JP3838852B2 - 光重合樹脂の硬化装置と硬化用光源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所要波長の光を照射して光重合樹脂を硬化させる硬化用光源装置と硬化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光重合樹脂は、紫外線重合型から可視光重合型に至るまで様々な種類があり、いずれも加熱することなく短時間で硬化させることができるので、熱に弱い電子部品を接着する接着剤として用いたり、また、部分的に欠損した歯を修復するための骨材として歯科治療に用いるなど、その用途は多岐にわたっている。
【0003】
図3は、光重合樹脂を硬化させる従来の硬化装置41を示すもので、光源となるメタルハライドランプ、水銀キセノンランプ、超高圧水銀ランプなどの放電管42から照射された光を反射ミラー43で集光させ、その焦点に数百〜数万本の光ファイバ心線を束ねた直径5mm程度のバンドルファイバ44の光入射端44inを位置させることにより、光出射端44out から100〜数千mW/cm2 のエネルギ密度の光が照射される。
【0004】
そして、この光出射端44outにレンズ(図示せず)などを配し、光ビームを所要径のスポットに絞って照射すれば、その照射スポットに塗布されている光重合樹脂を硬化させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放電管42から出力された光をいかに反射ミラー43で集光させてバンドルファイバ44内に入射させても、放電管42の照射光の一部しか利用できないため、光の利用効率が低くエネルギの無駄遣いとなり、国策でもある省エネ省資源に逆行する。
【0006】
例えば、放電管42として出力200Wの水銀キセノンランプを使用し、バンドルファイバ44として光ファイバ結束径5mmのものを用いた場合、当該バンドルファイバ44内には放電管42から照射された光の一部しか入射されないため、その光出射端44outから出力される光強度は400mWまで低下する。
【0007】
この場合、光エネルギ密度に換算すると約2000mW/cm2であり、光重合樹脂を硬化させるには120mW/cm2もあれば十分であるので硬化させることはできるが、エネルギの利用効率は単純計算でも0.2%、99.8%が無駄に捨てられていることになる。
【0008】
また、最近では電子部品も実装密度を向上させるために超小型化され、極めて微小なスポットに光を照射して接着剤を硬化させる要請が高く、歯科治療等においても、口腔内粘膜に影響を与えずに安全に治療するため微小なスポットの光照射が望まれている。
【0009】
しかし、バンドルファイバ44が太いと、その光出射端44outから出射された光は、レンズなどを用いてもその径より小さく絞り込むことはできない。
このため、照射径を小さくするには、細いバンドルファイバ44を使用しなければならない。
【0010】
例えば、光照射径を0.5mmにしようとすると、光ファイバ結束径が0.5mmのバンドルファイバ44を用いる必要があり、光ファイバ結束径5mmのものと比して、断面積比1/100になる。
したがって、光ファイバ結束径5mmのときに400mWの出力があった前述の放電管42を用いた場合、光ファイバ結束径が0.5mmではその光出射端44outから出力される光強度は4mWまで低下する。
【0011】
この場合においても、光エネルギ密度は2000mW/cm2と一定であるので、この光を照射することにより、その照射スポット内で光重合樹脂を硬化させることはできるが、単純計算でエネルギの利用効率は0.002%と著しく低下し、99.998%のエネルギが無駄に捨てられてしまうことになる。
【0012】
そこで本発明は、光エネルギの利用効率が高く、光重合樹脂を硬化させることのできるエネルギ密度の高い光ビームを微小スポットで照射できるようにすることを技術的課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1に係る発明は、光ファイバケーブルを接続する光コネクタが形成されたハウジング内に、光重合樹脂を硬化させる所要波長の光を出力する光源が配されると共に、その光を前記光コネクタまで導く導光路が配設された光源装置と、前記光コネクタに接続されて光重合樹脂に光を照射する光ファイバケーブルを備えた光重合樹脂の硬化装置において、前記光源装置の光源が複数の半導体レーザからなり、前記導光路が各半導体レーザと前記光コネクタとを光学的に夫々接続する単心の光ファイバで形成され、前記光ファイバケーブルが、光コネクタで束ねられた前記導光路を成す各光ファイバの結束径以上のコア径を有する単心の光ファイバで形成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、各半導体レーザから発振されたレ−ザ光が、導光路を成す夫々の単心の光ファイバに入射され、ハウジングに形成された光コネクタまで導かれる。
半導体レーザは、光出射径が光ファイバのコア径より十分小さいので、発振されたレーザ光の全てを直接又は集光光学系を介して夫々の光ファイバ内に入射させることができ、光損失が少ない。
その光強度は1台当たり数mW程度であるので、照射面積に応じた台数を併設することにより、所望の光強度のレーザ光を出力させることができる。
そして、各半導体レーザから発振されたレーザ光が,導光路を成す夫々の光ファイバを通り、光ファイバケーブルに導かれてその光出射端から照射される。
このとき、光コネクタに接続される光ファイバケーブルが、光コネクタで束ねられた前記導光路を成す各光ファイバの結束径以上のコア径を有する単心の光ファイバで形成されているので、導光路を介して光コネクタまで導かれた光をほとんど損失なく光ファイバケ ーブルに入射させることができ、ほとんど光損失がない。また、光ファイバケーブルに用いられている単心の光ファイバのコア径が光出射径となり、レンズなどを用いることによりそのコア径まで集光することができるので、微小スポットで光照射できる。
【0015】
また、請求項2に係る発明のように、複数の半導体レーザを任意の個数ずつ照射させる制御装置を設ければ、照射面積や光重合樹脂の硬化条件に応じた最適な光強度でレーザ光を照射することができる。
【0016】
さらに、請求項3に係る発明のように、夫々波長の異なるレーザ光を発振する半導体レーザを所要数ずつ備えておけば、光重合樹脂の硬化条件に応じた最適な波長の光を選択的に照射させることができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、光源装置が光重合樹脂を硬化させない波長又は強度の光を照射する照射スポットモニタ光源と、その光を前記光コネクタまで導く光ファイバを備え、前記光源が半導体レーザからなり、前記導光路及び前記光ファイバケーブルが、コア径の等しい単心の光ファイバで形成されたことを特徴としている。
【0018】
本発明によれば、請求項1と同様に、半導体レーザから発振された数mWのレーザ光がほとんど損失なく光コネクタまで導かれるので、直径1mm程度の極微小面積で光重合樹脂を硬化させるには、十分な光が出力される。
そして、半導体レーザが1台の場合に、前記導光路及び前記光ファイバケーブルが単心の光ファイバで形成されており、いずれも単心の光ファイバで形成されているので、導光路に導入されたエネルギ密度の高い細径の光を、そのまま光ファイバケーブルに入射させることができる。
【0019】
請求項5に係る発明のように、半導体レーザから発振されるレーザ光が、紫色光又は紫外光に選定しておけば、短波長光で重合開始する一般的な光重合樹脂を硬化させるのに適している。
【0020】
請求項6に係る発明は、前記半導体レーザと導光路をなす光ファイバの間に、レーザ光を前記光ファイバのコア径以下に集光させる集光光学系が介装され、請求項7に係る発明は、前記導光路を成す単心の光ファイバの光入射端が加工されて、レーザ光を当該光ファイバ内に集光させるファイバレンズが形成されてなる。
【0021】
半導体レーザのレーザ光は、光ファイバのコア径より十分小さい光出射口から出射されるので、その光出射口に光ファイバの光入射端を近接して対向させればレーザ光を光ファイバ内に直接導入することもできるが、光入射端を近接して配設できない場合や、レーザ光の拡がり角よりNA値の小さな光ファイバを用いる場合はレンズなどの集光光学系を用いたり、光ファイバの光入射端を加工して先球ファイバやテーパファイバなどのファイバレンズに形成すれば、導光路に確実にレーザ光を導入することができる。
【0022】
請求項8に係る発明は、光重合樹脂を硬化させない波長又は強度の光を照射する照射スポットモニタ光源と、その光を前記光コネクタまで導く光ファイバが配されてなるので、光コネクタに接続された光ファイバケーブルを介して、その光を照射すれば、照射位置を容易に確認することができる。
【0023】
請求項9に係る発明は、所定のコア径を有する単心の光ファイバケーブルを接続する光コネクタが形成されたハウジング内に、光重合樹脂を硬化させる所要波長の光を出力する光源と、その光を前記光コネクタまで導く導光路が配設された光重合樹脂の硬化用光源装置において、前記光源として複数の半導体レーザが配設され、前記導光路が、各半導体レ ーザと前記光コネクタとを光学的に夫々接続する単心の光ファイバで形成されると共に、各光ファイバの結束径が前記光コネクタに接続される単心の光ファイバケーブルのコア径以下に形成されたことを特徴とする。
【0024】
また、請求項10に係る光源装置は、前記光源(6)が半導体レーザ(8V)からなり、前記導光路(7)が前記光コネクタ(2)に接続される単心の光ファイバケーブル(4)のコア径と等しい単心の光ファイバ(9)で形成されたことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る光重合樹脂の硬化装置の一例を示す概略構成図、図2は他の実施形態の要部を示す説明図である。
【0026】
本例の光重合樹脂の硬化装置1は、光コネクタ2を備えた光源装置3と、前記光コネクタ2に接続されて光重合樹脂に光を照射する光ファイバケーブル4を備えている。
【0027】
光源装置3は、前記光コネクタ2が形成されたハウジング5内に、光重合樹脂を硬化させる所要波長の光を出力する光源6と、その光を前記光コネクタ2まで導く導光路7が配設されている。
【0028】
光源6としては、例えば、赤色、緑色、青色、紫色のレーザ光を個別に発振する半導体レーザ8R…、8G…、8B…、8V…が所要数ずつ(例えば3台ずつ)配設され、前記導光路7として、各半導体レーザ8R〜8Vから光コネクタ2まで、コア径10μm程度の単心の光ファイバ9…が光学的に接続され、その光出射端9out側が光コネクタ2で1本に束ねられている。
【0029】
各半導体レーザ8R〜8Vは制御装置10に接続されており、当該制御装置10では、レーザ光を発振させる半導体レーザ8R〜8Vの種類と台数を制御する。
例えば、赤色光で重合開始する光重合樹脂を硬化させるときは、赤色の半導体レーザ8Rを発振させ、青色光と紫色光で重合開始する光重合樹脂を硬化させるときは、青色及び紫色の半導体レーザ8B及び8Vというように任意の組み合わせで発振させる。
また、照射面積や樹脂に適した光強度が得られるように一度に発振させる台数を制御する。
【0030】
導光路7を成す各光ファイバ9の光入射端9inは、半導体レーザ8R〜8Vの光出射口8outに対向するように光軸調整して配設され、その間には、レーザ光を光ファイバ9のコア径以下に集光させるレンズ(集光光学系)11が介装されている。
【0031】
また、光ファイバケーブル4は、光入射端4inに前記光コネクタ2に接続されるプラグ12を取り付け、光出射端4outに集光レンズ(集光光学系)13を取り付けた単心の光ファイバ14で形成され、そのコア径が、光コネクタ2で束ねられた導光路7を成す各光ファイバ9…の結束径よりやや大きめに形成されている。
【0032】
また、光源装置3には、高輝度発光ダイオード15が、光重合樹脂を硬化させない波長又は強度の光を照射する照射スポットモニタ光源として設けられると共に、その照射光が、レンズ16で平行光にされて、前記導光路7の各光ファイバ9と一体に束ねられた光ファイバ17を介して光コネクタ2まで導かれるように成されている。
【0033】
したがって、光コネクタ2に接続された光ファイバケーブル4を介して、高輝度発光ダイオード15の光を照射すれば、照射位置を容易に確認することができる。
なお、照射スポットモニタ光源は高輝度発光ダイオード15を使用する場合に限らず、通常の発光ダイオードその他の光源を用いることもできる。
【0034】
以上が本発明の構成例であって、次にその作用を説明する。
まず、光源装置3に光ファイバケーブル4を接続して、硬化させようとする光重合樹脂の種類、硬化条件、照射径などに応じて、制御装置10に半導体レーザ8R〜8Vの種類と台数を設定する。
次いで、発光ダイオード15の光により照射位置を確認した後、レ−ザ光を発振すると、そのレーザ光は導光路7の各光ファイバ9に入射され、光コネクタ2を介して光ファイバケーブル4を伝わり、その光出射端4outから出射される。
【0035】
半導体レーザ8R〜8Vは、放電管に比して寿命が長く、消費電力が小さいのでランニングコストが低減される。
また、光出射径が光ファイバ9のコア径より十分に小さいので、所定の拡がり角をもって発振されたレーザ光をレンズ11により容易にコア径以下に集光させることができる。
したがって、発振されたレーザ光のほとんど全てを各光ファイバ9内に入射させることができるので、光損失が極めて少ない。
【0036】
なお、レーザ光の照射径がコア径より大きく拡がらない位置まで、各光ファイバ9の光入射端9inを半導体レーザ8R〜8Vの光出射口8outに近接して配設すれば、レンズ11を設けることなく、レーザ光を光ファイバ9内に入射させることができる。
【0037】
また、図示は省略するが、レンズ11に替えて、導光路7を成す単心の光ファイバ9の光入射端9inを加工し、先球ファイバやテーパファイバなどのファイバレンズを形成することによって、レーザ光を当該光ファイバ9内に集光させるようにしてもよい。
【0038】
そして、導光路7の光ファイバ9内を伝わり光コネクタ2に達したレーザ光は光ファイバケーブル4内に入射されるが、その光ファイバ14のコア径が、光コネクタ2で束ねられた導光路7を成す各光ファイバ9…の結束径よりやや大きめに形成されているので、どの光ファイバ9…から出射された光も必ず光ファイバケーブル4内に入射されることとなり、ここでも光損失は極めて少ない。
この光ファイバケーブル4は、単心の光ファイバ14で形成されているので、バンドルファイバに比して細くて軽く操作性に優れ、取り扱いが容易で、製造コストが低減されるというメリットもある。
【0039】
また、光ファイバケーブル4の光出射端4outから出射された光の出射径は、その光ファイバ14のコア径に等しいので、光が拡がって出射されても、集光レンズ13などを使用することにより、そのコア径まで集光させることができる。
例えば、光ファイバ14のコア径が300μmであった場合、光照射スポット径はコア径と等しい0.3mmまで絞ることができるので、極めて微小なスポットで照射することができる。
【0040】
また、半導体レーザ8R〜8Vの光強度は、数mW程度と放電管に比して小さいが、低損失で伝送されるので、光ファイバケーブル4の光出射端4out から出射された光の強度は、光重合樹脂を硬化させるのに十分である。
【0041】
例えば、各半導体レーザ8R〜8Gの出力が夫々5mWのときに、2台の半導体レーザから同時にレーザ光を発振し、伝送損失が全くないとすれば、コア径が300μmの光ファイバケーブル4から出射される光の強度は10mWとなる。
【0042】
そして、そのコア径より大きな径で照射する場合は、光損失を生ずることがなく、例えば照射径1mmとしたときに光エネルギ密度は1250mW/cm2となるので、伝送損失を考慮しても光重合樹脂を硬化させることができる。
【0043】
なお、光源6として、波長の異なるレーザ光を発振する半導体レーザ8R〜8Vを所要数ずつ設けた場合について説明したが、単一色のレーザ光を発振する複数の半導体レーザを設ける場合であってもよい。
この場合は、最も普及している短波長光硬化型の光重合樹脂に対応させて、紫色レーザ光又は紫外レーザ光を発振する半導体レーザを用いるのが好ましい。
【0044】
また、光ファイバケーブル4の先端を手に持って操作する場合は、手で持つ先端部分にレーザ光を発振させる手元スイッチを形成してもよく、その電気配線を光ファイバ14と共に挿通しても光ファイバケーブル4がそれほど太くならないので、操作性の良さが損なわれることもない。
【0045】
図2は本発明の他の実施形態を示すもので、図1と共通する部分は同一符号を付して詳細説明は省略する。
本例の光重合樹脂の硬化装置21は、光源6として紫色のレーザ光を発振する半導体レーザ8Vが設けられており、導光路7及び光ファイバケーブル4がコア径の等しい単心の光ファイバ9及び22が用いられている。
【0046】
本例も、光源装置3に光ファイバケーブル4を接続して、光源となる半導体レーザ8Vからレ−ザ光を発振すると、そのレーザ光は導光路7に入射され、光コネクタ2を介して光ファイバケーブル4を伝わり、その光出射端4outから出射される。
【0047】
このとき、半導体レーザ8Vから発振されたレーザ光は、効率良く、導光路7の単心の光ファイバ9内に入射される。
次いで、光コネクタ2で光ファイバ9から出射されたレーザ光は、コア径が等しい光ファイバケーブル4の光ファイバ22に入射されるので、光損失をほとんど生じることがない。
【0048】
そして、光ファイバケーブル4から出射された光の出射径は、その光ファイバ22のコア径に等しいので、集光レンズなどを使用することにより、コア径まで集光させることができる。
例えば、導光路及び光ファイバケーブルとしてコア径10μmの光ファイバを使用した場合、光照射スポット径10μmまで絞ることができるので、極めて微小なスポットに照射させることができる。
【0049】
なお、半導体レーザ8Vの光強度は数mW程度とランプに比して小さいが、低損失で伝送されるので、光ファイバケーブル4の光出射端4out から出射された光の強度は、光重合樹脂を硬化させるのに十分である。
【0050】
例えば、半導体レーザ8Vの出力が5mWのときに、伝送損失が全くないとすれば、光ファイバケーブル4から出射される光の強度は5mWとなり、この光を直径1mmのスポットに照射したときに、光エネルギ密度は625mW/cm2となるので、伝送損失を考慮しても光重合樹脂を硬化させることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、光強度が数mWの半導体レーザのレーザ光を少ない光損失で伝送できるので、エネルギの利用効率が極めて高く、光重合樹脂を硬化させるエネルギ密度の高い光ビームを微小スポットで照射することができるという大変優れた効果を奏する。
【0052】
また、複数の半導体レーザから同時に光を照射させることにより、照射径などに応じて所望の光強度のレーザ光を出力させることができ、発振波長の異なる複数の半導体レーザを用いることにより、光重合樹脂の種類に応じた最適な波長の光を照射することができるという効果もある。
【0053】
さらに、光ファイバケーブルは単心の光ファイバで形成されているので、細くて軽く操作性に優れ、取り扱いが容易で、製造コストが低減されるという効果もある。
さらにまた、半導体レーザは放電管に比して寿命が長く、消費電力が小さいのでランニングコストが低減されるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光重合樹脂の硬化装置を示す概略構成図。
【図2】本発明に係る他の光重合樹脂の硬化装置を示す概略構成図。
【図3】従来装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1、21………光重合樹脂の硬化装置
2………光コネクタ
3………光源装置
4………光ファイバケーブル
5………ハウジング
6………光源
7………導光路
8R、8G、8B、8V………半導体レーザ
9、14、17、22………光ファイバ
10………制御装置
15………高輝度発光ダイオード(照射スポットモニタ光源)
Claims (10)
- 光ファイバケーブル(4)を接続する光コネクタ(2)が形成されたハウジング(5)内に、光重合樹脂を硬化させる所要波長の光を出力する光源(6)が配されると共に、その光を前記光コネクタ(2)まで導く導光路(7)が配設された光源装置(3)と、前記光コネクタ(2)に接続されて光重合樹脂に光を照射する光ファイバケーブル(4)を備えた光重合樹脂の硬化装置において、
前記光源装置(3)の光源(6)が複数の半導体レーザ(8R〜8V)からなり、前記導光路(7)が各半導体レーザ(8R〜8V)と前記光コネクタ(2)とを光学的に夫々接続する単心の光ファイバ(9)で形成され、前記光ファイバケーブル(4)が、光コネクタ(2)で束ねられた前記導光路(7)を成す各光ファイバ(9…)の結束径以上のコア径を有する単心の光ファイバ(14)で形成されたことを特徴とする光重合樹脂の硬化装置。 - 所要数の半導体レーザ(8R〜8V)から波長の等しいレーザ光を発振させる制御装置(10)を備えた請求項1記載の光重合樹脂の硬化装置。
- 波長の異なるレーザ光を発振する半導体レーザ(8R〜8V)を所要数ずつ備え、各半導体レーザ(8R〜8V)を任意の組み合わせで発振させる制御装置(10)を備えた請求項1記載の光重合樹脂の硬化装置。
- 光ファイバケーブル(4)を接続する光コネクタ(2)が形成されたハウジング(5)内に、光重合樹脂を硬化させる所要波長の光を出力する光源(6)が配されると共に、その光を前記光コネクタ(2)まで導く導光路(7)が配設された光源装置(3)と、前記光コネクタ(2)に接続されて光重合樹脂に光を照射する光ファイバケーブル(4)を備えた光重合樹脂の硬化装置において、
前記光源装置(3)が光重合樹脂を硬化させない波長又は強度の光を照射する照射スポットモニタ光源(15)と、その光を前記光コネクタ(2)まで導く光ファイバ(17)を備え、前記光源(6)が半導体レーザからなり、前記導光路(7)及び前記光ファイバケーブル(4)が、コア径の等しい単心の光ファイバ(9、22)で形成されたことを特徴とする光重合樹脂の硬化装置。 - 前記半導体レーザ(8V)から発振されるレーザ光が、紫色光又は紫外光である請求項1、2又は4記載の光重合樹脂の硬化装置。
- 前記半導体レーザ(8R〜8V)と導光路(7)を成す単心の光ファイバ(9)の間に、レーザ光を前記光ファイバ(9)のコア径以下に集光させる集光光学系(11)が介装された請求項1乃至5のいずれかに記載の光重合樹脂の硬化装置。
- 前記導光路(7)を成す単心の光ファイバ(9)の光入射端(9in)が加工されて、レーザ光を当該光ファイバ内に集光させるファイバレンズが形成されてなる請求項1乃至5のいずれかに記載の光重合樹脂の硬化装置。
- 光重合樹脂を硬化させない波長又は強度の光を照射する照射スポットモニタ光源(15)と、その光を前記光コネクタ(2)まで導く光ファイバ(17)が配されてなる請求項1乃至7のいずれかに記載の光重合樹脂の硬化装置。
- 所定のコア径を有する単心の光ファイバケーブル(4)を接続する光コネクタ(2)が形成されたハウジング(5)内に、光重合樹脂を硬化させる所要波長の光を出力する光源(6)と、その光を前記光コネクタ(2)まで導く導光路(7)が配設された光重合樹脂の硬化用光源装置において、
前記光源(6)として複数の半導体レーザ(8R〜8V)が配設され、前記導光路(7)が、各半導体レーザ(8R〜8V)と前記光コネクタ(2)とを光学的に夫々接続する単心の光ファイバ(9)で形成されると共に、各光ファイバ(9)の結束径が前記光コネクタ(2)に接続される単心の光ファイバケーブル(4)のコア径以下に形成されたことを特徴とする光重合樹脂の硬化用光源装置。 - 所定のコア径を有する単心の光ファイバケーブル(4)を接続する光コネクタ(2)が形成されたハウジング(5)内に、光重合樹脂を硬化させる所要波長の光を出力する光源(6)と、その光を前記光コネクタ(2)まで導く導光路(7)が配設された光重合樹脂の硬化用光源装置において、
前記光源(6)が半導体レーザ(8V)からなり、前記導光路(7)が前記光コネクタ(2)に接続される単心の光ファイバケーブル(4)のコア径と等しい単心の光ファイバ(9)で形成されたことを特徴とする光重合樹脂の硬化用光源装置。
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