JP3838992B2 - 障害検出方法及び情報処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の情報処理装置から構成される情報処理システムで発生した致命的な障害の情報を取得するための障害検出方法及び情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
汎用コンピュータやミニコンピュータと呼ばれる比較的大規模な情報処理装置は、コンピュータネットワークのホストコンピュータ等でも利用されため、何らかの障害が発生した場合に、その障害内容や障害部位を検出して外部に通知する故障診断機能が非常に重要になる。
【0003】
故障診断機能を有する従来の情報処理装置として、オペレーティングシステムで動作するメインシステムとは別に独立して動作するマイクロ診断装置を有し、致命的な障害となりうる、例えばCPUとメモリ間等で障害が発生した場合に、その障害を検出して外部に通報する構成が特許文献1に記載されている。
【0004】
また、独立して動作可能な2台のプロセッサを有し、一方のプロセッサで障害が発生したときに、他方のプロセッサでその障害情報を収集して外部に通知する構成が特許文献2、3に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−265812号
【特許文献2】
特開平4−329461号
【特許文献3】
特開平3−014136号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような従来の情報処理装置のうち、特許文献1に記載されたマイクロ診断装置を備えた構成では、情報処理装置内に、メインシステムから独立して動作するCPUやメモリを含む処理装置が必要になるため、装置構成が複雑になって実装面積が大きくなり、コストが増大して非常に高価なものになってしまう。そのため、省スペース化や低コスト化が要求されるワークステーションサーバやオフィスコンピュータ、あるいはパーソナルコンピュータ等の比較的小規模な情報処理装置ではマイクロ診断装置を備えた構成を採用できないことが多い。
【0007】
マイクロ診断装置を持たない情報処理装置では、致命的な障害が発生すると、CPU自体が動作できない状態、あるいはCPUからメモリやPCI/LPC(ISA)バス等に対して命令を送出できない状態となるため、結果としてオペレーティングシステムの動作が停止してしまう。また、このような情報処理装置では、処理途中のメモリやレジスタの内容を保存したり、最低限の障害情報を記録しておくためのイベントログも実行できなくなる。
【0008】
一方、特許文献2、3に記載された、2台のプロセッサが互いの障害情報を取得する構成は、少ないハードウェア量の増加で障害情報を取得できるようになるため、比較的小規模な情報処理装置に適用することが可能である。
【0009】
しかしながら、特許文献2、3に記載された構成では、プロセッサの状態を互いに監視するための回路や障害情報を転送するための専用のバスを設ける必要があるため、汎用性に乏しいという問題がある。したがって、例えば、近年のブレードサーバのように、情報処理装置の機能を備えたブレードを増設することでサーバ全体の処理能力を向上させる構成に適用する場合、増設する度に各ブレード内の回路構成やソフトウェアを変更しなければならないため、変更のための手間が増大して高価なものになってしまう。
【0010】
本発明は上記したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、障害情報を省スペース、低コストな構成で取得可能にして、信頼性の高い情報処理システムが得られる障害検出方法及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の障害検出方法は、内部デバイスからそれぞれの装置情報を収集するための汎用バスを備えた複数の情報処理装置と、
前記複数の情報処理装置のうち、任意の2つの情報処理装置の前記汎用バス間を接続するためのバス切替回路を備えたブリッジボードと、
を有する情報処理システムで発生した致命的な障害の情報を収集するための障害検出方法であって、
前記情報処理装置で障害が発生すると、該情報処理装置から障害の発生を示す割り込みを前記ブリッジボードに送出し、
前記ブリッジボードで前記割り込みを受け取ると、該割り込みを発行した情報処理装置を除く全ての情報処理装置に障害の発生を示す障害通知信号をそれぞれ送出し、
前記ブリッジボードから障害の発生を示す障害通知信号を受け取った情報処理装置は、所定の時間経過後に該障害通知信号がクリアされない場合に、障害が発生した情報処理装置の前記汎用バスにアクセスするためのバス切替信号をブリッジボードに送出し、
前記ブリッジボードは、前記割り込みを発行した情報処理装置の前記汎用バスと前記バス切替信号を送出することで故障診断装置に選定された情報処理装置の前記汎用バスとを接続し、
前記故障診断装置に選定された情報処理装置はBIOSのプログラムにしたがって前記障害が発生した情報処理装置の内部デバイスから前記汎用バスを介してそれぞれ障害情報を収集する方法である。
【0012】
一方、本発明の情報処理システムは、内部デバイスからそれぞれの装置情報を収集するための汎用バスを備え、障害が発生すると該障害の発生を示す割り込みを外部に送出し、外部から障害の発生を示す障害通知信号を受け取ると所定の時間経過後に該障害通知信号がクリアされない場合に、障害が発生した装置の前記汎用バスにアクセスするためのバス切替信号を外部に送出すると共に、BIOSのプログラムにしたがって該装置の内部デバイスから前記汎用バスを介してそれぞれ障害情報を収集する複数の情報処理装置と、
前記複数の情報処理装置のうち、任意の2つの情報処理装置の前記汎用バス間を接続するためのバス切替回路を備え、前記割り込みを受け取ると、該割り込みを発行した情報処理装置を除く全ての情報処理装置に前記障害通知信号をそれぞれ送出し、前記割り込みを発行した情報処理装置の前記汎用バスと前記バス切替信号を送出することで故障診断装置に選定された情報処理装置の前記汎用バスとを接続するブリッジボードと、
を有する構成である。
【0013】
上記のような障害検出方法及び情報処理システムでは、障害の発生を示す割り込みを受け取ったブリッジボードが該割り込みを発行した情報処理装置を除く全ての情報処理装置に障害の発生を示す障害通知信号をそれぞれ送出し、ブリッジボードから障害の発生を示す障害通知信号を受け取った情報処理装置は、所定の時間経過後に該障害通知信号がクリアされない場合に、障害が発生した情報処理装置の汎用バスにアクセスするためのバス切替信号をブリッジボードに送出し、ブリッジボードで割り込みを発行した情報処理装置の汎用バスと故障診断装置に選定された情報処理装置の汎用バスとを接続し、故障診断装置に選定された情報処理装置により、BIOSのプログラムにしたがって障害が発生した情報処理装置の内部デバイスから汎用バスを介してそれぞれ障害情報を収集することで、高価なマイクロ診断装置を用いることなく、経済的(省スペース、低コスト)に障害情報を取得することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明について図面を参照して説明する。
【0015】
本発明は、複数の情報処理装置を、汎用のバス(例えばI2Cバス)を含むブリッジボードを用いてそれぞれ接続することで、任意の情報処理装置で発生した障害の情報を他の情報処理装置で収集可能にする。I2Cバスは、情報処理装置内の各内部デバイスから各種装置情報(障害情報を含む)を収集するために、予め情報処理装置に備えたバスである。但し、CPUや主要なバス等で致命的な障害が発生した場合、オペレーティングシステムが動作しないため、それらの障害情報は収集できなくなる。本発明では致命的な障害が発生した情報処理装置のI2Cバスに対して他の情報処理装置からアクセスし、I2Cバスに繋がる内部デバイス(以下、I2Cバスデバイスと称すこともある)からそれぞれの障害情報を収集する。
【0016】
例えば、任意の情報処理装置のローカルバス、システムバス、メモリバス等の配下のデバイスで障害が発生した場合、該情報処理装置からブリッジボードを介して障害発生を示す信号であるSMI(System Management Interrupt)割り込みが各情報処理装置に通知される。ブリッジボードは、SMI割り込みに対して最初に応答した情報処理装置のI2Cバスと障害が発生した情報処理装置のI2Cバス間を接続する。障害情報を収集する故障診断装置に選定された情報処理装置は、障害が発生した情報処理装置のI2Cバスにアクセスし、そのSROM(Serial Read Only Memory)に格納されたシステム構成情報を参照しつつBIOSのプログラムにしたがって障害が発生した情報処理装置の各I2Cバスデバイスからそれぞれ障害情報を取得する。このような処理を行うことで、高価なマイクロ診断装置を用いることなく、経済的(省スペース、低コスト)に障害情報を収集することが可能になり、信頼性の高い情報処理システムを構築できる。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の情報処理システムの第1の実施の形態の構成を示すブロック図であり、図2は図1に示したブリッジボードの構成を示すブロック図である。また、図3は図1に示した情報処理システムによるバス切替動作の様子を示す模式図である。
【0018】
第1の実施の形態の情報処理システムは、情報処理装置としての機能を有する2つのプロセッサボード11、12がブリッジボード2で接続された構成である。
【0019】
図1に示すように、プロセッサボード11、12は、CPU11と、メインメモリ14と、CPU11に繋がるローカルバス、及びメインメモリ14に繋がるメモリバスの情報通信を制御するノースブリッジ12と、ノースブリッジ12に繋がるシステムバス、PCIデバイス15が繋がるPCIバス、及びBIOS ROM16やSuper I/O17等のLPC/ISAデバイスが繋がるLPC/ISAバスの情報通信を制御するサウスブリッジ13と、ブリッジボード2と接続するためのコネクタ20と、I2Cバスに接続された、アクセス可能な装置構成情報が格納される不揮発性メモリであるSROM19と、I2Cバスに接続された、温度や電源電圧等の装置状態を監視するためのセンサ18とを有する構成である。
【0020】
ローカルバスは、CPU11とノースブリッジ12間で通信するためのバスであり、ローカルバスで致命的な障害が発生した場合はプロセッサボード11、12の動作がフリーズ(停止)する。
【0021】
メモリバスは、ノースブリッジ12内の不図示のメモリコントローラとメインメモリ14間で通信するためのバスである。メモリバスで訂正不可能な障害が発生した場合、障害が発生した部位によってはプロセッサボード11、12の動作が停止する可能性がある。
【0022】
システムバスは、ノースブリッジ12とサウスブリッジ13間で通信するためのバスである。システムバスで致命的な障害が発生した場合もプロセッサボード11、12の動作は停止する。
【0023】
CPU11は、CPU11による処理のエラーを外部へ通知するためのCPUエラー通知回路112と、サウスブリッジ13で発行されたSMI割り込みを受信するためのSMI受信回路(SMI)111とを有し、SMI(System Management Interrupt)割り込みを受信するとSMM(System Management Mode)で動作する。
【0024】
メインメモリ14は、CPU11の処理で必要なプログラムやデータを保持するための記憶装置であり、メモリアクセス時に発生した障害を外部へ通知するためのメモリエラー通知回路(SPD)141を備えている。
【0025】
ノースブリッジ12は、ローカルバス及びメモリバスの情報通信を制御すると共に、システムコントローラ及びメモリコントローラとしての機能も備えている。また、ローカルバス及びメモリバス上で発生した障害を検出し、該障害検出結果をCPU11へ通知するためのノースブリッジエラー通知回路(NB Error)121を備えている。
【0026】
サウスブリッジ13は、SMI割り込みを発行するSMI発行回路131と、障害発生情報が格納されるエラー要因登録回路(Error登録回路)132と、障害が復旧したか否かを判定するために用いられるタイマ回路(Timer)133と、PCIバス及びLPC/ISAバス上で発生した障害を検出するサウスブリッジエラー通知回路(SM Error)134と、ブリッジボード2に対してバス切替信号を送出するGPIO回路135と、I2Cバスの通信を制御するI2Cバスマスタ136とを有する構成である。
【0027】
PCIバスには、PCIバスアーキテクチャを備えたPCIデバイス15が接続される。また、LPC/ISAバスには、例えば電源シーケンス等を制御するためのSuper I/O17、システムBIOSコードが格納されたROMであるBIOS ROM16等のLPC/ISAバスアーキテクチャを備えたLPC/ISAデバイスが接続される。
【0028】
CPU11は、BIOS ROM16に格納されたROMコードをメインメモリ14にコピーすることで、SMM時に用いるSMIハンドラのコードを実行できる。本実施形態では、図1に示すように、各プロセッサボード11、12のCPUエラー通知回路112、メモリエラー通知回路141、ノースブリッジエラー通知回路121、サウスブリッジエラー通知回路134、PCIデバイス15、Super I/O17、センサ18、及びSROM19がI2Cバスにそれぞれ接続され、BIOS ROM内に障害情報を収集するためのプログラムが格納されている。CPU11は、BIOS ROM内のプログラム(SMIハンドラ)にしたがって処理を実行することで、障害が発生したプロセッサボードの各デバイスからI2Cバスを介して必要な障害情報を取得する。
【0029】
図2に示すように、ブリッジボード2は、プロセッサボード11、12と接続するためのコネクタ211、212と、I2Cバスの接続を切り替えるためのバス切替回路22と、プロセッサボード11、12毎に障害が発生したことを示す障害通知信号(SMI IN信号)を生成する論理積回路(AND)231、232とを有する構成である。
【0030】
ブリッジボード2には、プロセッサボード11、12で障害が発生したことを示すSMI OUT信号(=SMI割り込み)、及びプロセッサボードが接続されていることを示すレベル信号であるPresence信号が各プロセッサボード11、12からそれぞれ入力される。
【0031】
SMI OUT信号及びPresence信号は論理積回路231、232に入力され、それらの論理積結果であるSMI IN信号が自ボードを除く全てのプロセッサボードへ送信される。このようにSMI OUT信号とPresence信号との論理積結果を用いることで、プロセッサボードが未接続による障害発生の誤検出を防止できる。
【0032】
バス切替回路22は、各プロセッサボード11、12のI2Cバスマスタ136と各デバイスが接続されたI2Cバスとを中継する回路であり、障害が発生していないとき(または障害復旧が可能なとき)は、各プロセッサボード11、12からのI2Cバスを自身のボードへ戻す経路(図3の経路▲1▼)に設定する。また、致命的な障害により復旧が不可能なときは、障害が発生したプロセッサボードのI2Cバスと故障診断装置となるプロセッサボードのI2Cバスとを接続する経路(図3の経路▲2▼)に設定する。
【0033】
なお、図1では、I2Cバスマスタ136に対して、CPUエラー通知回路112、メモリエラー通知回路141、ノースブリッジエラー通知回路121、サウスブリッジエラー通知回路134、PCIデバイス15、Super I/O17、センサ18、SROM19、及びコネクタ20がそれぞれ直接接続された構成を示しているが、実際の各I2Cバスデバイスが接続されたI2Cバスは、ブリッジボード2を経由して(図2の▲1▼、または▲2▼の経路)I2Cバスマスタ136に接続される。このような構成では、障害が発生したプロセッサボードのI2Cバスマスタ136を完全に切り離した状態で、故障診断装置となるプロセッサボードのI2Cバスマスタと障害が発生したプロセッサボードのI2Cバスデバイスとを接続することができる。
【0034】
障害が発生したプロセッサボードのI2Cバスと故障診断装置となるプロセッサボードのI2Cバスマスタ136とは、バス切替信号がアサートされている間は継続して接続される。本実施形態では、バス切替回路22を介して2つのプロセッサボード11、12のI2Cバス間を接続する場合、一方のプロセッサボードは必ず致命的な障害によって動作が停止しているため、バス切替信号の排他処理は不要である。
【0035】
次に、第1の実施の形態の情報処理システムの動作について説明する。
【0036】
図1に示す構成において、一方のプロセッサボード11のCPU11、ローカルバス、システムバス、及びメモリバスで致命的な障害が発生した場合を想定する。
【0037】
このとき、障害を監視しているCPUエラー通知回路(CPU Error)112、ノースブリッジエラー通知回路(NB Error)121、及びサウスブリッジエラー通知回路(SM Error)134からサウスブリッジ13内にあるエラー要因登録回路(Error登録回路)132に障害発生を示すAlert信号が格納される。
【0038】
エラー要因登録回路132にAlert信号が格納されると、サウスブリッジ13のSMI発行回路131からCPU11のSMI受信回路(SMI)111に対してSMI割り込みが発行される。
【0039】
SMI割り込みは、システム障害が発生したプロセッサボード11のCPU11だけでなく、上述したSMI OUT信号としてブリッジボード2に入力され、SMI IN信号としてプロセッサボード12にも通知される。SMI IN信号は、プロセッサボード毎の障害通知としてプロセッサボード12のエラー要因登録回路132に格納される。なお、SMI割り込みによる障害通知はレベル信号で送出され、プロセッサボード11で発生した障害が所定の時間内に全て復旧した場合は自動的にクリアされる。
【0040】
発生した障害が致命的でない場合、プロセッサボード11のCPU11はSMMを起動し、システムBIOSで提供されるSMIハンドラにしたがってI2Cバスを介して自ボード内の各I2Cバスデバイスから障害情報を収集する。
【0041】
一方、発生した障害が致命的な場合、プロセッサボード11のCPU11はSMMを起動することができず、結果として自身のエラー情報を収集することができない。このような場合、ブリッジボード2を経由して接続されたプロセッサボード12でプロセッサボード11の障害情報を収集する。
【0042】
プロセッサボード12は、エラー要因登録回路132にプロセッサボード11から発行された障害通知が格納されると、まず、サウスブリッジ13内にあるタイマ回路133を用いて所定の時間内に該障害通知がクリアされるか否かをチェックする。
【0043】
所定時間内にプロセッサボード11の障害通知がクリアされない場合、Timer割り込み(Timeout)が発生し、プロセッサボード12のCPU11にSMI受信回路111を介して通知される。プロセッサボード12のCPU11は、SMMを起動してシステムBIOSで提供されるSMIハンドラにしたがってGPIO回路135を制御し、Timeout要因をアサートしてバス切替信号を送出する。
【0044】
バス切替信号はブリッジボード2のバス切替回路22へ入力される。バス切替信号を受け取ったバス切替回路22は、通常、図3の▲1▼に示す経路に接続されたI2Cバスを図3の▲2▼に示す経路に切り替える。これにより、プロセッサボード12のI2Cバスマスタ136とプロセッサボード11の各I2Cバスデバイスとが接続され、プロセッサボード12のI2Cバスマスタ136からプロセッサボード11の各I2Cバスデバイスにアクセスすることが可能になる。
【0045】
プロセッサボード12のCPU11は、システムBIOSで提供されるSMIハンドラにしたがって自ボードのI2Cバスマスタ136を制御し、プロセッサボード11の各I2Cバスデバイスからそれぞれ障害情報を取得する。そして、必要であれば障害が発生したプロセッサボード11のSuper I/O17へアクセスし、プロセッサボード11のReset/DC OFF(電源のオフと再投入を行うリセット動作)を実施する。また、プロセッサボード12の通報機能(LAN/COM)を使用して収集したプロセッサボード11の障害情報を外部へ通報する。その後、GPIO回路135を制御してバス切替信号をデアサートする。
【0046】
バス切替信号のデアサートを検出したバス切替回路22は、I2Cバスを図3の▲1▼に示す経路に切り替え、プロセッサボード12のI2Cバスマスタ136と各I2Cバスデバイスとを再び接続させる。
【0047】
(第2の実施の形態)
図4は本発明の情報処理システムの第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0048】
第2の実施の形態の情報処理システムは、情報処理装置としての機能を有する3台以上のプロセッサボードがブリッジボード3で接続された構成である。
【0049】
図4に示すように、本実施形態のブリッジボード3は、3台のプロセッサボードと接続するためのコネクタ311、312、313と、I2Cバスの接続を切り替えるためのバス切替回路32と、プロセッサボード毎に障害が発生したことを示す信号(SMI IN信号)を生成する論理積回路(AND)331、332、333とを有する構成である。なお、図4は3台のプロセッサボードがブリッジボードに接続される例を示しているが、図4と同様に各プロセッサボードからのI2Cバスをバス切替回路32へ接続し、各プロセッサボードに対応するコネクタ31及び論理積回路33をそれぞれ設ければ、4台以上のプロセッサボードが接続される構成にも対応できる。
【0050】
ブリッジボード3には、第1の実施の形態と同様に、プロセッサボードで障害が発生したことを示すSMI OUT信号(=SMI割り込み)及びプロセッサボードが接続されていることを示すレベル信号であるPresence信号が各プロセッサボードからそれぞれ入力される。SMI OUT信号及びPresence信号は論理積回路331〜333に入力され、それらの論理積結果であるSMI IN信号はバス切替回路32を介して自ボードを除く全てのプロセッサボードに送出される。
【0051】
バス切替回路32は、第1の実施の形態と同様に、障害が発生していない(または障害復旧が可能な)プロセッサボードからのI2Cバスをそれぞれ自身のボードへ戻す経路に設定する。また、致命的な障害により復旧が不可能なプロセッサボードからのI2Cバスは故障診断装置となるプロセッサボードのI2Cバスと接続する経路に設定する。
【0052】
本実施形態のバス切替回路32は、SMI IN信号を各プロセッサボードに送出すると、複数の情報処理装置のうち、該SMI IN信号に対して最初にバス切替信号を返送したプロセッサボードを故障診断装置として選定し、該プロセッサボードのI2CバスとSMI OUT信号を送出したプロセッサボードのI2Cバスとを接続する。その場合、バス切替回路32は、I2Cバスの経路切り替え完了後に他のプロセッサボードから発行されるバス切替信号の受付けを無効にする排他処理を実行する。このような排他処理は、例えば種々の論理ゲートを組み合わせた論理回路によって実現すればよい。
【0053】
なお、バス切替回路は、故障が発生したプロセッサボードに対して、予め決められたプロセッサボードを故障診断装置として選定するようにしてもよい。その場合、I2Cバスの切替経路が限定されるためバス切替回路の構成が簡単になることが期待できる。しかしながら、このような構成では選定されたプロセッサボードでも障害が発生していると、他に正常なプロセッサボードがあるにも拘わらず障害情報を収集できなくなるおそれがある。したがって、本実施形態のようにSMI IN信号に対して最初にバス切替信号を返送したプロセッサボードを故障診断装置に選定する構成が好ましい。
【0054】
プロセッサボードの構成及び動作、並びにI2Cバス切替後の障害が発生したプロセッサボードからの障害情報の収集動作については、第1の実施の形態と同様であるため、それらの説明は省略する。
【0055】
したがって、本発明によれば、複数の情報処理装置から構成される情報処理システムにおいて、致命的な障害が発生して動作不能に陥った場合でも、高価なマイクロ診断装置を用いることなく、経済的(省スペース、低コスト)に障害情報を取得することが可能になり、その情報に基づいて電源のリセット動作や障害情報を外部に通知することが可能になる。よって、信頼性の高い情報処理システムを安価に構築できる。
【0056】
特に、本発明では、プロセッサボードに必ず備えるBIOSのプログラムを用い、プロセッサボードが元々備える汎用バスを介して内部デバイスの障害情報を収集するため、障害検出のための新たなソフトウェアを作成する必要がない。また、本発明のブリッジボードを予め設けておけば、プロセッサボードを増設する場合でも、わずかな変更で対応することができるため、処理能力が高く、かつ信頼性の高い情報処理システムをコストの増大を招くことなく得ることができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0058】
障害の発生を示す割り込みを受け取ったブリッジボードが該割り込みを発行した情報処理装置を除く全ての情報処理装置に障害の発生を示す障害通知信号をそれぞれ送出し、ブリッジボードから障害の発生を示す障害通知信号を受け取った情報処理装置は、所定の時間経過後に該障害通知信号がクリアされない場合に、障害が発生した情報処理装置の汎用バスにアクセスするためのバス切替信号をブリッジボードに送出し、ブリッジボードで割り込みを発行した情報処理装置の汎用バスと故障診断装置に選定された情報処理装置の汎用バスとを接続し、故障診断装置に選定された情報処理装置により、BIOSのプログラムにしたがって障害が発生した情報処理装置の内部デバイスから汎用バスを介してそれぞれ障害情報を収集することで、高価なマイクロ診断装置を用いることなく、経済的(省スペース、低コスト)に障害情報を取得することが可能になる。したがって、その障害情報に基づいて電源のリセット動作や障害情報を外部に通知することが可能になり、信頼性の高い情報処理システムを安価に構築できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報処理システムの第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したブリッジボードの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した情報処理システムによるバス切替動作の様子を示す模式図である。
【図4】本発明の情報処理システムの第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、12 プロセッサボード
2 ブリッジボード
11 CPU
12 ノースブリッジ
13 サウスブリッジ
14 メインメモリ
15 PCIバス
16 BIOS ROM
17 Super I/O
18 センサ
19 SROM
20、211、212、311〜313 コネクタ
22、32 バス切替回路
231、232、331〜333 論理積回路
111 SMI受信回路
112 CPUエラー通知回路
121 ノースブリッジエラー通知回路
131 SMI発行回路
132 エラー要因登録回路
133 タイマ回路
134 サウスブリッジエラー通知回路
135 GPIO回路
136 I2Cバスマスタ
141 メモリエラー通知回路

Claims (6)

  1. 内部デバイスからそれぞれの装置情報を収集するための汎用バスを備えた複数の情報処理装置と、
    前記複数の情報処理装置のうち、任意の2つの情報処理装置の前記汎用バス間を接続するためのバス切替回路を備えたブリッジボードと、
    を有する情報処理システムで発生した致命的な障害の情報を収集するための障害検出方法であって、
    前記情報処理装置で障害が発生すると、該情報処理装置から障害の発生を示す割り込みを前記ブリッジボードに送出し、
    前記ブリッジボードで前記割り込みを受け取ると、該割り込みを発行した情報処理装置を除く全ての情報処理装置に障害の発生を示す障害通知信号をそれぞれ送出し、
    前記ブリッジボードから障害の発生を示す障害通知信号を受け取った情報処理装置は、所定の時間経過後に該障害通知信号がクリアされない場合に、障害が発生した情報処理装置の前記汎用バスにアクセスするためのバス切替信号をブリッジボードに送出し、
    前記ブリッジボードは、前記割り込みを発行した情報処理装置の前記汎用バスと前記バス切替信号を送出することで故障診断装置に選定された情報処理装置の前記汎用バスとを接続し、
    前記故障診断装置に選定された情報処理装置はBIOSのプログラムにしたがって前記障害が発生した情報処理装置の内部デバイスから前記汎用バスを介してそれぞれ障害情報を収集する障害検出方法。
  2. 前記ブリッジボードは、前記障害通知信号を送出すると、前記複数の情報処理装置のうち、最初に前記バス切替信号を返送した情報処理装置の前記汎用バスと前記割り込みを発行した情報処理装置の前記汎用バスとを接続し、他の情報処理装置から発行されるバス切替信号の受付けを無効にする請求項1記載の障害検出方法。
  3. 前記情報処理装置から前記ブリッジボードに接続されているか否かを判定するためのPresence信号をそれぞれ送出し、
    前記ブリッジボードは、前記割り込みと前記Presence信号の論理積結果を前記障害通知信号として送出する請求項1または2記載の障害検出方法。
  4. 内部デバイスからそれぞれの装置情報を収集するための汎用バスを備え、障害が発生すると該障害の発生を示す割り込みを外部に送出し、外部から障害の発生を示す障害通知信号を受け取ると所定の時間経過後に該障害通知信号がクリアされない場合に、障害が発生した装置の前記汎用バスにアクセスするためのバス切替信号を外部に送出すると共に、BIOSのプログラムにしたがって該装置の内部デバイスから前記汎用バスを介してそれぞれ障害情報を収集する複数の情報処理装置と、
    前記複数の情報処理装置のうち、任意の2つの情報処理装置の前記汎用バス間を接続するためのバス切替回路を備え、前記割り込みを受け取ると、該割り込みを発行した情報処理装置を除く全ての情報処理装置に前記障害通知信号をそれぞれ送出し、前記割り込みを発行した情報処理装置の前記汎用バスと前記バス切替信号を送出することで故障診断装置に選定された情報処理装置の前記汎用バスとを接続するブリッジボードと、
    を有する情報処理システム。
  5. 前記ブリッジボードは、
    前記障害通知信号を送出すると、前記複数の情報処理装置のうち、最初に前記バス切替信号を返送した情報処理装置の前記汎用バスと前記割り込みを発行した情報処理装置の前記汎用バスとを接続し、他の情報処理装置から発行されるバス切替信号の受付けを無効にする請求項4記載の情報処理システム。
  6. 前記情報処理装置は、
    自装置が前記ブリッジボードに接続されているか否かを判定するためのPresence信号を送出し、
    前記ブリッジボードは、
    前記割り込みと前記Presence信号の論理積結果を前記障害通知信号として送出する請求項4または5記載の情報処理システム。
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