JP4373598B2 - 電力線搬送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力線搬送システムに係わり、特に、電力線に1つの親局と複数の子局とを結合し、電力線を通して1つの親局と複数の子局との間で各種情報を時分割多重伝送する際に、伝送情報の待ち時間を短縮し、親局と複数の子局に過分に負荷を掛けずに良好な品質の情報伝送を行うことを可能にした電力線搬送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1つの親局と複数の子局とを同一系統の電力線に結合し、1つの親局と複数の子局との間でこの電力線を用いて各種情報(データ)を時分割多重伝送させる電力線搬送システムが知られている。この既知の電力線搬送システムは、各種情報を高効率で伝送させるために、各種情報の伝送速度を高くしたり、伝送する各種情報の送信時の待ち時間を少なくしたりする手段を講じている。また、電力線搬送システムは、情報伝送路として、商用周波数電力を供給する電力線を用いているため、情報伝送路に多くのノイズ成分が含まれており、それらのノイズが伝送される各種情報に影響を及ぼし、良好な品質の情報伝送を行うことはできない。このため、電力線搬送システムは、各種情報を電力線を通して伝送する際に、送信側において各種情報を搬送波信号で変調した後、変調搬送波信号として電力線に送信し、受信側において電力線を通して供給された変調搬送波信号を受信し、受信した変調搬送波信号を復調して元の各種情報を得るようにしている。
【0003】
一般に、情報伝送時には、情報の伝送速度と情報伝送に利用可能な伝送周波数帯域とが比例関係にあることが知られており、電力線搬送システムにおいても、情報伝送時の伝送周波数帯域が規定されることになる。そして、電力線搬送システムにおいて、情報の伝送速度を高めるには、周波数利用効率の高い変調方式を用いればよいことが知られており、その一例として、第1に特開平9−200096号公報に開示の方式があり、第2に特開平11−251979号公報に開示の方式があり、第3に特開平10−313268号公報に開示の方式がある。この場合、特開平9−200096号公報に開示の方式は、一つの搬送周波数信号を用いて同時に2ビットのデータを伝送する直交位相変調方式に関するものであり、特開平11−251979号公報に開示の方式は、周波数多重及び時分割多重と周波数偏移変調方式とを併用しているものであり、特開平10−313268号公報に開示の方式は、送信信号を周波数領域で拡散し、耐ノイズ性を向上させ、結果的に伝送速度を向上することを可能にしたスペクトル拡散変調方式を用いているものである。
【0004】
また、電力線搬送システムにおいて、親局及び/または複数の子局の中のいずれか1つまたは2つ以上の子局に送信すべき情報が得られたときに、その情報を送信する待ち時間を少なくする方式についても、幾つかの提案がなされており、その一例として、特開昭57−111137号に開示のポーリング方式がある。この特開昭57−111137号に開示のポーリング方式は、親局からポーリング信号を指定した子局宛てに送信すると、指定した子局がそのポーリング信号を受け、送信すべき情報を親局宛てに送信する。このとき、指定した子局以外の子局が親局に送信要求を出すと、親局がその送信要求に応答してその子局から送信すべき情報を親局宛てに送信することができるものである。
【0005】
ところで、電力線搬送システムに限らず、各種データを搬送波周波数信号で変調した後で送信する伝送システムにおいては、各種データを復調するときに、その復調を行うに先立って、各種データ列の間隔等の同期を確立する必要がある。このため、この種の伝送システムにおいては、各種データを送信する際に、各種データ列の間隔等の同期を確立するためのプリアンブル信号を付加して送信する方式が採用されており、その方式の一例として、特許第2827834号明細書、特開平2−281820号公報等に開示のものがある。
【0006】
さらに、電力線搬送システムにおいては、電力線に商用周波数50Hzまたは60Hzの電力が供給されていることから、電力線を伝送させるデータ列のビット間隔を商用周波数の周期に一致させることにより、プリアンブル信号を用いることなく、データ列の間隔等の同期を確立させる方式も知られており、その一例として、特開昭56−86041号公報に開示のもの、特開平3−13016号公報に開示のもの、特開平2−2108331号公報に開示のもの等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
既知の電力線搬送システムにおいて、前述のように、情報の伝送速度を高くするために、周波数利用効率の高い変調方式を用いたものは、一つの搬送周波数に対して、複数のデータを同時に送信できるという利点があるものの、周波数利用効率の高い変調方式を用いた場合は、情報(データ)対雑音(ノイズ)の伝送誤り率が増大し、同じ情報(データ)の再送信回数が増えてしまい、その結果、必ずしも伝送速度が高くなったことにならない場合がある。
【0008】
また、既知の電力線搬送システムにおいて、前述のように、情報を送信する待ち時間の少ないポーリング方式を用いたものは、親局より情報送信を許可された子局が情報送信を終了するのを待って、送信情報(データ)が発生した別の子局が親局に対して送信要求信号を送信し、親局がポーリング信号を別の子局に送信した後、別の子局の情報(データ)の送信が開始されるため、通常、複数の子局に順番にポーリング信号を送信している既知のポーリング方式に比べれば、送信情報(データ)の待ち時間は少なくなるが、送信情報(データ)の待ち時間が発生する頻度は高くなるので、必ずしも効率のよい電力線搬送システムであるとはいい難いものである。
【0009】
さらに、既知の電力線搬送システムにおいて、前述のように、プリアンブル信号を用いることなく、商用周波数を利用してデータ列の間隔等の同期を確立させる方式を用いたものは、商用周波数の周波数安定度から商用周波数の100倍程度の伝送速度が上限速度になる、すなわち、商用周波数が変動した場合、情報(データ)の受信側が誤ったタイミングによってデータ間隔を受信するため、変調搬送波信号を正規に復調することができなくなることがある。従って、情報(データ)の伝送速度が数kbps以上の電力線搬送システムにおいては、この方式は用いられず、プリアンブル信号を用いて同期を取る方式が用いられる。この方式は、プリアンブル信号の送信の開始時間が受信側において不明であるため、親局及び複数の子局は、自局から情報を送信するとき以外、常時、プリアンブル信号の検出を行わねばならないことになる。そして、この種の電力線搬送システムにおいては、親局及び子局を構成する際に、プリアンブル検出回路を含む各種回路部分をマイクロコンピュータやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のデジタル回路で構成することが普通であるため、プリアンブル検出回路が常時プリアンブル信号の検出を行っていたとすれば、制御部がプリアンブル信号の検出に掛りきりになって、他の情報(データ)処理を実行できなくなる。このため、この種の電力線搬送システムは、複数のDSPを用いたり、高価で大規模なDSPを用いたりする必要があり、その場合に、親局や子局の回路構成が複雑になったり、システム全体の構成が大規模になったりする。
【0010】
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたもので、その目的は、各種情報の伝送速度を実質的に高め、送信情報の待ち時間が短く、かつ、制御部の負荷を軽減して効率的に動作させることを可能にした電力線搬送システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による電力線搬送システムは、親局と複数の子局とを電力線に結合し、親局と複数の子局との間で前記電力線を介してそれぞれの伝送周期毎に各種情報を時分割多重伝送する電力線搬送システムにおいて、前記各種情報は、親局から1つ以上の子局に伝送される第1情報と、1つ以上の子局から親局に伝送される第2情報と、1つ以上の子局から親局に伝送される送信要求情報と、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の伝送に先立って親局から複数の子局に伝送され、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の各伝送期間を割当てる伝送期間割当情報とからなり、
前記伝送期間割当情報、前記第1情報、前記第2情報、及び前記送信要求情報に先立って発生される商用周波数電力の周期に基づいたタイミング信号、並びに前記タイミング信号に応答して相関処理によって検出した前記伝送期間割当情報、前記第1情報、前記第2情報、及び前記送信要求情報に設けられるプリアンブル信号により、それぞれ前記伝送期間割当情報、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の受信タイミングを設定するとともに、
親局は、それぞれの伝送周期を前記電力線に伝送される電力周波数波形の一のゼロクロス点から他のゼロクロス点までの長さに設定するとともに、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の各伝送割当期間をそれらの情報量に応じてそれぞれの伝送周期毎に異なる長さに設定する手段を備えている。
【0012】
前記手段によれば、いずれかの子局が送信すべき情報を得たとき、その子局から送信要求情報を親局に送信し、送信要求情報を受信した親局がその子局に情報送信できる時間領域を割付け、情報送信の割付けが行われた各子局が時分割多重で情報(データ)を送信するようにしているので、一つの子局の情報送信が終了するまで他の子局が情報送信を待つ必要がなくなり、また、それぞれの伝送周期毎に、親局から子局への伝送情報(第1情報)、子局から親局への伝送情報(第2情報)、子局から親局への送信要求情報、それらの情報に先立って親局から子局に送信されるそれらの情報の送信期間を割当てる伝送期間割当情報の4つの情報の合計の送信周期を電力周波数の整数分の1の周波数に対する周期に等しい一定の長さに設定し、その中で、4つの情報の伝送期間をそれらの情報量に応じて可変にしているので、融通性の高い情報伝送処理が行われ、それにより各種情報の伝送速度を実質的に高め、かつ、送信情報の待ち時間を短くすることができる。
【0013】
この他にも、前記手段によれば、それぞれの伝送周期の始まりが商用周波数の整数分の1に当たる予め決められた商用周波数の振幅位置になるので、伝送期間割当情報に先立って送信されるプリアンブル信号を検出する際に、商用周波数の整数分の1に当たる予め決められた商用周波数の振幅位置の直前から検出を開始すれば足り、制御部がプリアンブル信号の検出を行うときの負荷が大幅に軽減され、その分、他の情報処理を効率的に実行させることができる。
【0014】
また、前記手段における各種情報は、それぞれの伝送周期において、第1情報、第2情報、送信要求情報の中のいずれか1つまたは2つの情報について伝送すべき情報がない場合、伝送すべき情報がない1つまたは2つの情報の伝送期間を他の情報の伝送期間に割当てる1つの付加手段を備えることが好適である。
【0015】
前記1つの付加手段によれば、それぞれの伝送周期内に、第1情報、第2情報、送信要求情報として伝送すべき情報がない場合、伝送すべき情報がない情報の伝送期間に割当てをなくし、その分、他の情報の伝送期間に割当てるようにしているので、前記手段に比べて、より融通性の高い情報伝送処理を行うことができるとともに、前記手段と同様に、各種情報の伝送速度を実質的に高め、送信情報の待ち時間を短くすることができる。
【0016】
さらに、前記手段における伝送期間割当情報は、第1情報、第2情報、送信要求情報のそれぞれの情報に対する伝送開始時間及び伝送持続時間、伝送時に用いられる情報変調方式、誤り訂正符号化率等の情報内容からなり、この中で、情報変調方式は、再送信情報頻度の発生回数等に基づく電力線の情報伝送状態の良否に応じて親局が決定している他の付加手段を備えることが好ましい。
【0017】
前記他の付加手段によれば、情報の伝送に用いられる情報変調方式は、親局が再送信情報頻度の発生回数等を常時監視し、その監視結果にから電力線の情報伝送状態の良否を判定し、その判定に応じてその時点で最も周波数利用効率が高く、かつ、伝送品質が良好な変調方式を選択するようにしているので、情報の伝送品質が良好な状態を維持しながら、各種情報の伝送速度を実質的に高めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明による電力線搬送システムの一つの実施の形態を示すもので、親局及び子局の要部構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示されるように、この実施の形態による電力線搬送システムは、1つの親局1と、複数(N)の子局2A、2B、2C、… …、2Nと、電力線3とからなり、1つの親局1と複数の子局2A、2B、2C、… …、2Nがそれぞれ電力線3に結合されている。
【0021】
この場合、親局1は、結合器4と、電力増幅器(アンプ)5と、変調器6と、送信タイミング制御回路7と、プリアンブル信号生成回路8と、パケットデータ生成回路9と、フレームヘッダ生成回路10と、フレームスケジューラ11と、電源周期検出回路12と、プリアンブル検出回路13と、受信タイミング制御回路14と、復調器15と、送信要求検出回路16と、パケットデータ分離回路17と、制御部18とを備えている。
【0022】
そして、結合器4は、一対の結合端子が電力線3に接続され、入力端子が電力増幅器5の出力端子に接続され、出力端子が電源周期検出回路12、プリアンブル検出回路13、復調器15の各入力端子に接続される。電力増幅器5は、入力端子が変調器6の出力端子に接続される。送信タイミング制御回路7は、出力端子が変調器6の入力端子に接続され、入力端子がプリアンブル信号生成回路8の出力端子、パケットデータ生成回路9の出力端子、フレームヘッダ生成回路10の出力端子にそれぞれ接続され、制御端子が電源周期検出回路12の出力端子に接続される。パケットデータ生成回路9は、入力端子が送信データ発生装置(図示なし)に接続され、フレームヘッダ生成回路10は、入力端子がフレームスケジューラ11の出力端子に接続される。フレームスケジューラ11は、入力端子が送信データ発生装置(図示なし)と、送信要求検出回路16の出力端子と、パケットデータ分離回路17の出力端子にそれぞれ接続される。
【0023】
電源周期検出回路12は、出力端子がプリアンブル検出回路13の入力端子に接続され、プリアンブル検出回路13は、入出力端子が受信タイミング制御回路14の入出力端子に接続される。受信タイミング制御回路14は、出力端子が復調器15の入力端子、送信要求検出回路16の入力端子、パケットデータ分離回路17の入力端子にそれぞれ接続される。復調器15は、出力端子が送信要求検出回路16の入力端子と、パケットデータ分離回路17の入力端子にそれぞれ接続される。パケットデータ分離回路17は、出力端子が受信データ利用回路(図示なし)に接続される。なお、制御部18は、接続状態が図示されていないが、各部に接続され、各部の動作状態を制御している。
【0024】
また、複数の子局2A、2B、2C、… …、2Nは、いずれも同じ構成を有するもので、要部構成が図示されている子局2Aの構成を例に挙げて述べると、子局2Aは、結合器19と、電力増幅器(アンプ)20と、変調器21と、送信タイミング制御回路22と、プリアンブル信号生成回路23と、パケットデータ生成回路24と、送信要求生成回路25と、電源周期検出回路26と、プリアンブル検出回路27と、受信タイミング制御回路28と、復調器29と、フレームヘッダ解読回路30と、パケットデータ分離回路31と、制御部32とを備えている。
【0025】
そして、結合器19は、一対の結合端子が電力線3に接続され、入力端子が電力増幅器20の出力端子に接続され、出力端子が電源周期検出回路26、プリアンブル検出回路27、復調器29の各入力端子に接続される。電力増幅器20は、入力端子が変調器21の出力端子に接続される。送信タイミング制御回路22は、出力端子が変調器21の入力端子に接続され、入力端子がプリアンブル信号生成回路23の出力端子、パケットデータ生成回路24の出力端子、送信要求生成回路25の出力端子にそれぞれ接続され、制御端子が電源周期検出回路26の出力端子と、フレームヘッダ解読回路30の出力端子にそれぞれ接続される。パケットデータ生成回路24は、入力端子が送信データ発生装置(図示なし)に接続され、送信要求生成回路25は、入力端子が送信データ発生装置(図示なし)に接続される。
【0026】
電源周期検出回路26は、出力端子がプリアンブル検出回路27の入力端子に接続され、プリアンブル検出回路27は、入出力端子が受信タイミング制御回路28の入出力端子に接続される。受信タイミング制御回路28は、入出力端子がフレームヘッダ解読回路30の入出力端子に接続され、出力端子が復調器29の入力端子、パケットデータ分離回路31の入力端子にそれぞれ接続される。復調器29は、出力端子がフレームヘッダ解読回路30の入力端子と、パケットデータ分離回路31の入力端子にそれぞれ接続される。パケットデータ分離回路31は、出力端子が受信データ利用回路(図示なし)に接続される。なお、制御部32は、接続状態が図示されていないが、各部に接続され、各部の動作状態を制御している。
【0027】
次に、図2は、図1に図示された電力線搬送システムにおいて、各フレーム周期毎に電力線3に伝送される伝送情報の構成の一例を示す説明図である。
【0028】
図2に示されるように、ある1フレーム周期に電力線3に伝送される伝送情報は、先頭のフレームヘッダ領域33と、その次のダウンリンク(Down Link)情報領域34と、その次のアップリンク(Up Link)情報領域35と、最後の送信要求情報領域36とからなっている。また、フレームヘッダ領域33は、プリアンブル信号330 とそれに続くフレームヘッダ331 とからなり、ダウンリンク情報領域34は、プリアンブル信号340 とそれに続くn(nは正の整数)個のパケット情報(パケット1乃至パケットn)341 、342 、……、34n とからなり、アップリンク情報領域35は、プリアンブル信号350 とそれに続くm(mは正の整数)個のパケット情報(パケット1乃至パケットm)351 、352 、… …、35m とからなり、送信要求情報領域36は、プリアンブル信号3601とそれに続く送信要求情報3611、プリアンブル信号3602とそれに続く送信要求情報3612、… …、プリアンブル信号360kとそれに続く送信要求情報361kとからなっている。
【0029】
この場合、フレームヘッダ331 は、プリアンブル信号340 とそれに続くn個のパケット情報341 〜34n のそれぞれの情報に対する伝送開始時間及び伝送持続時間、プリアンブル信号350 とそれに続くm個のパケット情報351 〜35m のそれぞれの情報に対する伝送開始時間及び伝送持続時間、送信要求情報のプリアンブル信号3601とそれに続く送信要求情報3611乃至プリアンブル信号360kとそれに続く送信要求情報361kのそれぞれの情報に対する伝送開始時間及び伝送持続時間、これらの情報を伝送するときに用いられる情報変調方式、誤り訂正符号化率等の情報内容を有している。また、パケット情報341 〜34n は、親局1から複数の子局2A〜2Nの中のいずれか1つ以上の子局宛てに送信する情報であり、パケット情報351 〜35m は、複数の子局2A〜2Nの中のいずれか1つ以上の子局から親局1宛てに送信する情報であり、送信要求情報3611乃至送信要求情報361kは、送信すべき情報が得られた複数の子局2A〜2Nの中のいずれか1つ以上の子局が親局1宛てに送信する情報である。
【0030】
ところで、1フレーム周期の長さは、図2に示されるように、電力線3に供給される商用周波数の1つの負−正転換ゼロクロス点C0 から3周期先の同じ負−正変位ゼロクロス点C1 までであり、それぞれのフレーム周期の長さは、商用周波数の3周期分の長さで、一定の長さである。そして、それぞれのフレーム周期においては、前記3周期毎の負−正転換ゼロクロス点C0 、C1 、C2 、… …の到来時点になると、親局1は、電力線3にフレームヘッダ領域33を構成するプリアンブル信号330 とそれに続くフレームヘッダ331 を電力線3に送信し、複数の子局2A〜2Nは、電力線3を通して伝送されてきたプリアンブル信号330 とそれに続くフレームヘッダ331 をそれぞれ受信する。
【0031】
これに対して、フレームヘッダ領域33、ダウンリンク情報領域34、アップリンク情報領域35、送信要求情報領域36のそれぞれの長さは、全体の長さが1フレーム周期の長さによって規定されているものの、その1フレーム周期に送信すべき情報量に応じて、適宜その長さが可変にされる。そして、図2におけるある1フレーム周期に続く次の1フレーム周期に示されるように、その1フレーム周期に複数の子局2A〜2Nのいずれかから親局1宛てに送信するパケット情報351 〜35m がない場合、アップリンク情報領域35をなくし、その分、ダウンリンク情報領域34の長さを長くしている。同じように、その1フレーム周期に親局1から複数の子局2A〜2Nのいずれかに宛てに送信するパケット情報341 〜34n がない場合、ダウンリンク情報領域34をなくし、その分、アップリンク情報領域35の長さを長くすることもでき、さらに、その1フレーム周期に複数の子局2A〜2Nのいずれかから親局1宛てに送信する送信要求情報3611〜361kがない場合、送信要求情報領域36ををなくし、その分、ダウンリンク情報領域34及び/またはアップリンク情報領域35の長さを長くすることもできる。
【0032】
このとき、複数の子局2A〜2Nは、親局1におけるプリアンブル信号330 とそれに続くフレームヘッダ331 の送信時期が、電力線3に供給される商用周波数の3周期毎の負−正転換ゼロクロス点C0 、C1 、C2 、… …の到来時期であることが判っているので、複数の子局2A〜2Nの各制御部32は、3周期毎の負−正転換ゼロクロス点C0 、C1 、C2 、… …の到来時期の直前になったとき、プリアンブル信号330 とそれに続くフレームヘッダ331 の受信準備、すなわち、プリアンブル信号330 を検出する準備に取り掛ればよく、プリアンブル信号を用いているこれまでの方式のように、常時、制御部32がプリアンブル信号の検出をしている必要がなくなり、その分、制御部32の負荷が大幅に低減され、制御部32を他の情報処理を実行させることが可能になるとともに、制御部32として大規模のものを用いる必要がないので、全体の回路構成を単純化することができる。
【0033】
ここで、図1に図示された電力線搬送システムの動作の概要を、図2に図示された説明図を併用して説明する。
【0034】
始めに、親局1で行われる動作について述べる。
【0035】
図示されていない送信データ発生装置から送信情報(データ)がパケットデータ生成回路9に供給されると、パケットデータ生成回路9が供給される個別の送信情報を図2に示されるようなパケット情報341 〜34n になるようにパケット編成し、編成したパケット情報341 〜34n を送信タイミング制御回路7に供給する。この時点に、プリアンブル信号生成回路8は、フレームヘッダ331 に付与するプリアンブル信号330 及びパケット情報341 〜34n に付与するプリアンブル信号340 を生成し、生成したプリアンブル信号330 、340 を送信タイミング制御回路7に供給する。また、フレームヘッダ生成回路10は、後述するフレームスケジューラ11の制御によりフレームヘッダ331 を生成し、生成したフレームヘッダ331 を送信タイミング制御回路7に供給する。この場合、プリアンブル信号330 、340 は、予め決められた時系列信号パターンによって構成されている。送信タイミング制御回路7は、供給されたプリアンブル信号330 、340 、フレームヘッダ331 、パケット情報341 〜34n を予め決められたタイミング時点に予め決められた順序に組み合わせる。この組み合わせにより、フレームヘッダ領域33にはプリアンブル信号330 とそれに続くフレームヘッダ331 が含まれ、ダウンリンク情報領域34にはプリアンブル信号340 とそれに続くパケット情報341 〜34n が含まれた時系列情報を図2に示されるように形成し、形成した時系列情報を変調器6に供給する。変調器6は、供給された時系列情報を予め決められた変調方式を用いて変調して送信情報を形成し、この送信情報を電力増幅器5に供給する。電力増幅器5は、供給された送信情報を所定レベルまで電力増幅し、結合器4を通して電力線3に伝送情報として出力する。
【0036】
また、親局1は、図2に示されるようなタイミング時点に、電力線3を通して複数の子局2A〜2Nのいずれかから、アップリンク情報領域35にはプリアンブル信号350 とそれに続くパケット情報351 〜35m が含まれ、送信要求情報領域36にはプリアンブル信号3601とそれに続く送信要求情報3611乃至プリアンブル信号360kとそれに続く送信要求情報361kが含まれた伝送情報が伝送されてくると、その伝送情報を結合器4を通して受信する。このとき、電源周期検出回路12は、電力線3に供給されている商用周波数電力を結合器4を通して受領して商用周波数電力の周期を検出し、検出した周期に基づいたタイミング信号を発生し、得られたタイミング信号を送信タイミング制御回路7及びプリアンブル検出回路13に供給する。送信タイミング制御回路7は、このタイミング信号を時系列情報形成のタイミングを取るのに利用しており、プリアンブル検出回路13は、供給されたタイミング信号に応答し、受信した伝送情報に含まれているプリアンブル信号350 、3601乃至360kを相関処理等によって検出し、検出したプリアンブル信号350 、3601乃至360kを受信タイミング制御回路14に供給する。受信タイミング制御回路14は、供給されたプリアンブル信号350 、3601乃至360kに基づいて受信した伝送情報の受信タイミングを設定し、タイミング設定信号を復調器15、送信要求検出回路16、パケットデータ分離回路17に供給する。復調器15は、供給されるタイミング設定信号に基づき、変調されたパケット情報351 〜35m 及び各送信要求情報3611乃至361kを復調し、パケット情報351 〜35m をパケットデータ分離回路17に供給し、各送信要求情報3611乃至361kを送信要求検出回路16に供給する。送信要求検出回路16は、供給された各送信要求情報3611乃至361kを解読し、解読結果をフレームスケジューラ11に供給する。パケットデータ分離回路17は、パケット情報351 〜35m をそれぞれ分離し、個別の受信情報(データ)として図示されない受信データ利用回路に供給される。
【0037】
フレームスケジューラ11は、解読された送信要求情報3611乃至361k及び送信データ発生装置から供給される送信情報から、次の伝送周期におけるダウンリンク情報領域35の長さ及びアップリンク情報領域36の長さを設定する長さ設定信号と、パケットデータ分離回路17から各伝送周期毎に供給される伝送誤り検出信号、例えばCRC信号(巡回符号)の供給の度合いに基づき変調器6の変調方式を指定する変調指定信号とをフレームヘッダ生成回路10に供給し、送信タイミング制御回路7で形成される時系列送信情報の送信タイミングを設定し、変調器6における変調方式を設定する。
【0038】
次に、複数の子局2A〜2Nの動作について述べる。
【0039】
図示されていない送信データ発生装置から送信情報(データ)がパケットデータ生成回路24及び送信要求生成回路25に供給されると、送信要求生成回路25は、図2に示されるように、供給される個別の送信情報に基づいて送信要求情報3611乃至361kを生成し、生成した送信要求情報3611乃至361kを送信タイミング制御回路22に供給する。一方、パケットデータ生成回路25は、供給される個別の送信情報をパケット情報351 〜35m になるようにパケット編成し、編成したパケット情報351 〜35m を送信タイミング制御回路22に供給する。この時点に、プリアンブル信号生成回路23は、送信要求情報3611乃至361kにそれぞれ付与するプリアンブル信号3601乃至360k、及び、パケット情報351 〜35m に付与するプリアンブル信号350 をそれぞれ生成し、生成した各プリアンブル信号3601乃至360k、350 を送信タイミング制御回路22に供給する。送信タイミング制御回路7は、供給されたそれぞれのプリアンブル信号3601乃至360kに対応する送信要求情報3611乃至361kの組み合わせを予め決められたタイミング時点に実行する。この組み合わせにより、送信要求情報領域36にはプリアンブル信号3601とそれに続く送信要求情報3611、プリアンブル信号3602とそれに続く送信要求情報3612、… …、プリアンブル信号360kとそれに続く送信要求情報361kがそれぞれ含まれた時系列情報が形成され、形成された時系列情報を変調器21に供給する。変調器21は、供給された時系列情報を予め決められた変調方式で変調して送信情報を形成し、この送信情報を電力増幅器20に供給する。電力増幅器20は、供給された送信情報を所定レベルまで電力増幅し、結合器19を通して電力線3に伝送情報として出力する。
【0040】
その後、次の伝送周期に、親局1から供給されるフレームヘッダ331 により、前の伝送周期に送信要求情報3611乃至361kとして送信した各情報の送信が許可されたことが確認された場合、送信タイミング制御回路22は、供給されているプリアンブル信号350 とパケット情報351 〜35m とを予め決められたタイミング時点に予め決められた順序で組み合わせ、アップリンク情報領域35にはプリアンブル信号350 とそれに続くパケット情報351 〜35m が含まれた時系列情報を形成し、この時系列情報を変調器21に供給する。変調器21は、供給された時系列情報を予め決められた変調方式によって変調して送信情報を形成し、この送信情報を電力増幅器20に供給する。電力増幅器20は、供給された送信情報を所定レベルまで電力増幅し、結合器19を通して電力線3に伝送情報として出力する。
【0041】
また、複数の子局2A〜2Nは、図2に示されるようなタイミング時点に、電力線3を通して親局1から、フレームヘッダ領域33にプリアンブル信号330 とそれに続くフレームヘッダ331 〜35m が含まれ、ダウンリンク情報領域34にプリアンブル信号340 とそれに続くパケット情報341 〜34n が含まれた伝送情報が伝送されてくると、その伝送情報を結合器19を通して受信する。このときも、電源周期検出回路26は、電力線3に供給されている商用周波数電力を結合器19を通して受領して商用周波数電力の周期を検出し、検出した周期に基づいたタイミング信号を発生し、得られたタイミング信号を送信タイミング制御回路22及びプリアンブル検出回路27に供給する。送信タイミング制御回路22は、このタイミング信号を時系列情報形成のタイミングを取るのに利用しており、プリアンブル検出回路27は、供給されたタイミング信号に応答して、受信した伝送情報に含まれているプリアンブル信号330 、340 を相関処理等によって検出し、検出したプリアンブル信号330 、340 を受信タイミング制御回路28に供給する。受信タイミング制御回路28は、供給されたプリアンブル信号330 、340 に基づき受信した伝送情報の受信タイミングを設定し、タイミング設定情報を復調器29、フレームヘッダ解読回路30、パケットデータ分離回路31に供給する。復調器29は、供給されるタイミング設定情報に基づき変調されたフレームヘッダ331 及びパケット情報341 〜34n を復調し、フレームヘッダ331 をフレームヘッダ解読回路30に供給し、パケット情報341 〜34n をパケットデータ分離回路31に供給する。フレームヘッダ解読回路30は、供給されたフレームヘッダ331 を解読し、解読結果を送信タイミング制御回路22に供給し、送信タイミング制御回路22で形成する時系列情報の形成時期や送出時期を設定する。パケットデータ分離回路31は、パケット情報341 〜34n をそれぞれ分離し、個別の受信情報(データ)として図示されない受信データ利用回路に供給する。
【0042】
前記複数の子局2A〜2Nにおける動作の説明は、複数の子局2A〜2Nにおいて実行される全体の動作について行ったものであるが、それぞれの子局2A〜2Nの動作は、親局1から送信されてくるフレームヘッダ331 の情報内容に基づいて行われるものである。
【0043】
例えば、フレームヘッダ331 の情報内容の中に、子局2Aからの伝送情報の送信をあるタイミング時に許可する旨の内容が含まれていた場合、子局2Aは、指定されたタイミングになったとき、親局1に宛てて伝送情報を送信するものであり、他の子局2B〜2Nの動作も子局2Aの動作と同じである。また、例えば、フレームヘッダ331 の情報内容の中に、送信要求情報3611乃至361kを送信してもよい旨の内容が含まれていた場合、子局2Aは、送信可能なタイミングになったとき、親局1に宛てて送信要求情報3611を送信するものであり、他の子局2B〜2Nの動作も子局2Aの動作と同じである。
【0044】
次いで、ダウンリンク情報領域34の長さ及びアップリンク情報領域35の長さが情報量に対応して変化させる状態を、簡単な例を挙げて説明する。ただし、説明を簡素化にするために、それぞれのプリアンブル信号340 、350 の伝送期間の長さを省略し、1フレーム周期内に伝送可能なデータ量を1000バイトであるとする。
【0045】
いま、ある時刻において、親局1から子局2Aに5000バイトのデータの送信を開始したとする。その送信が開始された直後に、他の子局2Bから親局1へ送信すべきデータが20バイト発生したとする。従来のこの種の電力線搬送システムにおいては、送信データを連続して送信する場合、5000バイトのデータの送信が終了する6フレーム周期になるまで、子局2Bはデータを送信することができない。
【0046】
これに対して、本発明による電力線搬送システムは、フレームヘッダ331 を200バイト、送信要求情報3611乃至361kを100バイトとし、残りの700バイトをダウンリンク情報領域34及びアップリンク情報領域35に割当てたとすると、最初のフレーム周期においては、親局1から送信するデータ5000バイトのみをフレームスケジューラ11が認識しているため、ダウンリンク情報領域34に700バイトを割当てる。子局2Bは、最初のフレーム周期の送信要求情報3611を用い、子局2Bに送信すべきデータが20バイトあることを親局1に送信する。このとき、フレームスケジューラ11は、次の(2番目の)フレーム周期において、アップリンク情報領域35に20バイトを割当て、ダウンリンク情報領域34に残りの680バイトを割当てる。従って、子局2Bは、次の(2番目の)フレーム周期におけるアップリンク情報領域35を用いて20バイトのデータを送信することができる。
【0047】
なお、前記説明においては、親局1及び各2A〜2Nで用いられる電源周期検出回路12、26は、伝送情報を伝送させる場合の各伝送周期の始めの位置を商用周波数電力の信号波形における3周期毎の負−正転換ゼロクロス点になるようにした例を挙げたものであるが、本発明による各伝送周期の始めの位置は、前記のような3周期毎の負−正転換ゼロクロス点の例に限られるものでなく、前記信号波形における2周期、4周期またはそれ以上の周期毎の負−正転換ゼロクロス点になるようにしてもよく、前記信号波形における正−負転換ゼロクロス点であってもよく、前記商用周波数電力の信号波形における最大振幅点(正極性側または負極性側)であってもよく、前記商用周波数電力の信号波形における任意の振幅点であってもよい。
【0048】
ここで、図3(a)、(b)は、各伝送周期の始めの位置を、前記商用周波数電力の信号波形における任意の振幅点に選ぶことが可能な電源周期検出回路12、26の構成の一例を示すもので、(a)はそのブロック図、(b)は各部の信号波形の一例を示す波形図である。
【0049】
図3(a)に示すように、電源周期検出回路12(26)は、商用周波数電力を選択抽出するバンドパスフィルタ(BPF)37と、バンドパスフィルタ37の抽出出力としきい値Aとを比較して比較出力を発生する比較器38と、比較出力をカウントして特定のカウント値に達したときに検出出力を発生するカウンタ39とからなっている。
【0050】
この場合、図3(b)に示すように、バンドパスフィルタ37から出力された商用周波数信号(BPF37の出力波形)としきい値Aとが比較器38に供給されたとき、BPF37の出力波形の振幅が負方向から正方向に移行中にしきい値Aに一致したとき、比較器38の出力比較信号(比較器38の出力波形)が負極性(ゼロ極性)から正極性に変化し、BPF37の出力波形の振幅が正方向から負方向に移行中にしきい値Aに一致したとき、比較器38の出力波形が正極性から負極性(ゼロ極性)に変化する。そして、カウンタ39は、比較器38の出力波形が負極性(ゼロ極性)から正極性への転換点(立上り点)をカウントし、そのカウント値が例えば3になる度に検出出力を発生するもので、それにより3周期毎の負−正転換ゼロクロス点の検出を行ったときと同じように、3周期毎の伝送周期の所定振幅時を検出することができるものである。そして、この電源周期検出回路12(26)は、しきい値Aの値を変化させることにより、各伝送周期の始めの位置を商用周波数信号の信号波形の任意の振幅点に選ぶことができる。
【0051】
このように、従来のこの種の電力線搬送システムにおいては、子局2Bが情報を送信する際に、送信すべき情報が得られてから5フレーム周期の待ち時間が必要であったのに対し、本発明による電力線搬送システムによれば、送信すべき情報が得られてから1フレーム周期の待ち時間を経るだけでよく、情報送信に対する待ち時間を大幅に低減することが可能になる。
【0052】
一般に、プリアンブル信号は、親局1あるいは各子局2A〜2Nから時間的に連続して異なる情報を送信する場合、各情報毎に付加する必要があるもので、これは本発明による電力線搬送システムに限らず、プリアンブル信号によて同期を取るシステムにおいては必要なものである。
【0053】
この場合、前述のように、フレームヘッダ領域33におけるプリアンブル信号330 の開始位置は、常時、商用周波数電力の信号波形に同期した時間に設定されているため、プリアンブル信号330 を検出する検出開始時間は、その検出開始時間の直前になってからでも十分間に合うので、プリアンブル信号330 を検出する際に、制御部18、32の負荷が大幅に低減される。
【0054】
また、アップリンク情報領域35においては、1つ以上の子局2A〜2Nが送信するパケット情報351 〜35m の送信開始位置が予めフレームヘッダ331 に格納された状態で、対応する1つ以上の子局2A〜2N側に送信されるため、1つ以上の子局2A〜2Nは、パケット情報351 〜35m の送信開始時間に従って送信すればよいことになる。この場合、いずれかの子局2A〜2Nの送信開始時間を設定するタイマの精度が悪い場合は、パケット情報351 〜35m の送信開始時間が規定の時間から若干変動し、パケット情報351 〜35m の受信ができなくなることがある。このため、親局1及び各子局2A〜2Nは、タイマの精度をできるだけ高める手段を講じる必要があり、その手段の一例として、親局1からの指令によって各子局2A〜2N側のタイマを校正すればよい。この他にも、商用周波数電力の整数倍の信号を送信タイミング制御回路7、22で生成し、生成した信号をクロックとしてタイマを動作させるようにすれば、親局1や各子局2A〜2Nのタイマをそれぞれ校正する必要がなくなり、タイマ校正信号の伝送の必要がないので、その分、伝送効率を改善することができる。
【0055】
ところで、既に述べたように、電力線3を伝送する情報の伝送速度を高くするためには、一つの搬送周波数を用い、その搬送周波数に複数のデータを同時に送信できる周波数利用効率の高い変調方式を用いればよいことになる。この場合、本発明の電力線搬送システムに利用可能な変調方式としては、種々の方式を挙げることができるが、周波数利用効率の低い順から高い順に、振幅変調(AM)方式、直交位相変調(QPSK)方式、振幅と位相を同時に変化させる多値直交位相振幅変調(QAM)方式等があり、これらの変調方式にさらに周波数多重変調方式を併用すれば、情報の伝送速度をより高くすることができる。そして、周波数多重搬送波の周波数間隔を送信する伝送期間の逆数と一致させ、高速フーリエ変換処理により変調する直交周波数多重変調方式(OFDM)を用いれば、さらに周波数利用効率を高めることができ、情報の伝送速度をより高くすることができる。
【0056】
ところで、周波数利用効率の高い変調方式を用いた場合、ノイズに対する伝送誤り率が高くなるため、データを再送信する頻度が増え、実効的な伝送速度をそれほど高めることができないことになる。このため、本発明の電力線搬送システムにおいては、親局1のフレームスケジューラ11が常時再送信の発生頻度回数を監視し、再送信の発生頻度に応じて情報伝送する際の変調方式を指定するようにしているので、ノイズの高低、すなわち、電力線3の伝送状態の良否に応じて最良の変調方式を採用することができ、情報の伝送品質を低下させずに、比較的伝送速度の高い情報伝送を行うことができる。
【0057】
また、本発明の電力線搬送システムにおいては、情報伝送時の変調方式を適宜適宜変化させるとともに、誤り訂正符号化を採用するようにしたので、誤った受信したデータを正しいデータに回復させることができる。この場合、受信データがどの程度まで誤っていた場合に、元のデータに戻せるかは誤り訂正符号化率に依存する。これは送信データ量に対する誤り訂正符号化後のデータ量の割合であり、誤り訂正符号化率が高いほど送信データの伝送割合は低くなるが、誤りに対する補正能力は高くなる。そして、この誤り訂正符号化率を再送信の発生頻度回数に応じて可変するようにすれば、情報の伝送品質を低下させずに、比較的伝送速度の高い情報伝送を行うことができる。
【0058】
以上のように、本発明によれば、いずれかの子局が送信すべき情報を得たとき、その子局から送信要求情報を親局に送信し、送信要求情報を受信した親局がその子局に情報送信できる時間領域を割付け、情報送信の割付けが行われた各子局が時分割多重で情報(データ)を送信するようにしているので、一つの子局の情報送信が終了するまで他の子局が情報送信を待つ必要がなくなり、また、それぞれの伝送周期毎に、親局から子局への伝送情報(第1情報)、子局から親局への伝送情報(第2情報)、子局から親局への送信要求情報、それらの情報に先立って親局から子局に送信されるそれらの情報の送信期間を割当てる伝送期間割当情報の4つの情報の合計の送信周期を電力周波数の整数分の1の周波数に対する周期に等しい一定の長さに設定し、その中で、4つの情報の伝送期間をそれらの情報量に応じて可変にしているので、融通性の高い情報伝送処理が行われ、それにより各種情報の伝送速度を実質的に高め、かつ、送信情報の待ち時間を短くすることができるという効果がある。
【0059】
また、本発明によれば、それぞれの伝送周期の始まりが商用周波数の整数分の1に当たる予め決められた商用周波数の振幅位置になるので、伝送期間割当情報に先立って送信されるプリアンブル信号を検出する際に、商用周波数の整数分の1に当たる予め決められた商用周波数の振幅位置の直前から検出を開始すれば足り、制御部がプリアンブル信号の検出を行うときの負荷が大幅に軽減され、その分、他の情報処理を効率的に実行させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電力線搬送システムの一つの実施の形態を示すもので、親局及び子局の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に図示された電力線搬送システムにおいて、各フレーム周期毎に電力線に伝送される伝送情報の構成の一例を示す説明図である。
【図3】各伝送周期の始めの位置を、商用周波数電力の信号波形における任意の振幅点に選ぶことが可能な電源周期検出回路の一例を示すブロック構成図及び信号波形図である。
【符号の説明】
1 親局
2A、2B、2C、… …、2N 子局
3 電力線
4、19 結合器
5、20 電力増幅器(アンプ)
6、21 変調器
7、22 送信タイミング制御回路
8、23 プリアンブル信号生成回路
9、24 パケットデータ生成回路
10 フレームヘッダ生成回路
11 フレームスケジューラ
12、26 電源周期検出回路
13、27 プリアンブル検出回路
14、28 受信タイミング制御回路
15、29 復調器
16 送信要求検出回路
17、31 パケットデータ分離回路
18、32 制御部
25 送信要求生成回路
30 フレームヘッダ解読回路
33 フレームヘッダ領域
34 ダウンリンク(Down Link)情報領域
35 アップリンク(Up Link)情報領域
36 送信要求情報領域
37 バンドパスフィルタ(BPF)
38 比較器
39 カウンタ
Claims (2)
- 親局と複数の子局とを電力線に結合し、親局と複数の子局との間で前記電力線を介してそれぞれの伝送周期毎に各種情報を時分割多重伝送する電力線搬送システムにおいて、前記各種情報は、親局から1つ以上の子局に伝送される第1情報と、1つ以上の子局から親局に伝送される第2情報と、1つ以上の子局から親局に伝送される送信要求情報と、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の伝送に先立って親局から複数の子局に伝送され、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の各伝送期間を割当てる伝送期間割当情報とからなり、
前記伝送期間割当情報、前記第1情報、前記第2情報、及び前記送信要求情報に先立って発生される商用周波数電力の周期に基づいたタイミング信号、並びに前記タイミング信号に応答して相関処理によって検出した前記伝送期間割当情報、前記第1情報、前記第2情報、及び前記送信要求情報に設けられるプリアンブル信号により、それぞれ前記伝送期間割当情報、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の受信タイミングを設定するとともに、
親局は、それぞれの伝送周期を前記電力線に伝送される電力周波数波形の一のゼロクロス点から他のゼロクロス点までの長さに設定するとともに、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の各伝送割当期間をそれらの情報量に応じてそれぞれの伝送周期毎に異なる長さに設定していることを特徴とする電力線搬送システム。 - 親局と複数の子局とを電力線に結合し、親局と複数の子局との間で前記電力線を介してそれぞれの伝送周期毎に各種情報を時分割多重伝送する電力線搬送システムにおいて、前記各種情報は、親局から1つ以上の子局に伝送される第1情報と、1つ以上の子局から親局に伝送される第2情報と、1つ以上の子局から親局に伝送される送信要求情報と、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の伝送に先立って親局から複数の子局に伝送され、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の各伝送期間を割当てる伝送期間割当情報とで構成され、
前記第1情報、前記第2情報、及び前記送信要求情報に先立って発生される商用周波数電力の周期に基づいたタイミング信号、並びに前記タイミング信号に応答して相関処理によって検出した前記第1情報、前記第2情報、及び前記送信要求情報に設けられるプリアンブル信号により、それぞれ前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の受信タイミングを設定するとともに、
親局は、それぞれの伝送周期を、前記電力線に伝送され電力周波数波形のゼロクロス点から他のゼロクロス点までの長さに設定するとともに、前記第1情報、前記第2情報、前記送信要求情報の各伝送割当期間をそれらの情報量に応じてそれぞれ可変に設定し、設定した伝送期間割当情報を前記子局に伝送することを特徴とする電力線搬送システム。
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