JP3831732B2 - 加湿器 - Google Patents

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Description

本発明は、加湿器に係り、特にスケールの析出に伴うメンテナンスやブロー操作の必要性を解消可能な加湿器構造に関する。
空気中の水分量の低下は、室内環境の快適性を損なうだけなく、居室者の健康に悪影響を与え、あるいは様々な物質(例えば生鮮食品、ワイン、植物、美術館・博物館・図書館における収蔵物、印刷工場における用紙・原版フィルム、電子機器等々)に乾燥や静電気による損傷を与えることから、これを適切な状態に保つため加湿器が使用される。
かかる加湿器のうち電熱式の蒸気発生器は、クリーンで高精度の加湿制御が出来るうえ、純水と軟水を問わず使用可能であることから、一般保健空調から恒温恒湿室まで広範な用途に使用されている。
ところで、蒸気発生器は水蒸気のみを蒸発させるため、供給水(例えば水道水)に含まれているミネラル分や鉄錆などの不純物は蒸発水槽内に溜まり、これらは運転経過に伴い次第に濃縮されていく。そして、不純物の濃縮が進むと蒸発水の沸騰に伴い、水面の波立ちや泡立ちが激しくなり、蒸気と一緒に湯の飛沫が飛び散る問題が生じる。
また、蒸発水槽中の不純物の濃縮により、スケール(缶石)の析出量も多くなり、これを除去する必要が生じる。スケールは、一旦析出すると再び水に溶けることはなく、蒸発水槽内に堆積して加湿器自体に障害を与え、故障の原因となるからである。
一方、蒸発水槽中の水を部分的に入れ換え、不純物の濃縮度を低減するため、自動ブロー装置が装備されることがある。しかしながら、ブロー操作時には十分な加湿量が得られず、特に高精度の湿度制御が要求される恒温恒湿室や、年間を通じて24時間連続加湿が行われる電算室などでは、ブロー操作時の加湿機能の低下が問題となる。また、無響室やスタジオ、研究室、手術室、寝室等では、騒音がない加湿が要求されるが、水位制御(電磁弁、フロートバルブ)や給水圧による音を無くすことは出来なかった。
さらに、従来の加湿器では、堆積したスケールを除去する清掃作業を年に何度も行う必要があり、その都度運転を停止せざるを得ず、メンテナンスの煩雑さと作業コストが嵩む難がある。
したがって、本発明の目的は、スケールの析出を抑え、ブロー操作を不要化してメンテナンス労力を軽減することにある。
前記目的を達成して課題を解決するため、本発明に係る加湿器は、水を収容し該収容した水を加熱する加熱手段を備えて水蒸気を発生可能な蒸発水槽と、該蒸発水槽に供給する水を取り入れる給水口とを備えた加湿器であって、前記蒸発水槽と前記給水口との間に、活性炭により前記蒸発水槽への供給水を濾過する活性炭濾過手段と、該活性炭濾過手段を通過した濾過水を取り入れてさらに逆浸透膜を通過させる逆浸透膜手段と、該逆浸透膜手段の前段に設けられ、前記蒸発水槽への供給水が通過可能でかつ前記加熱手段に由来する熱を吸収可能な熱交換手段とを備える。
本発明の加湿器では、給水口から水を取り入れ、この水を蒸発水槽に供給する。蒸発水槽では、槽内に収容した水を加熱手段により加熱し、水蒸気を発生させる。ここで、給水口と蒸発水槽との間には、活性炭濾過手段と逆浸透膜手段とを設けてある。給水口から取り入れられた給水は、活性炭濾過手段を通過することにより、有機物質や残留塩素、コロイド状の鉄錆などの懸濁物質等が除去される。また、活性炭濾過手段を通過し濾過された給水は、さらに逆浸透膜手段を通過し、水中に電離している無機成分であるミネラル分や、ウイルス、細菌等の微小物質が除去される。
このように本発明の加湿器では、蒸発水槽に供給される給水中に含まれるほぼ総ての不純物を活性炭濾過手段と逆浸透膜手段により除去することが出来るから(僅かに低分子量の無機イオンのみがリークするだけである)、蒸発水槽内の保有水は濃縮されず、従来必要であった自動ブロー操作を省くことが可能となる。また、スケールの堆積も起こらず、メンテナンス作業の煩雑さを回避することが出来る。さらに、ブローが不要となるため、排水電磁弁は必要なく、また給水もフロートバルブ式を採用することが可能で、これによれば僅かな加湿量分を連続して給水すれば良くなるから、水の噴射音やウォーターハンマーによる振動音の発生も防ぐことが出来る。
上記本発明に係る加湿器では、蒸発水槽、活性炭濾過手段および逆浸透膜手段を単一のケース内に収容することが望ましい
単一のケースに収容することで、設置や取扱いに便利なコンパクトな加湿器を形成し提供することが出来る。
また、上記本発明に係る加湿器では、蒸発水槽への供給水が通過可能でかつ前記加熱手段に由来する熱を吸収可能な熱交換手段を前記逆浸透膜手段の前段に設ける
かかる熱交換手段を設けることで、逆浸透膜手段に供給される水が当該熱交換手段を通過することにより加温されることとなる。このように加温する理由は、次のとおりである。
逆浸透膜を通過することにより得られる純水の量は、一般に流入される水の圧力が低ければ少なくなり、また水温が低いと同様に少なくなる。したがって、例えば水道水を給水として使用する場合を想定すると、加湿器の設置する場所の水道水圧が低い場合、また冬季のように水温が低い場合、さらにこれらの条件が重なったような場合には、逆浸透膜手段を通過して蒸発水槽に供給される水の量が少なくなることが予想される。
より具体的には、逆浸透膜による純水採取量は、例えば水温10℃で水温20℃のときに較べ約2分の1となり、また水圧が例えば0.1MPaであれば、水圧が0.2MPaのときと比較して約2分の1となる。したがって、これらの条件が重なった場合には、通常時(水圧:0.2MPa,水温:20℃)の10〜11L/hの採取量に対して、その約4分の1の2.5L/h程度しか純水が採取できず、加湿必要量にもよるが、蒸発水槽への給水が十分に行われないこともあり得る。
このため、本発明の加湿器では、逆浸透膜手段に供給する水を加温することによって逆浸透膜手段により処理される水の量を増やし、蒸発水槽への給水量を増加させて水蒸気発生可能量を増大させる。この加温は、蒸発水槽に設けた加熱手段に由来する熱(例えば廃熱あるいは余熱)を利用するから、加温のための熱源手段を改めて設ける必要がなく、装置コスト並びに消費エネルギの点で有利である。さらに、逆浸透膜による処理水量を増やすには、ポンプにより水圧を高めることも考えられるが、本発明の加湿器では、上記のような加温方法によるからポンプを設ける必要がなく、この点でも装置コストを抑え、コンパクトな加湿器を構成することが可能である。
上記本発明の加湿器では、熱交換手段が、蒸発水槽から発生される熱を吸収可能に前記ケース内に配した吸熱管を含むようにしても良い
前記加熱手段による加熱によって蒸発水槽から熱が発生され、ケース内が暖められることとなるが、かかる加湿器では、この熱を利用して逆浸透膜手段への供給水を加温する。
吸熱管は、蒸発水槽または蒸発水槽に接続された水蒸気導出管の外面に熱交換可能に接触して配置しても良いし、蒸発水槽または蒸発水槽に接続された水蒸気導出管の内部に配置することも可能である。このような構成によれば、吸熱管による吸収熱量を増大させ、逆浸透膜手段に供給する水の温度をより高くすることが可能となる。
本発明に係る加湿器によれば、スケールの析出を抑え、ブロー操作を不要化してメンテナンス労力を軽減することが出来る。
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。
(加湿器の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る加湿器を示すものである。同図に示すように、この加湿器11は、加湿を行うための蒸発水を内部に収容する蒸発水槽13と、蒸発水槽13内の水を加熱して水蒸気を発生させる電気ヒータ14と、給水口21から取り入れた水を濾過する濾過器31と、濾過器31を通過した濾過水をさらに浄化するため濾過器31の後段に設けた浄水器32とを備え、これら各構成(蒸発水槽13、電気ヒータ14、濾過器31および浄水器32)を単一のケース12内に収容したものである。
濾過器31は、活性炭フィルタを備え、給水口21から取り入れた水(例えば水道水)に含まれるカルシウムやマグネシウム等のミネラル分、鉄分、有機物質、残留塩素、懸濁物質等を該活性炭フィルタにより濾過するものである。尚、該濾過器31に使用する活性炭としては、木材、ヤシガラ、石炭(歴青炭,褐炭,亜炭)または石油ピッチ等を原材料とした各種の活性炭が使用可能である。また、複数種類の活性炭を組み合わせて(例えば繊維状活性炭とヤシガラ活性炭など)使用することも可能であり、使用する水(給水口21から取り入れる水)の水質に応じて適宜選択することが出来る。
一方、浄水器32は、逆浸透膜を備え、濾過器31によって濾過された水を該逆浸透膜によりさらに浄化するものである。この逆浸透膜としては、特定種類の膜に限定されるものではないが、例えば芳香族ポリアミドやアセチルセルロース等の中空繊維によって形成した膜や、多孔性膜の表面に薄い半透膜を付けた複合膜等の逆浸透膜を使用することが可能である。また、浄水器32の前段には、浄水器32(逆浸透膜)に供給される水の圧力を監視するため、水圧計33を設ける。
上記濾過器31および浄水器32は、送水管路途上の所定位置に対し着脱可能ないわゆるカートリッジ形式とすることが望ましい。当該加湿器(フィルタおよび逆浸透膜)の経年使用によってそれらの機能が低下した場合に容易に交換できるようにし、メンテナンス時の利便性を向上させるためである。尚、本実施形態の構成によれば、濾過器31の活性炭フィルタカートリッジの交換は、例えば6000時間運転毎、浄水器32の逆浸透膜カートリッジの交換は、例えば5年程度毎に行えば済む。
また、逆浸透膜は長時間塩素に晒されると、耐久性が低下する側面を有する。しかしながら本実施形態の加湿器11では、逆浸透膜(浄水器32)の前段に濾過器31を設け、活性炭フィルタにより原水(水道水や工業用水等)に含まれる残留塩素を除去するから、逆浸透膜の寿命を延ばし、メンテナンス(カートリッジ交換)回数を減らすことが可能となる。
さらに、逆浸透膜(浄水器32)と吸熱管25(後に詳しく述べる)の間に濾過器31を介在させることにより、吸熱管25で吸収された廃熱を蓄熱することができ、また逆浸透膜(浄水器32)への高温水の流入を防ぐことが出来る。
蒸発水槽13の前段には、接続管17によって蒸発水槽13と連通する給水水槽15を設け、この給水水槽15にはフロートバルブ16を設ける。このフロートバルブ16は、浄水器32から給水水槽15に流入する水の量を調整して給水水槽15(従ってこれに連通する蒸発水槽13)の水位を一定レベルに維持する。
また該フロートバルブ16には、水位が一定レベル以下になると検出信号を出力する水位検知手段(例えば近接スイッチ(リードスイッチ))を設けるとともに、該検出信号に基づいて点灯し水位が一定レベル以下であることを知らせる断水表示灯を当該加湿器11の制御パネル(図示せず)に設ける。したがって、蒸発水槽13の水位が一定レベル以下の場合には、かかる断水表示灯が点灯する。
さらに、給水水槽15の底面部には、蒸発水槽13と給水水槽15内の水を排出するため排水口43に通じる排水管41と、該排水管41の開閉を行う排水バルブ42とを設けてある。メンテナンス時には、排水バルブ42を開け、排水管41を通じて両水槽13,15内の水を排水口43から排出することが出来る。また、排水口43には、浄水器32内の水を排出するため浄水器底面部に設けたブロー管35が接続されており、該ブロー管35に設けたブロー量調整バルブ36を操作することにより、浄水器32内の水を排水口43に排出することが可能である。
蒸発水槽13には、内部に貯留された水を加熱し、水蒸気を発生させる電気ヒータ14を設けるとともに、発生した水蒸気を蒸気配管(図示せず)に導く蒸気取出管18を蒸発水槽13の上面部に設ける。蒸発水槽13から発生された水蒸気は、該蒸気取出管18から蒸気配管に導かれ、蒸気配管を通じて加湿場所に送られる。
また、ケース12内の蒸発水槽13の周囲近傍位置(例えば上部)には、給水口21からの水を内部に通して濾過器31に送水しかつケース12内の熱(廃熱)を吸収可能な吸熱管25を配置する。加湿器ケース12の内部は、電気ヒータ14によって加熱される蒸発水槽13からの熱で暖かくなるが、この蒸発水槽13からの廃熱を利用し、浄水器32(逆浸透膜)に流れ込む供給水を加温するためである。吸熱管25は、給水口21と濾過器31との間に挿入し、吸収熱量を増大させるため、熱伝導率の高い材料(例えば銅管)により形成する。給水口21から取り入れられた水は、かかる吸熱管25内を通過する間にケース12内の熱を吸収し、加温される。
尚、加温による効果を具体的に述べれば、該加温により水温が例えば40℃となった場合には、水温25℃の場合と比較して、浄水器32(逆浸透膜)で得られる処理水の量は、約40%増加する。
吸熱管25の配置形態は、蒸発水槽13の熱を利用できる形態であればこのほかの形式とすることも可能である。例えば、さらに積極的に吸熱(熱交換)を行うため、吸熱管25を蒸発水槽13の外面、または蒸気取出管18(水蒸気導出管)の外面に巻き付けてこれら蒸発水槽13または蒸気取出管18に接触させるよう配置しても良い。この場合、吸熱管25を接触させる蒸発水槽13または蒸気取出管18の周壁部は、熱交換効率を高めるため、吸熱管と同様に銅などの熱伝導率の高い材料により構成することが望ましい。
さらに、蒸気取出管18の内部、蒸発水槽13内の上部空間、あるいは蒸発水槽13内の貯留水中に浸るように吸熱管25を配置するなど、蒸発水槽13から発生される水蒸気または蒸発水槽13内の水に直接晒されるような配置構成をとることも可能である。このような配置形態とする場合には、蒸気取出管18内または蒸発水槽13内で螺旋を描くように(コイル状に)、あるいは蛇行するように(ミアンダ状に)吸熱管25を形成すれば、熱交換可能な面積を増大させ、蒸発水槽13の熱をより効率よく利用することが可能となる。
尚、吸熱管25は、逆浸透膜に供給される水を加温するという観点からは、浄水器32(逆浸透膜)の前段に挿入されていれば良いから、必ずしも濾過器31の前段に設ける必要はなく、例えば濾過器31と浄水器32との間に設けることも可能である。
濾過器31と給水水槽15との間には、浄水器32を迂回して濾過器31と給水水槽15との間を短絡するバイパス管路45と該バイパス管路45の開閉を行うバルブ46を設ける。このバイパス管路45は、後に述べるように加湿器11の運転を開始する最初に使用するもので、該バイパスバルブ46を開放すれば、濾過器31から流出される濾過水は、浄水器32を通過することなく、給水水槽15に直接流れ込む。
さらに加湿器11は、例えば水道配管に接続されて蒸発水槽13に供給する水を取り入れる給水口21と、給水口21を開閉する電磁バルブ22と、ケース12内に水が溢れ出たことを検知する溢水検知センサ51とを備える。溢水検知センサ51は、ケース12内での水漏れを検知すると制御部(図示せず)に検出信号を出力し、該制御部はこの検出信号に基づいて給水口21の電磁バルブ22を閉止して給水口21からの水の給水を遮断する。これにより、加湿器11からの漏水事故を防ぐことが出来る。
(運転開始時)
加湿器11の運転開始時には、制御パネルの運転スイッチの閉成操作によって給水口21の電磁バルブ22とバイパスバルブ46が開かれ、給水口21から流入した水が、吸熱管25、濾過器31およびバイパス管45を通って給水水槽15内に流れ込み、接続管17を通じて蒸発水槽13内に供給される。そして、蒸発水槽13に所定の水位まで水が溜まると、断水表示灯が消灯するとともにバイパスバルブ46が閉鎖される。このとき、水圧計33で給水口21から供給される水の水圧が、逆浸透膜(浄水器32)による浄水処理に必要な値(例えば0.1MPa)以上であることを確認することが可能である。
(定常運転時)
電気ヒータ14により蒸発水槽13内の水が熱せられて加湿が始まると、給水口21から取り入れられた水は、吸熱管25を通過することによって温められた後、濾過器31に流入する。濾過器31では、活性炭フィルタによって有機物や残留塩素、コロイド状の鉄錆などの不純物が除去され、濾過された水は浄水器32に送られる。浄水器32では、逆浸透膜によって水に電離している無機成分であるミネラル分や微小ウイルス等の細菌がさらに取り除かれ、浄化された水は給水水槽15に送られて蒸発水槽13に流入する。そして、蒸発水槽13内で電気ヒータ14により加熱され、水蒸気となって蒸発して蒸気取出管18および蒸気配管を通じて加湿場所に送られる。
(本発明または実施形態の加湿器の特長)
本発明(または前記実施形態)に係る加湿器の特長をまとめて述べれば、次のとおりである。
(1)電気ヒータにより高精度の加湿が可能である。濾過器(活性炭フィルタ)および浄水器(逆浸透膜)による浄化手段を内蔵しているから、蒸発水槽の貯留水を入れ替えるブロー操作が不要であり、従来のようにブロー時の加湿ダウンが生じることがない。
(2)活性炭フィルタと逆浸透膜によって蒸発水中の不純物をほぼ完全に取り除くことが出来るから、クリーンな加湿を実現することが出来る。
(3)また、泡立ちや詰まりによるトラブルが生じ難く、信頼性が高い。
(4)逆浸透膜による処理を行う前に蒸発水槽の熱を利用して加温を行うから、供給水の水圧が低い場合や、冬季あるいは寒冷地のような水温が低い場合にも、十分な量の蒸発水を確保し、加湿を行うことが可能である。また、ポンプを使用する必要もない。
(5)消耗部品(活性炭フィルタカートリッジ、逆浸透膜カートリッジ等)を簡便に交換することが可能で、メンテナンス性に優れる。
(6)必要な構成がケース内に一体に収納されているから、取扱いが簡便で設置工事に手間を要しない。
(7)また、浄水器を別に取り付ける必要がなく、ポンプも必要ないから、設置スペースが小さくて済む。
(8)溢水検知センサを備えているから、例えばメンテナンス時に濾過器フィルタや浄水器フィルタの取付け(配管との接続部の締め)が甘く、あるいは排水配管(排水口)が詰まるようなことがあっても、給水が自動的に遮断され、水漏れ事故を防ぐことが出来る。したがって安全性が高い。
(9)運転音が小さく騒音を生じない。従来の加湿器では、ブロー・給水時等の電磁弁やヒータをオンオフする電磁スイッチの動作音が生じたが、給水はフロートバルブにより調整されて僅かしかなく、また自動ブローが不要で排水電磁弁も使用しないから、運転時に騒音を生じることがほとんどなく静かである。
(好適な用途)
上記のような特長を備えているため、例えば、恒温恒湿室や各種試験室、クリーンルーム、電子部品工場、印刷校正室、美術館展示室、収蔵庫、電算室、一般保健空調室、手術室、寝室その他様々な場所で使用するのに好適である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。
本発明に係る加湿器の一例を示す概念図である。
符号の説明
11 加湿器
12 装置ケース
13 蒸発水槽
14 電気ヒータ
15 給水水槽
16 フロートバルブ
17 接続管
18 蒸気取出管
21 給水口
25 吸熱管
31 濾過器(活性炭フィルタ)
32 浄水器(逆浸透膜)
33 水圧計
35 ブロー管
36 ブロー量調整バルブ
41 排水管
42 排水バルブ
43 排水口
45 バイパス管
46 バイパスバルブ

Claims (5)

  1. 水を収容し、該収容した水を加熱する加熱手段を備えて水蒸気を発生可能な蒸発水槽と、
    該蒸発水槽に供給する水を取り入れる給水口と、
    を備えた加湿器であって、
    前記蒸発水槽と前記給水口との間に、
    活性炭により前記蒸発水槽への供給水を濾過する活性炭濾過手段と、
    該活性炭濾過手段を通過した濾過水を取り入れてさらに逆浸透膜を通過させる逆浸透膜手段と、
    該逆浸透膜手段の前段に設けられ、前記蒸発水槽への供給水が通過可能でかつ前記加熱手段に由来する熱を吸収可能な熱交換手段と、
    を備えたことを特徴とする加湿器。
  2. 前記蒸発水槽、活性炭濾過手段および逆浸透膜手段を単一のケース内に収容した
    ことを特徴とする請求項1に記載の加湿器。
  3. 前記熱交換手段は、前記蒸発水槽から発生される熱を吸収可能に前記ケース内に配された吸熱管を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の加湿器。
  4. 前記熱交換手段は、前記蒸発水槽または前記蒸発水槽に接続された水蒸気導出管の外面に熱交換可能に接触して配置された吸熱管を含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の加湿器。
  5. 前記熱交換手段は、前記蒸発水槽または前記蒸発水槽に接続された水蒸気導出管の内部に配置された吸熱管を含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の加湿器。
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