JP3836641B2 - 通信方法および通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチキャリア変復調方式を採用する通信方法に関するものであり、特に、DMT(Discrete Multi Tone)変復調方式やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)変復調方式等により、既存の電力線を用いたデータ通信を実現可能とする通信方法、および該通信方法を実現可能な通信装置に関するものである。ただし、本発明は、DMT変復調方式により電力線通信を行う通信装置に限らず、マルチキャリア変復調方式およびシングルキャリア変復調方式により、通常の通信回線を介した有線通信および無線通信を行うすべての通信装置に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の通信方法について説明する。近年、コスト削減や既存の設備を有効利用のため、新たな通信線を増設することなく、既存の電力線を利用して通信を行う「電力線モデム」が注目されている。この電力線モデムは、電力線により接続されている家庭内外、ビル、工場、および店舗等の電気製品をネットワーク化することにより、その製品の制御やデータ通信等のさまざまな処理を行う。
【0003】
現在、このような電力線モデムとしては、SS(Spread Spectrum)方式を用いたものが考えられているが、この方式を用いた場合、たとえば、与えられた帯域を埋め尽くすスペクトラムを送出してしまうため他の通信方式との共存が難しいこと、使用帯域に対する転送レートが低いこと、等の問題がある。また、上記電力線モデムのようなデータ通信を主たる目的としていない既存の電力線をデータ通信用に用いるような場合には、給電を目的に接続されているさまざまな機器がノイズ源となるため、それに対する対策も必要となる。
【0004】
そこで、最近では、耐ノイズ性が高い等の観点から、すなわち、複数の周波数帯域に同一のデータを載せた通信、および、ノイズの影響の大きい周波数帯域を避け、ノイズの影響の少ない周波数帯域を利用した通信、が可能なマルチキャリア通信方式を採用した通信方法が提案されはじめている。このようなマルチキャリア通信方式では、通常、送信側(変調側)にて、送信すべき情報データを分割して周波数変換等の一次変調を行い、その後、IFFT(逆高速フーリエ変換)を用いた二次変調、すなわち、マルチキャリア変調を行うことにより、一次変調後の情報データをマルチキャリアに分散する。
【0005】
そして、受信側(復調側)では、マルチキャリアに分散された各トーン上のデータに対してキャリアセンスを行うことにより、元の情報データを復調する。なお、ここでいうキャリアセンスとは、たとえば、特定のキャリアをシンボル同期用のキャリアとして割り当て、そのキャリアに載せられたデータを復調すること、すなわち、その同期用キャリアにより得られる同期用クロックを生成することをいう。
【0006】
しかしながら、既存の電力線をデータ通信用に用いるようなシステムにおいては、前述したように、給電を目的に接続されているさまざまな機器がノイズ源となるため、前記シンボル同期用のキャリアが破壊されてしまうことがある。すなわち、前記シンボル同期用のキャリアが破壊されることにより、同期用クロックが生成できなくなり、もとの情報データである受信データを復調できなってしまうことがある。
【0007】
このような問題を解決するマルチキャリア通信方式を用いた従来技術としては、たとえば、図13に示すようなフレーム構造を用いて送受信を行う通信方法がある。この通信方法を用いたシステムでは、特定のキャリアをシンボル同期用のキャリアとして使用するのではなく、たとえば、図13に示すように、データを載せたすべてのキャリアにおけるフレームの先頭に、シンボル同期用フィールトを設けることにより、「専用のシンボル同期用キャリアが破壊される」、という問題に対応している。したがって、この通信方法では、特定のキャリアに対してシンボル同期を行い、クロックを生成後、ヘッダ内に含まれるキャリアセンス用フィールドを確認し、このフィールドに書き込まれたコードが、既知のコードと一致した場合に、復調すべき元の情報データが得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、従来のマルチキャリア通信方式を用いた通信方法では、シンボル同期用フィールドからクロックを生成する段階で、予め規定された多くのシンボル数を要するため、そのシンボル数に応じた時間がかかり、さらに、シンボル数に応じて演算量も多くなる。そのため、ノイズでシンボル同期用フィールドが破壊され、シンボル同期やクロック生成が失敗した場合や、ノイズをシンボル同期用フィールドと誤った場合には、キャリアセンスにおけるその演算処理、およびそれにかかった時間が無駄になってしまう、という問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、送信側から送信されたフレームかどうかを確認した後で、シンボル同期を行うことにより、シンボル同期の失敗による演算処理およびそれにかかる時間の無駄をなくし、確実にもとの情報データを復調可能な通信方法および通信装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる通信方法にあっては、通信方式としてマルチキャリア変復調方式を採用し、シンボル間干渉を防ぐためにシンボル間に挿入される非データ部分とデータ部分で構成されるシンボルをデータ通信の最小単位とし、さらに、キャリア検出用のシンボルを所定のサンプリングタイミングで取り込むシンボル受信ステップ(後述する実施の形態のステップS1に相当)と、前記キャリア検出用シンボルに対して、既知(非データ部分)である一定のオフセットを実行することにより、前記シンボルからデータ部分を抽出し、そのデータ部分を時間軸上の信号から周波数軸上の信号に変換する変換ステップ(ステップS2およびS3に相当)と、前記周波数軸上の信号に対して所定の方法でキャリア処理を行うキャリア処理ステップ(ステップS4,S5,およびS6に相当)と、を含み、前記キャリア処理後、後続するシンボル同期用シンボルに基づいて同期を確立し、以降、そのタイミングでデータを受信することを特徴とする。
【0011】
つぎの発明にかかる通信方法において、前記キャリア処理ステップにあっては、前記周波数軸上の信号を構成する複数のトーンから、ある特定のトーンを抽出し、そのトーンの一次復調後のデータに基づいて、連続したn個(1以上の整数)の同一データを復調する第1のステップ(ステップS11〜S19に相当)と、その後、前記第1のステップをすべてのトーンにおいて、繰り返し実行する第2のステップ(ステップS11〜S19に相当)と、を含み、少なくともM(1以上の整数)個のトーンについて、連続したn個の同一データが検出された場合に、キャリア処理を完了することを特徴とする。
【0012】
つぎの発明にかかる通信方法において、前記第1および第2のステップでは、前記周波数軸上の信号を構成する複数のトーン上の信号に対して、個別にベクトル角度の補正を行い、各補正後の信号に対して一次変調を行うことを特徴とする。
【0013】
つぎの発明にかかる通信方法において、さらに、前記キャリア処理ステップでは、前記抽出されたトーン上の信号の振幅(ベクトル長)を監視し、その振幅が所定のしきい値より大きい場合に、後続の復調処理を行うことを特徴とする。
【0014】
つぎの発明にかかる通信方法において、さらに、前記変換ステップにて得られた周波数軸上の信号の振幅(ベクトル長)を監視し、その振幅が所定のしきい値より大きく、かつそれがa回(2以上の整数)連続する場合に、後続のキャリア処理ステップへ移行するベクトル処理ステップ(ステップS31〜S34に相当)を含むことを特徴とする。
【0015】
つぎの発明にかかる通信装置にあっては、通信方式としてマルチキャリア変復調方式を採用し、シンボル間干渉を防ぐためにシンボル間に挿入される非データ部分とデータ部分で構成されるシンボルをデータ通信の最小単位とする構成とし、さらに、所定のサンプリングタイミングで取り込まれたキャリア検出用シンボルに対して、既知(非データ部分)である一定のオフセットを実行することにより、前記シンボルからデータ部分を抽出し、そのデータ部分を時間軸上の信号から周波数軸上の信号に変換し、その後、周波数軸上の信号に対して所定の方法でキャリア処理を行う構成を備え、前記キャリア処理後、後続するシンボル同期用シンボルに基づいて同期を確立し、以降、そのタイミングでデータを受信することを特徴とする。
【0016】
つぎの発明にかかる通信装置にあっては、前記キャリア処理を実行する構成として、前記周波数軸上の信号を構成する複数のトーンから、ある特定のトーンを抽出し、そのトーンの一次復調後のデータに基づいて、連続したn個(1以上の整数)の同一データを復調し、その後、前記復調処理をすべてのトーンにおいて繰り返し実行する構成を備え、少なくともM(1以上の整数)個のトーンについて、連続したn個の同一データが検出された場合に、キャリア処理を完了することを特徴とする。
【0017】
つぎの発明にかかる通信装置にあっては、さらに、前記キャリア処理を実行時、前記抽出されたトーン上の信号の振幅(ベクトル長)を監視し、その振幅が所定のしきい値より大きい場合に、後続の復調処理を行うことを特徴とする。
【0018】
つぎの発明にかかる通信装置にあっては、さらに、前記周波数軸上の信号の振幅(ベクトル長)を監視し、その振幅が所定のしきい値より大きく、かつそれがa回(2以上の整数)連続する場合に、後続のキャリア処理へ移行することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる通信方法および通信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
実施の形態1.
本発明にかかる通信装置は、送信側から送信されたフレームの先頭に設けられたキャリア検出用フィールド内の信号に基づいて、まず、送信フレームかどうかの確認処理を行い、その後、送信フレームであると判断されたフレームについてのみ、キャリア検出用フィールドに続いて設けられたシンボル同期用フィールドに基づいて、シンボル同期を行うことにより、確実にもとの情報データを復調する。
【0021】
図1は、本発明にかかる通信装置の構成を示す図である。なお、本実施の形態、およびこれ以降の実施の形態においては、既設の電力線を用いてデータ通信を行う電力線モデムを具体例として説明するが、本発明にかかる通信装置は、電力線モデムに限らず、マルチキャリア変復調方式およびシングルキャリア変復調方式により、通常の通信回線を介した有線通信および無線通信を行うすべての通信装置に適用可能である。また、以降の説明において使用するキャリアおよびトーンについては同義とする。
【0022】
図1において、1はフレーミング回路であり、2は一次変調器であり、3はトーン選択器であり、4は逆高速フーリエ変換回路(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)であり、5はパラレル/シリアル変換回路(P/S)であり、6はディジタル/アナログ変換回路(D/A)であり、7は伝送路(電力線)であり、8は結合回路であり、9はノイズ測定器であり、10は制御回路であり、11はデフレーミング回路であり、12は一次復調器であり、13はトーン選択器であり、14は高速フーリエ変換回路(FFT:Fast Fourier Transform)であり、15はシリアル/パラレル変換回路(S/P)であり、16はアナログ/ディジタル変換回路(A/D)であり、17はキャリア検出器であり、18はダミーキャリア生成器であり、フレーミング回路1、一次変調器2、トーン選択器3、IFFT4、P/S5、D/A6で送信系を構成し、A/D16、S/P15、FFT14、トーン選択器13、一次復調器12、デフレーミング回路11で受信系を構成する。
【0023】
このように構成される複数の通信装置が伝送路である電力線に接続されたシステムでは、たとえば、各通信装置が連携することにより、キャリアを確実に変更できるとともに、さらに、キャリアの変更(トーン移動)が行われた場合に、その後、新たに接続された通信装置が、トーン移動に確実に追随できるようにする。
【0024】
以降、上記通信装置の基本的な動作を説明する。まず、送信系の動作について説明する。たとえば、上記通信装置(電力線モデム)に接続されたデータ処理装置(図示せず)から送信データが入力されると、フレーミング回路1では、後述の図2に示すフレーミング処理を行い、そのフレームを一次変調器2に出力する。そして、一次変調器2では、受け取ったフレームを、制御回路10からの一次変調/復調方式選択情報により指示された方式で変調し、マルチキャリア変調方式の各トーンに同一フレームを符号化後、その信号をトーン選択器3へ出力する。なお、本実施の形態では、デフォルト時、DQPSK変調方式で一次変調を行うように指示された一次変調/復調方式選択情報が入力されているものとする。また、一次変調器2では、後述の図3に示すように5個のトーン(以降、トーンセットと呼ぶ)、#32,#48,#64,#80,#96のすべてに同一フレームを符号化する。
【0025】
その後、トーン選択器3では、制御回路10からの一次変調方式変更情報に基づいて、たとえば、前記トーンセットのうちから、トーン#48,#64,#80の3個のトーンを選択して、IFFT4へ出力する。そして、IFFT4では、受け取った3個のトーン#48,#64,#80を逆フーリエ変換することにより、周波数軸データを時間軸データに変換してP/S5へ出力する。
【0026】
P/S5では、IFFT4から出力されたパラレルデータをシリアルデータに変換し、さらに、そのシリアルデータをD/A6へ出力し、最後に、D/A6では、そのシリアルデータに対してディジタル/アナログ変換を行い、そのアナログ信号を、結合回路8および電力線7を介して、電力線7に接続された他の通信装置(図示せず)へ送信する。
【0027】
その結果、電力線7上には、後述の図4に示すように、周波数軸上で周波数間隔が16トーンである3個のトーンに載せられた、同一のマルチキャリアデータが出力されることになる。そのため、ノイズがある周波数帯域に集中した場合においても、周波数間隔が16トーンである3個の同一マルチキャリアデータが送信されているため、このデータを受信する受信装置では、周波数間隔が空いている分だけ、シングルキャリアの電力線通信よりも電力線ノイズに強いデータ送信が可能となる。
【0028】
つぎに、受信系の動作について説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、伝送路7に通信装置が1台しか接続されていないので、図1の受信系の構成を用いて説明を行う。まず、上述のように送信系からマルチキャリアデータが送信されると、他の通信装置の受信系では、送信系の動作とは逆の動作を行い、データを復調する。すなわち、送信側の通信装置から送られてきた3個のマルチキャリアデータを取り込み、続いてA/D16が、アナログ/ディジタル変換を行い、さらに、S/P15が、ディジタルデータに変換されたシリアルデータを、パラレルデータに変換し、FFT14へ出力する。
【0029】
FFT14では、前記パラレルデータに対してフーリエ変換を行うことにより、時間軸のマルチキャリアデータを周波数軸上のデータに変換し、その周波数軸データをトーン選択器13およびノイズ測定器9へ出力する。その後、トーン選択器13では、制御回路10によって指定された3個のトーン、#48,#64,#80を選択し、それを一次復調器12に出力し、一次復調器12では、それら3個のトーン、#48,#64,#80における同一データを、制御回路10からの一次変調/復調方式選択情報により指定された一次変調方式で復調する。
【0030】
最後に、デフレーミング回路11では、一次復調されたデータをデフレーミング処理することにより受信データを生成し、この通信装置に接続された機器(図示せず)に受信データを出力する。なお、デフレーミング処理とは、フレーミング回路1によるフレーミング処理とは逆の処理であり、一次復調されたデータのフレームから、後述のプリアンブル(1)、(2)、および制御コードを分離して、データフィールドのみを合成する処理、すなわち、受信データをもとの送信データの形に再構成する処理のことをいう。
【0031】
図2は、上記フレーミング回路1によるフレーミング処理で生成されるフレームの構成と、そのフレームにおけるPOC(Power Line Communication Overhead Control Field)フィールドの構成を示す図である。図2に示すフレームは、キャリア検出用の信号の領域であるプリアンブル(1)フィールドと、シンボル同期用の信号の領域であるプリアンブル(2)フィールドと、予め定められた固定コードの領域である同期コードフィールドと、データフィールドの長さを示す信号の領域であるFrameType(FT)フィールドと、住宅識別用コードの領域であるHouseCode(HC)フィールドと、物理層で使用する制御コマンドの領域であるPOCフィールドと、FT,HC,POCに対する誤り訂正符号の領域であるR−S符号フィールドと、データフィールドから構成され、このフレームがフレーミング回路1にて生成され、前述の処理で変調後、伝送路7に出力される。
【0032】
また、伝送路上のフレームは、伝送路に接続されたすべての通信装置で受け取られ、制御回路10では、HCの識別を行った上で自家のHCと一致した場合、伝送路上に送信されているデータが自分宛てであると判断し、RS(リードソロモン)符号を利用してエラーチェック/訂正を行い、その内容を理解する。また、自家のHCと一致しない場合は、動作を行わない。
【0033】
一方、POCは、通信の速度を設定する2ビットの通信モードフィールドと、選択可能な変調方式(たとえば、DQPSK,DBPSK,DBPSK+時間ダイバーシチ等)を示す2ビットの変調方式フィールドと、制御コマンド(通常動作、変更動作)を示す1ビットのコマンドフィールドと、制御コマンドの機能を示す2ビットのサブコマンドと、各機能の設定情報(トーングループ、セットポジション、一次変調方式)を示す8ビットのコマンド引数と、1ビットの拡張ビットから構成され、たとえば、トーンの移動および一次変調方式の変更等の処理を行うために使用される。
【0034】
図3は、図1に示す通信装置がデータ通信に用いるトーングループの定義を示す図である。たとえば、電力線通信を行う通信装置においては、(a)のように、4.3125kHz間隔の80本(#17〜#96)のトーンを想定し、16本間隔で選び出した5本の組をトーングループとし、さらに、トーン#17〜トーン#32を起点とした16組のトーングループ(トーングループ#0〜#15)を、(b)のように定義する。
【0035】
また、図4は、前記トーングループ内のトーンセットの定義を示す図である。たとえば、任意のトーングループを構成する5本のトーンのうち、連続する3本のトーンの組をトーンセットと定義する。すなわち、各トーングループ内の低周波側の連続する3本の組からなるトーンセットのセットポジションをLowポジションとし、高周波側の連続する3本の組からなるトーンセットのセットポジションをHighポジションとし、中央のトーンセットのセットポジションをMiddleポジションとする。したがって、データ通信は、特定のトーグループのなかの、特定のセットポジションで指定されるトーンセットを使用して行われる。
【0036】
以下、図3および図4に示す伝送路上の信号を、上記図2に示す元のフレーム構成の信号に復調する処理を詳細に説明する。なお、図5は、図2に示すキャリア検出用信号であるプリアンブル(1)の伝送路上の状態と、FFTに入力されるシンボルの単位を示す図である。また、図6は、図2に示すシンボル同期用信号であるプリアンブル(2)以降の信号の伝送路上の状態と、FFTに入力されるシンボルの単位を示す図である。
【0037】
本実施の形態において、プリアンブル(1)以外は、図6に示すとおり、16サンプルのサイクリックプレフィックス(CP)と、256サンプルのデータ部分で構成され、1シンボルが272サンプルとなる。したがって、受信側では、既知のタイミングで挿入されたCPを削除した状態(図示の“復調FFTへ”に相当)でデータの復調を行う。なお、上記データ部分とは、通信の最小単位であり、特定の周波数のトーン(たとえば、トーン#32)と、そのトーンの定数倍の周波数を持つ2本のトーン(たとえば、トーン#48、#64)の合成波を、256点サンプルで表現したものである。また、CPとは、シンボル間干渉を防ぐためにシンボル間に挿入されるものであり、データ部分の終端16サンプルを複製して貼り付けたものであり、これにより、CPとデータ部分が連続的な波形となる。
【0038】
一方、プリアンプル(1)は、CPを含まない256サンプルのデータ部分だけで構成され、たとえば、256×17、すなわち、16シンボル(272×16)で構成される連続的な波形である。したがって、受信側では、ここでも、上記プリアンプル(2)以降の信号と同様の構成でデータの復調を行うため、たとえば、一定のオフセット(CP分:16サンプル)でデータの復調を行う(図5の“復調FFTへ”に相当)。なお、本実施の形態において、プリアンブル(1)は、同一データ(同一位相から得られるデータ)の繰り返しのデータ(たとえば、“00”,“00”,“00”…の繰り返し)とし、この値は、キャリアセンス時に、後述のキャリアカウンタに、繰り返し回数としてカウントされる。
【0039】
図7は、本発明にかかるデータの復調方法、詳細には、本実施の形態における図5に示すプリアンブル(1)のキャリアセンス方法を示す図である。なお、ここでは、定常的に通信が行われているときのキャリアセンス方法を示す。まず、受信側の通信装置では、伝送路上の信号に対して272点A/Dサンプリングを行うことにより、その信号を取り込む(ステップS1)。そして、その272点のサンプリング信号に対して、一定のオフセット(既知のCPを削除するタイミング)を実行し、256点のサンプリングデータを抽出する(ステップS2)。これにより、プリアンブル(2)以降の信号と同様の構成による復調(FFT)が可能となる。
【0040】
その後、通信装置では、256点のサンプリングデータに対して256点FFT(高速フーリエ変換)を実行し、時間軸上のデータから周波数軸上のデータを生成する(ステップS3)。そして、この状態で、m本のアクティブトーンに対して、それぞれキャリア処理を行う(ステップS4)。なお、ステップS4の処理は、前述したように、定常的に通信が行われている状態におけるキャリア処理であるため、各通信装置が現在通信中のトーン(アクティブトーンセット)を認識した状態である。また、ここでは、説明の便宜上、図3および図4に示すように、m(トーンセットの本数)=3として処理を行う。以降、3本のトーンCiを、それぞれ、C1=トーン#32,C2=トーン#48,C3=トーン#64,として説明する。
【0041】
ここで、本実施の形態の通信装置における上記キャリア処理(ステップS4)の詳細な動作を説明する。図8は、上記キャリア処理のフローチャートを示す図である。まず、通信装置では、アクティブトーンセットの特定のキャリアとして、たとえば、トーン#32を選択し(ステップS11)、コンスタレーション上でベクトル角度の補正を行う(ステップS12)。なお、角度補正(rad)については、図9に示すように、各トーン番号毎に既知であるため、トーン番号に合わせた角度補正を容易に行うことが可能となる。
【0042】
つぎに、通信装置では、補正後の信号に対してDQPSK変調方式による一次復調を行う(ステップS13)。ただし、図8においては、説明の便宜上、一次復調方式としてDQPSK変調方式を用いているが、これに限らず、たとえば、DBPSK,DBPSK+時間ダイバーシチ用の変調方式を用いることとしてもよい。この設定は、前述の図2に示すPOCの中で行われる。
【0043】
つぎに、通信装置では、一次復調後のデータを確認し(ステップS14)、その復調データが、たとえば、前述にように、“00”でなければ(ステップS14,No)、そのデータをノイズと判断してキャリアカウンタ(図示せず)の値をリセットし(ステップS15)、その後、iの値を確認する(ステップS18)。ここでは、現在処理中のトーンがi=1であるため(ステップS18,No)、iに1を加算して(ステップS19)、つぎに、C2=トーン#48について、上記ステップS11〜S14の処理を行う。ただし、現在処理中のトーンがi=3であれば(ステップS18,Yes)、通信装置は、このキャリア処理をぬけて、図7のステップS5の処理へ移行する。
【0044】
一方、ステップS14による確認結果が“00”であれば(ステップS14,Yes)、通信装置では、キャリアカウンタの値CarrirCounti=1に1を加算し(ステップS16)、この状態で、現在のiの値を確認する(ステップS18)。ここでは、現在処理中のトーンがi=1であるため(ステップS18,No)、iに1を加算して(ステップS19)、つぎに、C2=トーン#48について、上記ステップS11〜S16の処理を行う。ただし、現在処理中のトーンがi=3であれば(ステップS18,Yes)、通信装置は、このキャリア処理をぬけて、図7のステップS5の処理へ移行する。
【0045】
以降、同様の処理をC2=トーン#48、C3=トーン#64についても行い、上記のように、ステップ18の処理においてi=3が成立する場合に、このキャリア処理をぬけて、図7のステップS5の処理へ移行する。
【0046】
上記キャリア処理を終了後、通信装置では、現段階におけるCarrierCounti=5(予め規定された所定の回数:ここでは、n=5とする)の本数M(整数)を確認し(ステップS5)、たとえば、M=0であれば(ステップS5,No)、M≧1以上となるまで、キャリアセンスを継続して行い、一方、M≧1であれば(ステップS5,Yes)、キャリアセンスを完了する(ステップS6)。なお、ここでは、CarrierCounti=5の本数をM≧1としたが、これに限らず、たとえば、アクティブトーンの本数に応じて、M≧2、M≧3、M≧4…としてもよく、これらの場合には、M≧1の場合よりも処理時間を要するが、復調特性を向上させることが可能となる。
【0047】
その後、キャリアセンスを終了した通信装置では、従来と同様の方法で、対応するトーンのシンボル同期用シンボルであるプリアンブル(2)に基づいて、図6に示すシンボルクロックを生成し、同期をとりながら伝送路上の受信データを元の情報データ(図2)に復調する処理を行う。
【0048】
このように、本実施の形態においては、送信側から送信されたフレームの先頭に設けられたキャリア検出用のプリアンブル(1)に基づいて、まず、送信フレームかどうかの確認処理を行い、すなわち、上記図7および図8に示すキャリアセンスを行う。その後、送信フレームであると判断されたフレームについてのみ、プリアンブル(1)に続いて設けられたシンボル同期用のプリアンブル(2)に基づいて、シンボル同期を行うことにより、確実にもとの情報データを復調する。これにより、シンボル同期の失敗による演算処理、およびそれにかかる時間の無駄をなくし、確実にもとの情報データを復調することが可能となる。また、プリアンブル(1)に対して、一定のオフセットを行い、その後、FFT処理を行うようにしているため、プリアンブル(2)以降の信号と同様の構成による復調が可能となる。
【0049】
実施の形態2.
本実施の形態では、前述の実施の形態1におけるキャリアセンスの処理をより効率的に行うために、ベクトル角度の補正を行うべきキャリアのシンボルに対して特定の条件を加え、その条件を満たすシンボルについてのみ、ベクトル角度の補正を行うようにした。
【0050】
図10は、本実施の形態における図5に示すプリアンブル(1)のキャリアセンス方法を示す図である。なお、先に説明した実施の形態1のフローチャートと同一のステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。まず、通信装置では、アクティブトーンセットの特定のキャリアとして、たとえば、トーン#32を選択し(ステップS11)、そのキャリアにおいて、ベクトル長、すなわち、信号の振幅を監視する(ステップS21)。そして、たとえば、ベクトル長がlより大きい信号が検出された場合(ステップS21,Yes)、通信装置では、コンスタレーション上でベクトル角度の補正を行う(ステップS12)。lより大きい信号が検出されない場合(ステップS21,No)には、その信号が検出されるまで振幅を監視しつづける。なお、角度補正(rad)については、図9に示すように、各トーン番号毎に既知であるため、トーン番号に合わせた角度補正を容易に行うことが可能となる。
【0051】
このように、本実施の形態においては、ベクトル角度の補正を行うべきキャリアのシンボルに対して、信号の振幅に関するしきい値を設け、そのしきい値を超えた場合にだけ、ベクトル角度の補正および図10に示すその後の処理を行っているため、実施の形態1よりもさらに復調すべきシンボルを絞りこむことが可能となり、無駄な演算処理、およびそれにかかる時間を大幅に削減することが可能となる。
【0052】
実施の形態3.
本実施の形態においても、前述の実施の形態1におけるキャリアセンスの処理をより効率的に行うために、キャリア処理を行うべきシンボルに対して特定の条件を加え、その条件を満たすシンボルについてのみ、キャリア処理を行うようにした。
【0053】
図11は、本実施の形態における図5に示すプリアンブル(1)のキャリアセンス方法を示す図である。なお、先に説明した実施の形態1のフローチャート(図7)と同一のステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。まず、受信側の通信装置では、伝送路上の信号に対して272点A/Dサンプリングを行うことにより、その信号を取り込む(ステップS1)。そして、その272点のサンプリング信号に対して、一定のオフセット(既知のCPを削除するタイミング)を実行し、256点のサンプリングデータを抽出する(ステップS2)。これにより、プリアンブル(2)以降の信号と同様の構成による復調(FFT)が可能となる。
【0054】
その後、通信装置では、256点のサンプリングデータに対して256点FFT(高速フーリエ変換)を実行し、時間軸上のデータから周波数軸上のデータを生成する(ステップS3)。ここで、通信装置では、後述するベクトル処理により所定の条件を満たしたときに1を設定するベクトルフラグ(デフォルト:0)の確認処理を行う(ステップS31)。
【0055】
たとえば、上記べクトルフラグが1以外の場合(ステップS31,No)、通信装置では、所定のベクトル処理を行う(ステップS32)。ここで、本実施の形態の通信装置における上記ベクトル処理の詳細な動作を説明する。図12は、上記ベクトル処理のフローチャートを示す図である。まず、通信装置では、アクティブトーンセットの特定のキャリアとして、たとえば、トーン#32(Ci=1)を選択し(ステップS41)、そのキャリアにおいて、ベクトル長、すなわち、信号の振幅を監視する(ステップS42)。そして、通信装置では、たとえば、V(予め設定された任意の値)より大きいベクトル長の信号が検出された場合(ステップS42,Yes)に、VectorCount1を加算し(ステップS44)、Vより大きいベクトル長の信号が検出できなかった場合(ステップS42,No)には、VectorCount1の値を0にリセットする(ステップS43)。
【0056】
その後、通信装置では、iの値を確認する(ステップS45)。ここでは、現在処理中のトーンがi=1(C1)であるため(ステップS45,No)、iに1を加算し(ステップS46)、つぎに、C2=トーン#48について、上記ステップS41〜S46の処理を行う。ただし、現在処理中のトーンがi=3であれば(ステップS45,Yes)、通信装置は、このキャリア処理をぬけて、図11のステップS33の処理へ移行する。
【0057】
上記ベクトル処理を実行後、通信装置では、現段階におけるVectorCounti=5(予め規定された所定の回数:ここでは、a=5とする)の本数M´(整数)を確認し(ステップS33)、たとえば、M´=0であれば(ステップS33,No)、M´≧1以上となるまで、ベクトル処理を継続して行い、一方、M´≧1であれば(ステップS33,Yes)、キャリア処理すべきトーンが検出されたと判断してベクトル処理を終了し、さらに、ベクトルフラグに1を設定する(ステップS34)。この状態で、Vを超えるベクトル長が連続してa回検出されたことになる。なお、ここでは、VectorCounti=5の本数をM´≧1としたが、これに限らず、たとえば、アクティブトーンの本数に応じて、M´≧2、M´≧3、M´≧4…としてもよく、これらの場合には、M´≧1の場合よりも処理時間を要するが、復調特性をさらに向上させることが可能となる。
【0058】
一方、ステップS31の処理において、上記べクトルフラグが1の場合(ステップS31,Yes)、通信装置では、上記ベクトル処理において検出されたトーンに対して、それぞれキャリア処理を行う(ステップS4)。なお、以降の処理は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。また、本実施の形態においては、キャリア処理を、上記ベクトル処理において検出されたトーンに対して行うこととしたが、これに限らず、たとえば、実施の形態1と同様に3本のアクティブトーンに対して行うこととしてもよい。
【0059】
上記キャリア処理を終了後、通信装置では、現段階におけるCarrierCounti=5(予め規定された所定の回数:ここでは、n=5とする)の本数M(整数)を確認し(ステップS5)、たとえば、M=0であれば(ステップS5,No)、M≧1以上となるまで、キャリアセンスを継続して行い、一方、M≧1であれば(ステップS5,Yes)、キャリアセンスを完了する(ステップS6)。
【0060】
その後、キャリアセンスを終了した通信装置では、従来と同様の方法で、対応するトーンのシンボル同期用シンボルであるプリアンブル(2)に基づいて、図6に示すシンボルクロックを生成し、同期をとりながら伝送路上の受信データを元の情報データ(図2)に復調する処理を行う。
【0061】
このように、本実施の形態においては、キャリア処理を行うべきシンボルに対して、信号の振幅に関するしきい値を設け、そのしきい値をa回連続で超えた場合にだけ、キャリア処理以降の処理を行っているため、実施の形態1および2よりもさらに復調すべきシンボルを絞りこむことが可能となり、無駄な演算処理、およびそれにかかる時間をさらに大幅に削減することが可能となる。
【0062】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、送信側から送信されたフレームの先頭に設けられたキャリア検出用シンボルに基づいて、まず、キャリアセンスを行う。その後、送信フレームであると判断されたフレームについてのみ、キャリア検出用シンボルに続いて設けられたシンボル同期用シンボルに基づいて、シンボル同期を行う。これにより、シンボル同期の失敗による演算処理、およびそれにかかる時間の無駄をなくし、確実にもとの情報データを復調することが可能な通信方法を得ることができる、という効果を奏する。また、キャリア検出用シンボルに対して、一定のオフセットを行い、その後、FFT処理等による周波数軸上への変換処理を行うようにしているため、シンボル同期用シンボル以降の信号と同様の構成による復調が可能な通信方法を得ることができる、という効果を奏する。
【0063】
つぎの発明によれば、少なくともM(1以上の整数)個のトーンについて、連続したn個(1以上の整数)の同一データが検出された場合に、キャリア処理を完了することにより、その後、復調すべきデータを絞りこむことができるため、従来よりも復調特性を向上させることが可能となり、さらに、無駄な演算処理、およびそれにかかる時間を削減することが可能な通信方法を得ることができる、という効果を奏する。
【0064】
つぎの発明によれば、複数のトーン上の信号に対して、個別にベクトル角度の補正を行うことができるため、トーン番号に合わせた角度補正を容易に行うことが可能な通信方法を得ることができる、という効果を奏する。
【0065】
つぎの発明によれば、ベクトル角度の補正を行うべきキャリアのシンボルに対して、信号の振幅に関するしきい値を設け、そのしきい値を超えた場合にだけ、後続の処理を行っているため、さらに復調すべきシンボルを絞りこむことが可能となり、無駄な演算処理、およびそれにかかる時間を大幅に削減することが可能な通信方法を得ることができる、という効果を奏する。
【0066】
つぎの発明によれば、キャリア処理を行うべきシンボルに対して、信号の振幅に関するしきい値を設け、そのしきい値をa回連続で超えた場合にだけ、キャリア処理を行っているため、さらに復調すべきシンボルを絞りこむことが可能となり、無駄な演算処理、およびそれにかかる時間をさらに大幅に削減することが可能な通信方法を得ることができる、という効果を奏する。
【0067】
つぎの発明によれば、送信側から送信されたフレームの先頭に設けられたキャリア検出用シンボルに基づいて、まず、キャリアセンスを行う。その後、送信フレームであると判断されたフレームについてのみ、キャリア検出用シンボルに続いて設けられたシンボル同期用シンボルに基づいて、シンボル同期を行う。これにより、シンボル同期の失敗による演算処理、およびそれにかかる時間の無駄をなくし、確実にもとの情報データを復調することが可能な通信装置を得ることができる、という効果を奏する。また、キャリア検出用シンボルに対して、一定のオフセットを行い、その後、FFT処理を行うようにしているため、シンボル同期用シンボル以降の信号と同様の構成による復調が可能な通信装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0068】
つぎの発明によれば、少なくともM(1以上の整数)個のトーンについて、連続したn個(1以上の整数)の同一データが検出された場合に、キャリア処理を完了することにより、その後、復調すべきデータを絞りこむことができるため、従来よりも復調特性を向上させることが可能となり、さらに、無駄な演算処理、およびそれにかかる時間を削減することが可能な通信装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0069】
つぎの発明によれば、ベクトル角度の補正を行うべきキャリアのシンボルに対して、信号の振幅に関するしきい値を設け、そのしきい値を超えた場合にだけ、後続の処理を行っているため、さらに復調すべきシンボルを絞りこむことが可能となり、無駄な演算処理、およびそれにかかる時間を大幅に削減することが可能な通信装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0070】
つぎの発明によれば、キャリア処理を行うべきシンボルに対して、信号の振幅に関するしきい値を設け、そのしきい値をa回連続で超えた場合にだけ、キャリア処理を行っているため、さらに復調すべきシンボルを絞りこむことが可能となり、無駄な演算処理、およびそれにかかる時間をさらに大幅に削減することが可能な通信装置を得ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる通信装置の構成を示す図である。
【図2】 フレーミング処理で生成されるフレームの構成と、そのフレームにおけるPOCフィールドの構成を示す図である。
【図3】 トーングループの定義を示す図である。
【図4】 トーンセットの定義を示す図である。
【図5】 プリアンブル(1)の伝送路上の状態と、FFTに入力されるシンボルの単位を示す図である。
【図6】 プリアンブル(2)以降の信号の伝送路上の状態と、FFTに入力されるシンボルの単位を示す図である。
【図7】 実施の形態1におけるプリアンブル(1)のキャリアセンス方法を示す図である。
【図8】 キャリア処理のフローチャートを示す図である。
【図9】 各トーン番号に対応する角度補正値を示す図である。
【図10】 実施の形態2におけるプリアンブル(1)のキャリアセンス方法を示す図である。
【図11】 実施の形態3におけるプリアンブル(1)のキャリアセンス方法を示す図である。
【図12】 ベクトル処理のフローチャートを示す図である。
【図13】 従来の通信方法において使用されているフレーム構造を示す図である。
【符号の説明】
1 フレーミング回路、2 一次変調器、3 トーン選択器、4 逆高速フーリエ変換回路(IFFT)、5 パラレル/シリアル変換回路(P/S)、6 ディジタル/アナログ変換回路(D/A)、7 伝送路、8 結合回路、9 ノイズ測定器、10 制御回路、11 デフレーミング回路、12 一次復調器、13 トーン選択器、14 高速フーリエ変換回路(FFT)、15 シリアル/パラレル変換回路(S/P)、16 アナログ/ディジタル変換回路(A/D)、17 キャリア検出器、18 ダミーキャリア生成器。
Claims (9)
- 通信方式としてマルチキャリア変復調方式を採用し、同一データの繰り返しで構成されるキャリア検出用シンボルを用いてキャリア検出を行い、以降、シンボル間干渉を防ぐためにシンボル間に挿入される非データ部分とデータ部分で構成されるシンボルをデータ通信の最小単位として復調処理を行う通信方法において、
前記キャリア検出用シンボルを所定のサンプリングタイミングで取り込むシンボル受信ステップと、
前記キャリア検出用シンボルに対して、非データ部分長のオフセットを実行することにより、前記シンボルからデータ部分を抽出し、そのデータ部分を時間軸上の信号から周波数軸上の信号に変換する変換ステップと、
前記周波数軸上の信号から連続したn個(1以上の整数)の前記同一データを検出するためのキャリア処理を行うキャリア処理ステップと、
を含み、
前記キャリア処理後、後続するシンボル同期用シンボルに基づいて同期を確立し、以降、そのタイミングでデータを受信することを特徴とする通信方法。 - 前記キャリア処理ステップにあっては、
前記周波数軸上の信号を構成する複数のトーンから、ある特定のトーンを抽出し、そのトーンの一次復調後のデータに基づいて、連続したn個(1以上の整数)の同一データ(同一位相から得られるデータ)を復調する第1のステップと、その後、前記第1のステップをすべてのトーンにおいて、繰り返し実行する第2のステップと、
を含み、
少なくともM(1以上の整数)個のトーンについて、連続したn個の同一データが検出された場合に、キャリア処理を完了することを特徴とする請求項1に記載の通信方法。 - 前記第1および第2のステップでは、
前記周波数軸上の信号を構成する複数のトーン上の信号に対して、個別にベクトル角度の補正を行い、各補正後の信号に対して一次変調を行うことを特徴とする請求項2に記載の通信方法。 - さらに、前記キャリア処理ステップでは、
前記抽出されたトーン上の信号の振幅を監視し、その振幅が所定のしきい値より大きい場合に、後続の復調処理を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の通信方法。 - さらに、前記変換ステップにて得られた周波数軸上の信号の振幅を監視し、その振幅が所定のしきい値より大きく、かつそれがa回(2以上の整数)連続する場合に、後続のキャリア処理ステップへ移行するベクトル処理ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
- 通信方式としてマルチキャリア変復調方式を採用し、同一データの繰り返しで構成されるキャリア検出用シンボルを用いてキャリア検出を行い、以降、シンボル間干渉を防ぐためにシンボル間に挿入される非データ部分とデータ部分で構成されるシンボルをデータ通信の最小単位として復調処理を行う通信装置において、
所定のサンプリングタイミングで取り込まれたキャリア検出用シンボルに対して、非データ部分長のオフセットを実行することにより、前記シンボルからデータ部分を抽出し、そのデータ部分を時間軸上の信号から周波数軸上の信号に変換し、その後、周波数軸上の信号から連続したn個(1以上の整数)の前記同一データを検出するためのキャリア処理を行う構成を備え、
前記キャリア処理後、後続するシンボル同期用シンボルに基づいて同期を確立し、以降、そのタイミングでデータを受信することを特徴とする通信装置。 - 前記キャリア処理を実行する構成として、
前記周波数軸上の信号を構成する複数のトーンから、ある特定のトーンを抽出し、そのトーンの一次復調後のデータに基づいて、連続したn個(1以上の整数)の同一データを復調し、その後、前記復調処理をすべてのトーンにおいて繰り返し実行する構成を備え、
少なくともM(1以上の整数)個のトーンについて、連続したn個の同一データが検出された場合に、キャリア処理を完了することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。 - さらに、前記キャリア処理を実行時、
前記抽出されたトーン上の信号の振幅(ベクトル長)を監視し、その振幅が所定のしきい値より大きい場合に、後続の復調処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。 - さらに、前記周波数軸上の信号の振幅(ベクトル長)を監視し、その振幅が所定のしきい値より大きく、かつそれがa回(2以上の整数)連続する場合に、後続のキャリア処理へ移行することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
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