JP3838513B2 - 伝送画質監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は伝送画質監視装置に関し、特に、複数の伝送装置が縦列接続され、方式変換装置を含んで構成された伝送路の各地点における映像の画質特徴量を抽出し、これにより抽出された画質特徴量を比較することにより伝送路上の伝送画質を遠隔監視する伝送画質監視装置に関する。
映像を処理する複数の伝送装置が縦続接続された伝送路上の伝送画質を監視する場合、各地点における映像の画質特徴量を抽出し、これにより抽出された画質特徴量を中央監視室に伝送して比較することにより伝送路上の伝送画質を一括して遠隔監視できる。
本発明者らは、伝送路上の伝送画質を監視するための画質特徴量の計算方法を特許文献1,2で既に提案した。この画質特徴量の計算方法は、映像をあるサイズのブロックに分割して、各ブロックの映像を直交変換して変換係数を抽出し、これにより抽出された変換係数を中央監視室へ伝送することを特徴としている。特に、この画質特徴量の計算方法が効果を発揮するのは、特許文献1,2に記載されているように、映像にスペクトル拡散を適用した後に直交変換し、変換係数を抽出して伝送する場合である。スペクトル拡散は、映像を構成する各画素の符号をランダムに変化させることにより実現される。
特開2003−9186号公報 特開2003−87823号公報
特許文献1,2で提案された発明によれば、例えば、映像圧縮符号化伝送装置などによる符号化ノイズや伝送路エラーに基づく受信映像の信号対雑音比の劣化を正確に推定することが可能となる。
しかしながら、複数の伝送装置が縦列接続された伝送路に方式変換装置が含まれて、伝送路の途中で映像がフォーマット変換されて伝送される場合、画面を構成するライン数、1秒間のフィールド数やフレーム数、水平画素数が方式変換装置の前後で変わることになる。
特許文献1,2で提案された発明は、伝送路上の伝送画質の監視を、送信側と受信側の映像を比較することにより行うものであり、比較に際しては、映像を構成する画素ごとの差分の自乗和(平均自乗誤差:MSE)を遠隔から推定するという枠組みを使用している。この枠組みは、画素ごとの差分をとるということから理解できるとおり、伝送前後の映像のフォーマット(走査線数,フィールド数やフレーム数,水平画素数)が一致しているということを前提としている。
すなわち、特許文献1,2で提案された発明では、伝送路の各地点での映像のフォーマットが同一であることを前提としているため、伝送路の途中で映像のフォーマットが変換されると、フォーマット変換の前後の映像を比較することができない。
例えば、ヨーロッパと日本間などで映像が伝送される場合、ヨーロッパでの映像は、1フレーム内に走査線(垂直ライン)が625本、1秒間のフィールド数が50枚(フレーム数は25枚)の625/50方式であり、一方、日本での映像は、1フレーム内に走査線(垂直ライン)が525本、1秒間のフィールド数が60枚(フレーム数は30枚)の525/60方式である。なお、両方式の水平画素数は同じである。
このように映像のフォーマットが違う国間の伝送では、伝送の途中で方式変換が行われるため、伝送路上の伝送画質の遠隔監視ができないという課題が残されている。
本発明の目的は、複数の伝送装置が縦列接続され、方式変換装置を含んで構成された伝送路であっても、各地点における映像の画質特徴量に基づいて伝送路上の伝送画質を遠隔監視できる伝送画質監視装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の伝送装置が縦列接続され、方式変換装置を含んで構成された伝送路の各地点における映像の画質特徴量を抽出し、これにより抽出された画質特徴量を比較することにより伝送路上の伝送画質を監視する伝送画質監視装置において、方式変換装置による方式変換前後の映像うち走査線が多い映像が存在する第1の地点における映像の走査線を、走査線数が前記方式変換装置による方式変換前後のうち走査線が少ない映像のそれに合うように一定割合で間引く間引き手段と、前記間引き手段により走査線が間引かれた映像の画質特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、前記方式変換装置による方式変換前後の映像のうち走査線が少ない映像が存在する第2の地点における映像の画質特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、中央監視室に設けられ、前記第1および第2の特徴量抽出手段で抽出された画質特徴量を比較する比較手段を備えた点に第1の特徴がある。
また、本発明は、複数の伝送装置が縦列接続され、方式変換装置を含んで構成された伝送路の各地点における映像の画質特徴量を抽出し、これにより抽出された画質特徴量を比較することにより伝送路上の伝送画質を監視する伝送画質監視装置において、方式変換装置による方式変換前後の映像うちフィールドまたはフレームが多い映像が存在する第1の地点における映像のフィールドまたはフレームを、フィールドまたはフレーム数が前記方式変換装置による方式変換前後のうちフィールドまたはフレームが少ない映像のそれに合うように一定割合で間引く間引き手段と、前記間引き手段によりフィールドまたはフレームが間引かれた映像の画質特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、方式変換装置による方式変換前後の映像うちフィールドまたはフレームが少ない映像が存在する第2の地点における映像の画質特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、中央監視室に設けられ、前記第1および第2の特徴量抽出手段で抽出された画質特徴量を比較する比較手段を備えた点に第2の特徴がある。
また、本発明は、複数の伝送装置が縦列接続され、方式変換装置を含んで構成された伝送路の各地点における映像の画質特徴量を抽出し、これにより抽出された画質特徴量を比較することにより伝送路上の伝送画質を監視する伝送画質監視装置において、方式変換装置による方式変換前後の映像うち水平画素が多い映像が存在する第1の地点における映像の水平画素を、水平画素数が前記方式変換装置による方式変換前後のうち水平画素が少ない映像のそれに合うように一定割合で間引く間引き手段と、前記間引き手段により水平画素が間引かれた映像の画質特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、方式変換装置による方式変換前後の映像うち水平画素が少ない映像が存在する第2の地点における映像の画質特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、中央監視室に設けられ、前記第1および第2の特徴量抽出手段で抽出された画質特徴量を比較する比較手段を備えた点に第3の特徴がある。
また、本発明は、複数の伝送装置が縦列接続され、方式変換装置を含んで構成された伝送路の各地点における映像の画質特徴量を抽出し、これにより抽出された画質特徴量を比較することにより伝送路上の伝送画質を監視する伝送画質監視装置において、方式変換装置による方式変換前後の映像うちフィールドまたはフレームが多い映像が存在する第1の地点における映像の画質特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、方式変換装置による方式変換前後の映像うちフィールドまたはフレームが少ない映像が存在する第2の地点における映像の画質特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、中央監視室に設けられ、前記第1の特徴量抽出手段で抽出された画質特徴量を、単位時間当りの画質特徴量数が前記方式変換装置による方式変換前後のうちフィールドまたはフレームが少ない映像のそれに合うように一定割合で廃棄する廃棄手段と、前記中央監視室に設けられ、前記廃棄手段から送出される画質特徴量と前記第2の特徴量抽出手段で抽出された画質特徴量を比較する比較手段を備えた点に第4の特徴がある。
また、本発明は、前記第1および第2の画質特徴量抽出手段が、入力映像を任意のサイズのブロックに分割するブロック分割部と、ブロック内の映像を直交変換する直交変換部と、直交変換された任意の周波数成分値を取り出す係数抽出部とからなる点に第5の特徴がある。
さらに、本発明は、前記第1および第2の画質特徴量抽出手段が、入力映像を2のべき乗の正方形のブロックに分割するブロック分割部と、ブロック内の映像を直交変換する直交変換部と、直交変換された任意の周波数成分値を取り出す係数抽出部とからなる点に第6の特徴がある。
本発明の第1ないし第3の特徴によれば、まず、伝送路の各地点から監視用の画質特徴量を映像から抽出する前に、伝送路の地点の、画面内の走査線数の多い映像については走査線を一定割合で間引き、また、フィールド数またはフレーム数の多い映像についてはフィールドまたはフレームを一定の割合で間引き、また、水平画素数の多い映像については水平画素を一定の割合で間引くことにより、フォーマット変換の前後での映像のフォーマットの相違をなくすことができるので、擬似的に同一フォーマットの映像を比較することが可能となる。
したがって、この間引き処理を施した後に映像の画質特徴量を抽出して各地点から伝送し、中央監視室において各地点から伝送されてきた各画質特徴量を比較することにより、伝送の途中で映像のフォーマット変換が行われたとしても、伝送路上の伝送画質を遠隔監視することができる。
また、第4の特徴によれば、伝送路の各地点から監視用の画質特徴量を映像から抽出する前に、伝送路の各地点の、画面内の走査線数の多い映像については走査線を一定割合で間引き、また、水平画素数の多い映像については水平画素を一定の割合で間引く。この間引き処理を施した後に映像の画質特徴量を抽出して各地点から中央監視室に伝送する。
この時点では、中央監視室にはフィールド数またはフレーム数の多い映像を伝送している地点からは画質特徴量が余計に到着することになるが、中央監視室ではその余計な画質特徴量を一定の割合で廃棄する。これにより、フォーマット変換の前後での映像のフォーマットの相違をなくすことができるので、擬似的に同一フォーマットの映像を比較することが可能となる。
また、第5の特徴によれば、画質特徴量抽出に際し、映像を任意のサイズのブロックに分割した後ブロックごとに直交変換するので、1回あたりの直交変換の計算量を減らすことができる。また、直交変換のある周波数成分を取り出して推定に使用することにより、変換前の信号を間引きにより同じ量だけ取り出す場合に比べ、劣化をより高精度に推定しやすくすることができる。
また、直交変換を行う前に、画像に対しスペクトル拡散を行えば、周波数特性に偏りのあるノイズを、周波数拡散することができる。その後、直交変換して、ある周波数成分の値を取り出し、送信側と受信側で差分を取ることにより、そのノイズのサンプルがより代表としてふさわしい、ノイズの平均値を表したものとなる。すなわち、より高精度で、伝送画質の自動遠隔監視が実現できる。
さらに、第6の特徴によれば、任意のサイズの画面に対して2のべき乗のサイズの直交変換を適用することが可能になるため、伝送画質監視装置の簡易化が可能になる。また、画像をブロック分割する際、隣り合った画素同士ではなく離れた画素をサンプリングして各ブロックを構成することにより、画像面上の広い範囲を比較的小さいサイズのブロックでカバーして監視することができるようになり、伝送画質監視装置の簡易化が可能になる。
図面を参照して本発明を詳細に説明する。以下では625/50方式の映像を525/60変換する方式変換装置を含む伝送路上の伝送画質を遠隔監視する場合を例として説明するが、本発明はその例に限られず、その他の方式間の変換を含む伝送路上の伝送画質を監視する場合にも適用することができる。
図1は、本発明に係る伝送画質監視装置の第1の実施形態を示すブロック図である。第1の実施形態は、625/50方式の方から走査線を間引き、525/60方式の方からフィールドを間引くことにより、まず、フォーマットを見掛けの上で合わせ、その後、画質特徴量を抽出し比較して伝送路上の伝送画質を監視する、ということを原理としている。
625/50方式の映像は、伝送路1の途中に備えられた方式変換装置で525/60方式の映像に変換されて伝送される。図2は、625/50方式と525/60方式のフィールド(a)と走査線(b)の違いと両者間での方式変換の概念を示す図である。上述したように、625/50方式では1フレーム内に走査線(垂直ライン)が625本、1秒間のフィールド数が50枚(フレーム数は25枚)であり、525/60方式では1フレーム内に走査線(垂直ライン)が525本、1秒間のフィールド数が60枚(フレーム数は30枚)である。
625/50方式と525/60方式間の変換は、一方の方式のフィールドまたは走査線から他方の方式のフィールドまたは走査線を推定することにより行われる。図2(a)に示すように、625/50方式のフィールドを順にF,F,F,・・・で表し、525/60方式のフィールドを順にf,f,f,・・・で表すと、例えばフィールドfはフィールドFとFから推定され、フィールドfはフィールドFとFから推定される。逆に、フィールドFはフィールドfとfから推定され、フィールドFはフィールドfとfから推定される。走査線(図2(b)のライン数変換)についても同様である。
伝送路上の伝送画質を監視するために、伝送路1の入力側の映像を抽出し、走査線間引き手段2を介して画質特徴量抽出部3に入力する。また、伝送路1の出力側の映像を抽出し、フィールド(フレーム)間引き手段4を介して画質特徴量抽出部5に入力する。
画質特徴量抽出部3,5で抽出された画質特徴量は、電話回線やLAN回線などの低速回線を通じて中央監視室8へ伝送される。中央監視室6は、比較手段7を備え、伝送されてきた画質特徴量をこの比較手段7で比較することにより伝送路上の伝送画質を遠隔監視する。この比較には、例えば平均自乗誤差(MSE)を用いる。
次に、走査線間引き手段2における処理について説明する。伝送路1による伝送前後の映像を比較して伝送路上の伝送画質を監視するという目的上、中央監視室6の比較手段7で比較する比較対象走査線同士がなるべく位置的に近いことが要求される。
走査線間引き手段2はこれを実現するものである。図3は、走査線間引き手段2での間引き処理を具体的に示す概念図である。なお、○は奇数フィールドの走査線を表し、×は偶数フィールドの走査線を表している。図3(a)は、625/50方式の奇数フィールドの走査線に525/60方式の奇数フィールドの走査線を対応させる場合(実線)と偶数フィールドの走査線をを対応させる場合(破線)があることを示している。また、図3(b)は、625/50方式の偶数フィールドの走査線に525/60方式の奇数フィールドの走査線を対応させる場合(実線)と偶数フィールドの走査線を対応させる場合(破線)があることを示している。
625/50方式の奇数フィールドの走査線を順にL,L,L,・・・、偶数フィールドの走査線をL′,L′,L′,・・・、で表し、525/60方式の奇数フィールドの走査線を順にl,l,l,・・・、偶数フィールドの走査線をl′,l′,l′,・・・で表すと、625/50方式の奇数フィールドの場合には、はじめに上から3ライン目の走査線Lを間引き、偶数フィールドの場合には上から5ライン目の走査線L′を間引く。以後、6ラインごとに1ラインずつの走査線を間引く。
これにより、比較対象同士の走査線の本来の位置との距離差は最大でも0.8ライン(625/50方式への換算)になり、実用上十分な精度で走査線同士を比較して伝送路上の伝送画質を監視できる。
次に、フィールド(フレーム)間引き手段5における処理について説明する。伝送路1による伝送前後の映像を比較して伝送路1の伝送画質を監視するという目的上、中央監視室6の比較手段7で比較する比較対象画面同士がなるべく位置的に近いことが要求される。
フィールド(フレーム)間引き手段5はこれを実現するものである。図4は、フィールド(フレーム)間引き手段5での間引き処理を具体的に示す概念図である。なお、○は奇(偶)数フィールドを表し、×は偶(奇)数フィールドを表している。ここで、625/50方式のフィールドを順にF,F,F,・・・で表し、525/60方式のフィールドを順にf,f,f,・・・で表すと、はじめに525/60方式の左(左端でフィールドが位置的に一致しているとする)から4フィールド目の画面fを間引き、以後、6フィールドごとに1フィールドずつの画面を間引く。
これにより、比較対象同士の画面の本来の位置との距離差は最大でも0.4フィールド(525/60方式への換算)になり、実用上十分な精度で画面同士を比較して伝送路上の伝送画質を監視できる。
この場合、伝送路1による伝送で処理遅延が存在するため、伝送前後のフィールドの相対位置関係は初めからは明らかではない。したがって、その相対位置関係を別途知る必要がある。これを知る方法の1つは、伝送されるディジタル映像信号中に重畳されている補助データ領域にあるタイムコードを参照する方法である。伝送路1の出力側、つまり525/60方式側で、タイムコードを参照し、どのフィールドナンバーのときに間引くべきかを予め分からせるようにしておけば上記の間引き処理が可能となる。
このタイムコードがない場合、525/60方式側ではどのフィールドを間引くのが最適かを知り得ない。この場合には、以下に説明する本発明の第2の実施形態のように、中央監視室6で間引き対象のフィールドを選ぶようにすればよい。
図5は、本発明に係る伝送画質監視装置の第2の実施形態を示すブロック図であり、図1と同一または同等部分には同じ番号を付している。第2の実施形態は、525/60方式側においてフィールド間引きをその場では行わず、中央監視室6では伝送されてきた画質特徴量がどのフィールドのものであるかが分かるので、画質特徴量の段階でフィールドの間引きを行う、ということを原理としている。
本実施例は、伝送路1の入力側の映像を抽出し、走査線間引き手段2で走査線を間引き、画質特徴量抽出部3で画質特徴量を抽出して中央監視室6に伝送する点は、第1の実施形態と同じである。
しかし、伝送路1の出力側ではフィールド(フレーム)間引きを行わず、伝送路1から抽出した映像をそのまま画質特徴量抽出部5に入力し、ここで抽出された画質特徴量を中央監視室6に伝送する点が異なる。
このとき、525/60方式ではフィールド数が625/50方式側に比べて6:5の割合で多いため、画質特徴量抽出部5で抽出された画質特徴量もこの割合で多くなっている。したがって、画質特徴量抽出部3,5から伝送されてきた画質特徴量を中央監視室6の比較手段7で比較する前に、画質特徴量抽出部5から伝送されてきた画質特徴量をフィールド(フレーム)間引き手段8に入力し、6フィールドごとに1フィールドの割合で間引く。それぞれの画質特徴量はどのフィールドから抽出されたものか分かっていると前提できるので、これが可能となる。
次に、フィールド(フレーム)間引き手段8において、どのようにして間引くフィールドを決定するかの処理について具体的に説明する。図6はこの決定処理の概念を示す図である。
図6の上段は、625/50方式の各フィールドデータを示し、下段は525/60方式の各フィールドデータを示している。図に実線で示すように、まず、それぞれのフィールドデータ同士を対応させて両者の差分絶対値和を算出する。この差分絶対値和が最も小さくなる組み合わせが位置的に最も近いフィールドであると判断できる。このようにして時間的位置を補正しつつ対応するフィールドを見つけ出すことができる。対応するフィールドが見つかった後は、図4と同様にフィールドを間引けばよい。すなわち、はじめに左から4フィールド目の画面fを間引き、以後、6フィールドごとに1フィールドずつの画面を間引く。
上記実施形態の625/50方式と525/60方式では水平画素数は等しいため、水平画素の間引きは不要であるが、方式変換の結果、水平画素数が変わる場合には、水平画素についても同様に間引きを行う。
画質特徴量抽出部(上記実施形態の画質特徴抽出部3,5)の構成は、具体的には、特許文献1,2に記載された構成と同じでよい。図7は、特許文献1に記載された画質特徴量抽出部10を示すブロック図である。本例の画質特徴量抽出部10は、少ない計算量で高精度の画質特徴量を抽出できるようにしたものであり、ブロック分割部21、直交変換部22および係数抽出部23からなる。
ブロック分割部21は、入力映像を任意のサイズのブロックに分割し、するブロック分割手段と、直交変換部22は、ブロック内の映像を直交変換し、係数抽出部23は、直交変換された任意の周波数成分値を取り出す。なお、ブロック分割後にブロック内のスペクトル拡散を行って周波数特性に偏りのあるノイズを周波数拡散させ、その後に直交変換するようにしてもよい。
この構成では、画質特徴量抽出に際し、映像を任意のサイズのブロックに分割した後ブロックごとに直交変換するので、1回あたりの直交変換の計算量を減らすことができる。また、直交変換のある周波数成分を取り出して推定に使用することにより、変換前の信号を間引きにより同じ量だけ取り出す場合に比べ、劣化をより高精度に推定しやすくすることができる。これは、測定対象の符号化ノイズなどの画質劣化は、広い周波数帯域に渡って存在することが多いからである。
また、特許文献2に記載された画質特徴量抽出部を採用することもできる。これに記載された画質特徴量抽出部は、装置化が比較的容易な高速直交変換の使用を可能にしたものであり、図7と同様にブロック分割部、直交変換部および係数抽出部からなる。ブロック分割部は、入力映像を2のべき乗の正方形のブロックに分割し、直交変換部は、ブロック内の映像を直交変換し、係数抽出部は、直交変換された任意の周波数成分値を取り出す。
また、ブロック分割部、画像の有効画面外を含むブロックには予め定められた値を埋めて2のべき乗の正方形のブロックに構成する。なお、予め定められた値が埋め込まれたブロックに対しては、ブロックの面積をS、ブロック面積Sの内の予め定められた値で埋めた面積をKとするとき、中央監視室6で平均自乗誤差(MSE)を算出するとき、それを補正して、S/(S−K)・MSEとする。
また、ブロック分割部で入力映像を2のべき乗の正方形のブロックに分割する際に、離れた画素をサンプリングして各ブロックを構成することもできる。
この構成では、任意のサイズの画面に対して2のべき乗のサイズの直交変換を適用することが可能になるため、伝送画質監視装置の簡易化が可能になる。また、画像をブロック分割する際、隣り合った画素同士ではなく離れた画素をサンプリングして各ブロックを構成することにより、画像面上の広い範囲を比較的小さいサイズのブロックでカバーして監視することができるようになり、伝送画質監視装置の簡易化が可能になる。
以上説明したように、本発明では、走査線(垂直ライン)数やフィールド(フレーム)数、水平画素数が異なるような映像に対し、それぞれの数の多い側の映像から走査線、フィールド(フレーム)、画素の間引き処理を施した上で画質特徴量を抽出して中央監視室へ伝送して比較することにより、伝送路の途中に映像方式変換装置が設けられている場合でも伝送路上の伝送画質を監視できる。
また、本発明によれば、走査線(垂直ライン)数やフィールド(フレーム)数、水平画素数が異なるような映像に対し、走査線(垂直ライン)数、水平画素数の多い側の映像から走査線、画素の間引き処理を施した上で画質特徴量を抽出して中央監視室へ伝送し、中央監視室ではフィールド(フレーム)数の多い側から伝送されてきた画質特徴量に対し、その分の間引き処理を施した後に比較することにより、伝送路の途中に映像方式変換装置が設けられている場合でも伝送路上の伝送画質を監視できる。
本発明に係る伝送画質監視装置の第1の実施形態を示すブロック図である。 625/50方式と525/60方式のフィールドと走査線の違いと両者間での方式変換の概念を示す図である。 走査線の間引き処理を具体的に示す概念図である。 フィールド(フレーム)の間引き処理を具体的に示す概念図である。 本発明に係る伝送画質監視装置の第2の実施形態を示すブロック図である。 間引くフィールドを決定する処理の概念を示す図である。 画質特徴量抽出部の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1・・・伝送路(方式変換装置を含む)、2・・・走査線間引き手段、3,5,10・・・画質特徴量抽出手段、4,8・・・フィールド(フレーム)間引き手段、6・・・中央監視室、7・・・比較手段、11・・・ブロック分割部、12・・・直交変換部、13・・・係数抽出部

Claims (6)

  1. 複数の伝送装置が縦列接続され、方式変換装置を含んで構成された伝送路の各地点における映像の画質特徴量を抽出し、これにより抽出された画質特徴量を比較することにより伝送路上の伝送画質を監視する伝送画質監視装置において、
    方式変換装置による方式変換前後の映像うち走査線が多い映像が存在する第1の地点における映像の走査線を、走査線数が前記方式変換装置による方式変換前後のうち走査線が少ない映像のそれに合うように一定割合で間引く間引き手段と、
    前記間引き手段により走査線が間引かれた映像の画質特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、
    前記方式変換装置による方式変換前後の映像のうち走査線が少ない映像が存在する第2の地点における映像の画質特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、
    中央監視室に設けられ、前記第1および第2の特徴量抽出手段で抽出された画質特徴量を比較する比較手段を備えたことを特徴とする伝送画質監視装置。
  2. 複数の伝送装置が縦列接続され、方式変換装置を含んで構成された伝送路の各地点における映像の画質特徴量を抽出し、これにより抽出された画質特徴量を比較することにより伝送路上の伝送画質を監視する伝送画質監視装置において、
    方式変換装置による方式変換前後の映像うちフィールドまたはフレームが多い映像が存在する第1の地点における映像のフィールドまたはフレームを、フィールドまたはフレーム数が前記方式変換装置による方式変換前後のうちフィールドまたはフレームが少ない映像のそれに合うように一定割合で間引く間引き手段と、
    前記間引き手段によりフィールドまたはフレームが間引かれた映像の画質特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、
    方式変換装置による方式変換前後の映像うちフィールドまたはフレームが少ない映像が存在する第2の地点における映像の画質特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、
    中央監視室に設けられ、前記第1および第2の特徴量抽出手段で抽出された画質特徴量を比較する比較手段を備えたことを特徴とする伝送画質監視装置。
  3. 複数の伝送装置が縦列接続され、方式変換装置を含んで構成された伝送路の各地点における映像の画質特徴量を抽出し、これにより抽出された画質特徴量を比較することにより伝送路上の伝送画質を監視する伝送画質監視装置において、
    方式変換装置による方式変換前後の映像うち水平画素が多い映像が存在する第1の地点における映像の水平画素を、水平画素数が前記方式変換装置による方式変換前後のうち水平画素が少ない映像のそれに合うように一定割合で間引く間引き手段と、
    前記間引き手段により水平画素が間引かれた映像の画質特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、
    方式変換装置による方式変換前後の映像うち水平画素が少ない映像が存在する第2の地点における映像の画質特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、
    中央監視室に設けられ、前記第1および第2の特徴量抽出手段で抽出された画質特徴量を比較する比較手段を備えたことを特徴とする伝送画質監視装置。
  4. 複数の伝送装置が縦列接続され、方式変換装置を含んで構成された伝送路の各地点における映像の画質特徴量を抽出し、これにより抽出された画質特徴量を比較することにより伝送路上の伝送画質を監視する伝送画質監視装置において、
    方式変換装置による方式変換前後の映像うちフィールドまたはフレームが多い映像が存在する第1の地点における映像の画質特徴量を抽出する第1の特徴量抽出手段と、
    方式変換装置による方式変換前後の映像うちフィールドまたはフレームが少ない映像が存在する第2の地点における映像の画質特徴量を抽出する第2の特徴量抽出手段と、
    中央監視室に設けられ、前記第1の特徴量抽出手段で抽出された画質特徴量を、単位時間当りの画質特徴量数が前記方式変換装置による方式変換前後のうちフィールドまたはフレームが少ない映像のそれに合うように一定割合で廃棄する廃棄手段と、
    前記中央監視室に設けられ、前記廃棄手段から送出される画質特徴量と前記第2の特徴量抽出手段で抽出された画質特徴量を比較する比較手段を備えたことを特徴とする伝送画質監視装置。
  5. 前記第1および第2の画質特徴量抽出手段は、入力映像を任意のサイズのブロックに分割するブロック分割部と、ブロック内の映像を直交変換する直交変換部と、直交変換された任意の周波数成分値を取り出す係数抽出部とからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の伝送画質監視装置。
  6. 前記第1および第2の画質特徴量抽出手段は、入力映像を2のべき乗の正方形のブロックに分割するブロック分割部と、ブロック内の映像を直交変換する直交変換部と、直交変換された任意の周波数成分値を取り出す係数抽出部とからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の伝送画質監視装置。
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