JP3835669B2 - アルファウイルス・ベクター - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明はDNAワクチンの分野に関し、特に当該ワクチンに用いる変形アルファウイルス・ベクターに関する。
【0002】
(発明の背景)
セムリキ森林ウイルス(SFV)は、トガウイルス科のアルファウイルス属の1種である。成熟ウイルス粒子はプラス鎖のSSRNAゲノムの単一コピーを有し、5′末端がキャップ付加され、3′末端がポリアデニル化されている。それはmRNAとして機能し、細胞に導入されると裸のRNAが感染を開始する。感染/トランスフェクションにともなってゲノムの5′末端の2/3がポリ蛋白に翻訳され、それが自己解裂し、4種類の非構造蛋白が生成する(nsPl→4)。一旦ne蛋白が合成されると、プラス鎖(42S)ゲノムの完全長マイナス鎖への複写に関与する(参考文献14)。ついで、これらのマイナス鎖はテンプレートとして新しいプラス鎖(42S)ゲノムおよび26SサブゲノムmRNAの合成に使用される(参考文献1−本出願では本発明に関連した技術水準を完全に記載するため各種の参考文献を括弧内に示す。参考文献の完全な情報は明細書の最後に記載する。これら参考文献で開示されている記述は、比較例として本明細書に引用する)。このサブゲノムmRNAはゲノムの最後の1/3と共直線性であり、SFV構造蛋白をコードしている。1991年、LiljestromおよびGaroff(参考文献2)は、SFV CDNAレプリコンに基づいて一連の発現ベクターを設計した。これらのベクターは異種挿入が可能なようにウイルス構造蛋白遺伝子を欠失し、非構造コード領域を保持しているので、nePl→4レプリカーゼ複合体が生成する。RNA複写に必要な短い5′および3′配列因子も保存されている。3フレーム全ての269プロモータの下流にポリリンカー、ついで翻訳停止部位が挿入されている。in vitro転写反応に使用できるようにプラスミドを直線化するため、SFV CDNAの3′末端の直ぐ後にSpeI部位が挿入されている。
【0003】
異種蛋白をコードしたSFV RNAを注射することにより、異種蛋白の発現および抗体の誘導が多くの試験で認められている(参考文献3,4)。免疫賦与を目的として異種蛋白を発現させるためにSFV RNA接種を用いることは、プラスミドDNA免疫化に関していくつかの利点がある。例えば、ウイルス抗原をコードしたSFV RNAは、ウイルスに対する抗体による中和により、力価を低下させることなく抗体の存在下でそのウイルスに導入することができる。また、蛋白はin vivoで発現されるため、ウイルス自体により発現される蛋白と構造が同じである。したがって、プラスミドDNA免疫化では、蛋白の精製の過程で起こりうる免疫原性、防御エピトープおよび多分免疫強化の喪失につながるような構造的変化を心配する必要がない。
【0004】
ここで参考例として引用したWO95/27044では、アルファウイルスRNA配列の補助cDNAに基づくアルファウイルスcDNAベクターの利用が開示されている。異種プロモータの転写制御のもとでcDNAから転写されると、アルファウイルスRNAはそれ自体のレプリカーゼによって自己複写が可能であり、したがって転写された組み換えRNA分子のコピー数が単純化する。
【0005】
(発明の要約)
本発明は、アルファウイルスの複写を促進するために前記WO95/27044に記載されているアルファウイルスcDNAベクターの変形に関する。本発明では、異種スプライス部位をアルファウイルス、特にセムリキ森林ウイルス(SFV)のレプリコン配列に導入する。
【0006】
したがって、本発明は一側面でアルファウイルスRNAゲノムの少なくとも一部の補助DNA分子からなり、DNA分子が前記アルファウイルスRNAの複写に必須である完全なアルファウイルスRNAゲノム領域の補体を構成し、さらにヒトまたは動物宿主等の適切な宿主でその複写には必須でないDNA分子の領域に挿入されている異種DNA配列を発現することができる異種DNA配列からなり、DNA分子が前記動物またはヒト宿主で機能するプロモータ配列の転写制御のもとにあり、少なくとも一つの異種スプライス部位がアルファウイルスのRNAスプライシング異常を防止するためにDNA分子に設けられている。
【0007】
アルファウイルス分子は巨大分子であり、したがって潜在スプライス部位である可能性が高く、それによってアルファウイルスの複写障害が起こり、異種DNA発現能力が損なわれる。本発明にしたがって少なくとも一つの最適異種スプライス部位をアルファウイルスのレプリコン配列に導入することによって、スプライシングが潜在スプライス部位ではなく異種スプライス部位に指向され、除去してもSFVレプリコンの機能が保存され、核からのRNAの運搬が改善される(参考文献6)。
【0008】
ここで提供する構成物で、プロモータはアルファウイルスRNAレプリコンの効果的な複写に必要な同一5′末端を有する複写が得られるようにアルファウイルス配列の5′末端の上流に配置されている。
【0009】
さらに、配列の3′末端で適切なin vivo解裂が起こるように、セムリキ森林ウイルスセグメントの3′末端にデルタ型肝炎ウイルスリボザイム配列を設けてもよい。その他の配列を用いても、同じ効果が得られる。
【0010】
異種スプライス部位配列は、参考文献5に記載されているように、ウサギβ−グロビンイントロンIIのヌクレオチド配列によって提供してもよい。当該異種スプライス部位配列は、完全なスプライスジャンクションが得られるように完全な配列のいずれの位置に挿入してもよい。スプライシングによって確実に除去しない限り、これによってアルファウイルスの複写が排除される。
【0011】
私はSFVレプリコン中に5カ所の適切な部位を同定した。これらの部位は、レプリコンのEcoRV−SpeIフラグメント(長さ8010bp)内に含まれている(図3)。これら部位の最初の部位は、EcoRV−SpeIフラグメント内の2719の位置に存在するPpu−MI部位である。
【0012】
ここで提供する変形ベクターを構築するにあたって、EcoRV−SpeIフラグメントを位置2719のPpu−MIで切断し、マングビーンのヌクレアーゼでSFV配列から塩基3個を除去して末端を平滑とする。長さ536bpの平滑末端β−グロビンIIイントロンを部位に結紮し、除去した3塩基の代わりにβ−グロビンイントロン配列の3′末端に付加した配列を挿入する(図1)。
【0013】
残りのイントロンの挿入に適した4部位は、EcoRV−SpeIフラグメントの2518、3113、6498および6872bpのPvuII部位である。イントロンの挿入は、PvuII(平滑末端カッター)で切断し、平滑末端β−グロビンIIイントロン配列(図2)をこれら部位のいずれかに結紮することによって行った。
【0014】
本発明は、別の側面で宿主細胞に異種DNA配列を発現させる上で好適な、アルファウイルスRNAゲノムの少なくとも一部の補助DNA分子からなり、DNA分子が完全なアルファウイルスRNAゲノム領域の補体を構成し、宿主細胞で発現される異種DNA配列を挿入するためのクローニング部位を有し、前記クローニング部位がその複写には必須でないDNA分子の領域に存在し、プロモータ配列が前記宿主細胞で機能し、前記DNA分子を転写制御し、得られた転写が同じ5′末端を有するように前記プロモータ配列がDNA分子の5′末端の上流に配置され、少なくとも一つの異種スプライス部位がプライシング異常を防止するためにアルファウイルス中に完全なスプライス接合部位を形成するようにDNA分子の補体に設けられ、別のDNA配列が得られたmRNA転写の3′末端における適切なin vivo解裂を指向するようにDNA分子の3′末端に設けられていることからなるクローニングベクターを提供する。
【0015】
(発明の一般的説明)
上記のように、本発明は変形アルファウイルスDNAに関する。アルファウイルスは、セムリキ森林ウイルスであることが好ましい。特に、本発明は動物またはヒト等の宿主において異種遺伝子発現に用いるクローニングベクターを提供する。
【0016】
プロモータ配列は、真核生物に由来するプロモータであってもよいし、原核生物に由来するプロモータであってもよい。適切なプロモータはサイトメガロウイルスのイミディエート・アーリー・プロモータ(pCMV)であるが、これらおよびその他の類似プロモータの場合転写が宿主細胞のDNA−依存RNAポリメラーゼによって行われるので、ラウス肉腫ウイルスのロングターミナル・リピート・プロモータ(pRSV)等その他のプロモータであってもよい。さらに、SP6、T3またはT7プロモータも、染色体に挿入されているか、エピソームに残っているSP6、T3またはT7RNAポリメラーゼ分子をコードした遺伝子で細胞がまず形質変換されている限り使用することができる。これら(SP6、T3、T7)RNAポリメラーゼをコードした遺伝子の発現は、宿主細胞のDNA−依存RNAポリメラーゼに依存する。
【0017】
異種DNA挿入物は、生物学的に活性な蛋白またはポリペプチド等の望ましい物質をコードした配列からなる。例えば、異種DNA挿入物は、HIV配列、例えば免疫原性または抗原性の蛋白またはポリペプチド、または治療的活性を有する蛋白またはポリペプチドをコードしていてもよい。異種DNAは、自己解裂リボザイム配列であるRNA配列補助配列等の追加配列を含んでいてもよい。
【0018】
ここで提供するDNAベクターは、本発明のさらに別の側面にしたがって、宿主における防御免疫反応等の免疫反応を誘導するためにヒト宿主を含む宿主に投与し、in vivoで異種DNA配列を発現させてもよい。さらに、DNAベクターは、当該投与のための免疫原性組成物に製剤してもよい。
【0019】
(寄託)
セムリキ森林ウイルスレプリコンを含み、ここで引用したいくつかのベクターは、ブタペスト条約に従い、本発明の出願前にアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)、10801 University Boulevard、Manaseas、VA 20110−2209、米国に供託した。
【0020】
供託したプラスミドのサンプルは、本米国出願特許が成立し、全てのアクセス制限が解除された段階で入手することができる。供託株が死滅した場合は、交換される。供託した実施例は本発明の説明を目的としたに過ぎず、ここで記載し、請求した発明は供託したプラスミドの範囲に限られるものではない。
【0021】
(寄託の要約)
プラスミド:pMP76
ATCC表示番号:
供託日:
(実施例)
上記の開示は、本発明を一般的に記載したものである。以下の実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は本発明を説明するために記載したものであり、それによって本発明の範囲を制限するものではない。形態の変更および等価物での置換は、本発明から容易に推察できるものとする。ここでは特殊な用語を用いたが、これらの用語は説明のために用いたものであり、発明の範囲を制限するためではない。
【0022】
本開示に記載した分子遺伝学的、蛋白生化学的および免疫学的方法は、用いた方法が明確に記載されているとは限らないが、これらの実施例は科学的文献に十分記載されており、当該技術分野の専門家には容易に理解できるものと考える。
実施例1
この実施例は、図5、7、8A、8B、8C、8D、9A、9B、10、11A、11B、12Aおよび12Bに示したプラスミドpMP76の構築に関する。
【0023】
プラスミドpSFV1(Gibco)をBamHIで制限し、プラスミドpSFVリンクを調製した。ついで、このプラスミドをリンカー(配列番号:5および6)で結紮し、プラスミドpSFVリンク(図4A〜4D、図5)を調製した。
【0024】
pSFVリンクをEcoRVおよびSpeIで制限し、890bpのEcoRV−SpeIフラグメントを分離することにより、一部のSFVレプリコンフラグメントのサブクローニングを行った。ついで、このフラグメントをEcoRIで制限し、1906bpのEcoRV−EcoRI、1578bpおよび3627bpのEcoRI−EcoRI、および899bpのEcoRI−SpeIフラグメントを分離した(図7)。
【0025】
1909bpのEcoRV−EcoRI SFVフラグメントをEcoRV−EcoRI制限プラスミドpMP52にクローニングし、プラスミドpMP53を得た(図9A)。899bpのEcoRI−SpeI SFVフラグメントをEcoRI−SpeI制限プラスミドpMP52にクローニングし、プラスミドpMP54を得た(図9A)。ついで、プラスミドpMP54をSpeIで制限し、マングビーンヌクレアーゼで平滑末端とした。ついで、プラスミドをBglIIで制限し、脱リン酸化し、デルタ肝炎ウイルスリボザイムリンカー(配列番号:9および10)に結紮し、それをリン酸化してpMP55を得た(図9B)。
【0026】
プラスミドpMP52は、リンカー(配列番号:7および8)をpUC19のEcoRI部位に結紮して調製した(図10.
1578bpのEcoRI−SFVフラグメントをpUC19のEcoRI部位にクローニングし、pMP46を得た(図11A)。ついで、このプラスミドをPpuM1で制限し、マングビーンのヌクレアーゼで平滑末端とした。ウサギβ−グロビンイントロンII PCRフラグメント(図1)をマングビーンヌクレアーゼで平滑末端とし、リン酸化し、PpuMI制限pMP46に結紮し、プラスミドpMP70を得た(図11B)。
【0027】
3627bpのEcoRI SFVフラグメントをpUC19のEcoRI部位にクローニングし、pMP47を得た(図11A)。
【0028】
CMVプロモータ、イントロンA配列、BGHポリA配列およびSU40ポリA配列を含むプラスミドpCMV3をNdeIおよびEcoRVで制限した。3191bpのNdeI−EcoRVフラグメントを分離し、脱リン酸化した。1321bpのEdeI−EcoRVフラグメントを分離し、SacIで制限した。334bpのNdeI−SacIフラグメントを分離した(図12A)。分離したSFVの5′−末端を含むSacI−EcoRV PCRフラグメントをあらかじめ分離した334bpのNseI−SacIフラグメントおよび3191bpのNdeI−EcoRVフラグメントに結紮し、pMP71を得た(図12Aおよび12B)。
【0029】
ついで、プラスミドpMP53をEcoRIおよびBamHIで制限し、pMP70から分離し、脱リン酸化した2151bpのEcoRIフラグメントに結紮した(図8A)。ついで、この結紮物をEcoRVで制限し、4057bpのEcoRV−EcoRIフラグメントを精製した(図8A)。
【0030】
プラスミドpMP47をEcoRIおよび分離し、脱リン酸化した3627bpのEcoRIフラグメントで制限した(図8B)。ついで、プラスミドpMP55をBglIIで制限し、脱リン酸化し、EcoRIで制限した。985bpのEcoRI−BalIIフラグメントを分離し、pMP47からあらかじめ分離したEcoEIフラグメントに結紮した(図8B)。ついで、結紮反応物をリン酸化し、4612bpのEcoRI−BglIIフラグメントを分離した。
【0031】
プラスミドpMP71をEcoRVおよびBamHIで制限し、ついで脱リン酸化した。このフラグメントは、あらかじめpMP47およびpMP55から分離した4612bpのEcoRIッBglIIフラグメント、pMP53およびpMP70から分離した4057bpのEcoRV−EcoRIフラグメントで3方結紮し、pMP76を得た(図8Bおよび8C)。
【0032】
5′-ATCTATGAGCTCGTTTAGTGAACCGTATGGCGGATGTGTGACATACA−3′
の配列を有するプライマーSFV−5′−3と、
5′−TCCACCTCCAAGGATATCCAAGATGAGTGTG−3′
の配列を有するプライマーEcoR−SPE(それぞれ配列番号:9および10)を用い、CMVプロモータとSFVレプリコンの5′末端の間でpSFV1のPCR増幅を行い、SFVレプリコンの5′末端を得た。得られたPCRフラグメントをSacIおよびEcoRVで制限し(図13、配列番号:11)、フラグメントを分離した。
【0033】
(開示の要約)
この開示を要約すると、本発明はアルファウイルスゲノムの異常スプライシングを防止し、核からのRNAの運搬を改善するために少なくとも1個の最適スプライス部位がアルファウイルスのレプリコンに導入されていることを特徴とする変形アルファウイルス発現ベクターを提供する。本発明の範囲で、改良が可能である。
【0034】
【表1】
Figure 0003835669

【図面の簡単な説明】
【図1】 β−グロビンイントロンIIのDNA配列およびその3′末端に付加した3つのヌクレオチド(配列番号:1)を示す。
【図2】 β−グロビンイントロンIIのDNA配列(配列番号:2)を示す。
【図3A】 図3A〜3Cは、セムリキ森林ウイルスレプリコンのEcoRV−SpeIフラグメントのDNA配列(配列番号:3)を示す。
【図3B】 図3A〜3Cは、セムリキ森林ウイルスレプリコンのEcoRV−SpeIフラグメントのDNA配列(配列番号:3)を示す。
【図3C】 図3A〜3Cは、セムリキ森林ウイルスレプリコンのEcoRV−SpeIフラグメントのDNA配列(配列番号:3)を示す。
【図4A】 図4A〜4Dは、図5に示すように調製したpSFVリンクのDNA配列(配列番号:4)を示す。
【図4B】 図4A〜4Dは、図5に示すように調製したpSFVリンクのDNA配列(配列番号:4)を示す。
【図4C】 図4A〜4Dは、図5に示すように調製したpSFVリンクのDNA配列(配列番号:4)を示す。
【図4D】 図4A〜4Dは、図5に示すように調製したpSFVリンクのDNA配列(配列番号:4)を示す。
【図5】 リンカー配列(配列番号:5、6)を用いたpSFV1からのpSFVリンク(11060bp)の構築を示す。
【図6A】 図6A〜6Dは、図8A〜8Dに示すように調製したプラスミドpMP76のヌクレオチド配列(配列番号:11)を示す。
【図6B】 図6A〜6Dは、図8A〜8Dに示すように調製したプラスミドpMP76のヌクレオチド配列(配列番号:11)を示す。
【図6C】 図6A〜6Dは、図8A〜8Dに示すように調製したプラスミドpMP76のヌクレオチド配列(配列番号:11)を示す。
【図6D】 図6A〜6Dは、図8A〜8Dに示すように調製したプラスミドpMP76のヌクレオチド配列(配列番号:11)を示す。
【図7】 図7は、プラスミドpSFVリンクのサブセクションを示す(図5参照)。
【図8A】 図8A〜8Dは、プラスミドpMP53、pMP70、pMP47、pMP55およびpMP71からのプラスミドpMP76の構築を示す。
【図8B】 図8A〜8Dは、プラスミドpMP53、pMP70、pMP47、pMP55およびpMP71からのプラスミドpMP76の構築を示す。
【図8C】 図8A〜8Dは、プラスミドpMP53、pMP70、pMP47、pMP55およびpMP71からのプラスミドpMP76の構築を示す。
【図8D】 図8A〜8Dは、プラスミドpMP53、pMP70、pMP47、pMP55およびpMP71からのプラスミドpMP76の構築を示す。
【図9A】 図9A〜9Bは、プラスミド52からのプラスミドpMP53、pMP54およびpMP55の構築を示す。
【図9B】 図9A〜9Bは、プラスミド52からのプラスミドpMP53、pMP54およびpMP55の構築を示す。
【図10】 図10は、リンカー配列(配列番号:7,8)を用いたpUC19からのプラスミドMP52の構築を示す。
【図11A】図11A〜11Bは、pUC19と図7に示したように調製したpSFVリンクのフラグメントとからのプラスミドpMP46、pMP47、pMP70の構築を示す。
【図11B】図11A〜11Bは、pUC19と図7に示したように調製したpSFVリンクのフラグメントとからのプラスミドpMP46、pMP47、pMP70の構築を示す。
【図12A】 図12A〜12Bは、プラスミドpCMV3からのプラスミドpMP71の構築を示す。
【図12B】 図12A〜12Bは、プラスミドpCMV3からのプラスミドpMP71の構築を示す。

Claims (16)

  1. アルファウイルスRNAゲノムの少なくとも一部と相補的な相補DNA分子を含む発現ベクターであって、
    該相補DNA分子が前記アルファウイルスRNAの複製に必須である完全なアルファウイルスRNAゲノム領域の相補体と、宿主中での発現が可能な異種DNA分子とを含み、
    該異種DNA分子は該相補DNA分子中の該相補DNA分子の複製には必須でない領域に挿入されており、
    更に、該相補DNA分子は該宿主中で機能し得るプロモーター配列による転写制御下に置かれており、
    かつ、異常なRNAスプライシングを防止するために少なくとも1つの異種スプライス部位が該相補DNA分子に設けられている
    ことを特徴とする発現ベクター。
  2. 前記プロモーター配列が、前記相補DNA分子の5′末端の上流に設けられ、得られた転写物対応する5′末端をそのまま有する請求項1に記載の発現ベクター。
  3. 前記プロモーター配列が、サイトメガロウイルスのイミディエート・アーリー・プロモータである請求項1または2に記載の発現ベクター。
  4. 前記相補DNA分子の3′末端での適切なin vivo解裂を指示するための追加DNA配列を、該相補DNAの3′末端に有し、該追加DNA配列がリボザイム配列である請求項1〜3のいずれかに記載の発現ベクター。
  5. 前記追加DNA配列がデルタ肝炎リボザイム配列である請求項4に記載の発現ベクター。
  6. 前記異種スプライス部位配列がウサギβ−グロビンイントロンIIのDNA配列によって提供されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の発現ベクター。
  7. 前記異種スプライス部位配列が、完全なスプライス接合部位を形成し、除去してもSFVレプリコンの機能を保持する位置で前記相補DNA分子中に挿入されている請求項1〜6のいずれかに記載の発現ベクター。
  8. アルファウイルスがセムリキ森林ウイルス(Simliki Forest virus)である請求項1〜7のいずれかに記載の発現ベクター。
  9. 前記少なくとも1つの異種スプライス部位が、前記SFVレプリコンのEcoRV−Spel断片中の位置2719のPpu−MI部位、位置2518、3113、6498及び6872のPvu II 部位の少なくとも1つである請求項8に記載の発現ベクター。
  10. 宿主細胞内で異種DNA配列を発現するのに好適なクローニングベクターであって、
    (1)アルファウイルスRNAゲノムの少なくとも1部に相補的な相補DNA配列であって、完全なアルファウイルスRNAの複製領域の相補体と、前記宿主細胞中で発現し得る異種DNA配列を挿入するためのクローニング部位と、を有し、該クローニング部位が該相補DNA分子のそれ自身の複製に必須ではない領域に位置する相補DNA配列と、
    (2)前記宿主細胞中で機能することができ、前記相補DNA分子の転写を制御するプロモーター配列であって、該プロモーター配列は、転写により得られる転写物が、対応する5′末端をそのまま有するように前記相補DNA分子の5′末端の上流に位置するプロモーター配列と、
    (3)異常なRNAスプライシングを防止し、アルファウイルス中の完全なスプライス結合を形成するために前記相補DNA分子の有する前記相補体中に供給された少なくとも1つの異種スプライス部位と、
    (4)形成されるRNA分子の3′末端における適切なin vivo開裂を指示するための、前記相補DNA分子の3′末端に位置する追加DNA配列と、
    有し、
    該追加DNA配列がリボザイム配列である
    ことを特徴とするクローニングベクター。
  11. 前記異種スプライス部位が、ウサギβ−グロビンイントロンIIのDNA配列によって提供されたものである請求項10に記載のクローニングベクター。
  12. 前記追加DNA配列がデルタ肝炎リボザイム配列である請求項10または11に記載のクローニングベクター。
  13. 前記アルファウイルスが、セムリキ森林ウイルスである請求項10〜12のいずれかに記載のクローニングベクター。
  14. 前記異種スプライス部位の少なくとも1つが、前記SFVレプリコンのEcoRV−Spel断片中の位置2719のPpu−MI部位、位置2518、3113、6498及び6872のPvu II 部位の少なくとも1つにある請求項13に記載のクローニングベクター。
  15. 以下の構成:
    Figure 0003835669
    を有するプラスミドpMP76に特有の特性を有する請求項10〜14のいずれかに記載のクローニングベクター。
  16. 配列番号:11で示される配列を有する請求項10〜15のいずれかに記載のクローニングベクター。
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