JP3837241B2 - トリアゾリノン誘導体および除草剤 - Google Patents

トリアゾリノン誘導体および除草剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、除草剤として有用な新規なトリアゾリノン誘導体およびこの誘導体を活性成分として含有することを特徴とする除草剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の1,2,4-トリアゾール-3-オン誘導体の類似化合物としては次のものが 公知である。
【0003】
(1)特開昭64-29368号公報には、下記の一般式(A)で示される化合物が除草剤として有用であると記載されている。
一般式(A)
Figure 0003837241
(式中、XおよびYは酸素原子または硫黄原子を示し、R1は水素原子などを示し、R2は置換されてもよいフェニル基、アラルキル基などを示し、R3およびR4は水素原子、アルキル基または置換してもよいアリール基などを示す)。
【0004】
(2)特許公報平3-17836号には、下記の一般式(B)で示される化合物が除草剤 として有用であると記載されている。
一般式(B)
Figure 0003837241
(式中、RはC1〜C4アルキル基、ベンジル基、シクロヘキシル基または置換フェ ニル基であり、R1およびR2は同じまたは異なりC7シクロアルキル基、フェニル基または置換フェニル基であり、または、R1とR2は一緒になって、メチル置換モルホリノ基である)。
【0005】
(3)特開平8-259548号公報には、下記の一般式(C)で示される化合物が除草剤として有用であると記載されている。
一般式 (C)
Figure 0003837241
(式中XはC1〜C4アルキル基を示し、nは1, 2, 3または4を示し、R1及びR2はそれ ぞれC1〜C6アルキル基、C2〜C4アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C8シクロアルキル基、場合により置換されてもよいアリール基、または場合によりハロゲン置換されてもよいアラルキル基を示すか、或いはR1とR2はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されてもよい)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
除草剤としては有用な栽培植物と雑草との間に選択的殺草活性を有することが求められている。しかし、上記した既知化合物は高い除草効果を示しても、作物に薬害を与えることが多い。したがってこのような欠点のない除草剤の開発が望まれている。本発明の目的は、これらの既知の除草性化合物に代わる新規なトリアゾリノン誘導体を提供することにあり、またそれを含有する除草剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために新規なトリアゾリノン誘導体を多数合成し、除草効果について検討した。その結果、下記の一般式(I)で示される 新規なトリアゾリノン誘導体がイネ、ダイズ、トウモロコシ、コムギなどの作物に薬害を与えることなく、低薬量の使用で優れた除草活性を示すことを見いだした。これらの知見に基づいて本発明は完成されるに至った。
【0008】
したがって、第1の本発明の要旨は、次の一般式 (I)
Figure 0003837241
式中、R1炭素数 1 6 アルキル基を示し、R2フェニル基、またはハロ置換フェニル基を示し、R3炭素数 3 7 シクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基またはC1〜C8アルキル基を示し、該C1〜C8アルキル基は直鎖または分岐鎖であり、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数 3 7 シクロアルキル基、トリフルオロメチル基、フェノキシ基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、ベンゾイル基、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基およびジオキソラニル基からなる群より選ばれる置換基によって任意に置換されてもよい〕で表されるトリアゾリノン誘導体に関する。
【0009】
本発明による一般式 (I) の新規なトリアゾリノン誘導体は、その1,2,4−トリアゾール−3−オン環の2位の窒素原子が炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、または置換されてもよい炭素数1〜6のアルキル基で置換されており、且つその4位の窒素原子がN,N−ジ置換カルバモイル基で置換されているが5位の炭素原子が置換基をもたないで水素原子をもつ点で特徴的な化学構造を有するものである。
【0010】
一般式 (I) のR1の定義中の炭素数1〜6のアルキル基とは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、1−メチル−1−エチルプロピル、1−メチル−2−エチルプロピル、2−メチル−1−エチルプロピルまたは2−メチル−2−エチルプロピル基のような、炭素数1〜6個の直鎖状または分岐状のアルキル基を意味する。
【0011】
一般式(I)のR3の定義中のC1〜C8アルキル基とは、例えばメチル、エチル、 n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、2-メチルブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、4-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-メチルペンチル、 3,3−ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチ ルブチル、1-エチルブチル、1-メチル-1-エチルプロピル、1-メチル-2-エチルプロピル、2-メチル-1-エチルプロピル、2-メチル-2-エチルプロピル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、 2-メチル、3-エチルペンチル、3-エチルヘキシル、2-メチルヘプチルまたは3-メチルヘプチル基のような、炭素数1〜8個の直鎖状または分岐状のアルキル基を意味する。
【0013】
一般式 (I) R3の定義中の炭素数 3 7 シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロペンチルまたは2−メチルシクロヘキシル基のような、分岐鎖を持ってもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基を意味する。
一般式 (I) R3の定義で示される置換基の上に置換してもよいハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素または沃素の各原子を意味する。
【0015】
一般式 (I) のR3 定義中の炭素数 1 6 アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシまたはn−ヘキシルオキシ基のような、炭素数1〜6個の直鎖状または分岐状のアルコキシ基を意味する。
【0016】
一般式 (I) のR3の定義中の炭素数2〜6のアルキルカルボニル基としては、例えばアセチル、プロピオニル、n−ブチリル、イソブチリル、ピバロイルまたはバレリル基のような炭素数2〜6個の直鎖状または分岐状のアルキルカルボニル基を意味する。
【0017】
第1の本発明のトリアゾリノン誘導体は、一般式 (I) においてR1炭素数 1 6 アルキル基であり、R2がモノ−またはジ−ハロ置換フェニル基であるものが好ましく、特にR1がエチル基またはイソプロピル基であり、R2がモノ−またはジ−フルオロ置換フェニル基であるものが好ましい。
【0018】
さらに、第1の本発明の一般式(I)のトリアゾリノン誘導体は、好ましくは次の一般式(Ia):
Figure 0003837241
〔式中、R1aはイソプロピル基を示し、R2aは2,4-ジフルオロフェニル基を示し且つR3aはイソプロピル基、2,2,2−トリフルオロエチル基またはフェノキシプロピル基を示す〕で表されるトリアゾリノン誘導体、または次の一般式(Ib):
Figure 0003837241
〔式中、R1bはイソプロピル基を示し、R2bは4−フルオロフェニル基又は2,4−ジフルオロフェニル基を示し且つR3bはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、5−ヘキセニル基、イソプロピル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチ ルプロピル基、n−オクチル基、6−クロロペンチル基、2,2−ジエトキシエチル 基、シクロヘキシルメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、フェノキシエチ ル基、フェノキシプロピル基、テトラヒドロピラン−2−イルメチル基、トリメ チルシリルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、フェナシル基、ピバロイルメチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニルメチル基又は1,3−ジオキソラン−2−イルメチル基を示す〕で表されるトリアゾリノン誘導体であることができる。一般式(Ib)において、R3bは2,2,2−トリフルオロエチル基であるのが特に良い。
【0019】
なお上記の一般式(Ia)または(Ib)の誘導体は後記の表2に例示された具体的な 化合物を包含するものである。
【0020】
また、第2の本発明の要旨は、次の一般式(I)
Figure 0003837241
〔式中、R1、R2及びR3は前記に定義されたと同じ意味である〕で表わされるトリアゾリノン誘導体を有効成分として含有する除草剤に関する。
【0021】
次に、第1の本発明による一般式 (I) に含まれる化合物の例として、後記の実施例1〜4にあげた化合物および表2に列挙した化合物を含めて、後記の表1に示された具体例をあげることができる(但し、本願の審査中に請求項1を減縮的補正したので、表2に示される具体例化合物のうちの若干が第1の本発明の範囲外になったことを追記する)。
【0022】
Figure 0003837241
【0023】
Figure 0003837241
【0024】
Figure 0003837241
【0025】
Figure 0003837241
【0026】
Figure 0003837241
【0027】
Figure 0003837241
【0028】
Figure 0003837241
【0029】
Figure 0003837241
【0030】
Figure 0003837241
【0031】
Figure 0003837241
【0032】
Figure 0003837241
【0033】
Figure 0003837241
【0034】
Figure 0003837241
【0035】
Figure 0003837241
【0036】
Figure 0003837241
【0037】
Figure 0003837241
【0038】
Figure 0003837241
【0039】
Figure 0003837241
【0040】
Figure 0003837241
【0041】
Figure 0003837241
【0042】
次に、第1の本発明による一般式(I)のトリアゾリノン誘導体の製造法を説明する。本発明による一般式(I)の誘導体は、後記の第一の方法(A)、あるいは第二の方法(B)の2種類の方法で製造できる。
第一の方法(A)は次の第一工程と第二工程(a)〜(b)から成る。
Figure 0003837241
【0043】
第一の方法(A)は、上記に記載するように、二つの工程からなる。第一工程(a)は、式(II)で示される1,2,4−トリアゾール−3−オンに一般式(III)で示される カルバモイルクロライド類を反応させ、一般式(IV)で示されるトリアゾリノン誘導体を得る。第二工程(b)は、第一工程で得た一般式(IV)で示される化合物と一 般式(V)で示される化合物を反応させると、本発明の一般式(I)の化合物を製造できる。
【0044】
ただし、上記の反応式に示される各化合物の式において、R3は低級シクロアルキル基、低級アルケニル基またはC1〜C8アルキル基であり、該C1〜C8アルキル基は直鎖または分岐鎖であってもよく、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級シクロアルキル基、トリフルオロメチル基、フェノキシ基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、エトキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ベンゾイル基、低級アルキルカルボニル基およびジオキソラニル基からなる群より選ばれる置換基によって任意に置換されてもよい。さらにR1およびR2は前記と同じ意味を有する(以下、同様である)。また上記一般式(V)の化合物におけるXは塩素原子、臭素原子、沃素原子のようなハロゲン原子を示す。
【0045】
この第一工程(a)の反応は脱塩酸剤の存在下、反応に不活性な有機溶媒中で行 うのが好ましい。すなわち式(II)で示される1,2,4−トリアゾール−3−オンを有機溶媒に溶かし、その溶液に脱塩酸剤を加える。得られた混合物に一般式(III) の化合物をそのまま加えるか、あるいは一般式(II)と同一(場合によっては異な っていてもよい)の有機溶媒に溶かして加えればよい。
【0046】
第一工程(a)の反応に用いられる脱塩酸剤の例としてはトリエチルアミン、ト リブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、 ピリジンなどの有機第三級アミン類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類をあげることができるが、好ましい脱塩酸剤はカリウムターシャリーブトキシドと炭酸カリウムである。上記の脱塩酸剤の量は、カリウムターシャリーブトキシドや炭酸カリウムを用いるときは一般式(III)の化合物1当量当たり約1当量使用することが好ましい。
【0047】
反応に用いられる有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、ターシャリーブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチル、プロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類またはピリジンなどを使用することができる。またはこれらの混合溶媒も使用できる。これらのなかで好ましい反応溶媒の例としてはターシャリーブチルアルコールあるいはアセトニトリルである。
【0048】
上記の第一工程(a)の反応温度は通常は室温から150℃、好ましくは20〜80℃である。反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0049】
第一工程(a)で得られた一般式(IV)の化合物は反応溶液中から通常の後処理に より採取される。例えば、反応溶液にトルエンなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた一般式(IV)の化合物は、必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0050】
第二工程(b)の反応は、第一工程(a)で得られた一般式(IV)で示される1,2,4− トリアゾール−3−オン誘導体を有機溶媒に溶かし、その溶液に塩基を加える。得られた混合物に一般式(V)の化合物をそのまま加えるかあるいは一般式(IV)と同 一(場合によっては異なっていてもよい)の有機溶媒に溶かして加えればよい。
【0051】
第二工程(b)の反応に用いられる塩基としては、トリエチルアミン、トリブチ ルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジ ンなどの有機第三級アミン類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類や炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類をあげることができるが、好ましい塩基は炭酸カリウムである。上記の塩基の量は炭酸カリウムを用いるときは一般式(IV)の化合物1 当量当たりにつき約1当量使用することが好ましい。
【0052】
反応に用いられる溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、ターシャリーブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチル、プロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのアミド類またはピリジンなどを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくはアセトニトリルおよびN,N-ジメチルホルムアミドである。
【0053】
上記の第二工程(b)の反応温度は通常、室温から150℃、好ましくは20〜80℃である。反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30{EMBED MSDraw.Drawing.8.1,}分〜24時間で完結する。
【0054】
第二工程(b)における目的の反応生成物である一般式(I)の化合物は、得られた反応溶液から通常の後処理により採取される。例えば、反応混合物にトルエンなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた目的生成物は、必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0055】
第二の方法(B)は次に記載するように4つの工程(c)〜(f)からなる。
Figure 0003837241
【0056】
第一工程(c)は、一般式(VI)で示されるヒドラジン類にホルムアルデヒドを反 応させ、一般式(VII)で示されるヒドラゾン類を得る。第二工程(d)は、第一工程で得られた一般式(VII)の化合物をナトリウムシアナートと反応させて一般式 (VIII)で示される環状化合物を得る。第三工程(e)は、第一工程で得られた一般 式(VIII)の化合物を次亜塩素酸ナトリウムで酸化し、一般式(IX)で示されるトリアゾリノン類を得る。
【0057】
第四工程(f)は、第三工程で得た一般式(IX)の化合物に、一般式(III)で示されるカルバモイル類を脱塩酸剤とともに混合して本発明の一般式(I)の化合物を得 る。
【0058】
ただし、上記の反応式において、R3は低級シクロアルキル基、低級アルケニル基またはC1〜C8アルキル基を示し、このC1〜C8アルキル基は分岐していてもよくまた、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級シクロアルキル基、トリフルオロメチル基、フェノキシ基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、ベンゾイル基、低級アルキルカルボニル基およびジオキソラニル基からなる群より選ばれる置換基によって任意に置換されてもよい。さらに上記の反応式においてR1およびR2は前記と同じ意味を有する。また第一工程(c)、第二工程(d)及び第三工程(e)は、特表平7−503253号に記載の方法に準じて行われ容易に一般式(IX)で示される化合物が得られる。
【0059】
上記の第一工程(c)から第三工程(e)は一つの反応容器で行われ、途中の生成物である上記の一般式(VII)と(VII)は単離せずに行われる。この連続した反応の溶媒としては無水であるかまたは水を含むターシャリーブチルアルコールが用いられる。このときに溶媒として用いられるターシャリーブチルアルコールの量及びターシャリーブチルアルコール/水の比は、反応物が少なくとも一部分可溶化されているものでなければならない。好ましくは、工程(c)から(e)の反応は、上記の一般式(VI)で示されるヒドラジン類1モル当たり約50g〜2000gのターシャリー ブチルアルコールを含む溶媒中で実施される。反応溶媒を最初に構成する水の重量は、反応溶媒中のターシャリーブチルアルコールの重量より少ない。好ましくは、反応系中に用いられるターシャリーブチルアルコールを含む溶媒は重量比 95/5から70/30のターシャリーブチルアルコール/水である。
【0060】
第一工程(c)において、一般式(VI)で示されるヒドラジン類とホルムアルデヒ ドとの反応は−10℃から60℃の温度範囲で実施される。好ましくは0℃から30℃ である。この反応でホルムアルテヒドは一般式(VI)で示されるヒドラジン類に対して等モルまたは20%過剰用いられる。好ましくは1%から10%モル過剰のホル ムアルデヒドの使用が好ましい。反応時間は反応基質により異なるが、通常5分 から30分で完結する。
【0061】
第二工程(d)において、一般式(VII)で示されるヒドラゾン類は上記したターシャリーブチルアルコールを含む溶媒中でナトリウムシアナートおよびプロトン源と反応して一般式(VIII)で示されるトリアゾリジノン類を形成する。この反応は−10℃から60℃の温度で1時間から24時間で完結する。好ましくは0℃から35℃の温度で2時間から5時間にわたって行われ完結する。ナトリウムシアナートの量は等モルから20%過剰使用できる。好ましくは5%から10%モル過剰使用する。プ ロトン源は、任意の有機酸例えば酢酸、プロピオン酸または酪酸である。好ましくは酢酸である。使用する有機酸の量は反応で用いたナトリウムシアナートの20%過剰量までが反応に使用できる。好ましくは5%以下の過剰量の酢酸を使用す る。
【0062】
第三工程(e)は一般式(VIII)で示されるトリアゾリジノン類を上記したターシ ャリーブチルアルコールを含む溶媒中で次亜塩素酸ナトリウムを用い酸化することにより成し遂げられる。反応は0℃から60℃で行われる。好ましくは10℃から 40℃である。反応時間は反応温度、反応基質により異なるが通常2時間から24時 間で完結する。用いられる次亜塩素酸ナトリウムは通常水溶液の形で使用されその濃度は5%から15%の濃度のものが好ましい。この次亜塩素酸ナトリウムの使 用する量は40%モル過剰までが使用できる。好ましくは10%までの過剰量を使用する。
【0063】
一連の工程(c)から工程(e)が達成された後、一般式(IX)で示されるトリアゾリノン類は得られた反応溶液から通常の後処理により採取される。例えば反応溶液から溶媒であるターシャリーブチルアルコールと水を減圧下に濃縮し得られた残渣に酢酸エチルなどの抽出溶媒と水を加えて抽出、水洗した後に溶媒を留去することにより得られる。得られた一般式(IX)で示される化合物は必要ならばカラムクロマトグラフイー、再結晶、アルカリ水溶液を用いて再抽出などの操作により精製することもできる。
【0064】
さらに上記第二の方法(B)における第四工程(f)では、式(IX)の化合物に脱塩酸剤の存在下で式(III)のカルバモイルクロライドを反応させる。この反応に用い られる脱塩酸剤としては、トリエチルアミン、トリブチルアミンまたはジエチルイソプロピルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジンなどの有機第三級 アミン類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリウムターシャリーブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類をあげることができるが、好ましい脱塩酸剤は炭酸カリウムである。上記の塩基の量は炭酸カリウムを用いるときは一般式(IX)で示される化合物1当量当たりにつき約1当量使用することが好ましい。
【0065】
反応に用いられる溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、ターシャリーブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチル、プロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類またはピリジンなどを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくはアセトニトリルである。
【0066】
上記の第四工程(f)の反応温度は通常は室温から150℃、好ましくは20〜80℃である。反応時間は反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で完結する。
【0067】
第四工程(f)で得られた目的の反応生成物である一般式(I)の化合物は、得られた反応溶液から通常の後処理により採取される。例えば、反応混合物にトルエンなどの抽出溶媒と水を加えて抽出後、溶媒を抽出液から留去することにより得られる。得られた目的生成物(I)は、必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結 晶などの操作によって精製することもできる。
【0068】
上記の方法(A)および方法(B)による一般式(I)で表される本発明の化合物の製 造例を後記の実施例1〜4に示した。
なお、上記の第一の方法(A)で用いる出発原料である式(II)の1,2,4−トリアゾール−3−オンは、公知の化合物であり、例えば、ケミシェ ベリヒテ(ChemischeBerichte), 第98巻, 3025〜3033頁(1965)やザ ジャーナル オブ オーガニッ ク ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry), 第47巻, 474〜482頁 (1982)に記載の方法に従って容易に合成されるが、その製造を後記の参考製造例1に示した。
また上記の方法(A)および方法(B)で反応剤として用いる一般式(III)のカルバ モイルクロライド類は、有機化学の分野ではよく知られているが、例えばケミシェ ベリヒテ(Chemische Berichte), 第88巻, 301頁(1955)に記載の方法に従っ て容易に合成される。
【0069】
さらに上記第一の方法(A)で用いられる一般式(V)のハライド類は、有機化学の分野ではよく知られているが、例えばオーガニック シンセセス コレクティブボリューム I (Organic Syntheses Collective Volume I), 435頁(1941)などに 記載の方法に従って容易に合成される。
さらに上記第二の方法(B)で用いられる一般式(VI)のヒドラジン類は、有機化 学の分野ではよく知られているが、例えばザ ジャーナル オブ オーガニックケミストリー(The Journal of Organic Chemistry), 第14巻, 813頁(1949)およ びケミシェ ベリヒテ(Chemische Berichte), 74巻, 759頁(1941)などに記載の 方法に従って容易に合成される。
【0070】
更に、第2の本発明による除草剤について具体的に説明する。
本発明による一般式(I)で示される化合物は、後記の試験例に示すとおり、優 れた除草活性を有しており、雑草を防除するための除草剤として使用することができる。本発明の化合物は以下に示す雑草と作物との間で選択的除草活性を示すので選択的除草剤として使用することができる。
【0071】
禾本科雑草としては、スズメノテッポウ(Alopecurus)、カラスムギ(Avena)、 イヌムギ(Bromus)、カヤツリグサ(Cyperus)、メヒシバ(Digitaria)、ヒエ(Echinochloa)、クログワイ(Eleocharis)、オヒシバ(Eleusine)、コナギ(Monochoria)、オオクサキビ(Panicum)、スズメノヒエ(Paspalum)、オオアワガ エリ(Phleum)、スズメノカタビラ(Poa)、オモダカ(Sagittaria)、ホタルイ(Scirpus)、エノコログサ(Setaria)、ジョンソングラス(Sorghum)などがある。
【0072】
広葉雑草としては、イチビ(Abutilon)、イヌビユ(Amaranthus)、ブタクサ(Ambrosia)、コセンダングサ(Bidens)、アカザ(Chenopodium)、ヤエムグラ(Galium)、ヒルガオ(Ipomoea)、アゼナ(Lindernia)、イヌタデ(Persicaria)、スベリヒユ(Portulaca)、キカシグサ(Rotala)、ハコベ(Stellaria)、スミレ(Viola)、オナモミ(Xanthium)などがある。
【0073】
本発明化合物を施用できる圃場における禾本科の有用な栽培植物すなわち作物としては、オオムギ(Hordeum)、イネ(Oryza)、サトウキビ(Saccharum)、コムギ (Triticum)、トウモロコシ(Zea)などがある。
広葉の作物としては、ピーナツ(Arachis)、テンサイ(Beta)、アブラナ(Brassica)、ダイズ(Glycine)、ワタ(Gossypium)、トマト(Lycopersicon)などがある。
【0074】
本発明による一般式(I)の化合物の除草剤としての使用は、上記に例示の雑草 と作物に限定されることはないのは言うまでもない。
第2の本発明による除草剤組成物においては、第1の発明の一般式(I)のトリア ゾリノン誘導体が有効成分として担体と共に配合されている組成物の形で製剤化される。
このように除草剤組成物として製剤化する場合には、その有効成分、すなわち活性成分の一般式(I)の化合物を担体もしくは希釈剤、添加剤、および補助剤な どの少なくとも一つと公知の手法で混合して、通常農薬として用いられる製剤形態、例えば粒剤、微粒剤、水和剤、顆粒水和剤、乳剤、水溶剤、フロアブル剤、錠剤、粉剤、マイクロカプセル剤、ペースト剤などの適宜の形態として調合できる。
【0075】
また他の農薬、例えば、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、殺ダニ剤、薬害軽減剤(セ イフナー)、植物生長調節剤や肥料、土壌改良剤などと混合または併用して使用 することができる。特に他の除草剤と混合使用することにより、使用薬量を軽減させ、また省力化をもたらすのみならず、両薬剤の共力作用による除草スペクトラムの拡大および相乗作用による一層強力な効果を得ることも期待できる。この際、同時に複数の公知除草剤や薬害軽減剤(セイフナー)を組み合わせて配合することもできる。
【0076】
前記の製剤化に際して用いられる担体としては、一般に農薬製剤用に常用される担体ならば固体または液体のいずれのものでも使用できる。担体は特定のものに限定されるものではない。例えばこれら固体担体としては、鉱物質粉末(カオ リン、ベントナイト、クレー、モンモリロナイト、タルク、珪藻土、雲母、バーミキュライト、石英、炭酸カルシウム、リン灰石、ホワイトカーボン、消石灰、珪砂、硫安、尿素など)、植物質粉末(大豆粉、小麦粉、木粉、タバコ粉、デンプン、結晶セルロースなど)、高分子化合物(石油樹脂、ポリ塩化ビニル、ケトン樹脂など)、アルミナ、ケイ酸塩、糖重合体、高分散性ケイ酸、ワックス類などが 挙げられる。
【0077】
また使用できる液体担体としては水、アルコール類(メチルアルコール、エチ ルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、ベンジルアルコールなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレンなど)、エーテル類(エチルエーテル、エチレンオキシド、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、ケ トン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチル ケトン、イソホロンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールアセテート、酢酸アミルなど)、酸アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アルコール エーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ エチルエーテルなど)、脂肪族または脂環式炭化水素類(n-ヘキサン、シクロヘキサンなど)、工業用ガソリン(石油エーテル、ソルベントナフサなど)、石油留分(パラフィン類、灯油、軽油など)が挙げられる。
【0078】
また、乳剤、水和剤、フロアブル剤などに製剤化する場合には、乳化、分散、可溶化、湿潤、発泡、潤滑、拡展などの目的で各種の界面活性剤が本組成物に配合される。このような界面活性剤としては非イオン型界面活性剤(ポリオキシエ チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルなど)、陰イオン型界面活性剤(アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルアルキルサルフェート、アリールスルホネートなど)、 陽イオン型界面活性剤〔アルキルアミン類(ラウリルアミン、ステアリルトリメ チルアンモニウムクロライドなど)、ポリオキシエチレンアルキルアミン類〕、 両性型界面活性剤〔カルボン酸(ベタイン型)、硫酸エステル塩など〕などが挙げられるが、これらの例示されたもののみに限定されるものでない。
また、これらの他に、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロ ース(CMC)、アラビアゴム、ポリビニルアセテート、アルギン酸ソーダ、ゼラチ ン、トラガカントゴムなどの各種補助剤を使用することができる。
【0079】
第2の本発明の除草剤においては、前記した各種製剤を製造するに際して、一 般式(I)の本発明化合物を0.001%〜95%(重量%;以下同じ)、好ましくは0.01%〜75%の範囲で含有するように製剤化することができる。例えば、通常、粒剤の場合は0.01%〜10%、水和剤、フロアブル剤、液剤または乳剤の場合には1〜75 %、粉剤、ドリフトレス粉剤または微粉剤の場合は、0.01%〜5%の範囲で含有できる。
【0080】
このように調製された製剤は、例えば、粒剤およびフロアブル剤の場合は、そのまま土壌表面、土壌中または水中に有効成分の換算量として10アール当たり 0.3g〜300g程度の範囲で散布すればよい。水和剤、および乳剤などの場合は、水または適当な溶剤に希釈し、得られた希釈薬液を活性成分として10アール当たり0.3g〜300g程度の範囲で散布すればよい。
【0081】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例1〜4と参考製造例1〜2を挙げて本発明による一般式(I)で表さ れる化合物の製造例を更に説明する。
実施例 1
4−(N−2,4−ジフルオロフェニル−N−イソプロピル)カルバモイル−2−(2−ペ ンチル)−1,2,4−トリアゾール−3−オン(後記の表2の化合物No.8)の製造〔第一の方法(A)による〕
4−(N−2,4−ジフルオロフェニル−N−イソプロピル)カルバモイル−1,2,4− トリアゾール−3−オン1.00g(3.5 mmol)および炭酸カリウム0.54g(3.9 mmol) を、モータによる攪拌装置と還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装 備した100 mlの四つ口フラスコ中に入れ、さらに追加したN,N−ジメチルホルム アミド30 mlに懸濁して室温で30分間攪拌した。この混合物に2−ブロモペンタン0.54g(3.9 mmol)を加え90℃で5時間攪拌して反応を行った。
【0082】
冷却後、得られた反応混合物をアスピレータによる減圧下にヌッチェ型4 cm径の商品名「桐山ロート」を用いてろ過し不溶物を除き、500 ml容量の分液ロート中の水200 ml中にあけた。1回あたりトルエン80 mlで2回抽出し、合わせたトル エン抽出液160 mlを500 ml容量の分液ロートに入れ100 mlの水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム50gで10分間乾燥した。この乾燥に用いた硫酸ナトリウムを、アス ピレータによる減圧下にヌッチェ型6 cm径の商品名「桐山ロート」を用いてろ過し、ろ液の溶媒をアスピレータを用いた減圧下に留去し粗生成物1.25 gを得た。この粗生成物を展開溶媒にトルエン−アセトン混液(溶媒容量比率トルエン:ア セトン=30:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィ−により精製して、標記の目的化合物0.95 g(2.6 mmol)を得た(収率76 %、融点57〜59℃)。
【0083】
実施例 2
2−((1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル)−4−(N−2,4−ジフルオロフェニル −N−イソプロピル)カルバモイル−1,2,4−トリアゾール−3−オン(後記の表2の化合物No.28)の製造〔第一の方法(A)による〕
4−(N−2,4−ジフルオロフェニル−N−イソプロピル)カルバモイル−1,2,4− トリアゾール−3−オン1.20g(4.2 mmol)および炭酸カリウム0.65g(4.7 mmol) をモータによる攪拌装置と還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備 した100 mlの四つ口フラスコ中に入れ、さらに追加したN,N−ジメチルホルムア ミド30 mlに懸濁して室温で30分間攪拌した。得られた混合物に2−ブロモメチル−1,3−ジオキソラン0.72g(4.3 mmol)を加え110℃で3時間攪拌して反応を行っ た。
【0084】
冷却後、得られた反応混合物をアスピレータによる減圧下にヌッチェ型4 cm径の商品名「桐山ロート」を用いろ過し不溶物を除き、500 ml容量の分液ロート中の水200 ml中にあけた。1回あたりトルエン80 mlで2回抽出し、合わせたトルエ ン層160 mlを500 ml容量の分液ロートに入れ100 mlの水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム50gで10分間乾燥した。この乾燥に用いた硫酸ナトリウムをアスピレータ による減圧下にヌッチェ型6 cm径の商品名「桐山ロート」を用いろ過し、ろ液の溶媒をアスピレータを用いた減圧下に留去し粗生成物0.94 gを得た。この粗生成物を展開溶媒にトルエン−アセトン混液(溶媒容量比率トルエン:アセトン=
30:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィ−により精製し標記の目的化合物0.35 g(0.95 mmol)を得た(収率22%、融点89〜92℃)。
【0085】
実施例 3
2−フェノキシエチル−4−(N−2,4−ジフルオロフェニル−N−イソプロピル)カ ルバモイル)−1,2,4−トリアゾール−3−オン(表2の化合物No.17)の製造〔第一 の方法(A)による〕
4−(N−2,4−ジフルオロフェニル−N−イソプロピル)カルバモイル−1,2,4− トリアゾール−3−オン0.70g(2.5 mmol)および炭酸カリウム0.40g(2.9mmol)を、モータによる攪拌装置と還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備し た100 mlの四つ口フラスコ中でアセトニトリル30mlに懸濁した。この液を室温で30分間攪拌した。得られた混合物に2−ブロモエチルフェニルエーテル0.50g(2.5mmol)を加え75℃で2時間攪拌した。
【0086】
冷却後,得られた反応混合物をアスピレータによる減圧下にヌッチェ型4 cm径の商品名「桐山ロート」を用いろ過して不溶物を除き、ろ液の溶媒をアスピレータを用いた減圧下に留去した。得られた残渣をトルエン50 ml と水20 ml容量の 分液ロートに移して抽出し、トルエン層を20 gの無水硫酸ナトリウムで30分間乾燥した。この乾燥に用いた硫酸ナトリウムをアスピレータによる減圧下にヌッチェ型6 cm径の商品名「桐山ロート」を用いてろ過して不溶物を除いた。ろ液の溶媒をアスピレータを用いた減圧下に留去し粗生成物1.0 gを得た。この粗生成物 を展開溶媒にトルエン−アセトン混液(溶媒容量比率トルエン:アセトン=30:1)を用い、シリカゲル(メルク社商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィ−により精製した。標記の目的化合物0.70 g(1.7 mmolgを得た(収率70%、融点62〜63℃)。
【0087】
実施例 4
4−(N,N−ジエチルカルバモイル)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2,4− トリアゾール−3−オン(表2の化合物No.14)の製造〔第二の方法(B)による〕
1) 2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2,4−トリアゾール−3−オンの合成
攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した1000 mlの四つ口フラスコに、2,2,2−トリフルオロエチルヒドラジン70%水溶液25.0 g (0.15mol)およびターシャリーブチルアルコール63mlの混合物を入れた。さらに 氷水冷下、ホルマリン35%水溶液13.7 g(0.16 mol)およびターシャリーブチルアルコール74mlの混合液を滴下した。10分間氷水冷下で攪拌した後、純度表示85% ナトリウムシアナート13.1g(0.17 mol)および水35mlを一度に加えた。10分間攪拌し、酢酸12.5 g (0.12 mol) を滴下後、室温にて2時間攪拌した。再び氷水冷 し、5%次亜塩素酸ナトリウム溶液246 g (0.165 mol)を滴下した。室温でさらに2時間攪拌し、一晩放置した。
【0088】
反応混合物からターシャリーブチルアルコールをアスピレータを用いた減圧下に留去した。その後、残渣を酢酸エチル300 ml に溶解し500 ml 容の分液ロートに移し、水100 ml で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム80 g で1時間乾燥 した。この反応生成物をトルエンに溶かし2規定の水酸化ナトリウム溶液で抽出 した。この乾燥に用いた硫酸ナトリウムをアスピレータによる減圧下にヌッチェ型9 cm径の商品名「桐山ロート」を用いろ過した。そのろ液からアスピレータを用いた減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物をトルエンに溶かし2規定の 水酸化ナトリウム溶液で抽出した。この溶液を濃塩酸で中和し、酢酸エチル200 mlで抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、アスピレータを用いた減圧下に溶媒を留去することで粗生成物12.8gを得た。この粗生成物をトルエン−酢酸エチル混液(溶媒容量比率トルエン:アセトン=25:1)とシリカゲル(メルク社商品名:シリカゲル60H)を用いたシリカゲルクロマトグラフィ−により精製し標記の目的化合物8.56gを得た(収率33.4%、融点85〜86℃)。
【0089】
2) 4−(N,N−ジエチルカルバモイル)−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2,4−トリアゾール−3−オンの合成
攪拌装置、還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を装備した100 mlの 四つ口フラスコ中に2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2,4−トリアゾール−3−オン1.21 g (7.12 mmol) および炭酸カリウム1.02 g (7.3 mmol) を入れ、ア セトニトリル20mlに懸濁し、室温で1時間攪拌した。この混合物にN,N−ジエチルカルバモイルクロライド1.03 g (7.6 mmol)を加え75℃で2時間攪拌した。
【0090】
得られた反応混合物をアスピレータによる減圧下にヌッチェ型6 cm径の商品名「桐山ロート」を用いてろ過し不溶物を除いた。ろ液からアスピレータによる減圧下に溶媒を留去して濃縮した。残渣をトルエンおよび酢酸エチルの混合液 (1:1 V/V) 30mlに溶解し、100 mlの分液ロートに移し、水20 mlで水洗した。この水層をさらに、トルエンと酢酸エチルの混合液(1:1 V/V) 30mlで抽出した。 有機層を合わせて無水硫酸ナトリウム30 gで20分間乾燥した。この溶液から硫酸ナトリウムをアスピレータによる減圧下にヌッチェ型6 cm径の商品名「桐山ロート」を用いてろ過した。ろ液から溶媒をアスピレータを用いた減圧下に留去し、粗生成物2.13 gを得た。この粗生成物をトルエン−酢酸エチル混液(溶媒容量比 率トルエン:アセトン=25:1)を展開溶媒として用い、シリカゲル(メルク社商品名:シリカゲル60H)を用いたシリカゲルクロマトグラフィ−により精製して標 記目的化合物1.34gを得た(収率69.5%、融点74〜76℃)。
【0091】
上記実施例1、2、3、4に示された方法及びこれら実施例と同様の方法で製造した本発明化合物の例を後記の表2に示す。
表2の化合物No.は後記の実施例5〜実施例10及び試験例1〜試験例4においても 参照される。
【0092】
Figure 0003837241
【0093】
Figure 0003837241
【0094】
Figure 0003837241
【0095】
Figure 0003837241
【0096】
Figure 0003837241
【0097】
なお、上記の表2に示された化合物No.は先の表1に示された番号とは同一でな い。表2に示された化合物No.1〜No.3, No.5〜No.13, No.15〜No.17, No.19〜No.28の化合物は前記の一般式(Ia)の化合物に包含され、また化合物No.4, No.14お よびNo.18の化合物は一般式(Ib)の化合物に包含される。
【0098】
次に、第1の方法(A)で用いられる原料としての1,2,4−トリアゾール−3−オンの合成例と、これの4−カルバモイル誘導体の合成例を参考製造例1〜2で例示す る。
【0099】
参考製造例 1
1,2,4-トリアゾール-3-オン〔前記式(II)〕の製造
攪拌装置、ディーンスターク還流冷却器および200℃まで測定できる温度計を 装備した1000 mlの四つ口フラスコにオルトぎ酸トリエチル398 g (2.69 mol) およびセミカルバジド塩酸塩75 g (0.67 mol) を入れて、懸濁液を調製した。この液を120℃に加熱して生成するエチルアルコールを除去しながら3時間30分撹拌した。
【0100】
反応混合物を20℃に冷却し、析出した白色の結晶をアスピレータによる減圧下にヌッチェ型9.5 cm径の商品名「桐山ロート」を用いて吸引ろ過した。得られた白色結晶状の1,2,4-トリアゾール-3-オンを100mlのエチルアルコールで洗浄し、風乾した。収量52.2 g(収率91%、融点235〜237℃)。
【0101】
参考製造例 2
4−〔N−イソプロピル−N−(2,4−ジフルオロフェニルカルバモイル)〕−1,2,4 −トリアゾール−3−オン〔一般式(IV)において、R1がイソプロピル基であり、 R2が N−2,4−ジフルオロフェニル基である化合物〕の製造
攪拌装置、ディーンスターク還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を 装備した300 mlの四つ口フラスコにターシャリーブチルアルコール140mlおよび カリウムターシャリーブトキシド4.4 g(0.039 mol)を入れて溶解した。得られた溶液に参考製造例1で製造した1,2,4−トリアゾール−3−オン4.2 g(0.049 mol) を加え70℃で2時間撹拌した。得られた混合物に50℃でN−イソプロピル−N−2,4−ジフルオロフェニルカルバモイル・クロライド8.3 gを加え80℃で2時間撹拌した。
【0102】
得られた反応混合物を冷却後1規定塩酸45 mlを加えた後、ターシャリーブチルアルコールをアスピレータによる減圧下に留去した。残渣を300 ml容量の分液ロートに移し,酢酸エチル100 mlと水60 mlを加えて抽出した。酢酸エチル層を無 水硫酸ナトリウム30 gで乾燥し、この乾燥に用いた硫酸ナトリウムをアスピレータによる減圧下にヌッチェ型6 cm径の商品名「桐山ロート」を用いてろ過した。ろ液をアスピレータによる減圧下に濃縮した。残渣を、展開溶媒にトルエン−アセトンの混液(溶媒容量比率トルエン:アセトン=25:1)を用い、シリカゲル(メ ルク社商品名:シリカゲル60H)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより 精製した。目的の4−(N−イソプロピル−N−2,4−ジフルオロフェニルカルバモ イル)−1,2,4−トリアゾール−3−オン5 g(収率50%、融点121〜123℃)。
【0103】
更に、前記した一般式(I)の本発明化合物を第2の本発明による除草剤として製剤化する方法を、具体的に以下の実施例5〜10をもって説明する。ただし、第2 の本発明はこれらの実施例5〜10のみに限定されるものではなく、他の種々の添 加物と任意の割合で混合し、製剤化することもできる。
【0104】
なお、化合物No.は前記の表2に示したものであり、また実施例で「部」とは、すべて重量部を示す。
【0105】
実施例 5 (粒剤)
化合物No.1 1部
リグニンスルホン酸カルシウム 1部
ラウリルサルフェート 1部
ベントナイト 30部
タルク 67部
以上の成分に水15部を加えて混練機で混練した後、押出式造粒機で造粒した。これを流動乾燥機で乾燥して、活性成分1%を含む粒剤を得る。
【0106】
実施例 6 (フロアブル剤)
化合物No.2 20.0部
スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩 2.0部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2.0部
プロピレングリコール 5.0部
消泡剤 0.5部
水 70.5部
以上の成分を湿式ボールミルで均一に混合粉砕し、活性成分20%を含むフロアブル剤を得る。
【0107】
実施例 7 (ドライフロアブル剤)
化合物No. 5 75部
イソバンNo.1〔アニオン性界面活性剤:クラレイソプレンケミカル(株)
商品名〕 10部
バニレックスN〔アニオン性界面活性剤:山陽国策パルプ(株)
商品名〕 5部
ホワイトカーボン 5部
クレー 5部
以上の成分を均一に混合微粉砕してドライフロアブル(顆粒水和)剤を得る。
【0108】
実施例 8 (水和剤)
化合物No. 6 15部
ホワイトカーボン 15部
リグニンスルホン酸カルシウム 3部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2部
珪藻土 5部
クレー 60部
以上の成分を粉砕混合機により均一に混合して、活性成分15%を含む水和剤を得る。
【0109】
実施例 9 (乳剤)
化合物No.8 20部
ソルポール700H〔乳化剤:東邦化学株式会社商品名〕 20部
キシレン 60部
以上の成分を混合して、活性成分20%を含む乳剤を得る。
【0110】
実施例 10 (粉剤)
化合物No.10 0.5部
ホワイトカーボン 0.5部
ステアリン酸カルシウム 0.5部
クレー 50.0部
タルク 48.5部
以上の成分を均一に混合粉砕して、活性成分0.5%を含む粉剤を得る。
【0111】
なお、上述の製剤例に準じて、本発明による一般式(I)の化合物を用いた除草 剤のすべてが各種の剤型の除草剤としてそれぞれ製剤できる。
【0112】
次に、本発明の一般式(I)の化合物の除草効果を試験例を挙げて説明する。
【0113】
試験例 1 タイヌビエに対する除草効果試験 (発生前処理)
1/10000アールポットの広さのワグネルに水田土壌を充填し、水を加え化成肥 料(N:P:K=17:17:17)を混入し、代かきを行った。その後、タイヌビエ種子を土壌表層1 cmに混入し、約3 cmに湛水した。その後の管理はガラス温室内で行った。タイヌビエ種子の播種1日後に、実施例8に準じて調製した水和剤を水で希釈した希釈薬液の所定量を滴下した。薬剤処理後28日後に、除草効果(%)を下記の計算 式により求めた。その結果を後記の表3に示した(化合物No.は表2に示した化合物No.である。以下、同様)。
除草効果(%)=〔1−(a/b)〕×100
〔式中、aは処理区の雑草の乾燥重量(g)を表し、bは無処理区の雑草の乾燥重量 (g)を表す〕。
【0114】
比較薬剤として、後記の比較化合物AおよびBを含む水和剤を実施例8に準じて 調製し、同様に試験を実施した。その結果も表3に示した。
本例で用いた比較化合物Aは次式(a)
Figure 0003837241
の化合物(特公平3-17836号公報に記載)である。また、比較化合物Bは次式(b)
Figure 0003837241
の化合物(特開平9-259548号公報に記載)である。
但し式(a)および(b)においてiPrはイソプロピル基を示し、Etはエチル基を、Meはメチル基を示す。
【0115】
Figure 0003837241
【0116】
試験例 2 タイヌビエに対する除草効果試験(生育期処理)
1/10000アールの広さのワグネルポットに水田土壌を充填し、水を加え化成肥 料(N:P:K=17:17:17)を混入し、代かきを行った。その後、タイヌビエ種子を土壌表層1cmに混入し3cmに湛水した。その後の管理はガラス温室内で行った。タイヌビエが1.5葉期に達した時点で、実施例8に準じて調製した水和剤を水で希釈し、その水希釈薬液の所定量を滴下した。
【0117】
薬剤処理後21日後に、除草効果を調査し、試験例1と同じ基準で除草効果を評 価した。
比較薬剤として比較化合物AおよびBを含む水和剤を実施例8に準じて調製し、 同様に試験した。その結果を表4に示した(化合物No.は表2に示した化合物No.で ある。以下、同様である)。
【0118】
Figure 0003837241
【0119】
試験例 3 水田雑草(アゼナ、コナギ、ホタルイ)に対する除草効果試験
1/10000アールの広さのワグネルポットに水田土壌を充填し、水を加え化成肥料 (N:P:K=17:17:17)を混入し、代かきを行った。その後、アゼナ、コナギ、ホタルイの種子を1〜2 cmの深さにそれぞれ30粒ずつを播種した。播種後ただちに湛水 し、水深を約2 cmに保った。その後の管理はガラス温室内で行った。播種1日後 に、実施例8に準じて調製した水和剤を水希釈し、その水希釈薬液の所定量を滴 下した。
【0120】
薬剤処理後21日後に、除草効果を調査し、試験例1と同じ基準で除草効果を評 価した。
比較薬剤としては、比較化合物AおよびBを含む水和剤を実施例8に準じて調製 し、同様に試験を実施した。その結果を表5に示した。
【0121】
Figure 0003837241
【0122】
試験例 4 水稲に対する薬害試験(水稲移植1日後処理)
1/10000アールの広さのワグネルポットに水田土壌を充填し、水を加え化成肥 料(N:P:K=17:17:17)を混入し、代かきを行った。その後、2.5葉期の水稲苗(品種:日本晴)を移植し、約3 cmに湛水した。その後の管理はガラス温室内で行 った。水稲移植1日後に、実施例8に準じて調製した水和剤を水で希釈し、その水希釈薬液の所定量を滴下処理した。薬剤処理後28日後に、水稲薬害を調査し表6に示した。
【0123】
水稲への薬害は、以下に示す評価の指標に基づいて調査した。
Figure 0003837241
【0124】
比較薬剤として、前記の比較化合物AおよびBを含む水和剤を実施例8に準じて調製し、同様に試験を実施した。その結果を表6に示した。
【0125】
Figure 0003837241
【0126】
試験例 5 畑作雑草に対する除草効果試験および薬害試験
1)畑作雑草に対する除草効果試験
1/5000アールの大きさの素焼製ポットに畑土壌(沖積壌土)をつめ、表層1 cmの土壌とメヒシバ、エノコログサ、イチビ、イヌビユ、イヌタデの各雑草種子それぞれ50粒を均一に混合し、表層を軽く押圧した。播種2日後に、実施例9に準じて調製した乳剤を水で希釈し、その水希釈薬液を10アール当たり100リットルの割 合で土壌表面に噴霧した。活性成分の施用量を換算すると10アール当たり50gに 相当した。
薬剤処理30日後に除草効果を試験例1と同じ基準で評価した。
【0127】
2)作物に対する薬害試験
1/10,000アールの大きさの素焼製ポットに畑土壌(沖積壌土)をつめ、各作物の種子(ダイズ5粒、トウモロコシ5粒、テンサイ10粒、ナタネ10粒、ワタ5粒、コムギ10粒およびオオムギ10粒)をそれぞれ別のポットに播種し、表層を軽く押圧し た。播種1日後に、実施例9に準じて調製した乳剤を水で希釈し、その水希釈薬液を10アール当たり100リットルの割合で土壌表面に噴霧した。活性成分の施用量 を換算すると10アール当たり50gに相当した。
【0128】
薬剤処理30日後に、各作物に対する薬害程度を、試験例4と同様の基準に基づ いて調査した。その結果は、表6に示した(化合物No.は前記の表2に示したものである)。
なお、上記の両試験とも、前記の比較薬剤AおよびBを含み実施例9に準じて調 製した乳剤を調製し、本発明化合物と同様に試験を実施した。
【0129】
Figure 0003837241
【0130】
【発明の効果】
本発明による一般式(I)の新規な除草性トリアゾリノン誘導体は、水田および 畑の各種の雑草を低施用量で除草することができ、そして作物との選択性も優れる。従って、本発明による一般式(I)の新規な化合物は、除草剤として極めて有 用である。

Claims (9)

  1. 一般式 (I)
    Figure 0003837241
    〔式中、R1炭素数 1 6 アルキル基を示し、R2フェニル基またはハロ置換フェニル基を示し、R3は炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数 2 6 アルケニル基またはC1〜C8アルキル基を示し、該C1〜C8アルキル基は直鎖または分岐鎖であり、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数 3 7 シクロアルキル基、トリフルオロメチル基、フェノキシ基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、ベンゾイル基、炭素数 2 6 アルキルカルボニル基およびジオキソラニル基からなる群より選ばれる置換基によって任意に置換されてもよい〕で表されるトリアゾリノン誘導体。
  2. 一般式 (I) においてR1炭素数 1 6 アルキル基であり、R2がモノ−またはジ−ハロ置換フェニル基である、請求項1に記載のトリアゾリノン誘導体。
  3. 一般式 (I) においてR1がイソプロピル基であり、R2がモノ−またはジ−フルオロ置換フェニル基である、請求項1に記載のトリアゾリノン誘導体。
  4. 一般式(Ia):
    Figure 0003837241
    〔式中、R1aはイソプロピル基を示し、R2aは2,4−ジフルオロフェニル基を示し且つR3aはイソプロピル基、2,2,2−トリフルオロエチル基またはフェノキシプロピル基を示す〕で表されるトリアゾリノン誘導体である請求項1に記載の誘導体。
  5. 一般式 (Ib):
    Figure 0003837241
    〔式中、R1bはイソプロピル基を示し、R2 bは4−フルオロフェニル基又は2,4−ジフルオロフェニル基を示し且つR3 bはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、5−ヘキセニル基、イソプロピル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、n−オクチル基、6−クロロペンチル基、2,2−ジエトキシエチル基、シクロヘキシルメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、フェノキシエチル基、フェノキシプロピル基、テトラヒドロピラン−2−イルメチル基、トリメチルシリルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、フェナシル基、ピバロイルメチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニルメチル基又は1,3−ジオキソラン−2−イルメチル基を示す〕で表されるトリアゾリノン誘導体である請求項1に記載の誘導体。
  6. 一般式 (Ib) において、R3 bが2,2,2−トリフルオロエチル基である請求項5に記載の誘導体。
  7. 一般式 (I)
    Figure 0003837241
    〔式中、R1炭素数 1 6 アルキル基を示し、R2フェニル基、またはハロ置換フェニル基を示し、R3炭素数 3 7 シクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基またはC1〜C8アルキル基を示し、該C1〜C8アルキル基は直鎖または分岐鎖であり、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数 3 7 シクロアルキル基、トリフルオロメチル基、フェノキシ基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基、ベンゾイル基、炭素数 2 6 アルキルカルボニル基およびジオキソラニル基からなる群より選ばれる置換基によって任意に置換されてもよい〕で表されるトリアゾリノン誘導体を有効成分として含有する除草剤。
  8. 一般式 (I) においてR1炭素数 1 6 アルキル基であり、R2がモノ−またはジ−ハロ置換フェニル基である、請求項1に記載のトリアゾリノン誘導体を有効成分として含有する除草剤。
  9. 一般式 (I) においてR1がイソプロピル基であり、R2がモノ−またはジ−フルオロ置換フェニル基である、請求項1に記載のトリアゾリノン誘導体を有効成分として含有する除草剤。
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