JP3832285B2 - 静電像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電像現像用トナーの製造方法に係わり、特に、分級工程時に製品トナーの主体を成すトナー材料と分別された微粉トナーをトナー製造材料に再利用しても、トナー特性を損なわない製品トナーを提供できる、静電像現像用トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式による画像形成は、一般に、静電潜像をトナーにより現像して可視化し、現像により得られたトナー像を用紙に転写することにより行われる。このような画像形成に用いる静電像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤等の各種トナー製造材料を、混合−混練−冷却して一旦板状またはペレット状の中間トナー(材料)に固形化し、しかる後上記固形化した中間トナー(材料)を各種粉砕機により所定粒子径に粉砕、分級することにより、製品トナーの主体を成すトナー(材料)を得、これに必要に応じて流動性向上剤等の外添剤を混合することで最終的なトナーを製造している。
【0003】
そして、上記分級工程において、所望する上記所定粒子径のものとは異なる、所定粒子径以下の微粉トナーは、トナー飛散や所謂カブリ等の不具合を発生する原因となり製品の品質を低下させることから、分級・分別して取り除くようにしている。ところが、このようにすると、トナー製造の度に微粉トナーが回収され蓄積されることになり、これをそのまま廃棄していたのでは、トナーコストが増加する。
【0004】
そこで、このような微粉トナーをトナー製造のために再利用できれば製品収率の向上、延いてはコストダウンに繋がるため、この微粉トナーを回収して再生する試みが為されている。すなわち、従来知られる微粉トナーの再生方法としては、分級により回収された微粉トナーをそのまま通常のトナー製造材料混合工程に戻して再生する方法である。つまり、上述の結着樹脂、着色剤等の各種トナー製造材料と共に、回収された微粉トナーを適宜の割合で混合機に投入し、一括混合した後混練機にかける、というものである。
【0005】
ところで、静電像現像用に提供されるトナーは、画像形成に際して常に安定した適正範囲のトナー帯電量が必要であり、また、上記トナー飛散やカブリ、更には定着オフセット等のないトナー特性が要求される。そのため、上記のようにトナー製造材料に帯電制御剤を加えてトナー帯電量を安定化させている。しかしながら、トナーの帯電は極めて微妙で帯電制御剤を結着樹脂中に混入しても、その分散状態が不良であったり偏在化すると、トナー粒子個々の帯電性が不安定となって画像形成装置内へのトナー飛散や定着ローラ汚染或いはカブリを発生してしまう。一方、トナーの着色のため上記のように着色剤を使用するが、トナー中の着色剤の分散状態も、着色力のみならずトナーの帯電特性にも大きな影響を与えることが知られている。また、定着オフセットを防止する対策として、上記のように低軟化点ワックス等の離型剤をトナー製造材料として用いているが、この離型剤は基本的に結着樹脂との相溶性が悪いために、その分散状態を適正に調整することが極めて重要となっている。従って、トナー製造における上記一連の、混合−混練−冷却−粉砕−分級の各工程には、製品トナーとすべきトナー特性に応じた適切な製造工程条件を設定している。
【0006】
ところが、上述のように分級により回収された微粉トナーを材料混合工程に戻して再生することが従来より提案されているが、上記従来の微粉トナーの再生方法には、そのために適した製造工程条件が十分考慮されておらず、このため、上記従来方法により微粉トナーを再利用してトナーを製造しても良好なトナー特性を得ることが出来ない、という解決すべき問題があった。
【0007】
すなわち、一般的に混合工程に投入される上述の結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤と、回収された微粉トナーとは、その粒径、比重が著しく異なるばかりか、分級工程において得られた製品トナーの主体を成すトナー材料と微粉トナーとは、その組成も異なっていることから、微粉トナーを用いない前提で設定した混合方法等の製造工程条件をそのまま採用すると混合不良等を引き起こし、良好な特性のトナーを製造できかった。
【0008】
そこで、微粉トナーを用いるためにはそれ相応の製造工程条件が要求されると考えられるところ、微粉トナーの再利用のために製造工程条件を大幅に変更したのでは、トナー製造工程管理が煩雑となってコストメリットが半減する。
【0009】
なお、微粉トナーの粒径、比重のみ考慮すれば、これを大粒径化すべく新たに造粒機を導入し、回収した微粉トナーを造粒工程を経て上記混合工程へ戻すことも考えられるが、装置、設備の増大化それによるコスト上昇の問題が存在した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情の下になされ、分級工程時に製品トナーの主体を成すトナー材料と分別された微粉トナーを、製造工程条件の設定を出来る限り変更することなくトナー製造材料に再利用可能とし、且つ微粉トナーを再利用しても、帯電性が良好でトナー飛散やカブリ、定着オフセット等のない高品質の画像を形成することが可能な静電像現像用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の発明者らが鋭意検討した結果、回収された微粉トナーの組成に着目し、製造工程条件のうちの混合方法を僅かに変更することで上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成したものである。
【0012】
すなわち、本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤を撹拌羽根の回転により混合する混合工程と、該混合工程により得られた混合物に対して混練、冷却、粉砕および分級の各工程を順次実施し、該分級工程により得られた所定粒径のトナー材料に必要に応じて外添剤を混合することでトナーを製造する一方、上記トナー材料より粒径の小さい粒子として分級された微紛トナーを回収し、該回収した微紛トナーを上記混合工程に戻すことで微紛トナー再利用による静電像現像用トナーを製造する方法であって、上記混合工程を、上記少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤を上記撹拌羽根の周速を第1周速で混合する第1混合工程と、該第1混合工程により得られた第1混合物100質量部に対し上記回収した微紛トナーを5〜30質量部加えて上記第1周速の略1/2に減速した第2周速で混合する第2混合工程とに区分し、該第2混合工程後に得られた微紛トナー含有の第2混合物を次工程に利用し、これに基づいて微紛トナー含有のトナーを製造することを特徴とする。
【0013】
このような本発明の方法によれば、回収した微紛トナーを第1周速の撹拌羽根により混合して得られた第1混合物100質量部に対し5〜30質量部加えるようにし、この第1混合物を上記第1周速の略1/2に減速した第2周速で混合して微紛トナー含有の第2混合物を得、この第2混合物を次工程に利用するようにしているので、回収した微紛トナーが適切な分散状態で次工程に供され、その結果、微紛トナーを用いないで製造したものと同等のトナー特性を損なわない製品トナーを提供できるものである。このような優れた作用が発揮される理由は以下のように考えられる。
【0014】
すなわち、本発明者らは、混合−混練−冷却−粉砕−分級の各工程を経て回収された微粉トナーを注意深く分析したところ、回収された微粉トナー中にはトナー製造材料のうち離型剤の割合が比較的高くなっており、混合段階で不適切な混合設定条件をとるとその後に生成される微粉トナー中に益々離型剤が増えるだけでなく帯電制御剤の割合が高くなることから、これがトナー特性を損ねる要因であるとの知見を得たものである。
【0015】
ここで、上述のワックス等の離型剤は、その粒子径によるところが大きいが基本的に他のトナー製造材料よりも混練時の熱により溶融し易く、極端に粒子径が小さいと混練時液状化し、この液状化部分が混練後冷却し粉砕される際に結着樹脂から剥離され易くなると共に、微粉化され易くなる。また、液状化した離型剤中には帯電制御剤が移行し、その結果、帯電制御剤も結着樹脂から剥離されて微粉トナー中に移行するものと考えられる。因みに、本発明実施形態において後述する本発明で再利用する微粉トナー中の離型剤の割合も比較的高くなっていることが判明している。
【0016】
この場合、ワックス等の離型剤は最終トナー中にある程度存在していればその存在量の大小が機能上問題になることは無いが、帯電制御剤の場合は帯電特性に大きな影響を与えるので、粉砕−分級の際に微粉トナーへ移行させない対策が重要になる。しかしながら、従来の方法では再利用する微粉トナーも通常のトナー製造材料混合条件で混合されるので、ワックス等を多く含む微粉トナーが微粒子状態で混練工程の熱を受けて液状化し易くなり帯電制御剤が微粉トナー中へ移行し、その結果、最終トナー中の帯電制御剤の量が不安定(減少)となっていたのである。
【0017】
これに対し本発明では、再利用する微粉トナーが第1周速の略1/2に減速した第2周速で第1混合物に混合されるため、従来のような第1周速で混合されるのとは異なり、微粉トナーどうしがある程度凝集した形で混合・分散され、これが混練時の熱による溶融・液状化を抑制し、延いては帯電制御剤の微粉トナーへの不要な移行を防止していると考えられる。
【0018】
本発明のトナー製造方法において、上記混合工程には、撹拌羽根の回転により混合するヘンシェルミキサ等の良く知られた混合装置が用いられる。また、上記混練工程には、一軸或いは二軸連続混練機、バンバリーミキサ等の混練装置を用いることができる。また、粉砕工程は、ハンマーミルやカッターミルによる粗粉砕、ジェットミルや1式ミルによる微粉砕が、分級工程には、分散式分級機やジグザグ分級機等のいずれも公知の装置が使用される。
【0019】
本発明のトナー製造材料において、上記結着樹脂としては、通常用いられる樹脂であれば特に限定されるものではなく、具体的には、ポリエステル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等の一般的な樹脂材料を用いることができる。
【0020】
上記着色剤としては、カーボンブラック、ピグメント・レッド48:1、ピグメント・レッド122、ピグメント・レッド57:1、ピグメント・イエロー97、ピグメント・イエロー12、ピグメント・イエロー17、ピグメント・イエロー97、ピグメント・グリーン7、ピグメント・ブルー15:1、ピグメント・ブルー15:3等が挙げられる。これら着色剤は、一種又は二種以上混合して用いられる。
【0021】
上記帯電制御剤としては、例えばニグロシン染料などの油溶性染料や、脂肪酸金属石鹸、含金属モノアゾ染料、サリチル酸あるいはアルキルサリチル酸の金属錯体や金属錯塩、硼素含有カリウム塩化合物等を使用することができる。
【0022】
また、オフセット防止効果を付加するための離型剤として、低分子量ポリプロピレン、各種ワックス、シリコーン油等が用いられる。
【0023】
なお、本発明方法により得られたトナー材料には、その流動性を向上させるため、疎水性シリカ微粒子やフッ素樹脂粒子等の流動性向上剤を外添混合して最終製品トナーとするのが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示し、本発明をより具体的に説明する。
図1に、本発明により製造されたトナーを用いて画像形成を行う上で好適なカラー画像形成装置の内部構成を模式的に示す。先ず、同図を用いてカラー画像形成装置の全体構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、このカラー画像形成装置(本体装置)30は、その後面(図の左方)に開閉トレー31を備え、下部には本体装置前方(図の右方)から着脱自在な用紙カセット32を備えている。用紙カセット32には、多枚数の用紙が載置・収容されている。
【0026】
本体装置30は、その上面に上蓋33を備えている。上蓋33の前部側方には図では示されていないが、電源スイッチ、液晶表示装置、複数の入力キー等が配設されている。上蓋33は、その後部が本体装置30の後部上面とともに排紙トレー34を形成している。
【0027】
本体装置30の内部には、略中央に、偏平なループ状の用紙搬送ベルト(以下、単にベルトという)35が前後に延在して配置され、そのループの水平方向の両端部を駆動ローラ36と従動ローラ37に保持されている。このベルト35は、駆動ローラ36により駆動され、図の矢印Rで示す反時計回り方向に循環移動する。このベルト35の上循環部に沿って、4個の感光体ドラム38(38a、38b、38c、38d)が、用紙搬送方向(図の右から左方向)に多段式に並設されている。
【0028】
これらの感光体ドラム38(38a、38b、38c、38d)を各々取り囲むようにして(以下、代表的に感光体ドラム38dの周囲装置についてのみ符号を付して示す)、クリーナ41、初期化帯電ローラ42、書込ヘッド43、及び現像器44(44d)が配置されている。また、接触型のシート転写器39が、ベルト35を介して感光体ドラム38に圧接して転写部を形成している。なお、感光体ドラム38a、38b、38cに対しては、それぞれ現像器44a、44b、44cが配置されている。
【0029】
現像器(現像ホッパー)44(44d)は、その下部開口部に回転可能に支持された現像ローラ45を備えている。この現像ローラ45は、感光体ドラム38周面に当接して、現像部を形成している。書込ヘッド43は、上蓋33の裏面に支持部材46を介して配設されており、上蓋33の開閉に伴って円弧を描いて昇降し、上蓋33の閉成により降下して、初期化帯電ローラ42と現像ローラ45との間に位置決めされて、記録部を形成している。
【0030】
ベルト35の上循環部の上流側端部には、吸着ローラ47が、ベルト35を介して従動ローラ37に圧接され、ここに用紙搬入部を形成している。吸着ローラ47は、用紙搬入部に搬入されてくる用紙に吸着バイアスを印加しながらベルト35を押圧し、ベルト35に用紙を静電的に吸着させる。
【0031】
上記用紙搬送方向最上流の感光体ドラム38aに対する現像器44aから感光体ドラム38dに対応する現像器44dまでの各現像器には、減法混色の三原色であるM(マゼンタ)、C(シアン)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)の各色トナーがそれぞれ収容されている。これらトナーはいずれも、本発明の方法により製造された、微紛トナー再利用に基づく環境依存性の少ないトナーである。
【0032】
ベルト35より更に搬送方向上流側(図の右方)には、待機ロール対48、その下方に給紙案内路49が配置され、給紙案内路49の下端部には、給送ロール対51が配設されている。給送ロール対51の上流(下方)に、前述した用紙カセット32の給紙端が位置している。用紙カセット32の給紙端上方に、給紙コロ52が配設されている。給紙コロ52は、一回転毎に、用紙カセット32に収容されている最上部の用紙一枚を取り出して、給送ロール対51へ給紙する。
【0033】
一方、ベルト35よりも用紙搬送方向下流(図の左方)には、定着器53、排紙ロール対54、切り換えレバー55が設けられる。定着器53は、断熱性の匡体内に組み付けられた圧接ローラ、定着ローラ、発熱ローラ、用紙分離爪、周面清掃器、オイル塗布部材、サーミスタ等から構成され、用紙上に転写されたトナー像を紙面に熱定着させる。
【0034】
切り換えレバー55は、同図に示すように下の位置にあるときは、上方の排出路56及び排紙ロール対57を介して排紙トレー34へ用紙を案内する。一方、上に回動しているときは、本体装置後面に開成される開閉トレー31へ用紙を案内する。
【0035】
ベルト35と用紙カセット32の間には、回路基板を装着可能な電装部58が配設され、その回路基板には複数の電子部品からなる制御装置が搭載されている。
【0036】
制御装置は、コントローラ部とエンジン部からなり、コントローラ部はCPU(中央演算処理装置)、ROM(読出し専用メモリ)、EEPROM(再書込み可能な読出し用メモリ)、フレームメモリ、イメージデータ転送回路等を備えていて、ホストコンピュータ等から入力される印刷データを解析し、印字用データを作成してエンジン部に転送する。
【0037】
エンジン部は、CPUやROM等を備え、その入力側にはコントローラ部からのデータや指令信号、温度センサの出力、用紙検知センサの出力等が入力され、出力側には不図示のモータを駆動するモータドライバ、そのモータの駆動を各部に伝達する駆動系を切り替えるクラッチドライバ、書込ヘッド43を上記印字用データに基づいて駆動する印字ドライバ、初期化帯電ローラ42、現像ローラ45、転写器、吸着ローラ47、後述するトナー供給ローラ、ドクターブレード、現像部掬いシート等に所定のバイアス電圧を供給するバイアス電源ドライバ等が接続されている。エンジン部は、コントローラ部からのデータや指令信号、温度センサの出力、用紙検知センサの出力等に基づいて各部を駆動制御する。
【0038】
次に、以上説明したカラー画像形成装置30の基本的な動作について説明する。先ず、電源が投入され、使用する用紙の紙質、枚数、印字モード、その他の指定がキー入力あるいは接続するホスト機器からの信号として入力されると、図示しない駆動機構により給紙コロ52が一回転して、用紙カセット32に載置収容されている用紙を給送ロール対51を介して待機ロール対48へ給送する。待機ロール対48は、回転を一時停止して、一対のローラで形成される挟持部に用紙先端を当接させた状態で、搬送タイミングを待機する。
【0039】
続いて、駆動ローラ36が反時計回り方向に回転し、従動ローラ37が従動して、同じく反時計回り方向に回転する。これにより、ベルト35は、上循環部が4個の感光体ドラム38a、38b、38c、38dに当接して、全体が反時計回り方向へ循環移動する。
【0040】
これと共に、各現像器44a、44b、44c、44d及び感光体ドラム38a、38b、38c、38dが印字タイミングに合わせて順次駆動される。感光体ドラム38は時計回り方向に回転し、初期化帯電ローラ42は、感光体ドラム38周面に一様な高マイナス電荷を付与し、書込ヘッド42は、その感光体ドラム38周面に画像信号に応じて露光を行って、低電位部を形成する。これにより、上記初期化による高マイナス電位部と、露光による低マイナス電位部からなる静電潜像が形成される。現像器44の現像ローラ45は、その静電潜像の低電位部にトナーを転移させて、感光体ドラム38周面上にトナー像を形成(反転現像)する。
【0041】
最上流の感光体ドラム38aの周面上のトナー像の先端が、ベルト35との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点に用紙の印字開始位置が一致するように、待機ロール対48が回転を開始して、用紙を用紙搬入部へ給送する。
【0042】
従動ローラ37と吸着ローラ47は、給送された用紙をベルト35と共に挟持して搬送する。用紙は、ベルト35に吸着され、感光体ドラム38aと転写器により形成されている最初の転写部へ搬送される。
【0043】
転写器は、転写バイアス電源から出力される転写電流をベルト35を介して用紙に印加する。この転写器から印加される転写電流により、感光体ドラム38a上のM(マゼンタ)のトナー像が用紙に転写される。続いて、感光体ドラム38bと転写器により形成されている上流から2番目の転写部においてC(シアン)のトナー像が転写され、更に感光体ドラム38cと転写器により形成されている上流から3番目の転写部Y(イエロー)のトナー像が転写される。そして、感光体ドラム38dと転写器により形成されている最下流の転写部でBk(ブラック)のトナー像が順次転写される。
【0044】
このようにして、4色のトナー像を転写された用紙は、ベルト35から分離して定着器53に搬入される。定着器53は、トナー像を用紙に熱定着させる。この画像定着後、用紙は、排紙ロール対54によって後面の開閉トレー31上にトナー像を上にして、又は上部の排紙トレー34上にトナー像を下にして排出される。
【0045】
図2は、上記現像器44の主要部を模式的に示す側断面図である。同図に示す現像器44は、カラー画像形成装置30に着脱自在であり、ドラムユニットとともに一つの画像形成ユニットを構成する現像ユニットとされている。現像器44は、トナーホッパーを兼ねる匡体61を備え、その匡体61の下部開口に導電性ゴムローラからなる現像ローラ45を回転可能に保持し、匡体61の内部には、トナー62を収容し、このトナー62に埋没するように配設されたトナー攪拌部材63を備えている。
【0046】
また、現像器44の最下部には、スポンジ体から成る供給ローラ64が現像ローラ45に圧接して配置されている。現像ローラ45には、その斜め右上周面に圧接して金属製の板バネ状のドクターブレード65が配設され、下部周面に当接して現像部掬いシート(導電性規制シート)66が配設されている。この現像部掬いシート66には、バイアス電源71を含む後述する導電性規制シートバイアス手段が設けられている。ドクターブレード65の両側部には、匡体61開口部の内部と外部を隔絶してトナー62の漏出を防止するための封止部材67が配設されている。
【0047】
ところで、感光体ドラム38への現像を終った後の現像ローラ45周面上に残留する非現像部分のトナー62を、現像メモリの解消のために匡体61内で掻き落とすために必要とされる供給ローラ64の摺擦力は、トナー62の現像ローラ45への付着力によって異なる。すなわち、付着力の強いトナーに対しては強い摺擦力を必要とするが、付着力の弱いトナーに対しては弱い摺擦力で間に合う。このトナー62の現像ローラ45への付着力は、略トナー62の帯電能力によって決定されるといってよい。すなわち、摩擦帯電量の小さいものほど付着力が弱く、したがって現像ローラ45から掻き落とし易い。
【0048】
しかしながら、トナー62の摩擦帯電量は、現像時に生じ、不具合となる非画像部分への付着現像(以下、感光体カブリという)と密接な関係を有しており、帯電量の少ないトナーほど感光体カブリを発生させ易い。したがって、このような感光体カブリを生じさせないためには、トナー62の摩擦帯電量を高くする必要がある。そして、トナー62の摩擦帯電量を高くすると現像ローラ45への付着力が増すから、供給ローラ64に強い摺擦力を与える必要が生じてくる。
【0049】
このような強い摺擦力で長時間の回転を繰り返すと、トナーの帯電能力の低下や流動性の低下などトナー特性の劣化を引き起こすので好ましくない。例えば、帯電量が低下すると、上述した感光体カブリが発生し、流動性が低下すると網点印刷の現像欠落が発生する。
【0050】
このような問題を抱えている現像器44において、本発明の一実施例においては、先ず、現像ローラ45を、芯金とこの芯金を取り巻く円筒状の半導電性
(106 Ωcm)のウレタンゴムとで形成し、芯金には「−250V」の現像バイアスをバイアス電源68から印加する。また、供給ローラ64を、芯金とこの芯金を取り巻く円筒状の半導電性(106 Ωcm)のウレタンスポンジとで構成し、芯金には「−500V」の供給バイアスをバイアス電源69から印加する。
【0051】
更に、ドクターブレード65を弾性金属板で形成し、このドクターブレード65にも上記バイアス電源69から「−500V」のドクターバイアスを印加する。そして、供給ローラ64の上流側に位置する現像部掬いシート66を導電性部材(103 Ωcm)で構成して、これに0V(0ボルト)から現像ローラ45の現像バイアス電圧までの範囲のシートバイアス電圧をバイアス電源71により印加するようにしている。
【0052】
このように、現像部掬いシート66を導電性部材で構成して、これに0Vから現像ローラ45の現像バイアス電圧までの範囲のシートバイアス電圧を印加するのは、現像ローラ45上に付着するトナー62の電荷を減少させるためである。これにより、供給ローラ64による弱い摺擦力によっても、容易に現像ローラ45上に付着して戻ってきた非現像部分のトナーを掻き取ることができるようにしている。
【0053】
なお、図2に示す現像器44においては、便宜上、上記現像ローラ45への現像バイアス電圧の印加をバイアス電源68により行い、上記現像部掬いシート66へのシートバイアス電圧の印加をバイアス電源71により個別に行う例で説明しているが、電源はこのように個別に設ける必要はない。すなわち、本発明における実際の現像ユニット構成では、例えばユニット内に抵抗素子を含む分圧回路を備え、装置本体の共通バイアス電源により現像ローラ45と現像部掬いシート66の各々に分圧されたバイアス電圧を印加するようにしている。
【0054】
以上説明した装置構成のカラー画像形成装置および画像形成プロセスにより、本発明の方法により製造されたトナーを用いて、高温・高湿の環境下でも、優れた画質の画像の形成を行うことが出来る。
【0055】
【実施例】
以下、本発明の方法により静電像現像用トナーを製造する実施例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
まず、本発明で比較する、微粉トナーを用いない従来のトナーの製造例について示す。
【0056】
〔製造例1〕
〔ブラックトナー製造材料〕
結着樹脂:ポリエステル樹脂 約92質量%
帯電制御剤:T−77(保土ヶ谷化学製) 約1質量%
着色剤:カーボンブラック(モナーク880) 約4質量%
離型剤(ワックス):ポリプロピレン樹脂 約3質量%
上記トナー製造材料を三井鉱山(株)製ヘンシェルミキサFM20にて混合(羽根の周速20m/sec、攪拌時間4分)し、二軸連続混練機により混練した。その後、冷却、粗砕した後、次工程で粉砕分級し、平均粒径9μmのブラックトナー材料を得た。また同時に、平均粒径5μm以下のブラック微粉トナーを得た。そして、平均粒径9μmのブラックトナー材料と疎水性シリカ(日本アエロジル社製)を約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサにて混合し、製造例1のブラックトナーを得た。
【0057】
〔製造例2〕
〔シアントナー製造材料〕
結着樹脂:ポリエステル樹脂 85.5質量%
帯電制御剤:LR−147(日本カーリット社製) 約1質量%
着色剤1:マスターバッチ顔料(ポリエステル樹脂とピグメント・ブルー15:3を、7:3の比率で混練生成したもの) 10質量%
着色剤2:マスターバッチ顔料(ポリエステル樹脂とピグメント・グリーン7を、7:3の比率で混練生成したもの) 0.5質量%
離型剤(ワックス):ポリプロピレン樹脂 約3質量%
上記トナー製造材料を製造例1と同様な工程を経て平均粒径9μmのシアントナー材料を得た。また同時に、平均粒径5μm以下のシアン微粉トナーを得た。そして、平均粒径9μmのシアントナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサにて混合し、製造例2のシアントナーを得た。
【0058】
〔製造例3〕
〔イエロートナー製造材料〕
結着樹脂:ポリエステル樹脂 86質量%
帯電制御剤:LR−147(日本カーリット社製) 約1質量%
着色剤:マスターバッチ顔料(ポリエステル樹脂とピグメント・イエロー17を、7:3の比率で混練生成したもの) 10質量%
離型剤(ワックス):ポリプロピレン樹脂 約3質量%
上記トナー製造材料を製造例1と同様な工程を経て平均粒径9μmのイエロートナー材料を得た。また同時に、平均粒径5μm以下のイエロー微粉トナーを得た。そして、平均粒径9μmのイエロートナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサにて混合し、製造例3のイエロートナーを得た。
【0059】
〔製造例4〕
〔マゼンタトナー製造材料〕
結着樹脂:ポリエステル樹脂 86質量%
帯電制御剤:LR−147(日本カーリット社製) 約1質量%
着色剤:マスターバッチ顔料(ポリエステル樹脂とピグメント・レッド57:1を、7:3の比率で混練生成したもの) 10質量%
離型剤(ワックス):ポリプロピレン樹脂 約3質量%
上記トナー製造材料を製造例1と同様な工程を経て平均粒径9μmのマゼンタトナー材料を得た。また同時に、平均粒径5μm以下のマゼンタ微粉トナーを得た。そして、平均粒径9μmのマゼンタトナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサにて混合し、製造例3のマゼンタトナーを得た。
【0060】
〔比較例1〕
製造例1のブラックトナー製造材料100質量部に対して、製造例1にて得られた平均粒径5μm以下のブラック微粉トナー20質量部を加え、製造例1と同様の混合条件で混合(羽根の周速20m/sec、攪拌時間4分)し、二軸連続混練機により混練した。その後、冷却、粗砕した後、次工程で粉砕分級し、平均粒径9μmのブラックトナー材料を得た。このブラックトナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサにて混合し、比較例1のブラックトナーを得た。
【0061】
〔比較例2〕
製造例2のシアントナー製造材料100質量部に対して、製造例1にて得られた平均粒径5μm以下のシアン微粉トナー20質量部を加え、製造例2と同様の混合条件で混合(羽根の周速20m/sec、攪拌時間4分)し、二軸連続混練機により混練した。その後、冷却、粗砕した後、次工程で粉砕分級し、平均粒径9μmのシアントナー材料を得た。このシアントナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサにて混合し、比較例2のシアントナーを得た。
【0062】
〔比較例3〕
製造例3のイエロートナー製造材料100質量部に対して、製造例3にて得られた平均粒径5μm以下のイエロー微粉トナー20質量部を加え、製造例3と同様の混合条件で混合(羽根の周速20m/sec、攪拌時間4分)し、二軸連続混練機により混練した。その後、冷却、粗砕した後、次工程で粉砕分級し、平均粒径9μmのイエロートナー材料を得た。このイエロートナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサにて混合し、比較例3のイエロートナーを得た。
【0063】
〔比較例4〕
製造例4のマゼンタトナー製造材料100質量部に対して、製造例4にて得られた平均粒径5μm以下のマゼンタ微粉トナー20質量部を加え、製造例4と同様の混合条件で混合(羽根の周速20m/sec、攪拌時間4分)し、二軸連続混練機により混練した。その後、冷却、粗砕した後、次工程で粉砕分級し、平均粒径9μmのマゼンタトナー材料を得た。このマゼンタトナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサにて混合し、比較例4のマゼンタトナーを得た。
【0064】
〔実施例1〕
製造例1のブラックトナー製造材料を製造例1と同様の混合条件で混合(羽根の周速20m/sec、攪拌時間4分)した後、この混合物100質量部に対して、製造例1にて得られた平均粒径5μm以下のブラック微粉トナー20質量部を加え、再度上記ヘンシェルミキサにて混合条件を変えて混合(羽根の周速10m/sec、攪拌時間4分)し、二軸連続混練機により混練した。その後、冷却、粗砕した後、次工程で粉砕分級し、平均粒径9μmのブラックトナー材料を得た。このブラックトナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサて混合し、実施例1のブラックトナーを得た。
【0065】
〔実施例2〕
製造例2のシアントナー製造材料を製造例2と同様の混合条件で混合(羽根の周速20m/sec、攪拌時間4分)した後、この混合物100質量部に対して、製造例2にて得られた平均粒径5μm以下のシアン微粉トナー20質量部を加え、再度上記ヘンシェルミキサにて混合条件を変えて混合(羽根の周速10m/sec、攪拌時間4分)し、二軸連続混練機により混練した。その後、冷却、粗砕した後、次工程で粉砕分級し、平均粒径9μmのシアントナー材料を得た。このシアントナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサて混合し、実施例2のシアントナーを得た。
【0066】
〔実施例3〕
製造例3のイエロートナー製造材料を製造例3と同様の混合条件で混合(羽根の周速20m/sec、攪拌時間4分)した後、この混合物100質量部に対して、製造例3にて得られた平均粒径5μm以下のイエロー微粉トナー20質量部を加え、再度上記ヘンシェルミキサにて混合条件を変えて混合(羽根の周速10m/sec、攪拌時間4分)し、二軸連続混練機により混練した。その後、冷却、粗砕した後、次工程で粉砕分級し、平均粒径9μmのイエロートナー材料を得た。このイエロートナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサて混合し、実施例3のイエロートナーを得た。
【0067】
〔実施例4〕
製造例4のマゼンタトナー製造材料を製造例4と同様の混合条件で混合(羽根の周速20m/sec、攪拌時間4分)した後、この混合物100質量部に対して、製造例4にて得られた平均粒径5μm以下のマゼンタ微粉トナー20質量部を加え、再度上記ヘンシェルミキサにて混合条件を変えて混合(羽根の周速10m/sec、攪拌時間4分)し、二軸連続混練機により混練した。その後、冷却、粗砕した後、次工程で粉砕分級し、平均粒径9μmのマゼンタトナー材料を得た。このマゼンタトナー材料と上記疎水性シリカを約98:2の質量比率で上記ヘンシェルミキサて混合し、実施例4のマゼンタトナーを得た。
【0068】
次に、以上のようにして得られたトナーサンプルを、それぞれ、定量して専用トナーカートリッジに充填した後、図1のカラープリンタ(カシオ計算機製プリンタ:カラーページプレストN−612II)にセットし、画素率5%の印字パターンにてトナーを使い切るまで印字を実施し、トータル印字枚数、白紙カブリ、感光体カブリ等を評価した。
【0069】
このうち、白紙カブリ、感光体カブリの評価は、微粉トナーを用いない製造法のトナー(従来、製品トナーとして合格とされた特性のトナー)である製造例1(ブラックトナー)、製造例2(シアントナー)、製造例3(イエロートナー)、製造例4(マゼンタトナー)の印字結果を判定基準として行っており、これら判定基準トナーと同等の結果を示した場合「○」、劣った結果を示した場合を「×」と評価した。また、印字枚数においては上記カシオ計算機製プリンタのカートリッジ規格枚数である6500枚を超えた場合「○」とし、超えない場合は「×」として実際の枚数を記載した。以下に結果をまとめた表を示す。
【0070】
【表1】
Figure 0003832285
【0071】
表1より、微粉トナーをトナー製造材料として再利用する際のトナー製造材料混合方法において、微粉トナーを結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤と共にヘンシェルミキサに同時投入し、微粉トナーを使用しない時と同じ所定条件(第1の混合エネルギー)にて材料混合する方法にて製造されたトナー(比較例1〜4)が、微粉トナーを使用しないで製造されたトナー(製造例1〜4)に比較して、白紙カブリ、感光体カブリ、可能印字枚数等のトナー特性面で劣っていたのに対し、まず結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤をヘンシェルミキサに投入し、微粉トナーを使用しない時と同じ所定条件(第1の混合エネルギー)にて材料混合した後、微粉トナーをヘンシェルミキサに追加投入して更に適切な混合条件(第1の混合エネルギーよりも低い第2の混合エネルギー)にて混合するという、本発明方法によって製造されたトナー(実施例1〜4)は、微粉トナーを使用しないで製造されたトナー(製造例1〜4)と白紙カブリ、感光体カブリ、可能印字枚数において同等な性能を有する、ということが判る。
【0072】
なお、上記実施形態において、微粉トナーを使用しない場合の各トナー製造原料の混合条件として、製造例1〜4にて示したようにヘンシェルミキサの羽根の周速を20m/sec、攪拌時間を4分として、これを判定基準トナーの前提条件として説明したが、この条件は、各トナー製造材料の十分な混合のためと上記カシオ計算機製プリンタに適用させるために実験上設定した条件であり、必ずしも上記条件に限定されるものではない。因みに、上記羽根の周速を20m/sec、攪拌時間を1分程度として参考比較実験を行なった結果、これにより製造されたトナーも製品トナーとして何ら問題はなかった。
【0073】
しかしながら、そのような条件(羽根の周速を20m/sec、攪拌時間を1分程度)を前提として微粉トナーを利用する場合には、本案発明方法のように格別の工夫が無いと、得られたトナーの特性に不具合が生じることが追試されている。すなわち、微粉トナーを結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤と共にヘンシェルミキサに同時投入し、例えば上記条件(羽根の周速を20m/sec、攪拌時間を1分程度)にて材料混合するという工程にて製造されたトナーは、上記比較例1〜4と同様に好ましくない結果が得られている。
【0074】
これに対して、上記実施例1〜4にて説明したような本発明の混合方法(2段階混合方法)を採ると、微粉トナーを用いないで製造したトナーと同等の結果が得られている。また、微粉トナーを加えてからの混合(第2混合工程)条件としては、上記羽根の周速を10m/sec、攪拌時間を4分として説明したが、これも1分程度に短縮しても一向差し支えない。肝心なことは、微粉トナーに過度の混合エネルギーを与えずにトナー製造材料中に適度に分散させることである。
【0075】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、格別な装置や設備の増設を要することなく、製造工程条件の設定をわずかに変更するだけで微粉トナーをトナー製造材料に再利用できると共にトナー特性に優れた製品トナーを製造することが出来る。従って、トナーの収率が向上して安価なトナーを容易に提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラー画像形成装置の内部構成を模式的に示す図。
【図2】図1のカラー画像形成装置の現像器の主要部を模式的に示す側断面図。
【符号の説明】
30…カラー画像形成装置
31…開閉トレー
32…用紙カセット
33…上蓋
34…排紙トレー
35…用紙搬送ベルト
36…駆動ローラ
37…従動ローラ
38、38a、38b、38c、38d…感光体ドラム
39…シート転写器
41…クリーナ
42…初期化帯電ローラ
43…書込ヘッド
44a、44b、44c、44d…現像器。

Claims (1)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤を撹拌羽根の回転により混合する混合工程と、該混合工程により得られた混合物に対して混練、冷却、粉砕および分級の各工程を順次実施し、該分級工程により得られた所定粒径のトナー材料に必要に応じて外添剤を混合することでトナーを製造する一方、前記トナー材料より粒径の小さい粒子として分級された微紛トナーを回収し、該回収した微紛トナーを前記混合工程に戻すことで微紛トナー再利用による静電像現像用トナーを製造する方法であって、
    前記混合工程を、前記少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤を前記撹拌羽根の周速を第1周速で混合する第1混合工程と、該第1混合工程により得られた第1混合物100質量部に対し前記回収した微紛トナーを5〜30質量部加えて前記第1周速の略1/2に減速した第2周速で混合する第2混合工程とに区分し、該第2混合工程後に得られた微紛トナー含有の第2混合物を次工程に利用し、これに基づいて微紛トナー含有のトナーを製造することを特徴とする静電像現像用トナーの製造方法。
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