JP3834618B2 - アルキル基含有粘土架橋体及びその製造方法 - Google Patents

アルキル基含有粘土架橋体及びその製造方法 Download PDF

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  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機化合物と親和性を有し、有機化合物分子を容易に吸着しうる新規な層状粘土架橋体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スメクタイトのような層状粘土鉱物の層間に、数分子ないし十数分子オーダーサイズの空隙を有する無機酸化物微粒子が充填された粘土層間架橋体は、吸着剤や触媒として広く用いられている。そして、この粘土層間架橋体の製造方法としては、例えばスメクタイトに重合可能な陽イオン性ヒドロキシ無機金属錯体及び水との混合物を加えて反応させることにより無機酸化物微粒子を層間で形成させる方法(特公昭62−20130号公報)や、層状粘土の層間イオンを長鎖アルキルアンモニウムイオンと交換することにより層間距離を拡大したのち、金属アルコキシ化合物を層間の空隙に導入し、加水分解させて酸化物微粒子を層間で形成させる方法[「ケミストリー・オブ・マテリアル(Chemistry ofMaterial)」,第4巻,第855ページ(1992)]]などが知られている。後者は、長鎖アルキルアンモニウムイオンを鋳型として利用し、非水溶媒中で反応を行うため、再現性のある多孔体の製造方法として注目されている。
【0003】
しかしながら、これらの方法では、層間に微粒子を導入したのち、残存する水や長鎖アルキルアンモニウムイオンを除去するために焼成することが必要であるが、これにより導入された微粒子表面が疎水性となり、極性有機化合物の分子やイオンに対する吸着性が著しく減少するのを免れない。さらに微粒子表面に存在する水酸基の数が少ないため、金属錯体のような触媒成分が微粒子表面に結合しにくく、触媒としての性能が制限されるという欠点がある。
【0004】
これらの欠点を改善するために、酸化物表面に残存する水酸基を他の官能基、例えばチオール基に置換して吸着性を向上させる方法[マイクロポーラス・アンド・メソポーラス・マテリアル(Micorporous and Mesoporous Material)],第20巻,第101ページ(1998)]が提案されたが、残存する水酸基の量が焼成条件によって一定せず、官能基の置換条件をその都度変えなければならない上に、置換される官能基の量が少ないため、所期の効果を得るのが困難であり、しかも置換基の導入工程を増やさなければならないという点で工業的に実施するには問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、有機化合物に対する親和性を改善し、極性有機化合物の除去や貯蔵に好適な多孔質層状粘土架橋体及びそれを簡単にかつ再現性よく製造するための方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、多孔質層状粘土における極性有機化合物に対する親和性を増大するために鋭意研究を重ねた結果、低級アルキル基を結合したケイ素酸化物微粒子をピラーとして層間に形成させた多孔質層状粘土架橋体が極性有機化合物に対し、優れた親和性を示し、それの除去や貯蔵に好適に用いられること及びその多孔質層状粘土架橋体は、あらかじめ層間に第四級アンモニウムイオンをインターカレートした層状粘土鉱物に所定のケイ素アルコキシ化合物を吸着させ、層間で低級アルキル化ケイ素酸化物を形成させたのち、洗浄処理により焼成せずに不要成分を除去することにより容易に製造しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、一般式
1 n −Si(OR 2 4-n (I)
(式中のR 1 及びR 2 は炭素数4以下の低級アルキル基、nは0又は1〜3の整数である)
の加水分解生成物からなる低級アルキル化ケイ素酸化物微粒子をピラーとして含む多孔質層状粘土架橋体、及びあらかじめ層間に第四級アンモニウムイオンをインターカレートした層状粘土鉱物に、一般式
1 nSi−(OR24-nII
(式中1及びR2炭素数4以下の低級アルキル基、nは0又は1〜3の整数である)
で表わされるケイ素アルコキシ化合物を吸着させたのち、加水分解反応を行わせて層間に低級アルキル化ケイ素酸化物を形成させ、次いで低濃度酸アルコール溶液又は超臨界二酸化炭素によりアルミニウム含有量が初期含有量に基づき10〜50質量%減少するまで洗浄することを特徴とする低級アルキル化ケイ素酸化物微粒子をピラーとして含む多孔質層状粘土架橋体の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、多孔質層状粘土架橋体を構成する層状粘土鉱物としては、例えばスメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、タルク、バイロフィライト、雲母、マガディアイト、アイラライト、カネマイトなどの陽イオン交換能をもつ天然粘土や人工合成粘土が用いられる。
【0009】
そして、この多孔質層状粘土鉱物は、その層間にアルキル基を結合したケイ素酸化物微粒子がピラーとして充填され、架橋体を形成している。このケイ素酸化物微粒子は、酸化ケイ素微粒子であり、その粒径は1〜10nmの範囲である。
【0010】
また、この微粒子表面に結合している炭素数4以下の低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などがある。この低級アルキル基の結合量は、多孔質層状粘土1g当り1×10-3ないし6×10-3モル程度であるが、好ましいのは1×10-3ないし2×10-3モルである。
【0011】
本発明の低級アルキル化ケイ素酸化物微粒子をピラーとして含む多孔質層状粘土架橋体は、比表面積200〜500m2/g及びミクロ細孔体積0.08〜0.1ml/g、層間距離3.0〜5.5nmを有する。
【0012】
次に、本発明方法に従えば、このような多孔質層状粘土架橋体は、層間に第四級アンモニウムイオンをインターカレートした層状粘土鉱物を原料として用い、これに前記一般式(II)で表わされるケイ素アルコキシ化合物を吸着させ、加水分解反応を行わせることにより層間に低級アルキル化ケイ素酸化物を形成させたのち、洗浄して層状粘土鉱物中の成分を部分的に溶解除去することによって製造される。
上記の一般式(II)で表わされるケイ素アルコキシ化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0013】
この際原料として用いる層状粘土鉱物はあらかじめその層間に第四級アンモニウムイオンをインターカレートしておくことが必要である。このような第四級アンモニウムイオンをインターカレートした層状粘土鉱物は公知であり、例えば一般式
【化1】
Figure 0003834618
(式中のR3、R4、R5及びR6の中の少なくとも1個は炭素数1〜20のアルキル基で残りは水素原子、X-は水酸イオン、ハロゲンイオンのような陰イオン残基)
で表わされる第四級アンモニウム化合物を水又は有機溶媒に溶かして調製した溶液に層状粘土鉱物を浸漬し、必要に応じ50〜90℃に加熱しながら1〜12時間かきまぜて陽イオン交換させたのち、固形分をろ別し、水、アルコールで洗浄し、乾燥することにより、製造することができる(特開平4−74708号公報)。
【0014】
このようにしてインターカレートされる第四級アンモニウムイオンは、モノアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオンのいずれでもよいが、好ましいのはテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンのようなテトラアルキルアンモニウムイオンであり、特に好ましいのは少なくとも1個の長鎖アルキル基をもつテトラアルキルアンモニウムイオン、例えばセチルトリメチルアンモニウムイオン、テトラn‐デシルアンモニウムイオンである。
なお、このようにして層間に第四級アンモニウムイオンをインターカレートした層状粘土鉱物は、使用に先立って、この粘土鉱物100質量部当り5〜20質量部の水を吸着させておくのが好ましい。
【0015】
本発明方法においては、前記の層間に第四級アンモニウムイオンをインターカレートした層状粘土鉱物に、前記一般式(II)で表わされるケイ素アルコキシ化合物の少なくとも1種を接触させ、その層間に導入し、吸着させる。この吸着処理は、例えば層状粘土鉱物50〜500グラムをケイ素アルコキシ化合物20〜100リットルに懸濁し、かきまぜることによって行われる。この際の処理温度は室温でもよいが、必要に応じ100℃まで加熱することもできる。このようにして2〜48時間処理すると、ケイ素アルコキシ化合物が加水分解して対応する水酸化物を生じ、次いでこれが脱水縮合してその表面に低級アルキル基を結合したケイ素酸化物微粒子を形成する。
次いで、この生成物から液体を除去し、乾燥したのち、所望に応じこれを120〜180℃において2〜12時間焼成する。この焼成により層間で生成したケイ素酸化物が強化される。
【0016】
本発明方法においては、一般式(II)で表わされるケイ素アルコキシ化合物としてnが1のモノアルキルトリアルコキシ化合物と、nが0のテトラアルコキシ化合物との混合物を用いると、表面に低級アルキル基を結合したケイ素酸化物微粒子を層間に含む多孔質層状粘土架橋物が得られやすいので有利である。この際のモノアルキルトリアルコキシ化合物とテトラアルコキシ化合物との使用割合は、モル比で1:4ないし4:1、好ましくは1:2ないし2:1の範囲で選ばれる。
【0017】
次に、層間に低級アルキル化ケイ素酸化物微粒子を含む層状粘土鉱物を、低濃度酸アルコール溶液又は超臨界二酸化炭素で処理し、層間に存在する第四級アンモニウムイオン、アルミニウムイオン、マグネシウムイオンなどシリカ以外の成分を酸によって抽出除去する。この場合用いる酸アルコール溶液は、層状粘土鉱物の成分であるアルミニウムイオンやマグネシウムイオンを層状構造がそこなわれない程度に溶解除去するために低濃度でなければならない。この濃度は通常0.005〜0.5モルの範囲で選ばれる。これよりも低濃度では、アルミニウムイオンやマグネシウムイオンの必要量を溶出除去することができないし、またこれよりも高濃度では層状構造が消失するおそれがある。
【0018】
この際使用する酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸のような無機酸が好ましいが、ギ酸、酢酸のような有機酸でもよい。またアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコールが用いられる。
【0019】
この酸アルコール溶液による処理は、室温ないし80℃の範囲の温度において生成物中のアルミニウム含有量が初期含有量に基づき10〜50質量%減少するまで行うことが必要である。このアルミニウム含有量は、例えば金属定量に慣用されている原子吸光分析法やICP発光分析法を用いて簡単に測定することができる。これに要する処理時間は、使用する酸溶液の濃度や処理温度に左右されるが、少なくとも1時間、通常は6〜48時間の範囲である。このアルミニウム含有量の減少は、赤外吸収スペクトルにより、例えばバーミキュライトの場合、650cm-1のピークが低下することによって確認することができる。
【0020】
本発明方法においては、このような酸アルコール溶液による処理の代りに、超臨界状態の二酸化炭素を用いて行うこともできる。すなわち、二酸化炭素を超臨界状態とし、これに層間にアルキル化ケイ素酸化物微粒子を含む層状粘土鉱物を接触させる。この二酸化炭素の超臨界状態は、二酸化炭素を温度35〜50℃、圧力10〜40MPaに維持することによってもたらされる。この超臨界状態の二酸化炭素は、低粘性、小さい表面張力、高拡散性を有するため、粘土の層間全体にわたって浸透し、インターカレートされていた第四級アンモニウムイオンを効率よく抽出することができる。この際、二酸化炭素中に酸やアルコールを添加させることにより、層状粘土鉱物中のアルミニウムやマグネシウムなどの不要成分の除去を促進させることができる。
このようにして抽出によりアルミニウム含有量が所定の量まで減少したならば、圧力を低下させて二酸化炭素を除去する。
【0021】
従来方法により層状粘土鉱物の層間にケイ素酸化物微粒子を導入する場合には、酸化物微粒子を生成させたのち、インターカレートした有機化合物を除去するのに加熱する必要があったため、ケイ素酸化物微粒子表面に結合したアルキル基も除かれてしまい、得られる層状粘土架橋体は炭化水素類のような非極性有機化合物は吸着するがアルデヒド、カルボン酸のような極性有機化合物を吸着しないものが得られるにすぎなかったが、本発明方法においては、洗浄による除去のためケイ素酸化物微粒子の表面に結合した低級アルキル基は除去されず、得られる層状粘土架橋体は極性有機化合物に対し、優れた吸着能力を示す。
【0022】
このようにして、層間に低級アルキル化ケイ素酸化物を含む層状粘土鉱物からシリカ以外の成分、例えばAl、Mg、Ca、Naなどの層状粘土鉱物に由来する成分や、第四級アンモニウムイオンを抽出して除くことにより、それらの分子とイオンによって占められた部分が細孔化し、超多孔質構造が形成される。
このようにして、BET比表面積200〜500m2/g、ミクロ細孔体積0.08〜0.1ml/gをもつ、アルキル基含有粘土架橋体を得ることができる。
【0023】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における比表面積及びミクロ細孔体積は、以下の方法により測定した。
【0024】
(1)比表面積;JIS B9950に従い、窒素を吸着ガスとして用い、単位質量当りの全表面積(m2/g)を測定した。
(2)ミクロ細孔体積;JIS B9950に従い、窒素ガス吸着量を測定し、そのデータからt・プロット法により、単位質量当りの吸着量(ml/g)を測定した。
【0025】
参考例
バーミキュライト(巴工業社製、「AV−I」)1gとセチルトリメチルアンモニウムクロリド0.64gを、イオン交換水6.8gに溶解し、50℃で5時間かきまぜたのち、遠心分離機により、固液分離した。次に分離した固形物をエチルアルコールで3回、イオン交換水で1回洗浄したのち、さらにイオン交換水6.8gとセチルトリメチルアンモニウムクロリド0.64gを加え、50℃において20時間かきまぜた。次いで遠心分離して得た固形分をエチルアルコールで3回洗浄したのち、風乾することによりセチルトリメチルアンモニウムイオンを層間にインターカレートした層状粘土鉱物を得た。
【0026】
実施例1
参考例で得たセチルトリメチルアンモニウムイオンを層間にインターカレートした層状粘土鉱物1gにイオン交換水0.1gを吸着させた。
次にこの吸着処理した層状粘土鉱物0.2gに、テトラエトキシシラン15gを加え、90℃で24時間かきまぜたのち、遠心分離によりバーミキュライト反応生成物を分離回収した。次いでこのバーミキュライト反応生成物を、150℃に調整した乾燥器中で3時間乾燥したのち、これを0.01M−塩酸エチルアルコール溶液40ml中に懸濁し、70℃で8時間かきまぜた。次いで遠心分離機を用いて溶液から固形分を分取し、乾燥することによりエチル基を結合した酸化ケイ素微粒子をピラーとして含むバーミキュライト架橋体を得た。このものの比表面積、ミクロ細孔体積及びアルキル基の有無を表1に示す。
【0027】
比較例
実施例1における0.01M−塩酸エチルアルコール溶液による処理の代りに、600℃で2時間焼成する処理を行った。このようにして得た酸化ケイ素微粒子をピラーとして含むバーミキュライト架橋体の比表面積をミクロ細孔体積及びアルキル基の有無を表1に示す。
【0028】
実施例2
参考例で得たセチルトリメチルアンモニウムイオンを層間にインターカレートした層状粘土鉱物1gにイオン交換水0.1gを吸着させた。
次にこの吸着処理した層状粘土鉱物0.2gに、テトラエトキシシラン7.5gとメチルトリエトキシシラン7.5gを加え、90℃で24時間かきまぜたのち、遠心分離によりバーミキュライト反応生成物を分離回収した。次いでこのバーミキュライト反応生成物を、150℃に調整した乾燥器中で3時間乾燥したのち、これを0.01M−塩酸エチルアルコール溶液40ml中に懸濁し、70℃で8時間かきまぜた。次いで遠心分離機を用いて溶液から固形分を分取し、乾燥することによりメチル基及びエチル基を結合した酸化ケイ素微粒子をピラーとして含むバーミキュライト架橋体を得た。このものの比表面積、ミクロ細孔体積及びアルキル基の有無を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003834618
【0030】
この表から分るように、本発明のアルキル化ケイ素酸化物微粒子をピラーとして含む多孔質層状粘土架橋体は、原料として用いた層状粘土鉱物に比べ比表面積は、従来の方法により、焼成により製造した多孔質層状粘土架橋体(比較例)と同様に10倍以上に増加している。また、原料の層状粘土鉱物では、全く認められなかったミクロ細孔が従来の方法により製造した多孔質層状粘土架橋体とほぼ同じ程度に存在する。
これらの事実より、酸アルコール洗浄により、焼成の場合と同様の多孔質層状粘土架橋体が得られることが分る。
【0031】
参考例2
原料バーミキュライト(A)と、比較例(B)、実施例1(C)及び実施例2(D)で得た多孔質層状粘土架橋体のX線回折パターンを図1に、赤外吸収スペクトルを図2に示す。なお、図1の矢印は、層間距離に相当する回折ピークである。
図1から分るように、実施例1及び2で得た多孔質層状粘土架橋体(C,D)は、比較例で得たもの(B)と同じX線回折パターンを示す。
また、実施例1及び2で得た多孔質層状粘土架橋体は2θ=2°付近に層間距離に対応する回折ピークを有するが、これはテトラエトキシシランのみを用いた実施例1の場合は5.07nm、テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランの混合物を用いた実施例2の場合は5.19nmに相当し、原料バーミキュライトの場合の1.26nm(2θ=7.02°のピーク)に比べて著しく増加している。この事実から、層間にシリカ微粒子が挿入されたことが分る。
【0032】
次に図2から分るように、テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランとの混合物を用いた実施例2で得た多孔質層状粘土架橋体は、その他の試料ではみられないケイ素とメチル基の結合に由来する振動ピークが1273cm-1及び769cm-1に認められる。このことから、この架橋体のシリカ微粒子にはメチル基が結合していることが分る。
【0033】
参考例3
実施例1(A)及び実施例2(B)で得た試料を150℃で2時間乾燥させたのち、全自動水吸着量測定装置[日本ベル株式会社製、商品名「ベルソルプ(BELSORP)18」]を用い、温度25℃、相対圧0〜1の範囲で水吸着量を測定した。
得られた結果を水吸着等温線グラフとして図3に示す。この図から、テトラエトキシシランのみを用いて得た多孔質層状粘土架橋体(A)は、高い吸着量を示すこと及び脱着曲線のヒステレシスが相対圧0.2においても吸着曲線と交わっていないことから、水に対する親和性が非常に強いことが分る。
これに対し、テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランとの混合物を用いて得た多孔質層状粘土架橋体(B)は、(A)よりも吸着量低いが、これはシリカ微粒子の表面にメチル基が存在するためである。
【0034】
【発明の効果】
本発明によると、焼成処理を行うことなく、単に低級アルキル化ケイ素酸化物を層間に含む層状粘土架橋体を酸アルコール溶液又は超臨界二酸化炭素で洗浄するだけで、多孔質層状粘土架橋体を得ることができ、また極性有機化合物に対し、優れた吸着性を示す低級アルキル化ケイ素酸化物微粒子を含む多孔質層状粘土架橋体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 原料バーミキュライト、実施例及び比較例で得た多孔質層状粘土架橋体のX線回折パターン図。
【図2】 原料バーミキュライト、実施例及び比較例で得た多孔質層状粘土架橋体の赤外吸収スペクトル図。
【図3】 実施例1及び2で得た多孔質層状粘土架橋体の水吸着等温線グラフ。

Claims (2)

  1. 一般式
    1 n −Si(OR 2 4-n
    (式中のR 1 及びR 2 は炭素数4以下の低級アルキル基、nは0又は1〜3の整数である)
    の加水分解生成物からなる低級アルキル化ケイ素酸化物微粒子をピラーとして含む多孔質層状粘土架橋体。
  2. あらかじめ層間に第四級アンモニウムイオンをインターカレートした層状粘土鉱物に、一般式
    1 nSi−(OR24-n
    (式中1及びR2炭素数4以下の低級アルキル基、nは0又は1〜3の整数である)
    で表わされるケイ素アルコキシ化合物を吸着させたのち、加水分解反応を行わせて層間に低級アルキル化ケイ素酸化物を形成させ、次いで低濃度酸アルコール溶液又は超臨界二酸化炭素によりアルミニウム含有量が初期含有量に基づき10〜50質量%減少するまで洗浄することを特徴とする低級アルキル化ケイ素酸化物微粒子をピラーとして含む多孔質層状粘土架橋体の製造方法。
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