,B−B,C−C,D−Dから見た光の振動方向を示す。
【0132】
被写体を撮像する場合、光学系に入射される光は無偏光であるため、図34に示すように、垂直方向の偏光成分と水平方向の偏光成分とで示すことができる。偏光板32は入射された光から直線偏光した光を出射する。また、その振動方向は、図35に示すように、撮像素子2の水平方向の画素配列を基準角度とすると、基準角度に対して45°の角度となるように、偏光板32における振動方向の偏光軸を傾けて配置する。
【0133】
液晶板52は内部に液晶相を有し、2枚の電極基板で液晶を挟んだ板であり、外部から電圧すなわち電界が加わることにより、内部の液晶の分子配列変化に伴う電気光学効果を引き起こす。ここで用いる液晶板52は、入射される直線偏光の光の振動方向を、印加電圧の有無により変化させるものである。上記液晶板52を実現させるための一例として、上記電気光学効果の内で代表的な電界効果型である、ねじれネマチック(TN)型液晶による旋光効果などが挙げられる。
【0134】
図38、図39はねじれネマチック(TN)型液晶の動作を説明する図であり、TNモードを示すネマチック液晶は、正の誘電異方性をもっている。図38、図39において、61が液晶分子である。液晶板52に電圧が印加されたときは、図38に示すように、液晶分子61の分子長軸方向が両基板面で直行しているように配列するため、偏光板32を介して入射された直線偏光は、そのまま出射される。電圧が印加されていない時は、図39に示すように、液晶分子61の配列は連続的に90°ねじれており、光学的には90°旋光効果を起こすため、偏光板32から入射された直線偏光は90°ねじれて、出射光は入射光に対して90°振動方向が異なるようになる。
【0135】
液晶板52から出射された光の振動方向を図36に示す。図36において、c1は液晶板52において電圧が印加された状態であり、電圧が印加されない時にはc2のように、基準角度に対して135°の振動方向を有した直線偏光となる。ここで、c1の直線偏光を第1の振動方向、c2の直線偏光を第2の振動方向とする。液晶板52から出射された光は、次に複屈折板36に入射される。
【0136】
複屈折板36は屈折率が振動方向によって均一でない、いわゆる複屈折を有する材質であり、撮像装置では、被写体の空間周波数が撮像素子2の画素ピッチから求められるサンプリング周波数を超えている場合、偽の画像となる追い返しノイズ(エイリアジングノイズ)が現れるため、光学的ローパスフィルタとして、水晶板等が良く用いられている。
【0137】
図37において、d1は液晶板52のc1を入射して得られる常光線による第1の振動方向、d2は液晶板52のc2を入射して得られる異常光線による第2の振動方向を示し、wxは水平方向の撮像素子の画素ピッチ、wyは垂直方向の撮像素子の画素ピッチを示している。水晶板等の複屈折板36は、図37に示すように、入射する光を第1の振動方向d1と第2の振動方向d2とに分離し、その分離の距離間隔は、複屈折板36の厚みによって調整することが可能である。第1の振動方向d1と第2の振動方向d2を、水平方向にwx/2,垂直方向にwy/2だけ異なるように、複屈折板36の厚みを設定する。
【0138】
図32において、撮像部制御手段4からの制御により撮像素子2を駆動させる際に、駆動電圧発生手段51から液晶板52へ駆動電圧を出力する。液晶板52は、電圧が加わることにより、図38に示す液晶分子配列となり、第1の振動方向の入射光は、撮像素子2上に結像される。撮像素子2は、撮像部制御手段4の制御により、撮像を行い第1の画像を得る。
【0139】
次に、第1の画像を撮像した後、駆動電圧発生手段51は、液晶板52への印加電圧を0とする。液晶板52の液晶分子配列は、図39に示したようになり、第2の振動方向の入射光は、撮像素子2上に結像される。撮像素子2は、撮像部制御手段4からの駆動信号により撮像を行い、第2の画像を得る。
【0140】
図40は液晶板52への印加電圧パルスを示す図である。撮像部制御手段4は、図40における状態1の間に、第1の画像の撮像を終了させ、状態2の間に、第2の画像の撮像を終了させる。
【0141】
上記のように動作させることにより、図33において、異常光線は点線で示されるように、常光線とは異なった撮像素子2上の位置、すなわち、互いに水平垂直とも1/2画素分だけ相対的にずれた位置に結像し、水平垂直とも1/2画素ずれた第1の画像及び第2の画像を得ることができる。
【0142】
以上のように得られた1枚目の撮影画像と、1/2画素ずらして撮影された2枚目の画像は、逐次A/D変換手段3において、デジタル信号に変換された後、画像処理部9に送信される。
【0143】
実施の形態5では、1枚目の画像に対して2枚目の撮影画像を、1/2画素ずらす方向として、45度方向にずらすものを例に説明したが、この限りでなく、液晶板52及び複屈折板36の配置あるいは液晶板52への印加電圧を、適宜組み合わせることにより、135度方向、−45度方向、−135度方向等を実現可能である。
【0144】
また、実施の形態5では、入射する直線偏光の振動方向を変化させる液晶板52として、一例としてTN型液晶を挙げたが、光電効果により旋光効果を有する液晶板52であれば、同様の効果を有することができる。
【0145】
また、実施の形態5では、図32に示した画素ずらし光学手段1において、レンズ31を液晶板52と複屈折板36との間に配置しているが、レンズ31は画素ずらし光学手段1内のいずれの位置に配置してもよい。
【0146】
以上のように、この実施の形態5によれば、偏光板32,液晶板52,複屈折板36により、精度の高い画素ずらし量を実現することができるという効果が得られる。
【0147】
また、以上の全ての実施の形態においては、静止画像を連続的に取り込み可能なディジタルスチルカメラでの構成例を示したが、動画像を取り込み可能なディジタルカムコーダにおける高精細静止画撮影モードとしても構成可能である。
【0148】
また、以上の全ての実施の形態においては、撮像装置の内部で、画素補間・合成手段11による処理を実行可能な構成例を示したが、この限りでなく、パーソナルコンピュータやカラープリンタ等、撮像装置に直接あるいは記憶媒体を間接的に経由して接続可能な機器上で構成してもよい。
【0149】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、撮像画素に対しては、画素変位方向に対して垂直方向の複数の色信号に基づき、相似演算による補間処理を行い、空白画素に対しては、周辺画素を参照して画像中のエッジ線分方向を検出し、上記エッジ線分方向複数の色信号に基づき内挿処理を行うことで、高解像度の画像を実現できるという効果がある。
【0150】
この発明によれば、連続して撮影した2枚の画像を固定長符号に圧縮することにより、少量の圧縮画像メモリに高速に蓄積することができ、2枚の撮影画像間に生じる被写体の時間的な変化、あるいは撮影者の手ぶれ等を最小限に抑えることができるという効果がある。
【0151】
この発明によれば、画像メモリに記憶されている連続して撮影した2枚の画像について、各画像の最大信号レベル値及び最小信号レベル値を検出することにより各信号特性レベルを求め、一方の信号特性レベルを、他方の信号特性レベルに合わせることにより、撮影した2枚の画像の照明条件が異なる場合においても、明度特性を良好に一致させることが可能であり、高精細画像を生成できるという効果がある。
【0152】
この発明によれば、画像メモリに記憶されている連続して撮影した2枚の画像について、所定領域における平均信号レベルを求め、一方の平均信号レベルを、他方の平均信号レベルに合わせることにより、撮影した2枚の画像の照明条件が異なる場合においても、明度特性を良好に一致させることが可能であり、高精細画像を生成できるという効果がある。
【0153】
この発明によれば、画素ずらし光学手段が、偏光板、磁気光学素子、複屈折板により構成されることにより、精度の高い画素ずらし量を実現することができるという効果がある。
【0154】
この発明によれば、画素ずらし光学手段が、電気光学素子、偏光板により構成されることにより、精度の高い画素ずらし量を実現することができるという効果がある。
【0155】
この発明によれば、画素ずらし光学手段が、偏光板、液晶板、複屈折板により構成されることにより、精度の高い画素ずらし量を実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による撮像部の構成を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による撮像部の光学系を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による偏光板を図3のA−A方向から見た図である。
【図5】 この発明の実施の形態1によるファラデー素子を図3のB−B方向から見た図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による複屈折板を図3のC−C方向から見た図である。
【図7】 この発明の実施の形態1による撮像装置の動作タイミングを示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態1による画素ずらしを説明する図である。
【図9】 この発明の実施の形態1による画素ずらしをした場合の各画素の位置関係を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態1による画素補間・合成手段の処理を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態1において、注目画素がR画素である場合に、注目画素のG成分を求める際の参照画素位置を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態1において、R成分の変化に対する近似的なG成分の相似演算を説明する図である。
【図13】 この発明の実施の形態1による7×7画素からなる参照画素ウィンドウを示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態1による2値化されたウィンドウ内のパターンと線分方向を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態1において、注目画素がB画素である場合に、注目画素のR成分を求める際の参照画素位置を示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態1において、G成分の変化に対する近似的なR成分の相似演算を説明する図である。
【図17】 この発明の実施の形態1において、注目画素がG画素である場合に、注目画素のR成分を求める際の参照画素位置を示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態2による撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図19】 この発明の実施の形態2による固定長圧縮手段の画素配列の並び替えを説明する図である。
【図20】 この発明の実施の形態2による固定長圧縮手段が符号化するアドレスを示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態2による固定長圧縮手段が量子化する量子化レベルを示す図である。
【図22】 この発明の実施の形態2による固定長圧縮手段の符号化処理を示すフローチャートである。
【図23】 この発明の実施の形態2による固定長圧縮手段の符号化処理を示すフローチャートである。
【図24】 この発明の実施の形態2による固定長圧縮手段の復号化処理を示すフローチャートである。
【図25】 この発明の実施の形態2による固定長圧縮手段の画素配列の逆並び替えを説明する図である。
【図26】 この発明の実施の形態3による信号レベル補正手段の処理を説明する図である。
【図27】 この発明の実施の形態4による撮像部の構成を示す図である。
【図28】 この発明の実施の形態4による撮像部の光学系を示す図である。
【図29】 この発明の実施の形態4による電気光学素子を図28のA−A方向から見た図である。
【図30】 この発明の実施の形態4による電気光学素子を図28のB−B方向から見た図である。
【図31】 この発明の実施の形態4による偏光板を図28のC−C方向から見た図である。
【図32】 この発明の実施の形態5による撮像部の構成を示す図である。
【図33】 この発明の実施の形態5による撮像部の光学系を示す図である。
【図34】 この発明の実施の形態5による偏光板を図33のA−A方向から見た図である。
【図35】 この発明の実施の形態5による偏光板を図33のB−B方向から見た図である。
【図36】 この発明の実施の形態5による液晶板を図33のC−C方向から見た図である。
【図37】 この発明の実施の形態5による複屈折板を図33のD−D方向から見た図である。
【図38】 この発明の実施の形態5によるねじれネマチック(TN)型液晶の動作を説明する図である。
【図39】 この発明の実施の形態5によるねじれネマチック(TN)型液晶の動作を説明する図である。
【図40】 この発明の実施の形態5による液晶板への印加電圧パルスを示す図である。
【図41】 従来の撮像装置の構成を示す図である。
【図42】 従来の撮像部の構成を示す図である。
【図43】 画素のBayer配列を示す図である。
【図44】 1枚目の撮影画像の色信号と、斜め1/2画素右下にずらして撮像した2枚目の撮影画像の色信号とを重ねて表示した図である。
【図45】 従来のG信号の補間処理を説明する図である。
【図46】 従来のG信号の内挿処理を説明する図である。
【図47】 従来のB信号の補間処理を説明する図である。
【図48】 従来のB信号の内挿処理を説明する図である。
【符号の説明】
1 画素ずらし光学手段、2 撮像素子、4 撮像部制御手段、7 画像メモリ、10 信号レベル補正手段、11 画素補間・合成手段、22 固定長圧縮手段、23 圧縮画像メモリ、24 固定長伸長手段、32 偏光板、35 ファラデー素子(磁気光学素子)、36 複屈折板、42 電気光学素子、52 液晶板。
Claims (11)
- 撮像光学系への入射光を二次元的に配置された複数の画素で構成された単板カラーの撮像素子に導き、上記撮像素子により光電変換してカラー画像信号を生成する撮像装置において、
上記撮像光学系からの入射光の上記撮像素子への結像位置を、水平及び垂直方向に1/2画素分変位させうる画素変位条件を制御する撮像部制御手段と、
上記撮像部制御手段により制御された第一の画素変位条件に基づき、上記撮像光学系からの入射光を上記撮像素子に結像させると共に、上記撮像部制御手段により制御された上記第一の画素変位条件に対して水平及び垂直方向に1/2画素分変位させた第二の画素変位条件に基づき、上記撮像光学系からの入射光を上記撮像素子に結像させる画素ずらし光学手段と、
上記第一の画素変位条件に基づき結像され上記撮像素子より光電変換された第一の撮影画像と、上記第二の画素変位条件に基づき結像され上記撮像素子より光電変換された第二の撮影画像を、上記第一の撮影画像の撮像画素に対して上記第二の撮影画像の撮像画素を水平及び垂直方向に1/2画素ずらした2×2画素からなるマトリクスに対応する位置に記憶する画像メモリと、
上記画像メモリに記憶されている上記撮像画素に対しては、画素変位方向に対して垂直方向の複数の色信号の相関を考慮して非撮影色信号を補間し、上記画像メモリ内の上記撮像画素以外の空白画素に対しては、周辺画素を参照して画像中のエッジ線分方向を検出し、上記エッジ線分方向の複数の色信号に基づき、内挿処理を行う画素補間・合成手段と
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 第一及び第二の撮影画像を固定長符号に圧縮する固定長圧縮手段と、
上記固定長圧縮手段により圧縮された第一及び第二の撮影画像を記憶する圧縮画像メモリと、
上記圧縮画像メモリに記憶されている圧縮された第一及び第二の撮影画像を復号化する固定長伸長手段とを備え、
上記復号化された第一及び第二の撮影画像を画像メモリに記憶することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 画像メモリに記憶されている第一及び第二の撮影画像について、各画像の最大信号レベル値及び最小信号レベル値を検出することにより各信号特性レベルを求め、一方の信号特性レベルを、他方の信号特性レベルに合わせる信号レベル補正手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 画像メモリに記憶されている第一及び第二の撮影画像について、所定領域における平均信号レベルを求め、一方の平均信号レベルを、他方の平均信号レベルに合わせる信号レベル補正手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
- 画素ずらし光学手段が、
入射光から直線偏光を生成する偏光板と、
磁場の強さに応じて上記偏光板からの直線偏光の振動方向を変化させる磁気光学素子と、
上記磁気光学素子からの直線偏光の振動方向により屈折率の異なる複屈折板と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 画素ずらし光学手段が、
電界の強さに応じて透過光の屈折率を変化させる電気光学素子と、
上記電気光学素子からの透過光から直線偏光を生成する偏光板と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 画素ずらし光学手段が、
入射光から直線偏光を生成する偏光板と、
与えられる電圧の有無により上記偏光板からの直線偏光の振動方向を変化させる液晶板と、
上記液晶板からの直線偏光の振動方向により屈折率の異なる複屈折板と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 撮像光学系への入射光を二次元的に配置された複数の画素で構成された単板カラーの撮像素子に導き、上記撮像素子により光電変換してカラー画像信号を生成する撮像方法において、
撮像部制御手段により制御された第一の画素変位条件に基づき、上記撮像光学系からの入射光を上記撮像素子に結像させると共に、上記撮像部制御手段により制御された上記第一の画素変位条件に対して水平及び垂直方向に1/2画素分変位させた第二の画素変位条件に基づき、上記撮像光学系からの入射光を上記撮像素子に結像させ、
上記第一の画素変位条件に基づき結像され上記撮像素子より光電変換された第一の撮影画像と、上記第二の画素変位条件に基づき結像され上記撮像素子より光電変換された第二の撮影画像を、上記第一の撮影画像の撮像画素に対して上記第二の撮影画像の撮像画素を水平及び垂直方向に1/2画素ずらした2×2画素からなるマトリクスに対応する位置になるよう画像メモリ記憶し、
上記画像メモリに記憶されている上記撮像画素に対しては、画素変位方向に対して垂直方向の複数の色信号の相関を考慮して非撮影色信号を補間し、上記画像メモリ内の上記撮像画素以外の空白画素に対しては、周辺画素を参照して画像中のエッジ線分方向を検出し、上記エッジ線分方向の複数の色信号に基づき、内挿処理を行う
ことを特徴とする撮像方法。 - 第一及び第二の撮影画像を固定長符号に圧縮し、
上記圧縮された第一及び第二の撮影画像を圧縮画像メモリに記憶し、
上記圧縮画像メモリに記憶されている圧縮された第一及び第二の撮影画像を復号化し、
上記復号化された第一及び第二の撮影画像を画像メモリに記憶することを特徴とする請求項8記載の撮像方法。 - 画像メモリに記憶されている第一及び第二の撮影画像について、各画像の最大信号レベル値及び最小信号レベル値を検出することにより各信号特性レベルを求め、一方の信号特性レベルを、他方の信号特性レベルに合わせることを特徴とする請求項8記載の撮像方法。
- 画像メモリに記憶されている第一及び第二の撮影画像について、所定領域における平均信号レベルを求め、一方の平均信号レベルを、他方の平均信号レベルに合わせることを特徴とする請求項9記載の撮像方法。
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