JP3585726B2 - 撮像装置及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モノクロ/カラーの両画像に対応する撮像装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
モノクロ/カラーの両画像に対応する撮像装置としては、例えば特開平7−123421号公報に記載された撮像装置が知られている。この撮像装置では、カラー画像を撮像する際は、通常通りの手法にて撮像が行われる。一方、モノカラー画像を撮像する際は、光学フィルター退避もしくは特性変更が行われ、自然画撮影モードでは失われていた画素による空間サンプリングのナイキスト周波数近辺の映像情報がトラップされないため、高解像度の映像が得られる。
【0003】
また、色レベル補正が実行され、撮像素子出力信号の色成分による変調分が無くされるため、色変調分を除去するトラップ回路などの帯域制限フィルターの高帯域輝度信号処理系への配置が必要なくなり、高周波数帯域の映像情報が失われずにそのまま高解像輝度情報が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、モノカラー画像の撮像は、新聞や雑誌等の活字を認識してデータとして取り込む文字認識の分野で良く使用されている。このような用途に用いられる固体撮像素子においては、1文字当たりの画素数を認識可能レベルにする必要があるが、上記した従来の撮像装置では画素数が十分ではない。このため、従来においては、活字をズームにより拡大し撮像することや、ハイビジョン等に用いられるような大画素数の固体撮像素子を使用することが行われている。
【0005】
しかしながら、拡大しての撮像を行う場合は処理が煩雑となるし、大画素数の固体撮像素子を使用する場合は装置自体が高価になってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は上記課題を解決するものであって、カラー/モノクロ(モノカラー)画像を撮像でき、かつ、モノクロ画像の撮像を高解像度で行える撮像装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、複数色からなる色フィルタを有し、撮像光を撮像して画像データを生成する撮像手段と、カラー画像の生成とモノクロ画像の生成との切り替えを行う切り替え制御手段と、カラー画像生成時に、前記撮像手段からの撮像データに基づきカラー画像を生成するカラー画像生成手段と、モノクロ画像生成時に、該撮像手段と撮像光との位置関係を相対的に変位させてイメージシフトを行うイメージシフト手段と、モノクロ画像生成時に、前記イメージシフトの各位置において前記撮像手段が撮像した画像データを、合成してモノクロ画像を生成するモノクロ画像生成手段と、を具備してなる撮像装置において、各色における各画素の画素値を補正することで、各色間のホワイトバランスの調整を行うホワイトバランス調整手段と、モノクロ画像生成時に、前記ホワイトバランス調整手段に、前記イメージシフトの各位置での画像データに対して各々別個にホワイトバランスの調整を行わせしめるホワイトバランス制御手段と、を有するものである。
【0008】
本発明の撮像装置は、上記の撮像装置において、前記ホワイトバランス調整手段は、前記撮像手段の色フィルタの各色の画素値の分布が所定の最小値から最大値までの範囲の分布となるように、各色における各画素の画素値を一次変換するものである。
【0009】
本発明の撮像装置は、上記の撮像装置において、前記撮像手段に入射する撮像光の光路中に配され、カラー撮像時とモノクロ撮像時とで制限する空間周波数を変化させ、カラー撮像時には色モアレを軽減するフィルタ特性となり、モノクロ撮像時には折り返し歪みを軽減するフィルタ特性となる可変フィルタ手段を有してなるものである。
【0010】
本発明の撮像装置は、上記の撮像装置において、前記撮像手段に入射する撮像光の光路中に配され、前記撮像手段の水平,垂直での画素ピッチをPh,Pvとした場合に、[1/Ph,0],[−1/Ph,0],[0,1/Pv],[0,−1/Pv]の4点を頂点とする四辺形にてレスポンスが零となる周波数特性を有するフィルタ手段を有してなるものである。
【0011】
本発明の撮像装置は、上記の撮像装置において、外部からの機械的入力により撮像の開始を指示する開始信号を発生する入力手段を有してなり、前記機械的入力の後5msec〜50msec秒後に前記画像主段による撮像を行うものである。
【0012】
本発明の撮像装置は、上記の撮像装置において、モノクロ画像生成時に、イメージシフト手段による画像シフトが終了した後の画像データを撮像する際の画面の露光量が、前記撮像手段により受光される撮像光の空間的な位置のシフトが開始される前に露光された画面の露光量と同レベルになるように、画像データを撮像する際の露光時間を決定するメカニカルシャッターを、前記撮像手段への撮像光の光路中に、具備してなるものである。
【0013】
本発明の記録媒体は、複数色からなる色フィルタを有し撮像光を撮像して画像データを生成する撮像手段と、該撮像手段と撮像光との位置関係を相対的に変位させてイメージシフトを行うイメージシフト手段とを有し、カラー画像生成時にはイメージシフトを動作させず、モノクロ画像生成時にはイメージシフトを動作させる撮像装置からの画像データに基づき、コンピューターにカラー画像,モノクロ画像を生成させるプログラムを記録した記録媒体であって、コンピューターを、前記色フィルタの各色の各画素の画素値を補正して、各色間のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段、カラー画像生成時に、前記撮像手段からの撮像データに基づきカラー画像を生成するカラー画像生成手段、モノクロ画像生成時に、前記イメージシフトの各位置において前記撮像手段が撮像した画像データを、合成してモノクロ画像を生成するモノクロ画像生成手段、およびモノクロ画像生成時に、前記ホワイトバランス調整手段に、前記イメージシフトの各位置での画像データに対して各々別個にホワイトバランスの調整を行わせしめるホワイトバランス制御手段、として機能させるためのプログラムを記録したものである。
【0014】
【発明の実施形態】
(実施の形態1)
以下、この発明の実施の形態1の撮像装置について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1における撮像装置の構成を示す構成図である。
【0015】
図1において、1は撮像用レンズ、2はメカニカルシャッタ、3はメカニカルシャッタ用駆動回路、4はイメージシフト手段、5はイメージシフト駆動回路、6は空間フィルタ(フィルタ手段)、7は固体撮像素子(撮像手段)、8は固体撮像素子用駆動回路、9はタイミング信号発生回路、10はシャッタスイッチ(入力手段)、11はモード切り替えスイッチ、12は前置処理回路、13はA/D変換手段、14はバスコントローラ、15は画像メモリ、16はホワイトバランス調整手段、17は制御手段(切り替え制御手段,ホワイトバランス制御手段を兼ねる)、18はカラー画像生成手段、19はモノクロ画像生成手段、20は出力用インターフェースをそれぞれ示している。
【0016】
ここで、図中各部分についての概略を説明する。
撮像用レンズ1は、図示しない被写体からの撮像光を集光し、固体撮像素子7の受光面に結像させるための光学系である。
【0017】
メカニカルシャッタ2は、イメージシフトによる撮像を行う際に固体撮像素子7への露光時間を制御するためのシャッタである。
【0018】
メカニカルシャッタ用駆動回路3は、メカニカルシャッタ2のアクチュエータを駆動するためのドライブ回路である。
【0019】
イメージシフト手段4は、例えばソレノイド方式のイメージシフト手段であり、固体撮像素子7に対する撮像光の相対位置を移動させる。イメージシフト手段としては、例えば本願出願人が提案した特願平09−108685号に記載のものが使用できる。
【0020】
イメージシフト駆動回路5は、イメージシフト手段4のアクチュエータを駆動するためのドライブ回路である。
【0021】
空間フィルタ6は、複屈折板により構成される光学フィルタであり、画像光が入射した場合に図2に示すように4本の光線に分離する。図2において、○印は分離された光線を示し、PHは固体撮像素子の水平画素ピッチ、PVは固体撮像素子の垂直画素ピッチを示している。図3は上記のフィルタの周波数特性を示す図である。この図に示すように、空間フィルタ6は破線部でレスポンスが零になる特性の空間フィルタである。なお、図3におけるfH,fVは空間周波数であり、
fH=1/PH,fV=1/PV
の関係にある。
【0022】
固体撮像素子7は、例えば水平640画素×垂直480画素の合計約30万画素の画素数の、オーバーフロードレインを有する色フィルタ付きのIT型全画素読み出しCCDイメージセンサである。ここでは、色フィルタは図4に示すベイヤ配列に配列されているものとする。なお、ここで、R,G,Bはそれぞれ赤,緑,青の光を通過する色フィルタであるとする。
【0023】
固体撮像素子用駆動回路8は、固体撮像素子7を駆動するためのドライブ回路である。
【0024】
タイミング信号発生回路9は、クロック,水平同期信号,垂直同期信号等の同期信号の発生と、固体撮像素子7を駆動するためのタイミング信号を発生する。また、クロックをA/D変換手段に出力する。
【0025】
シャッタスイッチ10は、撮像開始のためのトリガスイッチであり、このスイッチを押すことにより撮像動作を開始する。シャッタスイッチ10の出力は、制御手段17に入力される。
【0026】
モード切り替えスイッチ11は、撮像画像として標準解像度のカラー画像または高解像度のモノクロ画像のどちらを得るのかを選択するためのスイッチである。モード切り替えスイッチ11の出力は、制御手段17に入力される。
【0027】
また、前置処理回路12は、撮像素子出力に含まれる低域ノイズを除去するCDS処理及びA/D変換器のダイナミックレンジを有効に用いるために映像信号のレベルを一定に保つオートゲインコントロール等の処理を行う。A/D変換手段13は、上記前置処理回路12の出力であるアナログ信号を、標本化することによりデジタル信号に変換するA/D変換器である。バスコントローラ14は、制御手段17の出力によりデータバスの経路をコントロールする。画像メモリ15は、デジタル化された画像データを記憶するメモリである。
【0028】
ホワイトバランス調整手段16は、デジタル化された各色の画像データについてのホワイトバランスを合わせる。
【0029】
制御手段17は、シャッタスイッチ10が押されたかどうかを検出し、メカニカルシャッタ用駆動回路3およびイメージシフト駆動回路5への駆動パターンの出力を行う。また、モード切り替えスイッチ11の出力により、カラー画像/モノクロ画像撮像の切り替えを管理する。
【0030】
カラー画像生成手段18は、カラー画像撮像モードの場合に固体撮像素子7で撮像された画像を元に、カラー画像を生成する。
【0031】
モノクロ画像生成手段19は、モノクロ画像撮像モードの場合にイメージシフトによって得られた固体撮像素子7で撮像された画像を元に、モノクロ画像を生成する。
【0032】
出力用インターフェース20は、図示しない記録媒体、コンピュータ等に上記カラー画像生成手段18、モノクロ画像生成手段19により生成された画像データを出力するためのインターフェースである。
【0033】
次に、上記構成での動作を、図1を参照して説明する。
撮像モードとして、(1)カラー画像撮像モードと(2)モノクロ画像撮像モードの2種類があり、モード切り替えスイッチ11によりどちらのモードで撮像するかは決定される。以下、それぞれのモードについて説明する。
【0034】
(1)カラー画像撮像モード
図示しない被写体から発せられた光は、撮像用レンズ1に入射し、撮像用レンズ1により、メカニカルシャッタ2、イメージシフト手段4の屈折板、空間フィルタ6を経由して、固体撮像素子7の受光面に結像される。撮像動作は、シャッタスイッチ10が、押されることにより開始される。
【0035】
カラー画像撮像モードでは、制御手段17はメカニカルシャッタ2、イメージシフト手段4の双方とも動作させない。すなわち、撮像光は固体撮像素子7にイメージシフト手段4による相対的な撮像位置の変化なしで入射する。
【0036】
固体撮像素子7は、タイミング信号発生回路9で生成されたタイミング信号をもとに固体撮像素子駆動回路8により駆動され、上記の経路で固体撮像素子7に入射された撮像光を撮像し、映像信号として前置処理回路12に出力する。前置処理回路12では、相関二重サンプリング、オートゲインコントロール等の処理により、A/D変換手段13に適した形態での信号に変換し出力する。A/D変換13にて、デジタイズされた画像信号は、制御手段17の出力を元にバスコントローラ14がバスラインの切り替え行い、画像メモリ15に記憶される。
【0037】
次に、画像メモリ15に記憶された画像データは、ホワイトバランス調整手段16に読み出され、固体撮像素子の色フィルタの種類に応じた各色ごとのヒストグラムを作成され、そのヒストグラム上にて各色を所定の割合だけクリップさせることによりホワイトバランスを調整するための処理を行う。必要なパラーメータとして、上記のように各色を所定の割合だけクリップさせるための1次変換のパラメータ(傾き、切片)を求める。このパラメータは各色ごとに別個に求められ、制御手段17にて記憶される。
【0038】
上記のホワイトバランス調整について、図5を参照して詳細に説明する。図5において(a)はRの色フィルタの出力データのヒストグラム、(b)はGの色フィルタの出力データのヒストグラム、(c)はBの色フィルタの出力データのヒストグラム、(d)はRチャンネルのホワイトバランス調整後のヒストグラム、(e)はGチャンネルのホワイトバランス調整後のヒストグラム、(f)はBチャンネルのホワイトバランス調整後のヒストグラムを示している。このホワイトバランス調整手段は、このヒストグラムに基づき、色フィルタの各色の画素値の分布が所定の最小値から最大値までの範囲の分布となるように、各色における各画素の画素値を一次変換する。以下、より具体的に示す。
【0039】
(a)においてRLはRの画素値の最小値から画素の値が大きくなる方向に画素数の総和をカウントいていく場合に、Rの全画素数の例えば1%より大きくなった画素値である。また、RHはRの画素値の最大値からの画素の値が小さくなる方向に画素数の総和をカウントいていく場合に、Rの全画素数の例えば1%より大きくなった画素値である。(b)におけるGL、GHおよび(c)におけるBL、BHも同様にそれぞれ最大・最小値からのカウントしていった時に全画素数の1%より大きくなった画素値の値を示している。
【0040】
次に、各チャンネルにおいて下記の(式1)を計算することにより各画素の値の変換を行う。ただし、Rx,Gx,Bxは変換前の画素値、Ry,Gy,Byは変換後の画素値とする。また、nはメモリに記憶されているデータの量子化ビット数であるとする。
Figure 0003585726
ここで、Ry,Gy,Byの値は例えば四捨五入演算により、整数値に変換する。
【0041】
以上の処理により、ホワイトバランスを調整された各々の色フィルタの信号を得るが、本処理によれば、R,G,Bそれぞれの色に対してオフセットが0で最大値が所定値に揃った画素値を得ることができる。なお、上記の例ではクリップする画素数を1%にしているが、これはこの値に限るものではない。撮像した画像の中にクリップしている画素が多い場合等ではもっと大きい値を設定すれば良いし、ホワイトバランス後の画像においてクリップしている画素を少ないしたい場合にはもっと小さい値を設定すればよい。
【0042】
次に、画像メモリ15の画像データを使用してのカラー画像の生成を行う。画像メモリ15に記憶された画像データは、カラー画像生成手段18に読み出されるが、その際に制御手段17に記憶された1次変換のパラメータを用いて(式1)の演算を行う。上記演算後の画像データを用いて、カラー画像生成手段18では色モアレ抑圧処理を用いたカラー画像生成を行う。これは、光学フィルタの水平・垂直方向でのカットオフ周波数が固体撮像素子の折り返し周波数よりも高く設定されているため、通常の信号処理では偽信号が発生し色モアレとして画質劣化が生じるためである。以上のような処理により生成されたカラー画像は、再び画像メモリ15に上書きされる。
【0043】
上述の色モアレ抑圧処理を用いたのカラー画像生成手段としては、同一出願人より提案した特願平9−336176号に記載された通常モードでの信号処理を行うことができる。簡単のため、ここでの説明は省略する。
【0044】
画像メモリ15に記憶された画像データを、記憶媒体・コンピュータ等の外部装置に出力する際は、出力用インターフェースにより画像データから各々の規格にしたがった出力信号を生成し出力する。
【0045】
(2)モノクロ画像撮像モード
次に、モノクロ画像撮像モード時の動作を説明する。図示しない被写体から発せられた光は撮像用レンズ1に入射し、撮像用レンズ1により、メカニカルシャッタ2、イメージシフト手段4の屈折板、空間フィルタ6を経由して、固体撮像素子7の受光面に結像される。
【0046】
まず、シャッタスイッチ10が、押されることにより撮像動作が開始される。撮像モードがモノクロ画像撮像モードである場合は、制御手段17はメカニカルシャッタ2、イメージシフト手段4の双方とも動作させる。1画面目の画像の撮像後に、撮像光はイメージシフト手段4により、固体撮像素子7の水平方向画素ピッチPx,垂直方向画素ピッチPyの1/2の長さであるPx/2,Py/2の斜め方向への相対的な撮像光の移動が行われる。2枚目の画像の露光時間はメカニカルシャッタにより規定する。なお、メカニカルシャッタを使用したイメージシフト装置としては、本願出願人の提案している特願平8−267552号に記載の手法がある。
【0047】
ここで、図6を参照して、上記撮像のタイミングを説明する。
メカニカルシャッタは、通常時はオープンの状態になっている。イメージシフトにより2画面の画像を撮像する際の1画面目の露光時間は固体撮像素子の電子シャッタにより決定し、2画面目の露光時間は固体撮像素子のオーバーフロードレインを閉じたままにしておきメカニカルシャッタを閉塞することにより決定する。以下、動作順に説明する。
【0048】
▲1▼A点で固体撮像素子の電子シャッターによる1画面目の露光が開始される。すなわち固体撮像素子のオーバーフロードレインが閉じられ電荷の蓄積が始まる。
▲2▼B点で電荷読み出しパルスによる受光素子より垂直CCDへの転送が行われる。また、オーバーフロードレインを開き固体撮像素子上に電荷を蓄積しないようにする。また、イメージシフト手段により固体撮像素子上に受光される撮像光の空間的な位置のシフトが開始される。
▲3▼C点でイメージシフト手段による画像シフトが終了した後、オーバーフロードレインが閉じられ固体撮像素子での2画面目の電荷の蓄積が開始される。また、メカニカルシャッタの閉塞動作が開始される。ここで、メカニカルシャッタの閉塞動作は、固体撮像素子の電子シャッタによる1画面目の露光量とメカニカルシャッタによる2画面目の露光量が同レベルになるタイミングにて行われる。
▲4▼D点でメカニカルシャッタの閉塞動作が終了し固体撮像素子に入射する撮像光が遮光され、フレーム2の露光が終了する。
▲5▼E点でフレーム1のCCDからの出力が終了し、電荷読み出しパルスによる受光素子より垂直CCDへの転送が行われる。また、垂直CCDより水平CCDに順次転送され、水平CCDよりCCD出力として出力する。この時点以降のタイミングで、メカニカルシャッタの開放動作を行えばよい。
▲6▼F点でフレーム2の画像を画像を全て読み出した時点で、イメージシフトによる静止画合成に必要となる2画面の撮像が終了する。
以上のようにして、イメージシフトとメカニカルシャッタを使用した2フレームの画像取り込みが行われる。
【0049】
固体撮像素子7は、上述のタイミングを満たすように、タイミング信号発生回路9で生成されたタイミング信号を元に固体撮像素子駆動回路8により駆動され、固体撮像素子7に入射された撮像光を撮像し映像信号として前置処理回路12に出力する。ただし、上述のようにモノクロ画像モードでは、2枚の画像を撮像することになる。
【0050】
上記2枚の画像に対応する撮像信号は、前置処理回路12により、相関二重サンプリング、オートゲインコントロール等の処理を実行され、A/D変換手段13に適した形態とされて出力される。そして、A/D変換13にてデジタイズされ、制御手段17の出力に基づいてバスコントローラ14が切り替えたバスラインを介して、画像メモリ15に記憶される。
【0051】
次に、画像メモリ15に記憶された画像データは、ホワイトバランス調整手段16に読み出され、上記した如く、固体撮像素子7の色フィルタの種類に応じて各色ごとにヒストグラムが作成され、そのヒストグラム上にて各色が所定の割合だけクリップされる。これにより、ホワイトバランスを調整するための、1次変換のパラメータ(傾き、切片)が求められる。求めた各色ごとのパラメータは制御手段17にて記憶される。モノクロ画像モードでは、イメージシフトによって得られる2枚の画像について別個に上記変数値を求める。
【0052】
上記したホワイトバランス調整処理では、各色毎にオフセットが0で画素値の最大値が所定値に揃えられるため、2枚の画像それぞれに対してホワイトバランスを調整することで、同時にイメージシフトで得られる2枚の画像間の光量差を吸収することが可能となる。
【0053】
次に、画像メモリ15の画像データを使用してのモノクロ画像の生成を行う。画像メモリ15に記憶された画像データは、モノクロ画像生成手段19に読み出されるが、その際に制御手段17に記憶された1次変換のパラメータを用いての1次変換を行われる。変換後の画像データを用いて、モノクロ画像生成手段19ではイメージシフト画像生成を行う。イメージシフト画像合成としては、補間処理、光量補正処理を行う必要がある。この種のイメージシフト合成処理としては、本願出願人が提案した特願平9−173817号に記載の処理方法が使用できる。以上のようにして、生成されたカラー画像は、再び画像メモリ15に上書きされる。
【0054】
画像メモリ15に記憶された画像データを、記憶媒体・コンピュータ等の外部装置に出力する際は、出力用インターフェースにより画像データから各々の規格にしたがった出力信号を生成し出力する。
【0055】
以上説明した本実施の形態の撮像装置によれば、高い解像度の必要なビジネス書類等の白黒のドキュメントを撮像する際は高解像度のモノクロ画像として、それほど解像度を必要としない自然物を撮像する際は標準解像度のカラー画像として、必要に応じた解像度の画像を得ることができる。
【0056】
(実施の形態2)
図7は、本発明に係る撮像装置の実施の形態2を示す構成図である。ここで、実施の形態1と同一構成部分は同一符号をもって表しており、その説明は省略する。
【0057】
本実施の形態では、イメージシフトとして水平方向に0.5画素の画像の相対移動を行う構成となっている。また、空間フィルタとして、カラー画像合成の際の色モアレをなくすフィルタ特性と、モノクロ画像合成の際の折り返し歪みをなくすフィルタ特性の2通りのフィルタ特性を切り替えることのできる可変空間フィルタを使用する。この種の可変空間フィルタとしては、複数枚の複屈折板により構成されその複屈折板のうちの何枚かを所定の角度だけ回転させることにより、フィルタ特性を所望の特性に切り替えることのできる可変空間フィルタが公知である。
【0058】
実施の形態1の場合と異なるのは空間フィルタ21、カラー画像生成手段22、モノクロ画像生成手段23、制御手段24の部分である。その他の部分の動作は、実施の形態1の場合と同様であるため説明を省略する。
【0059】
制御手段24は、シャッタスイッチ10が押されたかどうかを検出し、メカニカルシャッタ用駆動回路3およびイメージシフト駆動回路5への駆動パターンの出力を行うとともに、モード切り替えスイッチ11の出力に応じて、カラー画像/モノクロ画像撮像の切り替え、及び、可変空間フィルタ21のフィルタ特性の切り替えを管理する。
【0060】
空間フィルタ21は、周波数特性を切り替えることのできる空間フィルタである。例えば上記空間フィルタ21は、カラー画像の撮像を行う際には、撮像光が入射したときに図8に示すように4点に分離されるものを使用する。図8において、○印は分離された光線を示し、PHは固体撮像素子の水平画素ピッチ、PVは固体撮像素子の垂直画素ピッチを示している。上記のフィルタは図9における破線部分でレスポンスが零になる周波数特性をもつ空間フィルタとなる。ただし、図9において、fH,fVは空間周波数を表わしており、
fH=1/PH,fV=1/PV
の関係にある。
【0061】
モノクロ画像の撮像を行う際には、撮像光が入射したときに図10に示すように2点に分離されるものを使用する。図10において、○印は分離された光線を示し、PVは固体撮像素子の垂直画素ピッチを示している。上記のフィルタは、図11中の波線部分でレスポンスが零となるような周波数特性をもつ空間フィルタとなる。
【0062】
ここで、本実施の形態ではイメージシフトの際に水平方向に0.5画素の画像の相対移動を行う構成としているが、イメージシフトの際に垂直方向に0.5画素の画像の相対移動を行う構成としてもよい。この場合には、モノクロ画像の撮像を行う際の空間フィルタでは、撮像光が入射したときに図12に示すように2点に分離されるものを使用する。図12において、○印は分離された光線を示し、PHは固体撮像素子の水平画素ピッチを示している。上記のフィルタは、図13中の波線部分でレスポンスが零となるような周波数特性の空間フィルタである。
【0063】
カラー画像生成手段22は、空間フィルタ21により色モアレの発生する周波数を落とすことができるため、通常の処理(各色毎の実画素からの補間処理)にてカラー画像生成を行う構成とする。
【0064】
モノクロ画像生成手段23は、水平または垂直方向のイメージシフトを行っただけでは、水平または垂直方向の画素数が2倍になるだけなので、モノクロ画像のアスペクト比を1:1にするためにそれぞれイメージシフト方向と90度異なる方向の画素数を2倍にする。画素数を2倍にする方法としては、例えばキュービックコンボリューション補間を用いて画素数を2倍にすればよい。
【0065】
以上説明した本実施の形態の撮像装置により、高い解像度の必要なビジネス書類等の白黒のドキュメントを撮像する際は高解像度のモノクロ画像として、それほど解像度を必要としない自然物を撮像する際は標準解像度のカラー画像として、それぞれの必要に応じた解像度の画像を得ることができる。また、モノクロ画像の撮像の際には、実施の形態1で用いた斜め[0.5,0.5]画素のイメージシフトの場合と比較して少ない演算量での高解像度モノクロ画像生成が可能となる。また、空間フィルタをカラー画像とモノクロ画像の場合とで切り替えることにより、カラー画像の生成の際には実施の形態1の場合と比較して演算量の軽減が図れ、モノクロ画像の生成の場合には、イメージシフトを行う方向の解像度の向上と、イメージシフトを行う方向と90度異なる方向にはモアレを発生させないようにすることができる。
【0066】
(実施の形態3)
図14は、本発明の実施の形態4の撮像装置を示す構成図であって、図中実施の形態1と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。
【0067】
本実施の形態では、ホストコンピュータを使用することにより、カメラユニットの構成を簡略化するものである。実施の形態1と異なるのはメカニカルシャッタ31、前置処理回路32、タイミング信号発生回路33、制御手段34、コンピュータ用インターフェース手段35、ホストコンピュータ36の部分である。その他の部分の動作は、実施の形態1の場合と同様であるため説明を省略する。
【0068】
メカニカルシャッタ31は、イメージシフトによる撮像を行う際に固体撮像素子7への露光時間を制御するためのシャッタである。また、本実施の形態においては、固体撮像素子7をメモリ要素としても使用する。
【0069】
前置処理回路32は、撮像素子出力に含まれる低域ノイズを除去するCDS処理及びA/D変換器のダイナミックレンジを有効に用いるために映像信号のレベルを一定に保つオートゲインコントロール等の処理を行う。さらに、映像信号をコンピュータ用インターフェース手段35に出力する。
【0070】
タイミング信号発生回路33は、クロック、水平同期信号、垂直同期信号等の同期信号の発生と、固体撮像素子7へのタイミング信号を発生する。さらに、クロック,水平同期信号,垂直同期信号等の同期信号を、コンピュータ用インターフェース手段35に出力する。
【0071】
制御手段34は、モード切り替えスイッチ11の出力またはホストコンピュータ36からのモード切り替え要求に応じて、カラー/モノクロの撮像モードの切り替えを管理し、シャッタスイッチ10が押された場合、または、ホストコンピュータ36からの撮像開始要求があった場合、メカニカルシャッタ用駆動回路3およびイメージシフト駆動回路5への駆動パターンの出力を行う。ここで、カメラユニットについているシャッタスイッチ10が押された場合には、所定時間(例えば10msec)後に撮像動作を開始するようにする。これは、ユーザがシャッタボタンを押した際に生じる手振れが落ち着いた状態での撮像を行うことにより、手ぶれの影響を少なくするためである。上記所定時間はあまり長すぎても意味がないので50msec以内に設定することが望ましい。また、図16に手振れ量の時間変化を実験した結果を示すが、この場合には約5msecでシャッタ押圧に伴う手振れが解消されている。よって、上記所定時間としては5msec〜50msecの値を設定すればよい。
【0072】
一方、ホストコンピュータ36からの撮像開始要求があった場合には、上記のように所定時間後に撮像動作を行うという処理は行う必要はなく、撮像開始要求があった時点にて撮像動作を開始する。
【0073】
また、制御手段34はタイミング信号発生回路33に対して固体撮像素子の動作を制御する電荷掃き出しパルスの出力をコントロールする信号を出力する。また、コンピュータ用インターフェース手段35に固体撮像素子から撮像された画像データが出力されるタイミングを教えることにより、コンピュータ用インターフェース手段35内のA/D変換手段によるデジタライズのタイミングを管理する。具体的には、カラー画像撮像モードの場合には固体撮像素子の映像信号の出力開始時に、またモノクロ画像撮像モードの場合には、図6におけるCCD出力のフレーム1およびフレーム2のデジタイズのタイミングであるA点、B点にてトリガ信号を出力する。
【0074】
さらに、制御手段34は、モノクロ/カラー撮像モードのモード切り替えを管理する。モード切り替えスイッチ11により、モード切り替えが行われた場合はコンピュータ用インターフェース手段35を介して、モードが切り替わったことをホストコンピュータ36に報せる。また、ホストコンピュータ36からのモード切り替えを行う場合には、モード切り替え要求をコンピュータ用インターフェース手段35を介して、制御手段34に送信し撮像モードの切り替えが行われる。以上のようにして、モノクロ/カラー撮像モードのモード管理を行うことにより、ユーザにとって使いやすくかつユーザの意図に反した誤動作を防ぐようにしている。
【0075】
コンピュータ用インターフェース手段35は、例えばパーソナルコンピュータにて使用されるインターフェースボードであり、機能としては映像信号・同期信号を入力し、映像信号のA/D変換を行い、画像データとしてホストコンピュータ36内のメモリに記憶する。また、制御手段34からのモード切り替え信号を入力し、ホストコンピュータ36に出力する。また、ホストコンピュータ36からの、撮像開始要求・モード切り替え要求の信号を制御手段34に送信する。
【0076】
ここで、ホストコンピュータ36の速度が、固体撮像素子での1画素に相当する周期(640×480画素では80ナノ秒程度)にてホストコンピュータ36の有するメモリに転送可能なほど高速に動作している場合には特に必要ないが、そうでない場合はバッファメモリをコンピュータ用インターフェース手段35に持つ必要がある。その際には、図4でのE点のタイミングを1フレーム目の画像がホストコンピュータ内のメモリに転送終了するまで遅らせてやることにより固体撮像素子をメモリ要素として使用し、インターフェース手段35に必要となるバッファメモリの容量を減少することができる。
【0077】
ホストコンピュータ36は、例えばパーソナルコンピュータであり、コンピュータ用インターフェース手段35を介して画像データを内部にもつメモリに入力する。また、メモリに格納された画像データに対して、カラー/モノクロの画像モードに応じ合成処理を行う。また、撮像開始要求信号やモード切り替え要求信号をコンピュータ用インターフェース手段35に出力する。
【0078】
本実施の形態の構成にすることにより、高解像度の必要なビジネス書類等の白黒のドキュメントを撮像する際は高解像度のモノクロ画像として、それほど解像度を必要としない自然物を撮像する際は標準解像度のカラー画像として、それぞれの必要に応じた解像度の画像を得ることができる。また、ホストコンピュータおよびコンピュータ用インターフェース手段に負荷を負わせることにより、カメラユニットの回路規模を減少することができ、カメラユニットだけを考えた場合に小型化を図ることができる。また、メカニカルシャッタを使用し固体撮像素子の露光制御を行うことにより、等価シャッタ時間の高速化とコンピュータへのデータ転送時に必要になるバッファメモリの容量を減少することができる。
【0079】
(実施の形態4)
図15は、本発明の実施の形態4の撮像装置を示す構成図であって、この図において図14の撮像装置と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。
【0080】
ここで異なるのは前置処理回路51,A/D変換手段52,画像メモリ53,カメラユニットインターフェース手段54,コンピュータ用インターフェース手段55,タイミング信号発生手段56,制御手段57の部分である。その他の部分の動作は、実施の形態3の場合と同様であるため説明を省略する。
【0081】
ここで、前置処理回路51は、撮像素子出力に含まれる低域ノイズを除去するCDS処理及びA/D変換器のダイナミックレンジを有効に用いるために映像信号のレベルを一定に保つオートゲインコントロール等の処理を行う。
【0082】
A/D変換手段52は、上記前置処理回路51の出力であるアナログ信号を、標本化することによりデジタル信号に変換するA/D変換器である。A/D変換された画像データは画像メモリ53に出力される。
【0083】
画像メモリ53は、固体撮像素子7にて撮像されA/D変換手段52によりデジタル信号に変換された画像データを記憶する。カラー画像撮像モードの場合では、1枚の画像、モノクロ画像撮像モードの場合には2枚の画像を記憶する。
【0084】
カメラユニットインターフェース手段54は、画像メモリ53に記憶された画像データをもとにして、例えばUSB、IEEE1394等の規格のインターフェースにのっとった出力信号を生成する。また、ホストコンピュータ36からの撮像開始要求信号、モード切り替え要求信号をコンピュータ用インターフェース55を経由して入力し、制御手段57に出力する。
【0085】
コンピュータ用インターフェース55は、例えばUSB、IEEE1394等の規格のパーソナルコンピュータ用のインターフェースであり、画像データをカメラユニットインターフェース手段54より受信し、ホストコンピュータ36中のメモリに転送する。また、ホストコンピュータ36からの、撮像開始要求信号、モード切り替え要求信号を、カメラユニットインターフェース手段54を経由して制御手段57に送信する。
【0086】
タイミング信号発生手段56は、クロック、水平同期信号、垂直同期信号等の同期信号の発生と、固体撮像素子7へのタイミング信号を発生する。さらに、クロックをA/D変換手段52に出力する。
【0087】
制御手段57は、モード切り替えスイッチ11の出力またはホストコンピュータ36からのモードで切り替え要求による画像モードの切り替えを管理し、シャッタスイッチ10が押された場合またはホストコンピュータ36からの撮像開始要求があった場合、メカニカルシャッタ用駆動回路3およびイメージシフト駆動回路5への駆動パターンの出力を行う。また、カメラユニットインターフェース手段55に撮像動作が終了し画像データの画像メモリ53に記憶が完了した際に、画像データのホストコンピュータへの転送開始を指示する信号を出力する。
【0088】
本実施の形態の撮像装置によれば、高解像度の必要なビジネス書類等の白黒のドキュメントを撮像する際は高解像度のモノクロ画像として、それほど解像度を必要としない自然物を撮像する際は標準解像度のカラー画像として、必要に応じた解像度の画像を得ることができる。
【0089】
以下に、上記実施の形態1〜4により得られる効果をまとめて示す。
(1)モノクロ撮像のときにはイメージシフトを行い、カラー撮像のときにはイメージシフトを行わないため、主にビジネス書類等の高い解像度の必要なモノクロ撮像の際には高解像度の画像を得ることができ、それほど解像度を必要としない自然物を撮像する際はモアレのない標準解像度のカラー画像を得ることができる。
【0090】
(2)撮像装置の一部をコンピューターで構成することにより、コンピュータから電源供給・画像合成・データ記憶等を行うことができ、撮像カメラユニットの構成を簡略化することができ、小型・軽量化を可能とすることができる。
【0091】
(3)固体撮像素子への撮像光の光路中にメカニカルシャッタを有しているため、イメージシフトを用いた撮像の際の等価的なシャッター時間を短くすることができ、手ぶれ・被写体が移動している場合等の状況においてもイメージシフトによる高解像度化の効果を得ることができる。
【0092】
(4)固体撮像素子への光路中に可変光学フィルタを配することで、カラー撮像時の画質劣化の要因となる色モアレや、モノクロ撮像時の折り返し歪みの除去効果があり、信号処理による上記色モアレ、折り返し歪みの軽減処理を行う場合に比べて回路、処理の軽減を図ることができる。
【0093】
(5)固体撮像素子への光路中に、固体撮像素子の水平,垂直での画素ピッチをPh,Pvとした場合に、[1/Ph,0],[−1/Ph,0],[0,1/Pv],[0,−1/Pv]の4点を頂点とする四辺形にてレスポンスが零となる周波数特性を有する光学フィルタを配することにより、色モアレを目立たなくすることができ、かつ上記空間フィルタの特性によるモノクロ画像合成の際の折り返し歪みの軽減効果もあるため、同一の空間フィルタにてカラー/モノクロ画像の撮像が可能になり、構成が簡単になりコストアップ、形状の大型化を防ぐことができる。
【0094】
(6)イメージシフトを斜め方向に1/2画素ピッチ行うことで、イメージシフト合成後のモノクロ画像について水平及び垂直解像度を改善することができ、文字認識装置等に用いた場合に認識率を向上させることができる。
【0095】
(7)イメージシフトを水平または垂直方向に1/2画素ピッチ行うことで、イメージシフト合成後のモノクロ画像について水平解像度または垂直解像度を改善することができ、文字認識等の認識率を向上させることができる。また、この場合には斜め方向のイメージシフトの場合と比べて、補間処理の演算量を軽減することができ回路規模・演算量を軽減することができる。
【0096】
(8)イメージシフトを伴ったモノクロ画像の生成の際に、各変位位置における画像データのホワイトバランスを調整した後それらを合成することとすれば、各変位位置での光量差や各色のゲイン・オフセット差により生じるイメージシフト合成画像の画質劣化を防ぐことができる。
【0097】
(9)撮像装置の一部をコンピューターで構成し、残りをカメラユニットで構成した場合に、カメラユニットの構成要素を、撮像レンズ,メカニカルシャッタ,イメージシフト手段,空間フィルタ,固体撮像素子,前置処理回路とすれば、インターフェースケーブル中の信号線の本数を少なくすることができ、かつカメラユニット内の回路規模を小さくすることができるため、小型・軽量化なカメラユニットを実現できる。
【0098】
(10)撮像装置に撮像開始を指示するシャッタボタンを具備させ、それが押圧されてから一定時間(5msec〜50msec)経過後にトリガ信号を発生させるようにすれば、シャッタボタンを押した瞬間に生じる手ぶれを避けて撮像を行うことができる。
【0099】
(11)カメラユニットに撮像開始を指示するシャッタボタンを具備させるとともに、コンピューターにもトリガ信号を発生するシャッタ機能を具備させ、さらにカメラユニットとコンピューター間の相互通信を可能とすることにより、ユーザにとって使いやすく、ユーザの意図に反した誤動作を防ぐことができる。
【0100】
(12)カメラユニットに撮像開始を指示するシャッタボタンを具備させるとともに、コンピューターにもモノクロ/カラー撮像モードの切り替え手段を具備させることにより、ユーザにとって使いやすく、ユーザの意図に反した誤動作を防ぐことができる。
【0101】
(13)ホワイトバランスの調整を上記したようにヒストグラムを考慮した1次変換によって行えば、各色の信号にゲイン差・オフセット差・クリップが複合して存在した場合においても良好なホワイトバランス調整が可能となる。また、反射光等の高輝度点があった場合においても、良好なホワイトバランス調整が可能となる。
【0102】
(14)メカニカルシャッタを使用した固体撮像素子への露光を行った後にメカニカルシャッタを閉じたまましておくことで固体撮像素子への入射光を遮断して、固体撮像素子をメモリとして使用することにより、処理系において処理速度が遅い要素がある場合において、バッファメモリの容量を削減することができる。
【0103】
なお、上記した実施の形態3,4で示したようにコンピューターを撮像装置の一部とする場合、コンピューターにホワイトバランス調整やカラー画像,モノクロ画像の生成を行わせるためのプログラムは、CD−ROMやハードディスクといった記録媒体から供給されてもよい。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、モノクロ撮像のときにはイメージシフトを行い、カラー撮像のときにはイメージシフトを行わないため、主にビジネス書類等の高い解像度の必要なモノクロ撮像の際には高解像度の画像を得ることができ、それほど解像度を必要としない自然物を撮像する際はモアレのない標準解像度のカラー画像を得ることができる。
【0105】
また、モノクロ画像生成時に、イメージシフトして撮像した画像データに対してそれぞれ別個にホワイトバランス調整を行うことにより、各色のゲイン・オフセット差により生じるイメージシフト合成後の画質劣化を防止できると同時に、合成する複数の画像間の光量差を補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の空間フィルタ6の分離幅を示す説明図である。
【図3】実施の形態1の空間フィルタ6の周波数特性を示す説明図である。
【図4】固体撮像素子の色フィルタの配列を示す説明図である。
【図5】ホワイトバランス調整の手法を示す説明図である。
【図6】実施の形態1の撮像時のタイミングを表すタイミングチャートである。
【図7】実施の形態2の構成を表すブロック図である。
【図8】実施の形態2の可変空間フィルタのカラー撮像時における分離幅を示す説明図である。
【図9】図8の可変空間フィルタのカラー撮像時における周波数特性を示す説明図である。
【図10】実施の形態2のモノクロ撮像時における空間フィルタの分離幅を示す説明図である。
【図11】図10の可変空間フィルタのモノクロ撮像時間における周波数特性を示す説明図である。
【図12】実施の形態2のモノクロ撮像時における空間フィルタの分離幅の他の例を示す説明図である。
【図13】図12の可変空間フィルタのモノクロ撮像時間における周波数特性を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態3の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施の形態4の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図16】シャッタ押圧後の手振れ量の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
4 イメージシフト手段
7 固体撮像素子(撮像手段)
16 ホワイトバランス調整手段
17 制御手段
18 カラー画像生成手段
19 モノクロ画像生成手段

Claims (7)

  1. 複数色からなる色フィルタを有し、撮像光を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
    カラー画像の生成とモノクロ画像の生成との切り替えを行う切り替え制御手段と、
    カラー画像生成時に、前記撮像手段からの撮像データに基づきカラー画像を生成するカラー画像生成手段と、
    モノクロ画像生成時に、該撮像手段と撮像光との位置関係を相対的に変位させてイメージシフトを行うイメージシフト手段と、
    モノクロ画像生成時に、前記イメージシフトの各位置において前記撮像手段が撮像した画像データを、合成してモノクロ画像を生成するモノクロ画像生成手段と、を具備してなる撮像装置において、
    各色における各画素の画素値を補正することで、各色間のホワイトバランスの調整を行うホワイトバランス調整手段と、
    モノクロ画像生成時に、前記ホワイトバランス調整手段に、前記イメージシフトの各位置での画像データに対して各々別個にホワイトバランスの調整を行わせしめるホワイトバランス制御手段を具備してなることを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置において、前記ホワイトバランス調整手段は、前記撮像手段の色フィルタの各色の画素値の分布が所定の最小値から最大値までの範囲の分布となるように、各色における各画素の画素値を一次変換することを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項1に記載の撮像装置において、
    前記撮像手段に入射する撮像光の光路中に配され、カラー撮像時とモノクロ撮像時とで制限する空間周波数を変化させ、カラー撮像時には色モアレを軽減するフィルタ特性となり、モノクロ撮像時には折り返し歪みを軽減するフィルタ特性となる可変フィルタ手段を有してなることを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1に記載の撮像装置において、
    前記撮像手段に入射する撮像光の光路中に配され、前記撮像手段の水平,垂直での画素ピッチをPh,Pvとした場合に、[1/Ph,0],[−1/Ph,0],[0,1/Pv],[0,−1/Pv]の4点を頂点とする四辺形にてレスポンスが零となる周波数特性を有するフィルタ手段を有してなることを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項1に記載の撮像装置において、外部からの機械的入力により撮像の開始を指示する開始信号を発生する入力手段を有してなり、前記機械的入力の後5msec〜50msec後に前記撮像主段による撮像を行うことを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項1に記載の撮像装置において、モノクロ画像生成時に、イメージシフト手段による画像シフトが終了した後の画像データを撮像する際の画面の露光量が、前記撮像手段により受光される撮像光の空間的な位置のシフトが開始される前に露光された画面の露光量と同レベルになるように、画像データを撮像する際の露光時間を決定するメカニカルシャッターを、前記撮像手段への撮像光の光路中に有していることを特徴とする撮像装置。
  7. 複数色からなる色フィルタを有し撮像光を撮像して画像データを生成する撮像手段と、該撮像手段と撮像光との位置関係を相対的に変位させてイメージシフトを行うイメージシフト手段とを有し、カラー画像生成時にはイメージシフトを動作させず、モノクロ画像生成時にはイメージシフトを動作させる撮像装置からの画像データに基づき、コンピューターにカラー画像,モノクロ画像を生成させるプログラムを記録した記録媒体であって、
    コンピューターを、前記色フィルタの各色の各画素の画素値を補正して、各色間のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段、カラー画像生成時に、前記撮像手段からの撮像データに基づきカラー画像を生成するカラー画像生成手段、モノクロ画像生成時に、前記イメージシフトの各位置において前記撮像手段が撮像した画像データを、合成してモノクロ画像を生成するモノクロ画像生成手段、およびモノクロ画像生成時に、前記ホワイトバランス調整手段に、前記イメージシフトの各位置での画像データに対して各々別個にホワイトバランスの調整を行わせしめるホワイトバランス制御手段、として機能させるためのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
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