JP3839006B2 - 連鎖ブロック - Google Patents

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本発明は、連続して配置することにより壁面や河床などの表面を構築するコンクリートブロックに関し、特に、隣接するコンクリートブロック相互が連鎖してなる連鎖ブロックに関するものである。
法面等に使用される一般的なコンクリートブロックは、ブロック本体と、このブロック本体の裏面から後方に突出する控え部と呼ばれる部分とで構成され、控え部を胴込みコンクリートで固定するものであったが、上記控え部をテーパ状に構成する場合、個々のコンクリートブロックが脱落する可能性を有することから、上記控え部にくびれ部を設けた構成としていた(特許文献1参照)。
しかし、上記のコンクリートブロックでは、個々のコンクリートブロックが大重量となるため、その運搬や取り扱いが難しく、また、ブロック本体相互の位置決め作業に時間がかかるなど、作業能率の悪いことが指摘され、これを解消するための法面保護用ブロックが開発されているところである。
そこで、作業性を向上させることのできる従来技術は、ブロック本体の上下に雄雌の上下方向連結手段と、左右方向に雄雌の左右連結手段とを設けたものであった。そして、上下方向連結手段としては、ブロック本体の上方前面に断面略U字状の2個の係止凹部が、下方後面に断面略U字状の2個の係止凸部がそれぞれ設けられ、一方、左右方向連結用の係止手段は、平面略台形の係止凹部と係止凸部をブロック本体の左右前面に左右対称に形成したものであった(特許文献2参照)。
実開昭57−101153号公報(3頁、図4〜図6) 実開平7−23036号公報(5頁〜8頁)
しかしながら、上記技術の係止手段は、敷設作業時におけるブロック本体の位置決めを迅速かつ確実に行うことができるという作用効果を奏するものであって、左右方向に連結する際には、タイバンドを使用してボルトで固定されるものである。これは、上記係止手段のみよって相互に隣接するコンクリートブロックを固定できないためであり、敷設作業を効率的に行うことができる反面、長期使用に耐えるためには、補強作業を要するものであった。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、コンクリートブロックの積み上げ作業を容易にするのみならず、その後の補強作業を省略し得るコンクリートブロックを提供することである。
そこで、本発明は、一平面により正面を構成するブロックベースと、このブロックベースの正面を4つに区分したうちの対向する2区分の正面に突設された正面装飾部と、この正面装飾部に連続しつつ上記ブロックベースの側方に突出してなる係止部とを備えたことを特徴とする連鎖ブロックを要旨としている。この場合において、上記2区分に突設される2つの正面装飾部には、同一形状の装飾面を構成することができる。
さらに、本発明は、正方形の平面により正面を構成するブロックベースと、このブロックベースの正面を対角線に沿って4つに区分したうちの対向する2区分の正面に突設された正面装飾部と、この正面装飾部に連続しつつ上記ブロックベースの側方に突出してなる係止部とを備えたことを特徴とする連鎖ブロックを要旨とするものである。
上記において、2区分に突設される2つの正面装飾部は、対角線に沿って区分された直角二等辺三角形の全部または一部に設けられた正面装飾部とすることができ、また、同一形状の装飾面で構成される2つの正面装飾部とすることもできる。さらに、上記係止部は、正面装飾部と対象形状に構成されるとともに、該正面装飾部と一体的に成形されてなる係止部とすることができる。そして、上記いずれの構成においても、ブロックベース、正面装飾部および係止部は、コンクリートにより一体的に成形することができる。
本発明によれば、ブロックベースの正面には、偶数個に区分され、その半分にのみ正面装飾部が設けられ、残りの半分は正面が露出するものであるから、隣接する他のブロックベースから突出する係止部を正面が露出する部分に当接させることで、係止させることが可能となる。また、一方では、正面装飾部と一体的に構成される係止部がさらに隣接する他のブロックベースを係止することができる。従って、本発明の連鎖ブロックを使用し、その係止部を他の連鎖ブロックのブロックベース正面に当接させつつ順次隣接することによって、一方の連鎖ブロックが他方の連鎖ブロックを係止し、係止される連鎖ブロックがさらに他の連鎖ブロックを係止することとなり、係止の状態が順次連鎖することができる。これにより、連鎖ブロックにより構築される壁面等は、表面に対して平行な方向に固定されるとともに、表面に対して垂直方向にも固定されることとなり、全体が一枚のコンクリートプレートとして機能することとなる。
また、各連鎖ブロックは隣接する連鎖ブロックの相互に係止し合うこととなるので補強作業を省略し得るものである。すなわち、法面を保護するための壁面を構築する場合、胴込みコンクリートによる固定作業は不要となる。そこで、胴込みコンクリートを打設する必要がないことから、保護用壁面が配置される位置の法面を掘削する際、掘削すべき範囲を小さくすることができる。これにより、掘削作業の簡略化を図ることができ、作業効率を向上させることができる。また、これと同時に、胴込みコンクリートが存在しないため、当該胴込みコンクリートの亀裂等を防止する必要もなくなり、そのための作業、すなわち、連鎖ブロックの連続部分における空隙を発生させないための目地材の充填作業などを省略することができる。上記のように、法面を保護するための作業効率を向上することにより、工期を短縮して工事費用を節減することが可能となる。
上記構成の連鎖ブロックにおいて、ブロックベースの正面を4つに区分し、その2つの区分に正面装飾部および係止部を設け、他の2つの区分については正面装飾部等を設けない構成とした発明にあっては、ブロックベースを二区分で係止され、また、二個の係止部で隣接する他のブロックベースを係止することができ、順次連鎖してなる連鎖ブロックの係止状態を安定させることができる。
また、ブロックベースの正面を正方形とし、これを対角線に沿って区分することによって構成された4つの区分のうち、対向する2つの区分に正面装飾部および係止部を設ける発明によれば、正面装飾部を設けない区分も対向する状態で構成されるから、当該ブロックベースが両側に隣接する他の2つの連鎖ブロックにより係止されることとなる。一方、当該ブロックベースに設けられる係止部は、ブロックベースから相反する方向に突出する係止部を構成することができるので、ブロックベースの両側に隣接する他のブロックベースを係止することができる。従って、本発明の連鎖ブロックを順次隣接させることによって、壁面等を容易に構築できることとなる。
なお、上記いずれの発明においても、正面装飾部および係止部の各形状または各表面模様を任意に変更することができるので、上記連鎖ブロックにより構築される壁面の表面に種々の模様を構成させることが可能になる。そして、上記正面装飾部および係止部の形状を調整することにより、規則的に繰り返される幾何学模様とは異なる個性的な模様を壁面に構成することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、図1に示すように、正面の形状を正方形にしてなるブロックベース1と、その正面の一部に突設された突出部2,3とで構成されたものである。この突出部2,3は、ブロックベース1の正面上に設けられる正面装飾部21,31と、ブロックベース1の端面よりも側方に突出する係止部22,32とを一体的に構成したものである。また、本実施形態の突出部2,3の全体形状は円柱形となっており、正面装飾部21,31および係止部22,32のそれぞれが、断面を半円形とする柱状に形成されるとともに、これら半円の直径側を対向させつつ一体的に構成してなるものである。このように、正面装飾部21,31および係止部22,32が、ブロックベース1の端縁を中心線として対称となる形状となっているのである。
ここで、上記突出部2,3は、ブロックベース1の正面を均等な面積で区切った偶数個の区分を想定し、その区分の半数に当たる範囲に設けられるものである。本実施形態では、図2に示すように、正方形のブロックベース1の正面10について、対角線に沿った2本の仮想直線X,Yにより均等な面積の4つの区分11a,11b,11c,11dに区切ったものを想定し、そのうちの2つの区分に突出部2,3を設けたものである。そして、突出部2,3を設ける区分としては、対向する2つの区分11a,11bを選択することにより、当該区分11a,11bを正面装飾領域とすることができ、残りの二つの区分11c,11dは、対向する位置において被係止領域を形成することとなる。これにより、突出部2,3を構成する係止部22,32がブロックベース1の両側(端縁12a,12b)から相反する方向に向かって突出させることができるのである。一方、被係止領域11c,11dは、ブロックベース1の正面10が露出しており、他の同種のブロックにおける係止部22,32による係止を許容するものである。
そして、上記のとおり4つの区分のうちの1つは上記ブロックベース1の正面全体の1/4の面積を有するものであり、この面積の範囲内に正面装飾部21,31を設けるとともに、係止部22,32を上記正面装飾部21,31と対称な形状とすれば、この係止部22,32が突出する部分も同様にブロックベース1の正面の1/4の面積となる。従って、隣接するブロックベース1の正面の被係止領域に上記係止部22,32を当接することができるのである。そして、被係止領域に当接した係止部22,32の表面が、当該隣接するブロックベース1の正面に現出し、これが装飾部としても機能することとなるのである。
また、上述のように、突出部2,3を円柱形に構成する場合、その円形表面のうち、半円部分が正面装飾部21,31を構成させるとともに、残りの半円部分がブロックベース1の両側から突出する係止部22,32となるのである。従って、上記半円部分の係止部22,32が他のブロックベース1の被係止領域を係止することができ、このとき、当該他のブロックベース1に設けられている正面装飾部21,31を避けてブロックベース1の正面に係止部22,32を当接させることができるのである。
次に、本実施形態の使用態様について説明する。図3に示すように、中央に配置した連鎖ブロックAaの四方にそれぞれ他の連鎖ブロックAb,Ac,Ad,Aeを隣接させることによって、各連鎖ブロックAa〜Aeの正面を連続する平面状に配置することができる。このとき、中央に配置する連鎖ブロックAaの被係止領域が形成されている側に配置される他の連鎖ブロックAb,Acは、当該連鎖ブロックAb,Acの突出部2b,3cを当該被係止領域に向けて配置するのである。一方、中央の連鎖ブロックAaの突出部2a,3aが設けられている側に隣接する他の連鎖ブロックAd,Aeは、被係止領域を当該突出部2a,3aに向けて配置するのである。
上記のように配置することにより、中央の連鎖ブロックAaの被係止領域は、これに隣接する連鎖ブロックAb,Acによって係止されるのである。すなわち、図4(a)に示すように、中央の連鎖ブロックAaのブロックベース1aの表面に、両側の連鎖ブロックAb,Acの係止部22b,32cが当接し、当該ブロックベース1aを係止することができるのである。一方、中央の連鎖ブロックAaは、これに隣接する連鎖ブロックAd,Aeを係止する。すなわち、図4(b)に示すように、中央の連鎖ブロックAaの係止部22a,32aが、隣接する連鎖ブロックAd,Aeのブロックベース1d,1eの表面に当接し、両ブロックベース1d,1eを係止することができるのである。
従って、中央の連鎖ブロックAaは、隣接する2つの連鎖ブロックAb,Acによって係止されるとともに、隣接する他の2つの連鎖ブロックAd,Aeを係止するのであり、上記連鎖ブロックAb,Acによる係止がなされる限りにおいて、他の連鎖ブロックAd,Aeを係止できるのである。そして、係止側の連鎖ブロックAb,Acは、さらに、他の連鎖ブロックによって係止されるものであり、当該他の連鎖ブロックによる係止がなされている限りにおいて中央の連鎖ブロックAaの係止を可能にしている。このように、隣接する連鎖ブロックを順次連鎖しつつ全体を係止することができるのである。
そこで、図5(a)および(b)に示すように、正面装飾領域11a,11b(図2)と、被係止領域11c,11d(図2)の向きを交互にしつつ複数の連鎖ブロックA01,A02・・・を一列に整列させることにより、第一列目を連鎖させることができ、引き続き、この第一列目とは異なる向きで連鎖ブロックA11,A12・・・を一列に整列させることにより、第二列目を連鎖させることができる。これを横方向および縦方向に連続させることによって、複数の連鎖ブロックを面状に連鎖させることができるのである。従って、上記連鎖により、法面の保護用壁面を構築する場合、図5(c)に示すように、法面Gの下端に設けられる基部4の斜状部41を階段状にすることにより、第一列目の連鎖ブロックA02に設けられる一方の係止部22bが当該階段状部分を係止する状態で設置することが可能となり、その上に第二列目の連鎖ブロックA12を積み上げることができる。このようにして、所定の数の連鎖ブロックAn2まで積み上げることにより、法面全体を被覆する壁面を構築できるのである。なお、各連鎖ブロックは、隣接する連鎖ブロックを係止する一方で他の連鎖ブロックによって係止される関係であるから、連鎖して設けられる連鎖ブロックの一部が離脱することはない。ただし、構築された壁面の端部(壁面の周辺部分)に配置される連鎖ブロックは、係止されない被係止領域が存在することから、当該部分を固定するための工事を施すことによって、壁面全体の崩壊を十分に回避できる。その固定のための工事としては、コンクリートを打設することなどが考えられる。
次に、第二の実施形態について説明する。本実施形態は、図6に示すように、正面110の形状を直角二等辺三角形にしてなるブロックベース101について、当該正面110を2つの区分111a,111cに区切り、その一方の区分111aにのみ突出部102を設けたものである。従って、他方の区分111cは、被係止領域として形成されているのである。本実施形態は、第一の実施形態のように順次連鎖させることができないものの、第一実施形態を同時に使用する際に有効に機能するものである。
そこで、本実施形態の使用態様を説明すると、まず、本実施形態のブロックベース(以下、第二ブロックベースという)101の正面110は、第一実施形態におけるブロックベース(以下、第一ブロックベースという)1の正面10の1/2の面積で構成することにより、第一ブロックベースをその対角線に沿って二分割してなる形態とすることができる。そして、第二ブロックベース101の斜辺は、第一ブロックベース1の一辺と同じ長さとなることから、当該両辺を隣接することができるのである。
従って、図7に示すように、第二の実施形態による連鎖ブロック(以下、第二連鎖ブロックという)Ba,Bb,Bc・・・を、その直角二等辺三角形の底辺が連続する直線状となるように整列させることにより、当該第二連鎖ブロックBa,Bb,Bc・・・の係止部122a,122b,122c・・・を規則的に配置することができる。しかも、このように整列させた係止部122a,122b,122c・・・によって、第一の実施形態による連鎖ブロック(以下、第一連鎖ブロックという)Aa,Ab,Ac・・・が係止されるように隣接することにより、これらによって形成される壁面の各端縁を直線状にすることができるのである。
また、当該第二連鎖ブロックBa,Bb,Bc・・・は、第一連鎖ブロックAa,Ab,Ac・・・を係止すると同時に、当該連鎖ブロックAa,Ab,Ac・・・によって被係止領域111c(図6)を係止される関係にあるから、双方の連鎖ブロックが相互に係止し合って全体を一体化することができる。なお、上述のとおり、第二連鎖ブロックBa,Bb,Bc・・・の底辺部分が壁面の端縁を形成することから、当該端縁である第二連鎖ブロックBa,Bb,Bc・・・を十分に固定すれば、これにより係止される第一連鎖ブロックAa,Ab,Ac・・・を一層安定させることができるのである。そして、この固定方法としては、コンクリートの打設による方法がある。
次に、上記第一および第二の実施形態を利用して法面を保護するための壁面を構築する使用態様について説明する。法面は、一般的に造成地や道路脇などの斜面に構成されるものであるが、ここで、図8に示すように、斜状の法面Gに沿って上記第一連鎖ブロックAおよび第二連鎖ブロックBを積み上げ、法面Gの全面に上記壁面(図7)を構築するのである。その際、下端部には、斜状の当接面を有する基部4が設けられ、この基部4に第一連鎖ブロックAおよび第二連鎖ブロックBが積み上げられる。そして、構築すべき周辺にのみ第二連鎖ブロックBが配置され、中間の範囲には第一連鎖ブロックAが積み上げられるものである。また、両ブロックA,Bを構成するブロックベース1,101の背後には、控え部51,151が設けられている。
すなわち、図9(a)および(b)に示すように、両ブロックベース1,101には、背面側に連続して突出する錐台形状の突出部が構成され、これが控え部51,151として機能するのである。この控え部51,151は、ブロックベース1,101の重心を背面側寄りとする作用を有しており、法面G(図8)に設置する際、連鎖ブロックA,Bを積み上げた状態において、当該連鎖ブロックA,Bの背面を法面Gに当接させつつ安定させることができ、この連鎖ブロックA,Bが壁面の表面側に傾倒することを防ぐことができるのである。なお、上記控え部51,151の形状は、錐台形状に突出させて構成する場合のほかに、ブロックベース1,101の背面を適宜間隔で凹凸させてなる構成とするものであってもよい。この場合、適宜間隔で構成される凸部が法面Gの表面に侵入することとなり、設置した連鎖ブロックの位置を安定させることができる。
上記のような使用の形態にすれば、図8において示したように、各連鎖ブロックA,Bは、相互に係止し合って一体的な壁面を構成することができ、しかも、両ブロックA,Bを積み上げる作業のみによって壁面を構築できることから、作業効率の向上を図ることができる。そして、各連鎖ブロックA,Bは、その位置の安定が重要であるが、相互に係止されていることから、特に、壁面に対して垂直方向に固定する必要がなく、従って、胴込みコンクリートによる各ブロックA,Bの固定作業は不要となる。そして、この胴込みコンクリートの打設が不要となることから、連鎖ブロック設置領域Wが小さくなるため、法面Gの表面を掘削すべき範囲を小さくすることができる。
さらに、胴込みコンクリートを設ける場合には、ブロック相互間の空隙部から雨水等が侵入することによって、当該胴込みコンクリートに亀裂等が発生するため、上記空隙部に目地材を充填する必要があるが、上記使用態様においては、胴込みコンクリートがないのであるから、上述のような目地材の充填が不要となる。また、法面Gから滲み出る水の排除としては、胴込みコンクリートが存在する場合には、法面Gの水が当該胴込みコンクリートによって堰き止められることから、当該胴込みコンクリートおよびコンクリートブロックを貫通する排水口を設けなければならないが、上述の使用形態によれば、胴込みコンクリートによって堰き止められることなく、しかも、各連鎖ブロックA,Bは相互に分離していることから、これらの間隙を通過して排水することが可能となる。
また、上記使用態様は、図10(a)に示すように、壁面を構築する場合、その端縁には第二連鎖ブロックBを配置し、その他の部分には第一連鎖ブロックAを設置すれば、二種類の連鎖ブロックA,Bの組み合わせにより壁面を構築することができる。従って、従来のように、壁面の端縁にコンクリートの打設するなどにより、枠部を構成する別工程を必要としない。また、連鎖ブロックの正面には、正面装飾部21,31および係止部22,32が突出しており(図2)、壁面を構築した場合、図10(b)に示すように、正面装飾部21,31および係止部22,32によって、表面から突出する水玉模様が構成され、一方、この正面装飾部21,31が存在しない部分には凹部Zが構成される。そこで、この凹部Zを利用して植物を植栽することが可能となる。そして、この場合、凹部Zに植物を植栽するために必要な土壌を充填することによって、植物は当該土壌から必要な養分および水分を吸収することとなるほか、各連鎖ブロックA,Bの間に形成される間隙から植物の根の通過を許容することによって、側物が自らの根を法面に到達させ、当該法面から水分を吸収できるように構成することも可能となる。
上記のように、本発明の連鎖ブロックは、連続して隣接させることによって壁面等の平面を構成することができるため、法面の保護用壁面の他に、種々の使用態様をとることができる。例えば、図11に示すような河川等の堤防60の保護用壁面または河床70の表面に使用することができる。堤防60の壁面については、上述した法面の保護用壁面を構築する場合と同様に、斜面に沿って連鎖ブロックA,Bを積み上げればよく、この場合、壁面に構成される凹凸を利用して、凹部に植物を植栽することができることから、河川の緑化を可能にするものである。また、河床70の表面に使用する場合は、河川の底面に沿って連鎖ブロックA,Bを隣接させつつ配置することによって、河床のコンクリートブロック敷設工事を行うことができる。この場合においても、河床の表面に凹凸が形成されることから、凹部に植物を植栽することが可能となる。さらに、一般の道路表面に敷設することにより、例えば、歩道を幾何学模様の路面にすることができる。
本発明の実施形態は上記のとおりであるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様をとることができる。例えば、上記実施形態においては、いずれの突出部2,3,102についても円柱形状に構成し、正面装飾部21,31,121および係止部22,32,122の表面形状が半円形であるものを例に説明したが、この形状を変更することは可能である。すなわち、正面装飾部21,31,121は、ブロックベース1,101の正面10,110を区切った一つの区分に収まる範囲内に形成され、かつ、係止部22,32,122は、ブロックベース1,101から側方に突出する部分が上記区分の一つ分に収まる大きさに形成されていれば、係止部が隣接する連鎖ブロックの被係止領域を係止できるのである。
例えば、図12(a)に示すように、前記第一実施形態と同様に、正面10が正方形のブロックベース1について、対角線に沿って4つの区分に正面10を区切った場合、その一つの区分は直角二等辺三角形となるが、この区分の全範囲を底面とする三角柱形状の正面装飾部21,31を形成するとともに、これに対称な形状の三角柱形状の係止部22,31を設ける構成とすることができる。この場合、被係止領域は、直角二等辺三角形となり、この被係止領域を除く部分全体には正面装飾部21,31が形成されることとなる。そして、このように構成した連鎖ブロックを隣接させるとき、図12(b)に示すように、係止部22,32が直角二等辺三角形の上記被係止領域の全面に当接することができるため、ブロックベース1の正面10は、正面装飾部および係止部(図中網目模様部分)によって、その全面が被覆されることとなる。従って、連鎖ブロックの連鎖により構築される壁面の表面を平坦に構成することができる。
また、図13(a)に示すように、正面装飾部21,31を四角柱形状とし、係止部22,32を対称な形状とすることにより、ブロックベース1の表面に六角形状の突出面を形成することができる。このような形状とすれば、複数の連鎖ブロックを隣接させるとき、図13(b)に示すように、壁面の表面に格子模様を形成させることができるのである。
さらに、上記のように種々の形状に構成された異なる種類の連鎖ブロックを混在させることも可能である。つまり、いずれの連鎖ブロックにおいても、ブロックベース1の表面10は均等に区分されており、被係止領域11c,11dは、区分された範囲に均一に設けられているから、異なる形状の係止部22,32を上記被係止領域11c,11dに係止させることができるのである。そして、これらの組み合わせにより、変化のある壁面模様を構成することが可能となる。また、正面装飾部21,31および係止部22,32の形状について、上記のように例示したものとは異なる形状を形成させることによって、連鎖ブロックを隣接した際に構築される壁面の模様を変化させることができ、これらの組み合わせにより、意匠性に優れた壁面を構築することが可能となる。
なお、ブロックベース1の端面については、図1において示したように、正面10に対して垂直な面で構成することができるが、この端面を正面10に対して傾斜した面で構成することも可能である。つまり、図14(a)または(b)に示すように、ブロックベース1の端面のうち、少なくとも一面について、斜状の端面13を構成してもよく、この斜状端面13と対向する側の端面についても斜状に構成してもよい。この場合、斜状端面13を設ける位置は、被係止領域1111c,11d(図2)が構成されている側とするもの(図14(a)参照)、または、正面装飾領域11a,11b(図2)が構成されている側とするもの(図14(b)参照)を用意することによって、図14(c)に示すように、これらの斜状端面13が当接するように隣接させれば、構築すべき壁面を曲面とすることが可能となる。
第一実施形態を示す斜視図である。 第一実施形態の正面図である。 第一実施形態の使用態様を示す説明図である。 (a)はIVA−IVA断面図であり、(b)はIVB−IVB断面図である。 第一実施形態の使用態様を示す説明図である。 第二実施形態を示す斜視図である。 第二実施形態の使用態様を示す説明図である。 第一および第二実施形態の使用態様を示す説明図である。 第一および第二実施形態の変形例を示す説明図である。 第一および第二実施形態を使用して壁面を構築する状態を示す説明図である。 第一および第二実施形態のその他の使用態様を示す説明図である。 他の実施形態を示す説明図である。 他の実施形態を示す説明図である。 他の実施形態を示す説明図である。
符号の説明
1,101 ブロックベース
2,3,102 突出部
4 法面基部
10,110 ブロックベース正面
11a,11b 正面装飾領域
11c,11d 被係止領域
12a,12b ブロックベース端縁
13 斜状端面
21,31,121 正面装飾部
22,32,122 係止部
51,151 控え部
60 堤防
70 河床
A 第一連鎖ブロック
B 第二連鎖ブロック
G 法面
Z 凹部

Claims (7)

  1. 一平面により正面を構成するブロックベースと、このブロックベースの正面を4つに区分したうちの対向する2区分の正面に突設された正面装飾部と、この正面装飾部に連続しつつ上記ブロックベースの側方に突出してなる係止部とを備えたことを特徴とする連鎖ブロック。
  2. 前記2区分に突設される2つの正面装飾部は、同一形状の装飾面で構成される2つの正面装飾部である請求項1記載の連鎖ブロック。
  3. 正方形の平面により正面を構成するブロックベースと、このブロックベースの正面を対角線に沿って4つに区分したうちの対向する2区分の正面に突設された正面装飾部と、この正面装飾部に連続しつつ上記ブロックベースの側方に突出してなる係止部とを備えたことを特徴とする連鎖ブロック。
  4. 前記2区分に突設される2つの正面装飾部は、前記対角線に沿って区分された直角二等辺三角形の全部または一部に設けられた正面装飾部である請求項3記載の連鎖ブロック。
  5. 前記2区分に突設される2つの正面装飾部は、同一形状の装飾面で構成される2つの正面装飾部である請求項3または4記載の連鎖ブロック。
  6. 前記係止部は、前記正面装飾部と対象形状に構成されるとともに、該正面装飾部と一体的に成形されてなる係止部である請求項1ないし5のいずれかに記載の連鎖ブロック。
  7. 前記ブロックベース、正面装飾部および係止部は、コンクリートにより一体的に成形されてなる請求項1ないし6のいずれかに記載の連鎖ブロック。
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