JP3837412B2 - 緊張材用被覆物 - Google Patents

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Description

本発明は、緊張材用被覆物および緊張材に関する。
従来、プレストレストコンクリートのポストテンション工法では、まず、コンクリート打設用の型枠内にシースを埋設し、このシースにPC鋼材等の緊張材を挿入した後、コンクリートを打設する。次に、打設したコンクリートが硬化した後に緊張材を緊張させ、この状態でシースと緊張材との間にセメントミルク等のグラウト材を注入する。かかる工法により、緊張材とコンクリートとの一体化を図れるとともに、緊張材の防食を行うことができる。
しかしながら、緊張材をシースに挿入したり、シースにグラウト材を注入することは、非常に繁雑な作業であり、施工現場において多くの時間と労力とが必要であった。さらに、シース内へのグラウト材の注入が不完全になりやすいため、この不完全な箇所に水分や塩分等が入りこむことにより、緊張材が腐食するという問題もあった。
このような問題を解決するために、特許文献1には、以下のような技術が開発されている。すなわち、予め、工場等で、シースと緊張材との間に、通常状態では液状であるが常温で徐々に硬化する硬化性組成物(緊張材用被覆物)を注入した緊張部材を製造しておく。次に、この緊張部材を現場に搬入して、コンクリート打設用型枠内の所定位置に配置した後、型枠内にコンクリートを打設し、コンクリート硬化後であって液状の緊張材用被覆物が硬化する前に緊張材を緊張させる。その後、常温下で緊張材用被覆物が徐々に硬化するため、最終的には、緊張材とコンクリートとが一体化することになる。従って、施工現場におけるグラウト材の注入作業を不要にできる。また、予め工場内でシースと緊張材との間に緊張材用被覆物を注入するので、シース内に不完全箇所が生じにくいから、不完全な箇所からの水分等の侵入による緊張材の腐食を防ぐこともできる。
しかしながら、コンクリートは、硬化時の発熱(水和熱)により100℃近くの高温に達する場合がある。このような高温下では、前記緊張材用被覆物は、硬化反応が急速に進むため、コンクリートが所定の硬さとなる前に、緊張材用被覆物が既に硬化してしまう可能性があり、この場合には、緊張材の緊張ができず、コンクリートにプレストレスをかけることができない。
一方、緊張材用被覆物を構成する硬化剤や硬化促進剤等の添加率を少なくすれば、高温時における急速な硬化反応の進行を防止できる。しかし、この場合には、緊張材用被覆物が完全に硬化するまでの期間が長期間になりすぎて、緊張材の防食が十分に図れないことになる。
なお、本発明では、緊張材用被覆物が流体状態である期間のことを、「緊張材の緊張可能期間」と称し、また、緊張材用被覆物が完全に硬化するまでの期間のことを、「硬化期間」と称する。
そこで、以上の問題を解決するために、特許文献2では、前記緊張材用被覆物として、水分(水蒸気)と反応して硬化を開始する湿気硬化型エポキシ樹脂を採用し、100℃近くの高温下での急速な硬化反応を防止し、緊張材の緊張可能期間を延長できる技術が提案されている。すなわち、本技術では、シースを介して、コンクリート硬化時に生じた水分を湿気硬化型エポキシ樹脂内に取り込むことにより、湿気硬化型エポキシ樹脂の硬化を開始させる。このように、コンクリートの硬化開始に伴って、湿気硬化型エポキシ樹脂の硬化が開始するため、コンクリート硬化時に生じる水分量等を考慮して緊張材用被覆物の組成を調整することにより、緊張材の緊張可能期間および硬化期間を管理できることになる。
特公平5−69939号公報 特開2002−60465号公報
しかしながら、コンクリート硬化時に生じる水分の量は、コンクリート中の水セメント比や、コンクリートの温度、コンクリートの厚さ、環境温度・湿度等の様々な要因により大きく左右されるため、施工現場ごとに条件が変化し、緊張材用被覆物が予定より早く硬化してしまったり、予定期間をすぎても硬化しない等の事態が生じる可能性があった。特に、シースを介して水分を取り込むため、梅雨時等の高湿度下に当該緊張部材を置いていた場合には、現場へ搬入する前に、湿気硬化型エポキシ樹脂の硬化が既に開始してしまう可能性があった。また、逆に乾燥期で大気中の湿分が少ない場合や、シースの透水性や透湿性がよくない場合には、緊張材用被覆物がいつまでたっても硬化しないという問題もあった。以上より、緊張材の緊張可能期間および硬化期間の管理が非常に困難であるという問題があった。
本発明の目的は、現場での作業を軽減できて、緊張材とコンクリートとの一体化や緊張材の防食を図ることができるとともに、緊張材の緊張可能期間および硬化性樹脂の硬化期間を確実に管理できる緊張材用被覆物および緊張材を提供することにある。
本発明は、プレストレストコンクリートを構成する緊張材の表面を被覆するための緊張材用被覆物であって、硬化性樹脂、湿気硬化型硬化剤、および結晶水含有化合物を含んで構成される内層と、この内層の外側に設けられ、実質的に非透湿性かつ非透水性の合成樹脂を含んで構成される外層とを備えることを特徴とする。
ここで、緊張材とは、プレストレストコンクリート構造物用の鋼材(PC鋼材)である。この緊張材には、鋼棒や鋼線、鋼撚線等が含まれる。鋼棒には、例えば、JIS G3109に規定されたもの等が含まれる。鋼線には、例えば、JIS G3536に規定されたもの等が含まれる。鋼撚線は、前記鋼線を撚ったものである。
前記内層を構成する硬化性樹脂には、例えば、エポキシ樹脂や、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂を採用できるが、より好ましくは、エポキシ樹脂である。エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基と呼ばれる反応基を持つ樹脂状物質であり、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、環式脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、複素環式エポキシ樹脂のいずれでもよい。エポキシ樹脂には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、テトラグリシジルアミンジフェニルメタン等が含まれる。
前記内層を構成する湿気硬化型硬化剤とは、水分と反応して硬化剤を生成し、この硬化剤により硬化性樹脂の硬化反応を開始させるものである。この湿気硬化型硬化剤としては、ケチミン化合物が好ましい。ケチミン化合物とは、カルボニル化合物とアミン化合物との脱水縮合反応により誘導され、ケチミン結合を有する化合物である。この脱水縮合反応は、例えば、アミン化合物に対して理論反応量以上のカルボニル化合物を添加し、反応生成水を除去することにより進行させることができる。なお、ケチミン結合は下記式で表すことができる(化1参照)。
Figure 0003837412
前記化1において、RおよびRは、水素原子またはアルキル基、シクロヘキシル基、アリール基等の一価の炭化水素基を示す。
カルボニル化合物は、アミン化合物をケチミン化するものであり、ケトン類およびアルデヒド類を含む。ケトン類には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、アセトフェノンやベンゾフェノン等の芳香族ケトン等が含まれる。アルデヒド類には、例えば、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等の鎖式アルデヒド、ベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド等が含まれる。
アミン化合物としては、脂肪族系、脂環式系、芳香族系のいずれも採用でき、また、モノアミン、ポリアミン、ポリアミドのいずれでもよい。アミン化合物には、例えば、メチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、アルコキシプロピルアミン、アリルアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノシクロヘキサン等が含まれる。
前記結晶水含有化合物は、コンクリート打設時の発熱を起点として結晶水を放出することが好ましい。このような構成とすれば、コンクリート打設前に硬化性樹脂が硬化を開始することがなく、あくまで、コンクリート打設時を基準として硬化性樹脂が硬化を開始するので、緊張材の緊張可能期間や硬化性樹脂の硬化期間を確実に管理できる。なお、工場等において前記外層を形成する場合には、例えば、外層の合成樹脂が200℃近くの高温で溶融状態となる場合があり、このため、内層を構成する結晶水含有化合物が高温にさらされ結晶水を放出する可能性がある。しかしながら、外層の合成樹脂を硬化するために外層が急冷されるため、前記結晶水の放出によって内層の硬化性樹脂が硬化を開始してしまうという影響はほとんどない。
また、結晶水含有化合物は、100℃以下の温度で結晶水を放出することが好ましい。このような結晶水含有化合物としては、ピロリン酸ソーダ・10水和物、硫酸アンモニウム・アルミニウム・24水和物、カリウムミョウバン、硫酸アルミニウム・18水和物、硫酸マグネシウム・7水和物、硫酸鉄(II)・7水和物(硫酸第一鉄・7水和物)、塩化マンガン・4水和物、硝酸カルシウム・4水和物、チオ硫酸ナトリウム・5水和物等を採用できる。ただし、結晶水の数は、前記には限定されない。各結晶水含有化合物の結晶水放出温度は、ピロリン酸ソーダ・10水和物が100℃、硫酸アンモニウム・アルミニウム・24水和物が93.5℃、カリウムミョウバンが92.5℃、硫酸アルミニウム・18水和物が86.5℃、硫酸マグネシウム・7水和物が70℃、硫酸鉄(II)・7水和物(硫酸第一鉄・7水和物)が64℃、塩化マンガン・4水和物が58℃、硝酸カルシウム・4水和物が45℃、チオ硫酸ナトリウム・5水和物が48.2℃である。また、一般的な我が国の気温とコンクリート打設温度等を考慮すれば、結晶水含有化合物は、90℃以下の温度で結晶水を放出することが好ましく、80℃以下の温度で結晶水を放出することがより好ましい。
ただし、道路現場等の夏場では、外部環境の温度が35℃位になるため、結晶水含有化合物は、40℃以上の温度で結晶水を放出することがより好ましい。結晶水含有化合物としては、結晶水放出温度が、想定される外部環境温度、例えば25℃等、よりも確実に高いが、あまりに高すぎないものとして、硫酸マグネシウム水和物または硫酸鉄(II)水和物がより好ましい。
前記内層は、前記物質に加えて更に発熱剤を含んで構成してもよく、この際、前記発熱剤としては、酸化カルシウムであることが好ましい。発熱剤とは、水と反応して熱を発するものであり、例えば、酸化カルシウムや、塩化アルミニウム水和物等が含まれる。
ここで、結晶水含有化合物から結晶水を放出するためには、各化合物固有の融解熱が必要である。従って、コンクリート硬化時に発生する熱量が、結晶水を放出する熱量よりも大きい場合には、特に、発熱剤等を添加しなくても、結晶水含有物から結晶水が放出される。ただし、十分な熱量を確保すべく発熱剤を添加するようにしてもよい。
また、コンクリートの水セメント比や、コンクリートの発熱による温度、気温、湿度等の環境条件に応じて、湿気硬化型硬化剤や結晶水含有化合物の種類、配合量を調節することにより、緊張材の緊張可能期間や硬化性樹脂の硬化期間を調整できる。このため、緊張材の緊張可能期間や硬化期間を調整するなどのために、硬化促進剤や潜在性硬化剤等の硬化助剤を内層内に添加できる。ここで利用する硬化促進剤としては、例えば、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノールや、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン化合物や、イミダゾール化合物、BF錯体等を挙げることができる。また、前記潜在性硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミドおよびその誘導体や、アジピン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類、ジアミノマレオニトリルおよびその誘導体、アミンアダクト類、硬化剤を被膜したマイクロカプセル等を挙げることができる。
また、例えば、前記硬化性樹脂として、不飽和ポリエステルを採用する場合には、不飽和ポリエステルに触媒主成分であるメチルエチルケトンパーオキサイドと、硬化促進剤である6%コバルトとを添加したものや、不飽和ポリエステルに触媒主成分である過酸化ベンゾイルと、硬化促進剤であるジメチルアニリンとを添加したもの等が考えられる。
このような緊張材用被覆物において、前記外層を構成するとともに、実質的に非透湿性かつ非透水性の合成樹脂は、JIS Z0208に準拠する透湿度が、温度40℃、相対湿度90%、厚さ40μmで50g/m・24h以下のものとすることができる。なお、実質的に非透湿性かつ非透水性とは、非透湿性かつ非透水性の場合に加えて、難透湿性かつ難透水性の場合をも含むということである。
JIS Z0208に準拠する透湿度とは、温度40℃、相対湿度90%の条件下で、厚さ40μmのフィルム1mに対して24時間の間に通過する水蒸気のg数を示すものである。この透湿度の単位は、g/m・24hで表される。
透湿度が50g/m・24h以下の合成樹脂とは、透湿性が比較的小さいことを示すため、実質的に非透湿性かつ非透水性の合成樹脂と考えることができる。つまり、外層を構成する当該合成樹脂は、外部からの透水および透湿を防止できる。逆に、透湿度が50g/m・24hより大きい合成樹脂は、外部からの透水および透湿を十分に防止できない可能性がある。
透湿度50g/m・24h以下の合成樹脂としては、ポリエチレンや、ポリプロピレン等が含まれるが、これには限定されない。具体的に、高密度ポリエチレンの透湿度は20g/m・24hであり、ポリプロピレンの透湿度は5g/m・24hである。このため、前記外層を構成する合成樹脂としては、ポリプロピレンであることが好ましい。
前記透湿度は、外層の厚みによって変化する、つまり、外層が厚くなればなるほど、透湿度が小さくなる。従って、以上の緊張材用被覆物の厚みは、0.6mm以上であることが好ましく、より好ましくは、1.0mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上である。外層の厚みを0.6mm未満とした場合には、透湿度の条件は満たすものの、強度等が低下するおそれがある。なお、外層を構成する樹脂としては、コンクリートのアルカリに対抗するために、耐アルカリ性を有するものが好ましい。
本発明では、コンクリートが硬化を開始した時の発熱、つまりコンクリート打設時の発熱を起点として、結晶水含有物が結晶水を放出し、この放出された水分と湿気硬化型硬化剤とが加水分解反応を起こして硬化剤が生成され、この生成された硬化剤により硬化性樹脂の硬化が開始する。なお、内層に発熱剤を添加した場合には、この発熱剤が結晶水含有物からの結晶水の放出を助ける働きをする。つまり、コンクリート硬化時の発熱により結晶水含有化合物の結晶水の一部が放出され、その水分により発熱剤が発熱して他の結晶水も放出され、前記同様の加水分解反応が進行する。
また、外層を、実質的に非透水性かつ非透湿性の合成樹脂で構成したので、前記加水分解反応は、内層内の密閉系の中で進行する。このため、仮に、当該緊張材用被覆物が高湿度下に置かれていたとしても、外部環境の影響をほとんど受けないので、工場等から現場への搬送時、すなわち、コンクリート打設前に硬化性樹脂が硬化しはじめてしまうおそれがない。
以上のように、本発明によれば、コンクリートの打設後、コンクリートが硬化しはじめる際に発生する熱を起点として、内層の硬化性樹脂が硬化を開始するため、コンクリート打設前に硬化性樹脂が硬化し始めることがないから、緊張材の緊張可能期間を確実に管理できる。
また、コンクリートの打設時を基準として内層の組成を調整することにより、内層の硬化性樹脂が所定期間で確実に硬化する。このため、緊張材とコンクリートとの一体化を図ることができるうえ、硬化期間を確実に管理できる。このため、緊張材用被覆物の未硬化による緊張材の腐食を確実に防止できる。
なお、緊張材の緊張可能期間としては、作業性等を考慮して、コンクリートの打設から0.5年(6月)以内が好ましい。また、硬化期間は、コンクリートの打設から3年以内が好ましく、1.5年以内がより好ましい。
また、緊張材用被覆物によって被覆された緊張材を、予め、工場等で形成することにより、現場でのグラウト剤注入作業が不要になるので、現場での作業を軽減できる。
以上の緊張材用被覆物において、前記外層の外側に設けられる最外層を備え、この最外層は、耐摩耗性、耐傷付性、柔軟性および耐久性の少なくともいずれか1つの性質を有する樹脂により構成されていることとしてもよい。最外層を構成する樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド等を採用できる。このようにすれば、最外層によって外層が保護されるので、外層の損傷によって硬化性樹脂が硬化し始めたり、緊張材が腐食したりするのを確実に防止できる。
本発明の緊張材は、以上のような緊張材用被覆物により、表面が被覆されていることを特徴とする。このような発明によれば、前記緊張材用被覆物と略同様の作用・効果を奏することができる。
本発明の緊張材用被覆物および緊張材によれば、現場での作業を軽減できて、緊張材とコンクリートとの一体化や緊張材の防食を図ることができるとともに、緊張材の緊張可能期間および硬化性樹脂の硬化期間を確実に管理できるという効果がある。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る緊張材用被覆物を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る緊張材用被覆物1を示す断面図である。
図1に示すように、緊張材用被覆物1は、プレストレストコンクリート(図示略)を構成する緊張材11の表面を被覆するものであり、芯材となる緊張材11の表面を被覆する内層12と、この内層12の外側に設けられた外層13とを備えて構成されている。緊張材用被覆物1は、一般的な押出成形機で製造され、その厚さは、1.6mmである。
緊張材11は、プレストレストコンクリート構造物用の鋼線を撚った鋼撚線である。
内層12は、硬化性樹脂であるエポキシ樹脂と、湿気硬化型硬化剤であるケチミン化合物と、結晶水含有化合物である硫酸マグネシウム・7水和物と、発熱剤である酸化カルシウムとを含んで構成されている。硫酸マグネシウム・7水和物は、70℃で結晶水を放出する。つまり、硫酸マグネシウム・7水和物は、例えば、25℃等の一般的な外部環境の温度では結晶水を放出しないが、この外部環境の温度よりも高い温度で結晶水を放出することになる。
内層12を構成する各材料の配合量、配合比は、緊張材の緊張可能期間がコンクリートの打設から0.5年(6月)以内であり、かつ硬化期間がコンクリートの打設から1.5年以内となるように調整しておく。このように調整するために、例えば、コンクリートの水セメント比や、コンクリートの発熱による温度、気温、湿度等の環境条件を考慮して、硬化促進剤や潜在性硬化剤等の硬化助剤を内層12内に添加することができる。
硬化促進剤としては、例えば、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノールや、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン化合物や、イミダゾール化合物、BF錯体等を挙げることができる。
潜在性硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミドおよびその誘導体や、アジピン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類、ジアミノマレオニトリルおよびその誘導体、アミンアダクト類、硬化剤を被膜したマイクロカプセル等を挙げることができる。
具体的には、本実施形態における内層12の組成としては、エポキシ樹脂を100部、ケチミン化合物2部、硫酸マグネシウム・7水和物6部、酸化カルシウム5部、潜在性硬化剤であるジシアンジアミドを微量とすることができる。
外層13は、ポリプロピレンにより構成されている。このポリプロピレンは、JIS Z0208に準拠する透湿度が、温度40℃、相対湿度90%、厚さ40μmで、5g/m・24hである。なお、外層13を構成する合成樹脂としては、前記ポリプロピレンには限定されず、実質的に非透水性かつ非透湿性の合成樹脂、例えば、透湿度が50g/m・24h以下の合成樹脂を採用できる。
次に、緊張材用被覆物1を用いて、ポストテンション工法により、プレストレストコンクリート構造物を施工する手順を説明する。
まず、コンクリート打設用の型枠を組み、緊張材用被覆物1で被覆された緊張材11を前記型枠内の所定位置に配置する。次に、型枠内にコンクリートを打設して、コンクリートが所定の硬さとなるまで待機する。
ここで、コンクリートが硬化を開始しはじめると、コンクリートは、水和熱を生じて100℃近くの高温に達する。そして、この水和熱が、内層12を構成する硫酸マグネシウム・7水和物に伝わると、硫酸マグネシウム・7水和物は、結晶水の一部を放出し、この結晶水が酸化カルシウムと反応して、内層12内は、より一層高温となる。このため、硫酸マグネシウム・7水和物が残りの結晶水も全て放出し、この放出された結晶水がケチミン化合物と反応して硬化剤が生成され、この生成された硬化剤によりエポキシ樹脂の硬化反応が開始する。
次に、コンクリートが所定の硬さとなった後で、緊張材の緊張可能期間内であるコンクリート打設から6月以内に、緊張材11を緊張させて、コンクリートにプレストレスをかける。その後、コンクリートの打設から1.5年以内には、内層12内のエポキシ樹脂が完全に硬化するため、これにより、緊張材11の防食が図られ、プレストレストコンクリート構造物の施工が完了する。
第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)コンクリートの打設後、コンクリートが硬化を開始する際に発生する熱を起点として、内層12のエポキシ樹脂が硬化を開始するため、コンクリートの打設前に内層12のエポキシ樹脂が硬化し始めることがないから、緊張材12の緊張可能期間を確実に管理できる。具体的には、緊張材12の緊張可能期間を、コンクリートの打設から0.5年以内として確実に管理できる。
(2)コンクリートの打設時を基準として内層12の組成を調整することにより、内層12のエポキシ樹脂が所定期間で確実に硬化するから、緊張材12とコンクリートとの一体化を図ることができるうえ、エポキシ樹脂の硬化期間を確実に管理できる。このため、緊張材用被覆物1の未硬化による緊張材12の腐食を確実に防止できる。具体的には、硬化期間を、コンクリートの打設から1.5年として確実に管理できる。
(3)緊張材用被覆物1によって被覆された緊張材11を、予め、工場等で形成することにより、現場でのグラウト剤注入作業が不要になるので、現場での作業を軽減できる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る緊張材用被覆物を図面に基づいて説明する。
なお、前記第1実施形態と同一または相当する構成部分には同じ符号を付し、説明を省略または簡略化する。
図2は、第2実施形態に係る緊張材用被覆物2を示す断面図である。
図2に示すように、緊張材用被覆物2は、緊張材11の表面を被覆する内層12と、この内層12の外側に設けられる外層13と、外層13の外側に設けられる最外層21とを備えて構成されている。緊張材用被覆物2は、一般的な押出成形機で製造され、その厚さは、2.0mmである。
内層12は、硬化性樹脂であるエポキシ樹脂と、湿気硬化型硬化剤であるケチミン化合物と、結晶水含有化合物である硫酸鉄(II)水和物と、発熱剤である酸化カルシウムとを含んで構成されている。なお、硫酸鉄(II)水和物としては、硫酸鉄(II)・7水和物を採用でき、硫酸鉄(II)・7水和物は、64℃で結晶水を放出する。つまり、硫酸鉄(II)・7水和物は、例えば、25℃等の一般的な外部環境の温度では結晶水を放出しないが、この外部環境の温度よりも高い温度で結晶水を放出することになる。
内層12を構成する各材料の配合量、配合比は、緊張材の緊張可能期間がコンクリートの打設から0.5年(6月)以内であり、かつ硬化期間がコンクリートの打設から1.5年以内となるように調整しておく。このような調整は、前記第1実施形態と同様に考えることができる。具体的には、本実施形態における内層12の組成としては、エポキシ樹脂を100部、ケチミン化合物4部、硫酸鉄(II)・7水和物9部、酸化カルシウム7部、潜在性硬化剤であるジシアンジアミドを0.4部とすることができる。
最外層21は、耐摩耗性、耐傷付性、柔軟性および耐久性の少なくともいずれか1つの性質を有する樹脂としてのポリアミド(PA)を含んで構成され、例えば、ナイロン12を採用できる。
第2実施形態によれば、前記第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
(4)緊張材用被覆物2を3層構造としたので、最外層21によって外層13を保護できる。このため、外層13の損傷によって、内層12のエポキシ樹脂が硬化反応を開始したり、緊張材12が腐食したりという不都合を確実に回避できる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記各実施形態において、内層12の硬化性樹脂をエポキシ樹脂としたが、これに限らず、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂としてもよい。
前記第1実施形態において、結晶水含有化合物として、硫酸マグネシウム・7水和物を採用したが、これに限らず、例えば、前述した硫酸アルミニウム・18水和物等のその他の結晶水含有化合物も採用できる。同様に、前記第2実施形態において、結晶水含有化合物として、硫酸鉄(II)・7水和物を採用したが、前述したその他の結晶水含有化合物も採用できる。
前記各実施形態において、発熱剤として酸化カルシウムを採用したが、これに限らず、塩化アルミニウム水和物等のその他の発熱剤を採用してもよい。また、高温地域等の十分な温度を確保できる環境条件を備える場合などには、発熱剤を添加しないで内層12を構成してもよい。
前記各実施形態において、外層13をポリプロピレンにより構成したが、これに限らず、例えば、ポリエチレンや高密度ポリエチレン等の、実質的に非透湿性かつ非透水性の合成樹脂を採用して構成できる。この実質的に非透湿性かつ非透水性の合成樹脂としては、例えば、JIS Z0208に準拠する透湿度が、温度40℃、相対湿度90%、厚さ40μmで50g/m・24h以下のものを採用できる。
前記各実施形態において、緊張材用被覆物2の厚みを1.6mmまたは2.0mmとしたが、これに限らず、1mm等の他の厚みとしてもよい。
前記第2実施形態において、最外層21をナイロン12により構成したが、これに限らず、例えば、ナイロン6等のポリアミドを含むその他の樹脂により構成してもよい。
以下、本発明について実施例を挙げて、より具体的に説明する。
[第1実施例]
下記配合の原料を用いて、押出成型機により、内層と外層とを備える2層構造の緊張材用被覆物を製造した後、その評価を行った。
(1)緊張材用被覆物の組成および配合量と緊張材の種類
<A>内層の構成
・エポキシ樹脂:アデカレジンEP−4100、旭電化株式会社製;100部
・ケチミン化合物:EPIKURE H3、ジャパンエポキシレジン株式会社製;2部
・硫酸マグネシウム・7水和物;赤穂化成株式会社製;6部
・酸化カルシウム:井上石灰株式会社製;5部
・硬化助剤として潜在性硬化剤であるジシアンジアミド:アデカハードナーEH−3842、旭電化株式会社製:微量
<B>外層の構成
・ ポリプロピレン:三井化学株式会社製
<C>緊張材
PC鋼撚線
(2)製造方法
まず、内層の全原料を混合攪拌して、この得られた樹脂混合物をPC鋼撚線の表面に塗布した。次に、この塗布面上にポリプロピレンを押出成形して、厚み1.6mmの緊張材用被覆物を製造した。
(3)評価
コンクリートの水和熱の発生およびその後の冷却に対応する環境モデルを設定し、この設定した環境モデル下にさらした緊張材用被覆物のサンプルについて、緊張材の緊張可能期間の測定と、硬化期間の測定とを行って、サンプルの評価を行った。
<A>コンクリート打設時に対応する環境モデルの設定
コンクリートを打設した際の硬化に伴う水和熱の発生や、その後の冷却に対応する環境モデルを設定した。この環境モデルとしては、高温地域や夏場等に対応する高温条件の場合と、通常の地域や冬場等に対応する低温条件の場合との2つを設定した。具体的には、恒温恒湿槽を用いて、高温条件の場合としては、温度90℃、相対湿度60%の環境下に14日間さらした後、温度25℃、相対湿度60%の環境下にさらすモデルを設定した。また、低温条件の場合としては、温度70℃、相対湿度60%の環境下に14日間さらした後、温度25℃、相対湿度60%の環境下にさらすモデルを設定した。
<B>緊張材の緊張可能期間の測定
・測定装置:粘弾性解析装置、株式会社レオロジ製
・測定温度:25℃
・測定対象:前記環境モデル下にさらしたサンプルを所定時間経過後に緊張材から外層を剥ぎ、内層からサンプリングしたものを測定対象とした。
・緊張材の緊張可能期間について良否判定:測定した粘度が1万PS(ポイズ)以下の場合には、まだ緊張材の緊張可能期間内であると判断した。つまり、前記環境モデル下にさらしてから、内層の粘度が1万PSになるまでの日数を緊張材の緊張可能期間とした。サンプルの良否判定は、緊張材の緊張可能期間が0.5年(6月)以内である場合を良好とし、この期間よりも大きい場合を不良とした。
<C>硬化期間の測定
・測定装置:硬度計デュロメータ
・測定方法:JIS K−7215に準拠
・硬化の良否判定:緊張材の緊張可能期間の測定に基づいて、粘度が1万PSに達したサンプルについて、更に、温度25℃、相対湿度60%の環境下にさらした。そして、所定時間経過後に緊張材から外層を剥いで、内層からサンプリングしたものの硬度を測定した。測定した硬度が60以上の場合に、硬化性樹脂が完全に硬化したものと判定した。つまり、硬度が60になるまでの期間を硬化期間とした。サンプルの良否判定は、硬化期間が1.5年以内である場合を優良とし、3年以内を良好とし、3年より大きい場合を不良とした。
<D>結果
・高温条件の場合
緊張可能期間の測定では、環境モデルでの放置を開始した日から20日後は、緊張可能であったが、25日後は、緊張不可能であった。つまり、緊張材の緊張可能期間は20〜25日であった。また、硬化期間の測定は、高温環境モデルに放置した後、温度25℃、相対湿度60%の環境下に置き、高温環境モデル放置開始後、通算1年2月では硬化せず、1年5月で硬化していた。つまり、硬化期間は1年2月〜1年5月であった。
・低温条件の場合
緊張可能期間の測定では、環境モデルでの放置を開始した日から60日後は、緊張可能であった。つまり、緊張材の緊張可能期間は不明であった。また、硬化期間の測定は、低温環境モデルに放置した後、温度25℃、相対湿度60%の環境下に置き、低温環境モデル放置開始、通算3年後では硬化していなかった。つまり、硬化期間は3年よりも大きかった。
以上より、本実施例では、高温条件の場合では、緊張材の緊張可能期間が良好であり、硬化期間が優良であるため、適していると判定した。一方、低温条件の場合では、緊張材の緊張可能期間が良好か不良か不明であり、硬化期間が不良であるため、適していないと判定した。なお、後述する実施例も含めて、各実施例の内容および結果を図3にまとめた。
[第2実施例]
前記第1実施例と同様に、下記配合の原料を用いて、押出成型機により、内層と外層とを備える2層構造の緊張材用被覆物を製造した後、その評価を行った。
(1)緊張材用被覆物の組成および配合量と緊張材の種類
<A>内層の構成
・エポキシ樹脂:アデカレジンEP−4100、旭電化株式会社製;100部
・ケチミン化合物:EPIKURE H3、ジャパンエポキシレジン株式会社製;4部
・硫酸鉄(II)・7水和物;堺化学株式会社製;9部
・酸化カルシウム:井上石灰株式会社製;7部
・ジシアンジアミド:アデカハードナーEH−3842、旭電化株式会社製:0.4部
<B>外層の構成
・ポリプロピレン:三井化学株式会社製
<C>緊張材
PC鋼撚線
(2)製造方法
まず、内層の全原料を混合攪拌して、この得られた樹脂混合物をPC鋼撚線の表面に塗布した。次に、この塗布面上にポリプロピレンを押出成形して、厚み2.0mmの緊張材用被覆物を製造した。
(3)評価
製造した緊張材用被覆物の評価は、前記第1実施例の低温条件下について、緊張材の緊張可能期間の測定と、硬化期間の測定とを行った。
各測定の結果、低温条件下では、緊張可能期間が33日であって硬化期間が1年2月であった。従って、本実施例では、緊張材の緊張可能期間が良好であり、硬化期間が優良であるため、適していると判定した。
[第3実施例]
下記配合の原料を用いて、押出成型機により、内層と外層とを備える2層構造の緊張材用被覆物を製造した後、この緊張材用被覆物の評価を行った。
(1)緊張材用被覆物の組成および配合量
<A>内層の構成
・エポキシ樹脂:アデカレジンEP−4100、旭電化株式会社製;100部
・ケチミン化合物:EPIKURE H3、ジャパンエポキシレジン株式会社製;2部
・硫酸マグネシウム・7水和物;赤穂化成株式会社製;6部
・ジシアンジアミド:アデカハードナーEH−3842、旭電化株式会社製:0.2部
<B>外層の構成
・ポリプロピレン:三井化学株式会社製
(2)緊張材用被覆物の製造方法
まず、内層の全原料を混合攪拌して、この得られた樹脂混合物をPC鋼撚線の表面に塗布した。次に、この塗布面上にポリプロピレンを押出成形して、厚み2.0mmの緊張材用被覆物を製造した。
(3)評価
<A>コンクリート打設時に対応する環境モデルの設定
外気温の高い地域を想定した新たな環境モデルを設定した。すなわち、温度95℃、相対湿度60%の環境下に25日間さらした後、温度25℃、相対湿度60%の環境下にさらすモデルを設定した。
<B>結果
緊張材の緊張可能期間の測定と、硬化期間の測定とは、前記各実施例同様に実施し、評価した。その結果、緊張材の緊張可能期間は30日であり、硬化期間は1年1月であった。従って、本実施例では、緊張材の緊張可能期間が良好であり、硬化期間が優良であるため、適していると判定した。
本発明の第1実施形態に係る緊張材用被覆物を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る緊張材用被覆物を示す断面図である。 本発明の実施例の内容および結果を示す図である。
符号の説明
1,2 緊張材用被覆物
11 緊張材
12 内層
13 外層
21 最外層

Claims (7)

  1. プレストレストコンクリートを構成する緊張材の表面を被覆するための緊張材用被覆物であって、
    硬化性樹脂、湿気硬化型硬化剤、および結晶水含有化合物を含んで構成される内層と、
    この内層の外側に設けられ、実質的に非透湿性かつ非透水性の合成樹脂を含んで構成される外層とを備え
    前記結晶水含有化合物は、硫酸マグネシウム・7水和物、硫酸鉄(II)・7水和物、塩化マンガン・4水和物、硝酸カルシウム・4水和物、チオ硫酸ナトリウム・5水和物からなる群から選ばれた化合物であり、
    前記外層を構成する合成樹脂がポリプロピレンであり、
    前記緊張材用被覆物は、コンクリート打設時の発熱を起点として前記結晶水含有化合物が結晶水を放出することにより硬化性樹脂の硬化が開始されることを特徴とする緊張材用被覆物。
  2. 前記内層を構成する硬化性樹脂、エポキシ樹脂である請求項1に記載の緊張材用被覆物。
  3. 前記内層を構成する湿気硬化型硬化剤、ケチミン化合物である請求項1又は2に記載の緊張材用被覆物。
  4. 前記内層更に発熱剤を含んで構成されてい請求項1〜3のいずれかに記載の緊張材用被覆物。
  5. 前記発熱剤、酸化カルシウム及び塩化アルミニウム水和物から選ばれた発熱剤である請求項4に記載の緊張材用被覆物。
  6. 前記外層の厚みが0.6mm以上である請求項1〜5のいずれかに記載の緊張材用被覆物。
  7. 前記外層の外側に設けられる最外層を更に備え、
    前記最外層は、耐摩耗性、耐傷付性、柔軟性および耐久性の少なくともいずれか1つの性質を有する樹脂により構成されている請求項1〜6のいずれかに記載の緊張材用被覆物。
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