JP3837678B2 - 筒状セメント製品の製造法及び製造用器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、筒状セメント製品を手芸・工作に類する簡易な手段による筒状セメント製品の製造法と、その製造用器具セットを提供することにより、誰でも簡単に筒状セメント製品の製作を楽しめるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、筒状セメント製品を成形するには、内型枠・外型枠の間にセメントコンクリートや、セメントモルタルを打ち込むことによるか、外型のみからなる型枠にて遠心力成形法よるかの方法で製造していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然し、内外型の間にコンクリートなどを打ち込んだ場合は、成形硬化後に内型を取り外すことが必要であり、そのために内型が分解できる構造とするか、抜き取りできるテーパー付き形状とするか、溶剤などで溶解する発泡樹脂を内型とするなどの処置をとるが、小さな筒状成形品で内型を分解取り外しするのは難しいし、テーパー付き内型とすると成形品も同じテーパーがつく欠点があるし少ないテーパーでは型が抜けない問題があった。発泡樹脂内型を溶剤で溶解することは、溶剤に溶解した樹脂を除去する課題が残る上に、溶剤を扱うことの環境問題や経済的負担が付随する。一方、遠心成形法によれば筒状製品の内側形状が円筒形に限定されるなどの課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、これら従来技術による筒状セメント製品の製造法の課題を個々に解決するのではなく、まったく異なる新しい技術により解決しようとするものである。即ち、平打ちしたセメントモルタル板の硬化始発時期に、折り曲げなどの変形必要個所をコテ均しなど刺激を与えることで練り返し状態とし、外周型枠と共に立て起こし両端を突き合わせて筒状としそのまま硬化させる。硬化後に外周型枠を取り去ることによってセメント筒状品とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、裏面にゴム磁石を貼り付けた可とう性シート状材料からなる外周型枠を薄鉄板台板に磁着し、その周囲を所要の厚さを有し且つ裏面にゴム磁石を貼り付けた側型枠数本で囲んだ型枠内に、セメントモルタルを打ち込み、それが硬化し始める時期に折り曲げ必要個所を、コテによる均しや軽打などの刺激を与えることで、セメントモルタルを練り返し状態にしてから、側型枠を外し、外周型枠と一緒にセメントモルタルを立てて、練り返し状態とした個所で折り曲げ、両端面を突き合わせ鏝撫でなどて一体の筒状とし、そのまま硬化させた後、外周型枠を剥ぎ取るものであるので、内型を必要としないのは当然であり、筒状セメント製品を簡易に成形しうる製造法である。
【0006】
【実施例1】
先ず本発明の最も簡単な実施例でおる直方形筒状セメント製品の製造法を、図1を参照して工程図に説明する。
(1)薄鉄板台板4上または鉄板の台4上に、裏面にゴム磁石3を貼り付けた可とう性シート材料からなる外周型枠1を磁着して広げて置く。
(2)次に外周型枠1の周囲を4本の側型枠2で囲み、平打ち型枠を形成する。
(3)次に適宜に調合したセメントモルタル5を、外周型枠1と側型枠2からなる凹部に打ち込む。1〜3時間放置後、セメントの硬化が始った頃に折り曲げ部分のセメントモルタル5’をコテで均す又は軽打するなどにより練り返し状態とした上で、側型枠2を取り外す。
(4)次にセメントモルタル5を外周型枠1と共に、折り曲げ部分5’で筒状に折り曲げながら立て起こし、両端面を突き合わせその部分を鏝撫でなどして一体化する。この際突き合わせ部が開かないように保持具6を使って固定する。なお、底を付けて容器とする場合はここで所要量のセメントモルタルを筒状セメントモルタル5内に打ち込み軽く搗き均す。そのまま放置して硬化を待つ。
(5)硬化後に外周型枠1を剥ぎ取ることにより、筒状セメントモルタル製品5”が出来上がるのである。
【0007】
外周型枠1は、製作しようとする筒状製品の表面形状の展開図と同様の可とう性シートと、その裏面に貼り付けたゴム磁石3により構成される。ゴム磁石3が貼り付けてない個所は折り曲げ部のアールとなるので、貼り付けてない間隔が広ければ大きな曲面に、小さければ小さなアールで角張ってくるのである。但し大きな曲面を持つ筒形や円筒形の場合は、可とう性シートのみでは自立することが難しいので、薄いゴム磁石3を外周型枠1の全面に貼ることが望ましい。
図2は、各種の外周型枠1とそれで成形出来る筒形形状を示したものである。▲1▼は直方形の外周型枠1を示すものであり、ゴム磁石3は幅広のもの3個を中央に、その1/2幅のものを両端に、それぞれ同じ間隔を開けて貼付する。突き合わせ部分は、外周型枠1をピーンと張った状態に維持するため、鉄板製の固定具6を磁着させるため両端にはゴム磁石3を付けるが、それ以外の個所は薄鉄板、プラスチック板など平面保持できるものならゴム磁石で3でなくてもよい。
図2の▲2▼は、8角筒形の外周型枠1の裏面に、ゴム磁石3を7枚と1/2幅の2枚を貼り付けた状態を示すもので、その間隔は折り曲げ部分のアールを決定し、突き合わせ部分が直線状に保持具6で維持できるなら、前述したように、薄鉄板、薄プラスチック板など平面保持できるものなら、ゴム磁石3でなくても良い。図2▲3▼は、6角テーパー筒形の外周型枠1の裏面に、ゴム磁石3が適宜間隔を隔てて貼り付けて状態を示すもので、前同様、両端以外は薄鉄板、プラスチック板などで代用出来る。図2▲4▼は、ハート筒形の外周型枠1の裏面を示すもので、中央の折り曲げ部の間隔を開けてゴム磁石を貼り付けるが、内側の2枚は、平面になるよう鉄板などで補強し、外側即ち両端の2枚のゴム磁石は、ハート状に曲がるよう薄いものとする。また、保持具6の内側に整形部材7を挟んで形を整える。なお、外周型枠1の表面に凹凸模様があれば、筒状セメント製品の表面にその凹凸模様ができる。
【0008】
図3は、薄鉄板台板4を示すものである。薄鉄板8をベニヤ板9に載せた状態で、テープ10で周囲を貼り付けたものである。なお、表面の鉄製の台があればそれを使えばよい。大きな筒形製品を製作するにはその方が好ましい。
【0009】
図4は、側型枠2を示すものである。
側型枠2は、木材、ゴム・プラスチックスなど軽い扱いやすい材質の角材に、ゴム磁石3を貼りつけたものである。この側型枠2の角材の厚さは成形セメント製品の厚さとなるものであるので、図4▲5▼のように断面形状を正方形にすると一つの厚さより成形できないが、図4▲6▼のように厚薄二面を有する長方形とし、二面にそれぞれゴム磁石を貼付すれば2種類の厚さのセメント製品を成形し得る。図1に示した側型枠2の一端が囲い部分から突出しているのは、成形品の大きさに応じて調節できることを示したものである。図2▲3▼のようなテーパー付きの筒形を成形する側型枠2は図4▲7▼▲8▼のように、外周型枠1の扇形に合わせたものとするか、材質をゴムなど曲げることが出来るものにしなければならない。
【0010】
混和材料としては、CSA(商品名)などの膨張材、シリカフレームなどの強化材、色彩を付けるための顔料、ガラス繊維・ビニロン・炭素繊維などの繊維補強材料そして減水剤や早強剤などのセメント混和剤などが考えられる。殊に減水剤の添加は練り返しによる再流動化効果が大きく、コテで均す軽打するなどで容易に硬化を緩めることができるので、極めて望ましいものである。同様の理由で、セメントモルタルはセメント富配合のものが望ましい。
【0011】
【発明の効果】
本発明は、可塑性がある陶土のように、シート状に成形加工したセメントモルタルをその外周型枠とともに、折り曲げて筒状に成形する方法を提供するものである。セメントモルタルは水硬性で耐久性に富むものである上、陶器のように焼成する必要がないし、従って焼成時の変形の恐れもないと言う、筒状造形物の製造法である。
【0012】
本発明の主な用具は、薄鉄板台板4と外周型枠1と側型枠2及び筒形保持具6からなる。外周型枠1及び側型枠2にそれぞれ貼り付けたゴム磁石3で、薄鉄板台4或るいは筒形保持具6に固定するものであるので、組立て取り外しなど特別な道具を必要としないことを特長とする簡易な成形法である。
【0013】
外周型枠1に凹凸模様があればその模様、文字模様があればその文字が筒形セメント成形品に刻み込まれるので、顔料色素をセメントモルタルに混ぜて彩色することと相まって、趣の深いセメント筒状成形品を作ることが出来る。
【0014】
図2に4角形、8角形、テーパー付6角形、ハート形などの筒状成形物用の外周型枠1を示したが、外周型枠1を工夫することで色々のその他形状のものが成形できるし、貝殻などを敷き詰めてモルタルを打てばテラゾー成形物となるし、側型枠2と同じ厚さの発泡スチロールなどを貼り付けて置き硬化後取り除けば窓となるなど、工夫すればするほど色々と面白い筒状品が成形出来る。即ち、楽しみ乍ら頭と手を使うので、高齢化社会における生涯学習用具として好適なものと考える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)〜(5)順に成形工程をを斜視図で示したものである。即ち、
(1)薄鉄板台板4に、外周型枠1を固定。
(2)外周型枠1の周囲を側型枠2で囲み固定。
(3)セメントモルタル5を打ち込む。
(4)セメントモルタル5を外周型枠1ともに立てて筒状に折り曲げる。
(5)外周型枠1を剥ぎ取り、成形完了。
【図2】筒状体の外周型枠1の裏面平面図と、折り曲げ筒状状態の斜視図で示す。
▲1▼ 4角形筒状体
▲2▼ 8角形筒状体
▲3▼ 6角テーパー形筒状体
▲4▼ ハート形筒状体
【図3】薄鉄板台板4の一部剥ぎ取り斜視図
【図4】側型枠1の斜視図及び側面図
▲5▼ 側面正方形の側型枠
▲6▼ 厚薄二側面直方体の側型枠
▲7▼ テーパー筒状体用の内側の側型枠
▲8▼ テーパー筒状体用の外側の側型枠
【符号の説明】
1 外形型枠
2 側型枠
3 ゴム磁石
4 薄鉄板台板
5 セメントモルタル
6 保持具
Claims (2)
- 薄鉄板からなる台板上に、裏面にゴム磁石を貼りつけた可とう性材料からかる外周型枠を磁着し、その周囲を所要の厚さを有し且つ裏面にゴム磁石を貼りつけた側型枠数本で囲んだ型枠内に、セメントモルタルを打ち込み、それが硬化しはじめる頃に筒状に曲げる個所に刺激を与えてから、側型枠を外し、打ち込んだセメントモルタルを外周型枠と共に立て起こし、両端面を突き合わせて筒状にすることを特徴とする筒状セメント製品の製造法。
- 前記台板、前記外周型枠及び前記側型枠からなる請求項1記載の筒状セメント製品の製造法用器具。
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JP18263896A JP3837678B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 筒状セメント製品の製造法及び製造用器具 |
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JP18263896A JP3837678B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 筒状セメント製品の製造法及び製造用器具 |
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1996
- 1996-06-06 JP JP18263896A patent/JP3837678B2/ja not_active Expired - Fee Related
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