JP3836562B2 - イオン照射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はイオン照射装置の技術分野にかかり、特に、低エネルギーイオン照射装置の透過効率を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
イオン照射装置は、例えば半導体基板への不純物注入や表面のエッチングの他、ダイヤモンド薄膜を製造するためにも用いられており、所望元素を含む化合物ガスをプラズマ化し、イオンビームとして引き出して処理対象物に照射する装置である。
【0003】
イオン照射装置を、イオンビームのエネルギーで分類した場合、高エネルギーイオン照射装置と低エネルギーイオン照射装置とに分けることができる。高エネルギー照射装置を用いてイオン照射を行うと例えば深い拡散を形成できるが、高密度化した半導体デバイスでは、拡散深さは増々浅くなる傾向にあることから、近年では低エネルギーのイオン照射装置が多用されている。
【0004】
図4の符号102は、その低エネルギーのイオン照射装置であり、イオン源室110、主チャンバー105、減速室160、試料室170を有している。
イオン源室110内には、イオン化器112が設けられており、そのイオン化器112内に照射対象の化合物ガスを導入し、フィラメント113に通電して熱電子を放出させると導入ガスがプラズマ化し、イオンビームとして引き出され、主チャンバー105内に入射する。
【0005】
主チャンバー105は、イオン分離室120と偏向室140とに区分けされており、イオン分離室120にはイオン分離器121が設けられ、偏向室140には偏向器142が設けられている。
【0006】
イオン分離室120内では、イオン分離器121によって磁界が形成されており、イオンビームが入射すると、その磁界によって質量分析が行われ、所望のイオン種から成るイオンビームだけが、イオン分離器121後段のコリメータ131を通過する。
その質量分析が行われる際に、イオンビームはイオン分離器121によって集束され、コリメータ131を通過して偏向室140内に入射する。
【0007】
偏向室140内では偏向器142によって電界が形成されており、入射したイオンビームの軌道は、角度θだけ光軸方向が曲げられ、後段の減速室160側に向けて射出される。
【0008】
減速室160の入り口には、中央にスリット164が設けられた中性粒子除去板163が配置されており、イオン分離器121によって集束させられ、偏向器142によって軌道が曲げられたイオンビームは、スリット164付近に焦点を結び、スリット164を通過したイオンビームは後段のイオン減速器165に入射する。
【0009】
前段の偏向器142に入射するイオンビームの中には、電子と結合し、電荷を失った中性粒子が混入しているが、その中性粒子は偏向器142内を直進し、中性粒子除去板163と衝突する。従って、中性粒子はスリット164を通過できず、イオン減速器165内に侵入しない。
【0010】
イオンビームはイオン減速器165の前方で一旦焦点を結んでおり、イオン減速器165に入射する際には発散しているが、イオン減速器165がイオンビームを減速させると共に集束させ、後段の試料室170のターゲットチャンバー171内に向けて射出する。
【0011】
ターゲットチャンバー171内には、試料取付台173とファラデーカップ172が設けられており、試料取付台173上に予めシリコンウェハー等の処理対象物を配置しておくと、ファラデーカップ172によってイオンビーム電流量を測定しながら処理対象物へのイオン照射を行うことができる。
【0012】
以上説明したように、このイオン照射装置102では、イオン分離器121とイオン減速器165によってイオンビームが集束されているが、イオン分離器121により、イオン減速器165の前方で一旦焦点が結ばれ、その後発散するように構成されている。従って、イオン減速器165で再度集束されたイオンビームが、処理対象物に照射される。
【0013】
しかし、イオンビームの引出電圧や導入ガス圧力が変動すると、イオン化器112内のプラズマ形状が変化し、イオンビームの焦点位置が移動してしまう場合がある。イオン分離器121やイオン減速器165では、イオンの引出電圧が決まるとビーム軌道が定まり、必然的に焦点位置が決まるためイオンビームの焦点を一定の位置に保つことができない。
【0014】
焦点が適切な位置から移動した場合には、例えば偏向器142を通過したイオンビームが広がり、周辺部分が中性粒子除去板163によって遮蔽されると、スリット164を通過するイオンビーム量が減少するため、イオンの照射効率が低下してしまう。
【0015】
また、イオン減速器165によってイオンビームを減速させ、エネルギー減衰を行う場合に、仮に引き出し電圧が20kVとして試料に照射する電圧を200kVとした場合には1/100の減速率となる。減速率の最適な値は1/200〜1/100という幅広い範囲にあり、減速率を変化させた場合、同時にイオン減速器165の集束率も変化してしまうため、焦点位置が移動する結果、減速室160内を通過できるイオンビーム量が減少し、イオン照射効率が低下するという問題があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたもので、その目的は、高効率の低エネルギーイオン照射装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、イオン源室と、前記イオン源室から引き出されたイオンビームを所望のイオン種に分離するイオン分離器と、前記所望にイオン種に分離されたイオンビームを減速させるイオン減速器とを有するイオン照射装置であって、前記イオン減速器よりも前方にコンデンサレンズが配置され、前記イオンビームは、前記コンデンサレンズによって所定位置に焦点を結ぶように構成され、前記イオン減速器には、前記焦点を結んだ後、発散するイオンビームが入射され、該イオン減速器は発散する前記イオンビームを再度収束させるように構成され、前記コンデンサレンズへの印加電圧を制御すると、前記焦点の位置を移動できるように構成されたイオン照射装置である。
【0018】
この請求項1記載のイオン照射装置では、請求項2記載の発明のように、前記コンデンサレンズは、前記イオン分離器の後方に設けることができる。
【0019】
請求項3記載の発明は、前記イオン減速器の入り口にはスリットを有する中性粒子除去板が設けられ、前記コンデンサレンズへ電圧を印加しない状態では、前記焦点は前記中性粒子除去板よりも後方で結ぶように構成され、前記コンデンサレンズに電圧を印加すると、前記焦点位置を前方に移動させられるように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のイオン照射装置である。
【0020】
この場合、請求項4記載の発明のように、前記スリットの前段に偏向器を設け、その偏向器に電圧を印加して、イオンビーム中の荷電粒子を前記スリット方向に曲げ、中性粒子を直進させて、中性粒子を除去するようにするとよい。
【0021】
一般に、イオン照射装置は、イオン源室とイオン分離器とを有しており、イオン源室からイオンビームを引き出し、イオン分離器に入射させ、所望のイオン種を分離させる際にイオンビームを集束させるように構成されている。
【0022】
特に低エネルギーイオン照射装置ではイオン減速器を有しており、イオン分離器で集束され、一旦焦点を結んだ後、発散するイオンビームを、イオン減速器によって減速させる際に再度集束させ、処理対象物に照射するように構成されている。
【0023】
ところが、イオン分離器では、質量分析を優先して行う必要があるため、その集束率を制御することができない。また、イオン減速器によってイオンビームの減速率を変化させる場合には、その集束率も変化してしまう。従って、イオンビームの焦点位置を自由に移動させることはできない。イオンビームの焦点が適切な位置からはずれてしまうと、イオン照射装置内のイオンビームの透過率が低下し、効率が悪化してしまう。
【0024】
本発明のイオン照射装置では、イオン減速器よりも前方に配置されたコンデンサレンズに電圧を印加すると、イオン分離器で集束されたイオンビームを更に集束させられるように構成されている。従って、コンデンサレンズが動作しない状態では、イオンビームは、イオン減速器内、又はそれよりも後方で焦点を結ぶようにしておき、コンデンサレンズへ電圧を印加し、イオンビームの焦点位置をイオン減速器よりも前方の適切な位置まで移動させ、イオンビームの透過率を高めることができる。
【0025】
このようなコンデンサレンズはイオン分離器の前方に設けてもよいが、前方に設けると質量分離器によるレンズの効果の集束率の補正をすることが難しくなる。従って、コンデンサレンズが動作しない状態では、イオンビームの焦点が後方にある程、焦点を移動させられる範囲が広がる。イオン源室とイオン分離器とが近接した方がイオンビームの焦点は後方に結ばれるので、イオン源室とイオン分離器とを近接配置する際に邪魔にならないよう、コンデンサレンズはイオン分離器の後方に設ける方がよい。
【0026】
イオン減速器の入り口にスリットが設けられている場合には、コンデンサレンズへの印加電圧を制御し、イオンビームの焦点が、そのスリット内、又は近傍位置に結べるようにしておくと、スリットを通過するイオンビームの量が増すので、効率を向上させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1を参照し、符号2は本発明の一実施形態のイオン照射装置であり、イオン源室10、主チャンバー5、ベローズチャンバー50、減速室60、試料室70を有している。
【0028】
イオン源室10、減速室60、試料室70は、それぞれモジュールチャンバー11、減速電極チャンバー61、ターゲットチャンバー71を有している。ベローズチャンバー50は長さ調節可能に構成されており、主チャンバー5の一端には、モジュールチャンバー11が接続されており、他端には、ベローズチャンバー50、絶縁碍子62、減速電極チャンバー61、ターゲットチャンバー71がこの順で接続され、図示しない真空ポンプを起動すると、各チャンバー11、5、50、61、71内を真空排気できるように構成されている。
【0029】
モジュールチャンバー11、主チャンバー5、ベーローズチャンバー50は電気的に接続され、同電位になるように構成されている。また、減速電極チャンバー61とターゲットチャンバー71とは電気的に接続され、同電位になるように構成されている。ベローズチャンバー50と減速電極チャンバー61との間には絶縁碍子62が設けられており、主チャンバー5側とターゲットチャンバー71側とは異なる電圧を印加できるように構成されている。
【0030】
モジュールチャンバー11の内部には、イオン化器12が電気的に絶縁した状態で設けられており、そのイオン化器12内にはフィラメント13が設けられている。イオン化器12内を真空排気した状態で照射対象のガスを導入し、フィラメントに通電して1000℃程度の高温にし、熱電子を放射させるとイオン材料ガスのプラズマが発生し、正イオンガス又は負イオンガスが生成される。
【0031】
イオン化器12と主チャンバー5との間には、モジュールチャンバー11やイオン化器12とは電気的に絶縁した状態で、引出電極14と加速・減速電極15とが、この順に設けられており、イオン化器12の加速電極14に向いた面には、イオン放出口16が設けられている。加速電極14と加速・減速電極15とには、イオン引出口16と同一線上に通過孔171、172が設けられている。
【0032】
イオン化器12内で生成されるイオンが正イオンの場合、イオン化器12には正電圧が、加速電極14には負電圧が印加され、イオン化器12内の正イオンはイオンビームとなってイオン引出口16から引き出され、加速電極14と加速・減速電極15の通過孔171、172を通過し、主チャンバー5内に射出される。
【0033】
図2(b)のイオン照射装置2のブロック図内に、符号8でイオンビームの軌道を示す。また、図3に、イオンビーム8の電位を縦軸にとり、横軸にイオン照射装置2内の位置をとり、イオン照射装置2内の位置によるイオンビーム8の電位変化を示す。
【0034】
イオン化器12から加速電極14によって引き出されたイオンビーム8は、先ず、イオン化器12に印加された電圧(+160V)に対し、フィラメント13への通電電圧が重畳された電位になる(+200Vを超える電圧値)。その後、加速電極14に到達する位置で、加速電極14の電位(−20kV〜−30kV程度の電位)になる。
【0035】
イオンビーム8を減速させるために、加速・減速電極15の電位は加速電極14よりも高くなるようにされており(加速・減速電極15の電位は−20kV)、イオンビーム8の電位は、加速・減速電極15に到達する位置ではその電位(−20kV)になる。
【0036】
通過孔171、172を通過したイオンビーム8が入射する主チャンバー5には、イオン源室10側から見て、順番に、イオン分離室20、イオン集束室30、偏向室40に区分けされており、イオンビーム8は、先ず、イオン分離室20内に入射する。なお、イオンビーム8の電位は、この主チャンバー5内、及びその後段のベローズチャンバー50内では変化しない。
【0037】
イオン分離室20には、電磁石から成るイオン分離器21が設けられており、入射したイオンビーム8は、このイオン分離器21が形成する磁界によってローレンツ力を受け、電荷と質量の比に応じて軌道が曲げられる。
【0038】
イオン分離室20は所定半径で湾曲されており、イオン分離器21が形成する磁界強度を調節して質量分析を行い、所望のイオン種だけを次段のイオン集束室30に向けて射出させる。
【0039】
イオン集束室30内には、中央に穴33を有するコリメータ31と、円筒形形状のコンデンサレンズ32とがこの順で設けられており、イオン分離室20を通過し、イオン集束室30に到達したイオンビーム8のうち、穴33を通過したものがコンデンサレンズ32内に入射する。
【0040】
コンデンサレンズ32には、図2(b)の実線で示すように、イオンビーム8を集束させるような電圧が印加されており、コンデンサレンズ32に電圧を印加しない場合の同図点線で示した軌道に比べ、イオンビーム8の焦点位置が手前になるようにされている。
【0041】
コンデンサレンズ32内を通過したイオンビーム8は、次段の偏向室40に入射する。この偏向室40には、アース板41と偏向器42とがこの順で設けられており、偏向室40内に入射したイオンビーム8は、アース板41中央の穴43を通り、偏向器42内に入射する。
【0042】
偏向器42は、平板状の第1偏向電極44と「く」字形状の第2偏向電極45とを有しており、第1、第2偏向電極44、45は、アース板41側が平行にされ、且つ、次段のベーローズチャンバー50側が広がるように配置されている。
【0043】
第1偏向電極44は、第2偏向電極45に対して正電圧が印加されており、従って、偏向器42内に入射した正電荷のイオンビーム8は、第1偏向電極44と反発し、第2偏向電極45に引きつけられ、軌道が第2偏向電極45側に曲げられる。他方、電子とイオンの再結合によって発生し、イオンビーム8中に混入した無電荷の中性粒子は、偏向器42内で曲げられず、入射したイオンビーム8の光軸に沿って直進する。
【0044】
次段の減速室60の入り口には、中性粒子除去板63が設けられており、その後方には、イオン減速器65とグラウンド電極66とがこの順で設けられている。
【0045】
中性粒子除去板63の中央にはスリット64が設けられており、偏向器42によって軌道が曲げられたイオンビーム8は、スリット64に向かうようにされている。従って、そのイオンビーム8はスリット64を通過できるが、直進する中性粒子は中性粒子除去板63と衝突し、スリット64を通過できない。
【0046】
このように、中性粒子除去板63とスリット64により、イオンビーム8の中から中性粒子が除去されるが、イオンビーム8は、イオン分離器21とコンデンサレンズ32を通過する際に集束させられている。
【0047】
イオンビーム8の焦点Fは、コンデンサレンズ32に電圧が印加されていないときには中性粒子除去板63よりも後方で結ぶようにされており、コンデンサレンズ32に正電圧が印加されたときに、焦点Fは前方に移動するように構成されている。従って、コンデンサレンズ32に適切な大きさの電圧を印加すると、焦点Fを、スリット64内、又はスリット62近傍に位置させることができる。
【0048】
このように、コンデンサレンズ32により、焦点Fの位置を移動させられるので、イオン化器12内の導入ガス圧力の変動があった場合や、引出電極14への印加電圧が変わった場合であっても、コンデンサレンズ32への印加電圧を制御することで、焦点Fが適切な位置で結ばれ、中性粒子除去板63で遮蔽されるイオンビーム8の量を減少させ、透過率を向上させることができる。
【0049】
コンデンサレンズを有していない従来のイオン照射装置102では、焦点Fを移動させられないので、図2(a)のようにイオンビーム108が広がった場合には、イオンビーム108のうち、中性粒子除去板163で遮蔽される斜線部分の量が増加する。
【0050】
スリット64を通過したイオンビーム8は発散しながらイオン減速器65中に入射する。このイオン減速器65は、円筒形形状の電極で構成されており、その中心軸線がイオンビーム8の光軸と一致するように配置されている。
【0051】
イオン減速器65は、加速・減速電極15に対して正電圧が印加されており(イオン粒子が正電荷の場合)、中性粒子除去板63からイオン減速器65へ到達するまでにイオンビーム8中のイオンは減速され、イオン減速器65の電位まで上昇する(ここでは−20kVから−10kVの電位に上昇している)。
【0052】
一旦発散したイオンビーム8は、イオン減速器65を通過する際に印加された電圧によって集束され、グラウンド電極66に向けて射出される。グラウンド電極66は、減速電極チャンバー61と共にグラウンド電位に置かれており、イオン減速器65を通過したイオンビーム8は電位上昇し、グラウンド電極66に到達する位置でグラウンド電位になる。
【0053】
グラウンド電極66には通過孔67が設けられており、イオンビーム8は通過孔67を通過し、後段の試料室70のターゲットチャンバー71内に向けて射出される。
【0054】
ターゲットチャンバー71はグラウンド電位に置かれており、内部には、ファラデーカップ72と、試料取付台73とが設けられている。ターゲットチャンバー71内に入射し、試料取付台37側に照射されたイオンビーム8によって、試料取付台37上に配置された処理対象物(基板)表面へのイオン照射が行われる。このとき、ファラデーカップ72側に照射されたイオンビーム8によってイオン電流値が検出され、イオン照射量が測定される。
【0055】
このように、本発明によれば、イオンビーム8の焦点Fを移動させることができるので、焦点Fを適切な位置に結ばせ、イオンの照射効率を高めることができる。
【0056】
なお、上述のコンデンサレンズ32は、イオン分離器21の後段に設けたが、図1の点線で示したコンデンサレンズ32'のように、イオン分離器21の前段に設けてもよい。
【0057】
但し、コンデンサレンズ32、32'に電圧を印加しない状態では、イオンビーム8の焦点Fは、できるだけ後方で結ばれるように構成しておいた方が、コンデンサレンズ32、32'による焦点Fの移動範囲が広くなる。そのためには、イオン源室10とイオン分離室20とはできるだけ近接配置させることが望ましいので、イオン源室10とイオン分離器21との間には、コンデンサレンズ32'は配置しない方が有利である。
【0058】
【発明の効果】
イオンビームの焦点を移動させることができる。従って、イオン減速器の減速率を変える場合や、イオン源内のプラズマの状態を変化させる場合に、更に、引出電圧を変化させる場合でも、焦点が適切な位置で結ばれるようにできるので、イオンビームの透過率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のイオン照射装置の概略構成図
【図2】(a):従来技術のイオン照射装置のイオンビームの集束状況を説明するための図 (b):本発明のイオン照射装置のイオンビームの集束状況を説明するための図
【図3】本発明のイオン照射装置におけるイオンビーム電位の推移を説明するための図
【図4】従来技術のイオン照射装置の概略構成図
【符号の説明】
2……イオン照射装置 8……イオンビーム 10……イオン源室 21……イオン分離器 32……コンデンサレンズ 42……イオン減速器
43……スリット

Claims (4)

  1. イオン源室と、
    前記イオン源室から引き出されたイオンビームを所望のイオン種に分離するイオン分離器と、
    前記所望にイオン種に分離されたイオンビームを減速させるイオン減速器とを有するイオン照射装置であって、
    前記イオン減速器よりも前方にコンデンサレンズが配置され、前記イオンビームは、前記コンデンサレンズによって所定位置に焦点を結ぶように構成され、
    前記イオン減速器には、前記焦点を結んだ後、発散するイオンビームが入射され、該イオン減速器は発散する前記イオンビームを再度収束させるように構成され、
    前記コンデンサレンズへの印加電圧を制御すると、前記焦点の位置を移動できるように構成されたイオン照射装置。
  2. 前記コンデンサレンズは、前記イオン分離器の後方に設けられたことを特徴とする請求項1記載のイオン照射装置。
  3. 前記イオン減速器の入り口にはスリットを有する中性粒子除去板が設けられ、
    前記コンデンサレンズへ電圧を印加しない状態では、前記焦点は前記中性粒子除去板よりも後方で結ぶように構成され、
    前記コンデンサレンズに電圧を印加すると、前記焦点位置を前方に移動させられるように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のイオン照射装置。
  4. 前記スリットの前段に偏向器が設けられ、
    該偏向器に電圧を印加すると、イオンビーム中の荷電粒子を前記スリット方向に曲げ、中性粒子を直進させられるように構成されたことを特徴とする請求項3記載のイオン照射装置。
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